JP3433637B2 - 摩擦圧接方法 - Google Patents

摩擦圧接方法

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JP3433637B2 JP02494797A JP2494797A JP3433637B2 JP 3433637 B2 JP3433637 B2 JP 3433637B2 JP 02494797 A JP02494797 A JP 02494797A JP 2494797 A JP2494797 A JP 2494797A JP 3433637 B2 JP3433637 B2 JP 3433637B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、摩擦熱を利用して
ワークを溶着する加工方法に関し、詳しくは、溶着後の
寸法精度の管理を容易にする方法に関する。 【0002】 【従来の技術】従来より、ワーク同士を接合する手法と
して、摩擦圧接方法が用いられている。その作業工程
は、まず、対向配置した一対のワークの一方を回転駆動
しながら他方に圧接することにより、両ワークの接合部
に摩擦熱を発生させ、該摩擦熱で前記両ワークの接合部
を軟化させる。次に、所望の状態に軟化を進行させる
(以上の工程を据え込み期間という)。最後に、ワーク
の回転を停止させつつさらにアプセット力を加える(こ
の工程をアプセット期間という)。すると、接合部は互
いにめり込むようにして一体化し、溶着される。 【0003】この摩擦圧接を行うための摩擦圧接装置
は、一対のワークの一方をクランプ固定し、もう一方を
回転駆動手段に設けられたチャックに固定して、同軸上
に配置するようになっている。そして、一方のワークを
回転させながら、他方のワークに対して当接させるべ
く、平行移動させることができる。上記回転駆動手段お
よび平行移動手段は、それぞれサーボモータ等をその動
力源とし、ワークの回転数や水平方向への送り量を、設
定された値に正確に制御することが可能である。そし
て、上記アプセット期間において、アプセット力を加え
て変形させる部分(寄り代)が、事前に設定された値と
なるように、摩擦圧接を終了することができる。 【0004】従来は、摩擦圧接工程を正しく進行させる
為に、以下のような手法を取っていた。据え込み期間
に、ワークの当接部に付与すべき摩擦トルクの適正値を
予め設定しておく。実際の据え込み期間において、ワ
ークを回転駆動するモータの駆動トルクを、該モータに
取付けたトルク検出器もしくは駆動電流値より検出す
る。検出したモータの駆動トルクより、摩擦トルクを
算出する。該算出値がステップで求めた摩擦トルク
の適正値となるように、ワークを平行移動させるモータ
の駆動トルクを制御する。最適値に調節された押付力
で、所定時間加工を進行させる。前記所定時間の経過
の後、アプセット力を付与し、摩擦圧接を完了する。こ
のような構成をなす摩擦圧接方法の従来例として、特開
平3-124384号公報等にその詳細が開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例には以下に示すような問題点があった。ステップ
において、ステップで算出された摩擦トルクと、ステ
ップで予め設定された適正値とを比較するが、この適
正値を設定するにあたり、ワークの当接部に生ずる固体
から溶融化した状態への変化を正確に把握する必要があ
る。このためには、試行溶着作業をできるだけ多く行う
必要があった。さらに、ワークの材質、当接面積(摩擦
を生ずる面積)、形状等を変更する毎に、前記当接部の
変化の様子を把握する必要があり、様々なワークに対し
て高品質の製品を得る為には、多くの準備工程と時間と
を要するものであった。 【0006】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、摩擦トルクの最適値を
容易に得ることを可能とし、摩擦圧接工程の容易化を図
ることにより、摩擦圧接を高精度かつ低コストに行うこ
とにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為の
本発明に係る手段は、対向配置した一対のワークを回転
駆動しながら他方に圧接して両ワークの接合部に摩擦熱
