JP2002247824A - ハイブリッド磁石型直流機 - Google Patents

ハイブリッド磁石型直流機

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JP2002247824A
JP2002247824A JP2001045470A JP2001045470A JP2002247824A JP 2002247824 A JP2002247824 A JP 2002247824A JP 2001045470 A JP2001045470 A JP 2001045470A JP 2001045470 A JP2001045470 A JP 2001045470A JP 2002247824 A JP2002247824 A JP 2002247824A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型化及びコストアップをすることはなくハ
イブリッド化の効果アップを図ることができるハイブリ
ッド磁石型直流機を提供する。 【解決手段】永久磁石33,34は、その磁束が電磁石
31,32の磁束と同じ方向になるように固定鉄心3
5,36と当接して配置されている。永久磁石33,3
4は、それぞれ両磁気部33a,33b,34a,34
bを備える。その両磁気部33a,33b,34a,3
4bは、ポールコア39,40の延出部39b,39
c,40b,40cに対し、そのN極面がN極側の延出
部39b,39cの外周面側に、S極面がS極側の延出
部40b,40cの外周面側に当接している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流機における固
定子にコイルと永久磁石とを備えたハイブリッド磁石型
直流機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より開発が進められている低消費電
力で高トルク小型モータは、自動車、OA機器、自販
機、医療・福祉機器分野などで幅広く利用されている。
通常、この種の分野に用いられているモータは、永久磁
石を用いたモータがほとんどで、技術的にかなり成熟し
ている。このため、飛躍的な高効率化、小型高トルク化
は難しい。この小型高トルク化のためにハイブリッド磁
石を利用したモータが知られている。
【0003】本出願人がこのような高効率化、小型高ト
ルク化を追求したハイブリッド磁石型直流モータを提案
しており、その一例として図4に示す。詳述すると、直
流モータ50の電機子51は、モータ回転軸52に外嵌
状態に固定された回転鉄心53と、回転鉄心53に巻回
された回転コイル54とを有する。回転鉄心53には、
その中央部から放射状に複数個のティース53aが延出
形成されている。
【0004】直流モータ50のヨーク55の内周面側に
は、略円環状の固定子56が固定されている。固定子5
6は、2つの電磁石57,58と一対の永久磁石59,
60とを有するハイブリッド磁石として構成され、前記
電機子51の外周面と所定のギャップで対向する状態に
配置されている。つまり、固定子56は、図4に示すよ
うに、2つの電磁石57,58が電機子51を挟んで対
向配置された状態で組付けられている。
【0005】前記電磁石57,58は固定鉄心61,6
2と、その鉄心部に巻回された固定コイル63,64と
を有している。固定鉄心61,62は断面略半円状の板
材からなるポールコア65,66を備える。ポールコア
65,66は、前記電機子51のティース53aと所定
のギャップで対向配置されている。
【0006】ポールコア65,66は、周方向両側に長
く延出する板状の延出部65a,66aを有する。延出
部65a,66aはその周方向両端部で屈曲して径方向
外側へ延びている。2つのポールコア65,66の各両
端部では、径方向に延びる延出部65a,66aが所定
距離を隔して対向する状態にある。
【0007】2つの永久磁石59,60は、2つのポー
ルコア65,66の各両端部で対峙する一対の延出部6
5a,66a間にそれぞれ挟持されている。すなわち永
久磁石59,60のN極は、N極のポールコア65の延
出部65aに当接し、永久磁石59,60のS極は、S
