JPH06239667A - 多孔質サイアロン焼結体 - Google Patents
多孔質サイアロン焼結体Info
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- JPH06239667A JPH06239667A JP5025100A JP2510093A JPH06239667A JP H06239667 A JPH06239667 A JP H06239667A JP 5025100 A JP5025100 A JP 5025100A JP 2510093 A JP2510093 A JP 2510093A JP H06239667 A JPH06239667 A JP H06239667A
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- JP
- Japan
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- sialon
- pores
- thermal shock
- porosity
- powder
- Prior art date
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- Pending
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B38/00—Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Ceramic Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Structural Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Ceramic Products (AREA)
- Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 最適な気孔の寸法、気孔の体積率、気孔の分
散性を見いだすことにより十分な強度を保ちつつ、高い
耐熱衝撃性とアルミニウムや鉄などの溶融金属に対する
耐食性を具備し、製造が容易な多孔質サイアロン焼結体
を提供することを目的とする。 【構成】 最大寸法が6ないし150μmの気孔を気孔
率7ないし30vol%で分散してなる多孔質サイアロ
ン焼結体。
散性を見いだすことにより十分な強度を保ちつつ、高い
耐熱衝撃性とアルミニウムや鉄などの溶融金属に対する
耐食性を具備し、製造が容易な多孔質サイアロン焼結体
を提供することを目的とする。 【構成】 最大寸法が6ないし150μmの気孔を気孔
率7ないし30vol%で分散してなる多孔質サイアロ
ン焼結体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い耐熱衝撃性及び溶
融金属に対する優れた耐食性を備えた多孔質サイアロン
焼結体に関し、アルミニウム、鉄等の溶融金属中で使用
される、ヒータチューブ、ストーク、熱電対保護管、脱
ガス用ロータなどの部品の材質に関する。
融金属に対する優れた耐食性を備えた多孔質サイアロン
焼結体に関し、アルミニウム、鉄等の溶融金属中で使用
される、ヒータチューブ、ストーク、熱電対保護管、脱
ガス用ロータなどの部品の材質に関する。
【0002】
【従来の技術】各種セラミックスのなかで、サイアロン
は高温強度が高く耐熱衝撃性に優れた材料とされてい
る。しかし、アルミニウムや鉄の溶融浴に浸漬したとき
に生じる過酷な熱衝撃に対して十分耐えられる材料とは
言えず、熱衝撃を緩和するための予熱が必要であった
り、同じく熱衝撃を緩和するために部品強度の信頼性を
犠牲にして部品の肉厚を小さくするなどの対応が必要で
あった。このため、従来より材料の耐熱衝撃性を高める
方法が検討されており、その主な方法として材料の内部
に気孔を分散させることが知られている。例えば、特開
昭63−64980号にはサイアロンに5μm以下の気
孔を1ないし10vol%分散させることにより、耐熱
衝撃性を向上できることが開示されている。
