JP2002249996A - 中性抄造の製紙工程におけるスライム抑制方法 - Google Patents

中性抄造の製紙工程におけるスライム抑制方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製紙工程の微生物生態学的解析および優占的
細菌に対する各種スライムコントロール剤の効果を明ら
かにすることにより最適なスライムコントロール剤の組
み合わせとそれらの交互処理仕様を決定し、これにより
経験的判断に頼ることなく簡単に、効果よく、長期間に
わたってスライムの発生を抑制することができる中性抄
造の製紙工程におけるスライム抑制方法を提案する。 【解決手段】 抄紙機により中性抄造で紙を製造してい
る製紙工程において、スライムコントロール剤を使用し
てスライムを抑制する方法であって、抄紙機の一連続操
業期間内に、四級アンモニウム塩系界面活性剤またはブ
ロム酢酸エステル化合物を有効成分として含有するスラ
イムコントロール剤と、前記四級アンモニウム塩系界面
活性剤またはブロム酢酸エステル化合物を含まない別の
スライムコントロール剤とを切り替えて使用する中性抄
造の製紙工程におけるスライム抑制方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抄紙機の一連続操
業期間内に四級アンモニウム塩系界面活性剤を有効成分
として含有するスライムコントロール剤、またはブロム
酢酸エステル化合物を有効成分として含有し溶媒を含ま
ないかもしくは疎水性溶媒で製剤化されたスライムコン
トロール剤と、これら以外の別のスライムコントロール
剤とを切り替えて使用する中性抄造の製紙工程における
スライム抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製紙工程において同一のスライムコント
ロール剤で長期間処理を継続していると、対象系内の微
生物相は次第にそのスライムコントロール剤に対して抵
抗性をもつ菌種群に遷移すると考えられ、その結果処理
効果が次第に悪化するものと考えられている。しかし、
このような考え方は製紙工程水中の微生物相を詳しく同
定して調べた研究結果に基づくものではなく、食品の腐
敗や抗菌性医薬品における微生物の遷移現象から類推さ
れたものであるが、製紙業界および当業者において上記
の考え方は現在では広く信じられている。
【0003】従来、こうした製紙工程内における遷移現
象に対するスライム抑制の対策として、複数のスライム
コントロール剤を抄紙機の一連続操業期間が替わる毎に
交互に切り替えて使用する、いわゆる交互使用方法が現
在では広く普及している。従来の交互使用方法は、同一
連続操業期間内は単一のスライムコントロール剤で処理
するのが一般的である。この交互使用方法により、ある
スライムコントロール剤の存在下で優勢に生育できる細
菌を、別のスライムコントロール剤を薬注することによ
って死滅させ、この操作を繰り返すことにより、スライ
ムの付着・成長を遅延させることができると考えられて
いる。
【0004】しかし、上記のような従来の交互使用にお
いては、個々のスライムコントロール剤に対してどのよ
うな微生物が優占種として現れるかについて、抄紙系内
の細菌の生態学的検討はほとんどなされておらず全く不
明であり、選定するスライムコントロール剤に何らかの
科学的根拠があるわけではなく、全くの試行錯誤によっ
ているのが現状である。このため、適切なスライムコン
トロール剤が選定されていない場合があるほか、微生物
相が遷移するとの前提でスライムコントロール剤を選定
すると必ずしも的確な処理効果が得られない場合があ
る。またスライムコントロール剤の切り替えによって微
生物相の遷移が起こっているかどうかを正確に把握する
ことができず、処理の評価もシャットダウン時の汚染状
況や白水中の細菌数の増減等で経験的に評価することし
かできない。したがって従来の交互使用によるスライム
の抑制方法では、適切なスライムコントロール剤が選定
されているのか、また意図した効果が実現できているの
か、という点が明確ではないという問題点がある。
【0005】こうした状況に至った原因のひとつに、製
紙工程水系の微生物相解析が極めて困難であることがあ
げられる。従来、微生物相の解析はいろいろな方法で行
われているが、いずれも水系から試料を採取し、微生物
を培地で純粋分離し、得られた分離菌株の表現形質を多
項目にわたって調べる方法である。この方法は微生物同
定の専門家でなければ正しい結果が得られない項目があ
ること、試験結果を得るまでに長期間を要すること、あ
る種の微生物は培地に生育せず(従って分離することが
できない)微生物相を特定できないなど多くの問題を抱
えた方法であり、実用的ではない。これらの理由から、
多くの関心がある現象でありながら、製紙工程のスライ
ム抑制において微生物相の遷移については実証がなされ
ないまま推移してきている。
【0006】ところで、現代の製紙工程は用水を節減
し、廃水処理の負荷を軽減するために用水の循環、再利
用が進んでいる。この循環には滞留時間が数分間以内の
最小循環である1次循環から、滞留時間が数時間〜24
時間にわたる3〜4次の高次循環まであって、こうした
製紙工程におけるスライム抑制は滞留時間が短い一次循
環または二次循環されている各種工程に対して行われる
ことが多い。
【0007】このように滞留時間の短い製紙工程に対す
るスライム抑制は、通常1種、稀には2種のスライムコ
ントロール剤を1日に2〜3回15分間〜9時間水系に
間欠添加して実施されている。また多くのスライムコン
トロール剤は、定量ポンプを用いて自動注入する便利さ
を求め、さらに添加してから系内全体に迅速かつ均等に
混合されるよう、溶液状態に製剤化されていることが多
い。有効成分が水に不溶性または難溶性のスライムコン
トロール剤の場合も有機溶媒や分散剤を用いて液剤化さ
れるのが通例である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、製紙
工程の微生物生態学的解析および優占的細菌に対する各
種スライムコントロール剤の効果を明らかにすることに
より最適なスライムコントロール剤の組み合わせとそれ
らの交互処理仕様を決定し、これにより経験的判断に頼
ることなく簡単に、効果よく、長期間にわたってスライ
ムの発生を抑制することができる中性抄造の製紙工程に
おけるスライム抑制方法を提案することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、最近急速に
発達した細菌の16S rDNA、または糸状菌の18S rDNAの塩
基配列によって菌種を判別する方法を用い、中性抄造の
製紙工場を中心に製紙工程内の微生物相を調べた。塩基
配列によって菌種を判別する方法は短期間で微生物相を
調査できること、方法を選べば培地に生育できないnon-
culturableな微生物の存在とその種類を特定できるこ
と、とりあえず少量の試料を採取して凍結保存してお
き、必要が生じた際に試験に供することができることな