極のポールコア66の延出部66aに当接している。永
久磁石59,60はN極とS極を結ぶ方向がモータ周方
向とほぼ一致する向きに配置されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この構造を
有する直流モータでは、更なる高トルク化を図るために
永久磁石の磁力を多くするには、ポールコアと対面する
永久磁石の側面の面積を大きくする必要がある。つま
り、図4において、永久磁石59,60の側面59a,
60aのモータ径方向寸法を大きくすることによって永
久磁石59,60の側面59a,60aの面積を大きく
する必要がある。そのため、ハイブリッド磁石部がモー
タ径方向において厚くなり、ヨーク部径が大きくなって
しまう。これは、直流モータの小型化を図る上の問題点
となるとともに、直流モータの製造コストが高くなると
いう問題点となった。
【0009】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、大型化及びコストアッ
プをすることはなくハイブリッド化の効果アップを図る
ことができるハイブリッド磁石型直流機を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、周面に極歯を有する回
転鉄心に回転コイルが巻装され整流装置により常に回転
力を生じる磁場を発生させる電機子と、前記回転鉄心に
近接対向するポールコアを有する固定鉄心に固定コイル
が内空が前記電機子を向くように巻装され、周方向に交
互に異極性の磁場を発生させる複数の電磁石、および複
数の電磁石の間にそれぞれ設けられN極の固定鉄心にN
極を当接しS極の固定鉄心にS極を当接した複数の永久
磁石からなるハイブリッド磁石と、前記永久磁石と磁気
離間して配置され前記固定鉄心の突部にて接触する磁気
透過性の固定ヨークとを備え、前記ポールコアは断面略
半円状に形成され、前記電磁石の両端から突出する延出
部の外周面側に前記永久磁石の内周面側を当接させたこ
とを要旨とする。
【0011】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のハイブリッド磁石型直流機において、前記永久磁石
は、両磁気部を備え、当該両磁気部がそれぞれ磁気方向
が相反するように配置されるとともに、磁性絶縁体によ
り磁気離間されていることを要旨とする。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
のハイブリッド磁石型直流機において、前記永久磁石の
両磁気部は、そのN極とS極とを結ぶ方向が前記電機子
の径方向に沿うように配置したことを要旨とする。
【0013】請求項4に記載の発明は、請求項2又は3
に記載のハイブリッド磁石型直流機において、前記永久
磁石の両磁気部は、その外周面側に該両磁気部を跨る磁
気透過板材が当接し、その磁気透過板材と前記ポールコ
アとで挟持されるように配置したことを要旨とする。
【0014】(作用)請求項1および2に記載の発明に
よれば、永久磁石の磁気が電磁石の磁気の方向と同じに
なるように永久磁石が固定鉄心と当接して配置されてい
るので、電磁石の磁束+永久磁石の磁束という強力な磁
束を得ることができる。また、固定コイルの内空は電機
子を向いているので、電磁石の磁気方向を電機子側に向
くように固定鉄心を屈曲させるなどの形状をとる必要が
あまりない。このため、固定鉄心から出る磁束がトルク
の発生に無駄なく用いられる。
【0015】さらに、永久磁石を円周方向に延びるポー
ルコアの延出部の外周面側に当接させるように配置した
ため、固定鉄心(つまりポールコア)と永久磁石との接
触面積を固定ヨークの直径を大きくすることなく広げる
ことができる。その結果、大型化及びコストアップをす
ることはなく直流機のハイブリッド化の効果アップを図
ることができる。しかも、延出部では電磁石の磁気と永
久磁石の磁気が同じ極性で発生するので磁束が強力にな
り、永久磁石の磁束がヨーク側ではなくポールコアに流
れやすくなる。
【0016】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明の作用に加えて、永久磁石の両磁気部は、
