JP2002248581A - 摩擦攪拌接合における接合幅修正方法及びその装置 - Google Patents

摩擦攪拌接合における接合幅修正方法及びその装置

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久司 堀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦攪拌接合において、被接合材の接合幅寸
法が許容範囲を超えても、確実に修正すること。 【解決手段】 互いに突き合わせたワーク1,2の接合
線に沿い、ワーク1,2と摩擦攪拌ツール10とを相対
的に移動して、摩擦攪拌ツール10によりワーク1,2
を接合する摩擦攪拌接合において、摩擦攪拌ツール10
をワーク1,2上の接合線に沿い移動して接合を行った
後、ワーク1,2の接合幅寸法が許容範囲を超える位置
が存在する場合、ワーク1,2の接合幅寸法の許容範囲
を超えた位置にて、再度、摩擦攪拌ツール10により摩
擦攪拌処理を繰り返し、膨張した接合幅寸法を縮小させ
て許容範囲に修正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、摩擦撹拌接合に
おける接合幅修正方法及びその装置に関するもので、更
に詳細には、摩擦攪拌接合において、被接合材を突き合
わせて接合したときに生じる接合幅の修正方法と、その
方法を実施するための接合幅修正装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年では、金属材の接合やろう付に代わ
る新しい接合手法として、摩擦攪拌接合がある。この接
合法は、被接合材よりも硬い材質のツールを回転させな
がら被接合材に摺接させた際に、この摺接部分で発生す
る摩擦熱と圧力によって被接合材の素材が塑性流動化す
るため、ツールが被加工物中に埋入しながら、被加工物
中を移動可能になることを利用したものである。
【0003】例えば、図6に示すように、二枚の被接合
材である金属板a,b同士を突き合わせて接合する場
合、ショルダにプローブを装着した摩擦攪拌ツールcを
用い、この摩擦攪拌ツールcを矢印x方向に高速回転さ
せながらプローブを金属板間に押し付けて埋入させ、そ
の状態で摩擦攪拌ツールcを接合線dに沿って移動させ
る。
【0004】これにより、進行する摩擦攪拌ツールcの
前方側では摩擦熱と圧力とによって金属板a,bの素材
が塑性流動し、攪拌混練されながら摩擦攪拌ツールcの
後方側へ移動すると共に、その後方側では摩擦熱を失っ
た素材が急速に冷却固化されることから、両金属板a,
bは素材が攪拌混練されて完全に一体化した状態の接合
部eが形成される。
【0005】この場合、金属板a,bの素材は塑性流動
する温度が、その融点よりもかなり低く、接合は固相接
合の範疇に入るから、接合過程を通して金属板への入熱
量は、MIG接合などの溶融接合やろう付けに比較する
と熱歪みによる変形や割れ等が少ないので、寸法精度の
必要な部材の接合に極めて有利となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た摩擦攪拌接合法においても、熱歪みを全く生じさせな
いのは困難であり、特に、高精度が要求される部材に対
しては、十分な要求を満たしていないのが現状である。
【0007】すなわち、図6に示すように、二枚の金属
板a,bを接合する場合、同図(a)に示すように、接
合開始にあたり、摩擦攪拌ツールcを両金属板a,b間
の突き合わせ部に挿入するので、両金損板a,bが互い
に矢印A,Bのように離反する方向の力が発生し、両金
属板a,bにおいて接合線dと直交する接合幅寸法が広
がってしまう。
【0008】また、摩擦攪拌ツールcの金属板a,b上
での通過過程においては、摩擦熱が供給されることによ
って周囲より温度の高い高温域fが発生すると共に、そ
れが図6(b)及び(c)に示すように変位するので、
突き合わせ部から部材端に向かって温度傾斜が生じ、金
属板a,b上で温度が異なる分布状態となる。このた
め、突き合わせ面で熱膨張が最大となり、両端で突き合
