JP2002249527A - 付加共重合体、付加共重合体水素化物およびそれらの製造方法 - Google Patents

付加共重合体、付加共重合体水素化物およびそれらの製造方法

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JP2002249527A
JP2002249527A JP2001051757A JP2001051757A JP2002249527A JP 2002249527 A JP2002249527 A JP 2002249527A JP 2001051757 A JP2001051757 A JP 2001051757A JP 2001051757 A JP2001051757 A JP 2001051757A JP 2002249527 A JP2002249527 A JP 2002249527A
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Naoya Kishi
直哉 岸
Shojiro Aida
昭二郎 会田
Yasuo Tsunokai
靖男 角替
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴム質重合体としてもプラスチックとしても
設計可能な、共役ジエン−環状オレフィン付加共重合体
を提供すること。 【解決手段】 共役ジエン系単量体由来の繰り返し構造
単位と、環状オレフィン系単量体由来の繰り返し構造単
位とを少なくとも有する付加共重合体であって、全重合
体繰り返し構造単位に対する前記各繰り返し構造単位の
含有量が、共役ジエン系単量体由来の繰り返し構造単位
10〜99モル%に対して環状オレフィン系単量体由来
の繰り返し構造単位90〜1モル%であり、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算
の重量平均分子量が5,000〜1,000,000で
あり、ガラス転移温度が−100〜200℃である付加
共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、付加共重合体およ
び付加共重合体水素化物ならびにそれらの製造方法に関
し、さらに詳しくは、共役ジエン系単量体由来の繰り返
し構造単位と環状オレフィン系単量体由来の繰り返し構
造単位とを有す付加共重合体および付加共重合体水素化
物ならびにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリブタジエンやポリイソプレンのよう
な共役ジエン系重合体は古くから知られているが、種々
の重合触媒により重合体の1,4−結合や1,2−結合
の比率を規制したり、シス構造やトランス構造の割合を
制御する技術が開発されたことにより、タイヤ、樹脂改
質剤、自動車部品および靴底などのゴム材料として用途
が格段に広がった。しかし、一般的に共役ジエン系重合
体は、弾性や機械的強度を発現するためには、加硫やカ
ーボン配合などが必要である。このため、加工設備面の
みならず、品質面でも透明性や臭いに関して問題を有し
ている。また、共役ジエン系重合体の剛性や、弾性を増
強させたものとして、スチレンとのランダム共重合体や
ブロック共重合体、スチレンとの共重合体の水素化物な
どが製造されている。しかし、これらによっても、剛
性、弾性、さらには機械的強度はいまだ不十分であっ
た。
【0003】一方、エチレンとノルボルネン類のような
環状オレフィンとのビニル付加共重合体は、直鎖状重合
体の柔軟性と環状重合体の剛性の双方を有する炭化水素
系重合体として報告されているが、この重合体はエチレ
ン部分が結晶性を有するため透明性が不十分であるほ
か、低温での弾性に欠け、また、機械的強度も不十分で
あるという問題点があった。この環状オレフィンビニル
付加共重合体のエチレンを共役ジエンに変える改良案が
考えられる。共役ジエンと環状オレフィンの共重合体の
製造方法としては、ディールス・アルダー反応による熱
重合法とフリーデル・クラフツ反応によるカチオン重合
法とが古くから知られている。しかし、熱重合では環構
造が連なる、剛直で脆い、いわゆる石油樹脂となり、カ
チオン重合では得られる重合体がオリゴマー程度の低分
子量体で、また、架橋反応や環化反応などの副反応を伴
うので、剛直で脆い材料しか得られていなかった。遷移
金属化合物を重合触媒とする共役ジエンの重合および環
状オレフィンの重合はそれぞれ重合反応機構も詳しく研
究されているが、共役ジエンと環状オレフィンの重合反
応機構は異なるので、重量平均分子量が5000以上の
十分な分子量を有する共重合体の生成は不可能であると
いう見方が一般的であった。このように、高弾性で機械
的強度に優れ、しかも透明性の良い、ゴム質合体体材料
およびプラスチック材料として優れた共役ジエン−環状
オレフィン共重合体の出現が強く望まれていたが、これ
まで成功した例は報告されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ゴム
質重合体としてもプラスチックとしても設計可能な、共
役ジエン−環状オレフィン付加共重合体および共役ジエ
ン−環状オレフィン付加共重合体水素化物、ならびに、
それらの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、少なくとも、
共役ジエン系単量体由来の繰り返し構造単位と環状オレ
フィン系単量体由来の繰り返し構造単位とを特定範囲有
し、特定範囲の重量平均分子量とガラス転移温度を有す
る共役ジエン−環状オレフィン付加共重合体が上記目的
を達成することを見出した。本発明はこの知見に基いて
完成されたものである。
【0006】かくして本発明によれば、(1)少なくと
も共役ジエン系単量体由来の繰り返し構造単位と環状オ
レフィン系単量体由来の繰り返し構造単位とを有する付
加共重合体であって、全重合体繰り返し構造単位に対す
る前記各繰り返し構造単位の含有量が、共役ジエン系単
量体由来の繰り返し構造単位:10〜99モル%環状オ
レフィン系単量体由来の繰り返し構造単位:90〜1モ
ル%であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
によるポリスチレン換算の重量平均分子量が5,000
〜1,000,000であり、ガラス転移温度が−10
0〜200℃である付加共重合体、(2)少なくとも共
役ジエン系単量体由来の繰り返し構造単位と環状オレフ
ィン系単量体由来の繰り返し構造単位とを少なくとも有
する付加共重合体水素化物であって、全重合体繰り返し
構造単位に対する前記各繰り返し構造単位の含有量が、
共役ジエン系単量体由来の繰り返し構造単位:10〜9
9モル%環状オレフィン系単量体由来の繰り返し構造単
位:90〜1モル%であり、ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーによるポリスチレン換算の重量平均分子
量が5,000〜1,000,000であり、ガラス転
移温度が−100〜200℃であり、全炭素−炭素結合
数に対する二重結合(芳香環の二重結合を除く)数の割
合が0.2%以下である付加共重合体水素化物、(3)
配位子がπ電子で配位した周期表第4〜10族遷移金属
化合物を含む重合触媒の存在下で、共役ジエン系単量体
と環状オレフィン系単量体とを共重合させることを特徴
とする付加共重合体の製造方法、(4)配位子がπ電子
で配位した周期表第4〜10族遷移金属化合物を含む重
合触媒の存在下で、共役ジエン系単量体と環状オレフィ
ン系単量体とを共重合させて付加共重合体を得た後、前
記付加共重合体中の炭素−炭素二重結合を水素化するこ
とを特徴とする付加共重合体水素化物の製造方法、が提
供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の付加共重合体は、共役ジ
エン系単量体由来の繰り返し構造単位と、環状オレフィ
ン系単量体由来の繰り返し構造単位とを少なくとも有す
る付加共重合体であって、全重合体繰り返し構造単位に
対する各単量体繰り返し構造単位の割合が、共役ジエン
系単量体由来の繰り返し構造単位10〜99モル%と、
環状オレフィン系単量体由来の繰り返し構造単位90〜
1モル%の付加共重合体である。本付加重合体中の各単
量体繰り返し構造単位の割合は、本付加重合体の使用目
的によって任意に選定することが好ましい。例えば、T
gが40℃以下のゴム質重合体(エラストマーおよびゴ
ム)として使用する場合には、付加共重合体の全繰り返
し構造単位に対する共役ジエン系単量体由来の繰り返し
構造単位の割合が50〜99モル%が好ましく、60〜
99モル%がより好ましい。一方、プラスチックとして
使用する場合には、付加共重合体の全繰り返し構造単位
に対する共役ジエン系単量体由来の繰り返し構造単位の
割合が10〜50モル%が好ましく、10〜40モル%
がより好ましい。また、上記2種の単量体と付加共重合
可能な第三の単量体に由来する繰り返し構造単位の付加
共重合体の全繰り返し構造単位に対する割合を50モル
%以下、好ましくは40モル%以下、より好ましくは3
0モル%以下含有してもよい。また、本発明の付加共重
合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによ
るポリスチレン換算の重量平均分子量(以下「Mw」と
記載することがある。)が5,000〜1,000,0
00、好ましくは7,000〜500,000、より好
ましくは10,000〜400,000であり、ガラス
転移温度(以下、「Tg」と記載することがある。)が
−100〜200℃、好ましくは−90〜190℃、よ
り好ましくは−80〜180℃のものである。本発明の
付加共重合体は、重量平均分子量が十分に高く、適度の
ガラス転移温度を有するので機械的強度および弾性に優
れ、かつ、結晶性がないので透明性に優れている。
【0008】また、本発明の付加共重合体水素化物は、
上記の付加共重合体と繰り返し構造単位の組成、重量平
均分子量およびガラス転移点の範囲が同じであることに
加えて、芳香族性二重結合を除く全炭素−炭素結合数に
対する二重結合数の割合が0.2%以下、好ましくは
0.1%以下、より好ましくは0.05%以下である特
徴を有する。本発明の付加共重合体水素化物は、二重結
合が少ないため、機械的強度、弾性および透明性に優れ
ることに加えて、耐熱性および耐候性が良い利点を有す
る。
【0009】本発明の付加共重合体を製造するには、共
役ジエン系単量体と環状オレフィン系単量体と、さらに
所望により第三の単量体とを付加共重合する。重合触媒
として、後述の周期表第4〜10族遷移金属化合物を主
成分を使用すれば、上記範囲の十分に高い分子量を持つ
共重合体を得ることができる。また、本発明の付加共重
合体水素化物は、例えば、上記方法によって得られた付