そのN極とS極を結ぶ方向(つまり磁気の方向)が電機
子の径方向に沿うように配置したので、永久磁石の両磁
気部の着磁方向が電機子径方向の直線状の着磁にて行う
ことができる。その結果、永久磁石の着磁が容易にでき
ることから、直流機のコスト低減を更に図ることができ
る。
【0017】請求項4に記載の発明によれば、請求項2
又は3に記載の発明の作用に加えて、両磁気部の磁気は
磁気透過板材により導通され、回転コイル及び固定コイ
ルの励磁電流が「0」のときは、永久磁石の磁力線は、
固定子内のみを通る閉回路を作る。その結果、漏れ磁束
を無視すればコギングトルクが「0」になり、直流機が
駆動開始するときのコギングが発生し難くなる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化したハイブ
リッド磁石型の直流モータについて、図1〜図3に基づ
いて説明する。
【0019】図1は、直流モータの側断面を示す。ハイ
ブリッド磁石型直流機としての直流モータ1のモータハ
ウジング2は、筒状の固定ヨーク3と、固定ヨーク3の
両端に固定された2つのエンドフレーム4,5とからな
る。エンドフレーム4,5には各々の中心部に軸受6,
7が固設されている。固定ヨーク3とエンドフレーム
4,5とで形成される空間にはロータ10が収容されて
いる。ロータ10の回転軸11はエンドフレーム4の貫
通孔4aからその先端部を一部突出させた状態で、両軸
受6,7により回転可能に支持されている。
【0020】直流モータ1はブラシ式直流モータであっ
て、ロータ10は、回転軸11上に一体的に固定された
電機子(アーマチャ)20と、整流子(コンミテータ)
21とを有する。整流子21は、エンドフレーム5側の
内部に位置するように配置されている。固定ヨーク3と
エンドフレーム5との間を内部で略区画するように配置
された略円環状の台板22には2つのブラシホルダ23
が支持されている。各ブラシホルダ23に保持された2
本のブラシ24は、整流子21を挟む両側から整流子2
1の外周面に当接している。このブラシ24には配線お
よびコネクタ(いずれも図示省略)を介して直流電流が
給電されるようになっている。なお、整流子21、ブラ
シホルダ23およびブラシ24により、整流装置が構成
される。
【0021】また固定ヨーク3の内周面には、略円環状
の固定子(ステータ)30が固定されている。固定子3
0は、電機子20の外周面と所定のギャップで対向する
状態に配置されている。本実施形態の固定子30は、2
つの電磁石31,32と2つの永久磁石33,34とを
有するハイブリッド磁石として構成される。電磁石3
1,32は固定鉄心35,36と、その鉄心部に巻回さ
れたコイル(以下、固定コイルと称す)37,38とを
有している。
【0022】以下、電機子20および固定子30の構造
について詳しく説明する。図3は、直流モータ1の正断
面を示す。同図に示すように、電機子20は、回転軸1
1に外嵌状態に固定された回転鉄心25と、回転鉄心2
5に巻回されたコイル(以下、回転コイルと称す)26
とを有する。回転鉄心25には、その中央部から放射状
にかつ等角度間隔に複数個(本実施形態では10個)の
極歯としてのティース25aが延出形成されている。
【0023】隣り合うティース25a間で形成される空
間はスロット25bを構成することになる。コイル26
は、ティース25aの軸部に巻回された状態でスロット
25b内に収容されている。ティース25aに巻回され
たコイル26には、整流子21に当接するブラシ24を
介して直流電流が通電される。
【0024】一方、固定子30は、図3に示すように直
流モータ1の軸方向から見たときに、2つの電磁石31
が電機子20を挟んで対向配置された状態で組付けられ
ている。各電磁石31の固定鉄心35,36は断面略半
円状の板材からなるポールコア39,40を備える。ポ
ールコア39,40は、電機子20のティース25aと
所定のギャップで対向配置されている。固定鉄心35,
36は突部35a,36aを備えている。そして、固定
コイル37,38は、内空(コイル軸心方向)が前記電
機子20を向く(つまり、固定コイル37,38の軸心
