JP2002248527A - 穴加工方法、バーリング加工方法、これらに使用できるパンチ型 - Google Patents

穴加工方法、バーリング加工方法、これらに使用できるパンチ型

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JP2002248527A
JP2002248527A JP2001048212A JP2001048212A JP2002248527A JP 2002248527 A JP2002248527 A JP 2002248527A JP 2001048212 A JP2001048212 A JP 2001048212A JP 2001048212 A JP2001048212 A JP 2001048212A JP 2002248527 A JP2002248527 A JP 2002248527A
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shaving
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Mitsutaka Uchida
光隆 内田
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】削り滓がパンチ型の外周部に抱きつくことを低
減または回避することができる穴加工方法、バーリング
加工方法、パンチ型を提供する。 【解決手段】穴加工方法は、金属製の板状部材6にこれ
を厚み方向に貫通する穴60を形成する穴形成操作と、
パンチ型2を板状部材6の穴60の内部に進入させるこ
とにより、パンチ型2の型面で板状部材の穴の周縁を削
り取って削り面を形成する削り操作とを順に実施する。
削り操作は、板状部材6の穴60の周方向に沿ってのび
ると共に穴60の周方向において非連続となるように第
2型面22で削り取る第1削り操作と、穴60の周縁の
うち残りの部分を第3型面24で削り取る第2削り操作
とを含む。第1削り操作及び第2削り操作により板状部
材6の穴60の周方向に1周する削り面61を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は穴加工方法、バーリ
ング加工方法、これらに使用できるパンチ型に関する。
【0002】
【従来の技術】バーリング成形は、図12に示すよう
に、パンチ型100を進入して板状部材200に打ち抜
き加工を施して穴210を形成し、その後、その穴21
0をもつ板状部材200をバーリング加工用のダイス型
に保持し、板状部材200の穴210に別のバーリング
加工用のパンチ型を進入させることにより、穴210の
周縁を筒形状の成形部を成形する工法である。バーリン
グ成形を行う際には、筒形状の成形部の先端及び根元に
おける材料伸びが大きく、材料によっては割れが発生す
ることがある。一般的には、成形部の変形量が板状部材
200の材料の有する伸び限界を超えた時点で割れが発
生すると言える。
【0003】しかしながら筒形状の成形部の先端部につ
いては、実際には材料の伸び限界を超える前の段階で、
割れが発生することが知られている。これは次のように
推察されている。即ち、バーリング加工を行うために板
状部材200に形成した孔210は、打ち抜き加工によ
って形成したままのものをそのまま使用している。その
ため、一般的には、図13に示すように、打ち抜きで形
成された穴210は、材料のせん断加工で形成された円
滑性が高いせん断面212と、材料の塑性変形を伴った
破断変形で形成された破断面214とを有する。板状部
材200の材料によっては、この破断面214には、微
小亀裂216が形成されていることが多い。微小亀裂2
16は、バーリング加工の際において割れ発生の起点と
なり易い。故に、バーリング加工の際に、板状部材20
0の材料の伸び限界前に割れが発生するものと推察され
る。
【0004】近年は、軽量化を確保したまま高強度化を
図るため、板状部材の材質として引張強度が高い高張力
鋼が採用されつつある。しかし高張力鋼は引張強度が高
いものの、伸びが少ないため、バーリング加工の程度が
大きくなると、割れが発生するおそれがある。そこで近
年は、打ち抜き加工によって板状部材200に形成した
