JP2002249162A - ベルト締具 - Google Patents

ベルト締具

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JP2002249162A JP2001045328A JP2001045328A JP2002249162A JP 2002249162 A JP2002249162 A JP 2002249162A JP 2001045328 A JP2001045328 A JP 2001045328A JP 2001045328 A JP2001045328 A JP 2001045328A JP 2002249162 A JP2002249162 A JP 2002249162A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成であっても、ベルトを確実に固定
できる安価なベルト締具を提供し、さらに、ベルトに局
部的な傷みが生じることを防止してベルトの長寿命化を
可能にするベルト締具を提供する。 【解決手段】 ベルトが巻きかけられる操作レバー2と
フック10に連結されるフック取付部材7とを相互に回
動自在に軸支したベルト締具1であって、操作レバー2
は、先端側のグリップ部3と、ベルトが巻き回される第
1架橋部4と、第1架橋部4に巻き回されたベルト9を
重ねて案内する第2架橋部5とを備え、操作レバー2を
フック10側から反フック側に倒すと、第1架橋部4に
巻き回されたベルト9が第2架橋部5に案内されてフッ
ク10側に突き出るように、軸支位置に対して第1架橋
部4と前記第2架橋部5とを配置してなり、一方の架橋
部にスライド部材8を他方の架橋部に向かって移動自在
に遊嵌し、第2架橋部5で案内されるベルト9によりス
ライド部材8と他方の架橋部とで第1架橋部4に巻き回
されたベルト9を挟持するようにしたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物品を固定するた
めのベルト締具に関し、さらに詳しくは、物品と輸送機
との間をベルトで緊締して物品を固定するベルト締具に
関する。
【0002】
【従来の技術】物品を構造物などにベルトで緊締して、
物品が移動することを防止したり、物品同士をベルトを
掛け回して固定することがよくあるが、この場合、ベル
トを締め付けるためにベルト締具と呼ばれるものを使用
するのが通常である。例えば、船舶に自動車を搭載して
輸送する際に、船舶の床面に自動車をベルトで固定する
ときなどに、ベルトを締め付けるために用いられるもの
である。
【0003】従来のベルト締具としては、例えば、実公
昭55−10054号公報に記載されたものが知られて
いる。これは、フック取付金具と操作レバー部分をベル
ト締具本体に回転自在に軸支し、前記操作レバーにはベ
ルトを掛け回すための軸を懸架し、前記操作レバーを回
動させることでベルトを前記本体と操作レバーとの回動
軸に巻きつけてベルトの締め付け固定を行うものであ
る。しかし、船舶や車両に搭載した物品を締め付ける場
合、船舶や車両の振動や揺れによってベルトに加えられ
た締め付け張力が常時変動するため、徐々にベルトの緩
みが大きくなるという問題点がある。
【0004】そのため、実公平5−1684号公報や、
実公平5−17476号公報などに記載されたものが知
られている。これらは、振動等が作用する環境下で使用
される場合であっても緩みが生じないようにするため
に、ベルトを強固に固定することを目的として、ベルト
との接触面に凹凸部を形成した固定バーと摺動バーを設
けたり、さらにベルト押さえ部材を設けたりしたもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
実公平5−1684号公報などに記載されている緩み防
止機構を有したベルト締具においては、本体に摺動バー
を摺動自在に設けるために本体への加工部分が増大し構
造が複雑化してしまうため、製造コストが上昇せざるを
得ないという問題を有している。そして、ベルトを強固
に固定する目的から、固定バーと摺動バーとの間で強固
にベルトを挟もうとすると、これらバーを太くせざるを
得ず、本体が大型化するという問題点も有している。
【0006】本発明は、上記実情に鑑みることにより、
簡単な構成であっても、ベルトを確実に固定できる安価
