JP2002249381A - 加熱体保護管 - Google Patents

加熱体保護管

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JP2002249381A
JP2002249381A JP2001043715A JP2001043715A JP2002249381A JP 2002249381 A JP2002249381 A JP 2002249381A JP 2001043715 A JP2001043715 A JP 2001043715A JP 2001043715 A JP2001043715 A JP 2001043715A JP 2002249381 A JP2002249381 A JP 2002249381A
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silicon nitride
sintered body
heating element
nitride sintered
protective tube
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JP2001043715A
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Shigeyuki Hamayoshi
繁幸 濱吉
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐溶損性を十分に確保するとともに、高出力
化およびエネルギーの省力化を達成できる、かつ曲げ強
度に優れる溶湯用の加熱体保護管を提供する。 【解決手段】 窒化ケイ素を主成分する窒化ケイ素質焼
結体からなり、窒化ケイ素質焼結体の常温における熱伝
導率が70W/(m・K)以上、4点曲げ強度が600
MPa以上であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウムなど
の溶湯を加熱する加熱体の保護管に係り、特に高い熱伝
導率と強度を有する窒化ケイ素質焼結体からなる加熱体
保護管に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムなど非鉄金属の溶解炉に
は、材料を溶融させるために、内部に電気ヒーターやガ
スバーナーなどの加熱体を備えた加熱体保護管が用いら
れている。従来の金属製の加熱体保護管として、鋳鉄製
や鋳鉄の表面にセラミックス系粉末をコーティングした
保護管がある。しかしながら、前者は溶損しやすく、溶
湯を汚染して溶湯の品質を低下させる欠点がある。ま
た、後者は耐溶損性が向上するものの、コーティング層
の密着力が乏しいため剥離しやすく、頻繁にコーティン
グし直すことが必要でありメンテナンスの点で問題があ
る。
【0003】また、セラミックス製の加熱体保護管とし
て、反応焼結法により製造された窒化ケイ素焼結体から
なる保護管がある。この種の保護管は耐溶損性、耐熱衝
撃性に優れているうえ、反応焼結時の収縮が殆どなく寸
法精度が高く得られるという利点がある。しかしなが
ら、ケイ素を完全に窒化して得た製品でも、約20%の
気孔率をもつ比較的低密度の焼結体であるため、曲げ強
度が300MPa程度しかなく、使用中の機械的応力お
よび衝撃に耐えるには不十分という問題がある。また、
低密度なので焼結体の表面が粗く、溶湯が付着しやすい
問題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のセラミックス製
の加熱体保護管を溶湯中に浸漬させて製品の製造を行う
場合、溶湯温度を維持することが十分といえず、電気ヒ
ーターやガスバーナーの出力を上げたり、それらの本数
を増やすなどの措置をたびたび必要とし、加熱エネルギ
ーを無駄に消費しやすい問題がある。したがって、本発
明は耐溶損性を十分に確保するとともに、高出力化およ
びエネルギーの省力化を達成できる、かつ曲げ強度に優
れる溶湯用の加熱体保護管を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の溶湯用加熱体保
護管は、窒化ケイ素を主成分する窒化ケイ素質焼結体か
らなり、窒化ケイ素質焼結体の常温における熱伝導率が
70W/(m・K)以上であることを特徴とする。本発
明において、窒化ケイ素質焼結体の常温における4点曲
げ強度が600MPa以上であることを特徴とする。窒
化ケイ素質焼結体中のアルミニウムの含有量が0.2重
量%以下であることが好ましい。また、窒化ケイ素質焼
結体中の酸素の含有量が3.0重量%以下であることが
好ましい。
【0006】
【作用】本発明は加熱体保護管を形成する材料自体の熱