穴210の破断面214に面押し用のパンチ型の型面を
強圧することにより、微小亀裂216の影響を低減さ
せ、バーリング加工の品質を一層高める技術が開発され
ている。しかしながらこの技術は、バーリング加工にお
ける割れ低減には有効であるものの、微小亀裂216の
影響を低減させるためには必ずしも充分ではない。
【0005】そこで、特開平06ー039450号公報
(1994年)に開示されているように、打ち抜き加工
と同時に、板状部材に形成した孔にパンチ型のシェービ
ング加工用の型面により削り加工を行い、板状部材の孔
の周縁の材料を削り取る技術が開発されている。この技
術によれば、板状部材の穴の周縁を削り取るため、微小
亀裂による影響が小さなり、バーリング加工の程度が高
い場合であっても割れ低減にかなり有効である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
特開平06ー039450号公報に係る技術によれば、
削り加工によって削り取られた削り滓は、パンチ型の周
囲を1周するようにリング状となって生成する。このた
め削り加工によって削り取られた削り滓が、パンチ型の
外周部に抱きつき易い。このように削り滓がパンチ型の
外周部に抱きつくと、削り滓が原因となり板状部材に打
痕不良が発生するおそれがある。板状部材のプレス加工
においては、順送プレス装置などの自動プレス装置が用
いられることが多い。自動プレス装置においては、削り
滓がパンチ型の外方に排出されないと、削り滓が原因と
なって打痕不良が発生するおそれが高くなる。
【0007】本発明は上記した実情に鑑みてなされたも
のであり、削り滓がパンチ型の外周部に抱きつくことを
低減または回避することができる穴加工方法、バーリン
グ加工方法を提供することを課題とする。更に本発明は
上記した穴加工方法、バーリング加工方法に使用でき、
削り滓がパンチ型の外周部に抱きつくことを低減または
回避することができるパンチ型を提供することを課題と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る穴加工方法
は、金属製の板状部材にこれを厚み方向に貫通する穴を
形成する穴形成操作と、パンチ型を板状部材の穴の内部
に進入させることにより、パンチ型の型面で板状部材の
穴の周縁を削り取って削り面を形成する削り操作とを順
に実施する穴加工方法において、削り操作は、板状部材
の穴の周方向に沿ってのびると共に穴の周方向において
非連続となるように穴の周縁を削り取る第1削り操作
と、穴の周縁のうち残りの部分を削り取る第2削り操作
とを含み、第1削り操作及び第2削り操作により板状部
材の穴の周方向に1周する削り面を形成することを特徴
とするものである。
【0009】本発明に係るバーリング加工方法は、金属
製の板状部材にこれを厚み方向に貫通する穴を形成する
穴形成操作と、パンチ型を板状部材の穴の内部に進入さ
せることによりパンチ型の型面で板状部材の穴の周縁を
削り取って削り面を形成する削り操作とを順に実施する
穴加工工程と、穴加工工程で形成した穴にバーリング加
工型を進入させることにより穴の周縁を筒形状に成形し
て成形部を形成するバーリング工程とを順に実施するバ
ーリング加工方法において、穴加工工程における削り操
作は、板状部材の穴の周方向に沿ってのびると共に穴の
周方向において非連続となるように穴の周縁を削り取る
第1削り操作と、穴の周縁のうち残りの部分を削り取る
第2削り操作とを含み、第1削り操作及び第2削り操作
により板状部材の穴の周方向に1周する削り面を形成す
ることを特徴とするものである。
【0010】本発明に係る穴加工方法、または、本発明
に係るバーリング加工方法の穴加工工程よれば、板状部
材の穴の周方向に沿ってのびると共に穴の周方向におい
て非連続となるように穴の周縁を削り取る第1削り操作
が行なわれる。次に、穴の周縁のうち残りの部分を削り
取る第2削り操作が行われる。第1削り操作及び第2削
り操作により板状部材の穴の周方向に1周する削り面が
形成される。第1削り操作においては、第1削り操作で
形成された削り滓がパンチ型の周方向には1周しない。
このため第1削り操作で形成された削り滓がパンチ型の