なベルト締具であって、小型化が可能なベルト締具を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する請求
項1に記載のベルト締具は、ベルトが巻きかけられる操
作レバーとフックに連結されるフック取付部材とを相互
に回動自在に軸支したベルト締具であって、前記操作レ
バーは、先端側のグリップ部と、ベルトが巻き回される
第1架橋部と、第1架橋部に巻き回されたベルトを重ね
て案内する第2架橋部とを備え、前記操作レバーをフッ
ク側から反フック側に倒すと、第1架橋部に巻き回され
たベルトが第2架橋部に案内されてフック側に突き出る
ように、軸支位置に対して前記第1架橋部と前記第2架
橋部とを配置してなり、前記第1架橋部と前記第2架橋
部の一方の架橋部にスライド部材を他方の架橋部に向か
って移動自在に遊嵌し、第2架橋部で案内されるベルト
により前記スライド部材と前記他方の架橋部とで前記第
1架橋部に巻き回されたベルトを挟持するようにしたこ
とを特徴とする。
【0008】この構成によると、操作レバーの基部に対
して第1架橋部と第2架橋部を折り曲げなどで一体的な
ものにして設け、一方の架橋部に可動部分であるスライ
ド部材を遊嵌するだけでベルト締具が形成される。
【0009】請求項2に記載のベルト締具は、請求項1
において、前記スライド部材の移動量が制限され、前記
スライド部材と前記他方の架橋部との間隔を一定幅以上
としたことを特徴とするものである。
【0010】この構成によると、一方の架橋部に遊嵌さ
れるスライド部材のスライド方向の大きさにより移動量
が決まる。すなわち、ベルトの厚みに対応して、スライ
ド部材の大きさを変えるだけで、他方の架橋部との間隔
を適切にできる。
【0011】請求項3に記載のベルト締具は、請求項1
において、前記第1架橋部と前記第2架橋部とが、軸支
部が設けられる一対の基部を連結する連結板で形成さ
れ、前記スライド部材は、前記連結板に沿って移動し、
両端が折り曲げられた板材で形成されていることを特徴
とするものである。
【0012】この構成によると、フック取付部材以外
は、基本的には本体とスライド部材の2枚の板材だけか
ら形成することが可能であり、極めて簡易的な構造で、
ベルト締具を実現することができる。
【0013】請求項4に記載のベルト締具は、請求項1
または3において、両端が折り曲げられた板材から形成
される前記スライド部材の折り曲げられた端部の一端
が、前記第1架橋部または第2架橋部のいずれか一方と
当接することで、前記スライド部材の移動量が制限さ
れ、他端部と前記他方の架橋部との間隔が一定幅以上と
なることを特徴とするものである。
【0014】この構成によると、前記スライド部材と前
記他方の架橋部との間でベルトに作用する押圧力を制限
する構造を、基本的には、1枚の板材を折り曲げ加工す
るだけで極めて簡易に実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本発明に係るベルト締具
1の概略を示す正面図であり、図2は、その上面図であ
る。このベルト締具1は、基本的な構成として、ベルト
が巻きかけられる操作レバー2と、操作レバー2と相互
に回動自在に軸支されフック10に連結されるフック取
付部材7と、操作レバー2に移動自在に遊嵌されベルト
9を挟持するためのスライド部材8とを備えているもの
である。そして、該ベルト締具1は、操作レバー2をフ
ック10側から反フック側へと回動させることで、ベル
ト9の締め付け固定を行うものである。以下、図1およ
び図2を参照しながら、各構成要素の構造を説明する。
【0016】まず、操作レバー2は、先端部のグリップ
部3と、ベルト9が巻き回される2つの架橋部(4、
5)と、グリップ部3および2つの架橋部(4、5)に
連結する一対の側板状の基部6とを有し、断面がほぼ樋
状をなすように一体に形成されている。
【0017】グリップ部3は、前記樋状部の側板高さが
楔状に低くなる操作レバー2の先端部分で構成され、該
先端部の表面を覆うようにゴムの皮膜が設けられてい
る。このゴム皮膜の上からグリップ部3を把持して操作
レバー2を回動させるものである。なお、このゴム皮膜
は必ずしも、必須の構成要素というわけではなく、ま
た、ゴム以外のものであってもよい。
【0018】グリップ部3には、前記樋状部の側板を形
成するように一対の基部6が一体となって連結してい
