JP2002250282A - 多段可変速圧縮機の制御方法 - Google Patents
多段可変速圧縮機の制御方法Info
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Abstract
いては,予め設定されたデータに基づいて多段可変速圧
縮機を制御していた。しかし,多段可変速圧縮機の経年
変化(各部位の劣化)によって,上記データ通りに制御
しても目標とする吐出圧力を得ることができなくなるこ
とがある。また,上記データは様々な運転状況に合わせ
て作成されなければならないので多量のデータが必要で
あった。 【解決手段】 多段可変速圧縮機の最終段の圧縮機の吐
出圧力を検出し,該検出した吐出圧力と目標圧力との差
をPID演算を行うことによって1段目の圧縮機の回転
数を決定し,続いて2段目〜最終段の圧縮機の回転数を
決定する多段可変速圧縮機の制御方法として構成されて
いる。
Description
た多段可変速圧縮機の制御方法に関するものである。
ない場合に,複数の圧縮機を直列に接続して,段階的に
圧力を上昇させることによって,所望の圧力を得ること
を目的とする多段可変速圧縮機がある。この多段可変速
圧縮機の制御方法としては,従来公知の特開平10−8
2391号公報記載の技術が既にある。この技術は,2
段の圧縮機を具備する多段可変速圧縮機において,吸込
流量と所望の目標吐出圧力を設定することで,上記目標
吐出圧力を得ようとするものである。この多段可変速圧
縮機の制御は,上記設定に対応する多段可変速圧縮機の
各部位の取るべき値(例えば,2段の圧縮機の段間の中
間圧力,2台の圧縮機の回転数比,回転数等)が運転デ
ータとして予め制御装置に記憶されており,多段可変速
圧縮機の制御装置が,上記設定に対応する運転データを
決定し,多段可変速圧縮機の各部位が該運転データの値
となるように制御することによって,所望の吐出圧力を
得ようとするものである。
縮機は使用されるうちに,各部位が経年変化(例えば,
気密性が保てなくなったり,ベアリング部の摩耗等)し
て諸元値が変化するので,上述のように予め記憶された
運転データを用いて,多段可変速圧縮機の各部位を制御
しても所望の圧力を得ることができなくなる可能性があ
る。また,一般的に圧縮機(多段圧縮機も含めて)は所
望の吐出圧力を得ることを目的とする場合が多い。した
がって,その運転中に圧縮する作動流体の流量が変化す
れば,その変化に対応して,圧縮機の回転数などを変化
させて上記所望の吐出圧力となるようにしなければなら
ない。そのため,上記した従来の技術のように運転デー
タを用いて多段可変速圧縮機の制御を行う場合は,その
多段可変速圧縮機が出力できる吐出圧力それぞれに作動
流体の流量の変化幅に対応した運転データが用意される
必要がある。具体的には,多段可変速圧縮機が流量の変
化幅75%まで制御可能とするものであれば,1つの吐
出圧力に対して変化幅1%ピッチとした場合,75種類
の運転データを用意する必要がある。更に,上記多段可
変速圧縮機が吐出圧力を2〜10[kg/cm2]の範
囲で運転可能な場合には,圧力0.1[kg/cm2]
ピッチとした場合,80種類の運転データを用意しなけ
ればならない。するとこの多段可変速圧縮機は運転デー
タを75×80=6000種類もの運転データを用意す
る必要があり,多量に運転データを用意しなければなら
ない。しかも,既に述べたように多段可変速圧縮機が経
年変化すれば,上記多量の運転データが使用できなくな
るので,従来の技術は実用に耐えうるものとは言い難
い。したがって,本発明は上記事情を鑑みてなされたも
のであり,その目的とするところは,多段可変速圧縮機
において,最終段の圧縮機の吐出圧力と所望の目標圧力
との差に基づいてPID演算を行うことによって,1段
目の圧縮機の回転数を決定し,2段目から最終段の圧縮
機を制御することによって所望の目標圧力を得ようとす