わせ面が離反する方向に彎曲変形しようとする力が働
く。通常ではこの種の変形を防ぐよう、幅拡張規制用の
治具(図示せず)を用い、該治具によって両金属板a,
bを挟み付けているが、それにも拘わらず、図6に示す
ように、接合始端部と接合終端部とで大きな変形が生じ
てしまう。
【0009】したがって、接合線dの接合始端部と接合
終端部では金属板a,b間の拘束力が少ないので、幅拡
張規制用の治具を用いているにも拘わらず、変形してし
まい、不良品になるという問題があった。
【0010】この発明は、上記事情に鑑みてなされたも
のであり、被接合材を接合したとき、両接合材間の接合
幅寸法が許容範囲より大きくなっても、その接合幅寸法
を確実に修正することができる摩擦攪拌接合における接
合幅修正方法及びその装置を提供することを課題とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、互いに突き合わせた被接合
材の接合線に沿い、被接合材と摩擦攪拌ツールとを相対
的に移動して、摩擦攪拌ツールにより被接合材を接合す
る摩擦攪拌接合において、 上記摩擦攪拌ツールを上記
被接合材上の接合線に沿い移動して接合を行った後、
上記両被接合材の接合幅寸法が許容範囲を超える位置が
存在する場合、両被接合材の接合幅寸法の許容範囲を超
えた位置にて、再度、上記摩擦攪拌ツールにより摩擦攪
拌処理を繰り返し、膨張した接合幅寸法を縮小させて許
容範囲に修正するようにする、ことを特徴とする。
【0012】これにより、摩擦攪拌接合によって両接合
材の接合幅寸法が許容範囲より大きかった場合、その大
きい箇所で再び摩擦攪拌処理を行うことにより、両被接
合材の接合幅寸法を縮小させることができ、幅寸法を修
正できるので、高精度が要求される被接合材が不良品に
なるのを防止することができ、摩擦攪拌接合としての信
頼性の向上を図ることができると共に、製品歩留まりの
向上を図ることができる。
【0013】請求項2記載の発明は、互いに突き合わせ
た被接合材の接合線に沿い摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接
合装置において、 上記被接合材の接合部を接合する摩
擦攪拌ツールと、 上記摩擦攪拌ツールを回転駆動させ
る駆動機構と、 上記摩擦攪拌ツールと両被接合材とを
相対的に移動させる移動機構と、 接合時、上記両被接
合材の接合方向と直交する接合幅寸法を検出する検出手
段と、 上記検出手段からの検出信号に基づいて上記駆
動機構及び移動機構を制御する制御部とを具備し、 上
記制御部は、上記両被接合材に接合幅寸法が許容範囲を
超えた位置が存在したとき、その両被接合材上における
接合幅寸法の大きい位置にて上記摩擦攪拌ツールにより
再摩擦攪拌処理させることを特徴とする。
【0014】このように構成することにより、回転駆動
される摩擦撹拌ツールと、接合状態の両被接合材とを相
対的に移動させて両被接合材の接合部を摩擦撹拌接合す
ると共に、検出手段によって両被接合材の接合幅寸法を
検出することができる。そして、検出手段からの検出信
号が制御手段に伝達され、接合幅寸法が許容範囲を超え
た位置が存在したとき、制御手段からの制御信号が駆動
機構及び移動機構に伝達されて、両被接合材上における
接合幅寸法の大きい位置にて摩擦撹拌ツールにより再摩
擦攪拌処理することで、この再摩擦攪拌処理により接合
幅を縮小させることができ、幅寸法を修正することがで
きる。したがって、高精度が要求される被接合材が不良
品になるのを防止することができ、摩擦攪拌接合として
の信頼性の向上を図ることができると共に、製品歩留ま
りの向上を図ることができる。また、両被接合材の幅寸
法の変形を検出手段によって検出しながら接合すること
ができ、検出手段からの検出信号に基づいて駆動機構及
び移動機構を制御するので、接合作業と修正作業を連続
的に行うことができると共に、装置の信頼性の向上を図
ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明に係る修正方法の