は高温強度が高く耐熱衝撃性に優れた材料とされてい
る。しかし、アルミニウムや鉄の溶融浴に浸漬したとき
に生じる過酷な熱衝撃に対して十分耐えられる材料とは
言えず、熱衝撃を緩和するための予熱が必要であった
り、同じく熱衝撃を緩和するために部品強度の信頼性を
犠牲にして部品の肉厚を小さくするなどの対応が必要で
あった。このため、従来より材料の耐熱衝撃性を高める
方法が検討されており、その主な方法として材料の内部
に気孔を分散させることが知られている。例えば、特開
昭63−64980号にはサイアロンに5μm以下の気
孔を1ないし10vol%分散させることにより、耐熱
衝撃性を向上できることが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記記
載の材料では気孔が5μm以下と小さいため、気孔を再
現性よく分散させることは極めて困難である。セラミッ
クスは通常、粉末を成形したのち、これを高温に加熱し
て緻密化の焼結を行うが、5μm以下の小さな気孔を安
定に存在させることは、原料粉末の粒度や純度の精密な
管理、あるいは焼結温度や焼結時の加熱・冷却速度の精
密制御を行ったとしても難しく、少なくとも工業材料と
して製造することは困難である。そのため、ヒータチュ
ーブや脱ガス用ロータなどの部品には、強度信頼性不足
あるいは製造歩留りが過小のため、使用することができ
ない。
載の材料では気孔が5μm以下と小さいため、気孔を再
現性よく分散させることは極めて困難である。セラミッ
クスは通常、粉末を成形したのち、これを高温に加熱し
て緻密化の焼結を行うが、5μm以下の小さな気孔を安
定に存在させることは、原料粉末の粒度や純度の精密な
管理、あるいは焼結温度や焼結時の加熱・冷却速度の精
密制御を行ったとしても難しく、少なくとも工業材料と
して製造することは困難である。そのため、ヒータチュ
ーブや脱ガス用ロータなどの部品には、強度信頼性不足
あるいは製造歩留りが過小のため、使用することができ
ない。
【0004】溶融金属浴中に材料を浸漬すると、材料が
表面から急熱されるため、内部に熱応力が生じる。この
熱応力が材料の強度を超えると材料が破壊する。従っ
て、熱衝撃により破壊させないためには、まず第一に、
当然ながら材料強度が高いことが必要である。また一方
では、熱応力の大きさは材料の特性によって大きく変
る。熱応力は、ヤング率が高く、熱膨張係数が大きく、
熱伝導率が低く、ポアソン比が大きい場合に高くなる。
従って、これらの要因を制御して熱応力の発生を低く押
えることが必要である。材料中に気孔を導入すること
は、ヤング率、熱膨張係数及びポアソン比を低下させる
ため、この点だけからみれば耐熱衝撃性向上効果があり
必要であるが、一方では材料の強度を低下させ、また熱
伝導率を低くするといった負の作用も併せもつ。しかし
ながら、これらの材料物性と熱衝撃破壊との関連につい
ては、多くの研究がなされているにも拘らず、不明点が
多いのが現状である。
表面から急熱されるため、内部に熱応力が生じる。この
熱応力が材料の強度を超えると材料が破壊する。従っ
て、熱衝撃により破壊させないためには、まず第一に、
当然ながら材料強度が高いことが必要である。また一方
では、熱応力の大きさは材料の特性によって大きく変
る。熱応力は、ヤング率が高く、熱膨張係数が大きく、
熱伝導率が低く、ポアソン比が大きい場合に高くなる。
従って、これらの要因を制御して熱応力の発生を低く押
えることが必要である。材料中に気孔を導入すること
は、ヤング率、熱膨張係数及びポアソン比を低下させる
ため、この点だけからみれば耐熱衝撃性向上効果があり
必要であるが、一方では材料の強度を低下させ、また熱
伝導率を低くするといった負の作用も併せもつ。しかし
ながら、これらの材料物性と熱衝撃破壊との関連につい
ては、多くの研究がなされているにも拘らず、不明点が
多いのが現状である。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、最適な気孔の寸法、気孔の体積率(気孔率)、気孔
の分散性を見いだすことにより、十分な強度を保ちつ
