JP2002249614A - 発泡性スチレン系樹脂粒子 - Google Patents
発泡性スチレン系樹脂粒子Info
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Abstract
発泡性を有しており,得られる発泡成形体が高い強度を
有するとともに外観がよく,且つ成形サイクルを短縮す
ることができる発泡性スチレン系樹脂粒子を提供するこ
と。 【解決手段】 重量平均分子量が18万〜40万のスチ
レン系樹脂からなると共に,発泡剤として沸点が90℃
以下の有機化合物が,上記スチレン系樹脂100重量部
に対し2〜5.5重量部含有され,可塑剤として平均炭
素数が20〜35個でかつ常温で液体のパラフィン類
が,上記スチレン系樹脂100重量部に対し0.5〜5
重量部含有されている発泡性スチレン系樹脂粒子であっ
て,発泡性スチレン系樹脂粒子を1.5〜2.5倍の体
積に発泡させたときに,樹脂粒子表面に厚み10〜10
0μmの非発泡層8が存在している。
Description
する発泡性スチレン系樹脂粒子に関する。
脂に,発泡剤及び発泡性改良のための可塑剤を添加して
発泡性スチレン系樹脂粒子とし,予備発泡後に金型内で
発泡成形することにより得られる。この発泡成形体は,
優れた緩衝性,断熱性を有し,成形も容易で,さらに比
較的安価な材料であるため,包装材,断熱材として広く
用いられている。
等の炭化水素が用いられている。可塑剤としては,残存
させたスチレンや,少量添加されたトルエンやキシレ
ン,またシクロヘキサン等の有機溶剤が広く利用されて
いる。このような発泡剤や可塑剤の多くは,揮発性有機
化合物である。
化合物は,平均して,スチレン系樹脂粒子100重量部
に対して,6〜9重量部含有されており,貯蔵,発泡,
成形加工等の各プロセスにおいて徐々に大気中に放出さ
れる。
から,発泡性スチレン系樹脂粒子中の発泡剤や有機溶剤
を減量する試みがなされている。例えば,特開平6−2
5456号や特開平6−25458号には,発泡剤量の
少ない発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法が開
示されている。しかし,これらの方法より得られた発泡
性スチレン系樹脂粒子は,発泡成形体としたとき,強度
が低いという問題がある。
6−80708号,特開平10−17698号には,残
存スチレンやベンゼンの含有量が少ない発泡性スチレン
系樹脂粒子及びその製造法が開示されている。しかし,
残存スチレン等は発泡性スチレン系樹脂粒子に対して優
れた可塑効果を与える。このため,残存スチレン等を減
らすと,発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡性が低下し,
発泡倍率を高くすることが困難になったり,成形時にお
いて発泡粒子同士の融着性が低下するという問題が発生
することがある。また,発泡性を高めるため,発泡性ス
チレン系樹脂粒子の分子量を低下させる方法も考えられ
る。しかし,この場合には,得られる発泡成形体の強度
が低下するという問題が生じる。
産性向上の点より,成形時間を短くすること,つまり成
形サイクルを短縮することが望まれている。
性有機化合物の含有量が少なく,優れた発泡性を有して
おり,得られる発泡成形体が高い強度を有するとともに
外観がよく,且つ成形サイクルを短縮することができる
発泡性スチレン系樹脂粒子を提供しようとするものであ
る。
子量が18万〜40万のスチレン系樹脂からなると共
に,発泡剤として沸点が90℃以下の有機化合物が,上
記スチレン系樹脂100重量部に対し2〜5.5重量部
含有され,可塑剤として平均炭素数が20〜35個でか
つ常温で液体のパラフィン類が,上記スチレン系樹脂1
00重量部に対し0.5〜5重量部含有されている発泡
性スチレン系樹脂粒子であって,上記発泡性スチレン系
樹脂粒子を1.5〜2.5倍の体積に発泡させたとき
に,樹脂粒子表面に厚み10〜100μmの非発泡層が
存在していることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒
子である。
揮発性有機化合物の含有量が少なく,優れた発泡性を有
しており,得られる発泡成形体が高い強度を有するとと
もに外観がよく,且つ成形サイクルを短縮することがで
きる発泡性スチレン系樹脂粒子を提供することができ
る。
平均分子量は18万〜40万である。これにより,高い
発泡性を維持しつつ,優れた強度を有する発泡成形体を