加共重合体を有機溶媒に溶解して水素化触媒の存在下で
水素添加反応を行って製造することができる。
【0010】本発明で使用する共役ジエン系単量体とし
ては、下記一般式[1]の、R、R、Rおよ
びRが互いに結合していない直鎖状または分岐状共
役ジエン系単量体と、RとRが互いに結合した
環状共役ジエン系単量体を挙げることができる。
【0011】
【化1】
【0012】(式中、R、R、RおよびR
は独立に水素原子もしくはハロゲン原子、または、
ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子もしくはケイ素原子
を含んでも良い、炭素数1〜20の分岐していてもよい
炭化水素基である。また、R とRが互いに結合
して環状構造を形成してもよい。)
【0013】上記一般式[1]で示される共役ジエン系
単量体は、2つのオレフィン性二重結合が互いに共役し
ている化合物であればよく、具体例としては、ブタジエ
ン、イソプレン、ピペリレン、2,3−ジメチル−1,
3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン、2−メチル−
1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジ
エンなどの直鎖状または分岐状共役ジエン系単量体;シ
クロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、1,3
−シクロヘキサジエン、1,3−シクロオクタジエンな
どの環状共役ジエン系単量体を挙げることができる。
【0014】上記共役ジエン系単量体由来の繰り返し構
造単位とは、共役ジエン系単量体が付加重合したときの
重合体中の構造単位である。共役ジエン系単量体の付加
重合の形式には、1,4−付加重合と1,2−ビニル付
加重合があり、さらに1,4−付加重合には、シス構造
とトランス構造がある。そのため、共役ジエン系単量体
の繰り返し構造単位は、1,4−シス型(下記一般式
[2])、1,4−トランス型(下記一般式[3])お
よび1,2−ビニル型(下記一般式[4])の3種類存
在する。本発明の共役ジエン−環状オレフィン付加共重
合体には、これら3種込みの共役ジエン系単量体由来の
繰り返し構造単位が全繰り返し構造単位中の10〜99
モル%占めるのである。
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】本発明で使用する環状オレフィン系単量体
は、環内にオレフィン性二重結合を有する環状炭化水素
化合物で、具体的には、下記一般式[5]で示されるモ
ノ環状オレフィン系単量体と、下記一般式[6]で示さ
れるノルボルネン系単量体を挙げることができる。
【0019】
【化5】
【0020】(式中、複数のR、RおよびR
はそれぞれ独立に、水素原子もしくはハロゲン原
子、または、炭素数1〜20の、分岐してもよい炭化水
素基を示す。隣り合った炭素原子に結合した2個のR
が互いに結合して環を形成してもよい。lは0から
7の整数である。)
【0021】
【化6】
【0022】(式中、R〜R15はそれぞれ独立
に、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の分
岐してもよい炭化水素基を示す。R16〜R19はそれ
ぞれ独立に、水素原子、または、ハロゲン原子、ケイ素
原子、酸素原子もしくは窒素原子を含んでもよい、炭素
数1〜20の分岐してもよい炭化水素基を示す。R16
とR19は互いに結合して環を形成してもよい。mは
0、1または2である。)
【0023】上記環状オレフィン系単量体由来の構造単
位とは、上記の環状オレフィン系単量体をビニル付加重
合したときの重合体中の構造単位である。具体的には、
モノ環状オレフィン系単量体が付加重合するときの下記
一般式[7]などで示される1,2−付加構造単位、お
よび、ノルボルネン系単量体が付加重合するときの下記
一般式[8]で示される構造単位を挙げることができ
る。モノ環状オレフィン系単量体由来の構造単位には、
一般式[7]で示される1,2−付加構造ばかりでな
く、一般式[9]で示される1,3−付加構造も含まれ
る。本発明の共役ジエン−環状オレフィン付加共重合体
には、一般式[7]、一般式[9]および一般式[8]
で示される環状オレフィン系単量体由来の繰り返し構造
単位が全繰り返し構造単位中の1〜90モル%占めるの
である。
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】モノ環状オレフィン系単量体の具体例とし
ては、シクロプロパン、シクロブテン、シクロペンテ
ン、メチルシクロペンテン、シクロヘキセン、メチルシ
クロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどを
挙げることができる。さらに、隣接する炭素原子に結合
する2個のRが互いに結合して、環状オレフィンの
外部に環を形成する例としては、例えば、ビシクロ
[3.3.0]オクテン(一般式[10])、トリシク
ロ[5.2.1.02,6]デカ−3−エン(一般式
[11])、ビシクロ[4.3.0]ノナ−3,7−ジ
エン(一般式[12])などを挙げることができる。
【0028】
【化10】
【0029】
【化11】
【0030】
【化12】
【0031】ノルボルネン系単量体の具体例としては、
ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノ
ルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−ヘキシルノ
ルボルネン、5−デシルノルボルネン、5−シクロヘキ
シルノルボルネン、5−シクロペンチルノルボルネンな
どの無置換またはアルキル基を有するノルボルネン類;
5−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネ
ン、5−プロペニルノルボルネン、5−シクロヘキセニ
ルノルボルネン、5−シクロペンテニルノルボルネンな
どのアルケニル基を有するノルボルネン類;5−フェニ
ルノルボルネンなどの芳香環を有するノルボルネン類;
5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−エトキシカ
ルボニルノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカル
ボニルノルボルネン、5−メチル−5−エトキシカルボ
ニルノルボルネン、ノルボルネニル−2−メチルプロピ
オネイト、ノルボルネニル−2−メチルオクタネイト、
ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒド
ロキシメチルノルボルネン、5,6−ジ(ヒドロキシメ
チル)ノルボルネン、5,5−ジ(ヒドロキシメチル)
ノルボルネン、5−ヒドロキシイソプロピルノルボルネ
ン、5,6−ジカルボキシノルボルネン、5−メトキシ
カルボニル−6−カルボキシノルボルネン、などの酸素
原子を含む極性基を有するノルボルネン類;
【0032】5−シアノノルボルネン、ノルボルネン−
5,6−ジカルボン酸イミドなどの窒素原子を含む極性
基を有するノルボルネン類;ジシクロペンタジエン、ト
リシクロ[4.3.12,5 .0]デカ−3−エン、
トリシクロ[4.4.12, .0]ウンダ−3−エ
ンなどを挙げることができる。さらに、テトラシクロ
[6.5.12,5 .01,6 .08,13]トリ
デカ−3,8,10,12−テトラエン(1,4−メタ
ノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンとも
いう)、テトラシクロ[6.6.12,5 .0
1,6 .08,13]テトラデカ−3,8,10,1
2−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,
10,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)な
どの芳香環を有するノルボルネン類;
【0033】テトラシクロドデセン、8−メチルテトラ
シクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、8
−シクロヘキシルテトラシクロドデセン、8−シクロペ
ンチルテトラシクロドデセンなどの無置換またはアルキ
ル基を有するテトラシクロドデセン類;8−メチリデン
テトラシクロドデセン、8−エチリデンテトラシクロド
デセン、8−ビニルテトラシクロドデセン、8−プロペ
ニルテトラシクロドデセン、8−シクロヘキセニルテト
ラシクロドデセン、8−シクロペンテニルテトラシクロ
ドデセンなどの環外に二重結合を有するテトラシクロド
デセン類;8−フェニルテトラシクロドデセンなどの芳
香環を有するテトラシクロドデセン類;
【0034】8−メトキシカルボニルテトラシクロドデ
セン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシク
ロドデセン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロドデセ
ン、8−カルボキシテトラシクロドデセン、テトラシク
ロドデセン−8,9−ジカルボン酸、テトラシクロドデ
セン−8,9−ジカルボン酸無水物などの酸素原子を含
む置換基を有するテトラシクロドデセン類;8−シアノ
テトラシクロドデセン、テトラシクロドデセン−8,9
−ジカルボン酸イミドなどの窒素原子を含む置換基を有
するテトラシクロドデセン類;8−クロロテトラシクロ
ドデセンなどのハロゲン原子を含む置換基を有するテト
ラシクロドデセン類;8−トリメトキシシリルテトラシ
クロドデセンなどのケイ素原子を含む置換基を有するテ
トラシクロドデセン類;
【0035】ヘキサシクロヘプタデセン、12−メチル
ヘキサシクロヘプタデセン、12−エチルヘキサシクロ
ヘプタデセン、12−シクロヘキシルヘキサシクロヘプ
タデセン、12−シクロペンチルヘキサシクロヘプタデ
センなどの無置換またはアルキル基を有するヘキサシク
ロヘプタデセン類;12−メチリデンヘキサシクロヘプ
タデセン、12−エチリデンヘキサシクロヘプタデセ
ン、12−ビニルヘキサシクロヘプタデセン、12−プ
ロペニルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロヘキ
セニルヘキサシクロヘプタデセン、12−シクロペンテ
ニルヘキサシクロヘプタデセンなどの環外に二重結合を
有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−フェニルヘ
キサシクロヘプタデセンなどの芳香環を有するヘキサシ
クロヘプタデセン類;
【0036】12−メトキシカルボニルヘキサシクロヘ
プタデセン、12−メチル−12−メトキシカルボニル