る。そして、基部6は、フック取付部材7を軸支するた
めの軸支部11とフック取付部材7の回転を規制する係
止部12とを有しており、2つの架橋部(4、5)が懸
架されている。
【0019】軸支部11は、一対の基部6の両面におい
て、操作レバー2の回転軸上に穿たれる穴で形成され
る。この両面の穴に、フック取付部材7を軸支するリベ
ット状の軸部材13が、それぞれ嵌挿される。
【0020】係止部12は、基部6の両面において、樋
状部外側に対して突出するように円形にかしめられて形
成された突起部分であって、軸支部11に対して架橋部
側に位置している。そして、フック取付部材7が操作レ
バー2に対して回転する際に、該フック取付部材7と擦
るように接触し、操作レバー2とフック取付部材7との
間に一定以上の回転力が加えられないと、係止部12の
表面を擦るように通過できないようにするものであり、
ベルト9の締め付け位置と解除位置とでフック取付部材
7を係止するものである。
【0021】基部6に架橋される2つの架橋部は、第1
架橋部4と第2架橋部5とからなり、グリップ部3、第
1架橋部4、第2架橋部5の順に配置するように形成さ
れ、いずれも基部6を連結する連結板として形成され
る。すなわち、換言すれば、樋状部の底面にスリットが
2箇所設けられ、スリット間に位置している部分が第1
架橋部4であって、第1架橋部4に対してグリップ部3
と反対側に、スリットを挟んで位置している部分が第2
架橋部である。第1架橋部4には、一重にベルト9が巻
き回され、第1架橋部4に巻き回されたベルト9は、重
ねられてさらに第2架橋部5へと案内されるものであ
る。そして、2つの架橋部と軸支部11との位置関係
は、2つの架橋部に巻き回されたベルト9が、操作レバ
ー2の樋状内底部にほぼ沿うように張ったときに、ベル
ト9が軸支部11に対して架橋部側に位置するように構
成される。これは、当該ベルト締具1の使用方法のとこ
ろで後述するが、ベルト9に作用する締め付け張力を自
己保持的に保たせるためである。
【0022】以上が、操作レバー2の構成であり、基本
的には、所定の外形に形どられた板材に対して、2箇所
にスリットを設け、樋状に折り曲げ加工するのみで形成
し得るものであり、極めて簡易に、本発明に係る構造の
一要素を実現し得る。
【0023】次に、フック取付部材7の構造について説
明する。該フック取付部材7は、丸棒状の部材を曲げ加
工することで形成し得る略U字形状を有しており、該U
字棒部材の両端部は、棒円周部分が平板上につぶされて
平坦部を有するように形成されている。そして、この両
平坦部には、軸部材13を貫通させるための穴が穿たれ
ており、該穴と操作レバー2に設けられた軸支部11と
を軸部材13で貫通して連結することで、フック取付部
材7と操作レバー2が相互に回転自在に支持される。し
たがって、フック取付部材7についても、棒部材1本を
曲げ加工等するのみで形成し得るものであり、極めて簡
易に製作し得るものである。
【0024】フック取付部材7には、ベルト14を介し
てフック10が連結される。フック10は、物品を固定
する際の固定側の所定の個所に引っ掛けられ、ベルト9
にテンションを与え得る構造であれば、どのようなもの
でもよく、必ずしも本実施形態例に係るように釣り針状
の鉤型を有してなくてもよい。また、必ずしもベルト1
4を介して連結されるものでなく、直接フック10が取
り付けられる構造を有していてもよい。そして、フック
取付部材7についても、直接フック10と連結しやすい
ように、例えば、2枚の平板状の棒部材を折り曲げ加工
し、その一端をそれぞれ操作レバー2に軸支し、他端で
フック10を挟み込んで止めるような構造であってもよ
い。
【0025】最後にスライド部材8の構造について説明
する。該スライド部材8は、両端が折り曲げられた平板
からなり、折り曲げられた両端部は、それぞれ略90°
に2度折り曲げ加工され、スライド部材8全体として
は、内向きの縁を有した樋状断面をもつ形状をしてい
る。このスライド部材8は、第2架橋部5を囲み、前記
樋状部の内底面が、第2架橋部5の軸支部11とは反対
側の面を覆うように遊嵌され、第1架橋部4に向かって
移動自在の構造となっている。そして、少なくともスラ
イド部材8の両端部において、巻き回されるベルト9と
接する表面については、ベルト9との間で適度な摩擦係
