JP2002248437A - 超音波洗浄装置及びその方法 - Google Patents

超音波洗浄装置及びその方法

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JP2002248437A
JP2002248437A JP2001050387A JP2001050387A JP2002248437A JP 2002248437 A JP2002248437 A JP 2002248437A JP 2001050387 A JP2001050387 A JP 2001050387A JP 2001050387 A JP2001050387 A JP 2001050387A JP 2002248437 A JP2002248437 A JP 2002248437A
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ultrasonic
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vibrator
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JP2001050387A
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Kiyoteru Osawa
清輝 大沢
Noriyuki Kitaori
典之 北折
Takahisa Yamashiro
高久 山城
Masayasu Sato
雅安 佐藤
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷が変動しても、より少ない電力で高い洗
浄効果を発揮し、汚れた衣類等を容易に洗浄することが
できる超音波洗浄装置及びその方法を提供する。 【解決手段】 洗剤を含む洗浄液を介して被洗浄物に、
超音波振動子を有する超音波装置により超音波を作用さ
せて洗浄する超音波洗浄方法であって、超音波振動子の
定格出力の70%〜100%入力電圧に対する、洗浄後
の被洗浄物の各洗浄度に基づき最小二乗法を用いて求め
られた洗浄度の傾きが0.1〜1.2である範囲で洗浄
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、洗剤が溶解、乳化
及び懸濁している水性洗剤液中で、該洗剤液に超音波振
動子により発生する超音波を作用させて処理することに
よって、繊維製品などの被洗浄物を洗浄する超音波洗浄
装置及びその方法に関し、特に優れた洗浄効果を得るこ
とができる超音波洗浄装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】洗剤が溶解、乳化及び懸濁している水性
洗剤液中で、該洗剤液に超音波振動子により発生する超
音波を作用させて処理することによって、汚れた繊維製
品を洗濯する方法としては、例えば、特開昭63−66
372号公報、特開平8−281228号公報、特開昭
55−102484号公報に記載されたものが知られて
いる。
【0003】特開昭63−66372号公報に記載され
た繊維製品洗濯方法は、汚れた繊維製品を湿潤性の高い
水性液で処理し、汚れた部分を含む繊維製品の繊維微細
構造を浸透湿潤させ、微分散残留空気を排除するもので
ある。
【0004】特開平8−281228号公報に記載され
た超音波洗浄装置は、自励発振駆動回路により圧電振動
子を振動させ、該振動により振動板を介して洗浄棒を振
動させ、該洗浄棒の先端を付着物が付着した物体の表面
に接触させて、洗浄棒の振動によって付着物を剥離する
ものである。
【0005】特開昭55−102484号公報に記載さ
れた超音波洗浄器は、超音波振動子と被洗浄物との間に
洗浄液を供給し、洗浄液を超音波振動させて洗浄するも
のである。
【0006】また、特に、スポット的な洗浄を行う場合
に、洗浄装置の操作性を良くするため、より小型な超音
波洗浄装置が必要となる。このため、超音波洗浄装置の
出力を小さくするが、負荷の影響を受けやすくなる。一
方、加える負荷は、衣類等の状況により常に変化する。
また、ハンディな超音波洗浄装置を設計する場合、下地
に使用する布、固定物などの下地条件は常に変化する。
このため、このような様々な状況によっても、高い洗浄
効果を持つ安定な条件が必要となってきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
63−66372号公報に記載された繊維製品洗濯方法
にあっては、該洗濯方法を適用した洗濯装置が、比較的
大きな出力を想定したものであり、比較的低出力を対象
としたものではなく、スポット的な洗浄を行う場合に、
洗浄装置の操作性が悪くなる。
【0008】また、特開平8−281228号公報に記
載された超音波洗浄装置、特開昭55−102484号
公報に記載された超音波洗浄器にあっては、比較的小出
力の装置を対象としている。しかし、これらの技術内容
は、装置の構成を記述しているのみであり、超音波洗浄
装置を対象とした適当な圧電素子の設計条件について
は、何ら記載されていない。このため、洗浄装置の出力
を小さくしても、負荷の影響を受けやすくなり、洗浄効
果が低下するという課題を有していた。
【0009】そこで、本発明の目的は、負荷が変動して
も、より少ない電力で高い洗浄効果を発揮し、汚れた衣
類等を容易に洗浄することができる超音波洗浄装置及び
その方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の超音波洗浄装置
は、圧電体を用いた超音波振動子に超音波ホーンが連接
されてなる超音波振動部を備え、前記超音波ホーンの先
端部を、洗浄液存在下で被洗浄物を接触させて被洗浄物
の洗浄を行う超音波洗浄装置であって、該装置の消費電
力が1〜10Wに設定され、前記超音波振動子の定格出
力の70%〜100%入力電圧に対する、洗浄後の被洗
浄物の各洗浄度に基づき最小二乗法を用いて求められた
洗浄度の傾きが0.1〜1.2であるように設定された
ことを特徴とする。
【0011】この発明によれば、消費電力が1〜10W
に設定され、超音波振動子の定格出力の70%〜100
%入力電圧に対する、洗浄後の被洗浄物の各洗浄度に基
づき最小二乗法を用いて求められた洗浄度の傾きが0.
