JP2002250340A - 直動軸受 - Google Patents

直動軸受

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JP2002250340A
JP2002250340A JP2001050506A JP2001050506A JP2002250340A JP 2002250340 A JP2002250340 A JP 2002250340A JP 2001050506 A JP2001050506 A JP 2001050506A JP 2001050506 A JP2001050506 A JP 2001050506A JP 2002250340 A JP2002250340 A JP 2002250340A
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JP
Japan
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roller
shaft
guide
cylinder
peripheral surface
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JP2001050506A
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English (en)
Inventor
Masanori Mochizuki
正典 望月
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ISEL Co Ltd
Original Assignee
ISEL Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 直動軸受において、相対移動部の移動抵抗が
軽減できると共に相対移動距離を長くできるようにする
こと。 【解決手段】 筒(2)の内周面に軸(1)の外周面部(11)と
対面するガイド面(21)を有する凹溝(20)が形成され、筒
(2)の胴部にはローラ(31)の復帰移動路となるリターン
通路(22)が貫通形成され、筒(2)の両端にはリターン通
路(22)に案内する屈曲通路(40)が設けられ、ガイド面(2
1)と外周面部(11)との間、リターン通路(22)及び屈曲通
路(40)に多数のローラ(31)が横向き姿勢に充填されると
共にこれらローラ(31)の両端に無端チェーン(6)が架け
渡されてローラ(31)同士が接触しない状態に連結配列さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、 筒に対して軸を
転がり移動機構を介して直線移動状態に貫通させた直動
軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の直動軸受として、すでに、ボー
ルを筒状の保持器に保持させたもの(特公昭62-48089
号)が提案されているが、このものは、筒及び軸とのボ
ールの接触が点接触となることから、直進移動を繰り返
す直動軸受での耐久性の問題がある。また、筒と軸との
間に相対回転方向のトルクが加わったときのこのトルク
に対する抗力、つまり、回転阻止力が不十分であった。
また、ボールとの前記点接触部の耐磨耗性が不十分であ
ることから、転がり移動部の抵抗が不十分であった。こ
の問題を解決するものとして、実開昭58-137524号には
筒部の平面部に対して、軸の平面部に形成した凹部に配
置され回転自在に軸支される複数のローラを転がり接触
させる形式の直動軸受がある。このものはローラが前記
凹部において軸支されることから、前記ボール式のもの
ような保持器が不要であるが、軸と筒との間にローラが
転がり移動状態に介在されるものではないから、前記両
者の移動抵抗を十分には軽減できないと言う問題があ
る。また、軸にローラを軸支するものであるから筒と軸
との相対移動距離が長くできないという問題がある。ロ