ヘキサシクロヘプタデセン、12−ヒドロキシメチルヘ
キサシクロヘプタデセン、12−カルボキシヘキサシク
ロヘプタデセン、ヘキサシクロヘプタデセン−12,1
3−ジカルボン酸、ヘキサシクロヘプタデセン−12,
13−ジカルボン酸無水物などの酸素原子を含む置換基
を有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−シアノヘ
キサシクロヘプタデセン、ヘキサシクロヘプタデセン−
12,13−ジカルボン酸イミドなどの窒素原子を含む
置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−ク
ロロヘキサシクロヘプタデセンなどのハロゲン原子を含
む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセン類;12−
トリメトキシシリルヘキサシクロヘプタデセンなどのケ
イ素原子を含む置換基を有するヘキサシクロヘプタデセ
ン類などが挙げられる。これらノルボルネン系単量体の
なかでも、一般式[6]のmが0で比較的少ない環から
なるノルボルネン類が重合しやすくて好ましく、その中
で特に、ノルボルネン、メチルノルボルネン、エチルノ
ルボルネン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタ
ジエンなどが好ましい。
【0037】共役ジエン系単量体および環状オレフィン
系単量体と付加共重合可能な第三の単量体としては、ス
チレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、エチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチル
スチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、
m−クロロスチレン、p−ブロモスチレン、ビニルナフ
タレンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、プロピレ
ン、1−ブテンなどのα−オレフィン化合物;(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキ
シル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどの(メタ)アク
リル酸アルキルエステル;(メタ)アクリロニトリルな
どのニトリル基含有単量体;(メタ)アクリルアミド、
N−メチロール(メタ)アクリアミド、N−ブトキシメ
チル(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルア
ミド単量体などが挙げられる。
【0038】重合反応を行う際の共役ジエン系単量体と
環状オレフィン系単量体との仕込み割合は、生成する共
役ジエン−環状オレフィン付加共重合体の全繰り返し構
造単位が、共役ジエン系単量体由来の繰り返し構造単位
10〜99モル%で、環状オレフィン系単量体由来の繰
り返し構造単位90〜1モル%になるように決定する必
要がある。両単量体の仕込み割合と両単量体由来の繰り
返し構造単位の割合との関係は、予備実験をすることに
より把握することができる。
【0039】本発明において、共役ジエン系単量体と環
状オレフィン系単量体とを付加共重合させるための重合
触媒として、周期表第4族〜第10族遷移金属化合物で
あって、該遷移金属にπ電子で配位する配位子を有する
化合物が主成分である重合触媒を使用する。周期表第4
族〜第10族の遷移金属は、いずれも使用できるが、具
体的例としては、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、
バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、
タングステン、マンガン、レニウム、鉄、ルビジウム、
オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケ
ル、パラジウム、白金などを挙げることができる。なか
でも、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウ
ム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、パラ
ジウムなどが好ましい。
【0040】π電子で配位する配位子とは、不飽和化合
物あるいは不飽和基がそのπ分子軌道を用いて上記の遷
移金属に配位する配位子である。π電子で配位する配位
子の具体例としては、エチレン、シクロペンテン、シク
ロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ノルボ
ルネン、1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロ
オクタジエン、1,5,9−シクロドデカトリエン、ノ
ルボルナジエン、ジシクロペンタジエンなどの直鎖状ま
たは環状のオレフィンあるいは非共役ポリエン;2−ノ
ルボルネニル基、6−メトキシ−2−ノルボルネニル
基、シクロオクテニル基などのオレフィニル基;ブタジ
エン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オ
クタジエンなどの共役ジエン;
【0041】アリル基、クロチル基、ペンタジエニル
基、2,4−ジメチルペンタジエニル基、2,7−ジメ
チル−2,6−オクタジエン−1,8−ジイル基、2,
6,10−ドデカトリエン−1,12−ジイル基、シク
ロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、
ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシクロペ
ンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル
基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、n−ブチル
シクロペンタジエニル基、インデニル基、テトラヒドロ
インデニル基、シクロオクタジエニル基などの直鎖状、
分岐状または環状のジエニル基;
【0042】テトラフェニルシクロブタジエン、ベンゼ
ン、トルエン、p−シメン、1,3,5,7−シクロオ
クタテトラエンなどの芳香族性化合物;フェニルアセチ
レン、ジフェニルアセチレン、ジ(エトキシカルボニ
ル)アセチレンなどのアセチレン類などを挙げることが
できる。また、これらの配位子が複数個架橋した多座配
位子も含まれる。これらのなかでも、直鎖状、分岐状ま
たは環状のジエニル基が特に好ましい。
【0043】本発明においては、上記のπ電子で配位す
る配位子を有する上記の遷移金属の化合物を単独で用い
ても良いし、必要に応じてこれに共触媒を組み合わせて
用いてもよい。また、上記の触媒を塩化マグネシウム、
シリカ、アルミナなどの無機担体やポリスチレンなどの
有機担体に担持した担持型触媒でもよい。本発明に使用
される重合触媒として、特に好ましい例として、周期表
第10族遷移金属のアリル錯体と周期表第4族または第
5族遷移金属のシクロペンタジエニル錯体(いわゆるメ
タロセン触媒)を挙げることができる。
【0044】周期表第10族遷移金属のアリル錯体と
は、アリル基を有する周期表第10族遷移金属化合物で
あり、具体的には、下記一般式[13]で示される化合物
を挙げることができる。
【0045】
【化13】
【0046】(式中、Mは周期表第10族遷移金属で、
20、R21およびR22はそれぞれ独立に水素原子
もしくはハロゲン原子、または、ハロゲン原子、窒素原
子、酸素原子もしくはケイ素原子を含んでも良い炭素数
1〜20の分岐していてもよい炭化水素である。また、
20とR22が互いに結合して環状構造を形成しても
よい。Xは、任意のアニオン性配位子を示し、Y
は、任意の中性配位子を示す。nは0、1または2
であり、pは1または2である。)
【0047】周期表第10族遷移金属のアリル錯体の具
体例を挙げると、ビス(アリルニッケルブロミド)、ビ
ス(アリルニッケルアセテート)、ビス(アリルニッケ
ルトリフルオロアセテート)、アリル(ヘキサフルオロ
アセトン)ニッケルトリフルオロアセテート、アリル
(ヘキサクロロアセトン)ニッケルトリフルオロアセテ
ート、[クロチル(1,5−シクロオクタジエン)ニッ
ケル]ヘキサフルオロホスフェート、[クロチル(1,5
−シクロオクタジエン)ニッケル]テトラキス〔3,5
−ビス(トリフルオロメチル)−フェニル〕ボレート、
2,6,10−ドデカトリエン−1−イルニッケルヘキ
サフルオロホスフェート、メタリルニッケル(トリシク
ロヘキシルホスフィン)トリフレートなどのアリルニッ
ケル化合物;ビス(アリルパラジウムクロリド)、アリ
ルパラジウム(トリシクロヘキシルホスフィン)クロリ
ド、ビス(アリルパラジウムアセテート)、ビス(アリ
ルパラジウムトリフルオロアセテート)、アリルパラジ
ウム(トリシクロへキシルホスフィン)トリフルオロア
セテート、アリルパラジウム(トリ−o−トリルホスフ
ィン)クロリド、アリルパラジウム(トリ−o−トリル
ホスフィン)トリフレート、アリルパラジウム(トリ−
o−トリルホスフィン)ニトレート、ビス(アリルパラ
ジウムアイオダイド)などのアリルパラジウム化合物;
アリル白金(トリシクロヘキシルホスフィン)クロリ
ド、アリル白金(トリシクロヘキシルホスフィン)トリ
フレート、ビス(アリル白金アセテート)、ビス(アリ
ル白金トリフルオロアセテート)などのアリル白金化合
物を挙げることができる。
【0048】なかでも、ハロゲンを有するアリル錯体、
具体的には、ビス(アリルニッケルブロミド)、ビス
(アリルニッケルトリフルオロアセテート)、アリル
(ヘキサフルオロアセトン)ニッケルトリフルオロアセ
テート、アリル(ヘキサクロロアセトン)ニッケルトリ
フルオロアセテート、[クロチル(1,5−シクロオク
タジエン)ニッケル]ヘキサフルオロホスフェート、[ク
ロチル(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル]テト
ラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−フェニ
ル]ボレート、2,6,10−ドデカトリエン−1−イ
ルニッケルヘキサフルオロホスフェート、メタリルニッ
ケル(トリシクロヘキシルホスフィン)トリフレート、
ビス(アリルパラジウムクロリド)、アリルパラジウム
(トリシクロヘキシルホスフィン)クロリド、ビス(ア
リルパラジウムトリフルオロアセテート)、アリルパラ
ジウム(トリシクロへキシルホスフィン)トリフルオロ
アセテート、アリルパラジウム(トリ−o−トリルホス
フィン)クロリド、アリルパラジウム(トリ−o−トリ