る多段可変速圧縮機の制御方法を提供することである。
に本発明は,作動流体を複数の圧縮機で段階的に圧縮す
る多段可変速圧縮機における最終段の圧縮機の吐出圧力
を所望の目標圧力にする多段可変速圧縮機の制御方法に
おいて,上記最終段の圧縮機の吐出圧力を検出する第1
工程と,上記第1工程で検出した上記最終段の圧縮機の
吐出圧力と上記目標圧力との差に基づいてPID演算を
行うことによって,1段目の圧縮機の回転数を決定する
第2工程と,上記1段目の圧縮機に続いて圧縮を行う2
段目の圧縮機から上記最終段の圧縮機までの各段の圧縮
機の回転数を決定する第3工程とを備えることを特徴と
する多段可変速圧縮機の制御方法として構成されてい
る。このように構成されているので,常に吐出圧力は所
望の目標圧力になるように制御されるので,精度良く制
御することが可能となる。
る前記各段の圧縮機に対して1つ前段の圧縮機の吐出圧
力,若しくは当段の圧縮機の吸込圧力に基づいてPID
演算を行うことによって上記回転数が決定されること
を,前記2段目の圧縮機から前記最終段の圧縮機まで逐
次行って前記各段の回転数を決定することが望ましい。
尚,上記した「1つ前段の圧縮機の吐出圧力」と「当段
の圧縮機の吸込圧力」とは,その前段圧縮機と当段の圧
縮機との間に圧力変化をもたらす絞り弁などの構成が介
在していない場合,実質的に同一のものとなる。この場
合,多段可変速圧縮機の各段の圧縮機の回転数が,全て
PID演算により決定されるので,従来の技術のように
運転データを全く必要とせずに制御することが可能とな
る。
記1段目の圧縮機の回転数と前記各段の圧縮機の回転数
とを対応させたデータに基づいて,前記各段の圧縮機の
回転数を決定するようしても良い。この場合は,1段目
の圧縮機の回転数と,各段の圧縮機の回転数とを1対1
に対応させたデータが必要となるが,作動流体の流量が
大きく変化する場合においては,各段の圧縮機の回転数
が1段目の圧縮機の回転数のみで決定されるので,制御
の速応性があるといえる。
決定しようとする前記各段の圧縮機に対して1つ前段の
圧縮機の吐出圧力に基づいてPID演算を行うことによ
って上記回転数が決定されることを,前記2段目の圧縮
機から前記最終段の圧縮機まで逐次行って前記各段の回
転数を決定するか,或いは,前記第3工程で,予め設定
された前記1段目の圧縮機の回転数と前記各段の圧縮機
の回転数とを対応させたデータに基づいて,前記各段の
圧縮機の回転数を決定するかの判断を,前記第2工程で
決定される前記1段目の圧縮機の回転数の変化率に基づ
いて判断してなるようにしても良い。このような判断が
行われることによって,上記変化率が小さい場合には,
2段目以降の圧縮機をPID演算で決定することによっ
て,精度良く多段可変速圧縮機が制御され,他方,上記
変化率が大きい場合には,上記データに基づいて2段目
以降の圧縮機の回転数を決定することで,変化に対して
速応性のある制御が行われるので,多段可変速圧縮機の
制御性能が向上する。
機における,前記各段の圧縮機の吸込口の全部若しくは
一部が相互に接続されており,且つ/或いは,前記各段
の圧縮機の吐出口の全部若しくは一部が相互に接続され
ており,更に上記相互に接続された管路に各々制御弁が
設けられる構成でも良い。このように構成されること
で,所望の目標圧力を得るのに全ての圧縮機を稼動させ
る必要がない場合などにおいては,一部の圧縮機を用い
て多段可変速圧縮機の吐出圧力を所望の目標圧力とする
ことが可能となるので,消費電力が全ての圧縮機を稼動
させた場合に比べて抑えられ,経済的である。
回転数以下で動作した場合に,前記多段可変速圧縮機を
自動的に停止させるように構成されても良い。一般的に
圧縮機は,その回転数が低い場合においては,一旦圧縮
された作動流体が圧縮機内部で逆流又は滞留することが
あり,該作動流体が再び圧縮されると,高温になって機
械に悪影響を与える問題がある。しかし,上記のように
構成することで上記問題を回避することができる。