ーラが筒を外れた条件では相対移動が不能になるかであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、『筒に対し
て軸が一定姿勢を維持した状態で直線的に相対移動する
ように貫通する直動軸受』において、相対移動部の移動
抵抗が軽減できると共に相対移動距離を長くできるよう
にすることをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の技術的手段は、『前記筒の内周面には軸線に
平行な複数の凹溝が形成され、この凹溝の底部となるガ
イド面が前記軸の外周面部と対面されると共に前記ガイ
ド面と前記外周面部との間にローラが予圧状態に介在さ
れ、前記筒の胴部には前記ガイド面の背面側に前記ロー
ラの復帰移動路となるリターン通路が貫通形成されてお
り、前記筒の両端には前記ローラを前記ガイド面と前記
外周面部との間から前記リターン通路に案内する屈曲通
路が設けられ、前記ガイド面と前記外周面部との間、前
記リターン通路及び前記屈曲通路に多数の前記ローラが
横向き姿勢に充填されると共にこれらローラの両端に無
端チェーンが架け渡されてローラ同士が接触しない状態
に連結配列されている』ことである。
【0005】上記技術的手段は次のように作用する。軸
と筒とが相対移動すると、軸の前記外周面部と筒の前記
ガイド面との間に介在され、無端チェーンで連結配列さ
れたローラが転がり移動状態で移動する。軸が繰り出さ
れる側の端部にあるローラは筒におけるこの端部の屈曲
通路を介してリターン通路側に案内され、このリターン
通路内にあるローラは前記繰り出し方向とは逆の方向に
移動する。そして、他方の端部の屈曲通路側では軸の前
記外周面部と筒の前記ガイド面との間にローラが前記リ
ターン通路から補給される。このようにして、ローラ
が、「ガイド面と外周面部の間」、「一方の端部の屈曲
通路」、「リターン通路」、「他方の端部の屈曲通
路」、「ガイド面と外周面部の間」、の経路で循環す
る。
【0006】したがって、前記ガイド面と前記外周面部
との間にローラが常に介在されるから、軸の長さが無限
大であっても筒に対して直線移動できる。しかも、軸の
外周面部と筒のガイド面の間に予圧状態に介在されるロ
ーラが常に転がり接触状態にあり、前記外周面部と前記
ガイド面との相対移動部分に滑り接触部が生じないか
ら、軸の移動抵抗が軽減できる。
【0007】また、前記ローラは、すべてが無端チェー
ンによって互いに接触しない状態で連結配列されている
から、ローラ同士が接触することなく同期的に移動し、
すべてのローラが上記した循環経路で円滑に移動する。
すなわち、ローラに無端チェーンを架け渡すことで、屈
曲経路内やリターン通路内の如きローラが予圧状態にな
らない場所においてもローラが蛇行しローラ詰まりが生
じるようなこともない。
【0008】また、『前記無端チェーンは、1本のチェ
ーンの前後端が係合片となっており、この前後端の係合
片を合わせて係合凸部を形成し、この係合凸部を、ロー
ラのローラ部の長さと略等しい筒状のタイロッドの端部
に配置すると共に外側からピンを指し込んで固定させ無
端状に構成されたもの』では、前記タイロッドによって
1本のチェーンの両端をつないで無端状のチェーンを簡
単に構成することができる。
【0009】また、『前記無端チェーンは、合成樹脂か
らなり、前記リターン通路は、横断面両端部において前
記無端チェーンが収まる大きさに形成され、無端チェー
ンが少なくともその片面が接触状態で移動する空間とな
るガイド溝部と、横断面中央部において前記ローラの最
大直径よりも大きく形成され、ローラ中央のローラ部が
非接触状態で移動する空間となるガイド孔部とを有す
る』ものでは、リターン通路内でローラがガイド孔部に
接触して騒音を発することがない。また、ガイド溝部で
は無端チェーンが接触状態にあるが、無端チェーンが合
成樹脂からなるので、金属製のチェーンと比べガイド溝
部での接触移動に伴う騒音も大きく低減される。したが
って、リターン通路内でのローラの移動による騒音は非