ルホスフィン)トリフレート、ビス(アリルパラジウム
アイオダイド)、アリル白金(トリシクロヘキシルホス
フィン)クロリド、アリル白金(トリシクロヘキシルホ
スフィン)トリフレート、ビス(アリル白金トリフルオ
ロアセテート)などが好ましい。
【0049】周期表第4族または第5族遷移金属のシク
ロペンタジエニル錯体とは、シクロペンタジエニル基あ
るいは置換シクロペンタジエニル基を配位子として有す
る周期表第4族または第5族化合物であれば特に限定さ
れないが、例えば、下記一般式[14]で示される化合
物を挙げることができる。
【0050】
【化14】
【0051】(Tはシクロペンタジエニルル基もしくは
置換シクロペンタジエニル基を、Lはqが0のときシク
ロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、炭
素数1〜8個のアルキル基またはハロゲン原子を、mが
1のときシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジ
エニル基または周期律表第15族もしくは第16族のヘ
テロ原子を有する配位子を示す。Mは周期律表第4
族または第5族の金属を、Xは炭素数1〜8個のア
ルキル基またはハロゲン原子を、Yは炭素数1〜8
個のアルキル基、ハロゲン原子または水素原子を示す。
Aは、メチレン基、シリレン基またはジメチレン基を示
す。Cは炭素原子である。qは0または1を示す。Tと
L、XとYはそれぞれ同じでもよい。さらにq
が0のときLとXとYは同じでもよい。)
【0052】TおよびLのシクロペンタジエニル基もし
くは置換シクロペンタジエニル基としては、シクロペン
タジエニル基、インデニル基、フルオレニル基、および
これらの1個または複数の水素原子が1個または複数の
有機基で置換されたものである。有機基としては、メチ
ル基、エチル基もしくはフェニル基などの炭化水素基ば
かりでなく、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル
基、スルフォニル基、エステル基、チオエステル基、ア
ミノ基、アミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基など
のヘテロ原子を有する原子団を一つ以上持つ有機基も含
まれる。Lの周期表第15族または第16族のヘテロ原
子を有する配位子としては、窒素、リン、酸素または硫
黄を有する配位子を挙げることができる。なかでも周期
表第15族に属する窒素またはリンが好ましく、特に窒
素が好ましい。Mの周期表第4族または第5族の金
属としては、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナ
ジウムなどを挙げることができる。なかでもチタンまた
はジルコニウムが特に好ましい。L、XおよびY
の炭素数1〜8個のアルキル基としては、メチル、
エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチ
ル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、
イソヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシルなどが、
ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素原
子が挙げられる。なかでも、炭素数1〜4個のメチル、
エチル、プロピルもしくはブチル、または、塩素もしく
は臭素が好ましい。
【0053】上記一般式[14]で示される周期表第4
族または第5族遷移金属のシクロペンタジエニル錯体の
具体例を挙げると、qが0でLがシクロペンタジエニル
基、置換シクロペンタジエニル基である化合物として、
ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジメチル、ビ
ス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジフェニル、ビス(ペンタメチルシクロペンタジ
エニル)ハフニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシク
ロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペン
タジエニル)バナジウムジクロリドなどが挙げられる。
qが0でLが炭素数1〜8個のアルキル基またはハロゲ
ン原子である化合物としては、シクロペンタジエニルチ
タニウムトリクロリド、ペンタメチルシクロペンタジエ
ニルチタニウムトリメチル、ペンタメチルシクロペンタ
ジエニルジルコニウムトリクロリド、(2−メトキシエ
チル)シクロペンタジエニルチタニウムトリクロリド、
メトキシカルボニルメチルシクロペンタジエニルチタニ
ウムトリクロリド、2−(N,N−ジエチルアミノ)エ
チルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロリドなど
が挙げられる。
【0054】qが1でLがシクロペンタジエニル基また
は置換シクロペンタジエニル基である化合物としては、
rac−ジメチルシリルビス(1−インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエ
ニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルメチリデン(シクロペンタジエニル)(9−フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチ
リデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)
ジルコニウムジクロリド、rac−エチレンビス(1−
インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−エチレ
ンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニ
ル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。qが1
でLが周期表第15族または第16族のヘテロ原子を有
する配位子である化合物としては、ジメチルシリルテト
ラメチルシクロペンタジエニル(t−ブチルアミド)チ
タニウムジメチル、ジメチルシリルテトラメチルシクロ
ペンタジエニル(t−ブチルアミド)ジルコニウムジク
ロリド、ジメチルシリルシクロペンタジエニル(フェニ
ルアミド)ジルコニウムジクロリドなどを挙げることが
できる。
【0055】なかでも、qが0であるものとしては、L
が炭素数1〜8個のアルキル基またはハロゲン原子であ
るシクロペンタジエニルチタニウムトリクロリド、ペン
タメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメチル、
ペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリク
ロリド、(2−メトキシエチル)シクロペンタジエニル
チタニウムトリクロリド、メトキシカルボニルメチルシ
クロペンタジエニルチタニウムトリクロリド、2−
(N,N−ジエチルアミノ)エチルシクロペンタジエニ
ルチタニウムトリクロリドなどが好ましく、qが1でL
がシクロペンタジエニル基または置換シクロペンタジエ
ニル基であるrac−ジメチルシリルビス(1−インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シク
ロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジメチルメチリデン(シクロペンタジエニ
ル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
フェニルメチリデン(シクロペンタジエニル)(9−フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド、rac−エチレ
ンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、r
ac−エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−
1−インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが好まし
く、qが1でLがアミド基であるジメチルシリルテトラ
メチルシクロペンタジエニル(t−ブチルアミド)チタ
ニウムジメチル、ジメチルシリルテトラメチルシクロペ
ンタジエニル(t−ブチルアミド)ジルコニウムジクロ
リド、ジメチルシリルシクロペンタジエニル(フェニル
アミド)ジルコニウムジクロリドなどが好ましい。
【0056】本発明において、必要に応じて用いられる
共触媒は、主成分である遷移金属化合物と反応して触媒
能を発現させたり、高活性化させたり、あるいは重合触
媒を安定化させる働きを有するものである。したがっ
て、共触媒の例としては、(1)アルキル化剤、(2)
遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成させる
もの、(3)ルイス塩基などを挙げることができるが、
これらに限定されない。
【0057】上記(1)のアルキル化剤としては、n−
ブチルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウムな
どの有機リチウム;ブチルエチルマグネシウム、ブチル
オクチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、エチ
ルマグネシウムクロリド、n−ブチルマグネシウムクロ
リド、アリルマグネシウムブロミドなどの有機マグネシ
ウム;ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛な
どの有機亜鉛;トリメチルアルミニウム、トリエチルア
ルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルア
ルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリ
ド、エチルアルミニウムジクロリド、メチルアルミノキ
サン、エチルアルミノキサン、i−ブチルアルミノキサ
ン、クロロアルミノキサンなどの有機アルミニウムなど
を挙げることができる。
【0058】上記(2)の遷移金属化合物と反応してイ
オン性の錯体を形成させるものとしては、上記(1)で
挙げた有機アルミニウム;テトラフェニルホウ酸トリエ
チルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ホウ酸ジメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)ホウ酸トリチル、テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ホウ酸リチウム、テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)ホウ酸フェロセニウム、トリス
(ペンタフルオロフェニル)ホウ素などのホウ素化合
物;Mg(ClO、AgClO、Mg
(IO、AgIO、(NH)ClO
、(PhC)ClO、(Cl C)ClO
、(NBu)ClO、(NH)IO
、(Ph C)IO、(ClC)IO
、(NBu)IOなどの過塩素酸塩;ヘキ
サフルオロ燐酸銀などの銀化合物;フルオロスルホン酸
アンモニウム、クロロスルホン酸銀などの硫黄化合物;
ヘキサフルオロアンチモン酸アンモニウムなどのアンチ
モン化合物;ベントナイト、モンモリロナイトなどの粘
土系化合物などを挙げることができる。
【0059】上記(3)のルイス塩基としては、電子供
与性の中性化合物で、一般にはヘテロ原子を有する化合
物である。例えば、N−ヘテロカルベン環化合物、アミ
ン、アミド、ピリジンなどの窒素化合物;エーテル、ケ
トン、エステルなどの酸素化合物;チオエーテル、チオ
エステル、スルフォンなどの硫黄化合物;ホスフィンな
どのリン化合物などが挙げられる。なかでも、塩基性の
大きいN−ヘテロカルベン環化合物、ピリジン、ホスフ
ィンなどが好ましい。
【0060】本発明においては、重合反応は溶媒中で行
っても、無溶媒で行ってもよいが、重合反応後、引き続
き水素化反応を行う場合には、溶媒中で重合する方が迅
速に次工程に移行できるので好ましい。重合溶媒は、重
合体を溶解し、かつ重合を阻害しない溶媒であれば特に
限定されない。
【0061】重合溶媒の具体的としては、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチル
シクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、エチルシ
クロヘキサン、ジエチルシクロヘキサン、デカヒドロナ
フタレン、ビシクロヘプタン、トリシクロデカン、ヘキ
サヒドロインデンシクロヘキサン、シクロオクタンなど
の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなど
の芳香族炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン、ア
セトニトリルなどの含窒素系炭化水素;ジエチルエ−テ
ル、テトラヒドロフランなどのエ−テル類;クロロホル
ム、ジクロロメタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼ
ンなどの含ハロゲン系炭化水素を使用することができる
が、これらの溶媒の中でも、工業的広く用いられている
芳香族炭化水素系溶媒や脂肪族炭化水素系溶媒、脂環族
炭化水素系溶媒、エーテル類が好ましい。
【0062】重合を溶媒中で行う場合には、単量体の合
計の濃度は、1〜60重量%が好ましく、2〜55重量
%がより好ましく、5〜50重量%が特に好ましい。単
量体の濃度が過度に低いと生産性が悪くなり、過度に高
いと重合後の粘度が高すぎて取り扱いが困難となる。
【0063】本発明の製造方法において、単量体合計量
に対する重合触媒である遷移金属化合物の割合は、(遷
移金属:単量体)で、1:100〜1:2,000,0
00(モル:モル)であり、好ましくは1:500〜
1:1,000,000(モル:モル)、より好ましく
は1:1,000〜1:500,000(モル:モル)
である。触媒量が多すぎると触媒除去が困難となり、少
なすぎると十分な重合活性が得られない。遷移金属化合
物と共触媒との割合は、添加する共触媒によって異なる
が、一般的には、(遷移金属:共触媒)で、1:0.1
〜1:20,000(モル:モル)であり、好ましくは
1:0.5〜1:10,000(モル:モル)、より好
ましくは1:0.8〜1:5,000(モル:モル)で
ある。重合反応は、上記単量体と重合触媒を混合するこ
とにより開始される。重合温度は特に制限はないが、通
常、−30℃〜200℃、好ましくは0℃〜180℃で
ある。重合時間は、通常1分〜100時間である。
【0064】本発明の付加共重合体水素化物を製造する
には、共役ジエン−環状オレフィン付加共重合体中の全
炭素−炭素二重結合の80%以上を水素化する。耐熱性
や耐候性の有意な改善効果を現出するには、好ましくは
全炭素−炭素二重結合の90%以上を、より好ましくは
95%以上を水素化する。これにより重合体中の全炭素
−炭素結合数に対する二重結合(芳香環の二重結合を除
く)の割合を0.2%以下、好ましくは0.1%以下、
より好ましくは0.05%以下にすることができる。
【0065】水素化反応は、前記付加共重合体に、好ま
しくは前記付加共重合体有機溶媒溶液に水素化触媒を添
加し、水素雰囲気下で行う。本発明に用いられる水素化
触媒は、一般にオレフィン類や芳香族化合物の水素化反
応に使用されるものであれば格別の制限はなく使用でき
る。水素化触媒の具体例としては、(イ)パラジウム、
白金、ニッケル、ロジウム、及びルテニウムなどの遷移
金属を、カーボン、アルミナ、シリカまたはケイソウ土
などの担体に担持してなる担持型金属触媒、(ロ)チタ
ン、コバルトまたはニッケルなどの有機遷移金属化合物
と、リチウム、マグネシウム、アルミニウムまたはスズ
などの有機金属化合物とからなる均一系触媒、(ハ)ロ
ジウム、ルテニウムなどの金属錯体触媒などを挙げるこ
とができる。
【0066】上記(イ)の担持型金属触媒の具体例とし
ては、(遷移金属/担体)の表記で、ニッケル/シリ
カ、ニッケル/ケイソウ土、ニッケル/アルミナ、パラ
ジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラジウム/
ケイソウ土、パラジウム/アルミナ、白金/シリカ、白
金/アルミナ、ロジウム/シリカ、ロジウム/アルミ
ナ、ルテニウム/シリカ、ルテニウム/アルミナなどの
触媒が挙げられる。
【0067】上記(ロ)の均一系触媒としては、(有機
遷移金属化合物/有機金属化合物)の表記で、酢酸コバ
ルト/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセ
トナート/トリイソブチルアルミニウム、チタノセンジ
クロリド/n−ブチルリチウム、ジルコノセンジクロリ
ド/sec−ブチルリチウム、テトラブトキシチタネー
ト/ジメチルマグネシウムなどの組み合わせが挙げられ
る。
【0068】上記(ハ)の金属錯体触媒としては、ジク
ロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロ
ロヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィ
ン)ロジウム、ジヒドリドテトラ(トリフェニルホスフ
ィン)ルテニウム、ジヒドリド(アセトニトリル)トリ
ス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリド
(テトラヒドロフラン)トリス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウムなどが挙げられる。
【0069】水素化反応に使用する重合体の有機溶媒
は、通常、不活性な有機溶媒である。不活性有機溶媒
は、炭化水素系溶媒またはエーテル系溶媒で、生成する
共役ジエン−環状オレフィン付加共重合体水素化物の溶
解性に優れるものが好ましい。このような溶媒として
は、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒;
n−ペンタン、n−ヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶
媒;シクロヘキサン、デカリンなどの脂環族炭化水素系
溶媒;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチ
ルエーテルなどのエーテル系溶媒などが挙げられる。ま
た、重合反応に用いたものと同一の溶媒を用いると、重
合反応後に、溶液にそのまま水素添加触媒を添加して水
素化反応を行うことができる。
【0070】水素化反応の最適な反応条件としては、用
いる水素化触媒の種類によって異なるが、温度は、通
常、−20℃〜250℃、好ましくは−10〜220
℃、より好ましくは0〜200℃;水素圧力は、通常、
0.01〜10MPa、好ましくは0.05〜7.5M
Pa、より好ましくは0.1〜5MPa;反応時間は、
通常、0.1〜100時間、好ましくは0.2〜10時
間である。水素化温度が低すぎると反応速度が遅くな
り、高すぎると副反応が起こるおそれがある。水素圧力
が低すぎると反応速度が遅くなり、高すぎると高耐圧反
応装置が必要となる。また、反応時間が短すぎると水素
化度が不足し、長すぎると副反応が起こる可能性があ
る。
【0071】水素化反応終了後の水素化触媒の扱いは、
上記(イ)の担持型金属触媒を使用した場合はフィルタ
ーでろ過して除去する。上記(ロ)の均一系触媒、およ
び(ハ)のロジウム、ルテニウムなどの金属錯体触媒を
使用した場合は、吸着剤に吸着させて分離する方法、有
機酸および/または無機酸の存在下に水または低級アル
コールで洗浄する方法などで分離回収する。また、水素
化した重合体の用途によっては、水素化触媒を除去する
必要はない。
【0072】本発明の付加共重合体および付加共重合体
水素化物(以下、両者を合わせて「環状オレフィン付加
共重合ポリマー」ということがある。)は、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、白濁防止剤、帯電防止
剤、有機または無機フィラー充填剤、架橋剤、加硫剤な
どの各種の配合剤を適宜配合して調製されたポリマー組
成物として、ゴム質重合体材料としてまたはプラスチッ
ク材料として成形加工に供される。
【0073】酸化防止剤としては、フェノール系酸化防
止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙
げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特に
アルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。環状
オレフィン付加共重合ポリマーは、これらの酸化防止剤
を配合することにより、透明性、低吸水性を低下させる
ことなく、成形時の酸化劣化等による成形物の着色や強
度低下を防止できるので配合剤として特に重要である。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、オクタデシ