数を有して滑りにくくするために、ローレット加工また
はショットブラスト加工などの滑り防止加工を施される
ことが望ましい。また、両端の各折り曲げ部において
は、曲率を有するように加工されることが望ましい。こ
れにより、各折り曲げ部と接する部分のベルト9への局
部的な応力集中が発生することを防止することができ
る。
【0026】ここで、図5を用いて、スライド部材8の
構造について、さらに詳しく説明する。図5は、スライ
ド部材8の周辺を拡大して示したベルト締具1の断面図
であり、スライド部材8が、第1架橋部4と最も離隔し
た位置にある状態を示している。このとき、ε1は、第
2架橋部5と反グリップ側に折り曲げられたスライド部
材8の一端との距離を表し、ε2は、折り曲げられた他
端と第1架橋部4との距離を表している。本実施形態例
では、ε2>ε1の関係が満たされるように、スライド
部材8の両折り曲げ端部間の長さと、第1架橋部4と第
2架橋部5との間に形成されるスリットの幅が設定され
ている。このため、スライド部材8の反グリップ側の一
端が、第2架橋部5と当接することで、スライド部材8
の移動量が制限され、スライド部材8のグリップ側端部
と第1架橋部4との間には、一定幅以上の間隔が保たれ
ることになる。なお、本実施形態例においては、スライ
ド部材8は、内向きの縁を有した樋状断面をもつ形状を
しているが、必ずしも内向きの縁は両端部ともに形成さ
れているものでなく、例えば、反グリップ側端部のみに
形成されているようなものなどであってもよい。
【0027】本実施形態例に係るベルト締具1は、以上
のように構成されており、本質的に、操作レバー2およ
びスライド部材8ともに1枚の板材から形成し得るもの
であり、また、フック取付部材7も1本の棒部材から形
成し得、極めて簡易に、ベルト締具1の構造を実現し得
るものである。
【0028】次に、本発明に係るベルト締具1を使用す
る方法について、図3および図4を参照しながら説明す
る。図3は、ベルト9を締め付ける以前および締め付け
を解除したときの状態にあるベルト締具1を示したもの
であり、図4は、ベルト9を締め付けて使用状態にある
ベルト締具1の断面を示したものである。
【0029】まず、ベルト9を締め付ける場合について
説明する。図3において、締め付ける前の状態にあるベ
ルト締具1は、操作レバー2とフック取付部材7との位
置関係が、軸部材13を中心として係止部12から時計
回り方向にフック取付部材7が回動した位置になってい
る。この状態において、図示しないが、一端にフックが
取り付けられたベルト9の他端を第1架橋部4を巻き回
し、操作レバー2の樋状部の内側を経由させて、第1架
橋部4と第2架橋部5の間のスリットを通し、さらに第
2架橋部5に遊嵌されたスライド部材8とベルト9との
間を通るように案内する。このとき、ベルト9の一端に
設けられた図示しないフックは、物品を固定する際の固
定側の所定の個所に係止されている。そして、フック1
0についても、ベルト9の一端に設けられたフックと同
様に、所定の個所に係止し、ベルト9の他端を引っ張る
ようにしてベルト9を滑らせながら、物品の固定がほぼ
可能で軽く緊張した状態となるようにベルト9の長さを
調節する。この状態から、操作レバー2を図中に示す矢
印のように軸部材13を中心として時計回り方向に回動
させる。この回動動作によって、ベルト9が、重ねられ
た状態のままスライド部材8の周りに巻き回される。こ
のとき、フック取付部材7は、係止部12の表面を擦る
ように接しながら通過する。また、操作レバー2が回動
してスライド部材8にベルト9が巻きつくに従って、ス
ライド部材8は、第1架橋部4に対して接近する。
【0030】回動動作が終了し、ベルト9の締め付けが
完了した状態を示すのが、図4の断面図である。本図に
おいて示す矢印は、ベルト9およびフック10に作用す
る張力の方向である。このベルト9に加わる張力によっ
て、スライド部材8の反グリップ側に折り曲げられた端
部が押圧され、第1架橋部4に向かってスライド部材8
が移動している。そして、スライド部材8のグリップ側
端部と第1架橋部4との間でベルト9が挟持されること
になる。そのため、自己完結的にベルト9に作用する張
力が保持されることになり、ベルト9は緩むことなく締
め付け力を維持できる。
【0031】ベルト9を挟持しているスライド部材8の
端部は、面をもって該ベルト9を押圧するものであり、