つ、高い耐熱衝撃性とアルミニウムや鉄などの溶融金属
に対する耐食性を具備し、製造が容易な多孔質サイアロ
ン焼結体を提供することを目的とする。
で、最適な気孔の寸法、気孔の体積率(気孔率)、気孔
の分散性を見いだすことにより、十分な強度を保ちつ
つ、高い耐熱衝撃性とアルミニウムや鉄などの溶融金属
に対する耐食性を具備し、製造が容易な多孔質サイアロ
ン焼結体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成する手段として、最大寸法が6ないし150μ
mの気孔を気孔率7ないし30vol%で分散してなる
多孔質サイアロン焼結体を見いだし、本発明を完成し
た。サイアロンの結晶形態にはα型及びβ型の2種類が
あり、サイアロン焼結体としては、α−サイアロン、β
−サイアロン及びα相とβ相の2相が混合したサイアロ
ンが存在するが、いずれも本発明の目的にかなった材料
である。
的を達成する手段として、最大寸法が6ないし150μ
mの気孔を気孔率7ないし30vol%で分散してなる
多孔質サイアロン焼結体を見いだし、本発明を完成し
た。サイアロンの結晶形態にはα型及びβ型の2種類が
あり、サイアロン焼結体としては、α−サイアロン、β
−サイアロン及びα相とβ相の2相が混合したサイアロ
ンが存在するが、いずれも本発明の目的にかなった材料
である。
【0007】本発明のサイアロン焼結体は高温強度が高
いため、1600℃程度までの溶融金属中で使用するこ
とができる。また、各種の溶融金属に対して化学的に安
定度が高いが、一層安定にするために、サイアロン焼結
体の表面に無機物質を被覆することができる。無機物質
の種類は溶融金属の種類により選択すれば良い。例とし
て、アルミニウム浴中で使用する場合には、無機質とし
て金属酸化物の被覆が有効であり、なかでもマグネシ
ア、ジルコニア、ハフニア、アルミナ及びチタニアの効
果が高い。これらの金属酸化物は1種または2種以上の
複合材を塗布あるいは必要によりこれを加熱・焼付けし
て使用することができる。また、鉄溶湯中で使用する場
合には、サイアロン焼結体の表面に前記の金属酸化物以
外に窒化ホウ素、ホウ化ジルコニウムなどのホウ化物の
被覆も有効である。サイアロンは鉄溶湯中でも窒化ケイ
素や炭化ケイ素などに比較して耐溶損性に優れている
が、上記材料を被覆することで一層耐溶損性を高めるこ
とが容易である。
いため、1600℃程度までの溶融金属中で使用するこ
とができる。また、各種の溶融金属に対して化学的に安
定度が高いが、一層安定にするために、サイアロン焼結
体の表面に無機物質を被覆することができる。無機物質
の種類は溶融金属の種類により選択すれば良い。例とし
て、アルミニウム浴中で使用する場合には、無機質とし
て金属酸化物の被覆が有効であり、なかでもマグネシ
ア、ジルコニア、ハフニア、アルミナ及びチタニアの効
果が高い。これらの金属酸化物は1種または2種以上の
複合材を塗布あるいは必要によりこれを加熱・焼付けし
て使用することができる。また、鉄溶湯中で使用する場
合には、サイアロン焼結体の表面に前記の金属酸化物以
外に窒化ホウ素、ホウ化ジルコニウムなどのホウ化物の
被覆も有効である。サイアロンは鉄溶湯中でも窒化ケイ
素や炭化ケイ素などに比較して耐溶損性に優れている
が、上記材料を被覆することで一層耐溶損性を高めるこ
とが容易である。
【0008】
【作用】本発明において、サイアロン焼結体中の気孔の
最大寸法は6ないし150μmである。気孔の最大寸法
が150μmを越えると気孔率によらず、耐熱衝撃性が
気孔を含有しない緻密な材料より劣る。気孔は強度上は
欠陥と見なされ、大きなものほど切欠き効果が大きくな
る。従って、150μmを越える大きな気孔が存在する
と、切欠き効果が気孔の耐熱衝撃性向上効果を上回り、
結果として耐熱衝撃性の向上がみられないものと考えら
れる。気孔の最大寸法が6μm未満の場合には、強度は
得られるが、再現性よく安定して製造することができな
い。以上より、最大気孔寸法は6ないし150μmであ
れば緻密な材料より耐熱衝撃性が高くでき、工業材料と
して適当である。更に、この範囲のなかで20ないし7