発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の
理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本
発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を
限定する性格のものではない。ここに,図1は本発明の
実施の形態に係る多段可変速圧縮機の概略構成図,図2
は本発明の実施例に係る多段可変速圧縮機の概略構成
図,図3は本発明の実施例に係るデータの一例図,図4
は本発明の実施例に係る構成の変形例図である。
る。多段可変速圧縮機Aは,n個の圧縮機1〜nと,該
各段の圧縮機の吐出口側の作動流体の吐出圧力を検出す
るn個の圧力検出器Q1〜Qnと,上記各段の圧縮機1
〜nを制御する制御装置101aとを具備して概略構成
されている。この制御装置101aの内部には,上記圧
力検出器Q1〜Qnで検出された吐出圧力P1〜Pnに
基づいてPID演算を行って,各段の圧縮機の回転数を
算出するE0〜En−1が回路若しくはプログラムとし
て組み込まれている。このE0〜En−1は,具体的に
は,多段可変速圧縮機Aの運転試験等により求められた
伝達関数である。また,Gは,多段可変速圧縮機Aの吐
出圧力(即ち,圧縮機nの吐出圧力)Pnと,予め設定
される所望の目標圧力Psとの差,即ち2つの圧力の偏
差を算出する回路若しくはプログラムであり,これを偏
差算出部Gとする。このように構成された,多段可変速
圧縮機Aは,作動流体を圧縮機1側より吸込み,圧縮機
nに向かって段階的に上記作動流体を圧縮して最終的に
圧縮機nより吐出する。以下,この多段可変速圧縮機A
の制御方法について述べる。
流体が,圧縮機1の作動流体吸込側より吸引され,各段
の圧縮機1〜nを通過して段階的に圧縮されて最終段の
圧縮機nより吐出されると,上記最終段の圧縮機nより
吐出された作動流体の圧力が,圧力検出器Qnで検出さ
れる。この検出された吐出圧力をPnとする。上記圧力
検出器Qnで検出された吐出圧力Pnが,偏差算出部G
に入力され,上記目標圧力Psと上記吐出圧力Pnとの
偏差が算出される。この算出されたPsとPnの偏差
が,伝達関数E0によってPID演算がなされて,1段
目の圧縮機1の回転数V1が決定される。つまり,最終
段の圧縮機nの圧力に基づいて1段目の圧縮機の回転数
が求まる。
下のように決定されていく。回転数V1で動作中の圧縮
機1の吐出圧力が,圧力検出器Q1においてP1と検出
される。その検出された吐出圧力P1が,伝達関数E1
によってPID演算が行われて,圧縮機2の回転数V2
が決定され,圧縮機2が回転数V2で駆動される。つま
り,圧縮機2の回転数V2は,圧縮機1(1つ前段の圧
縮機)の吐出圧力,若しくは圧縮機2(当段の圧縮機)
吸込圧力に基づいて決定される。圧縮機3〜圧縮機nの
回転数についても,圧縮機2の場合と同様に,1つ前段
の圧縮機が吐出する作動流体の圧力,若しくは当段の圧
縮機が吸込む作動流体の圧力に基づいてPID演算が行
われることによって,圧縮機の回転数が逐次決定されて
いく。このように回転数が決定した各段の圧縮機によっ
て圧縮された作動流体が,圧縮機nより吐出され,その
吐出圧力が,再び圧力検出器Qnで検出されて偏差算出
部Gに入力される。ここで,偏差がある場合は,上述の
回転数決定の処理が再び行われることによって,圧縮機
nの吐出圧力を目標圧力Psになるように制御してい
る。尚,上記では割愛したが,PID演算における目標
値として,最終段の圧縮機にて予め設定されている所望
の目標(吐出)圧力Psが定められていたのと同様に,
2段目以降(即ち,圧縮機2〜n)の圧縮機について
も,各段の圧縮機の目標(吐出)圧力が定められてい
る。この各段の圧縮機の目標(吐出)圧力と実際の吐出
圧力との偏差が生じないように,上述同様のPID演算
を行うことで各段の圧縮機の回転数が逐次決定される。