作成することができる。上記重量平均分子量はGPC
(Gel Permeation Chromatography;ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー)法により測定した値である。
は,得られる発泡成形体の強度が低下するおそれがあ
る。一方,重量平均分子量が40万を超えると,発泡性
が低下し,目標の発泡倍率(例えば50〜60倍)まで
発泡させることが困難になったり,成形時に発泡粒子同
士が融着しにくくなり,発泡成形体の強度が低下するお
それがある。より好ましくは,スチレン系樹脂粒子の重
量平均分子量は20万〜38万,更に好ましくは22万
〜35万である。
の中には,発泡剤として機能する沸点が90℃以下の有
機化合物が,スチレン系樹脂100重量部に対し2〜
5.5重量部含有されている。
は,発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡性が低下し,目標
の発泡倍率まで発泡させることが困難となるおそれがあ
る。5.5重量部を超えると,大気中に放出される揮発
性有機化合物の量を減らすという本発明の目的を達成す
ることができなくなるおそれがある。より好ましくは,
上記有機化合物の含有量は,スチレン系樹脂100重量
部に対して,2〜5重量部,さらに好ましくは2〜4.
5重量部である。これにより,更に揮発性有機化合物の
量を減らすことができる。上記有機化合物の沸点が90
℃を超える場合には,発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡
性が低下し,目標の発泡倍率まで発泡させることが困難
となるおそれがある。
メタン,エタン,プロパン,n−ブタン,イソブタン,
シクロブタン,n−ペンタン,イソペンタン,ネオペン
タン,シクロペンタン,n−ヘキサン,シクロヘキサン
等の飽和炭化水素化合物,メタノール,エタノール等の
低級アルコール,ジメチルエーテル,ジエチルエーテル
等のエーテル化合物等の沸点が90℃以下の有機化合物
を1種類あるいは2種類以上混合して用いることができ
る。
の中には,可塑剤として機能するパラフィン類が,スチ
レン系樹脂100重量部に対し0.5〜5重量部含有さ
れている。上記パラフィン類の含有量が0.5重量部未
満では可塑効果が少なく,発泡成形体作製の際に目標の
発泡倍率まで発泡させることが困難となるおそれがあ
る。5重量部を超えると,得られる発泡成形体の強度や
耐熱性が低下し,製造コストも高くなるおそれがある。
より好ましくは,上記パラフィン類の含有量は,スチレ
ン系樹脂100重量部に対して,0.5〜3.5重量部
である。
1,n,mは自然数)で示される分岐構造や環構造を有
する脂環式炭化水素化合物で,かつ平均炭素数が20〜
35個であり,常温で液体のパラフィン類である。
類は揮発性があるため,貯蔵,発泡,成形加工等の各プ
ロセスにおいて徐々に大気中に放出される揮発性有機化
合物となる可能性があるため,本発明にかかる効果が得
難くなるおそれがある。35個を超えるとスチレン系樹
脂との相溶性が低下し,可塑効果が低くなり,目標の発
泡倍率まで発泡させることが困難となるおそれがある。
より好ましくは,パラフィン類の平均炭素数は20〜3
0個である。これにより,成形加工中に,有機化合物が
大気中に放出することを抑制するとともに,発泡成形性
に優れた発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることができ
る。本発明に用いるパラフィン類は,常温で液体であ
る。常温とは,10〜30℃をいう。このため,目標の
発泡倍率まで発泡させるための可塑効果を得ることがで
きる。
は,1.5〜2.5倍に微発泡させたときに,樹脂粒子
表面に厚さが10〜100μmの非発泡層が存在してい
る。非発泡層の厚みが10μm未満の場合には,発泡成
形体を作製したとき,発泡粒子同士の間隙が目立ち,見
栄えが悪くなるおそれがある。一方,非発泡層の厚みが
100μmを超える場合には,発泡性スチレン系樹脂粒
子の発泡性が低下するおそれがある上に,製造コストも
高くなるおそれがある。より好ましくは,非発泡層の厚
みは20〜80μmである。
発泡させた樹脂粒子を半分に切断し,たとえば,その切
断面を走査型電子顕微鏡等で観察して写真を撮影し,写
真から任意の10ヶ所で非発泡層の厚みを測定し,その
測定値を平均して得られた値である(後述の実施例1参
照)。
を製造する方法としては,例えば,撹拌装置の付いた密