を発生させ、該摩擦熱で軟化させる据込み期間と、ワー
クの回転を停止させつつさらにアプセット力を加え前記
両ワークの接合部を溶着させるアプセット期間とからな
摩擦圧接方法であって、前記据え込み期間において、
ワークの相対回転速度と送り速度とを一定としたとき
の、ワークを回転駆動するモータの負荷電流が、ワーク
同士を当接させると摩擦抵抗に対向してモータの速度を
一定に保つ為に増加し、接合面の軟化が始まるとワーク
当接面の摩擦抵抗が減少して所定の値まで減少しほぼ一
定となる変動を示し、ワーク間にかかる押付力が、ワー
ク同士を当接させると同時に発生して増加した後、ワー
クの接合面が完全に軟化し、押付力が接合面の変形によ
って分散される状態になると所定値まで減少しほぼ一定
となる変動を示した時点を、アプセット力を加えるに適
した状態と判断し、前記アプセット期間に移行すること
を特徴とする。 【0008】ワークの圧接工程における据え込み期間で
は、ワークを回転駆動するモータの負荷電流は、まず停
止状態からの始動時に零からある値まで上昇し、一定速
度になるとある値まで低下してほぼ一定となる。次に、
ワーク同士を当接させると摩擦抵抗に対向してモータの
速度を一定に保つ為に負荷電流が増加する。この時の負
荷電流の増加は、ワークの接合面に軟化(固溶化)の兆
候が見られるまで続く。そして、接合面の軟化が始まる
とワーク当接面の摩擦抵抗が減少するので、負荷電流は
所定の値まで減少しほぼ一定となる。また、据え込み期
間において、ワークの送り速度を一定としたときのワー
ク間にかかる押付力は、ワーク同士を当接させると同時
に発生し増加していく。そして、ワークの接合面の全面
が完全に軟化し、押付力が接合面の変形によって分散さ
れる状態になると、前記押付力は所定値まで減少し、ほ
ぼ一定(若干低下する)となる。上記傾向を示す前記モ
ータの負荷電流の変動と、前記押付力の変動とを考慮し
て、ワーク接合面の軟化状態がアプセット力を加えるに
適した状態と判断し、アプセット力を付与する時期、す
なわち、前記アプセット期間に移行する時期を決定して
ワークを摩擦圧接する。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。 【0010】図4には、本発明の実施の形態に用いる摩
擦圧接装置を例示している。この摩擦圧接装置は、設備
ベース1上に主軸ユニット2、クランプ3およびストッ
パー16を有する。ワークW1 およびW2 は、それぞれ主
軸ユニット2とクランプ3とで支持するようになってい
る。 【0011】主軸4は主軸ユニット2に回動自在に軸支
されている。また、主軸4は主軸ユニット2の内部で、
ギヤ5、6を介して回転用サーボモータ7と駆動連結し
ている。さらに、主軸4にはブレーキディスク8が取付
けられており、ブレーキキャリパ9を作動させることに
より、主軸4に制動をかけることができる。さらに、主
軸4の先端にはチャック10が取付けられており、ワーク
1 を主軸4に固定することができる。 【0012】主軸ユニット2は、リニアガイド11を介し
て設備ベース1に取付けられており、主軸4の軸方向
(図4の左右方向)に平行移動可能となっている。ま
た、主軸ユニット2には設備ベース1内に突出するアー
ム12を有し、アーム12には圧接用サーボモータ13に駆動
される圧接送りシャフト14を挿通し、圧接送りシャフト
14を回転させて、該シャフトに形成したねじ溝によっ
て、アーム12との間に推進力を発生させる。この推進力
により主軸ユニット2を軸方向に駆動案内する。主軸ユ
ニット2と設備ベース1との間にはストロークセンサ1
5、15aを設け、主軸ユニット2(すなわち、ワークW1
)の送り速度と送り量(または現在位置)とを計測す
ることができる。さらに、アーム12には圧接送りシャフ
ト14との間に荷重センサ17を設け、主軸ユニット2(す
なわちワークW1 )にかかる押付力を測定することがで
きる。 【0013】クランプ3は、ワークW2 を主軸4の軸方
向に位置決めするクランプ3aと、該軸線に対し左右方
向の位置決めをするクランプ3bと、クランプ3cとか
らなる。そして、各軸クランプを適宜調整することによ
り、主軸4に固定されたワークW1 と同軸上に、ワーク
2 を配置することができる。 【0014】ストッパー16には、主軸ユニット2と同様