また,上記目標(吐出)圧力を例えば「PID演算の設
定値」と表記する場合,このPID演算の設定値は多段
可変速圧縮機Aを構成する各段の圧縮機の圧縮比に基い
て設定される。具体的には,各段の圧縮機1〜nの圧縮
比をβ1〜βnとし,1段目の圧縮機の吸込圧力を大気
圧とするならば,各段の圧縮機1〜nにおけるPID演
算の設定値R1〜Rnは以下に示す数式1のとおり定め
ておくことが望ましい。
1段目の圧縮機1の回転数を決定することで,逐次圧縮
機2〜圧縮機nの回転数を決定していく場合であるが,
この実施例1では1段目の圧縮機1の回転数が決定した
段階で,2段目以降の圧縮機2〜nの回転数をデータに
基づいて決定する。この場合の制御方法を図2,図3を
用いて説明する。構成については図2に示すように,多
段可変速圧縮機Bは,n個の圧縮機1〜nと,最終段の
圧縮機nの吐出圧力Pn´を計測する圧力検出器Qn´
と,偏差算出部G´を有する点では図1の多段可変速圧
縮機Aの場合と同様である。まず,多段可変速圧縮機B
の動作が開始し,作動流体が,圧縮機1の作動流体吸込
側より吸引され,各段の圧縮機1〜nを通過して段階的
に圧縮されて最終段の圧縮機nより吐出される。上記最
終段の圧縮機nより吐出された作動流体の圧力Pn´が
圧力検出器Qn´で検出され,偏差算出部G´で目標圧
力Psと上記吐出圧力Pn´との偏差が算出され,伝達
関数E0´によってPID演算がなされて1段目の圧縮
機1の回転数V1´が決定されるのは実施の形態で示し
たのと同様である。ここで,制御装置101bは,圧縮
機2〜nの各々の回転数を,予め設定された圧縮機1の
回転数と,圧縮機2〜nの回転数とを対応させたデータ
に基づいて決定する。これらのデータは,試験運転等に
より予め決定しておく。具体的には,図3に示すよう
に,圧縮機1の回転数と圧縮機K(Kは2〜n)の回転
数とを1対1に対応させたデータより,圧縮機Kの回転
数を決定することによって,圧縮機2〜nの回転数を各
々決定して多段可変速圧縮機Bを制御する。この制御方
法は,図3のように定まったデータを利用しているの
で,多段可変速圧縮機が経年変化した場合は,上記デー
タが役に立たなくなるとも言えるが,作動流体の流量が
大きく変化したり,圧縮機の回転数が大きく変化した場
合等においては,各段の圧縮機の回転数が圧縮機1の回
転数のみで決定できるので速応性のある制御が行えると
いえる。
例1より分かることは,多段可変速圧縮機において,作
動流体の流量が大きく変化した場合等においては,実施
例1のような速応性のある制御を行い,通常運転時など
の定常状態においては,実施の形態に示したような制御
方法を用いると,より制御精度が良くなるといえる。つ
まり,実施の形態で示した制御方法と,実施例1で示し
た制御方法の二つを多段可変速圧縮機の制御装置が実行
できて,更に上記どちらの制御方法で制御を行うべきか
を判断できる機能を有していることが望ましい。上記判
断は,例えば以下のようにして行うことができる。作動
流体,或いは吐出圧力等が変化することは,圧縮機の負
荷が変動しているといえる。つまり,圧縮機の回転数が
変化する。そこで,多段可変速圧縮機の制御装置が,圧
縮機の回転数の単位時間当たりの変化率を監視し,該変
化率が所定の変化率より大きいと判断した場合は,実施
例1に示した方法で制御を行い,該変化率が上記所定の
変化率より小さいと判断した場合は,実施の形態で示し
た制御方法で制御すれば良い。ここで,上記所定の変化
率とは,圧縮機の回転数の単位時間当たりの変化率が大
きいか小さいかを判断する基準となる変化率のことで,
上記制御装置に予め設定されているものとする。
いて,図4に示すように,例えば3段の圧縮機の吸込側
を相互に接続して,且つ,吐出側も相互に接続(破線で
図示)することによって,3段有る圧縮機の内,1又は
2台を用いて既に述べた制御方法を用いることで所望の
目標圧力を得るようにしても良い。また,図4に示すよ