ど、従来法に比べて優れた方法である。
【0010】すなわち本発明者は、現在市販されている
多くのスライムコントロール剤(有効成分が1種のもの
から複数の有効成分が配合されたものまで他種類があ
る)が使用されている製紙工程の用水中の微生物相およ
びスライム中の微生物相をDNAの塩基配列によって調べ
た結果、少数のスライムコントロール剤で例外があった
が、使用されているスライムコントロール剤の種類に関
わらず上記微生物相は大きな相違がないことが明らかと
なった。調査した製紙系は日本の全域に分布し、各系の
温度は季節によってある範囲内で変動していたにも関わ
らず、微生物相の優占微生物として後述するRiemerella
様細菌が検出された。この結果は、多種類の微生物を予
想していた試験前の予想とは異なる意外な結果であっ
た。またRiemerella様細菌が水系およびスライム構成菌
の優占種である場合に随伴して出現する菌種にも想像し
ていた以上に多様性がなく、微生物相は比較的単純であ
った。
【0011】微生物生態学の知見に照らせば、これらの
微生物相はもっと多様性に富むものと想像されるにも関
わらず、なぜRiemerella様細菌が優占種になっているか
は未だ不明である。
【0012】スライムコントロール剤が添加されている
時間内はRiemerella様細菌などの感受性菌を主体とする
水中の微生物もスライム中の微生物もスライムコントロ
ール剤と接触して一時的に殺菌または増殖阻害を受ける
が、添加が中止されるとスライムコントロール剤を含む
用水は短時間で次工程に流れ去り、替わってスライムコ
ントロール剤を含まない用水が、未接触のRiemerella
細菌を含んだ状態で製紙工程に流入してくる。このため
水中の微生物相は添加が中止されるとたちまち回復す
る。スライム中でも優占菌種であったRiemerella様細菌
はスライムコントロール剤と接触して一旦は殺菌され、
抵抗性菌種だけが生残したであろうが、スライムコント
ロール剤の添加が終わり流失すると、元気なRiemerella
様細菌が水中から新たに連続供給されて増殖速度の小さ
い抵抗性菌種を抑えて再びスライム中で優占菌になって
いるものと考えられる。
【0013】このような考えに基づいて、安価で安定し
た処理効果を維持する新たなスライム抑制方法について
検討した。そのひとつとして新たなタイプのスライムコ
ントロール剤を用いてスライム中の優占菌種を変化させ
ることができれば、抵抗性菌種がスライム内で優占菌種
になるまでに時間がかかり、おそらくは増殖速度の小さ
い菌種になるであろうから、従来のスライムコントロー
ル剤と間隔を置いて交互に使用することによって目的が
達せられるであろうと考えた。そこで発明者は、製紙工
程のスライム内のRiemerella様細菌を主体とする微生物
相を変化させる薬剤をスクリーニングした結果、四級ア
ンモニウム塩系界面活性剤およびブロム酢酸エステル化
合物を見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明は次の中性抄造の製紙工
程におけるスライム抑制方法である。 (1) 抄紙機により中性抄造で紙を製造している製紙
工程において、スライムコントロール剤を使用してスラ
イムを抑制する方法であって、抄紙機の一連続操業期間
内に、四級アンモニウム塩系界面活性剤を有効成分とし
て含有するスライムコントロール剤、またはブロム酢酸
エステル化合物を有効成分として含有し溶媒を含まない
かもしくは疎水性溶媒で製剤化されたスライムコントロ
ール剤と、前記以外の別のスライムコントロール剤とを
切り替えて使用する中性抄造の製紙工程におけるスライ
ム抑制方法。 (2) 3〜7日毎にスライムコントロール剤を切り替
える上記(1)記載のスライム抑制方法。 (3) スライムコントロール剤を適用する対象系か
ら、定期的または任意の時点でスライムを採取し、この
スライムの微生物相をDNAの塩基配列に基づいて解析
し、その微生物相の優占微生物が、16S rDNAの塩基配列
を分類指標としたときFlexibacter-Cytophaga-Bacteroi
desグループに分類され、かつRiemerella属細菌に近縁
のグラム陰性細菌である場合、またはこのグラム陰性細
菌に増加傾向が認められる場合に、四級アンモニウム塩
系界面活性剤を有効成分として含有するスライムコント
ロール剤、またはブロム酢酸エステル化合物を有効成分
として含有し溶媒を含まないかもしくは疎水性溶媒で製
剤化されたスライムコントロール剤を使用し、それ以外
の場合に前記以外の別のスライムコントロール剤を使用
するようにスライムコントロール剤を切り替える上記
(1)記載のスライム抑制方法。 (4) 優占微生物が、16S rDNAの塩基配列を分類指標
としたときFlexibacter-Cytophaga-Bacteroidesグルー
プに分類され、Riemerella属細菌に近縁のグラム陰性細
菌であり、その16S rDNAの塩基配列中に、配列表の配列
番号1に示す塩基配列と98%以上の相同性を有する塩
基配列を有する細菌である上記(3)記載のスライム抑
制方法。 (5) 四級アンモニウム塩系界面活性剤がジデシルジ
メチルアンモニウムクロリドである上記(1)ないし
(4)のいずれかに記載のスライム抑制方法。 (6) ブロム酢酸エステル化合物が1,4−ビス(ブ
ロモアセトキシ)−2−ブテンである上記(1)ないし
(5)のいずれかに記載のスライム抑制方法。
【0015】本明細書において、「微生物」は細菌、酵
母、糸状菌(カビ)、藻類およびアーキア(古細菌)等
を含む。また「スライムコントロール剤」は上記微生物
に対する殺生物作用および/または増殖抑制作用を有す
る薬剤を意味する。また「抗菌」は上記微生物を死滅さ
せることおよび/または増殖を抑制することを意味す
る。また「微生物相」は対象系または試料中の個々の微
生物の種類と構成比および含有量(微生物数または微生
物量の割合)を示す意味で用いられているが、優占微生
物の種類と構成比および含有量、または特定微生物の種
類と構成比および含有量を示す意味で用いられる場合も
ある。
【0016】また「中性抄造」はパルプスラリーをpH
6.5〜8.5の中性〜弱アルカリ性とし、アルキルケ
テンダイマー(AKD)や無水コハク酸系サイズ剤(A
SA)のような中性サイズ剤(反応性サイズ剤とも言
う)を用いて洋紙を製造する抄造方法を意味する。これ
ら洋紙の主要パルプ原料には通常バージンパルプとDI
P(脱墨パルプ)が使用されるという共通性がある。洋
紙としては通常上質紙または中質紙が製造される。
【0017】また「一連続操業期間」は、洗浄した抄紙
機で抄紙を開始してから抄紙機の運転を停止するまでの
期間を意味し、製造する製品の紙質やプロセスによって
数日から30日程度の幅がある。
【0018】通常の抄紙機は一連続操業期間が終了する
と、抄紙機の運転を止め(シャットダウン)水洗後、苛
性ソーダで全体を洗浄し、さらに多くの場合は機械の主
要部分を開放して手洗浄を行ってから運転を再開する。