に軸方向への駆動案内を可能とする駆動構造を持たせる
ことができる。そして、その軸方向位置を正確に設定す
ることができる。このストッパー16は、摩擦圧接を行う
ワークの寸法によって最適な位置に調節する。 【0015】図5には、図4の摩擦圧接装置に用いられ
る制御手段の構成を示している。図示のごとく、回転用
サーボモータ7および圧接用サーボモータ13のそれぞれ
に、回転用サーボドライバ18と圧接用サーボドライバ19
とを設け、これらの制御手段として摩擦圧接コントロー
ラ20を有している。また、摩擦圧接コントローラ20は、
設備全体を制御する上位コントローラ(PLC)21と連
絡している。図中22、23はエンコーダである。よって、
回転用サーボモータ7および圧接用サーボモータ13はそ
の作動状況が正確に把握され、かつ的確な作動指示を出
すことができる。ところで、ストッパー16の制御手段も
これらと同様の構成を持たせることが可能であり、上位
コントローラ(PLC)21において、ストッパー16の位
置制御および現在位置の正確な把握を行うことができ
る。 【0016】さらに、上位コントローラ21はストローク
センサ15、荷重センサ17とも連絡しており、ワークW1
の送り量およびワークW1 とW2 との押付力を検出する
ことができる。また、回転用サーボモータ7には負荷電
流検出器24が接続され、その検出信号を上位コントロー
ラ21に伝送する。なお、圧接用サーボモータ13にも負荷
電流検出器を接続すれば、その検出値からワークW1
2 との押付力を知ることもできる。したがって、上位
コントローラ21は、装置全体の作動状態を把握し、摩擦
圧接コントローラ20によって、各モータ7、13の速度
(すなわちワークW1 の回転速度と送り速度)を所望の
値に正確に制御することができる。また、上位コントロ
ーラ21には、ワークW1 、W2 の図面上の寸法値L1
2 およびその和、ワークW1 、W2 を摩擦圧接した後
に要求される製品長さLM 、ワークW1 、W2 の寸法が
1 、L2 であったときに、摩擦圧接後のワーク結合寸
法が製品長さ(製品寸法)LM となる為に必要な据え込
み期間におけるワーク送り量(寄り代)S等を記憶する
ことができる。 【0017】ここで、本実施の形態において摩擦圧接を
行う際の準備期間(据え込み期間以前)における手順
を、図4に基づいて説明する。まず、図示のごとく主軸
4の先端に取付けられたチャック10に、ワークW1 を固
定する。また、クランプ3にワークW2 を固定し、ワー
クW1 と同軸上になるように、クランプ3b、クランプ
3cを夫々調節する。さらに、ストッパ16をワークW2
に向けて前進させ、ワークW2 との距離が数ミリ程度に
なるよう調節する。 【0018】次に、クランプ3の(軸方向に位置決めす
る)クランプ3b、3cのみを緩めて、ワークW2 を軸
方向にのみ変位可能とする。そして、主軸ユニット2を
ワークW2 に向けて前進させる。すると、ワークW2
ワークW1 が当接する。ここで、さらに主軸ユニット2
を前進させると、ワークW2 はワークW1 に押されてス
トッパ16に当接する。ワークW2 がストッパ16に当接し
たことは、ワークW1主軸4、主軸ユニット2およびア
ーム12を介して荷重センサ17によって検知される。そし
て、所定の大きさの荷重(アプセット力に相当する荷重
であることが望ましい)が荷重センサ17によって検出さ
れた時点で、主軸ユニット2およびストッパー16の位置
をストロークセンサ15、15a(もしくはエンコーダ23)
により検出する。 【0019】検出された主軸ユニット2およびストッパ
ー16の位置から、主軸ユニット2(すなわち主軸4)と
ストッパ16との距離が求まる。この距離がワーク同士を
単純に当接させたときの、全ワーク(ワークW1 および
ワークW2 )の長さの和である。すなわち、ワークW1
の長さをL1'、ワークW2 の長さをL2'とするとL1'+
2'の値が求まる。そして、上位コントローラ21に記憶
されたワークW1 、W 2 の図面上の寸法値の和L1 +L
2 と、L1'+L2'の値とを比較する。ここで生ずる差
が、ワークW1 およびワークW2 の寸法誤差の和であ
る。したがって、製品に求められる長さLM を得る為に
必要な、ワークの送り量(寄り代)をS’とすると、 S’=S−{(L1 +L2 )−(L1'+L2')} で求めることができる。また、L1'+L2'の値を、製品