方向が電機子20の略径方向となる)ように固定鉄心3
5,36の突部35a,36aに巻回されている。ま
た、2つの固定コイル37,38はモータ軸方向から見
たときに略半円弧をなす状態に対向配置されている。
【0025】固定コイル37,38は、配線およびコネ
クタ(いずれも図示省略)を介して直流電流が給電され
るようになっている。直流モータ1を駆動させるために
その駆動用のスイッチがオンされると、電機子20の回
転コイル26と、電磁石31,32の固定コイル37,
38に直流が給電される。固定コイル37,38の巻回
方向は、モータ外周面側から見たときに互いに逆巻きに
なるように設定されている。このため、固定コイル3
7,38が励磁された時は、図3において、上側に位置
する電磁石31のポールコア39がN極に磁化し、下側
に位置する電磁石32のポールコア40がS極に磁化す
るようになっている。
【0026】ポールコア39,40は、円弧状に形成さ
れ、前記電磁石31,32の両端から突出した延出部3
9b,39c,40b,40cを有している。ポールコ
ア39の両端延出部39b,39cとポールコア40の
両端延出部40b,40cとは所定距離を隔して対向す
る状態にある。
【0027】前記永久磁石33は、断面扇状に形成され
た2つの磁気部33a,33bを備えている。両磁気部
33a,33bはそれぞれ磁気方向が相反するように配
置されている。本実施形態では、磁気部33aは、その
内周面側がN極となり、その外周面側がS極となってい
る。また、磁気部33bは、その内周面側がS極とな
り、その外周面側がN極となっている。両磁気部33
a,33b間には、磁性絶縁体としての樹脂片Tが介在
され、その樹脂片Tにより磁気離間されている。
【0028】また、永久磁石33は、その一方の磁気部
33aの内周面側(N極)がN極に磁化される前記ポー
ルコア39の一端延出部39bの外周面側に当接し、そ
の他方の磁気部33bの内周面側(S極)がS極に磁化
される前記ポールコア40の一端延出部40bの外周面
側に当接するように配置されている。さらに、永久磁石
33の外周面側には、前記両磁気部33a,33bを跨
る磁気透過板材としてのコアプレート41が当接してい
る。つまり、永久磁石33は、前記ポールコア39,4
0とコアプレート41とで挟持されるとともに、両磁気
部33a,33bの磁気はコアプレート41により導通
されるようになっている。これにより、永久磁石33は
その磁気が電機子20の径方向(モータ径方向)に沿う
ように形成されている。
【0029】同様に、前記永久磁石34は、断面扇状に
形成された2つの磁気部34a,34bを備えている。
両磁気部34a,34bはそれぞれ磁気方向が相反する
ように配置されている。本実施形態では、磁気部34a
は、その内周面側がN極となり、その外周面側がS極と
なっている。また、磁気部34bは、その内周面側がS
極となり、その外周面側がN極となっている。両磁気部
34a,34b間には、磁性絶縁体としての樹脂片Tに
より磁気離間されている。
【0030】また、永久磁石34は、その一方の磁気部
34aの内周面側(N極)がN極に磁化される前記ポー
ルコア39の他端延出部39cの外周面側に当接し、そ
の他方の磁気部34bの内周面側(S極)がS極に磁化
される前記ポールコア40の他端延出部40cの外周面
側に当接するように配置されている。さらに、永久磁石
34の外周面側には、前記両磁気部34a,34bを跨
る磁気透過板材としてのコアプレート42が当接してい
る。つまり、永久磁石34は、前記ポールコア39,4
0とコアプレート42とで挟持されるとともに、両磁気
部34a,34bの磁気はコアプレート41により導通
されるようになっている。これにより、永久磁石34は
その磁気が電機子20の径方向(モータ径方向)に沿う
ように形成されている。
【0031】前記コアプレート41,42の外周面側
と、固定ヨーク3の内周面側との間には、樹脂製板材か
らなる絶縁材43,44がそれぞれ介装されている。こ
の絶縁材43,44の介在によって、永久磁石33,3
4と固定ヨーク3との間は磁気離間し、この間の磁気絶
縁を確保している。このような磁気絶縁を確保すること