うに,上記相互に接続された管路には各々制御弁201
〜209が設けられている。例えば,1段目と3段目の
圧縮機を駆動して作動流体を圧縮する場合には,制御弁
204,206,207,208,209を閉じ,制御
弁201,202,203,205を開とする。すると
作動流体は以下のような経路を採る。吸込側より吸込ま
れた作動流体は,制御弁201→1段目の圧縮機→制御
弁205→制御弁202→制御弁203→3段目の圧縮
機のような経路を採って圧縮される。このように本発明
を構成することによって,目標圧力を得るのに3段の圧
縮機を全て動作させて制御する必要が無い場合において
は,選択的に圧縮機を動作させた方が消費する電力が抑
えられて経済的である。また,図3に示した例以外に,
圧縮機の吸込側,或いは吐出側のみを相互に接続したよ
うな構成で,選択的に圧縮機を動作させても良い。 (実施例4)また,多段可変速圧縮機における各段の圧
縮機の回転数が,定格運転時に比べて非常に小さい場合
においては,一度圧縮された作動流体が自身の圧力によ
って圧縮機内を逆流することがある。この逆流した作動
流体は再び圧縮機で圧縮されるので非常に高温となり,
圧縮機の機構に悪影響を与えることがある。したがっ
て,多段可変速圧縮機の回転数が,予め設定された回転
数以下で動作している場合には,多段可変速圧縮機の制
御装置が自動的に動作を停止するようにしても良い。こ
のようにすることで,圧縮機に悪影響を与える要因を排
除することができる。
体を複数の圧縮機で段階的に圧縮する多段可変速圧縮機
における最終段の圧縮機の吐出圧力を所望の目標圧力に
する多段可変速圧縮機の制御方法において,上記最終段
の圧縮機の吐出圧力を検出する第1工程と,上記第1工
程で検出した上記最終段の圧縮機の吐出圧力と上記目標
圧力との差に基づいてPID演算を行うことによって,
1段目の圧縮機の回転数を決定する第2工程と,上記1
段目の圧縮機に続いて圧縮を行う2段目の圧縮機から上
記最終段の圧縮機までの各段の圧縮機の回転数を決定す
る第3工程とを備えることを特徴とする多段可変速圧縮
機の制御方法として構成されているので,常に吐出圧力
は所望の目標圧力にするように制御されるので,多段可
変速圧縮機を精度良く制御することが可能となる。
る前記各段の圧縮機に対して1つ前段の圧縮機の吐出圧
力,若しくは当段の圧縮機の吸込圧力に基づいてPID
演算を行うことによって上記回転数が決定されること
を,前記2段目の圧縮機から前記最終段の圧縮機まで逐
次行って前記各段の回転数を決定することが望ましく,
この場合,多段可変速圧縮機の各段の圧縮機の回転数
が,全てPID演算により決定されるので,従来の技術
のように運転データを全く必要とせずに制御することが
可能となる。
記1段目の圧縮機の回転数と前記各段の圧縮機の回転数
とを対応させたデータに基づいて,前記各段の圧縮機の
回転数を決定するようしても良い。この場合は,1段目
の圧縮機の回転数と,各段の圧縮機の回転数とを1対1
に対応させたデータが必要となるが,作動流体の流量が
大きく変化する場合においては,各段の圧縮機の回転数
が1段目の圧縮機の回転数のみで決定されるので,制御
の速応性があるといえる。
決定しようとする前記各段の圧縮機に対して1つ前段の
圧縮機の吐出圧力に基づいてPID演算を行うことによ
って上記回転数が決定されることを,前記2段目の圧縮
機から前記最終段の圧縮機まで逐次行って前記各段の回
転数を決定するか,或いは,前記第3工程で,予め設定
された前記1段目の圧縮機の回転数と前記各段の圧縮機
の回転数とを対応させたデータに基づいて,前記各段の
圧縮機の回転数を決定するかの判断を,前記第2工程で
決定される前記1段目の圧縮機の回転数の変化率に基づ
いて判断してなるようにしても良い。このような判断が
行われることによって,上記変化率が小さい場合には,
2段目以降の圧縮機をPID演算で決定することによっ