常に小さくなる。また、ガイド溝部では無端チェーンが
接触状態にあるから、無端チェーンがガタつくこともな
く円滑に移動される。
【0010】なお、『前記軸は、断面円形の胴部を有す
る円柱状の丸軸であり、前記筒は、内周面が前記軸の外
周面部に沿った円周形状であり、前記ローラは、ローラ
部中央が全周に渡って前記軸の外周面部の円周形状より
わずかに大きい円周形状となる円弧状の窪み部が形成さ
れたもの』では、ローラと軸の外周面部とが略一致した
状態で接触するから、軸の直動性をより向上させること
ができる。
【0011】ここで、前記ガイド面は、軸の外周面部に
おける断面円弧状と略一致する断面円弧状の凸面でもよ
い。また、前記軸の直径がφDとするとその外周面部に
おけるRが0.52D程度となるが、このときの前記ロ
ーラ部の窪み部におけるRは、0.51〜0.58D程
度に設定してもよい。
【0012】また、『前記軸は、軸線に平行な複数の平
面部が周方向に間隔をあけて配置されており、前記筒
は、この軸の平面部と対面するように前記ガイド面が形
成されており、前記ローラは、ローラ部が略円柱状に形
成されたもの』でも、ローラと軸の平面部とが略一致し
た状態で接触するから、軸の直動性をより向上させるこ
とができる。ここで、前記ガイド面は、平面であって
も、500R〜1000R程度の断面円弧状の凸面であ
ってもよい。
【0013】
【発明の効果】以上のように本発明によると、軸と筒と
の相対移動長さが長く設定できる。例えば軸の長さが無
限大であっても筒に対して直線移動できる。また、軸の
外周面部と筒のガイド面の相対移動部分にはすべり接触
部が生じないから移動抵抗が軽減できる。さらに、無端
チェーンによってローラ同士が接触することなく同期的
に移動するから、すべてのローラが循環経路で円滑に移
動し、軸の直動が円滑に行える。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形
態による直動軸受の一部切り欠いた側面図を示し、この
図1に示すように、実施の形態の直動軸受は、軸(1)
と、この軸(1)を貫通させた筒(2)と、これらの間に介在
させた多数のローラ(31)とを具備する。この実施の形態
では、例えば、軸(1)は、固定ベッドに直立されるガイ
ド軸であり、このガイド軸に所定のストローク昇降する
筒(2)が外嵌されており、また、この筒(2)は、昇降テー
ブル(T)に取り付けられるものである。
【0015】前記軸(1)は、横断面形状が円形で円周状
の外周面部(11)を有する円柱形状であり、前記筒(2)
は、内周面が前記軸(1)の外周面部(11)に沿った円周状
に形成されている(図5を参照。)。
【0016】そして、前記筒(2)の内周面には軸線に平
行な6つの凹溝(20)が形成され、この凹溝(20)の底部が
ガイド面(21)となり、このガイド面(21)が前記軸(1)の
外周面部(11)と対面されると共に前記ガイド面(21)と前
記外周面部(11)との間にローラ(31)が予圧状態に介在さ
れている。前記筒(2)の胴部には前記ガイド面(21)の背
面側に前記ローラ(31)の復帰移動路となるリターン通路
(22)が貫通形成されている。また、前記筒(2)の両端に
は前記ローラ(31)を前記ガイド面(21)と前記外周面部(1
1)との間から前記リターン通路(22)に案内する屈曲通路
(40)が設けられている。
【0017】前記ローラ(31)は、図2の拡大図に示すよ
うに、前記ガイド面(21)と前記外周面部(11)との間、前
記屈曲通路(40)及び前記リターン通路(22)からなる循環
経路に横向き姿勢で多数充填されると共にこれらローラ
(31)の両端に合成樹脂製の無端チェーン(6)が架け渡さ
れてローラ(31)同士が接触しない状態に連結配列されて
いる。したがって、この直動軸受では、前記ローラ(31)
すべてが無端チェーン(6)によって互いに接触しない状
態で連結配列されているから、ローラ(31)同士が接触す
ることなく同期的に移動するようになっている。