閉容器内に,スチレンを,可塑剤及び重合開始剤と共に
適当な懸濁剤の存在下で水性媒体中に分散させて重合反
応を開始してスチレン系樹脂とするとともに,重合途中
あるいは重合完了後に発泡剤を添加して,発泡性スチレ
ン系樹脂粒子を得る方法が挙げられる。
は,スチレン,またはスチレンを主成分とするビニルモ
ノマーの混合物から製造することができる。スチレンと
共重合可能なビニルモノマーとして,例えば,α−メチ
ルスチレン,p−メチルスチレン,t−ブチルスチレ
ン,クロロスチレン,ブロモスチレン,ジビニルベンゼ
ン等のスチレン誘導体や,アクリル酸メチル,アクリル
酸エチル,アクリル酸ブチル,アクリル酸2−エチルヘ
キシル,ブタンジオールジアクリレート等のアクリル酸
エステル類や,メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチ
ル,メタクリル酸ブチル,メタクリル酸2−エチルヘキ
シル等のメタクリル酸エステル類や,アクリロニトリ
ル,メタクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー等
が挙げられ,これらのビニルモノマーを2種類以上混合
して用いてもよい。
ノマーに可溶で10時間半減期温度が50〜120℃で
あるものを用いることができる。かかる重合開始剤とし
ては,クメンヒドロキシパーオキサイド,ジクミルパー
オキサイド,t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート,t−ブチルパーオキシベンゾエート,ベンゾ
イルパーオキサイド,t−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカーボネート,t−アミルパーオキシ−2−エチルヘ
キシルカーボネート,ヘキシルパーオキシ−2−エチル
ヘキシルカーボネート,ラウロイルパーオキサイド等の
有機過酸化物や,アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ
化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤は,1種類
または2種類以上組み合わせて用いることができる。重
合開始剤の使用量は,ビニルモノマー100重量部に対
して,0.01〜3重量部が好ましい。
アルコール,メチルセルロース,ポリビニルピロリドン
等の親水性高分子や,第3リン酸カルシウム,ピロリン
酸マグネシウム等の難水溶性無機塩等を用いることがで
き,必要に応じて界面活性剤を併用してもよい。難水溶
性無機塩を使用する場合は,例えばアルキルスルホン酸
ナトリウムやドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等
のアニオン系界面活性剤を併用することが好ましい。
量部に対して0.01〜5重量部が好ましい。前記の難
水溶性無機塩とアニオン性界面活性剤を併用する場合
は,ビニルモノマー100重量部に対して,難水溶性無
機塩を0.05〜3重量部,アニオン性界面活性剤を
0.0001〜0.5重量部,用いることが好ましい。
ヘキサブロモシクロドデカン等の難燃剤,2,3−ジメ
チル−2,3−ジフェニルブタン等の難燃助剤,メタク
リル酸メチル系共重合体,ポリエチレンワックス,タル
ク,シリカ,エチレンビスステアリルアミド,シリコー
ン等のセル調整剤,グリセリンジアセトモノラウレー
ト,グリセリントリステアレート等の可塑剤,帯電防止
剤,導電化剤,粒度分布調整剤,連鎖移動剤,重合禁止
剤等の,一般的に発泡性スチレン系樹脂粒子の製造に使
用されている添加剤を添加したり,ブタジエンゴム,ス
チレン−ブタジエンゴム等のゴム成分を添加することが
できる。
樹脂粒子表面に厚み10〜100μmの非発泡層を形成
させるためには,例えば,上記の方法により得られた発
泡性スチレン系樹脂粒子を水性媒体から分離して,脱
水,乾燥後に,20〜60℃の空気や窒素等の気流に曝
すことで,樹脂粒子表面近傍の発泡剤が逸散し,1.5
〜2.5倍に発泡させた際に観察される樹脂粒子表面の
非発泡層が形成される。気流の温度,流量,曝露時間等
を変更することにより,1.5〜2.5倍の体積に発泡
させた際に観察される樹脂粒子表面の非発泡層の厚みを
調整することができる。
より得られた発泡成形体は,たとえば,各種の食品容器
や医療用の容器,物品等に広く用いることができる。
発泡性スチレン系樹脂粒子中に芳香族炭化水素類が,上
記スチレン系樹脂粒子100重量部に対し0.001〜