さらに、先述したように、折り曲げ加工部は曲率を有し
ているため、ベルト9における局部的な応力集中を防ぐ
ことができる。そして、スライド部材8と第1架橋部4
との間隔は、図5を用いて説明したように、一定幅以上
に保たれている。そのため、ベルト9に加わる押圧力が
ベルト9を締め付けるために必要な水準より過大に加わ
ることを防止できる。これらによって、ベルト9に局部
的に傷みが生じることを防ぐことができる。また、ベル
ト9の締め付け時におけるスライド部材8のグリップ側
端部と第1架橋部4との間隔であるε2−ε1の値につ
いては、ベルト9の厚み等の条件や、物品を固定するた
めに必要な張力といった使用条件などに応じて適切な値
となるように、スライド部材8の両端部間の長さや2つ
の架橋部間に位置するスリット幅を設定して調整するこ
とができる。
【0032】なお、図4において、ベルト9により操作
レバー2に対して作用するモーメントの方向は、軸部材
13に対して時計回り方向である。これによって、グリ
ップ部3がベルト9に対して押付けられる方向にモーメ
ントが与えられることになり、操作レバー2の回転方向
の動きは規制される。こうして、締め付け張力が自己保
持的に保たれることになる。
【0033】次に、締め付け状態にあるベルト9を解除
する場合について説明する。これは、上述した締め付け
の場合とは、逆の作用状態となる。図4のように締め付
け状態にあるベルト締具1において、締め付けを解除す
るためには、グリップ部3をもって操作レバー2を軸部
材13に対して反時計回りに回動させる。これによっ
て、スライド部材8の反グリップ側端部に作用していた
ベルト9による押圧力が開放され、スライド部材8と第
1架橋部4との間でベルト9を挟持していた押圧力も開
放される。そして、操作レバー2を反時計回りに回動さ
せるとともに、ベルト9のスライド部材8への巻きつけ
が解かれていき、ベルト9の締め付けが解除され、張力
が開放される。ベルト9の締め付けが解かれたベルト締
具1は、通常、図3のように、フック取付部材7が係止
部12を通過した状態の姿勢で保たれる。
【0034】本実施形態例に係るベルト締具1は、上記
に説明したように使用されることで、物品を固定するベ
ルトに対して締め付け力を与えることができる。
【0035】そして、以上説明した実施の形態は、以下
の効果を有する。 (1)従来のベルト締具は、振動が作用する環境下で使
用される場合に緩みが生じないようにするために、ベル
トを強固に固定できるような複雑な緩み防止機構を備え
たものであった。そのため、部品数や加工プロセスの増
大等で製造コストの上昇が避けられないものであった。
しかし、本実施形態例に係るベルト締具では、従来のベ
ルト締具に比して、架橋部にスライド部材を遊嵌すると
いう極めて簡易な構造でベルトの緩みを生じさせずに確
実に物品の固定が可能となる。すなわち、高性能で安価
なベルト締具を提供することができる。
【0036】(2)また、本実施形態例に係るベルト締
具では、スライド部材の大きさや移動量によりベルトの
締め付け力を適正なものにすることができる。すなわ
ち、ベルトの厚みが変わってもスライド部材の大きさを
変えるだけで対応することが可能である。
【0037】(3)そして、本実施形態例に係るベルト
締具では、本体とスライド部材それぞれが、基本的には
1枚の板材から形成することが可能であり、極めて簡易
な構造でベルト締具を実現することができる。
【0038】なお、実施の形態は前記に限定されるもの
ではなく、例えば、次のように変更して実施してもよ
い。 (1)操作レバーの形状としては、持ちにくさを生じな
ければ、必ずしも、グリップ部に向かって楔状に樋状部
の側板高さが低くなるものでなくてもよく、また、内向
きの縁を備えた樋状断面を有しているものなどであって
もよい。そして、本実施形態例に係る構造を実現し得れ
ば、操作レバー、スライド部材、フック取付部材の材質
としては、必ずしも金属でなくてもよく、軽量化や固定
する物品への傷つけにくさの向上を図るため、例えば、
樹脂などであってもよい。
【0039】(2)基部と架橋部の連結構造について
は、必ずしも本実施形態例のように、1枚の板材から折
り曲げ加工により形成されるものでなくてもよく、例え
ば、溶接により接合される構造などであってもよい。
【0040】(3)また、架橋部とスライド部材の遊嵌