0μmで気孔の切欠き効果が小さく、より一層耐熱衝撃
性向上効果が大きい。
最大寸法は6ないし150μmである。気孔の最大寸法
が150μmを越えると気孔率によらず、耐熱衝撃性が
気孔を含有しない緻密な材料より劣る。気孔は強度上は
欠陥と見なされ、大きなものほど切欠き効果が大きくな
る。従って、150μmを越える大きな気孔が存在する
と、切欠き効果が気孔の耐熱衝撃性向上効果を上回り、
結果として耐熱衝撃性の向上がみられないものと考えら
れる。気孔の最大寸法が6μm未満の場合には、強度は
得られるが、再現性よく安定して製造することができな
い。以上より、最大気孔寸法は6ないし150μmであ
れば緻密な材料より耐熱衝撃性が高くでき、工業材料と
して適当である。更に、この範囲のなかで20ないし7
0μmで気孔の切欠き効果が小さく、より一層耐熱衝撃
性向上効果が大きい。
【0009】本発明において、気孔率は7ないし30v
ol%の範囲の材料が、気孔をほとんど含有しない緻密
質の材料を超える耐熱衝撃性を示す。即ち、気孔による
耐熱衝撃性向上効果が、強度上の切欠き効果を上回る。
特に、15ないし25vol%の材料が高い耐熱衝撃性
を示し望ましい。気孔率が7vol%未満の材料では、
緻密材に対して耐熱衝撃性の向上はわずかであり、また
気孔率が30%を超える材料では、気孔が互いに連結し
て強度上の切欠き効果が著しくなるため、耐熱衝撃性改
善効果がない。よって、本発明で最も望ましいのは、最
大寸法が20ないし70μmの気孔を気孔率15ないし
25vol%で分散してなる多孔質サイアロン焼結体で
ある。
ol%の範囲の材料が、気孔をほとんど含有しない緻密
質の材料を超える耐熱衝撃性を示す。即ち、気孔による
耐熱衝撃性向上効果が、強度上の切欠き効果を上回る。
特に、15ないし25vol%の材料が高い耐熱衝撃性
を示し望ましい。気孔率が7vol%未満の材料では、
緻密材に対して耐熱衝撃性の向上はわずかであり、また
気孔率が30%を超える材料では、気孔が互いに連結し
て強度上の切欠き効果が著しくなるため、耐熱衝撃性改
善効果がない。よって、本発明で最も望ましいのは、最
大寸法が20ないし70μmの気孔を気孔率15ないし
25vol%で分散してなる多孔質サイアロン焼結体で
ある。
【0010】気孔が連結すると強度上の切欠き効果が著
しく大きくなり、気孔による耐熱衝撃性向上効果が減少
ないしはみられなくなる。従って、気孔は十分に分散す
ることが望ましい。気孔を完全に連結させないことは困
難であるが、気孔の凝集体や連結が最大150μm以下
であれば、耐熱衝撃性向上効果は十分保持できる。気孔
の形状は、球状の場合にもっとも連結しずらいため、球
状が望ましいが、角状や楕円状あるいは棒状であって
も、気孔の連結が僅かであれば問題はない。また、気孔
は最大寸法が150μm以下であれば、大小の気孔が混
在してもよく、6μm未満の気孔が混在しても差し支え
はない。
しく大きくなり、気孔による耐熱衝撃性向上効果が減少
ないしはみられなくなる。従って、気孔は十分に分散す
ることが望ましい。気孔を完全に連結させないことは困
難であるが、気孔の凝集体や連結が最大150μm以下
であれば、耐熱衝撃性向上効果は十分保持できる。気孔
の形状は、球状の場合にもっとも連結しずらいため、球
状が望ましいが、角状や楕円状あるいは棒状であって
も、気孔の連結が僅かであれば問題はない。また、気孔
は最大寸法が150μm以下であれば、大小の気孔が混
在してもよく、6μm未満の気孔が混在しても差し支え
はない。
【0011】上記で述べたように、本発明によるサイア
ロンでは最大150μmまでの大きな気孔を含有する。
大きな気孔は表面安定性が高いことに加え、気孔の表面
で多少の物質移動があっても気孔寸法の変化率は無視で
きる程であるため、気孔寸法が安定した材料の製造が容
易である。さらに、仮に製造行程のなかで、通常ならば
欠陥とされる気孔を内在したとしても、その欠陥の寸法
が150μm以下であれば、この気孔は当然ながら欠陥
としての悪影響はなく、従って製造の歩留りを高めるこ
とが容易となる。
ロンでは最大150μmまでの大きな気孔を含有する。
