JP2002246818A - 車載用アンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シール材や充填材を用いることのない防水構
造とする。 【解決手段】 ベース本体部４ａの周縁をパッド本体部
５ａにおける第１リング状溝部５ｄ内に嵌着する。次い
で、カバー本体部６ａをパッド本体部５ａにおける第２
リング状溝部５ｅに嵌着する。ベース本体部４ａの下か
ら固定ネジを挿通してカバー本体部６ａ内に形成されて
いるボス６ｄ，６ｅに螺着する。これにより、第２リン
グ部５ｃがカバー本体部６ａの下端とベース本体部４ａ
の上面とで挟持されて固着されるようになる。したがっ
て、ベース本体部４ａとカバー本体部５ａとを水密に固
着することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、車体のルーフに取
り付けるルーフアンテナに適用して好適な車載用アンテ
ナに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】車体に取り付けられるアンテナとしては
種々のアンテナがあるが、車体では最も高い位置にある
ルーフにアンテナを取り付けるようにすると受信感度を
高めることができる。このため、図１１に示すように自
動車１００のルーフに取り付ける車載用アンテナ１０１
が従来から用いられている。また、車体内には一般にＦ
ＭラジオとＡＭラジオとが設けられているため、ＦＭラ
ジオ帯とＡＭラジオ帯の両方を受信できるアンテナが便
利なことから、車載用アンテナ１０１は、一般的に２つ
のラジオ帯を共用して受信することができるようにされ
ている。

【０００３】このような車載用アンテナ１０１は、アン
テナエレメントと、アンテナエレメントが着脱可能に取
り付けられるアンテナケースとを少なくとも備えてい
る。さらに、アンテナケースを水密にルーフに取り付け
られるように、アンテナケースの下部には柔軟なゴムや
樹脂からなるベースパッドが嵌着されている。このよう
な車載用アンテナ１０１におけるアンテナケースの従来
の構成例を図１２に断面図で示す。図１２（ａ）に示す
車載用アンテナ１０１におけるアンテナケースにおいて
は、下部が開口されている樹脂製のカバー部１０６の上
部に、アンテナエレメントが着脱自在に取り付けられる
固定ネジ部１０６ｂが一体に設けられている。このカバ
ー部１０６におけるカバー本体部１０６ａの下部に、金
属製のアンテナベース１０４を固着することによりアン
テナケースが構成されている。これにより、カバー部１
０６の下端の開口が閉じられて内部に収納空間が形成さ
れる。カバー本体部１０６ａとアンテナベース１０４と
は、アンテナベース１０４の下面から固定用のネジを複
数本挿通して、カバー本体部１０６ａの内面に形成され
たボス１０６ｄおよびボス１０６ｅにそれぞれ螺着する
ことにより、両者は固着されている。アンテナベース１
０４の下面からは、ルーフに車載用アンテナ１０１を取
り付けるための取付部が突出して一体に形成されてい
る。

【０００４】さらに、車載用アンテナ１０１がルーフに
取り付けられた際には、アンテナベース１０４の下面が
ルーフに対面することになり、雨等がアンテナベース１
０４とルーフとの間に浸入すると、ルーフに設けられた
貫通孔を介して車体内に延伸している取付部を伝わって
浸入した水が車体内に浸入するようになる。そこで、ア
ンテナケースの下部に柔軟なゴムや樹脂からなるベース
パッド１０５を嵌着することにより、車体内に水が浸入
することを防止している。さらに、アンテナベース１０
４の上面の周縁部にＯリング１０７を配置して、Ｏリン
グ１０７上にカバー本体部１０６ａの下端を当接させる
ことによりアンテナケースを防水構造としている。さら
にまた、アンテナベース１０４の下面から突出している
取付部の根本にＯリング１０８を装着して、これによっ
ても車体内に水が浸入することを防止している。

【０００５】次に、図１２（ｂ）に示す車載用アンテナ
における他のアンテナケースについて説明するが、この
アンテナケースは、図１２（ａ）に示すアンテナケース
と防水構造が異なるだけであるので、その防水構造につ
いてのみ説明する。図１２（ｂ）に示すアンテナケース
の防水構造は、アンテナケースの下部に柔軟なゴムや樹
脂からなるベースパッド１０５を嵌着することにより車
体内に水が浸入することを防止している。さらに、アン
テナベース１０４とカバー本体部１０６ａとで形成され
ているアンテナケースにおける収納空間部に充填材１０
９を充填することにより、アンテナケースを防水構造と
している。さらにまた、アンテナベース１０４の下面か
ら突出している取付部の根本にＯリング１０８を装着し
て、これによっても車体内に水が浸入することを防止し
ている。