【0018】これらローラ(31)は、図3、図4に示すよ
うに、円柱状のローラ部(311)の両端から小径軸部(310)
を突出形成させており、この小径軸部(310)に前記無端
チェーン(6)が架け渡されて横向き状態に配列されてい
る。この配列されたローラ(31)の1個おきに、円筒状の
タイロッド(61)が配置され、このタイロッド(61)の両端
に無端チェーン(6)を挟むようにしてピン(62)を差し込
んで挟持させている。前記ピン(62)は、図4に示すよう
に、ピン頭の裏側が係合凹部(621)となっており、この
係合凹部(621)が無端チェーン(6)の係合凸部(60)と係合
される。これにより、無端チェーン(6)をタイロッド(6
1)の両端に確実に保持させている。また、前記無端チェ
ーン(6)は、1本のチェーンの前後端が三日月状の係合
片(63)となっており、この前後の係合片(63)を合わせて
前記係合凸部を形成しタイロッド(61)とピン(62)で連結
させて無端状に構成される。
【0019】前記タイロッド(61)は、ローラ(31)のロー
ラ部(311)の長さと略等しく形成されている。これによ
り、ローラ(31)の両端に架け渡された無端チェーン(6)
間の距離を前記タイロッド(61)の長さ、すなわち、ロー
ラ(31)のローラ部(311)の長さに保持できる。また、前
記タイロッド(61)は、ローラ(31)のローラ部(311)より
も小径に形成されており、これによって、上記循環経路
内の壁面に接触することがなくローラ(31)の移動を妨げ
ることもない。しかも、前記タイロッド(61)は、配列さ
れたローラ(31)の1個おきに配置されるから、無端チェ
ーン(6)を全域にわたってローラ部(311)の長さ間隔に保
持できる。したがって、上記循環経路内においてローラ
(31)が無端チェーン(6)から脱落することもなく円滑に
移動する。
【0020】また、ローラ(31)のローラ部(311)中央が
全周に渡って前記軸(1)の外周面部(11)と略一致する円
弧状の窪み部が形成されている。これによって、ローラ
(31)と軸(1)の外周面部(11)とが略一致した状態で接触
するから、軸(1)の直動性を向上させることができる。
なお、軸(1)の直径がφDとするとその外周面部(11)に
おけるRが0.52D程度となるが、このときの前記ロ
ーラ部(311)の窪み部におけるRは、0.51〜0.5
8D程度に設定してもよい。一方、前記ローラ(31)を充
填する筒(2)は、図5、図6に示すように、その内周面
に凹溝(20)が設けられ、その胴部にはこの凹溝(20)の対
応位置に前記リターン通路(22)を構成する孔部(30)が設
けられている。
【0021】前記凹溝(20)は、断面形状が前記ローラ(3
1)の縦断面形状に略一致しており、その底部がローラ(3
1)のローラ部(311)における円弧状の窪み部と略一致す
る円弧状凸面のガイド面(21)となっている。なお、この
ガイド面(21)は、断面円弧状の凸面に形成されるが、平
面であってもよい。そして、このガイド面(21)の両側に
略横U字状のガイド溝部(25)が内向きに対向する形状に
形成されており、筒(2)の内周面と繋がる端部が舌片部
(251)となっている。このガイド溝部(25)が前記ローラ
(31)両端に架け渡される無端チェーン(6)の収容空間と
なっており、無端チェーン(6)がガタつかない大きさに
設定される。
【0022】前記孔部(30)におけるリターン通路(22)
は、断面形状がローラ(31)の縦断面形状よりやや大きく
相似な形状に形成されている。このリターン通路(22)
は、ローラ(31)のローラ部(311)が非接触状態で通過す
る大きさに設定された矩形状のガイド孔部(32)を有す
る。したがって、ローラ(31)がリターン通路(22)内を通
るときにローラ(31)がガイド孔部(32)に接触して騒音を
発することがない。また、このガイド孔部(32)の両側に
は略横U字状のガイド溝部(35)が内向きに対向する構成
となっている。このガイド溝部(35)は、前記凹溝(20)に