大きな気孔は表面安定性が高いことに加え、気孔の表面
で多少の物質移動があっても気孔寸法の変化率は無視で
きる程であるため、気孔寸法が安定した材料の製造が容
易である。さらに、仮に製造行程のなかで、通常ならば
欠陥とされる気孔を内在したとしても、その欠陥の寸法
が150μm以下であれば、この気孔は当然ながら欠陥
としての悪影響はなく、従って製造の歩留りを高めるこ
とが容易となる。
【0012】本発明によるサイアロン焼結体は多孔質な
がら、内部の気孔が独立しているため機密性が高い。こ
のため溶融金属中で使用しても、金属が内部に深く浸透
することがなく、従って、連通孔をもつセラミックス材
料に比較して、長期間の使用に耐えることができる。ま
た、多孔質ゆえに優れた耐熱衝撃性をもっており、サイ
アロン材としての高い高温強度、耐食性、耐摩耗性をも
備えているため、溶融金属中での使用以外に、一般の構
造用セラミックスと同様に各種の用途に使用することが
できる。
がら、内部の気孔が独立しているため機密性が高い。こ
のため溶融金属中で使用しても、金属が内部に深く浸透
することがなく、従って、連通孔をもつセラミックス材
料に比較して、長期間の使用に耐えることができる。ま
た、多孔質ゆえに優れた耐熱衝撃性をもっており、サイ
アロン材としての高い高温強度、耐食性、耐摩耗性をも
備えているため、溶融金属中での使用以外に、一般の構
造用セラミックスと同様に各種の用途に使用することが
できる。
【0013】
(実施例1)平均粒径0.8μm、α化率94%のSi
3N4粉末86wt%、平均粒径0.5μm、α化率99
%のAl203粉末5wt%、 平均粒径0.6μmのA
lN粉末3wt%、 平均粒径0.5μmのY203粉末
6wt%を、エチルアルコール、樹脂被覆ボールととも
にポットに入れ、24時間ボールミル混合したのち、球
状のポリエチレン粒子を追加し、さらに1時間混合した
のち、乾燥し、ラバープレス法により丸棒形状に成形し
た。成形体を大気雰囲気中で脱脂したのち、窒素ガス
中、1800℃にて焼結し、直径40mm、長さ100
mmの丸棒状に研削加工した。原料に用いた球状ポリエ
チレン粒子は、脱脂行程で分解して除去されるため、成
形体中に気孔が形成され、焼結後も気孔として残留す
る。球状ポリエチレン粒子の寸法及び量を変えることに
より、焼結体に含有される気孔の寸法及び量を変化させ
たサイアロンの丸棒を作製した。このサイアロン丸棒
を、室温から750℃に保持したアルミニウム浴中に浸
漬して、割れの発生の有無を調査した。
3N4粉末86wt%、平均粒径0.5μm、α化率99
%のAl203粉末5wt%、 平均粒径0.6μmのA
lN粉末3wt%、 平均粒径0.5μmのY203粉末
6wt%を、エチルアルコール、樹脂被覆ボールととも
にポットに入れ、24時間ボールミル混合したのち、球
状のポリエチレン粒子を追加し、さらに1時間混合した
のち、乾燥し、ラバープレス法により丸棒形状に成形し
た。成形体を大気雰囲気中で脱脂したのち、窒素ガス
中、1800℃にて焼結し、直径40mm、長さ100
mmの丸棒状に研削加工した。原料に用いた球状ポリエ
チレン粒子は、脱脂行程で分解して除去されるため、成
形体中に気孔が形成され、焼結後も気孔として残留す
る。球状ポリエチレン粒子の寸法及び量を変えることに
より、焼結体に含有される気孔の寸法及び量を変化させ
たサイアロンの丸棒を作製した。このサイアロン丸棒
を、室温から750℃に保持したアルミニウム浴中に浸
漬して、割れの発生の有無を調査した。
【0014】表1に、サイアロン丸棒中の最大気孔寸
法、気孔率、室温曲げ強度、割れの有無及び熱衝撃破壊
抵抗のひとつの指標として、次の式で表される熱衝撃破
壊抵抗Rの計算結果を掲載した。 R=σ(1−ν)λ/(Eβ) ここで、σは曲げ強度、νはポアソン比、λは熱伝導
率、Eはヤング率、βは線膨張係数である。表1の実施
例に示されるように、最大気孔寸法が150μm以下で
気孔率が7ないし30%の材料では、熱衝撃破壊抵抗R
が13.8kW/m以上あり、アルミニウム浴に浸漬し
ても熱応力で割れることがなかった。これに対して比較