1〜1.2であるように設定されているので、負荷が変
動しても、より少ない電力で高い洗浄効果を発揮し、汚
れた衣類等を容易に洗浄することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る超音波洗浄方
法及びその装置の実施の形態を図面を参照して詳細に説
明する。
【0013】(超音波洗浄装置の構成)超音波洗浄方法
の説明に先立って、超音波洗浄装置の構成について説明
する。図1は本発明に係る実施の形態の超音波洗浄装置
の断面図である。超音波洗浄装置1は、洗剤が溶解、乳
化及び懸濁している水性洗剤液中で、該洗剤液に超音波
振動子により発生する超音波を作用させて処理すること
によって、繊維製品等の被洗浄物を洗浄するもので、家
庭で手軽に使える小電力のハンディータイプの超音波洗
浄装置である。
【0014】この超音波洗浄装置は、装置本体2と、装
置本体2に設けられた超音波振動部3と、超音波振動部
3を取り囲む被洗浄物案内カバー4とから概略構成され
ている。装置本体2は、略円筒形状のケーシング5に、
電池収納部6と、超音波振動子16を駆動する駆動回路
7と、スイッチ部8と、駆動確認灯としての発光ダイオ
ード9とを内蔵する。ケーシング5の後端部に装着され
た裏蓋10は、電池収納部6を閉塞する。ケーシング5
の前端部の外周面に形成された雄ネジ部12は、被洗浄
物案内カバー4に形成された雌ネジ部19と螺合してい
る。
【0015】超音波振動部3は、ケーシング5の前端開
口部11にフランジ部材13を介して支持され、圧電体
14、15を接合した超音波振動子16と、超音波振動
子16の後端面に接合された後部超音波ホーン17と、
超音波振動子16の前端面に接合された前部超音波ホー
ン18とからなる。圧電体14、15には、図示しない
リード線により駆動回路7が接続され、電力が供給され
ている。後部超音波ホーン17及び前部超音波ホーン1
8は、超音波振動子16の振動を特定の周波数に変えた
り、振動を強くするために振動を伝え易い金属で形成さ
れている。前部超音波ホーン18は、大径部とこの大径
部から直線状(曲線又はステップでも可能)に径が小さ
くなるテーパ部と小径部とからなり、ケーシング5の前
端部から前方へ突出している。
【0016】把持部21は、カバー部20を取り囲むよ
うに形成され、カバー部20は、前部超音波ホーン18
を取り囲むように形成され、その外径寸法は、前方に向
けて漸次短くなるように設定されている。前部超音波ホ
ーン18は、これを取り囲む被洗浄物案内リング部22
やカバー部20とは非接触であり、前部超音波ホーン1
8の超音波振動が減衰されにくい構造となっている。
【0017】図2に示す回路は、超音波振動子16を駆
動する駆動回路であり、電力増幅器31、トランスT、
整合部33、超音波振動子16、位相比較器37、電圧
制御発振器38を有して構成される。
【0018】電力増幅部31は、トランスTの一次巻線
を介して直列に接続された電力用トランジスタQ1,Q
2を有し、電力用トランジスタQ1,Q2は、電圧制御
発振器38からの信号の振幅を増幅して増幅された信号
をトランスTを介して整合部33に供給する。整合部3
3は、整合用インピーダンス素子であるコイルLmとコ
ンデンサCmとで構成され、トランスTからの信号を超
音波振動子16に供給する。抵抗Rは、超音波振動子1
6に直列に挿入され、低抵抗となっている。
【0019】抵抗Rを流れる電流は電流信号として検出
されて位相比較器37に入力される。また、超音波振動
子16の一端の電圧は電圧信号として検出されて位相比
較器37に入力される。位相比較器37は、検出された
電流の位相と検出された電圧の位相との位相差を求め該