外周部に抱きつくことが抑えられる。当然ながら、第1
削り操作後の第2削り操作においても、第2削り操作で
形成された削り滓がパンチ型の周方向には1周しない。
このため第2削り操作で形成された削り滓がパンチ型の
外周部に抱きつくことが抑えられる。
【0011】本発明に係るパンチ型は、上記した穴加工
方法、または、バーリング加工方法の穴加工工程に使用
されるパンチ型であって、パンチ型の先端から軸長方向
に沿って順に直列に、板状部材に穴を形成する第1型
面、第1削り操作を行う第2型面、第2削り操作を行う
第3型面を有していることを特徴とするものである。
【0012】本発明に係るパンチ型によれば、パンチ型
を板状部材に対して1回進入させることにより、板状部
材を保持したまま、穴形成操作、第1削り操作、第2削
り操作を連続的に順に行うことができる。この場合には
パンチ型を1回押し込むだけでよいため、操作数が低減
される。また板状部材をダイス型等の成形型から取り外
す必要がなく、板状部材の穴の加工の同軸性の精度が向
上する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明によれば次の少なくとも一
つの形態を採用できる。 ・パンチ型を板状部材を1回進入させることにより、穴
形成操作、第1削り操作、第2削り操作を連続的に順に
行う形態を採用できる。この場合には、穴形成操作、第
1削り操作、第2削り操作といった複数の操作を、共通
のパンチ型で行うことができる。場合によっては、穴形
成操作、第1削り操作、第2削り操作を個別のパンチ型
で行うことにしても良い。あるいは、穴形成操作と第1
削り操作とを共通のパンチ型で行うことにし、第2削り
操作を別のパンチ型で行うことにしても良い。あるい
は、第1削り操作と第2削り操作とを共通のパンチ型で
行うことにし、穴形成操作を別のパンチ型で行うことに
しても良い。 ・第1削り操作における削り領域は、パンチ型の軸直角
方向に沿った仮想線に対して実質的に対称形状とされて
いる形態を採用できる。このようにすれば、第1削り操
作時において、パンチ型に与える負荷がパンチ型の周方
向において均衡化し、パンチ型に与える負荷が軽減され
る。 ・板状部材は金属で形成されている。金属は鉄系や非鉄
系を例示できる。鉄系としては炭素鋼系、合金鋼系を例
示でき、高張力鋼系を例示できる。板状部材が高張力鋼
系である場合には、引張強度が高いものの、伸び量に限
界があるため、加工度が高い場合には亀裂の問題があ
る。従って板状部材が高張力鋼系で形成されている場合
には、板状部材に形成されている穴に対して本発明に係
る穴加工方法、穴加工操作を施すことなく、穴にバーリ
ング加工を施せば、バーリング加工の際に穴の周縁に亀
裂が生成し易いものである。しかし板状部材に形成され
ている穴に対して本発明に係る穴加工方法、穴加工工程
を施せば、穴に対してバーリング加工を行う際において
穴の周縁における亀裂の発生が抑制される。
【0014】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を図1〜図
10を参照して説明する。まず、説明の便宜上、本実施
例に係る成形装置1から説明する。本実施例に係る成形
型装置1は、図1に示すように、軸芯P1を有する雄型
であるパンチ型2と、パンチ型2を受け入れるダイス孔
40を有する雌型であるダイス型4とをもつ。ダイス型
4は金属製であり、ダイス孔40を形成するダイス面4
2と、平坦な押さえ面44とを有する。パンチ型2は、
バーリング加工における穴加工方法に使用されるもので
あって、図1に示すように縦長の円柱形状をなしてお
り、待機時にはダイス型4の上方に配置されている。パ
ンチ型2は金属製であり、パンチ型2の先端つまり下端
から軸長方向に沿って順に直列に、板状部材6に穴60
を形成する第1型面20と、第1削り操作を行う第2型
面22と、第2削り操作を行う第3型面24とを有す
る。第1型面20はパンチ型2の周方向に沿って延設さ
れている。第2型面22はパンチ型2の周方向に沿って
延設されており、第1型面20の直径よりも大きい直径
を有する。第2型面22と第3型面24との間にはリン
グ溝29が形成されている。リング溝29の外径は第2
型面22の外径、第3型面24の外径よりも小さくされ