長さLM と比較すると、ワーク送り量S’は、 S’=(L1'+L2')−LM で求めることができる。 【0020】さらに、(L1 +L2 )−(L1'+L2')
の値(以下、誤差の値という)に最大限度値および最小
限度値(負の値である)を設ける。そして、誤差の値
が、最大限度値を上回るときには、所望の製品長さLM
を得る為に必要なワーク送り量S’が過大となり、ワー
ク同士の接合部に発生するバリが巨大化することから、
これを避ける為に、この後の摩擦圧接工程を行わない。
また、誤差の値が、最小限度位置を下回る時には、ワー
ク同士の接合部における必要強度を得ながら所望の製品
長さLM を得ることができないものと判断し、この後の
摩擦圧接工程を行わない。 【0021】この後に、クランプ3のクランプ3b、3
cを再び締め込み、ワークW2 の軸方向の変位を防止す
る。そして、主軸ユニット2を一度後退させてワークW
2 からワークW1 を離間させ、後述する据え込み期間の
作業を行う。このとき、ワークW1 とワークW2 との当
接位置は認識されているので(主軸ユニット2およびス
トッパー16の位置を測定した位置がワーク同士の当接位
置である)、求められたワーク送り量S’に従って、摩
擦圧接工程を進行する。なお、上記準備期間における手
順については、本発明者等が特願平8-221043号にその詳
細を開示している。 【0022】次に、据え込み期間以降における手順を、
主に図1ないし図3に基づいて説明する。図1には、摩
擦圧接工程の進行(時間tの経過)と共に変化する、ワ
ークW1 の回転速度Nn 、ワークW1 の送り速度Vn
回転用サーボモータ7の負荷電流値In およびワークW
1 とW2 との押付力Pn の関係をグラフ表示している。
また、図2および図3には、図1に示す摩擦圧接工程に
対応するフローチャートを示している。 【0023】まず、摩擦圧接コントローラ20からサーボ
モータ7の駆動指令を出力し(step1)、事前の試行溶
着作業(1回ないし数回でよい)から得られた所定の回
転速度N1 まで、ワーク1 の回転速度を上昇させる。
このとき、モータ7の負荷電流値はIn =I2 (第1の
ピーク)となるまで直線的に増加する。回転速度がN1
まで加速すると、一定速度N1 での運転となるので、加
速時ほどの負荷電流は不要となる。したがって、In
値は、擦圧接装置装置の回転部分における回転抵抗に相
当する負荷電流値I1 まで低下し、一定となる。ここま
での過程において、負荷電流値In が第1のピークを示
したか否かを検出する(step 2)。第1のピークを示し
た場合には、ワークW1 の回転速度がN1 で一定となっ
てから時間t1 経過後(回転速度が安定した後)に、摩
擦圧接コントローラ20から圧接用サーボモータ13の駆動
指令SG1 を出力する(step 3)。 【0024】ワークW1 の送り速度をVn =V1 まで加
速しさらに一定速度V1 で送りを行う。そして、ワーク
1 、W2 は準備期間で認識された当接位置で当接する
(ST1 )。すると、ワークの当接面には摩擦抵抗が発
生するので、この摩擦抵抗に打ち勝ってモータ7の回転
速度をN1 に維持する為に、モータ7の負荷電流値In
が増加する。そしてIn =I4 (第2のピーク)となる
まで負荷電流値は上昇する(ST2 )。この後、In
値は徐々に減少し、ほぼ一定値I3 となる。この負荷電
流値の変化は、摩擦抵抗により生ずる摩擦熱で接合面の
軟化が始まることにより、ワーク当接面の摩擦抵抗が減
少し、回転速度をN1 に維持する為に必要なモータ7の
負荷電流が減少する為である。ここで、第2のピークに
おける負荷電流値I4擦圧接装置装置の回転部分にお
ける回転抵抗に相当する負荷電流値1 との差Is の値
を見て、接合面の軟化が正常であるか否かを判断する
(step 4)。Is の値を試行溶接作業で求めたIs の値
と比べ、異常である(差が設定したしきい値を越える)
場合には、摩擦圧接作業を中止する。 【0025】また、ST1 (ワークW1 、W2 の当接)
以前は零であった押付力Pn の値は、ST1 と共に増加
し、Pn =P2 (第1のピーク)となるまで上昇する
(ST 3 )。この後、Pn の値は徐々に減少しほぼ一定