【０００６】次に、図１２（ｃ）に示す車載用アンテナ
におけるさらに他のアンテナケースについて説明する
が、このアンテナケースも、図１２（ａ）に示すアンテ
ナケースと防水構造が異なるだけであるので、その防水
構造についてのみ説明する。図１２（ｃ）に示すアンテ
ナケースの防水構造は、アンテナケースの下部に柔軟な
ゴムや樹脂からなるベースパッド１０５を嵌着すること
により車体内に水が浸入することを防止している。さら
に、アンテナベース１０４とカバー本体部１０６ａとの
接合部分にシール材１１０を塗布して両者を固着するこ
とにより、アンテナケースを防水構造としている。さら
にまた、アンテナベース１０４の下面から突出している
取付部の根本にＯリング１０８を装着して、これによっ
ても車体内に水が浸入することを防止している。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
車載用アンテナにおけるいずれのアンテナケースでも、
ベースパッド１０５はアンテナケースの下部に嵌着され
ているだけであるので、車載用アンテナの輸送時や取り
付け時にベースパッド１０５がアンテナケースから脱落
したり、あるいは位置ずれが発生するという問題点があ
った。さらに、脱落したベースパッド１０５をアンテナ
ケースに取り付けた際に、位置決め手段が設けられてい
ないことから位置ずれして取り付けられてしまうという
問題点があった。また、アンテナベースとカバー本体部
の下端との間にＯリングを配置したり、アンテナケース
の内部に充填材を充填する防水構造では、Ｏリングや充
填材が必要になると共に、充填作業が必要になるという
問題点がある。さらに、充填した後ではアンテナケース
を分解することが不可能になるという問題点があった。
さらに、シール材１１０を塗布する防水構造では、シー
ル材１１０を塗布する量が多いとシール材１１０がはみ
出してふき取り作業が必要になり、塗布量が少ないと所
要の防水性能が得られないという問題点がある。さら
に、シール材１１０を塗布してから乾燥させる時間が必
要になるという問題点もある。

【０００８】そこで、本発明は、ベースパッドがアンテ
ナケースから脱落したり位置ずれすることのない車載用
アンテナを提供することを目的としている。また、本発
明はシール材や充填材を用いることのない防水構造の車
載用アンテナを提供することを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の車載用アンテナは、アンテナエレメント
と、下面が開口しているカバー部と、該カバー部の開口
面を覆うように固着された略平面状のアンテナベースと
からなり、前記アンテナエレメントが装着可能とされて
いると共に、内部に収納空間が形成されているアンテナ
ケースと、該アンテナケースの下部周縁に嵌着される略
リング状のパッド本体部からなるベースパッドとを備
え、前記パッド本体部が前記アンテナベースに嵌着され
た状態において、前記アンテナベースを前記カバー部に
固着することにより、前記パッド本体部の内周面から突
出するように形成されているリング部が、前記カバー部
の下端と前記アンテナベースの上面とで挟持されて固着
されるようにしている。

【００１０】また、上記本発明の車載用アンテナにおい
て、前記アンテナベースの上面には複数の突起部が形成
されており、該突起部に当接する当接部が前記カバー部
の内面から突出して形成されており、前記アンテナベー
スに前記カバー部を固着した際に、前記突起部に前記当
接部が当接することにより、前記カバー部の下端による
前記ベースパッドにおける前記リング部の圧縮が規制さ
れるようになされていてもよい。さらに、上記本発明の
車載用アンテナにおいて、前記カバー部の下端には、そ
の下面から突出してリブが形成されていてもよい。さら
にまた、上記本発明の車載用アンテナにおいて、前記パ
ッド本体部における前記リング部の一面にリング状リブ
が突出して形成されており、該リング状リブに前記カバ
ー部の下端が当接されるようになされていてもよい。さ
らにまた、上記本発明の車載用アンテナにおいて、前記
パッド本体部の内周面に、前記アンテナベースの外周縁
が嵌挿されるリング状溝部が形成されていてもよい。さ
らにまた、上記本発明の車載用アンテナにおいて、前記
パッド本体部を前記アンテナベースに嵌着した際に、前
記アンテナベースに形成されている前記突起部に嵌合さ
れる位置決め用の嵌合部が、前記パッド本体部における
リング部に形成されていてもよい。