位相差に応じた電圧を発生する。
【0020】電圧制御発振器38は、位相比較器37で
発生した電圧に応じて前記電圧制御発振器38の信号の
周波数を発生し、位相比較器37の位相差を所定の位相
差、例えば±30°以内に保持するように周波数を制御
する。また、超音波振動子16に供給される電力を1W
以上10W以下にしている。
【0021】(超音波洗浄装置の動作)次に、実施の形
態の超音波洗浄装置1を用いて例えば衣類の洗浄を行う
場合について説明する。
【0022】まず、超音波洗浄装置1の装置本体2を手
で持ち、スイッチ部8をオンにすることにより、超音波
振動部3を駆動することができる。洗剤液に浸して洗剤
液を含ませた衣類を用意し、被洗浄物案内リング部22
を衣類の布面に当て、この被洗浄物案内リング部22を
布面上で滑らせることにより、前部超音波ホーン18の
先端面18Aに確実且つ適切に接触させることができ
る。
【0023】前部超音波ホーン18の先端面18Aでの
超音波振動は、洗剤液を介して布面に伝搬して汚れを除
去することができる。なお、前部超音波ホーン18の先
端面18Aを被洗浄物に付着した汚れ部分に接触させて
被洗浄物上を走行(進行)させる場合には、前部超音波
ホーン18の先端面18Aの長軸(長辺)が走行(進
行)方向と略直角をなすようにすることにより、広い範
囲の洗浄を行うことができる。
【0024】(超音波洗浄出力の変化率)次に、実施形
態の超音波洗浄方法及びその装置が特徴とする部分につ
いて説明する。
【0025】本出願人は、より少ない電力で高い洗浄効
果を得るために、変動する負荷に対して、必要とされる
主特性として、超音波振動子の出力の変化率について着
目した。一般的に、出力が大きい場合には、洗浄効果は
大きいと考えられるが、一方で出力の変化率も無視でき
ない。
【0026】振動子の特性として、図3に示すように、
入力電圧に比例して出力が上昇する傾向が確認できる。
また、入力電圧に対する出力を表す出力曲線CV1にお
いて、ある飽和点を持つため、そのピーク値PK1に出
力を設計することが一般的に行われている。
【0027】しかし、ピーク値PK1で振動子を使用し
た場合には、高い出力を得ることができるが、消費電力
(入力電圧に対応)も大きくなる。このため、小電力タ
イプの超音波洗浄装置では、耐久性の点で不適である。
出力曲線CV1のピーク値PK1での設定においては、
入力電圧に対する出力の変動も小さい。小電力タイプの
超音波洗浄装置においては、入力電圧に対する出力曲線
のピーク値以外での立ち上がり領域ARにおいて、出力
を設計するのが適当である。この領域ARでは、消費電
力を押さえることが可能であるが、入力電圧に対する出
力変動(洗浄性)がばらつく。
【0028】このため、実施の形態の超音波洗浄装置で
は、小電力型の超音波洗浄装置において、出力曲線CV
2のように、小さい入力電圧でより大きな出力を得て、
入力電圧に対して出力を安定させるようにした。すなわ
ち、入力電圧を、超音波振動子の定格出力の70%〜1
00%に設定し、設定された入力電圧に対する出力の安
定性、すなわち、洗浄性の安定性を確認した。
【0029】この場合、装置の消費電力が1〜10Wに
設定されている。また、超音波振動子16の定格出力の
70%〜100%入力電圧に対する、洗浄後の被洗浄物
の各洗浄度に基づき最小二乗法を用いて求められた洗浄
度の傾きが0.1〜1.2であるように設定されてい
る。
【0030】図4に振動子の出力と洗浄度との関係を示
す。図4に示すように、洗浄度と出力とは正比例してお
り、各出力と該出力における洗浄度をプロットし、6つ
のプロット点を直線最小二乗法を用いて、直線L0を作
成する。この直線L0は、y=0.5579x+14.