例では、気孔寸法及び気孔率のいずれか一方あるいは双
方ともが、本発明の範囲外であり、熱衝撃破壊抵抗Rは
11.4kW/m以下で、いずれもアルミニウム浴浸漬
で熱応力割れを生じた。
法、気孔率、室温曲げ強度、割れの有無及び熱衝撃破壊
抵抗のひとつの指標として、次の式で表される熱衝撃破
壊抵抗Rの計算結果を掲載した。 R=σ(1−ν)λ/(Eβ) ここで、σは曲げ強度、νはポアソン比、λは熱伝導
率、Eはヤング率、βは線膨張係数である。表1の実施
例に示されるように、最大気孔寸法が150μm以下で
気孔率が7ないし30%の材料では、熱衝撃破壊抵抗R
が13.8kW/m以上あり、アルミニウム浴に浸漬し
ても熱応力で割れることがなかった。これに対して比較
例では、気孔寸法及び気孔率のいずれか一方あるいは双
方ともが、本発明の範囲外であり、熱衝撃破壊抵抗Rは
11.4kW/m以下で、いずれもアルミニウム浴浸漬
で熱応力割れを生じた。
【0015】
【表1】
【0016】(実施例2)実施例1と同様の方法により
直径が6mm、長さ100mmの多孔質のサイアロン丸
棒を作製した。これと比較のため、同じ寸法の窒化ケイ
素、炭化ケイ素及びアルミナの多孔質の丸棒を準備し
て、1480℃の鋳鉄溶湯に浸漬し、割れの発生の有無
及び浸漬後1時間保持したときに溶損した厚さをそれぞ
れ調査した。浸漬時に割れが生じた場合にも、そのまま
浸漬を保ち溶損厚さを測定した。表2に結果を示す。表
2に示されるように、サイアロン、窒化ケイ素及び炭化
ケイ素 の丸棒は、鋳鉄浴に浸漬しても割れの発生はな
かったが、アルミナは 浸漬と同時に割れを生じ、先端
が欠損した。1時間浸漬したのちの溶損厚さは、サイア
ロンは 窒化ケイ素の約1/3であった。炭化ケイ素は
浸漬中に全部溶解した。アルミナの溶損厚さはサイアロ
ンの1/10と小さいが、熱衝撃には弱い。この結果か
ら、多孔質サイアロンが鋳鉄中での使用にもっとも適し
ていることが判る。サイアロンは窒化ケイ素と異なり、
アルミニウム及び酸素を含有するため、これにより溶損
速度が窒化ケイ素より小さくなったと考えられる。
直径が6mm、長さ100mmの多孔質のサイアロン丸
棒を作製した。これと比較のため、同じ寸法の窒化ケイ
素、炭化ケイ素及びアルミナの多孔質の丸棒を準備し
て、1480℃の鋳鉄溶湯に浸漬し、割れの発生の有無
及び浸漬後1時間保持したときに溶損した厚さをそれぞ
れ調査した。浸漬時に割れが生じた場合にも、そのまま
浸漬を保ち溶損厚さを測定した。表2に結果を示す。表
2に示されるように、サイアロン、窒化ケイ素及び炭化
ケイ素 の丸棒は、鋳鉄浴に浸漬しても割れの発生はな
かったが、アルミナは 浸漬と同時に割れを生じ、先端
が欠損した。1時間浸漬したのちの溶損厚さは、サイア
ロンは 窒化ケイ素の約1/3であった。炭化ケイ素は
浸漬中に全部溶解した。アルミナの溶損厚さはサイアロ
ンの1/10と小さいが、熱衝撃には弱い。この結果か
ら、多孔質サイアロンが鋳鉄中での使用にもっとも適し
ていることが判る。サイアロンは窒化ケイ素と異なり、
アルミニウム及び酸素を含有するため、これにより溶損
速度が窒化ケイ素より小さくなったと考えられる。
【0017】
【表2】
【0018】(実施例3)実施例1と同様の方法によ
り、外径200mm、内径180mm、長さ1100m
mのアルミニウム溶解保持炉用のヒータチューブを、最
大気孔寸法30μm、気孔率15%の本発明によるサイ
アロン焼結体で製造した。このヒータチューブ4本をア
ルミニウム溶解保持炉の中に設置し、ヒータチューブの
内部に配置した電気ヒータにより最高950℃までの範
囲で加熱することにより、溶解保持炉の中のアルミニウ
ム溶湯を740℃に制御するようにした。溶解保持炉は
受湯と出湯を1日あたり約20回繰り返す条件で稼働し
て1年間使用したが、割れの発生や溶損はなく、順調に
稼働した。従来使用していた連通孔をもつ多孔質の炭化
ケイ素と窒化ケイ素からなる反応焼結材のヒータチュー
ブが約2か月で割れが生じたのに対して、約6倍以上の
寿命が得られた。
り、外径200mm、内径180mm、長さ1100m
mのアルミニウム溶解保持炉用のヒータチューブを、最