ル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,
3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブ
チルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、テトラキスメチレン−3−
(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェ
ニルプロピオネート)メタン[すなわち、ペンタエリス
リチル−テトラキス3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]、トリエチレ
ングリコールビス{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)プロピオネート}などのア
ルキル置換フェノール系化合物;2−t−ブチル−6−
(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジ
ル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−
t−アミル−6−{1−(3,5−ジ−t−アミル−2
−ヒドロキシフェニル)エチル}フェニルアクリレート
などの特開昭63−179953号公報や特開平1−1
68643号公報に記載されるアクリレート系化合物;
6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリ
ノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリア
ジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジ
ン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリ
アジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物など
が挙げられる。
【0074】リン系酸化防止剤としては、一般の樹脂工
業で通常使用される物であれば格別な限定はなく、例え
ば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシル
ホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、ト
リス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジ
ヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−
10−オキサイドなどのモノホスファイト系化合物;
4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,
4’イソプロピリデン−ビス〔フェニル−ジ−アルキル
(C12〜C15)ホスファイト〕などのジホスファイ
ト系化合物などが挙げられる。イオウ系酸化防止剤とし
ては、例えば、ジラウリル−3,3−チオジプロピオネ
ート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピピオネー
ト、ジステアリル−3,3−チオジプロピオネート、ラ
ウリルステアリル−3,3−チオジプロピオネート、ペ
ンタエリスリトール−テトラキス−β−ラウリル−チオ
−プロピオネート、3,9−ビス(2−ドデシルチオエ
チル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,
5]ウンデカンなどが挙げられる。これらの酸化防止剤
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
用いることができ、その配合量は適宜選択されるが、環
状オレフィン付加共重合ポリマー100重量部に対して
通常0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重
量部である。
【0075】紫外線吸収剤及び耐候安定剤としては、例
えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル
ベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−
ブチルマロネート、4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−
1−{2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル}−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジンなどのヒンダード
アミン系化合物;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−
2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2
−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール
系化合物;2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサ
デシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベン
ゾエートなどのベゾエート系化合物などが挙げられる。
これらの紫外線吸収剤及び耐候安定剤は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができ
る。紫外線吸収剤および耐候安定剤の量は、環状オレフ
ィン付加共重合ポリマー100重量部に対して通常0.
001〜5重量部、好ましくは0.01〜2重量部の範
囲である。
【0076】また本発明の環状オレフィン付加共重合ポ
リマーには、アルコール性化合物を配合することによ
り、透明性、低吸水性、機械的強度などの諸特性を低下
させることなく、長時間の高温高湿度環境下で使用して
も白濁しにくい成形品にすることができる。上記アルコ
ール性化合物は、分子内に少なくとも1つの非フェノー
ル性水酸基を有する化合物で、好適には、少なくとも1
つの水酸基と少なくとも1つのエーテル結合又はエステ
ル結合を有する。このような化合物の具体例としては、
例えば2価以上の多価アルコール、より好ましくは3価
以上の多価アルコール、さらに好ましくは3〜8個の水
酸基を有する多価アルコールの水酸基の1つがエーテル
化またはエステル化されたアルコール性エーテル化合物
やアルコール性エステル化合物が挙げられる。2価以上
の多価アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリ
コール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、ジグリセロール、トリグリセロー
ル、ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げ
られるが、特に3価以上の多価アルコール、さらには3
〜8個の水酸基を有する多価アルコールが好ましい。ま
たアルコール性エステル化合物を得る場合には、α、β
−ジオールを含むアルコール性エステル化合物が合成可
能なグリセロール、ジグリセロール、トリグリセロール
などが好ましい。
【0077】このようなアルコール性化合物として、例
えば、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラ
ウレート、グリセリンジラウレート、ペンタエリスリト
ールモノステアレート、ペンタエリスリトールモノラウ
レート、ペンタエリスリトールモノベヘレート、ジペン
タエリスリトールジステアレートなどの多価アルコール
性エステル化物;3−(オクチルオキシ)−1,2−プ
ロパンジオール、1,6−ジヒドロオキシ−2,2−ジ
(ヒドロキシメチル)−7−(4−ノニルフェニルオキ
シ)−4−オキソヘプタン、p−ノニルフェニルエーテ
ルとホルムアルデヒドの縮合体とグリシドールの反応に
より得られるアルコール性エーテル化合物、p−オクチ
ルフェニルエーテルとホルムアルデヒドの縮合体とグリ
シドールの反応により得られるアルコール性エーテル化
合物、p−オクチルフェニルエーテルとジシクロペンタ
ジエンの縮合体とグリシドールの反応により得られるア
ルコール性エーテル化合物などが挙げられる。これらの
多価アルコール性化合物は単独でまたは2種以上を組み
合わせて使用される。これらの多価アルコール性化合物
の分子量は特に限定されないが、通常500〜200
0、好ましくは800〜1500のものが、透明性の低
下も少ない。アルコール性化合物の配合量としては、環
状オレフィン付加共重合ポリマー100重量部に対し
て、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.02〜
5重量部、特に好ましくは0.05〜2重量部である。
【0078】帯電防止剤としては、ステアリルアルコー
ル、ベヘニルアルコールなどの長鎖アルキルアルコー
ル;アルキルスルホン酸ナトリウム塩、アルキルスルホ
ン酸ホスホニウム塩;ステアリン酸グリセリンエステル
などの脂肪酸エステル;ヒドロキシアミン系化合物;ア
ルキルホスフェートアミン;ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン;アルキルジエタノールアミド;ポリオキシエ
チレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体;有機
ホウ素系界面活性剤;カチオン界面活性剤;無定形炭
素、酸化スズ粉、アンチモン含有酸化スズ粉などを例示
することができる。帯電防止剤の量は、環状オレフィン
付加共重合ポリマー100重量部に対して、通常0.1
〜5重量部の範囲である。
【0079】有機フィラーとしては、通常の有機重合体
粒子または架橋有機重合体粒子を用いることができ、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィン; ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハ
ロゲン含有ビニル重合体;ポリアリレート、ポリメタク
リレートなどのα,β‐不飽和酸から誘導された重合
体;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルなどの不飽
和アルコールから誘導された重合体;ポリエチレンオキ
シド、またはビスグリシジルエーテルからから誘導され