005で表される。xは横軸で洗浄度を表し、yは縦軸
で出力を表す。洗浄度の傾きは、0.5579である。
【0031】このように、超音波振動子16の定格出力
の70%〜100%入力電圧に対する、洗浄後の被洗浄
物の各洗浄度に基づき最小二乗法を用いて求められた洗
浄度の傾きが0.1〜1.2である範囲で洗浄すること
で、出力、耐久性ともに実用上、問題のない超音波洗浄
装置を得ることが可能となった。従って、負荷が変動し
ても、より少ない電力で高い洗浄効果を発揮し、汚れた
衣類等を容易に洗浄することができる。
【0032】なお、入力電圧に対する出力を安定させる
方法としては、具体的には、超音波振動子の選択、超音
波ホーンの先端面の形状、大きさの設定、超音波振動子
と超音波ホーン形状比などが上げられる。
【0033】例えば、入力電圧に対する出力を安定させ
る方法として、図5に示すように、超音波振動子16の
圧電体14や圧電体15の厚みを変えるようにしてもよ
い。図6に超音波振動子16の圧電体14,15の厚み
を変えた場合における振動子出力と洗浄率との関係を示
す。図6では、圧電体14,15の厚みが2mm(●で
示す。)、3mm(■で示す。)、4mm(▲で示
す。)であり、圧電体14,15の厚みが大きくなるほ
ど、洗浄度の傾きが大きくなっていることがわかる。こ
のように圧電体14,15の厚みを2mm〜4mmに設
定し、洗浄度の傾きを変えて、出力を安定させることが
できる。
【0034】また、実施の形態の超音波洗浄装置におい
ては、超音波振動子16の定格出力は、1〜10Wの範
囲内とする。ここで、定格出力とは、無負荷時に超音波
振動子16に入力される入力電力を100%とした時の
値である。なお、定格出力が1Wを下回ると、洗浄に必
要な振幅が得られない。
【0035】また、超音波振動子16の振動周波数は、
10KHz〜1MHzとし、20KHz〜80KHzと
するのが好ましい。
【0036】また、超音波振動子16に供給される電流
は、10〜200mAとする。この電流は超音波振動子
16で3Wから4Wにおいて、水負荷時の実効値が約1
00mAである。ここで、水負荷は、水深10mm、素
子先端を10mmとする。また、無負荷時では、200
mAの電流が流れる。なお、この電流は超音波振動子1
6の先端形状などで変化する。
【0037】また、超音波振動子16の作用端面(先端
面)の振動速度は、0.5m/s以上10m/s以下と
する。このため、図1に示すように、超音波振動子16
に、振動速度を増幅する後部超音波ホーン17及び前部
超音波ホーン18を接合し、前部超音波ホーン18の先
端面における振動速度の最大値を上記の範囲内としてい
る。
【0038】なお、超音波ホーンは、図7に示すよう
に、前部超音波ホーン18aの径を先端面に近づくに従
ってテーパ状に小さくしても良く、この形状により、振
動速度の最大値を上記の範囲内とすることもできる。
【0039】以上述べた超音波振動子16の振動条件の
下で、超音波振動子16の定格出力の70%から100
%までの電力範囲の内の複数の入力電力の各入力電力毎
に該入力電力を超音波振動子16に供給して超音波振動
子16を振動させる。
【0040】そして、超音波振動子16の先端の振幅と
洗浄度との関係、振動速度と洗浄度との関係、加速度と
洗浄度との関係を求めたものを図8に示す。図8に示す
各入力電力の値は、定格出力(定格出力を100%とし
た。)に対する百分率を示し、例えば、その値は10
0、80、70、100、86、73である。各振幅の
値の単位は、umで表されている。各洗浄度の値は、洗
浄前(洗浄前を100%とした。)に対する洗浄後の百
分率を示す。
【0041】図9に振幅と洗浄度との関係を示す。図9
では、図8に示す各入力電力に対する振幅と該振幅にお
ける洗浄度をプロットし、6つのプロット点を直線最小
二乗法を用いて、直線Lを作成する。この直線Lは、y
=0.8191x+43.176で表される。xは横軸
で振幅を表し、yは縦軸で洗浄度を表す。該直線Lの振
幅に対する洗浄度の平均傾きは、0.8191である。
【0042】同様なやり方で、振動周波数を20KHz