大気孔寸法30μm、気孔率15%の本発明によるサイ
アロン焼結体で製造した。このヒータチューブ4本をア
ルミニウム溶解保持炉の中に設置し、ヒータチューブの
内部に配置した電気ヒータにより最高950℃までの範
囲で加熱することにより、溶解保持炉の中のアルミニウ
ム溶湯を740℃に制御するようにした。溶解保持炉は
受湯と出湯を1日あたり約20回繰り返す条件で稼働し
て1年間使用したが、割れの発生や溶損はなく、順調に
稼働した。従来使用していた連通孔をもつ多孔質の炭化
ケイ素と窒化ケイ素からなる反応焼結材のヒータチュー
ブが約2か月で割れが生じたのに対して、約6倍以上の
寿命が得られた。
【0019】アルミニウム溶解保持炉の定期メンテナン
ス時には、ヒータチューブを一旦炉からとりはずす。メ
ンテナンスには通常数時間を要するため、この間にヒー
タチューブは200℃以下に冷却される。メンテナンス
終了後、ヒータチューブをこの状態からアルミニウム浴
に浸漬すると、従来のヒータチューブでは大きな熱応力
が発生して割れを生じる。このため、従来用いていた前
記の反応焼結材や緻密質のサイアロン材で構成したヒー
タチューブでは、400℃程度まで予熱したのち、アル
ミニウム浴に浸漬するようにしていた。これには予熱設
備が必要であり、また作業の手間がかかり、改善が望ま
れていた。本発明によるヒータチューブは、耐熱衝撃性
に優れるため、200℃以下に冷却したのち直接アルミ
ニウム浴に浸漬しても、全く割れは発生せず、上記の問
題を解消できた。アルミニウムの溶解・鋳造ラインで使
用する、加圧鋳造機用ストーク、溶湯温度測定用熱電対
保護管、溶湯脱ガス用ロータなど、各種の部品に本発明
のサイアロン材を適用した結果、いずれも高い耐熱衝撃
性により、従来品に比較して高信頼化及び長寿命化が可
能となった。
ス時には、ヒータチューブを一旦炉からとりはずす。メ
ンテナンスには通常数時間を要するため、この間にヒー
タチューブは200℃以下に冷却される。メンテナンス
終了後、ヒータチューブをこの状態からアルミニウム浴
に浸漬すると、従来のヒータチューブでは大きな熱応力
が発生して割れを生じる。このため、従来用いていた前
記の反応焼結材や緻密質のサイアロン材で構成したヒー
タチューブでは、400℃程度まで予熱したのち、アル
ミニウム浴に浸漬するようにしていた。これには予熱設
備が必要であり、また作業の手間がかかり、改善が望ま
れていた。本発明によるヒータチューブは、耐熱衝撃性
に優れるため、200℃以下に冷却したのち直接アルミ
ニウム浴に浸漬しても、全く割れは発生せず、上記の問
題を解消できた。アルミニウムの溶解・鋳造ラインで使
用する、加圧鋳造機用ストーク、溶湯温度測定用熱電対
保護管、溶湯脱ガス用ロータなど、各種の部品に本発明
のサイアロン材を適用した結果、いずれも高い耐熱衝撃
性により、従来品に比較して高信頼化及び長寿命化が可
能となった。
【0020】(実施例4)実施例1と同様の方法によ
り、外径16mm、内径8mm、長さ500mmの鋳鉄
溶解保持炉の連続測温用熱電対の保護管を、最大気孔寸
法9μm、気孔率18%の本発明によるサイアロン焼結
体で製造した。1470℃の溶湯中に予熱無しで浸漬し
ても割れは発生せず、連続2時間の測定ができた。さら
に溶損速度を小さくする目的で、保護管の外表面にジル
コニア粉末を吹き付けて、約1mmの厚さの多孔質皮膜
を形成したところ、20時間以上の連続使用ができた。
り、外径16mm、内径8mm、長さ500mmの鋳鉄
溶解保持炉の連続測温用熱電対の保護管を、最大気孔寸
法9μm、気孔率18%の本発明によるサイアロン焼結
体で製造した。1470℃の溶湯中に予熱無しで浸漬し
ても割れは発生せず、連続2時間の測定ができた。さら
に溶損速度を小さくする目的で、保護管の外表面にジル
コニア粉末を吹き付けて、約1mmの厚さの多孔質皮膜
を形成したところ、20時間以上の連続使用ができた。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば従来不十分であったサイ
アロンの耐熱衝撃性を大幅に向上でき、容易に安定して