従来は交互使用するスライムコントロール剤の切り替え
は、このシャットダウン時に行うのが普通であった。こ
れに対し、本発明の方法は一連続操業期間内で種類の異
なるスライムコントロール剤を交互使用する方法であ
る。
【0019】本発明のスライム抑制方法が適用できる対
象系は、抄紙機により中性抄造で紙を製造する製紙工程
においてスライムコントロール剤を使用してスライムを
抑制する処理系であれば特に制限されない。製紙工程
は、通常、パルプに填料や薬品を添加して紙の原料をつ
くる調成工程、抄紙機で紙を抄く抄紙工程、および紙の
表面を塗料等で覆って印刷適性をよくする塗工工程など
の工程にさらに分類されるが、このいずれの工程でもよ
い。具体的には、白水のスライムの抑制処理などがあげ
られる。
【0020】本発明で使用する四級アンモニウム塩系界
面活性剤としては、ジデシルジメチルアンモニウムクロ
リド(以下、DDACと略記する場合がある)などがあ
げられる。本発明で使用するブロム酢酸エステル化合物
としては1,4−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテ
ン(以下、BBABと略記する場合がある)などがあげ
られる。
【0021】本発明では第一のスライムコントロール剤
として、四級アンモニウム塩系界面活性剤またはブロム
酢酸エステル化合物を有効成分として含有する薬剤が使
用でき、これらを単独で使用することもできるし、他の
薬剤や化合物が含有されていてもよく、製剤化されてい
てもよい。ただし、ブロム酢酸エステル化合物を有効成
分として含有するスライムコントロール剤としては、溶
媒を含まない無溶媒のスライムコントロール剤か、もし
くは公地の疎水性溶媒で製剤化されたスライムコントロ
ール剤を使用する。
【0022】上記第一のスライムコントロール剤は、Ri
emerella様細菌に対して抗菌作用を有し、かつ中性抄造
の製紙工程に間欠注入した場合でもスライム内のRiemer
ella様細菌を主体とする微生物相を変化させることがで
きる。なおブロム酢酸エステル化合物が親水性溶媒で製
剤化されたスライムコントロール剤では、スライム内の
Riemerella様細菌を主体とする微生物相を変化させない
場合が多いので、第一のスライムコントロールとしては
使用しない。
【0023】本発明で使用する第二のスライムコントロ
ール剤(別のスライムコントロール剤)としては、前記
第一のスライムコントロール剤以外の公知のスライムコ
ントロール剤が使用できる。具体的には次の無機系化合
物および有機系抗菌剤などが例示される。
【0024】(1)無機系スライムコントロール剤 例えば、塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素、塩素化シア
ヌル酸、塩素化ヒダントイン、臭素、臭素イオンと次亜
塩素酸塩との反応生成物など。
【0025】(2)有機系スライムコントロール剤 1)イソチアゾロン類:例えば、5−クロロ−2−メチ
ル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−
イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−n−オク
チルイソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチ
アゾリン−3−オン、およびこれらの金属錯塩など。 2)チオシアネート類:例えば、メチレンビスチオシア
ネートなど。 3)親水性溶媒で製剤化されたブロム酢酸エステル類:
例えば、1,4−ビス(ブロモアセトキシ)−2−ブテ
ン、1,2−ビス(ブロモアセトキシ)エタン、ビス
(ブロモアセトキシ)プロパンなど。 4)ブロモシアノ化合物:例えば、2,2−ジブロモ−
3−ニトリロプロピオンアミド、1,2−ジブロモ−
2,4−ジシアノブタンなど。 5)ブロモニトロ化合物:例えば、2,2−ジブロモ−
2−ニトロ−1―エタノール、2−ブロモ−2−ニトロ
プロパン−1,3−ジオール、β−ブロモニトロスチレ
ン、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド
(以下、DBNPAと略記する場合がある)など。 6)オキシム類:例えば、モノクロログリオキシム、ジ
クロログリオキシム、2−(p−ヒドロキシフェニル)
グリオキシヒドロキシモイルクロライド、α−クロロベ
ンズアルドキシム、α−クロロベンズアルドキシムアセ
テートなど。 7)アルデヒド類:例えば、オルトフタルアルデヒド、
グルタルデヒド、ホルムアルデヒドなど。 8)その他:例えば、2,2−ジクロロ−1,2−ジチ
オール−3−オン、2,4,5,6−テトラクロロイソ
フタロニトリル、3,3,4,4−テトラクロロヒドロ
キシチオフェン−1,1−ジオキシドなど。
【0026】第二のスライムコントロール剤としては、
有機系スライムコントロール剤が好ましく、その中でも
ブロモニトロ化合物が好ましい。上記化合物は1種単独
で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用
することもできる。また第二のスライムコントロール剤
を使用する期間内において、種類を代えて使用すること
もできる。第一および第二のスライムコントロール剤は
そのまま使用することもできるし、適当な媒体で希釈し
て使用することもできる。
【0027】国内の製紙工場において、どういった微生
物がスライムの主要構成微生物であるかこれまで知られ
ていなかった。発明者らは国内の様々な抄紙系の微生物
を調査した結果、中性抄造の抄紙系スライムからは、特
定の16S rDNAの塩基配列を有する細菌が共通の優占種と
して存在することを明らかにした。この細菌は16S rDNA
の塩基配列を分類指標としたときFlexibacter-Cytophag
a-Bacteroidesグループに分類され、Riemerella属細菌
の最も近縁とされる新種のグラム陰性細菌であり、本明
細書においては、Riemerella様細菌と呼ぶ。国内のある
製紙工場から分離されたこの細菌の16S rDNAの塩基配列
を配列表の配列番号1に示すが、本発明で述べるRiemer
ella様細菌は、この配列と全体を通じてあるいは部分塩
基配列において98%以上の相同性を有する16S rDNAを
持つことで特徴づけられる細菌群である。
【0028】このRiemerella様細菌は、2,2−ジブロ
モ−3−ニトリロプロピオンアミド(以下、DBNPA
と略記する場合がある)等の有機系スライムコントロー
ル剤に対して極めて感受性が高く、たとえばDBNPA
に対するMKCは0.3ppm以下である。しかし、こ
Riemerella様細菌は紙原料のパルプスラリー内で活発
に増殖し、スラリーとともに白水系に連続的に供給され
る。間欠式の薬注仕様では一時的に死滅するものの薬効
が消失すると菌数は元に戻り、白水系内のスライム発生
および成長に大きく関与している。有機スライムコント