実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1
は、この発明に係る接合幅修正装置の第一実施形態を示
す概略構成図である。
【0016】上記接合幅修正装置は、図1に示すよう
に、被接合材であるワーク1,2を互いに突き合わせ、
その突き合わせた箇所を摩擦攪拌ツール10によって接
合したとき、双方のワーク1,2の接合幅寸法が許容範
囲を超えると、その公差を超えた接合箇所を再び摩擦攪
拌ツールによって再接合すなわち再摩擦攪拌処理するこ
とにより、不良個所の接合位置を収縮させ、接合幅寸法
を許容範囲に収まるようにしたものである。
【0017】この実施形態で取り扱うワーク1,2は、
例えば、アルミニウム製押出形材であって、長さ200
0mm・板幅250mm・厚み10mmからなる長尺状
の板体にて形成されている。このワーク1,2は、接合
に際し、二枚の板体がその短手方向の一端を互いに突き
合わせた状態で幅拡張規制用の治具3にセットされる。
治具3は、図1に示すように、ワーク1,2をセットす
る凹溝部3aを具備しており、その凹溝部3aに長尺状
のワーク1,2を二枚並列に並べることにより、短手方
向の一端を互いに突き合わせた状態に保持するようにな
っている。
【0018】そして、上記接合幅修正装置は、図1に示
すように、接合される被接合材であるワーク1,2の接
合部を接合する摩擦撹拌ツール10(以下にツール10
という)と、このツール10の駆動部13と、ワーク
1,2の接合幅を検出する測定センサ14と測定部15
とからなる検出手段20と、制御部16とで主に構成さ
れている。
【0019】ツール10は、図2に示すように、円柱状
のショルダ12と、そのショルダの底面に突設されたね
じ軸状のプローブ13とを有し、接合時、ショルダ12
及びプローブが高速回転しながら両ワーク1,2間の接
合線に押し付けられると、プローブ3によって両ワーク
1,2の当接部が摩擦熱で軟化されると共に攪拌され、
しかも軟化攪拌されたワーク1,2の材料が移動方向の
後方に押し詰めることにより接合できるようになってい
る。なお、ツール10は接合時、接合方向に対し約3°
程度の微小な角度θ°で後傾するように保持される。
【0020】駆動部13は、詳細に図示していないが、
アクチュエータからなる駆動源と、その駆動源の駆動力
をツール10のショルダ12に回転力として伝達する動
力伝達部とからなる駆動機構であるツール駆動部13a
を具備し、接合時、ツール10を所望の回転数で回転さ
せるようになっている。また、駆動部13は、接合時、
ツール10を両ワーク1,2間に押し付けながら接合線
に沿って移動させる移動機構である移動部13bを具備
している。これら上記ツール駆動部13a,上記移動部
13bを有する駆動部13は、後述する制御部16によ
って制御される。
【0021】測定センサ14は、接合時、両ワーク1,
2の接合線と直交する接合幅寸法を検出するためのもの
であって、例えば治具3の両側に長手方向に沿い所定間
隔をもって多数設置されたダイヤルゲージで構成されて
いる。したがて、各測定センサ14からの検出により、
ワーク1,2の接合幅寸法をワーク長手方向に沿って逐
次検出できるようになっている。測定部15は、各測定
センサ14からの検出信号に基づいて、両ワーク1,2
の接合幅寸法を演算し、その結果を制御部16に出力す
るように構成されている。
【0022】制御部16は、図1に示すように、中央演
算処理装置16a(以下にCPU16aという)と、接
合に必要なデータが予め格納されたデータベース16b
等を有している。この場合、データベース16bには、
CPU16aが制御するのに必要なプログラムデータが
格納(記憶)されると共に、接合すべき条件データや両
ワーク1,2の仕様寸法のデータ、つまり接合幅の基準
寸法等が格納(記憶)されている。
【0023】この制御部16は、接合時、駆動部13を
介してツール10を回転駆動及び移動することにより、
接合を実行させる一方、測定部15からの測定(検出)
信号を監視する。そして、測定部15から接合幅寸法の