おけるガイド溝部(25)と略同形であり、無端チェーン
(6)が少なくともその片面で接触状態で移動する空間と
なる。このように、ガイド溝部(35)では無端チェーン
(6)が接触状態にあるが、無端チェーン(6)が合成樹脂か
らなるので、金属製のチェーンと比べガイド溝部(35)で
の接触移動に伴う騒音も大きく低減される。したがっ
て、リターン通路(22)内でのローラ(31)の移動による騒
音は非常に小さくなる。また、ガイド溝部(35)では無端
チェーン(6)が接触状態にあるから、無端チェーン(6)が
ガタつくこともなく円滑に移動される。
【0023】そして、前記孔部(30)には、連通路(27)を
介して前記リターン通路(22)と連通させた溝部(23)が内
側(前記凹溝(20)側)に形成されており、この溝部(23)
には潤滑剤含有材(24)としてのフェルトが挿入されてい
る。また、前記溝部(23)における前記リターン通路(22)
の反対側壁面には凸条(26)が突出しているから、圧肉帯
状の前記潤滑剤含有材(24)を挿入すると、その断面の一
部が前記リターン通路(22)との連通部(27)からリターン
通路(22)側に露出する。
【0024】このように、『前記筒(2)の胴部には、前
記リターン通路(22)と連通する溝部(23)が貫通形成さ
れ、前記溝部(23)に潤滑剤含有材(24)が収容されてい
る』ので、ローラ(31)にはリターン通路(22)の移動中に
潤滑剤含有剤(24)から潤滑剤が塗布されるから、ガイド
面(21)と外周面部(11)との間でのローラ(31)の焼き付き
が確実に防止でき、直動軸受の耐久性が向上する。な
お、前記溝部(23)は、リターン通路(22)の内側に形成す
るが、外側に形成するものでもよい。
【0025】前記孔部(30)及び前記凹溝(20)の両端部
は、前記筒(2)の端面に開放しているが(図5を参
照。)、この端面には、図7に示すような環状の蓋体(5
0)が取り付けられている。この蓋体(50)は、ローラ(31)
を前記筒(2)の端面で半径方向に移動させるための案内
部材たる外ガイド(5)が形成されたものである。
【0026】前記外ガイド(5)には前記ローラ(31)の移
動路たる屈曲通路(40)の外周面となる内周曲面(51)が前
記6つの凹溝(20)に合わせて円周を6等分した位置に放
射状に形成されている。また、前記筒(2)の端面と前記
外ガイド(5)との間には、図1、図2に示すように、円
周を6等分した位置に内ガイド(4)が介在されている。
【0027】前記内ガイド(4)は、図8(a)(b)に示す
ように、前記移動路の内周面となる外周曲面(41)を具備
させた半円柱体で、前記筒(2)の端面に固定されてお
り、全体の大きさはローラ(31)よりも大きく構成され、
リターン通路(22)を残して溝部(23)及びガイド面(21)ま
での端面部を閉塞する大きさに設定されている(図5を
参照。)。そして、このように位置決めした状態で、外
周曲面(41)と反対の裏面部には前記リターン通路(22)と
連通する溝部(23)と一致する位置に舌片(42)が突出形成
されている。
【0028】他方、前記内ガイド(4)の外周曲面(41)に
外接する半円形の押え溝(52)が前記外ガイド(5)の内周
曲面(51)の両端に設けられた隔壁部(53)を形成する。し
たがって、前記舌片(42)を前記溝部(23)に嵌め込んで周
方向の位置決めをして蓋体(50)を取り付けると、前記押
え溝(52)によって内ガイド(4)の外周曲面(41)に外接す
る態様に前記内ガイド(4)が位置決め固定されることと
なる。
【0029】このように、『前記屈曲通路(40)は、前記
リターン通路(22)の前記溝部(23)に位置決め状態に嵌着
される舌片(42)を有する内ガイド(4)と前記内ガイド(4)
を包囲する外ガイド(5)とからなり、前記内ガイド(4)
は、前記ローラ(31)と接触する円弧状曲面からなる外周
曲面(41)を有し、前記外ガイド(5)は、前記外周曲面(4
1)と同心状の内周曲面(51)を前記ガイド面(21)の形成位
置に合わせて配置した環状の蓋体(50)である』ので、前