0.12重量部含有されていることが好ましい。これに
より,芳香族炭化水素類の環境中への逸散量が少ない発
泡成形体を得ることができる。上記芳香族炭化水素類と
しては,例えばスチレン,ベンゼン,トルエン,o−キ
シレン,m−キシレン,p−キシレン,エチルベンゼ
ン,n−プロピルベンゼン,i−プロピルベンゼン等を
用いることができる。発泡性スチレン系樹脂粒子中の芳
香族炭化水素類の含有量が0.12重量部を超えると,
芳香族炭化水素類は比較的沸点が高く,発泡成形体に長
期間残存するため,例えば,食品が発泡成形体に直接触
れるような状態で使用した場合,内容物が汚染されるお
それがある。また,上記芳香族炭化水素類の含有量が
0.001重量部未満である場合,発泡性スチレン系樹
脂粒子の製造コストが高くなるおそれがある。
発泡剤は,炭素数3〜6個の炭化水素化合物であること
が好ましい。これにより,発泡性に優れた発泡性スチレ
ン系樹脂粒子を得ることができる。炭素数が3〜6個の
炭化水素化合物としては,例えばプロパン,n−ブタ
ン,イソブタン,シクロブタン,n−ペンタン,イソペ
ンタン,ネオペンタン,シクロペンタン,n−ヘキサ
ン,シクロヘキサン等が挙げられ,1種類あるいは2種
類以上混合して用いることができる。一方,炭素数が2
個以下の炭化水素化合物は,発泡性スチレン系樹脂粒子
からの逸散が速いため,製品ライフが非常に短くなるお
それがある。炭素数が7個以上では,発泡力が低下し目
標の発泡倍率まで発泡させることが困難になるおそれが
ある。より好ましくは,発泡剤は炭素数4個あるいは5
個の炭化水素化合物である。
発泡剤の内,30重量%以上が直鎖炭化水素化合物であ
ることが好ましい。発泡剤中の直鎖炭化水素化合物の割
合が30重量%未満であると,成形時において発泡粒子
間の間隙が多くなり,得られる発泡成形体の見栄えが劣
ったり,成形サイクルが長くなるおそれがある。更に
は,上記発泡剤の内,40重量%以上が直鎖炭化水素化
合物であることが好ましく,より好ましくは,50重量
%以上である。上記直鎖炭化水素化合物としては,プロ
パン,n−ブタン,n−ペンタン,n−ヘキサンなどが
挙げられる。
れを予備発泡させて予備発泡粒子とし,その後,予備発
泡粒子を加熱発泡させて,予備発泡粒子同士を融着させ
て,発泡成形体とする。予備発泡の方法としては,例え
ば,撹拌装置の付いた円筒形の予備発泡機を用いて,ス
チームなどで加熱し発泡させる方法がある。予備発泡粒
子を発泡成形体とする方法として,例えば,金型内に予
備発泡粒子を充填し,スチームなどで加熱する,型内成
形法で発泡成形体を得る方法が挙げられる。このように
して,得られた発泡成形体の密度は,密度が低いと強度
が不足し,逆に密度が高いと不経済であるため,15〜
30kg/m3であるのが好ましい。
性スチレン系樹脂粒子について,実施例及び比較例を用
いて説明する。
脱イオン水16kg,懸濁剤として第3リン酸カルシウ
ム20g,界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム0.8gを投入した。次いで,重合開始剤
としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト40g,及び,t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘ
キシルモノカーボネート20g,可塑剤として流動パラ
フィン(松村石油研究所社製 モレスコホワイトP6
0,平均炭素数22個)340gをスチレン17kgに
溶解させ,230rpmで撹拌しながらオートクレーブ
に投入した。オートクレーブ内を窒素置換した後,昇温
を開始し,1時間半かけて90℃まで昇温した。90℃
到達後,さらに100℃まで5時間かけて昇温し,さら
に110℃まで1時間で昇温し,そのまま110℃で5
時間保持した。昇温途中,60℃到達時に懸濁助剤とし
て過硫酸カリウムの0.1%水溶液を90g添加し,9
0℃到達4時間目に発泡剤としてブタン(n−ブタン7
0%とイソブタン30%の混合物)880gをオートク
レーブ内に圧入した。その後,30℃まで約6時間かけ
て冷却した。
粒子の表面に付着した第3リン酸カルシウムを除去する
ため,硝酸を添加して第3リン酸カルシウムを溶解させ
た後,遠心分離機で脱水した。次に,発泡性スチレン系
樹脂粒子100重量部に対して,帯電防止剤であるN,
N―ビス(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン0.