値P1 となる。ところで、ST 3 はST2 よりも後(送
り量S1 の後)に生ずる。この理由は、ワーク接合面の
一部分に軟化が始まるポイントがST2 であるのに対
し、ワークの接合面の全面が完全に軟化し、押付力が接
合面の変形によって分散される状態になり、押付力Pn
が低下するポイントがST3 であることによる。よっ
て、押付力Pn の第1のピークが検出されるST3 の時
点では、ワークの接合面の全てが完全に軟化し、アプセ
ット力を加えるに適した状態となっている。これ以降、
摩擦圧接工程はアプセット期間に移行することができ
る。 【0026】そして、ST3 から送り量S2 の後に、摩
擦圧接コントローラ20から、サーボモータ7への停止指
令およびブレーキキャリパ9の差動指令SG2 を出力す
る(step 5)。これとほぼ同時に、摩擦圧接コントロー
ラ20からサーボモータ13の加速指令SG3 を出力し(st
ep 6)、ワークW1 の送り速度をV1 からV2 へと高め
る。これによって、ワークW1 、W2 にはアプセット力
3 (第2のピーク)が付与される。このとき、サーボ
モータ7の負荷電流値はIn =I5 (第3のピーク)と
なる。最後に、ワークの送り量がS’となったか否か、
ワークのサーボモータ7の回転速度が零になったか否か
を検出し(step 7)、いずれの条件も満たす場合には、
正しい寸法の摩擦圧接製品が得られたと判断し、摩擦圧
接作業は終了する(step 8)。ワークの送り量がS’と
ならなかったときは、その製品は寸法不良としてはじか
れる。また、回転速度が零にならなかった場合には、溶
着不良としてはじかれる。 【0027】上記構成をなす本発明の実施の形態により
得られる作用効果は、以下の通りである。前記のごと
く、据え込み期間では、ワークW1 を回転駆動するサー
ボモータ7の負荷電流値In は、停止状態からの加速時
に零からI2 まで上昇し(第1のピークを示す)、モー
タ7の回転速度がNn =N1 で一定になると、負荷電流
値はIn =I1 まで低下してほぼ一定となる。ここでワ
ークW1 の送りを開始し、送り速度Vn =V1 で一定に
保つ。そして、ワークW1 、W2 を当接させると(ST
1 )、摩擦抵抗に対向してモータの速度を一定に保つ為
に負荷電流値In=I4 に増加し、負荷電流の第2のピ
ークを示す(ST2 )。その後、負荷電流値In =I3
まで減少しほぼ一定となる。この時の負荷電流値の減少
は、ワークの接合面が軟化(固溶化)し始めることによ
り、ワーク当接面の摩擦抵抗が減少して生ずるものであ
る。 【0028】また、ワーク間にかかる押付力Pn は、ワ
ーク同士を当接させると同時に発生し(ST1 )、Pn
=P2 まで増加して第1のピークを示す(ST3 )。そ
して、ワーク接合面が全面に渡って完全に軟化し、接合
面の変形によって押付力が分散される状態になると、押
付力はPn =P1 まで減少し、ほぼ一定(若干低下す
る)となる。すなわち、ST3 の時点で、ワークの接合
面の全てが完全に軟化し、アプセット力を加えるに適し
た状態となったと判断することができる。 【0029】すなわち、本発明の実施の形態では、据え
込み期間において、前記ワークを回転駆動するモータの
負荷電流の変動における第2のピークと、ワーク間にか
かる押付力の変動における第1のピークとを検出した時
点(ST3 )で、ワークにアプセット力を付与する時期
を決定する。ST3 の後にアプセット力を付与すること
により、ワークを高品質に摩擦圧接することが可能とな
る。上記負荷電流値I n および押付力Pn の値は、ワー
クW1 の回転速度Nn および送り速度Vn を常に一定に
保つことによって、正確な値を求めることができるの
で、アプセット力を付与する時期を正確に定めることが
できる。 【0030】よって、ワークの当接部における固体から
溶融化した状態へ変化する様子を正確に把握することが
容易となり、従来のごとく試行溶着作業を多く行う必要
がなくなる。よって、ワークの材質、当接面積(摩擦を
生ずる面積)、形状等を変更する場合でもその対応が容
易となり、高品質の製品を短時間で得ることが可能とな
る。 【0031】ところで、ST3 以降はいつでもアプセッ
ト力を付与することができるので、図1の送り量S2
より短縮することにより、ワーク接合面の無駄な軟化を