た重合体;ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネー
ト、ポリスルフォンなどの芳香族縮合系重合体;ポリウ
レタン;ポリアミド;ポリエステル;アルデヒド・フェ
ノール系樹脂;天然高分子化合物などの粒子または架橋
粒子を挙げることができる。無機フィラーとしては、例
えば、フッ化リチウム、硼砂(硼酸ナトリウム含水塩)
などの1族元素化合物;炭酸マグネシウム、燐酸マグネ
シウム、炭酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、炭
酸バリウムなどの2族元素化合物; 二酸化チタン(チ
タニア)、一酸化チタンなどの4族元素化合物;二酸化
モリブデン、三酸化モリブデンの6族元素化合物;塩化
マンガン、酢酸マンガンなどの7族元素化合物;塩化コ
バルト、酢酸コバルトなどの8〜10族元素化合物;沃
化第一銅などの11族元素化合物;酸化亜鉛、酢酸亜鉛
などの12族元素化合物;酸化アルミニウム(アルミ
ナ)、フッ化アルミニウム、アルミノシリケート(珪酸
アルミナ、カオリン、カオリナイト)などの13族元素
化合物;酸化珪素(シリカ、シリカゲル)、石墨、カー
ボン、グラファイト、ガラスなどの14族元素化合物;
カーナル石、カイナイト、雲母(マイカ、キンウン
モ)、バイロース鉱などの天然鉱物の粒子が挙げられ
る。
【0080】また、本発明の環状オレフィン付加共重合
ポリマーには、その他の重合体を配合して使用すること
ができる。その他の重合体としては、熱可塑性樹脂また
はゴム質重合体が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、
例えば、非晶性または結晶性ノルボルネン系開環重合
体、非晶性または結晶性ノルボルネン系開環重合体水素
化物、非晶性ノルボルネン系付加重合体;低密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、超低密度ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレ
ート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプ
ロピレンなどのα−オレフィン系樹脂;ポリスチレン、
水素化ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレ
ン、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−ア
クリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−アク
リロニトリル−ブタジエン共重合体(ABS)、スチレ
ン−メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体(MB
S)などの芳香族ビニル系樹脂;ポリメチルメタクリレ
ート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリカーボネート、セルローストリ
アセテート、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリア
リレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどが
挙げられる。これらのなかで、非晶性ノルボルネン系重
合体、α−オレフィン系樹脂および芳香族ビニル系樹脂
が好ましい。これらの熱可塑性樹脂は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0081】ゴム質重合体とは、Tgが40℃以下の重
合体である。ゴム質重合体にはゴムや熱可塑性エラスト
マーが含まれる。ブロック共重合体のごとくガラス転移
温度が2点以上ある場合は、最も低いガラス転移温度が
40℃以下であれば本発明においてゴム質重合体として
用いることができる。ゴム質重合体のムーニー粘度(M
L1+,100℃)は、使用目的に応じて適宜選択
されるが、通常、5〜300である。ゴム質重合体とし
ては、例えば、エチレン−プロピレンゴムのようなエチ
レン−α−オレフィン系ゴム;エチレン−α−オレフィ
ン−ポリエン共重合体ゴム;エチレン−メチルメタクリ
レート、エテレン−ブチルアクリレートなどのエチレン
−不飽和カルボン酸エステル共重合体;アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリルなどのアク
リル酸アルキルエステル系重合体;ポリブタジエン、低
結晶性ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレンとブ
タジエンまたはイソプレンとのランダム共重合体、アク
リロニトリル−ブタジエン共重合体、ブタジエン−イソ
プレン共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アル
キルエステル共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリル
酸アルキルエステル−アクリロニトリル共重合体、ブタ
ジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−アクリ
ロニトリル−スチレン共重合体、ブチレン−イソプレン
共重合体などの共役ジエン系ゴム;スチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体、水素化スチレン−ブタジエンブロ
ック共重合体、水素化スチレン−ブタジエンランダム共
重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素
化スチレン−イソプレンブロック共重合体などの芳香族
ビニル−共役ジエン系ブロック共重合体;スチレングラ
フトエチレン−プロピレンエラストマー;ポリエチレン
テレフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)グリ
コールブロック共重合体、ポリエチレンテレフタレート
/イソフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシド)・
グリコールブロック共重合体、ポリブチレンテレフタレ
ート/イソフタレート・ポリ(テトラメチレンオキシ
ド)グリコールブロック共重合体、ポリブチレンテレフ
タレート/デカンジカルボキシレート・ポリ(テトラメ
チレンオキシド)グリコールブロック共重合体などのポ
リエステル系熱可塑性エラストマー;エチレン系アイオ
ノマー樹脂などを挙げることができる。これらのゴム質
重合体のうち、エチレン−α−オレフィン系ゴム、共役
ジエン系ゴム、芳香族ビニル−共役ジエン系ブロック共
重合体およびポリエステル系熱可塑性エラストマーなど
が好ましい。これらのゴム質重合体は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができ
る。
【0082】本発明の環状オレフィン付加共重合ポリマ
ーを使用した重合体組成物には、必要に応じて、その他
の配合剤として、光安定剤、近赤外線吸収剤、染料や顔
料などの着色剤、滑剤、可塑剤、アンチブロッキング
剤、蛍光増白剤、防臭剤などを配合することができ、こ
れらは単独で、あるいは2種以上混合して用いることが
でき、その配合量は本発明の目的を損ねない範囲で適宜
選択される。
【0083】本発明の環状オレフィン付加共重合ポリマ
ーの成形品は、優れた透明性を有することに加えて、ポ
リマーを構成する繰り返し構造単位の組成によって高い
弾性回復率を有するゴム質重合体としての特性から、大
きな引張強度を有するプラスチックとしての特性までを
発現することができる。また、共役ジエン−環状オレフ
ィン付加共重合体水素化物は、さらに耐熱性および耐候
性にも優れる長所を有しているので、屋外で使用する用
途に適している。本発明の環状オレフィン付加共重合ポ
リマーは、カレンダー成形法、押出成形法、インフレー
ション成形法、真空成形法、キャスト成形法、射出成形
法、プレス成形法などの各種の成形法により種々の成形
品に成形される。
【0084】本発明の環状オレフィン付加共重合ポリマ
ーは、カメラ用レンズ、オーバーヘッドプロジェクター
用レンズ、プリズム、光拡散板、光ファイバー、導光
板、光ファイバー、偏光フィルム、位相差フィルムなど
の光学製品;液体薬品容器、アンプル、輸液用バッグ、
点眼薬容器などの液体容器;注射器、医療用輸液チュー
ブなどの医療器材;テープ、緩衝シートなどの包装資
材;トレー、カップ、文具、整理箱、押入収納箱などの
民生資材;商品収容用透明ケース、ブリスター・パッケ
ージなど商品包装資材;粉末薬カプセル容器、錠剤用プ
レス・スルー・パッケージなどの医薬用包装資材;食品
ラップフィルム、シュリンクフィルム、シーラントフィ
ルム、パレットストレッチフィルム、農業用フィルムな
どの各種フィルム;制振材;パイプ、チューブ、発泡チ
ューブ;電線被覆材;タイヤ、サイドモール、マッドガ
ード、バンパー、ランプ・リフレクターなどの自動車部
品;照明用部品、家電部品;靴底;玩具;遮水シート、
ドレーン材などの土木資材;建材;家具材;樹脂用耐衝
撃性改良剤などに使用できる。これらの用途のうち、従
来の共役ジエン系重合体、オレフィン系重合体、α−オ
レフィン/環状オレフィン付加共重合体などでは実現で
きなかった柔軟かつ強靭なオレフィン系樹脂成形品を提
供することができる。
【0085】
【実施例】以下に、実施例、及び比較例を挙げて、本発
明をさらに具体的に説明する。なお、部および%は、特
記のない限り重量基準である。測定法は以下によった。 (1)重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(M
n) クロロホルムを溶媒とするゲル・パ−ミエ−ション・ク
ロマトグラフィ−(GPC)によるポリスチレン換算値
として測定した。 (2)環状オレフィン付加共重合体樹脂の組成および水
素化率 H−NMRスペクトルにより測定した。組成単位モル
%。水素化率単位%。芳香族性二重結合を除く全炭素−
炭素結合数に対する二重結合数の割合は、 H−NMR
スペクトルで求めた、単位%。 (3)ガラス転移温度(Tg) 示差走査熱量計(DSC)により測定した。単位℃。 (4)全光線透過率 ASTM D1003に則り、全光線透過率(単位%)
を測定した。
【0086】〔実施例1〕攪拌機付き耐圧ガラス反応器
にトルエン34.4部、ブタジエン(BD)3.7部、
および、シクロヘキサン1部に溶解したジシクロペンタ
ジエン(DCPD)2.6部を加えた。次に、トルエン
2.5部に溶解したジフェニルメチリデン(シクロペン
タジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド0.0035部とトルエン1.7部に溶解したメチ