検出信号が入力されると、その接合幅寸法が所定の許容
範囲の寸法にあるか、あるいはそれより大きいかを判定
し、その判定結果、接合幅寸法が許容範囲より大きい場
合には、駆動部13に指令し、接合幅寸法の大きい箇所
において再摩擦攪拌処理を実行させるようになってい
る。つまり、制御部16は、接合によって接合幅寸法が
許容範囲を超えた位置が存在する場合、その位置を再摩
擦攪拌処理するための制御信号を駆動部13に伝達する
ように構成されている。
【0024】次に、上記接合幅修正装置を用いた接合幅
の修正方法について説明する。まず、接合に際し予め、
図1に示すように、二枚のワーク1,2が幅拡張規制用
の治具3の凹溝部3a内に収容され、互いに短手方向の
一端が突き合わせた状態でセットされる。また、ツール
10が治具3内の二枚のワーク1,2間の接合線上に角
度θ°で後傾した状態でセットされる。そして、この状
態で、接合幅修正装置を稼動すると、ツール10が高速
で回転しながら接合を開始する。
【0025】この場合、ツール10は、ショルダ11及
びプローブ12が高速回転すると共に、プローブ12が
両ワーク1,2に押し付けられ、プローブの押し付け力
と回転力とで両ワーク1,2に摩擦熱が発生し、その摩
擦熱により両ワークの当接部が軟化されると共に攪拌さ
れ、軟化した素材が移動方向に押し詰められることによ
り、接合される。このような摩擦攪拌接合は、ツール1
0が両ワーク1,2間の接合線に沿って移動することに
より、両ワーク1,2の一端部である接合始端部から、
他端部である接合終端部まで実行される(図6参照)。
【0026】また、上記接合時、測定センサ14が両ワ
ーク1,2でツール10によって接合されている箇所の
接合幅寸法を検出し、その検出信号が測定部15に入力
されると、測定部15は検出信号に基づいて接合幅寸法
を求め、求めたデータが制御部16に逐次出力される。
制御部16は、測定部15からの入力信号に基づき、ワ
ーク1,2上の接合された位置の幅寸法が許容囲内にあ
るのか否か判定しながら、接合を継続させる。
【0027】このようにして、ツール10がワーク1,
2の接合始端部から接合終端部まで移動することによ
り、両ワーク1,2上で接合が一旦終了する。次いで、
制御部16は、測定部15からの測定結果に基づき、接
合幅寸法が所定の許容範囲より大きい箇所があるかない
かを判定する。その結果、接合変形によって膨張し、両
ワーク1,2間に接合幅寸法が許容範囲を超えた位置が
存在する場合、制御部16は、再び摩擦攪拌処理を実行
させることとなる。
【0028】この場合、接合により、例えば図5に実線
Xにて示すように、接合始端部と接合終端部との接合幅
寸法がその間の幅寸法より大きくなっていて、しかも接
合始端部の幅寸法が許容範囲内にあると共に、接合終端
部の幅寸法だけが許容範囲を超えた状態にある場合、制
御部16からの制御信号によって駆動部13(具体的に
は、ツール駆動部13a、ツール移動部13b)及び計
測部15を再び駆動することにより、許容範囲を超えた
幅寸法の若干手前の部位にツール10を移動して位置決
めし、両ワーク1,2上の接合終端部側で再び摩擦攪拌
処理及び計測を実行させる。この際、ツール10の接合
方向は、両ワーク1,2の中央部側から終端部側に向か
う方向である。
【0029】このようにして、両ワーク1,2の接合終
端部で摩擦攪拌処理を再び実行すると、その接合終端部
では両ワーク1,2の前回の接合箇所が変形し、膨張し
ていた部分が収縮するので、最初、許容範囲を超えた幅
寸法の箇所は、今度は許容範囲内に入れることができ、
接合幅寸法を修正することができる。
【0030】上記接合幅修正装置によれば、ワーク1,
2の幅寸法の変形を検出手段20の測定センサ14によ
って検出しながら接合することができ、検出手段20の
測定部15から入力信号(検出信号)に基づいて駆動部
13(具体的には、ツール駆動部13a、ツール移動部
13b)を制御することができる。したがって、接合作
業と修正作業を連続的に行うことができるので、装置の
信頼性の向上を図ることができる。
【0031】図4及び図5は接合幅修正装置の別の実施