ロール剤(有機ブロム系、有機窒素系、有機硫黄系を含
む)や、次亜塩素酸ソーダや過酸化水素などの無機系殺
菌剤を間欠的に投与しても白水およびスライムの微生物
相はほとんど変化することがない。
【0029】Riemerella様細菌はDDACおよびBBA
Bに対する感受性を懸濁細菌を用いて測定すると、別の
スライムコントロール剤と同様に感受性である。
【0030】第二のスライムコントロール剤の存在下で
Riemerella様細菌を主体とするスライムが形成される
が、第一のスライムコントロール剤の存在によりスライ
ム内のRiemerella様細菌は死滅し、代わって別の細菌が
優占的に生育してくる。この細菌が優占となったところ
で、第二のスライムコントロール剤に戻す(切り替え
る)ことでこの細菌を死滅させることができる。このよ
うな切替処理を連続して行うことによって、スライムの
成長を長期間にわたり抑制することが可能である。
【0031】第一のスライムコントロール剤と第二のス
ライムコントロール剤とを交互に使用するが、第一のス
ライムコントロール剤および第二のスライムコントロー
ル剤は2種類以上の抗菌剤を含有するものであってもか
まわない。これらのスライムコントロール剤は最適な薬
剤濃度、薬注時間、およびインターバル時間を設定して
使用することができる。例えば、スライムコントロール
剤は1日に2〜3回、15分間〜9時間水系に間欠添加
することができる。交互のインターバル時間は、一連続
操業期間内に第一のスライムコントロール剤と第二のス
ライムコントロール剤を最低一度ずつ注入すればよく、
好ましくは3日〜7日間ごとにスライムコントロール剤
を交互注入するのが望ましい。
【0032】本発明においては、スライムコントロール
剤の切替時期をスライムの微生物相から決定することも
できる。すなわち、スライムコントロール剤を適用する
対象系から、定期的または任意の時点でスライムを採取
し、このスライムの微生物相をDNAの塩基配列に基づい
て解析し、その微生物相の優占微生物が、16S rDNAの塩
基配列を分類指標としたときFlexibacter-Cytophaga-Ba
cteroidesグループに分類され、かつRiemerella属細菌
に最も近縁のグラム陰性細菌(Riemerella様細菌)であ
る場合、またはこのグラム陰性細菌に増加傾向が認めら
れる場合に、第一のスライムコントロール剤を使用し、
それ以外の場合に第二のスライムコントロール剤を使用
するようにスライムコントロール剤を切り替える。Riem
erella様細菌が増加傾向にあるかないかは、微生物相に
おけるこの細菌の存在比率と前回またはそれ以前に解析
された存在比率とを比較することにより行うことができ
る。
【0033】このように、スライムの微生物相からスラ
イムコントロール剤の切り替え時点を判断することによ
り、最も適切なスライムコントロール剤を使用してスラ
イムの抑制を行うことができる。また万一、期待通りの
処理効果が得られなかった場合でも、微生物DNAの塩基
配列による微生物相解析によって原因を解明し、改善策
を検討することができる。
【0034】DNAの塩基配列による微生物相の解析方法
としては公知の方法が制限なく使用できる。なお微生物
相の解析は、微生物のDNAの塩基配列から微生物名を決
定(同定)することは必ずしも必須ではなく、他の微生
物と区別できる番号(以下、微生物番号という)を独自
に付与し、この微生物番号を微生物名の代わり用いるこ
ともできる。例えば、微生物検索データベースにおいて
高い相同性を有する微生物が検索されない場合は、その
微生物に独自の微生物番号を付与して他の微生物と区別
することができる。ただし、微生物相を他者に説明する
場合には微生物名(学名)を用いるのが便利であるの
で、塩基配列に基づく微生物名を同定しておくのが好ま
しい。
【0035】例えば、微生物の同定(判定)には、DNA
の塩基配列と微生物との関係が蓄積されている公知の微
生物系統分類のデータベース(以下、微生物検索データ
ベースという場合がある)を利用することができ、この
微生物検索データベースをパソコン等のコンピュータを
用いて検索することにより微生物を同定することができ
る。後述する具体的な微生物検索データベースにはイン
ターネットを介してアクセスすることができるので、迅
速にデータを検索できる。後述する微生物検索データベ
ースには、リボゾームRNA(以下、rRNAという)をエン
コードするDNA(rDNA)の塩基配列のデータが蓄積され
ているので、微生物の同定には試料から分離したrDNAの
塩基配列を用いることができる。rDNAは微生物の種類、
サブユニットの大きさによって数種類に分類されるが
(16S rDNA、18S rDNAなど)、どの分子を用いても差し
支えない。また本発明はrDNAだけに限定されず、rRNAの
スペーサー配列またはgyrEなど他のDNA画分を利用した
方法であってもよい。したがって、どのような微生物検
索データベースを用いてもよいし、どれか単一のものに
統一して用いることもできる。またさらに複数の微生物
検索データベースを併用することもできる。
【0036】前記微生物検索データベースとしては、Ge
nBank、EMBL、DDBJなどの公的DNAデータベースや、ミシ
ガン大学に設置されているRibosomal Database Project
などがあげられる。検索操作はFASTA、BLAST等の既存の
プログラムによって短時間に効率的に行うことができ
る。また、MicroSeq 16S rDNA Sequense Database(P
Eバイオシステムズ社)などの商用の微生物検索データ
ベースを、MicroSeq Analysis Software(PEバイオシ
ステムズ社、商標)などの市販のソフトウェアにより検
索することもできる。なお微生物検索データベースを自
身で構築してもよい。例えば、塩基配列データから、そ
れに対応する微生物名または微生物を区別するための微
生物番号が検索できるデータベースを公知のデータベー
スソフトウェアなどを用いて構築し、他の微生物検索デ
ータベースと併用することもできる。
【0037】対象系から採取した試料から微生物コロニ
ーを単離して分離株の該当DNAの塩基配列を決定し、得
られた結果を微生物検索データベースと照合して微生物
を同定することができる。rDNAは大腸菌等の宿主ベクタ
ー系を用い古典的クローニング操作によって単離・増幅
することもできるが、PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応)
などの試験管内DNA増幅方法によって増幅させる方が簡
便である。
【0038】また、微生物群を培養分離せず混合状態の
まま微生物DNAを抽出し、対象とする大多数の微生物に
共通性の高い塩基配列によって構成されるプライマーを
用いて各微生物のrDNAだけをPCR法などの試験管内DNA増
幅方法によって増幅し、さらにゲル電気泳動などによっ
て個々の微生物由来のrDNAを分離し、得られた結果を微