ている。リング溝29は、第3型面24により削り取ら
れた滓が逃げるための場所である。第3型面24は、パ
ンチ型2の周方向に沿って延設されており、第2型面2
2の直径と等応する直径を有する。なお図1において、
第1型面20の軸長はL1、第1削り操作を行う第2型
面22の軸長はL2で示されている。第3型面24の外
径は軸長方向にわたり実質的に同径とされている。
【0015】図2(A)はパンチ型2の第1型面20の
横断面を示す。図2(B)はパンチ型2の第2型面22
の横断面を示す。図2(C)はパンチ型2の第3型面2
4の横断面を示す。図2(A)(B)(C)に示すよう
に、パンチ型2の第1型面20、第2型面22、第3型
面24は円形状をなしている。第2型面22の外径、第
3型面24の外径は互いに等応するものであり、第1型
面20の外径よりも大きく設定されている。
【0016】但し図2(B)に示すように、第2削り操
作を実行する第2型面22には、複数個(実施例では2
個)の溝26(凹部)が形成されている。複数個の溝2
6は互いに背向しており、溝底面26aと互いに対面す
る溝側面26cを有する。溝底面26a及び溝側面26
cは互いに実質的に直交している。第2型面22には溝
26が形成されており、パンチ型2の軸直角方向に沿っ
た仮想線Aに対して、第2削り操作を行うパンチ型2の
第2型面22の横断面形状は実質的に対称形状とされて
いる。このように第2削り操作を行うパンチ型2の横断
面形状を実質的に対称形状とすれば、第2削り操作にお
いてパンチ型2に作用する負荷がパンチ型2の周方向に
おいて均衡し易くなり、パンチ型2の損傷防止、穴60
の精度の向上に有効である。
【0017】ワークである板状部材6に穴60を形成す
る場合には、図1に示すようにダイス型4の押さえ面4
4の上に水平方向に沿って板状部材6を載せてセットす
る。板状部材6の材質は鋼系、殊に高張力鋼とされてい
る。高張力鋼は引張強度が高く高強度部品に適するもの
の、伸び限界が比較的低い。穴60を形成する場合に
は、板状部材6を押さえ部材49で押さえる。これによ
り板状部材6はダイス型4の押さえ面44に保持され
る。その後、油圧装置またはメカニカル装置を駆動させ
ることにより、板状部材6の上方に配置されているパン
チ型2を矢印Y1方向に下降させる。これによりダイス
型4のダイス孔40にパンチ型2をこれの先端から進入
させる。この結果、図3〜図5に示すように、ダイス型
4の第1型面20、第2型面22、第3型面24により
板状部材6の同一箇所が連続的に順に加工される。
【0018】即ち、図3に示すように、ダイス型4の第
1型面20により板状部材6に穴60が打ち抜かれる。
打ち抜かれた打ち抜き片64は落下する。次に図4に示
すように、パンチ型2が更に下降するため、打ち抜かれ
た板状部材6の穴60の周縁に対して、ダイス型4の第
2型面22により第1削り操作が行われる。第1削り操
作で生成された第1削り滓66は、パンチ型2に抱きつ
くことなく落下する。続いて図5に示すようにパンチ型
2が更に下降するため、前記したように第2型面22で
第1削り操作が行われた穴60の周縁に対して、ダイス
型4の第3型面24により第2削り操作が行われる。第
2削り操作で生成された第2削り滓68は、パンチ型2
に抱きつくことなく落下する。
【0019】図6は、パンチ型2の第1型面20により
板状部材6に打ち抜かれた穴60(内径:D1)の状況
を示す。図7は、パンチ型2の第2型面22により第1
削り操作が施された後における穴60の状況を示す。第
1削り操作によれば、図7に示すように、板状部材6の
穴60の周縁が穴60の周方向に沿って非連続となるよ
うに削り取られ、穴60の周縁において削り面61が形
成される。第1削り操作を施した状態においては、削り
面61の内径はD2(D2>D1)とされる。但し図7
に示すように穴60の削り面61には、複数個の削り残
し部63が互いに対向するように残留している。パンチ
型2の穴60の削り残し部63は、パンチ型2の第2型
面22の溝26で形成されるものである。図7に示すよ
うに穴60の軸直角方向に沿った仮想線Bに対して、穴
60の断面形状は対称形状とされている。穴60の全周
寸法を100と仮定すると、削り残し部63の合計周長