形態を示す概略側面図及び概略平面図である。
【0032】上記第一実施形態では、ツール10が駆動
部13のツール移動部13bによって両ワーク1,2上
を移動する例を示したが、この実施形態においては、両
ワーク1,2を移動機構である搬送機構17によって移
動するように構成したものである。
【0033】この場合、搬送機構17は、図3及び図4
に示すように、ツール10の下方の同一水平面上に適宜
間隔をおいて配列される複数個のローラ17aを具備し
ている。これら各ローラ17aは、接合時、制御部16
からの指令で図示しない駆動源からの動力を受けて回転
することにより、治具3によって保持された両ワーク
1,2を水平方向(図中、左方向)に移動するように図
示しない基体に軸周りに回転可能に軸支されている。
【0034】このような各ローラ17aによって形成さ
れるワーク移動経路上には、レーザセンサにて形成され
た測定センサ14Aが設置されている。この測定センサ
14Aは、ワーク移動経路上において、ツール10の下
流側であってかつ両ワーク1,2の両側に互いに対向し
て設置された二個一対からなっており、レーザ光を対応
するワーク1,2の端面に照射して反射させると共に、
その反射したレーザ光を受光することにより、両接合幅
寸法を検出するようになっている。そして、測定センサ
14Aが反射レーザ光を受光すると、その受光信号が制
御部16Aに出力され、制御部16Aがその信号に基づ
いて接合幅寸法を演算して求めるようになっている。つ
まり、本例の制御部16Aは、測定センサ14Aからの
検出信号に基づいて接合幅寸法を求める機能をも具備し
ている。なお、図3では、説明の便宜上、両ワーク1,
2を互いに突き合わせる拡張幅規制用の治具3を省略し
てある。
【0035】この実施形態では、接合時、制御部16A
の指令によりツール駆動部13aを介してツール10が
駆動される一方、測定センサ14A及び複数個のローラ
17aを有する搬送機構17が駆動されると、両ワーク
1,2の接合すべき位置がツール10及び測定センサ1
4Aを次第に通過することにより、ツール10によって
接合されると共に、接合された位置が測定センサ14A
の検出により接合幅寸法が測定されることとなる。
【0036】そして、接合が一旦終了した後、両ワーク
1,2の接合幅寸法に許容範囲を超えた箇所が存在して
いると、制御部16Aからの指令で、その許容範囲を超
えた接合幅寸法の箇所に再び摩擦攪拌接合を実行し、接
合幅寸法を縮小させて修正することができるようになっ
ている。したがって、この実施形態によれば、基本的に
は上記第一実施形態と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0037】なお、上記実施形態では、両ワーク1,2
上の接合終端部側のみに再摩擦攪拌処理を施して接合幅
寸法を修正する場合について説明したが、両ワーク1,
2上の接合始端部側においても上記と同様の方法で再摩
擦攪拌処理を施して接合幅寸法を修正することができ
る。このように、両ワーク1,2上の接合始端部側に再
摩擦攪拌処理を施すことにより、接合開始時にツール1
0のプローブ13が両ワーク1,2の接合部に埋入され
て生じる痕跡をワーク1,2の端部に生じさせることが
できると共に、接合幅の変形を修正することができる。
【0038】また、上記実施形態においては、接合時、
ツール10を両ワーク1,2上で移動させる例、あるい
はツール10を固定させたままで、両ワーク1,2を移
動させる例をそれぞれ示したが、ツール10とワーク
1,2の双方を移動させて相対的に移動させるようにし
てもよい。また、ワーク1,2である被接合材として、
アルミニウム製の押出形材によって形成されたアルミニ
ウムを用いた例を示したが、他の金属板を摩擦攪拌接合
しても、同様の作用効果を得ることができることは勿論
である。
【0039】
【実施例】次に、この発明に係る摩擦攪拌接合における
接合幅修正方法の試験を行った結果について、図5を参
照して説明する。
【0040】ワーク1,2の寸法:長さ2000mm、