生物検索データベースと照合して微生物を同定すること
もできる。
【0039】複数の微生物を同定する場合、塩基配列の
決定に先だって、RFLP法(Restriction Fragment P
olymorphism:Moyerら、Applied and Environmental Mic
robiology誌、62巻、2501〜2507ページ、1
996年))によっておおまかに相違を調べることもで
きる。すなわち、各微生物のrDNAを各種の制限酵素で完
全に消化し、ポリアクリルアミドまたはアガロースゲル
電気泳動で分離電気泳動し、DNA染色後のパターンの違
いから区別することができる。
【0040】微生物群からコロニーを分離してから調べ
る方法では、培地で分離培養できない(non-culturable
な)微生物が存在している場合、この微生物は検出でき
ない。また、培養可能な微生物であっても1種類の培地
や培養条件だけで全ての分離培養可能な微生物が検出さ
れるという保証はない。一方、微生物群を分離せずに微
生物混合体から微生物DNAを抽出して調べる方法では、
培地で分離培養できない微生物が存在する系であっても
それらを検出できる利点があるが、微生物によるDNA抽
出率の差、細胞あたりの該当遺伝子のコピー数の差、PC
R時の増幅効率の差、プライマーの選び方によって異な
る検出微生物群の感度差などがあるから、これらの特性
と対象系に出現する微生物の特性を理解した上でならば
上記方法を単独で用いてもよいし、適宜併用することも
できる。
【0041】混合rDNAから個々の微生物のrDNAを分離す
る方法には一般に電気泳動が用いられるが、これにはい
くつかの方法が提案されている。例えば、DGGE法
(Denatured Gradient Gel Electrophoresis:Muyzer
ら、Applied and Environmental Microbiology誌、59
巻、695〜700ページ、1993年)、TGGE法
(Temperature Gradient Gel Electrophoresis:Eichner
ら、Applied and Environmental Microbiology誌、65
巻、102〜109ページ、1999年)、SSCP法
(Single Strand Conformational Polymorphism:Schwie
gerら、Applied andEnvironmental Microbiology誌、6
4巻、4870〜4876ページ、1998年)、TR
FLP法(Terminal Restriction Fragment Polymorphi
sm:Liuら、Applied and Environmental Microbiology
誌、63巻、4516〜4522ページ、1997
年)、またはランダムクローニング法(Dunbarら、Appl
ied and Environmental Microbiology誌、65巻、16
62〜1669ぺージ、1999年)などがあるが、本
発明の抗菌処理方法はこれらに限定されるものではな
い。
【0042】また目的によって混合微生物系内の特定の
微生物を調べるリアルタイムPCR法(Wittwerら、BioTec
hnique誌、22巻、130〜138ページ、1997
年)、FISH法(Fluorescence In Situ Hybridizati
on:Ammanら、Applied and Environmental Microbiology
誌、58巻、614〜623ページ、1992年)、古
典的ハイブリダイゼーション法(Williamら、Microbiol
ogy誌、141巻、2793〜2800ページ、199
5年)なども本発明の抗菌処理方法に利用することがで
きる。これらの方法に使用される制限酵素やプライマー
にも各種のものがあるが、公知の任意のものを使用する
ことができる。
【0043】分離・増幅したrDNAは実験的操作により直
接その塩基配列を決定することができる。これら一連の
操作には、各種の試薬キット、例えばAutoRead Sequenc
ingKit(アマシャム・ファルマシア・バイオテク株式会
社、商標)やMicroSeq 50016S rDNA Kit(PEバイオシ
ステムズ社、商標)などが市販されているので、これら
を用いることができる。もちろん、DNAポリメラーゼ等
の試薬を独自に調合してジデオキシ法等の方法によって
操作を行うこともできる。また、解析機器としては、塩
基配列解析装置、例えばALFexpressII DNA Analysis Sy
stem(アマシャム・ファルマシア・バイオテク株式会
社、商標)やABI PRISM 310(PEバイオシステムズ
社、商標)が市販されているので、これらを用いること
ができる。もちろん、ポリアクリルアミドゲル電気泳動
を行い、オートラジオグラフィー等によりバンド(シー
クエンシングラダー)の位置を解読することもできる。
混合rDNAを試料とした場合には、電気泳動して得たバン
ドを染色後、該当するバンドをゲルごと切り出し、ゲル
からDNAを抽出・精製後、再びPCRを行い、増幅されたDN
Aを塩基配列決定に用いることができる。
【0044】既存の微生物検索データベースを用いて検
索する場合、使用する試験方法には各々のデータベース
に指定された範囲の方法が公開されているので、それに
従えばよい。
【0045】試料から採取した微生物のDNAの塩基配列
と、微生物検索データベースに登録されている塩基配列
とを比較し、データベース上で最も相同性の高い塩基配
列を有する微生物を最も近縁の微生物であると判断する
ことができる。全く同一の微生物同士であれば、ある種
の例外(例えばゲノム上の複数のコピーにおける多型
性)を除いて、指標とする遺伝子の塩基配列には100
%の相同性が認められる。また同属同種の近縁微生物同
士の場合は遺伝子の種類にもよるが100%に近い相同
性が認められ、例えば16S rDNAの場合であればおおむね
98%以上の相同性が得られる。したがって、該当する
塩基配列を比較して98%以上、好ましくは99%以上
の相同性が認められる場合は、通常同属同種の微生物と
判定することができる。相同性が98%に満たない場合
は、同属同種の微生物とは判断せず、独自の微生物番号
などを付与し、この番号を微生物名の代わりに用いるこ
とができる。
【0046】また同定した微生物の構成比は、コロニー
の割合、DNAの割合などから定量することができる。コ
ロニーを分離して調べる方法であれば、統計的に信頼で
きる数のコロニーをアトランダムに選択し、これらのコ
ロニーの同定を全て行うことによって、試料中の各種微
生物の構成比を算出することができる。また微生物群か
ら直接DNAを評価する方法では、DGGE法やTGGE
法で観察されるDNAバンドの量がもとの微生物量を反映
していると解釈されるので、DNAバンドの積算濃度に対
する個々のDNAバンドの濃度の比を構成比として捕らえ
ることができる。このようなバンド濃度を測定するため
には、市販のデンシトメーターやスキャナーに連動した