005重量部を添加した後,気流乾燥機により乾燥させ
た。得られた発泡性スチレン系樹脂粒子を篩いにかけて
0.7〜1.4mmの粒子を取り出した。0.7〜1.
4mmの粒子に,さらにステアリン酸亜鉛0.1重量
部,グリセリントリステアレート0.05重量部及びグ
リセリンモノステアレート0.05重量部の混合物によ
り被覆した。
gを,上下に100メッシュの金網の付いた直径35c
mの筒型金属容器に入れ,流量80m3/hで,50℃
の温風空気を筒型金型容器下部より導入し,そのまま9
0分処理して発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
kgを加圧バッチ予備発泡機(ダイセン工業社製DYH
500U)内で,缶内圧力が0.04MPaになるよう
にスチームを供給し,約90秒間加熱した後,60秒間
乾燥させて,嵩密度が約17kg/m3(発泡倍率 約
60倍)の予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子
を室温で1日熟成後,型物成形機(ダイセン工業社製,
VS500)の金型に充填し,0.07MPaのスチー
ム圧力で20秒間加熱し,所定時間冷却後,金型から取
り出し,発泡成形体を得た。
系樹脂粒子の発泡剤の含有量,芳香族炭化水素類の含有
量,残存スチレン量,重量平均分子量,発泡性,非発泡
層の厚み,発泡成形を得るのに必要な成形冷却時間,得
られた発泡成形体の表面外観,セルナンバー,曲げ強
度,50%破壊高さは,以下の方法で評価した。
> 発泡性スチレン系樹脂粒子をジメチルホルムアミドに溶
解させ,ガスクロマトグラフィーにて,沸点が90℃以
下の各有機化合物の含有量を求め,含有量を合計して,
発泡剤の含有量とした。また,ガスクロマトグラフィー
から測定した直鎖炭化水素であるプロパン,n−ブタ
ン,n−ペンタン,n−ヘキサンの各含有量を合計し,
次の計算式により発泡剤中の直鎖炭化水素の割合を求め
た。
直鎖炭化水素の含有量の合計(重量部)/発泡剤の含有
量(重量部)
含有量> 発泡性スチレン系樹脂粒子をジメチルホルムアミドに溶
解させ,ガスクロマトグラフィーにて,残存スチレン
量,ならびにトルエン,キシレン,ベンゼン,エチルベ
ンゼン及びプロピルベンゼンそれぞれの含有量を測定し
た。各成分の含有量を合計して芳香族炭化水素類の含有
量とした。
粒子をテトラヒドロフランに溶解させ,ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィーで測定し,標準ポリスチレン
で校正して求めた。
粒子を箱形バッチ予備発泡機(昭和57年8月3日 特
許庁発行の周知慣用技術集(発泡成形)第38頁参照)
に入れ,圧力が0.03MPaのスチームを導入し,2
70秒間加熱して発泡させた。得られた発泡粒子を室温
にて8時間以上自然乾燥させてから嵩密度を測定し,発
泡性を評価した。嵩密度が小さいほど,発泡性の良いこ
とがわかる。
粒子を目開きが0.85mm及び1.00mmのJIS
篩いにより篩い分けし,粒子径が0.85mm〜1.0
0mmの樹脂粒子を得る。次いで,箱形バッチ予備発泡
機に篩い分けした樹脂粒子を入れ,圧力が0.03MP
aのスチームを導入し,30〜60秒間加熱する(加熱
時間は微発泡粒子が得られるように都度調整する)。得
られた微発泡粒子を目開きが1.00mm及び1.18
mmのJIS篩いにより篩い分けし,粒子径が1.00
〜1.18mmの微発泡粒子を得る。このようにして得
られた微発泡粒子を1.5〜2.5倍の体積に発泡させ
た発泡粒子として,非発泡層の厚みの測定に用いた。な
お,得られた微発泡粒子の嵩密度は330kg/m3で
あった。発泡前の発泡性スチレン系樹脂粒子の嵩密度は
640kg/m3だったので,得られた微発泡粒子の発
泡倍率は1.9倍であった。
に切断し,その切断面の写真を走査型電子顕微鏡で撮影
した。そして,図1のように,発泡粒子外縁7にもっと
も近い気泡6を囲むように補助線5を引き,任意の10
ヶ所で発泡粒子外縁7から補助線5までの距離Tを測定
し,その測定値の平均値を非発泡層8の厚みとした。