で、永久磁石33,34の磁束が、必ず各ティース25
aと対向するポールコア39,40を経由するように設
定されている。
【0032】一方、電機子20側の回転コイル26は、
回転鉄心25において図3における左側略半分の各ティ
ース25aがN極に磁化され、右側略半分の各ティース
25aがS極に磁化されるようにその巻き方向が設定さ
れている。そして直流モータ1の駆動時には、ロータ1
0は図3における反時計回り方向に回転する。
【0033】次に、このハイブリッド磁石型の直流モー
タ1の作用を図2に従って説明する。図2(a)は直流
モータ1に電源供給していない状態を示し、図2(b)
は直流モータ1の固定コイル37,38に電源供給して
いる状態を示す。
【0034】直流モータ1に電源供給していない時は、
回転コイル26にも固定コイル37,38にも直流電流
は流されない。図2(a)に示すように両コイル26,
37,38の励磁電流が「0」のときは、永久磁石3
3,34の磁力線Aは、実線で示すように固定子30内
のみを通る閉回路を作る。よって、漏れ磁束を無視すれ
ばコギングトルクが「0」になる。この結果、直流モー
タ1が駆動開始するときのコギングが発生し難くなる。
【0035】また、直流モータ1の固定コイル37,3
8に電源供給している時には、固定コイル37,38に
直流電流が流される。電機子20側の回転コイル26に
流れる電流は、ロータ10の回転に同期して向きが切り
換わる。その結果、図2(b)における電機子20にお
いて、左側略半分に位置する各ティース25aがN極に
磁化され、右側略半分に位置する各ティース25aがS
極に磁化される。また固定子30側の固定コイル37,
38に流れる直流電流によって、図2(b)における固
定子30では、上側のポールコア39がN極に磁化し、
下側のポールコア40がS極に磁化する。
【0036】そして、ロータ10の左側略半分のN極に
磁化した各ティース25aは、固定子30の上側略半分
に位置するN極のポールコア39から反発力を受けると
ともに、固定子30の下側略半分に位置するS極のポー
ルコア40から吸引力を受ける。同様に、ロータ10の
右側略半分のS極に磁化した各ティース25aは、固定
子30の下側略半分に位置するS極のポールコア40か
ら反発力を受けるとともに、固定子30の上側略半分に
位置するN極のポールコア39から吸引力を受ける。こ
のため、ロータ10には図2における反時計回り方向の
回転駆動力が作用して、直流モータ1は回転駆動する。
【0037】この際、図2(b)に示すように、固定コ
イル37,38が作る磁力線Bは、実線に示すような閉
回路となる。このとき永久磁石33,34の磁力線A
は、固定コイル37,38の作る磁力線による引き込み
作用によってポールコア39,40からティース25a
を経由してロータ10側へ引き込まれて、破線に示すよ
うに固定コイル37,38の磁力線Bと同じ方向とな
る。よって、固定コイル37,38の磁力線Bと永久磁
石33,34の磁力線Aとが強め合う増幅作用によっ
て、固定子30と電機子20との間を通る磁力線が増幅
される。この結果、直流モータ1は大きな駆動トルクで
回転する。
【0038】以上詳述したように本実施形態によれば、
以下の効果が得られる。 (1)本実施形態では、永久磁石33,34は、その磁
束が電磁石31,32の磁束と同じ方向になるように固
定鉄心35,36と当接して配置されているので、電磁
石31,32の磁束+永久磁石の磁束という強力な磁束
を得ることができる。
【0039】(2)本実施形態では、永久磁石33,3
4の両磁気部33a,33b,34a,34bは、ポー
ルコア39,40の延出部39b,39c,40b,4
0cに対し、そのN極面がN極側の延出部39b,39
cの外周面側に、S極面がS極側の延出部40b,40
cの外周面側に当接している。従って、延出部39b,
39c,40b,40cでは電磁石31,32の磁気と
永久磁石33,34の両磁気部33a,33b,34
a,34bの磁気が同じ極性で発生するので磁束が強力
になり、しかも、永久磁石33,34の磁束が固定ヨー
ク3側ではなくポールコア39,40に流れやすくな
る。
【0040】また、この構成により、固定鉄心35,3