画像解析装置(例えば、ImageMaster(アマシャムファ
ルマシアバイオテク(株)製、商標)など)を用いるこ
とができる。また蛍光試薬を結合したDNAプライマーを
用いたり、泳動後の染色に蛍光物質を利用した場合は、
その蛍光量をFluorImager(アマシャムファルマシアバ
イオテク(株)製、商標)などの蛍光イメージアナライ
ザーで直接測定することもできる。またFISH法であ
れば、全微生物数に対する染色された微生物数を顕微鏡
下に直接計測して構成比を算出することができる。
【0047】微生物の絶対量は公知の方法、例えば平板
培地を用いたコロニー計測法、MPN(Most Probable
Number)法、またはDAPI(4,6−ジアミジノ−2
−フェニルインドール)、アクリジンオレンジやCFD
A(Carboxyfluoresceindiacetate)等の蛍光物質によ
る染色後の微生物細胞を顕微鏡下で定量計測するなどの
方法によって、単位容量または単位重量あたりの微生物
数を算出することができる。各種微生物の構成比と絶対
量を積算することにより、試料中の該当微生物の含有量
を算出することもできる。リアルタイムPCR法や古典
的ハイブリダイゼーション法であれば、あらかじめ既知
濃度の微生物細胞またはDNAを標準物質として試料を同
条件で反応させることにより、試料中の初発の細胞数ま
たはDNA量を推測することが可能である。
【0048】第一のスライムコントロール剤に限ってス
ライム中の微生物相が変化する理由は明らかではない
が、第一のスライムコントロール剤が水系に添加された
時、別のスライムコントロール剤と違って水中固体表面
に吸着または付着して、添加が中止された後も長く固体
表面、例えば水に浸った抄紙機の機壁や配管などの固体
表面に留まる傾向があるためと推測される。
【0049】固体表面に第一のスライムコントロール剤
が残留していれば、例え新たに流入したRiemerella様細
菌などの細菌が固体表面に付着し、増殖を開始しようと
しても残留している第一のスライムコントロール剤の阻
害作用を受けて直ちには増殖できない。そこで占有率が
非常に小さかったDDACなどに抵抗性のある菌種が生
態学的に競合相手がいない間隙をぬって徐々に増殖し、
やがて優占菌種になるものと考えられる。このように固
体表面に付着する第一のスライムコントロール剤が淘汰
因子として作用し、スライム中の微生物相が遷移するの
ではないかと推測される。
【0050】したがって、第一のスライムコントロール
剤が固体表面に残留している期間は優占菌種の増殖が阻
害されること、抵抗性菌種が徐々に増加するにしても、
これらは増殖速度が小さく優占菌種になるまでには長時
間がかかり、この期間は実質的にスライム成長が遅れる
ことなどの要素が複合してスライム抑制効果が向上する
ものと推測される。
【0051】しかしDDACのような固体表面付着性の
第一のスライムコントロール剤を使用し続けると、やが
てスライム構成菌が抵抗性菌種にとってかわるから、そ
の時にはDDACの処理効果は低下する。そこで菌種が
遷移した頃を見計らって第二のスライムコントロール剤
に切り替えるとスライム構成菌種は急速にRiemerella
細菌主体の優占菌種に戻り、抵抗性菌種が増加し続ける
のを防止することができる。このような切替え操作を繰
り返すことにより、長期間にわたってスライムの増殖を
抑制することができる。
【0052】
【発明の効果】本発明の中性抄造の製紙工程におけるス
ライム抑制方法は、スライム内のRiemerella様細菌を主
体とする微生物相を変化させることができる第一のスラ
イムコントロールを使用するとともに、抄紙機の一連続
操業期間内に第一のスライムコントロール剤と別のスラ
イムコントロール剤とを切り替えて使用するようにして
いるので、経験的判断に頼ることなく簡単に、効果よ
く、長期間にわたってスライムの発生を抑制することが
できる。
【0053】
【発明の実施の形態】実施例1 A工場Z抄紙機の白水を連続的に採取し300 liter容
量のリザーバーに保持した。抄紙機の薬注期間中は持ち
込みの薬剤の影響をなくすために取水を停止した。リザ
ーバーから白水を一定流量(0.15L/mm)で3連
のスライムモニターに供給した。このスライムモニター
は特開平9−75065号に記載されたトルク式スライ
ム試験装置、すなわち静止した外部シリンダと、この外
部シリンダ内に同軸的に設置された内部シリンダとを有
し、外部シリンダと内部シリンダとの間に水を流通させ
るとともに内部シリンダを回転させて内部シリンダ表面
にスライムを成長させるようにしたスライム試験装置を
並列に3個設けた装置である。それぞれのモニターカッ
プ(保有水量:4.15 liter)に、次のスライムコン
トロール剤をそれぞれ注入した。薬注は15分間×4回
/日の間欠注入で行った。 第一系:DBNPA(接触濃度15ppm) 第二系:DDAC(接触濃度15ppm) 第三系:コントロール(無薬注)
【0054】ローター部分に付着するスライム量をトル
ク変化で評価した。トルクの経日変化を図1に示す。図
1の結果からわかるように、第三系では開始2日目から
トルクの上昇が起こり、5日目には著量のスライムの付
着が認められた。しかし、第一系では開始12日目、第
二系では14日目からトルクの上昇が見られた。
【0055】また試験終了時(25日目)に、付着した
スライムの微生物相評価を行った。すなわち、スライム
を緩衝液に懸濁してホモジナイズ後、寒天平板に塗布
し、形成されたコロニー48個の16S rDNA塩基配列を指
標にして微生物を同定し、菌種と構成比を求めた。結果
を表1に示す。
【0056】
【表1】 表1の略号 DBNPA:2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオ
ンアミド DDAC:ジデシルジメチルアンモニウムクロリド
【0057】表1の結果からわかるように、第一系およ
び第三系ではRiemerella様細菌が優占種であったが、第
二系ではKlebsiella sp.が優占種になっていた。
【0058】実施例2 実施例1と同じスライムモニターを用いて試験を実施し
た。それぞれのモニターカップに、次のスライムコント
ロール剤をそれぞれ注入した。薬注は15分間×4回/
日の間欠注入で行った。 第一系:DBNPA(接触濃度15ppm) 第二系:DDAC(接触濃度15ppm) 第三系:DBNPA(接触濃度15ppm)とDDAC
(接触濃度15ppm)との交互切替処理。まずDBN
PAの注入からはじめ、5日間毎にスライムコントロー
ル剤を切り替えた。
【0059】ローター部分に付着するスライム量をトル
ク変化で評価した。結果を図2に示す。図2の結果から
わかるように、第一系では開始15目目、第二系では1
4日目からトルクの上昇がみられたが、第三系では開始
25日目からトルクの上昇が見られた。
【0060】また試験終了時(28日目)に、付着した
スライムの微生物相評価を実施例1と同じ方法で行っ