体が得られる金型に面圧計を取り付けておき,スチーム
圧力0.07MPaで20秒間加熱し5秒間水冷した
後,減圧状態で放冷を開始し,発泡成形体の面圧が0.
02MPa以下になるのに要した放冷時間を成形冷却時
間として測定した。
により,下記基準にて評価した。 ○:発泡粒子間の間隙がなく,表面が溶融した発泡粒子
もなく,表面が平滑で見栄えがよい。 △:発泡粒子間の間隙が少なく,表面が溶融した発泡粒
子が僅かに存在し,比較的表面は平滑であるが,見栄え
が劣る。 ×:発泡粒子間の間隙が多く,あるいは表面に溶融した
発泡粒子が多数存在し,表面が凸凹し見栄えが非常に悪
い。あるいは発泡成形体が得られない。
スライサーで切断し,光学顕微鏡にて切断面を写真撮影
した。切断面の写真上に直線を引き,直線と交わってい
る気泡数を数え,気泡数を直線の長さで除して,1mm
当たりの気泡数を求め,これをセルナンバー(個/m
m)とした。
00mm×横75mm×厚さ25mmの試験片を作成
し,JIS A 9511に準拠して曲げ強度を測定し
た。
て,縦200mm×横40mm×厚さ25mmの試験片
を作成し,重量255gの鋼球を用いる以外は,JIS
K 7211に準拠して50%破壊高さを測定した。
タン(発泡剤)の添加量を1100gとした以外は実施
例1と同様に行った。
パーオキシ−2−エチルヘキサノエート(重合開始剤)
の量を25g,t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
シルカーボネート(重合開始剤)の量を25gとし,ブ
タン(発泡剤)の量を1000gとした以外は実施例1
と同様に行った。
レスコホワイトP150,平均炭素数25個)340g
を添加した以外は,実施例1と同様に行った。
ヘキシルモノカーボネートの代わりに,t−アミルパー
オキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネートを15g
添加した以外は,実施例1と同様に行った。
スコホワイトP350P,平均炭素数33個)340g
を添加した以外は実施例1と同様に行った。
泡剤)の量を650gとした以外は実施例1と同様に行
った。
0%の混合物)を用いた以外は実施例1と同様に行っ
た。
の非発泡層を形成させるための50℃の温風空気による
処理を行わなかった点を除き,実施例1と同様に行っ
た。
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート(重合開始剤)の
量を50g,ブタン(発泡剤)の量を1200gとする
以外は実施例1と同様に行った。
加し,発泡剤としてシクロヘキサン250g及びブタン
1300g添加し,110℃での保持時間を1.5時間
とする以外は,実施例1と同様に行った。
泡性スチレン系樹脂粒子の発泡剤の含有量,直鎖炭化水
素の割合,残存スチレン量,芳香族炭化水素類の含有
量,重量平均分子量,発泡性,非発泡層の厚み,成形冷
却時間,表面外観,セルナンバー,曲げ強度,50%破
壊高さについて,表1及び表2に示した。表1及び表2
より明かなように,本発明の実施例1〜5に係る発泡性
スチレン系樹脂粒子は,成形冷却時間が短く,表面外
観,曲げ強度,50%破壊高さがいずれも優れていた。
一方,比較例1は非発泡層の厚みが10μm未満であ
り,表面外観がよくなかった。比較例2はパラフィンの
添加量が少なく,表面外観がよくなかった。比較例3
は,発泡剤の含有量が多く,冷却時間が長かった。
レン系樹脂粒子を,1.5〜2.5倍の体積に発泡させ
たときの断面を走査型電子顕微鏡を用いて写真撮影し
た。図2は実施例1の写真であり,図3は比較例1の写
真である。実施例1の写真では,多数の気泡を有する部
分の外縁に比較的厚い非発泡層がみえる。一方,比較例
1では,非発泡層の厚みは,実施例1よりもかなり薄い
ことがわかる。
万のスチレン系樹脂からなると共に,発泡剤として沸点
が90℃以下の有機化合物が,上記スチレン系樹脂10
0重量部に対し2〜5.5重量部含有され,可塑剤とし
て平均炭素数が20〜35個でかつ常温で液体のパラフ