伝導率を高めることにより、保護管内部に設けた加熱体
が発生する熱を迅速にかつ効率よく保護管の表面を経て
溶湯へ伝達させることができる。通常の窒化ケイ素質焼
結体は、常温における熱伝導率が高々15W/(m・
K)程度であるが、本発明の窒化ケイ素質焼結体は、焼
結体中に不純物として存在するアルミニウムおよび酸素
の含有量を低減することにより、70W/(m・K)以
上の熱伝導率を得ることができる。
【0007】窒化ケイ素質焼結体中に不純物として存在
する異種イオン、特にアルミニウム、酸素はフォノン散
乱源となり熱伝導率を低減させる。窒化ケイ素質焼結体
は、窒化ケイ素粒子相とその周囲の粒界相とから構成さ
れ、アルミニウムおよび酸素はこれら二相にそれぞれ含
有される。アルミニウムは、窒化ケイ素の構成元素であ
るケイ素のイオン半径に近いため窒化ケイ素粒子内に容
易に固溶する。アルミニウムの固溶により窒化ケイ素粒
子自身の熱伝導率が低下し、結果として焼結体の熱伝導
率が著しく低下する。
【0008】また、焼結助剤として主に酸化物を添加す
るため、酸素の多くは粒界相成分として存在する。焼結
体の高熱伝導化を達成するには、主相の窒化ケイ素粒子
に比べて熱伝導率が低い粒界相の量を低減することが肝
要であり、焼結助剤成分の添加量を相対密度85%以上
の焼結体が得られる量を最小限とし、酸素量を低減させ
ることが必要である。
【0009】また、窒化ケイ素質焼結体中の窒化ケイ素
粒子の性状を最適化することにより、使用中の機械的応
力および衝撃に十分に耐えられる曲げ強度を得ることが
できる。窒化ケイ素質焼結体中のβ型窒化ケイ素粒子の
うち、短軸径5μm以上のβ型窒化ケイ素粒子の割合
が、10体積%以上では焼結体の熱伝導率は向上する
が、組織中に導入された粗大粒子が破壊の起点として作
用するため破壊強度が著しく低下し、600MPa以上
の曲げ強度が得られない。したがって、窒化ケイ素質焼
結体中のβ型窒化ケイ素粒子のうち、短軸径5μm以上
のβ型窒化ケイ素粒子の割合が10体積%未満であるこ
とが好ましい。同様に、組織中に導入された粗大粒子が
破壊の起点として作用することを抑えるために、β型窒
化ケイ素粒子のアスペクト比が15以下であることが好
ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明実施例の加熱体保護
管の概略縦断面図である。図1において、加熱体保護管
1は窒化ケイ素質焼結体からなる。加熱体保護管1は中
空円筒形状であり、その下端部が半球状に閉塞されてお
り、上部は開口し取付けのためのフランジ部2を設けて
いる。保護管1の寸法は例えば全長550mm、内径6
2mm、外径82mm、フランジ部2の外径106mm
である。保護管1内部の空間に電気ヒーターやガスバー
ナーなどの加熱体(図示せず)を入れる。そして、アル
ミニウムなどの溶湯中に保護管1を浸漬し、加熱体の発
熱によりその熱を保護管1の表面を経て溶湯へ伝え、溶
湯を所定の温度に維持する。
【0011】次に加熱体保護管1の製造方法について説
明する。平均粒径0.5μmの窒化ケイ素粉末に、焼結
助剤として、平均粒径0.2μmの酸化マグネシウム粉
末を2.8体積%、平均粒径0.2μmの酸化アルミニ
ウム粉末を0.08体積%、平均粒径2.0μmの酸化
イットリウム粉末を0.4体積%添加し、適量の分散剤
を加えエタノール中で粉砕、混合した。ついで、真空乾
燥後、篩を通して造粒した後、ゴム型に充填し、静水圧
により冷間静水圧プレス(CIP)を行い、加熱体保護
管となる管状の成形体を作製した。この成形体を175
0℃、9気圧の窒素ガス雰囲気中で5時間焼成し、本発
明の窒化ケイ素質焼結体を得た。
【0012】得られた窒化ケイ素質焼結体から、直径1
0mm×厚さ3mmの熱伝導率および密度測定用の試験
片、縦3mm×横4mm×長さ40mmの4点曲げ試験
片を採取した。密度はマイクロメ−タによる寸法測定と
重量測定の結果から求めた。熱伝導率はレーザーフラッ
シュ法により常温での比熱および熱拡散率を測定し熱伝
導率を算出した。4点曲げ強度は常温にてJIS R1
606に準拠して測定を行った。また、窒化ケイ素粒子
の体積%は、焼結体をフッ化水素酸にて粒界ガラス相を
溶出することにより、窒化ケイ素粒子を個々に取り出し
SEM観察して求めた。本発明では、面積%の値を体積
%として評価した。窒化ケイ素質焼結体中のアルミニウ
ム含有量は誘導プラズマ発光分析法(略称ICP法)に
より、酸素含有量は赤外線吸収法により測定した。
【0013】本発明の窒化ケイ素質焼結体からなる加熱
体保護管1は、密度が99.2%、常温における熱伝導
率が85W/(m・K)、常温における4点曲げ強度が
720MPaであった。また、窒化ケイ素質焼結体中の