記筒(2)の端部に前記内ガイド(4)と前記外ガイド(5)と
を装着することで前記屈曲経路(40)が正確且つ簡単に形
成できる。
【0030】以上のような筒(2)における溝部(20)及び
リターン通路(22)内に、無端チェーン(6)を架け渡して
連結配列させた必要数のローラ(31)を充填すると共に前
記溝部(23)内に潤滑剤含有材(24)を充填すると、軸(1)
に対して直動状態に外嵌することとなる。
【0031】この組み立てに際しては、例えば、一方の
蓋体(50)を取り外しておいて前後端を連結していないチ
ェーンにタイロッド(61)を1個おきに配置させローラ(3
1)を取り付けた状態で充填し、充填完了したチェーンの
前後端をタイロッド(61)とピン(62)で連結させる。ま
た、潤滑剤含有材(24)も溝部(23)に充填する。次いで、
この開放側の筒(2)の端部に蓋体(50)をネジ止めする。
そして、この筒(2)内に軸(1)を通すと、ローラ(31)が軸
(1)の外周面部(11)と筒(2)のガイド面(21)との間に予圧
状態に介在された状態となる。無端チェーン(6)が凹溝
(20)の両側のガイド溝部(25)に遊嵌状態に収容され、リ
ターン通路(22)に移動した状態でも両側のガイド溝部(3
5)に遊嵌状態に収容される。なお、軸(1)の端部から筒
(2)の一部が突出する位置にまで移動すると、凹溝(20)
が筒(2)の内周面の空間部に露出することから、ローラ
(31)が露出するが、両端の無端チェーン(6)がガイド溝
部(25)に収容保持されるから、前記空間部に脱出するこ
とはない。両端の無端チェーン(6)がガイド溝部(25)の
端部の舌片部(251)によって引っ掛けられるからであ
る。
【0032】筒(2)の端部では、内ガイド(4)の外周曲面
(41)と外ガイド(5)の内周曲面(51)とが同心状に位置し
て半円形の屈曲通路(40)が形成されることとなり(図2
を参照。)、この屈曲通路(40)の軸(1)側の端部は外周
面部(11)に対して略接触する態様に開口しているから、
外周面部(11)とガイド面(21)との間の内通路からローラ
(31)が円滑に前記屈曲通路(40)に導入される一方、屈曲
通路(40)から前記内通路に円滑に移動する。
【0033】また、前記ローラ(31)は、すべてが無端チ
ェーン(6)によって互いに接触しない状態で連結配列さ
れているから、ローラ(31)同士が接触することなく同期
的に移動する。これにより、軸(1)と筒(2)との相対移動
により外周面部(11)とガイド面(21)との間の内通路に充
填されているローラ(31)群が前記屈曲通路(40) 及びリ
ターン通路(22)を介して循環移動する。したがって、軸
(1)は、筒(2)に対して無限に直線移動可能である。前記
リターン通路(22)をローラ(31)が移動する間には、潤滑
剤含有材(24)から潤滑剤が塗布されるから、ガイド面(2
1)と外周面部(11)との間でのローラ(31)の焼き付きが確
実に防止でき、直動軸受の耐久性が向上する。
【0034】また、ローラ(31)は、無端チェーン(6)に
よってローラ(31)同士が接触しない状態で連結配列され
てローラ(31)同士が接触することなく同期的に移動する
ので、ローラ(31)同士の押し合い移動による焼き付きが
生じることもない。特に、この例では、帯状のフェルト
を溝部(23)に挿入すると、凸条(26)によってその断面の
中程がリターン通路(22)側に押出されるから、潤滑剤含
有材(24)は連通部(27)からリターン通路(22)内を移動す
るローラ(31)と確実に接触することとなり、潤滑剤の塗
布効果が向上する。
【0035】しかも、上述のとおり、このものでは、リ
ターン通路(22)内でローラ(31)がガイド孔部(32)に接触
して騒音を発することがない。また、ガイド溝部(35)で
は無端チェーン(6)が接触状態にあるが、無端チェーン
(6)が合成樹脂からなるので、金属製のチェーンと比べ
ガイド溝部(35)での接触移動に伴う騒音も大きく低減さ