【００１１】このような本発明によれば、リング状のパ
ッド本体部の内周面から突出するように形成されている
リング部が、カバー部の下端とアンテナベースの上面と
で挟持されて固着されるようにしているので、パッド本
体部がアンテナケースから脱落したり位置ずれが生じる
ことを防止することができる。さらに、パッド本体部に
おけるリング部がカバー部の下端とアンテナベースの上
面とで挟持されることから、アンテナケースを防水構造
とすることができる。また、リング部が、カバー部の下
端とアンテナベースの上面とで挟持されて圧縮される度
合いを、突起部と当接部とにより規制するようにしたの
で、必要以上にリング部が押し潰されることを防止する
ことができ、長期間にわたる防水性を保持することがで
きる。さらにまた、このカバー部の下端あるいは第２リ
ング部の上面にリブを設けることにより、防水性を向上
することができる。さらにまた、パッド本体部にはアン
テナベースに対する位置決め手段が設けられているの
で、組立時に位置ずれすることなく組み立てることがで
きるようになる。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の車載用アンテナの実施の
形態の全体の構成を図１に示す。図１に示す本発明の実
施の形態に係る車載用アンテナ１は、図１１に示すよう
に自動車のルーフに取り付けられるアンテナとされてい
る。この車載用アンテナ１は、アンテナエレメント２
と、アンテナエレメント２が着脱自在に螺着されている
アンテナケース３とから構成されている。アンテナエレ
メント２は、横方向からの荷重を受けた際に折曲可能な
可撓性のアンテナ基部１３と、アンテナ基部１３から延
伸しているエレメント部１２と、エレメント部１２の先
端に設けられたアンテナトップ１１とから構成されてい
る。アンテナ基部１３内にはコイルが内蔵されており、
このコイルの作用によりアンテナエレメント２は、多周
波で動作するようになされている。エレメント部１２に
は、高速走行時に発生しやすい風切り音を防止するため
にヘリカル状の突起が形成されている。また、図示され
ていないがアンテナ基部１３の下端にはアンテナエレメ
ント２をアンテナケース３に螺着するためのアンテナ取
付ネジが突出するよう形成されている。このアンテナ取
付ネジは、アンテナエレメント２の給電も兼ねている。

【００１３】アンテナケース３は、下部が開口された樹
脂製のカバー部６と、カバー部６の開口面を覆うように
固着されている金属製のアンテナベース４とから構成さ
れている。アンテナケース３内には、回路基板を収納可
能な収納空間が形成されており、回路基板には分波回路
や分波された受信信号を増幅する増幅回路が組み込まれ
る。この回路基板は図示しないアース金具にハンダ付け
等により固着されており、アース金具はアンテナベース
４の上面に固着される。アンテナケース３からは、受信
された信号を導出したり回路基板に給電するケーブル７
が引き出されている。また、アンテナベース４の下面に
は、ルーフに形成された貫通孔内に挿入されて車内から
取付ナットが螺着されることにより、車載用アンテナ１
をルーフに取り付けるための取付部４ｂが突出するよう
一体に形成されている。さらに、アンテナケース３の下
部にはアンテナケース３を水密に、かつ、傷つけないよ
うにルーフに取り付けられるように、柔軟なゴムや樹脂
製のベースパッド５が嵌着されている。このベースパッ
ド５は、後述するようにその一部がカバー部６の下端と
アンテナベース４の上面とで挟持されて固着されてい
る。これにより、ベースパッド５がアンテナケース３か
ら脱落したり位置ずれが生じることを防止することがで
きる。

【００１４】本発明にかかる車載用アンテナ１におい
て、特徴的な構成はアンテナケース３とベースパッド５
とにかかる構成であるので、以下にその説明を図２およ
び図３を参照して行う。図２は、本発明にかかる車載用
アンテナ１におけるアンテナケース３の分解組立図であ
り、図３は組み立てられたアンテナケース３の構成を示
す断面図および一部拡大図である。これらの図に示すよ
うに、アンテナケース３は、アンテナベース４とカバー
部６とにより、アンテナベース４の周縁に嵌着されたベ
ースパッド５を挟持して固着するように構成されてい
る。カバー部６は、下部が開口されている樹脂製のカバ
ー本体部６ａからなり、その上部に、アンテナエレメン
ト２が着脱自在に螺着される固定ネジ部６ｂが一体に設
けられている。また、カバー本体部６ａの下端面には、
リブ６ｃが突出するように形成されている。さらに、カ
バー本体部６ａの内部にはボス６ｄと一対のボス６ｅと
が形成されている。