た。結果を表2に示す。
【0061】
【表2】 表2の略号 DBNPA:2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオ
ンアミド DDAC:ジデシルジメチルアンモニウムクロリド
【0062】表2の結果からわかるように、第一系では
Riemerella様細菌が優占種であったが、第二系ではKleb
siella sp.とAcinetobacter sp.が優占種であった。第
三系では、Klebsiella sp.が優占種であったが比較的複
数種の細菌によってスライムが構成されていた。
【0063】実施例3 実施例1と同じスライムモニターを用いて試験を実施し
た。それぞれのモニターカップに、有効成分としてDB
NPAを20%およびBBABを30%含む混合薬剤
と、DDACとを交互に切り替えて薬注した。切替条件
は、次の通りである。薬注は15分間×4回/日の間欠
注入で行った。 第一系:6時間毎(薬注の度)に切り替え 第二系:3日目毎に切り替え 第三系:7日目毎に切り替え。
【0064】ローター部分に付着するスライム量をトル
ク変化で評価した。結果を図3に示す。図3の結果から
わかるように、第一系では20日目からトルク上昇が観
察された。第二系および第三系ではどちらも23日目か
らトルク上昇が観察された。
【0065】試験例1 中性抄造により紙を製造している4箇所の製紙工場の製
紙工程から分離したRiemerella様細菌、PseudomonasE
cherichiaについて、各種スライムコントロール剤を用
いて、90%を殺菌するのに必要な最少濃度(MKC)
を調べた。結果を表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】スライムコントロール剤の略号 DDAC:ジデシルジメチルアンモニウムクロリド DBNPA:2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオ
ンアミド ジチオール:4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−
3−オン OPA:オルトフタルアルデヒド DBNE:2,2−ジブロモ−2−ニトロエタノール HPGHC:2−(p−ヒドロキシフェニル)グリオキ
シヒドロキシモイルクロリド 無機ハロゲン系化合物:臭化アンモニウムと次亜塩素酸
ナトリウムとを反応させて得られる化合物
【0068】試験例2 中性抄造により紙を製造している5箇所の製紙工場の製
紙工程から白水およびスライムを採取し、実施例1と同
じ方法により微生物相を解析した。結果を表4に示す。
【0069】
【表4】
【0070】表4の結果からわかるように、白水とスラ
イムとで微生物相に大きな差はない。また製紙工場間に
も微生物相に大きな差は認められない。
【0071】比較例1 中性抄造により紙を製造するとともに、複数のスライム
コントロール剤を抄紙機の連続操業期間が替わる毎に交
互に切り替えて使用している、いわゆる従来型の交互使
用方法でスライムの抑制処理を行っている3箇所の製紙
工場の白水およびスライムの微生物相を実施例1と同じ
方法で解析した。各製紙工場の処理方法は次の通りであ
る。結果を表5〜表7に示す。
【0072】C製紙工場:DBNPAおよびジチオール
(4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オン)
を有効成分とするスライムコントロール剤と、DBNP
AおよびBBABを有効成分とし、親水性溶媒ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテルで製剤化されたスライ
ムコントロール剤とを連続操業期間が替わる毎に交互に
切り替え。 D製紙工場:DBNPAおよびBBABを有効成分と
し、親水性溶媒ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ルで製剤化されたスライムコントロール剤と、DBNP
AおよびCIMIT(5−クロロ−2−メチル−4−イ
ソチアゾリン−3−オンと2−メチル−4−イソチアゾ
リン−3−オンの混合物)を有効成分とするスライムコ
ントロール剤とを連続操業期間が替わる毎に交互に切り
替え。 E製紙工場:DBNPAおよびBBABを有効成分と
し、親水性溶媒ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ルで製剤化されたスライムコントロール剤と、DBNP
AおよびCIMITを有効成分とするスライムコントロ
ール剤とを連続操業期間が替わる毎に交互に切り替え。
【0073】
【表5】
【0074】
【表6】
【0075】
【表7】
【0076】表5〜表7の結果からわかるように、3箇
所の製紙工場の白水およびスライムのすべての試料にお
いて、Riemerella様細菌が優占微生物であり、微生物相
に大きな違いは認められなかった。
【0077】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> KURITA WATER INDUSTRIES LTD. <120> Method for slime control in the process of the manufacture of neut ral paper <130> KWI00184 <160> 1 <210> 1 <211> 1439 <212> DNA <213> Unknown <220> <223> Nucleotide sequence of 16S rDNA of a new Gram-negative bacterium which is classified into the Flexibacter-Cytophaga-Bacteroides phylum a nd which is closely related to the genus Riemerella. <400> 1 gatgaacgct agcgggaggc ctaacacatg caagccgagc ggtattgttt cttcggaaat 60 gagagagcgg cgtacgggtg cggaacacgt gtgcaacctg cctttatctg ggggatagcc 120 tttcgaaagg aagattaata ctccataata tattgattgg catcaattaa tattgaaagc 180 tccggcggat agagatgggc acgcgcaaga ttagctagtt ggtgaggtaa cggctcacca 240 aggcgatgat ctttaggggg cctgagaggg tgatccccca cactggtact gagacacgga 300 ccagactcct acgggaggca gcagtgagga atattggtca atgggtgcaa gcctgaacca 360 gccatcccgc gtgaaggacg actgccctat gggttgtaaa