幅250mm、厚さ10mm ツール10の寸法:ツール径(ショルダ径)22mm、
ピン径(プローブ径){根元11mm、先端7mmの截
頭円錐形}、ピン長さ(プローブ長さ)11mm 上記寸法のワーク1,2を突き合わせ、上記寸法のツー
ル10を傾け角度3°にした状態で、ツール10の回転
数900rpm、接合速度500mm/分の条件で接合
を行ったところ、図5に示すように、接合始点では、プ
ローブ12をワーク1,2に埋入するために幅寸法が多
少大きくなったが、その後、測定位置500mm、10
00mm、1500mmの範囲では幅寸法は、実線Xで
示すように、緩やかに大きくなり、測定位置が終端から
約250mm手前の位置から急激に大きくなり、幅寸法
の許容範囲を超えてしまった。
【0041】そこで、以下の条件で、幅寸法が許容範囲
を超える手前の位置、例えば終端から300mmの位置
から再摩擦攪拌処理を施したところ、破線Yに示すよう
な曲線で幅寸法が減少(縮小)された。
【0042】上記試験を具体的に説明すると、ツール1
0の回転数、処理(接合)速度を変えて摩擦攪拌処理の
始点(終端から300mm手前の位置)から50mm、
150mm、250mmの測定位置の幅寸法の減少量を
調べたところ、表1に示すような結果が得られた。
【0043】
【表1】
【0044】上記試験の結果、接合時と同一条件、すな
わち回転数900rpm、処理速度0.5m/分の実施
例1においては、処理始点から50mmの地点では0.
15mm減少し、150mmの地点では0.3mm減少
し、250mmの地点では0.3mm減少していること
が判った。また、実施例2〜4においては、ツール10
の回転数を700rpmとし、処理速度を実施例1と同
様の0.5m/分としたり、それより若干遅い速度
(0.315m/分、0.2m/分)に変えた結果、実
施例2においては、処理始点から50mmの地点では
0.1mm減少し、150mm、250mmの地点では
共に0.2mm減少していることが判った。また、実施
例3においては、処理始点から50mmの地点では0.
2mm減少し、150mm、250mmの地点では共に
0.4mm減少し、また、実施例4においては、処理始
点から50mmの地点では0.3mm減少し、150m
m、250mmの地点では共に0.6mm減少している
ことが判った。
【0045】上記試験結果から理解できるように、摩擦
攪拌接合によって両ワーク1,2の接合幅寸法が許容範
囲より大きかった場合、その大きい箇所で再び摩擦攪拌
処理を行うことにより、両ワーク1,2の接合幅寸法を
減少(縮小)させることができ、幅寸法を修正すること
ができる。
【0046】したがって、高精度が要求される被接合材
が不良品になるのを防止することができ、摩擦攪拌接合
としての信頼性を高めることができるばかりでなく、製
品歩留まりを向上させることができる。
【0047】しかも、再摩擦攪拌処理により、ツール1
0がワーク1,2上の中央から端部側方向に移動して摩
擦攪拌処理するので、接合痕を可及的に少なくすること
ができ、また、ツール10のプローブ13の埋入した痕
跡等をワーク1,2の端部に生じさせることができる。
【0048】なお、図4においては、ツール10の接合
条件を種々変更した例を示したが、これに限定されるも
のではなく、ツール10の大きさや被接合材としての材
質が異なることによっても、接合幅の減少寸法が異なる
ものであるから、ツール10や被接合材の種類などに応
じて接合条件等を適宜選定することが望ましい。
【0049】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明は上記
のように構成されているので、以下の優れた効果が得ら
れる。
【0050】(1)請求項1記載の発明によれば、摩擦
攪拌接合によって両接合材の接合幅寸法が許容範囲より
大きかった場合、その大きい箇所で再び摩擦攪拌処理を
行うことにより、両被接合材の接合幅寸法を縮小させる
ことができ、幅寸法を修正できるので、高精度が要求さ
れる被接合材が不良品になるのを防止することができ、
摩擦攪拌接合としての信頼性の向上を図ることができる