方法については、必ずしもスライド部材の折り曲げ加工
部で嵌めあうものでなくてもよく、例えば、架橋部に長
穴を設け、該長穴にリベット状の部材を用いてスライド
部材が移動自在に支持されるものなどであってもよい。
【0041】(4)さらに、スライド部材端部と対向し
てベルトを挟持する架橋部の端部の形状については、ベ
ルトを挟持するための接触面積を広くして拘束力を増す
ために、例えば、180°折り曲げ加工を行ったものな
どであってもよい。
【0042】(5)スライド部材が遊嵌される架橋部と
しては、第1架橋部でもよく、本実施形態例と同様の作
用・効果を実現できる。しかし、ベルト長さを調整する
ためにベルトを引張る際、スライド部材によってベルト
が挟持されて作業性が低下することがあるため、スライ
ド部材は第2架橋部に遊嵌することが好ましい。
【0043】
【発明の効果】請求項1〜2の発明によると、ベルトの
緩みを生じさせずに確実に物品の固定ができ、さらに、
従来のベルト締具に比して、構造の簡易化を実現するこ
とができる。すなわち、高性能で小型のベルト締具を提
供することができる。
【0044】請求項3〜4の発明によると、フック取付
部材以外は、基本的には2枚の板材だけから形成するこ
とが可能であり、極めて簡易的な構造で、ベルトの緩み
を生じさせずに確実に物品の固定ができるベルト締具を
実現することができる。したがって、小型で、非常に安
価なベルト締具を得ることができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るベルト締具の概略を示す正面図で
ある。
【図2】本発明に係るベルト締具の概略を示す上面図で
ある。
【図3】本発明に係るベルト締具において、ベルトを締
め付ける以前および締め付けを解除したときの状態にあ
る場合を示した概略図である。
【図4】本発明に係るベルト締具において、ベルトを締
め付けて使用状態にある場合を示した断面概略図であ
る。
【図5】スライド部材の周辺を拡大して示したベルト締
具の断面概略図である。
【符号の説明】
1 ベルト締具 2 操作レバー 3 グリップ部 4 第1架橋部 5 第2架橋部 6 基部 7 フック取付部材 8 スライド部材 9 ベルト 10 フック 11 軸支部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルトが巻きかけられる操作レバーとフ
    ックに連結されるフック取付部材とを相互に回動自在に
    軸支したベルト締具であって、 前記操作レバーは、先端側のグリップ部と、ベルトが巻
    き回される第1架橋部と、第1架橋部に巻き回されたベ
    ルトを重ねて案内する第2架橋部とを備え、前記操作レ
    バーをフック側から反フック側に倒すと、第1架橋部に
    巻き回されたベルトが第2架橋部に案内されてフック側
    に突き出るように、軸支位置に対して前記第1架橋部と
    前記第2架橋部とを配置してなり、 前記第1架橋部と前記第2架橋部の一方の架橋部にスラ
    イド部材を他方の架橋部に向かって移動自在に遊嵌し、
    第2架橋部で案内されるベルトにより前記スライド部材
    と前記他方の架橋部とで前記第1架橋部に巻き回された
    ベルトを挟持するようにしたことを特徴とするベルト締
    具。
  2. 【請求項2】 前記スライド部材の移動量が制限され、
    前記スライド部材と前記他方の架橋部との間隔を一定幅
    以上とした請求項1に記載のベルト締具。
  3. 【請求項3】 前記第1架橋部と前記第2架橋部とは、
    軸支部が設けられる一対の基部を連結する連結板で形成
    され、前記スライド部材は、前記連結板に沿って移動
    し、両端が折り曲げられた板材で形成されている請求項
    1に記載のベルト締具。
  4. 【請求項4】 両端が折り曲げられた板材から形成され
    る前記スライド部材の折り曲げられた端部の一端が、前
    記第1架橋部または第2架橋部のいずれか一方と当接す
    ることで、前記スライド部材の移動量が制限され、他端
    部と前記他方の架橋部との間隔が一定幅以上となる請求
    項1または3に記載のベルト締具。
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