て,精度良く多段可変速圧縮機が制御され,他方,上記
変化率が大きい場合には,上記データに基づいて2段目
以降の圧縮機の回転数を決定することで,変化に対して
速応性のある制御が行われるので,多段可変速圧縮機の
制御性能が向上する。
機における,前記各段の圧縮機の吸込口の全部若しくは
一部が相互に接続されており,且つ/或いは,前記各段
の圧縮機の吐出口の全部若しくは一部が相互に接続され
ており,更に上記相互に接続された管路に各々制御弁が
設けられる構成でも良く,このように構成されること
で,所望の目標圧力を得るのに全ての圧縮機を稼動させ
る必要がない場合などにおいては,一部の圧縮機を用い
て多段可変速圧縮機の吐出圧力を所望の目標圧力とする
ことが可能なるので,消費電力が全ての圧縮機を稼動さ
せた場合に比べて抑えられ,経済的である。
回転数以下で動作した場合に,前記多段可変速圧縮機を
自動的に停止させるように構成されても良い。一般的に
圧縮機は,その回転数が低い場合においては,一旦圧縮
された作動流体が圧縮機内部で逆流又は滞留することが
あり,該作動流体が再び圧縮されると,高温になって機
械に悪影響を与える問題がある。しかし,上記のように
構成することで上記問題を回避することができる。
概略構成図。
構成図。
Claims (6)
- 【請求項1】 作動流体を複数の圧縮機で段階的に圧縮
する多段可変速圧縮機における最終段の圧縮機の吐出圧
力を所望の目標圧力にする多段可変速圧縮機の制御方法
において,上記最終段の圧縮機の吐出圧力を検出する第
1工程と,上記第1工程で検出した上記最終段の圧縮機
の吐出圧力と上記目標圧力との差に基づいてPID演算
を行うことによって,1段目の圧縮機の回転数を決定す
る第2工程と,上記1段目の圧縮機に続いて圧縮を行う
2段目の圧縮機から上記最終段の圧縮機までの各段の圧
縮機の回転数を決定する第3工程とを備えることを特徴
とする多段可変速圧縮機の制御方法。 - 【請求項2】 前記第3工程で,回転数を決定しようと
する前記各段の圧縮機に対して1つ前段の圧縮機の吐出
圧力,若しくは当段の圧縮機の吸込圧力に基づいてPI
D演算を行うことによって上記回転数が決定されること
を,前記2段目の圧縮機から前記最終段の圧縮機まで逐
次行って前記各段の回転数を決定してなる請求項1記載
の多段可変速圧縮機の制御方法。 - 【請求項3】 前記第3工程で,予め設定された前記1
段目の圧縮機の回転数と前記各段の圧縮機の回転数とを
対応させたデータに基づいて,前記各段の圧縮機の回転
数を決定してなる請求項1記載の多段可変速圧縮機の制
御方法。 - 【請求項4】 前記第3工程で,回転数を決定しようと
する前記各段の圧縮機に対して1つ前段の圧縮機の吐出
圧力に基づいてPID演算を行うことによって上記回転
数が決定されることを,前記2段目の圧縮機から前記最
終段の圧縮機まで逐次行って前記各段の回転数を決定す
るか,或いは,前記第3工程で,予め設定された前記1
段目の圧縮機の回転数と前記各段の圧縮機の回転数とを
対応させたデータに基づいて,前記各段の圧縮機の回転
数を決定するかの判断を,前記第2工程で決定される前
記1段目の圧縮機の回転数の変化率に基づいて判断して
なる請求項1記載の多段可変速圧縮機の制御方法。 - 【請求項5】 前記多段可変速圧縮機における,前記各
段の圧縮機の吸込口の全部若しくは一部が相互に接続さ
れており,且つ/或いは,前記各段の圧縮機の吐出口の
全部若しくは一部が相互に接続されており,更に上記相
互に接続された管路に各々制御弁が設けられてなる請求
項1から請求項4のいずれかに記載の多段可変速圧縮機
の制御方法。 - 【請求項6】 前記多段可変速圧縮機が正常に運転でき
る回転数以下で動作した場合に,前記多段可変速圧縮機
を自動的に停止させてなる請求項1から請求項5のいず
れかに記載の多段可変速圧縮機の制御方法
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