と共に、製品歩留まりの向上を図ることができる。
【0051】(2)請求項2記載の発明によれば、摩擦
撹拌ツールと両被接合材とを相対的に移動させて摩擦撹
拌接合する際、検出手段によって両被接合材の接合幅寸
法を検出し、検出手段からの検出信号に基づいて駆動機
構及び移動機構を制御して、両被接合材上における接合
幅寸法の大きい位置にて摩擦撹拌ツールにより再摩擦攪
拌処理することで、この再摩擦攪拌処理により接合幅を
縮小させることができ、幅寸法を修正することができ
る。したがって、高精度が要求される被接合材が不良品
になるのを防止することができ、摩擦攪拌接合としての
信頼性の向上を図ることができると共に、製品歩留まり
の向上を図ることができる。また、両被接合材の幅寸法
の変形を検出手段によって検出しながら接合することが
でき、検出手段からの検出信号に基づいて駆動機構及び
移動機構を制御するので、接合作業と修正作業を連続的
に行うことができると共に、装置の信頼性の向上を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る摩擦攪拌接合における接合幅修
正装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】上記接合幅修正装置における摩擦攪拌ツールの
接合状態を示す断面図である。
【図3】この発明に係る接合幅修正装置の別の実施形態
を示す概略側面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】被接合材が接合されたときの接合幅寸法の変化
を示すと共に、再摩擦攪拌処理されたときの接合幅の修
正結果を示すグラフである。
【図6】摩擦攪拌接合時における摩擦攪拌ツールの接合
軌跡及び被接合材における温度の変化状態を示す説明図
である。
【符号の説明】
1,2 ワーク(被接合材) 3 幅拡張規制用の治具 10 摩擦攪拌ツール 11 ショルダ 12 プローブ 13 駆動部 13a ツール駆動部(駆動機構) 13b ツール移動部(移動機構) 14,14A 測定センサ(検出手段) 15 測定部(検出手段) 16,16A 制御部 17 搬送機構(移動機構)
フロントページの続き Fターム(参考) 4E067 AA05 BG00 CA04 CA05 DD00 EC01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに突き合わせた被接合材の接合線に
    沿い、被接合材と摩擦攪拌ツールとを相対的に移動し
    て、摩擦攪拌ツールにより被接合材を接合する摩擦攪拌
    接合において、 上記摩擦攪拌ツールを上記被接合材上の接合線に沿い移
    動して接合を行った後、 上記両被接合材の接合幅寸法が許容範囲を超える位置が
    存在する場合、両被接合材の接合幅寸法の許容範囲を超
    えた位置にて、再度、上記摩擦攪拌ツールにより摩擦攪
    拌処理を繰り返し、膨張した接合幅寸法を縮小させて許
    容範囲に修正するようにする、ことを特徴とする摩擦攪
    拌接合における接合幅修正方法。
  2. 【請求項2】 互いに突き合わせた被接合材の接合線に
    沿い摩擦攪拌接合する摩擦攪拌接合装置において、 上記被接合材の接合部を接合する摩擦攪拌ツールと、 上記摩擦攪拌ツールを回転駆動させる駆動機構と、 上記摩擦攪拌ツールと両被接合材とを相対的に移動させ
    る移動機構と、 接合時、上記両被接合材の接合方向と直交する接合幅寸
    法を検出する検出手段と、 上記検出手段からの検出信号に基づいて上記駆動機構及
    び移動機構を制御する制御部とを具備し、 上記制御部は、上記両被接合材に接合幅寸法が許容範囲
    を超えた位置が存在したとき、その両被接合材上におけ
    る接合幅寸法の大きい位置にて上記摩擦攪拌ツールによ
    り再摩擦攪拌処理させることを特徴とする摩擦攪拌接合
    における接合幅修正装置。
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