れる。したがって、リターン通路(22)内でのローラ(31)
の移動による騒音は非常に小さくなる。
【0036】また、ガイド溝部(35)では無端チェーン
(6)が接触状態にあるから、無端チェーン(6)がガタつく
こともなく円滑に移動される。なお、本発明による直動
軸受は、上記例のものに限定されない。例えば、図9に
示すように、無端チェーン(6)を接続するタイロッド(6
1)は、ローラ(31)の2個おきに配置するようにしてもよ
い。この他に、ローラ(31)の3個おきなど任意個数おき
にタイロッド(61)を配置してもよいし、また、ローラ(3
1)を2個配置してタイロッド(61)を配置し、その次はロ
ーラ(31)を3個配置してタイロッド(61)を配置し、その
次は再度ローラ(31)を2個配置してタイロッド(61)を配
置するなど、多数配列したローラ(31)の適宜箇所にタイ
ロッド(61)を配置するようにしてもよい。
【0037】このように、『前記配列されたローラ(31)
の適宜箇所に、ローラ(31)のローラ部(311)の長さと略
等しく且つローラ(31)よりも小径のタイロッド(61)を配
置し、このタイロッド(61)の両端に前記無端チェーン
(6)が挟持状態にピン(62)で止められている』もので
は、ローラ(31)の両端に架け渡された無端チェーン(6)
間の距離を前記タイロッド(61)の長さ、すなわち、ロー
ラ(31)のローラ部(311)の長さに保持できる。しかも、
前記タイロッド(61)は、配列されたローラ(31)の適宜箇
所に配置されるから、無端チェーン(6)を略全域にわた
ってローラ部(311)の長さ間隔に保持できる。したがっ
て、上記循環経路内においてローラ(31)が無端チェーン
(6)から脱落することもなく円滑に移動させることがで
きる。また、前記タイロッド(61)は、ローラ(31)よりも
小径であるから、上記循環経路内の壁面に接触すること
がなくローラ(31)の移動を妨げることもない。また、タ
イロッド(61)によりチェーンをつなぐことができる。
【0038】また、図10に示すように、軸(1)や筒(2)
の形状変更は可能である。この図10に示すものでは、
軸(1)は、円形断面の胴部を部分的に切削して平面部(1
1)を形成したものであり、6つの平面部(11)相互の間は
円弧状の曲面部となっている。一方、筒(2)の内周面
は、断面円形の内面に前記平面部(11)に一致する位置に
凹溝(20)が形成され、この凹溝(20)の底部が前記平面部
(11)に対面するガイド面(21)となっている。このガイド
面(21)は、平面であっても、500R〜1000R程度
の断面円弧状の凸面であってもよい。そして、前記凹溝
(20)相互の間は円弧状の曲面部となっている。また、環
状の蓋体(50)もこの筒(2)の内周面形状と対応した環形
状のものとする。
【0039】さらに、上記いずれの例でも、凹溝(20)の
数は6つであるが、その形成数や形成箇所なども任意で
よい。また、上記いずれの例でも、凹溝(20)、リターン
通路(22)及び溝部(23)を金属製の一体筒に直接加工形成
するものを想定したが、筒(2)を2分割等いくつかに分
割して前記各部を加工形成し、これら分割部材を組み立
てて接合しリターン通路(22)及び溝部(23)を形成するよ
うにしてもよい。さらに、上記いずれの例でも、前記筒
(2)は、昇降テーブル(T)に取り付けたが、筒(2)を固定
して、軸(1)をネジ軸とネジ対偶する直動軸部としても
良く、この場合には、この軸(1)が例えば直動アクチェ
ータの出力軸となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態による直動軸受を示す側面図であ
る。
【図2】図1中のA部の拡大図である。
【図3】タイロッドによる無端チェーンの保持状態を示
す断面図である。
【図4】ローラの無体チェーンへの組み付け状態を示す
斜視図である。
【図5】前記直動軸受の要部の平面図である。
【図6】図1中のX−X断面の要部拡大図である。
【図7】蓋体の裏面図である。
【図8】内ガイドの説明図、(a)は内ガイドの平面図