アルミニウムの含有量が0.01重量%、酸素の含有量
が0.01重量%、窒化ケイ素質焼結体中のβ型窒化ケ
イ素粒子のうち短軸径が5μm以上のβ型窒化ケイ素粒
子の割合が2体積%であった。
【0014】また、本発明の窒化ケイ素質焼結体および
比較例のサイアロン焼結体から、直径60mm×長さ2
5mmの試験片を採取し、各試験片を800℃に加熱し
た状態から0℃の水中に沈降させる水中急冷試験を行っ
た。その結果、サイアロン焼結体の急冷面には亀甲羅状
にき裂が発生したが、窒化ケイ素質焼結体の急冷面には
き裂は見られず、耐熱衝撃性に優れることを確認でき
た。
【0015】図2は本発明の窒化ケイ素質焼結体の熱応
答性試験に用いた管状体を示す。図2に示すように、本
発明の窒化ケイ素質焼結体からなる肉厚4mmの管状体
7を作製した。管状体7は内径18mm、外径26m
m、長さ450mmで片方の先端部が半球状に閉塞され
た形状である。この管状体7の中に、Kタイプの熱電対
8を挿入し、熱電対8の先端が管状体7の底面に当接す
るように支持体9により支持した。
【0016】そして、溶湯温度620℃、重量約3kg
の純アルミニウムの溶湯中に管状体7の閉塞された先端
部側を浸漬させて、熱電対8により溶湯の温度を測定し
た。図3は測温開始からの経過時間(秒)と温度(℃)
の結果を示す。本発明材では測温開始から約60秒後に
200℃、約150秒後に500℃、約390秒後に6
20℃になった。比較例のサイアロンを用いて管状体を
作製し同様の熱応答性試験を行ったところ、測温開始か
ら約65秒後に200℃、約160秒後に500℃、約
420秒後に620℃になった。よって、本発明の窒化
ケイ素質焼結体はサイアロン焼結体に比べ、溶湯の熱が
管状体の表面を経て管状体内部の熱電対にまで速く到達
できた。本発明の窒化ケイ素質焼結体からなる保護管
は、この熱応答性試験の熱電対による測温において常温
から200℃に到達するまでの温度感知の最大傾き、す
なわち熱応答性を表わす最大感知速度が3℃/秒以上で
あることが好ましい。
【0017】本発明の加熱体保護管を680℃のアルミ
ニウム溶湯に浸漬し溶湯加熱に供したところ、アルミニ
ウム溶湯による侵食は殆どみられず、使用中の衝撃荷重
や熱衝撃による破損、き裂を生じなかった。また、従来
の窒化ケイ素製およびサイアロン製加熱体保護管に比
べ、溶湯への加熱効率が向上した。
【0018】
【発明の効果】本発明の加熱体保護管は熱伝導率が高い
ため、保護管内部に設けた加熱体が発生する熱を迅速に
かつ効率よく保護管の表面を経て溶湯へ伝達させること
ができるので、加熱エネルギーの高出力化が可能とな
る。また、加熱エネルギーのロスを抑え省エネルギーに
寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の加熱体保護管の概略縦断面図を
示す。
【図2】熱応答性試験に用いた管状体の概略断面図を示
す。
【図3】熱応答性試験の測温開始からの経過時間と温度
の結果を示す。
【符号の説明】
1 加熱体保護管、 2 フランジ部、 7 管状体、
8 熱電対、 9支持体

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化ケイ素を主成分する窒化ケイ素質焼
    結体からなる溶湯用加熱体保護管であって、窒化ケイ素
    質焼結体の常温における熱伝導率が70W/(m・K)
    以上であることを特徴とする加熱体保護管。
  2. 【請求項2】 窒化ケイ素質焼結体の常温における4点
    曲げ強度が600MPa以上であることを特徴とする請
    求項1に記載の加熱体保護管。
  3. 【請求項3】 窒化ケイ素質焼結体中のアルミニウムの
    含有量が0.2重量%以下であることを特徴とする請求
    項1または2に記載の加熱体保護管。
  4. 【請求項4】 窒化ケイ素質焼結体中の酸素の含有量が
    3.0重量%以下であることを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の加熱体保護管。
  5. 【請求項5】 前記窒化ケイ素質焼結体からなる肉厚4
    mm以上の管状体に熱電対を挿入し、熱電対の先端を管
    状体の底面に当接させて、この管状体を溶湯に浸漬させ
    て熱電対による測温したとき常温から200℃に到達す
    るまでの温度感知の最大傾きが3℃/秒以上であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の加熱体保
    護管。
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