(■で表す。)、40KHz(◆で表す。)、28KH
z(業務機用であり、▲で表す。)としたときの振幅と
反射率との関係を図10(第1実施例)に示し、振動速
度と反射率との関係を図11(第2実施例)に示し、加
速度と反射率との関係を図12(第3実施例)に示す。
以下、各実施例について説明する。ここで、反射率(光
反射率のこと)は洗浄度に対応する。
【0043】(第1実施例)第1実施例では、超音波振
動16子の定格出力の70%から100%までの電力範
囲の内の、複数の入力電力の各入力電力毎に、該入力電
力を超音波振動子16に供給して振動させて、超音波振
動子16の先端の振幅を求める。先端の振幅Xは(1)
式で表される。
【0044】 X=XOP*sinωt ・・・(1) ここで、XOPは振幅の最大値を表し、ωは角周波数を
表し、tは時間を表している。
【0045】そして、各振幅毎に洗浄後の被洗浄物の洗
浄度を測定する。洗浄度の測定については後述する。さ
らに、各振幅と各洗浄度とをプロットし、各プロット点
における各プロット値に基づき最小二乗法を用いて直線
L1を作成する。この直線L1の傾きはB1/A1であ
る。A1は振幅の変化量であり、B1は反射率の変化量
である。すなわち、振幅に対する洗浄度の傾きが求めら
れる。この傾きは0.605である。
【0046】この傾きの範囲は0.1〜1.2であるこ
とが望ましい。該傾きの範囲内で被洗浄物を洗浄すれ
ば、変動する負荷に対しても、より少ない電力で高い洗
浄効果を発揮し、汚れた衣類等を容易に洗浄することが
できる。
【0047】(洗浄度の測定)次に、洗浄度について説
明する。白色の木綿の布を泥で汚したサンプル片を用い
て、洗剤液の光反射率を測定しこの光反射率を洗浄度と
した。このサンプル片に、一辺が4cmの正方形の枠を
当て、その正方形の内側の泥汚れを超音波洗浄装置にて
洗浄した。洗浄は、1分間、10ccの水をかけながら
行った。洗浄後、5分間の水洗いを施した後、乾燥させ
てアイロンをかけた。その後、光反射率をミノルタ製C
M−3500d反射率計を用いて測定した。光反射率の
測定範囲は直径3cmの円内とした。この測定では、光
反射率が高い方が洗浄度が高いことを示している。
【0048】(第2実施例)第2実施例では、超音波振
動子16の定格出力の70%から100%までの電力範
囲の内の、複数の入力電力の各入力電力毎に、該入力電
力を超音波振動子16に供給して振動させて、超音波振
動子16の先端の振動速度を求める。先端の振動速度V
は、先端の振幅と振動周波数とを乗算した値であり、
(2)式で表される。
【0049】 V=dX/dt=X*ω ・・・(2) そして、各振動速度毎に洗浄後の被洗浄物の洗浄度を測
定する。さらに、各振動速度と各洗浄度とをプロット
し、各プロット点における各プロット値に基づき最小二
乗法を用いて直線L2を作成する。この直線L2の傾き
はB2/A2である。A2は振動速度の変化量であり、
B2は反射率の変化量である。すなわち、振動速度に対
する洗浄度の傾きが求められる。この傾きは4.9であ
る。
【0050】この傾きの範囲は0.5〜30であること
が望ましい。該傾きの範囲内で被洗浄物を洗浄すれば、
変動する負荷に対しても、より少ない電力で高い洗浄効
果を発揮し、汚れた衣類等を容易に洗浄することができ
る。振幅に対する洗浄率の条件に加え、振幅変化率(振
動子速度)の条件を加える事でより高い洗浄条件を得る
ことが可能となった。
【0051】また、図10に示した振幅に対する洗浄度
の傾きB1/A1と、図11に示した振動速度に対する
洗浄度の傾きB2/A2とを乗算し、乗算により得られ
た傾きB1*B2/A1*A2は、2.94である。こ
の傾きの範囲は0.1〜50であることが望ましい。該
傾きの範囲内で被洗浄物を洗浄すれば、変動する負荷に
対しても、より少ない電力でさらに高い洗浄効果を発揮
し、汚れた衣類等を容易に洗浄することができる。
【0052】(第3実施例)第3実施例では、超音波振
動子16の定格出力の70%から100%までの電力範
囲の内の、複数の入力電力の各入力電力毎に、該入力電
力を超音波振動子16に供給して振動させて、超音波振