6(つまりポールコア39,40)と永久磁石33,3
4との接触面積は、延出部39b,39c,40b,4
0cの円周上の長さを長くすることによって大きくする
ことができる。その結果、固定鉄心35,36(つまり
ポールコア39,40)と永久磁石33,34との接触
面積を固定ヨーク3の直径を大きくすることなく広げる
ことができる。その結果、直流モータ1の大型化及びコ
ストアップをすることはなくハイブリッド化の効果アッ
プを図ることができる。
【0041】(3)本実施形態では、固定コイル37,
38の内空(コイル軸心方向)は電機子20を向いてい
るので、電磁石31,32の磁気の方向を電機子20側
に向くように固定鉄心35,36を屈曲させるなどの形
状をとる必要があまりない。このため、固定鉄心35,
36から出る磁束がトルクの発生に無駄なく用いられ
る。
【0042】(4)本実施形態では、永久磁石33は、
その両磁気部33a,33bが樹脂片Tを挟んでポール
コア39,40とコアプレート41とで挟持されるよう
に配置されている。また、永久磁石34は、その両磁気
部34a,34bが樹脂片Tを挟んでポールコア39,
40とコアプレート42とで挟持されるように配置され
ている。従って、永久磁石33,34は、ずれが無くよ
り安定に配置されることができる。
【0043】(5)本実施形態では、永久磁石33,3
4の両磁気部33a,33b,34a,34bは、それ
ぞれのN極とS極を結ぶ方向(つまり磁気の方向)がモ
ータ径方向に沿うように配置したので、永久磁石33,
34の両磁気部33a,33b,34a,34bの着磁
方向がモータ径方向の直線状の着磁にて行うことができ
る。その結果、永久磁石33,34の着磁が容易にでき
ることから、直流モータ1のコスト低減を図ることがで
きる。
【0044】なお、実施の形態は、上記に限定されず以
下の態様でも実施できる。 ○ハイブリッド磁石型直流機は、インナーロータ式に限
定されない。アウターロータ式で構成することもでき
る。
【0045】○ティースの形状や数は、適宜変更でき
る。 ○固定子側の電磁石は2個に限定されない。つまり固定
子側(ポールコア)の磁極は、周方向にN極とS極を交
互に配置できるのであれば足り、この限りにおいて電磁
石は偶数個であればよい。例えば固定子側に4個の電磁
石を周方向に配列する構造を採ることもできる。もちろ
ん電磁石を6個以上の複数個とすることもできる。
【0046】○永久磁石33は、その両磁気部33a,
33bが樹脂片Tを挟み、永久磁石34は、その両磁気
部34a,34bが樹脂片Tを挟むように配置された
が、樹脂片Tの代わりに、永久磁石33の両磁気部33
a,33b間に隙間を、永久磁石34の両磁気部34
a,34b間に隙間を設けて実施してもよい。
【0047】前記実施形態及び別例(各図面を含む)か
ら把握される技術的思想を、以下に記載する。 (1) 請求項1〜4の技術的思想のいずれかにおい
て、前記固定鉄心(35,36)は、前記電機子(2
0)の極歯(25a)と対向する円弧面を有するととも
に磁極となるポールコア(39,40)を備える。
【0048】(2)前記(1)の技術的思想において、
前記ポールコア(39,40)は周方向に複数の極歯
(25a)と一度に対向するだけの長さを有する。 (3)請求項1〜4及び前記(1)(2)の技術的思想
のいずれかにおいて、前記固定鉄心(35,36)に
は、前記ポールコア(39,40)の外周面側背面に突
部(35a,36a)が設けられており、前記固定コイ
ル(37,38)は該突部(35a,36a)に巻回さ
れている。
【0049】(4)請求項1〜4及び前記(1)〜
(3)の技術的思想のいずれかにおいて、前記電磁石
(31,32)は2つである。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜4に記載
の発明によれば、大型化及びコストアップをすることは
なく直流機のハイブリッド化の効果アップを図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のハイブリッド磁石型直流機の側断
面図。
【図2】本実施形態のハイブリッド磁石型直流機の作用
を説明する断面図。