製造できるためアルミニウムや鉄の溶湯中で使用される
各種の部品の信頼性を大幅に高めることができる。
アロンの耐熱衝撃性を大幅に向上でき、容易に安定して
製造できるためアルミニウムや鉄の溶湯中で使用される
各種の部品の信頼性を大幅に高めることができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 最大寸法が6ないし150μmの気孔を
気孔率7ないし30vol%で分散してなることを特徴
とする多孔質サイアロン焼結体。 - 【請求項2】 最大寸法が20ないし70μmの気孔を
気孔率15ないし25vol%で分散してなる請求項1
に記載の多孔質サイアロン焼結体。 - 【請求項3】 最大寸法が6ないし150μmの気孔を
気孔率7ないし30vol%で分散してなる多孔質サイ
アロン焼結体の表面が無機物質で被覆されることを特徴
とする多孔質サイアロン焼結体。 - 【請求項4】 無機物質が金属酸化物またはホウ化物で
ある請求項3に記載の多孔質サイアロン焼結体。 - 【請求項5】 金属酸化物が、マグネシア、ジルコニ
ア、ハフニア、アルミナ及びチタニアのなかから選ばれ
た1種あるいは2種以上の複合材で構成された請求項4
に記載の多孔質サイアロン焼結体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5025100A JPH06239667A (ja) | 1993-02-15 | 1993-02-15 | 多孔質サイアロン焼結体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5025100A JPH06239667A (ja) | 1993-02-15 | 1993-02-15 | 多孔質サイアロン焼結体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06239667A true JPH06239667A (ja) | 1994-08-30 |
Family
ID=12156512
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5025100A Pending JPH06239667A (ja) | 1993-02-15 | 1993-02-15 | 多孔質サイアロン焼結体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06239667A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001014283A1 (en) * | 1999-08-24 | 2001-03-01 | Imerys Minerals Limited | Ceramic materials |
KR101155548B1 (ko) * | 2008-12-24 | 2012-06-19 | 한국기계연구원 | 다공성 사이알론, 그 제조 방법 및 그의 응용 |
TWI821933B (zh) * | 2022-03-03 | 2023-11-11 | 謝志欽 | 可產生奈米氣泡的燒結結構及其設備 |
-
1993
- 1993-02-15 JP JP5025100A patent/JPH06239667A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001014283A1 (en) * | 1999-08-24 | 2001-03-01 | Imerys Minerals Limited | Ceramic materials |
KR101155548B1 (ko) * | 2008-12-24 | 2012-06-19 | 한국기계연구원 | 다공성 사이알론, 그 제조 방법 및 그의 응용 |
TWI821933B (zh) * | 2022-03-03 | 2023-11-11 | 謝志欽 | 可產生奈米氣泡的燒結結構及其設備 |
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