cttcttttgt atagggataa 420 acctaccctc gtgagggtag ctgaaggtac tatacgaata agcaccggct aactccgtgc 480 cagcagccgc ggtaatacgg agggtgcaag cgttatccgg atttattggg tttaaagggt 540 ccgtaggcgg acttataagt cagtggtgaa atcctgtcgc ttaacgatag aactgccatt 600 gatactgtaa gtcttgagta tatttgaggt agctggaata agtagtgtag cggtgaaatg 660 catagatatt acttagaaca ccaattgcga aggcaggtta ccaagatata actgacgctg 720 agggacgaaa gcgtggggag cgaacaggat tagataccct ggtagtccac gccgtaaacg 780 atgctaactc gtttttgggc tttagggttc agagaccaag cgaaagtgat aagttagcca 840 cctggggagt acgctcgcaa gagtgaaact caaaggaatt gacgggggcc cgcacaagcg 900 gtggattatg tggtttaatt cgatgatacg cgaggaacct taccaagact taaatgggaa 960 ttgacaggtt tagaaataga tctttcttcg gacaattttc aaggtgctgc atggttgtcg 1020 tcagctcgtg ccgtgaggtg ttaggttaag tcctgcaacg agcgcaaccc ctgtcactag 1080 ttgccatcat tcagttgggg actctagtga gactgcctac gcaagtagag aggaaggtgg 1140 ggatgacgtc aaatcatcac ggcccttacg tcttgggcca cacacgtaat acaatggccg 1200 gtacagaggg cagctacaca gcgatgtgat gcaaatctcg aaagccggtc tcagttcgga 1260 ttggagtctg caactcgact ctatgaagct ggaatcgcta gtaatcgcgc atcagccatg 1320 gcgcggtgaa tacgttcccg ggccttgtac acaccgcccg tcaagccatg gaagctgggg 1380 gtacctgaag tcggtgaccg taacaggagc tgcctagggt aaaactagta actagggct 1439
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の結果を示すグラフである。
【図2】実施例2の結果を示すグラフである。
【図3】実施例3の結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 510 C02F 1/50 510C 520 520J 532 532D 532H 532C 550 550H C12Q 1/68 ZNA C12Q 1/68 ZNAA D21H 17/07 D21H 17/07 17/11 17/11 23/14 23/14 //(C12Q 1/68 (C12Q 1/68 A C12R 1:01) C12R 1:01) (72)発明者 角田 和彦 東京都新宿区西新宿三丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4B063 QA01 QA18 QQ05 QQ15 QQ43 QR08 QR33 QR42 QR56 QS25 QS34 QX02 4H011 AA02 BA01 BA06 BB04 BB06 BC18 DA13 DD01 4L055 AG35 AG37 AH21 BD11 DA02 DA09 FA08 FA30 GA34

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抄紙機により中性抄造で紙を製造してい
    る製紙工程において、スライムコントロール剤を使用し
    てスライムを抑制する方法であって、 抄紙機の一連続操業期間内に、四級アンモニウム塩系界
    面活性剤を有効成分として含有するスライムコントロー
    ル剤、またはブロム酢酸エステル化合物を有効成分とし
    て含有し溶媒を含まないかもしくは疎水性溶媒で製剤化
    されたスライムコントロール剤と、前記以外の別のスラ
    イムコントロール剤とを切り替えて使用する中性抄造の
    製紙工程におけるスライム抑制方法。
  2. 【請求項2】 3〜7日毎にスライムコントロール剤を
    切り替える請求項1記載のスライム抑制方法。
  3. 【請求項3】 スライムコントロール剤を適用する対象
    系から、定期的または任意の時点でスライムを採取し、
    このスライムの微生物相をDNAの塩基配列に基づいて解
    析し、その微生物相の優占微生物が、16S rDNAの塩基配
    列を分類指標としたときFlexibacter-Cytophaga-Bacter
    oidesグループに分類され、かつRiemerella属細菌に近
    縁のグラム陰性細菌である場合、またはこのグラム陰性
    細菌に増加傾向が認められる場合に、四級アンモニウム
    塩系界面活性剤を有効成分として含有するスライムコン
    トロール剤、またはブロム酢酸エステル化合物を有効成
    分として含有し溶媒を含まないかもしくは疎水性溶媒で
    製剤化されたスライムコントロール剤を使用し、それ以
    外の場合に前記以外の別のスライムコントロール剤を使
    用するようにスライムコントロール剤を切り替える請求
    項1記載のスライム抑制方法。
  4. 【請求項4】 優占微生物が、16S rDNAの塩基配列を分
    類指標としたときFlexibacter-Cytophaga-Bacteroides
    グループに分類され、Riemerella属細菌に近縁のグラム
    陰性細菌であり、その16S rDNAの塩基配列中に、配列表
    の配列番号1に示す塩基配列と98%以上の相同性を有
    する塩基配列を有する細菌である請求項3記載のスライ
    ム抑制方法。
  5. 【請求項5】 四級アンモニウム塩系界面活性剤がジデ
    シルジメチルアンモニウムクロリドである請求項1ない
    し4のいずれかに記載のスライム抑制方法。
  6. 【請求項6】 ブロム酢酸エステル化合物が1,4−ビ
    ス(ブロモアセトキシ)−2−ブテンである請求項1な
    いし5のいずれかに記載のスライム抑制方法。
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