ルアルミノキサン0.34部を別のガラス反応器中で混
合して前記反応器に添加して重合を開始した。室温で7
0時間重合した後、重合反応液を多量の塩酸酸性メタノ
ールに注いでポリマーを完全に析出させ、濾別洗浄後、
40℃で18時間減圧乾燥した。得られた重合体は収量
は1.8部(重量基準の収率29%)で、BD/DCP
D繰り返し単位の重量比は40/60で、Mwは5,8
00、Mnは3,600であった。Tgは151℃のみ
が観測された。
【0087】〔実施例2〕攪拌機付き耐圧ガラス反応器
に、トルエンを60部、BD13.5部、および、トル
エン20部に溶解したノルボルネン(NB)23.5部
を加えた。次に、トルエン10部に溶解したアリル(ヘ
キサクロロアセトン)ニッケルトリフルオロアセテート
0.114部を添加し、50℃で20時間重合した後、
重合反応液を多量のメタノールに注いでポリマ−を完全
に析出させ、濾別洗浄した後、室温で40時間減圧乾燥
した。得られた重合体の収量は10.5部で、重合体の
BD/NB繰り返し単位の重量比は、43/57であっ
た。Mwは48,200、Mnは24,100であっ
た。Tgは128℃であった。
【0088】続いて、攪拌機付きオートクレーブに、得
られた重合体10部とシクロヘキサン90部を加え、次
いで、ニッケルアセチルアセトネート0.097部およ
びトリイソブチルアルミニウム0.30部をシクロヘキ
サン4.7部に添加して得た水素化触媒液をオートクレ
ーブに添加し、水素圧9.8MPa、140℃で8時間
水素化反応を行った。反応液を多量のイソプロパノール
に注いでポリマ−を完全に析出させ、濾別洗浄後、室温
で40時間減圧乾燥した。得られた重合体水素化物は収
量9.8部で、BD/NB繰り返し単位の重量比は43
/57、Mwは52,200、Mnは26,100であ
った。水素化率は99.4%で、重合体の全炭素−炭素
結合数に対する二重結合数の割合は0.04%で、Tg
は141℃であった。得られた重合体水素化物を熱プレ
スにより、直径3.5cm、厚さ1mmの剛性の大きな
円板に成形した。この円板の全光線透過率は92%で透
明性が高かった。
【0089】〔比較例1〕実施例1において、ジフェニ
ルメチリデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリドを、BDの重合触媒とし
て知られているニッケルアセチルアセトナートに変えた
他は実施例1と同様にしてBDとDCPDの共重合を試
みた。しかし重合しなかった。
【0090】〔比較例2〕比較例1において、単量体に
ついて、BD3.7部およびDCPD2.6部の代わり
に、BD13.5部およびDCPD23.5部とし、反
応温度および反応時間を室温で70時間の代わりに26
0℃で2.5時間とした他は比較例1と同様に行った。
重合体が得られたので、実施例2と同様にして水素化反
応を行った。冷却後反応液を多量のメタノールに注いで
重合体を析出させ、濾別、洗浄して室温で40時間減圧
乾燥した。重合体は、収量26.0部で、BD/DCP
D繰り返し単位の重量比は36/64、Mwは160
0,Mnは1350、水素化率は99.5%であった。
重合体の全炭素−炭素結合数に対する二重結合数の割合
は0.03%で、Tgは113℃であった。この重合体
水素化物を熱プレスしたところ、多数の亀裂が入り円板
を成形できなかった。
【0091】〔実施例3〕実施例2において、NB2
3.5部を3.5部に変更した他は実施例2同様に行っ
た。重合体は、収量13.0部で、BD/NB繰り返し
単位の重量比は87/13で、Mwは223,000
で、Mnは84,000、Tgは−20℃であった。こ
の重合体をトルエンに溶解し、キャスト法により直径
3.5cm、厚さ1mmの円板を作製した。この円板は
弾性に富むものであった。
【0092】〔比較例3〕比較例2において、DCPD
を23.5部から3.5部に変更した他は比較例2と同
様に行った。重合体は、収量15.0部(収率88.2
%)で、BD/DCPD繰り返し単位の重量比は79/
21、Mwは1000,Mnは900、Tgは60℃で
あった。この重合体を用いて実施例2と同様にして水素
化反応を行った。冷却後反応液を多量のメタノールに注
いで重合体を析出させ、濾別、洗浄して室温で40時間
減圧乾燥した。収率98%で、Mwは1100,Mnは
950、水素化率は97%であった。重合体の全炭素−
炭素結合数に対する二重結合数の割合は0.1%で、T
gは75℃であった。水素化後の重合体をトルエンに溶
解してキャスト法により直径3.5cm、厚さ1mmの
円板を作製しようとしたが、多数の亀裂が生じ、円板は
作製できなかった。
【0093】
【表1】
【0094】表1が示すように、本発明の付加共重合体
は、いずれもMwが5,000以上の十分大きな重合体
であり(実施例1〜3)、また、透明性の良い成形品を
与える(実施例2)。本発明の付加共重合体は、共役ジ
エン系単量体由来の繰り返し構造単位が少ないか、多い
かによって、剛性の大きなプラスチック状の性質と、弾
性のあるエラストマー状の性質とをそれぞれ発現するこ
とができる(実施例2、実施例3)。本発明の付加重合
体製造方法によると、反応温度が室温でも付加重合体が
得られる(実施例1)のに対し、公知の重合触媒を用い
た場合は、室温では重合しなかった(比較例1)。ま
た、公知の触媒を用いて260℃で反応すると重合はす
るものの、重合体はMwが2000以下と小さく、共役
ジエン系単量体由来の繰り返し構造単位の多少に拘わら
ず成形品に亀裂が生じた(比較例2,比較例3)。
【0095】
【発明の効果】本発明により、ゴム質重合体としてもプ
ラスチックとしても設計可能な、共役ジエン−環状オレ
フィン付加共重合体および付加共重合体水素化物ならび
にそれらの製造方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角替 靖男 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社総合開発センター内 Fターム(参考) 4J028 AA01A AB00A AB01A AC01A AC08A AC09A AC10A AC26A AC27A AC28A AC31A AC37A AC38A AC39A AC41A AC42A AC44A AC45A AC46A AC47A AC48A BA00A BA00B BA01B BB00A BB00B BB01B BC01B BC05B BC06B BC09B BC12B BC15B BC16B BC17B BC19B BC25B CB27C CB42C CB53C CB62C CB66C CB72C CB74C EB02 EB04 EB05 EB12 EB13 EB14 EB26 EC02 EC04 FA01 FA02 FA07 4J100 AA02R AA03R AA04R AB00R AB03R AB04R AB07R AB08R AK31Q AL03R AL04R AL05R AM02R AM15R AM21R AM41Q AR03Q AR04Q AR05Q AR09Q AR11Q AR16P AR17P AR18P AR22Q AS01P AS02P AS03P AS04P AU21Q BA03Q BA03R BA16Q BA20Q BA40Q BA77Q BB01Q CA04 CA05 CA31 DA01 DA25 FA10 HA03 HD22 HE14 JA29 JA32 JA33 JA44 JA50 JA57 JA58 JA64 4J128 AA01 AB00 AB01 AC01 AC08 AC09 AC10 AC26 AC27 AC28 AC31 AC37 AC38 AC39 AC41 AC42 AC44 AC45 AC46 AC47 AC48 AD00 AE00 BA00A BA00B BA01B BB00A BB00B BB01B BC01B BC05B BC06B BC09B BC12B BC15B BC16B BC17B BC19B BC25B CB27C CB42C CB53C CB62C CB66C CB72C CB74C EB02 EB04 EB05 EB12 EB13 EB14 EB26 EC02 EC04 FA01 FA02 FA07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも共役ジエン系単量体由来の繰
    り返し構造単位と環状オレフィン系単量体由来の繰り返
    し構造単位とを有する付加共重合体であって、 全重合体繰り返し構造単位に対する前記各繰り返し構造
    単位の含有量が、 共役ジエン系単量体由来の繰り返し構造単位:10〜9
    9モル% 環状オレフィン系単量体由来の繰り返し構造単位:90
    〜1モル%であり、 ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリス
    チレン換算の重量平均分子量が5,000〜1,00
    0,000であり、 ガラス転移温度が−100〜200℃である付加共重合
    体。
  2. 【請求項2】 少なくとも共役ジエン系単量体由来の繰
    り返し構造単位と環状オレフィン系単量体由来の繰り返
    し構造単位とを有する付加共重合体水素化物であって、 全重合体繰り返し構造単位に対する前記各繰り返し構造
    単位の含有量が、 共役ジエン系単量体由来の繰り返し構造単位:10〜9
    9モル% 環状オレフィン系単量体由来の繰り返し構造単位:90
    〜1モル%であり、 ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリス
    チレン換算の重量平均分子量が5,000〜1,00
    0,000であり、 ガラス転移温度が−100〜200℃であり、 全炭素−炭素結合数に対する二重結合(芳香環の二重結
    合を除く)数の割合が0.2%以下である付加共重合体
    水素化物。
  3. 【請求項3】 配位子がπ電子で配位した周期表第4〜
    10族遷移金属化合物を含む重合触媒の存在下で、共役
    ジエン系単量体と環状オレフィン系単量体とを共重合さ
    せることを特徴とする付加共重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 配位子がπ電子で配位した周期表第4〜
    10族遷移金属化合物を含む重合触媒の存在下で、共役
    ジエン系単量体と環状オレフィン系単量体とを共重合さ
    せて付加共重合体を得た後、前記付加共重合体中の炭素
    −炭素二重結合を水素化することを特徴とする付加共重
    合体水素化物の製造方法。
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