ィン類が,上記スチレン系樹脂100重量部に対し0.
5〜5重量部含有されている発泡性スチレン系樹脂粒子
であって,発泡性スチレン系樹脂粒子を1.5〜2.5
倍の体積に発泡させたときに,樹脂粒子表面に厚み10
〜100μmの非発泡層が存在している場合には,高い
強度で外観がよい発泡成形体が得られ,成形サイクルを
短縮することができることがわかる。
化合物の含有量が少なく,優れた発泡性を有しており,
得られる発泡成形体が高い強度を有するとともに外観が
よく,且つ成形サイクルを短縮することができる発泡性
スチレン系樹脂粒子を提供することができる。
発泡させた発泡粒子の断面図。
の体積に発泡させた発泡粒子の断面組織を撮影した図面
代用写真(倍率113倍)。
の体積に発泡させた発泡粒子の断面組織を撮影した図面
代用写真(倍率111倍)。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量平均分子量が18万〜40万のスチ
レン系樹脂からなると共に,発泡剤として沸点が90℃
以下の有機化合物が,上記スチレン系樹脂100重量部
に対し2〜5.5重量部含有され,可塑剤として平均炭
素数が20〜35個でかつ常温で液体のパラフィン類
が,上記スチレン系樹脂100重量部に対し0.5〜5
重量部含有されている発泡性スチレン系樹脂粒子であっ
て,上記発泡性スチレン系樹脂粒子を1.5〜2.5倍
の体積に発泡させたときに,樹脂粒子表面に厚み10〜
100μmの非発泡層が存在していることを特徴とする
発泡性スチレン系樹脂粒子。 - 【請求項2】 請求項1において,上記発泡性スチレン
系樹脂粒子中に芳香族炭化水素類が,上記スチレン系樹
脂粒子100重量部に対し0.001〜0.12重量部
含有されていることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂
粒子。 - 【請求項3】 請求項1または2において,上記発泡剤
は,炭素数3〜6個の炭化水素化合物であることを特徴
とする発泡性スチレン系樹脂粒子。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
上記発泡剤の内,30重量%以上が直鎖炭化水素化合物
であることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001049088A JP2002249614A (ja) | 2001-02-23 | 2001-02-23 | 発泡性スチレン系樹脂粒子 |
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JP2001049088A JP2002249614A (ja) | 2001-02-23 | 2001-02-23 | 発泡性スチレン系樹脂粒子 |
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---|---|
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ID=18910245
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JP (1) | JP2002249614A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014193948A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-09 | Sekisui Plastics Co Ltd | スチレン系発泡樹脂粒子及びスチレン系発泡成形体 |
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-
2001
- 2001-02-23 JP JP2001049088A patent/JP2002249614A/ja active Pending
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