寸法は100のうち例えば5〜30程度とすることがで
き、従って、削り面61の周長寸法は例えば70〜95
とすることができる。但しこれに限定されるものではな
い。第1削り操作で発生した第1削り滓66は実質的に
C形状をなしており、パンチ型2の外周部を1周するも
のではなく、パンチ型2の周方向において非連続であ
る。故に、第1削り滓66がパンチ型2の外周部へ抱き
つくことは、抑えられる。
【0020】図8は、パンチ型2の第3型面24により
第2削り操作が施された後における穴60の状況を示
す。第2削り操作によれば、図8に示すように、穴60
の周縁のうち残りの部分である削り残し部63が板状部
材6から削り取られ、第2削り滓68として板状部材6
から落下する。第2削り操作で発生した第2削り滓68
は小片状をなしており、パンチ型2の外周部を1周する
ものではなく、パンチ型2の周方向において非連続であ
る。故に、第2削り滓68がパンチ型2の外周部へ抱き
つくことは、抑えられる。
【0021】上記したような第1削り操作及び第2削り
操作により、板状部材6の穴60の周方向に1周する削
り面61が形成される。穴60の削り面61の削り代α
は、板状部材6の厚みによっても相違するものの、板状
部材6の厚みを100としたとき例えば2〜20程度で
あるが、これに限定されるものではない。
【0022】図9はバーリング加工型を示す。バーリン
グ加工型1Mは、バーリング加工用のダイス型4Mと、
先端に向かうにつれて外径が小さくなる円錐面2pをも
つバーリング加工用のパンチ型2Mとを有する。
【0023】上記したように穴加工工程を終了したら、
板状部材6をバーリング加工用のダイス型4Mにセット
し、押さえ部材49Mで押さえた後に、バーリング加工
用のパンチ型2Mを矢印Y2方向に下降させることによ
り、穴60に押し込み、穴60の周縁を筒形状に成形
し、図10に示す成形部62を形成する。
【0024】図5において穴形成操作、第1削り操作及
び第2削り操作を行うパンチ型2の入口側を部位60r
とし、パンチ型2の出口側を部位60sとする。穴60
に対してバーリング加工を行うにあたり、穴60の部位
60r側からバーリング加工用のパンチ型2Mを進入さ
せても良い。あるいは、穴60の部位60s側からバー
リング加工用のパンチ型2Mを進入させても良い。
【0025】以上の説明から理解できるように本実施例
によれば、穴加工工程に係る第1削り操作においては、
第1削り操作で形成された第1削り滓66はパンチ型2
の周方向には1周しない。このため特開平6−3945
0号公報に係る技術とは異なり、第1削り操作で形成さ
れた第1削り滓66がパンチ型2の外周部に抱きつくこ
とが抑えられる。当然ながら、第1削り操作後の第2削
り操作においても、第2削り操作で形成された第2削り
滓68はパンチ型2の周方向には1周しない。このため
第2削り操作で形成された第2削り滓68がパンチ型2
の外周部に抱きつくことが抑えられる。故に、第1削り
滓66及び第2削り滓68を型外へ排出することが容易
となり、第1削り滓66及び第2削り滓68に起因する
打痕などの不具合が板状部材6に生じることを低減又は
回避することができる。
【0026】加えて本実施例によれば、パンチ型2を板
状部材6に対して1回進入させることにより、板状部材
6をダイス型4に保持したまま、穴形成操作、第1削り
操作、第2削り操作を連続的に順に行うことができる。
この場合にはパンチ型2をダイス型4に1回押し込むだ
けでよいため、操作数が低減される。また板状部材6を
ダイス型4から取り外す必要がなく、板状部材6の穴5
0を加工する際における同軸性の精度が向上し、穴60
の高品質化に有利である。
【0027】また本実施例では、打ち抜きで形成した穴
60に破断面が残留しているときであっても、その穴6
0に対してパンチ型2により第1削り操作及び第2削り
操作を行ない、穴60の塑性変形が生じている破断面の
部分を削り取ってつまりシェービング加工して正常化す
るため、後工程で穴60の周縁に対してバーリング加工
を行なっても、成形部62に割れ等の欠陥が生じること
を抑えることができる。従って板状部材6が高張力鋼の
ように引張強度が高いものの伸びが低い材料である場合
であって、且つバーリング加工の程度が高いものに適す