【図3】本実施形態の直流機の正断面図。
【図4】従来のハイブリッド磁石型直流機の正断面図。
【符号の説明】
1…ハイブリッド磁石型直流機としての直流モータ、3
…固定ヨーク、20…電機子、25…回転鉄心、25a
…極歯としてのティース、26…回転コイル、30…固
定子(ステータ)、31,32…固定子を構成する電磁
石、33,34…永久磁石、33a,33b…永久磁石
33を構成する両磁気部、34a,34b…永久磁石3
4を構成する両磁気部、35,36…固定鉄心、35
a,36a…固定鉄心を構成する突部、37,38…固
定コイル、39,40…ポールコア、39b,39c,
40b,40c…ポールコアの延出部、41,42…磁
気透過板材としてのコアプレート。
フロントページの続き Fターム(参考) 5H002 AA09 AB05 AB06 AC04 AE07 AE08 5H622 AA03 CA02 CA05 CA12 CB04 CB05 CB06 PP03 PP07 PP19 5H623 AA01 BB07 GG14 GG18 GG19 GG22 GG28 LL09 LL12 LL14 LL19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周面に極歯(25a)を有する回転鉄心
    (25)に回転コイル(26)が巻装され整流装置(2
    1,24)により常に回転力を生じる磁場を発生させる
    電機子(20)と、 前記回転鉄心(25)に近接対向するポールコア(3
    9,40)を有する固定鉄心(35,36)に固定コイ
    ル(37,38)が内空が前記電機子(20)を向くよ
    うに巻装され、周方向に交互に異極性の磁場を発生させ
    る複数の電磁石(31,32)、および複数の電磁石
    (31,32)の間にそれぞれ設けられN極の固定鉄心
    (35)にN極を当接しS極の固定鉄心(36)にS極
    を当接した複数の永久磁石(33,34)からなるハイ
    ブリッド磁石(30)と、 前記永久磁石(33,34)と磁気離間して配置され前
    記固定鉄心(35,36)の突部(35a,36a)に
    て接触する磁気透過性の固定ヨーク(3)とを備え、 前記ポールコア(39,40)は断面略半円状に形成さ
    れ、前記電磁石(31,32)の両端から突出する延出
    部(39b,39c,40b,40c)の外周面側に前
    記永久磁石(33,34)の内周面側を当接させたこと
    を特徴とするハイブリッド磁石型直流機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のハイブリッド磁石型直
    流機において、 前記永久磁石(33,34)は、両磁気部(33a,3
    3b,34a,34b)を備え、当該両磁気部(33
    a,33b,34a,34b)がそれぞれ磁気方向が相
    反するように配置されるとともに、磁性絶縁体により磁
    気離間されていることを特徴とするハイブリッド磁石型
    直流機。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のハイブリッド磁石型直
    流機において、 前記永久磁石(33,34)の両磁気部(33a,33
    b,34a,34b)は、そのN極とS極とを結ぶ方向
    が前記電機子(20)の径方向に沿うように配置したこ
    とを特徴とするハイブリッド磁石型直流機。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載のハイブリッド磁
    石型直流機において、 前記永久磁石(33,34)の両磁気部(33a,33
    b,34a,34b)は、その外周面側に該両磁気部
    (33a,33b,34a,34b)を跨る磁気透過板
    材(41,42)が当接し、その磁気透過板材(41,
    42)と前記ポールコア(39,40)とで挟持される
    ように配置したことを特徴とするハイブリッド磁石型直
    流機。
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