動子16の先端の加速度を求める。先端の加速度αは、
先端の振幅と振動周波数の二乗とを乗算した値であり、
(3)式で表される。
【0053】 α=dX/dt=X*ω ・・・(3) そして、各加速度毎に洗浄後の被洗浄物の洗浄度を測定
する。さらに、各加速度と各洗浄度とをプロットし、各
プロット点における各プロット値に基づき最小二乗法を
用いて直線L3を作成する。この直線化量である。すな
わち、加速度に対する洗浄度の傾きが求められる。この
傾きは4.59×10−4である。
【0054】この傾きの範囲は1×10−5〜1×10
−3であることが望ましい。該傾きの範囲内で被洗浄物
を洗浄すれば、変動する負荷に対しても、より少ない電
力で高い洗浄効果を発揮し、汚れた衣類等を容易に洗浄
することができる。振幅に対する洗浄率の条件に加え、
振動子速度変化率(振動子加速度)の条件を加える事で
より高い洗浄条件を得ることが可能となった。
【0055】なお、上述した第1実施例乃至第3実施例
の各実施例において、洗剤液中の洗剤として、以下のよ
うな洗剤を用いても良い。
【0056】(1)まず、洗剤液中の洗剤としては、少
なくとも0.001〜30%重量の活性剤を含んでも良
い。この活性剤としては、例えば非イオン界面活性剤が
用いられる。また、必要に応じて他の界面活性剤、例え
ば陰イオン界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン界面
活性剤を併用することができる。好ましくは、陰イオン
界面活性剤である。このような活性剤を含んだ洗剤を用
いれば、さらに優れた洗浄効果を発揮することができ
る。
【0057】(2)また、洗剤液中の洗剤は、アルカリ
安定性タンパク質分解酵素として0.01〜10%重量
のセルラーゼを含む活性剤を含有しても良い。セルラー
ゼとしては、市販品ノセルザイム(ノボインダストリー
社)、特開昭63−264699号公報の請求項4記載
のセルラーゼを使用できる。このようなセルラーゼを含
む活性剤を含有した洗剤を用いれば、さらに優れた洗浄
効果を発揮することができる。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、装置の消費電力が1〜
10Wに設定され、超音波振動子の定格出力の70%〜
100%入力電圧に対する、洗浄後の被洗浄物の各洗浄
度に基づき最小二乗法を用いて求められた洗浄度の傾き
が0.1〜1.2であるように設定されているので、負
荷が変動しても、より少ない電力で高い洗浄効果を発揮
し、汚れた衣類等を容易に洗浄することができる。
【0059】また、超音波振動子の圧電体の厚みが2m
m〜4mmであるので、負荷が変動しても、より少ない
電力で高い洗浄効果を発揮し、汚れた衣類等を容易に洗
浄することができる。
【0060】また、超音波振動子の定格出力が1〜10
Wであり、振動周波数が20KHz〜80KHzであ
り、超音波振動子に供給される電流が10〜200mA
であることで、負荷が変動しても、より少ない電力で高
い洗浄効果を発揮し、汚れた衣類等を容易に洗浄するこ
とができる。
【0061】さらに、洗剤が、少なくとも0.001〜
30%重量の活性剤を含む場合、洗剤が、アルカリ安定
性タンパク質分解酵素として0.01〜10%重量のセ
ルラーゼを含む活性剤を含有する場合のいずれかの場合
に、負荷が変動しても、より少ない電力でさらに高い洗
浄効果を発揮し、汚れた衣類等を容易に洗浄することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る超音波洗浄装置の実施の形態を示
す断面図である。
【図2】超音波振動子を駆動する駆動回路の回路構成図
である。
【図3】超音波振動子による入力と出力との関係を示す
図である。
【図4】洗浄度と出力との関係を示す図である。
【図5】超音波振動子の圧電体の厚みを示す図である。
【図6】超音波振動子の圧電体の厚みを変えた場合にお
ける振動子出力と洗浄率との関係を示す図である。
【図7】超音波振動子及び超音波ホーンの変形例を示す
図である。
【図8】超音波振動子の先端の振幅と洗浄度との関係、