なくし、バリの発生を抑えることができる。また、素材
にかける熱量が少なくなるので、素材組織への熱の影響
を抑えることができる。さらに、ワーク素材に異物が混
入したような場合には、Is の値、S1 の値が変化する
ので、この変化を手がかりに、ワーク素材の不良を発見
することができる。また、I1 の値の変化を見ることに
より、摩擦圧接装置の回転部分の抵抗の大小が判定でき
るので、装置の異常を検出することも容易となる。 【0032】 【発明の効果】本発明はこのように構成したので、以下
のような効果を有する。すなわち、据え込み期間におい
て、ワークの相対回転速度と送り速度とを一定としたと
きの、前記ワークを回転駆動するモータの負荷電流の変
動と、ワーク間にかかる押付力の変動とに基づいて、ワ
ークの当接部における固体から溶融化した状態へ変化す
る様子を正確に把握し、アプセット力を加えるに適した
状態と判断して、ワークにアプセット力を付与する時
、すなわち、アプセット期間に移行する時期を決定す
ることができる。その結果として、据え込み期間におけ
るワークの送り量を短縮することができるので、ワーク
接合面の無駄な軟化をなくし、バリの発生を抑えること
ができる。また、素材にかける熱量が少なくなるので、
素材組織への熱の影響を抑えることができる。さらに、
ワーク素材に異物が混入したような場合には、負荷電流
と、押付力の値が変化するので、この変化を手がかり
に、ワーク素材の不良を発見することができる。また、
負荷電流の変化を見ることにより、摩擦圧接装置の回転
部分の抵抗の大小が判定できるので、装置の異常を検出
することも容易となる。よって、従来のように試行溶着
作業を多く行うことなしに、ワークの摩擦圧接を高品質
に行うことができる。また、ワークの材質、当接面積
(摩擦を生ずる面積)、形状等を変更する場合でもその
対応が容易となり、さまざまなワークに対して高精度か
つ低コストに摩擦圧接を施すことができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の形態における摩擦圧接工程の進
行により、各種パラメータが変化する様子を示すグラフ
である。 【図2】図1に示す摩擦圧接工程に対応するフローチャ
ートである。 【図3】図2に続くフローチャートである。 【図4】本発明の実施の形態において用いることが可能
な摩擦圧接装置を示す摸式図である。 【図5】図4に示す摩擦圧接装置に用いられる制御手段
を示すブロック図である。 【符号の説明】 In ワーク回転用サーボモータの負荷電流値 Nn ワーク回転用サーボモータの回転速度 Pn ワーク同士の押付力 Vn ワークの送り速度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−29464(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 20/12

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 対向配置した一対のワークを回転駆動し
    ながら他方に圧接して両ワークの接合部に摩擦熱を発生
    させ、該摩擦熱で軟化させる据込み期間と、ワークの回
    転を停止させつつさらにアプセット力を加え前記両ワー
    クの接合部を溶着させるアプセット期間とからなる摩擦
    圧接方法であって、前記 据え込み期間において、ワークの相対回転速度と送
    り速度とを一定としたときの、ワークを回転駆動するモ
    ータの負荷電流が、ワーク同士を当接させると摩擦抵抗
    に対向してモータの速度を一定に保つ為に増加し、接合
    面の軟化が始まるとワーク当接面の摩擦抵抗が減少して
    所定の値まで減少しほぼ一定となる変動を示し、ワーク
    間にかかる押付力が、ワーク同士を当接させると同時に
    発生して増加した後、ワークの接合面が完全に軟化し、
    押付力が接合面の変形によって分散される状態になると
    所定値まで減少しほぼ一定となる変動を示した時点を、
    アプセット力を加えるに適した状態と判断し、前記アプ
    セット期間に移行することを特徴とする摩擦圧接方法。
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