る。
【0028】更に本実施例によれば、板状部材6に穴6
0を形成する際には、圧縮ガス供給部81をもつガス噴
出手段8のガス噴出ノズル80がダイス型4に設けられ
ているため、ガス噴出ノズルから噴出されるガスにより
第1削り滓66、第2削り滓68をパンチ型2及びダイ
ス型4の外方に排出することが一層容易となる。
【0029】(他の例)図11は他の実施例を示す。図
11に示す例においては、パンチ型2の第2型面22に
は、3個の溝26がパンチ型2の第2型面22において
これの周方向に均等に形成されている。従って、パンチ
型2の軸直角方向に沿った仮想線Cに対して、第2削り
操作を行うパンチ型2の断面形状は実質的に対称形状と
されている。このように実質的に対称形状とすれば、第
2削り操作においてパンチ型2に作用する負荷がパンチ
型2の周方向において均衡し易くなり、パンチ型2の損
傷防止、穴60の一層の高精度化を図るのに有効であ
る。
【0030】車両用のシートクッション用フレームにお
ける穴加工やバーリング加工に適用することもできる。
このフレームは一般的には高張力鋼等で形成されてい
る。この場合であっても、上記した実施例によれば、フ
レームとなる板状部材にバーリング加工を施して筒形状
の成形部62を形成するとき、成形部62に割れなどが
発生することを未然に防止することができる。板状部材
は車両用のシートクッション用フレームに限定されるも
のではなく、他の車両部品、産業機器の板状部材に適用
できることは勿論である。上記した実施例及び適用例
は、板状部材の穴に対してバーリング加工で筒形状の成
形部を形成する場合について適用しているが、バーリン
グ加工に限らず、板状部材の厚み方向に貫通する通常の
穴の成形に使用することもできる。上記したパンチ型2
及びダイス型4は金属製以外でも良く、例えば超硬合
金、セラミックスでも良い。場合によってはリング溝2
9は廃止しても良い。その他、本発明は上記し且つ図面
に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を
逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものであ
る。実施の形態、実施例に記載した語句は、一部であっ
ても各請求項に記載できるものである。
【0031】(付記)上記した記載から次の技術的思想
も把握できる。 ・パンチ型の第2型面は、外方向に開口すると共に周方
向において均等間隔に形成された複数個の溝を有してい
ることを特徴とする各請求項に係る穴加工方法、バーリ
ング加工方法、これらに使用できるパンチ型。 ・ガス噴出手段のガス噴出ノズルがダイス型に設けられ
ており、ガス噴出ノズルから噴出されるガスにより削り
滓をパンチ型の外方に排出することを特徴とする各請求
項に係る穴加工方法、バーリング加工方法、これらに使
用できるパンチ型。
【0032】
【発明の効果】本発明に係る穴加工方法、バーリング加
工方法によれば、穴加工の際に発生した削り滓がパンチ
型の外周部に抱きつくことを低減または回避することが
できる。従って板状部材を加工する際において打痕等の
不具合を抑制できる。本発明に係るダイス型によれば、
上記した穴加工方法、バーリング加工方法に使用するこ
とができ、従って、穴加工の際に発生した削り滓がパン
チ型の外周部に抱きつくことを低減または回避すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る成形装置を模式的に示す構成図で
ある。
【図2】パンチ型の各部位の横断面図を示し、(A)は
第1型面の横断面図であり、(B)は第2型面の横断面
図であり、(C)は第3型面の横断面図である。
【図3】パンチ型の第1型面で穴を打ち抜く状態を模式
的に示す構成図である。
【図4】パンチ型の第2型面で穴の周縁に対して第1削
り操作を行う状態を模式的に示す構成図である。
【図5】パンチ型の第3型面で穴の周縁に対して第2削
り操作を行う状態を模式的に示す構成図である。
【図6】パンチ型の第1型面で打ち抜いた穴の状態を模
式的に示す断面図である。
【図7】パンチ型の第2型面で第1削り操作を行った穴
の状態を模式的に示す断面図である。