振動速度と洗浄度との関係、加速度と洗浄度との関係を
示す図である。
【図9】超音波振動子の振幅に対する洗浄度の傾きを示
す図である。
【図10】超音波振動子の振幅に対する洗浄度の傾きを
示す図である。
【図11】超音波振動子の振動速度に対する洗浄度の傾
きを示す図である。
【図12】超音波振動子の加速度に対する洗浄度の傾き
を示す図である。
【符号の説明】
1 超音波洗浄装置 2 装置本体 3 超音波振動部 14,15 圧電体 16 超音波振動子 17 後部超音波ホーン 18 前部超音波ホーン 18A 先端面 L0,L1,L2,L3 直線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山城 高久 東京都墨田区文花2丁目1−3 花王株式 会社研究所内 (72)発明者 佐藤 雅安 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606番地 花王株 式会社研究所内 Fターム(参考) 3B201 AA46 AB53 BA01 BB02 BB83 BB94 BC05 5D107 AA03 AA14 BB11 CC04 FF03 FF08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体を用いた超音波振動子に超音波ホ
    ーンが連接されてなる超音波振動部を備え、前記超音波
    ホーンの先端部を、洗浄液存在下で被洗浄物を接触させ
    て被洗浄物の洗浄を行う超音波洗浄装置であって、該装
    置の消費電力が1〜10Wに設定され、前記超音波振動
    子の定格出力の70%〜100%入力電圧に対する、洗
    浄後の被洗浄物の各洗浄度に基づき最小二乗法を用いて
    求められた洗浄度の傾きが0.1〜1.2であるように
    設定されたことを特徴とする超音波洗浄装置。
  2. 【請求項2】 前記超音波振動子の圧電体の厚みが2m
    m〜4mmであることを特徴とする請求項1記載の超音
    波洗浄装置。
  3. 【請求項3】 洗剤を含む洗浄液を介して被洗浄物に、
    超音波振動子を有する超音波装置により超音波を作用さ
    せて洗浄する超音波洗浄方法であって、 前記超音波振動子の定格出力の70%〜100%入力電
    圧に対する、洗浄後の被洗浄物の各洗浄度に基づき最小
    二乗法を用いて求められた洗浄度の傾きが0.1〜1.
    2である範囲で洗浄することを特徴とする超音波洗浄方
    法。
  4. 【請求項4】 前記超音波振動子の定格出力が1〜10
    Wであり、振動周波数が20KHz〜80KHzである
    ことを特徴とする請求項3記載の超音波洗浄方法。
  5. 【請求項5】 前記超音波振動子に供給される電流は、
    10〜200mAであることを特徴とする請求項4記載
    の超音波洗浄方法。
  6. 【請求項6】 前記洗剤は、少なくとも0.001〜3
    0%重量の活性剤を含むことを特徴とする請求項3乃至
    請求項5のいずれか1項記載の超音波洗浄方法。
  7. 【請求項7】 前記洗剤は、アルカリ安定性タンパク質
    分解酵素として0.01〜10%重量のセルラーゼを含
    む活性剤を含有することを特徴とする請求項3乃至請求
    項6のいずれか1項記載の超音波洗浄方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104190657A (zh) * 2014-09-01 2014-12-10 深圳市鑫承诺科技有限公司 重型蜡垢复合清洗工艺
CN105163890A (zh) * 2013-01-17 2015-12-16 世合系统工程股份有限公司 用于清洁焊接喷嘴的方法与设备
CN106319808A (zh) * 2016-09-30 2017-01-11 江苏双盈纺织科技有限公司 一种布料熨烫加工出布流水线
JPWO2022064680A1 (ja) * 2020-09-28 2022-03-31

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