であり、(b)は内ガイドの側面図である。
【図9】タイロッドの配置の異なる例を示す斜視図であ
る。
【図10】他の実施の形態による直動軸受を示す平面図
である。
【符号の説明】
(1):軸、(2):筒、(4):内ガイド、(5):外ガイド、
(6):無端チェーン、(11):外周面部(平面部)、(2
0):凹溝、(21):ガイド面、(22):リターン通路、(2
3):溝部、(24):潤滑剤含有材、(25):ガイド溝部、(2
6):凸条、(27):連通部、(30):孔部、(31):ローラ、
(32):ガイド孔部、(35):ガイド溝部、(40):屈曲通
路、(41):外周曲面、(42):舌片、(50):蓋体、(51):
内周曲面、(52):押え溝、(61):タイロッド、(62):ピ
ン、(251):舌片部、(310):小径軸部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒に対して軸が一定姿勢を維持した状態
    で直線的に相対移動するように貫通する直動軸受におい
    て、 前記筒の内周面には軸線に平行な複数の凹溝が形成さ
    れ、この凹溝の底部となるガイド面が前記軸の外周面部
    と対面されると共に前記ガイド面と前記外周面部との間
    にローラが予圧状態に介在され、 前記筒の胴部には前記ガイド面の背面側に前記ローラの
    復帰移動路となるリターン通路が貫通形成されており、 前記筒の両端には前記ローラを前記ガイド面と前記外周
    面部との間から前記リターン通路に案内する屈曲通路が
    設けられ、 前記ガイド面と前記外周面部との間、前記リターン通路
    及び前記屈曲通路に多数の前記ローラが横向き姿勢に充
    填されると共にこれらローラの両端に無端チェーンが架
    け渡されてローラ同士が接触しない状態に連結配列され
    ていることを特徴とする直動軸受。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の直動軸受において、 前記無端チェーンは、1本のチェーンの前後端が係合片
    となっており、この前後端の係合片を合わせて係合凸部
    を形成し、この係合凸部を、ローラのローラ部の長さと
    略等しい筒状のタイロッドの端部に配置すると共に外側
    からピンを指し込んで固定させ無端状に構成されたもの
    であることを特徴とする直動軸受。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の直動軸受にお
    いて、 前記無端チェーンは、合成樹脂からなり、 前記リターン通路は、 横断面両端部において前記無端チェーンが収まる大きさ
    に形成され、無端チェーンが少なくともその片面が接触
    状態で移動する空間となるガイド溝部と、 横断面中央部において前記ローラの最大直径よりも大き
    く形成され、ローラ中央のローラ部が非接触状態で移動
    する空間となるガイド孔部とを有することを特徴とする
    直動軸受。
  4. 【請求項4】 請求項1から3の何れかに記載の直動軸
    受において、 前記軸は、断面円形の胴部を有する円柱状の丸軸であ
    り、 前記筒は、内周面が前記軸の外周面部に沿った円周形状
    であり、 前記ローラは、ローラ部中央が全周に渡って前記軸の外
    周面部の円周形状よりわずかに大きい円周形状となる円
    弧状の窪み部が形成されたものであることを特徴とする
    直動軸受。
  5. 【請求項5】 請求項1から3の何れかに記載の直動軸
    受において、 前記軸は、軸線に平行な複数の平面部が周方向に間隔を
    あけて配置されており、 前記筒は、この軸の平面部と対面するように前記ガイド
    面が形成されており、 前記ローラは、ローラ部が略円柱状に形成されたもので
    あることを特徴とする直動軸受。
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