【図8】パンチ型の第3型面で第2削り操作を行った穴
の状態を模式的に示す断面図である。
【図9】第1削り操作及び第2削り操作を行った穴の周
縁に対してバーリング加工を行っている状態を模式的に
示す構成図である。
【図10】板状部材にバーリング加工で形成した成形部
を模式的に示す斜視図である。
【図11】他の実施例に係り、パンチ型の第2型面の横
断面である。
【図12】従来技術に係り、板状部材をパンチ型で打ち
抜いて穴を形成している状態を模式的に示す構成図であ
る。
【図13】従来技術に係り、板状部材をパンチ型で打ち
抜いて形成した穴の断面状態を模式的に示す断面図であ
る。
【符号の説明】
図中、2はパンチ型、4はダイス型、6は板状部材、6
0は穴、62は成形部、61は削り面、63は削り残し
部、66は第1削り部、68は第2削り部を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属製の板状部材にこれを厚み方向に貫通
    する穴を形成する穴形成操作と、パンチ型を前記板状部
    材の前記穴の内部に進入させることにより、前記パンチ
    型の型面で前記板状部材の前記穴の周縁を削り取って削
    り面を形成する削り操作とを順に実施する穴加工方法に
    おいて、 前記削り操作は、前記板状部材の前記穴の周方向に沿っ
    てのびると共に前記穴の周方向において非連続となるよ
    うに前記穴の周縁を削り取る第1削り操作と、前記穴の
    周縁のうち残りの部分を削り取る第2削り操作とを含
    み、 前記第1削り操作及び前記第2削り操作により前記板状
    部材の前記穴の周方向に1周する前記削り面を形成する
    ことを特徴とする穴加工方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記パンチ型は、前記
    パンチ型の先端から前記パンチ型の軸長方向に沿って順
    に直列に、前記板状部材に穴を形成する第1型面、前記
    第1削り操作を行う第2型面、前記第2削り操作を行う
    第3型面を有しており、前記パンチ型を前記板状部材に
    対して1回進入させることにより、前記穴形成操作、前
    記第1削り操作、前記第2削り操作を連続的に順に行う
    ことを特徴とする穴加工方法。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記第
    1削り操作における削り領域は、前記パンチ型の軸直角
    方向に沿った仮想線に対して実質的に対称形状とされて
    いることを特徴とする穴加工方法。
  4. 【請求項4】金属製の板状部材にこれを厚み方向に貫通
    する穴を形成する穴形成操作と、パンチ型を前記板状部
    材の前記穴の内部に進入させることにより前記パンチ型
    の型面で前記板状部材の前記穴の周縁を削り取って削り
    面を形成する削り操作とを順に実施する穴加工工程と、 前記穴加工工程で形成した前記穴にバーリング加工型を
    進入させることにより穴の周縁を筒形状に成形して成形
    部を形成するバーリング工程とを順に実施するバーリン
    グ加工方法において、 前記穴加工工程における前記削り操作は、 前記板状部材の前記穴の周方向に沿ってのびると共に前
    記穴の周方向において非連続となるように前記穴の周縁
    を削り取る第1削り操作と、前記穴の周縁のうち残りの
    部分を削り取る第2削り操作とを含み、前記第1削り操
    作及び前記第2削り操作により前記板状部材の前記穴の
    周方向に1周する前記削り面を形成することを特徴とす
    るバーリング加工方法。
  5. 【請求項5】請求項1に係る穴加工方法、または、請求
    項4に係るバーリング加工方法の穴加工工程に使用でき
    るパンチ型であって、前記パンチ型の先端から軸長方向
    に沿って順に直列に、前記板状部材に穴を形成する前記
    第1型面、前記第1削り操作を行う前記第2型面、前記
    第2削り操作を行う前記第3型面を有していることを特
    徴とするパンチ型。
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