【００１５】一方、金属製とされたアンテナベース４
は、略楕円形の形状とされたベース本体部４ａと、ベー
ス本体部４ａの下面から下に突出するよう一体に形成さ
れている取付部４ｂから構成されている。ベース本体部
４ａには、３つのネジ挿通孔４ｅ，４ｉ（図６参照）が
形成されており、このネジ挿通孔４ｅ，４ｉを取り囲む
ように上面に突起部４ｇ，４ｆが形成されている。ま
た、ベース本体部４ａのほぼ中央にはケーブル７を外部
へ引き出すための挿通孔４ｄが形成されている。さら
に、取付部４ｂの外周面には固定ナットが螺着されるネ
ジ部４ｈが形成されており、挿通孔４ｄが延伸されて取
付部４ｂの中心軸にほぼ沿って形成されている。この挿
通孔４ｄに達するように、取付部４ｂの外周面からほぼ
中心軸に沿って切り欠かれることにより切欠部４ｃが形
成されている。切欠部４ｃからはケーブル７を引き出す
ことができ、これにより、挿通孔４ｄから引き出された
ケーブル７をベース本体部４ａの下面にほぼ平行して配
置することができるようになる。

【００１６】さらに、ベースパッド５は略リング状に形
成されたパッド本体部５ａからなり、パッド本体部５ａ
の内周面には第１リング部５ｂおよび第２リング部５ｃ
がほぼ平行して２段に形成されている。これにより、第
１リング部５ｂと第２リング部５ｃとの間には第１リン
グ状溝部５ｄが形成され、第２リング部５ｃの上部に第
２リング状溝部５ｅが形成されている。また、パッド本
体部５ａの下部にはスカート部５ｆが設けられており、
ルーフに載置された際にルーフに密着するようにされて
いる。

【００１７】アンテナケース３を組み立てる際には、こ
のように構成されたベースパッド５をアンテナベース４
に嵌着する。この際に、第２リング部５ｃに形成された
後述する嵌合孔５ｈ（図８参照）に一対の突起部４ｆを
嵌合させることにより位置決めして、ベース本体部４ａ
の周縁部をパッド本体部５ａの第１リング状溝部５ｄ内
に嵌着させる。この状態において、カバー部６をベース
パッド５の上から嵌着する。この際に、カバー本体部６
ａの下部がパッド本体部５ａの第２リング状溝部５ｅ内
に嵌着される。次いで、アンテナベース４のネジ挿通孔
４ｅ，４ｉにそれぞれ下から固定ネジ２０を挿通して、
カバー本体部６ａに形成されているボス６ｄと一対のボ
ス６ｅにそれぞれねじ込む。これにより、アンテナベー
ス４とカバー部６とにより、ベースパッド５の第２リン
グ部５ｃが挟持されて、これらが一体になるように固着
され、ベースパッド５がアンテナケース３から脱落した
り位置ずれが生じることを防止できるようになる。

【００１８】このようにして組み立てられたアンテナケ
ースが図３（ａ）に示すアンテナケース３であり、カバ
ー本体部６ａに形成されているボス６ｄの周辺Ａの構成
がＡ部拡大図として図３（ｂ）に示され、ボス６ｅの周
辺Ｂの構成がＢ部拡大図として図３（ｃ）に示されてい
る。図３（ａ）に示すように、カバー本体部６ａの下端
とベース本体部４ａの上面との間には、ベースパッド５
の第１リング部５ｃが圧縮されて介在するようになるこ
とから、アンテナケース３を防水構造とすることができ
る。この場合、カバー本体部６ａの下端面にはリブ６ｃ
が突出して形成されているため、リブ６ｃの作用により
確実に防水することができるようになる。さらに、アン
テナベース４の下面から突出している取付部４ｂの根本
にＯリング８が装着されて、これによっても車体内に水
が浸入することを防止している。

【００１９】また、図３（ｂ）に示すように、固定ネジ
２０がベースパッド５の下から挿通されてボス６ｄにね
じ込まれている。この場合、ベースパッド５の上面にお
いて、ネジ挿通孔４ｅの周囲に形成されている突起部４
ｇの上端がボス６ｄの下端に当接するようになる。ま
た、図３（ｃ）に示すように、固定ネジ２１がベースパ
ッド５の下から挿通されてボス６ｅにねじ込まれてい
る。この場合、ベースパッド５の上面において、ネジ挿
通孔４ｉの周囲に形成されている突起部４ｆの上端がボ
ス６ｅの下端に当接するようになる。すなわち、突起部
４ｇ、４ｆの上端にボス６ｅ、６ｅの下端が当接した際
に、固定ネジ２０，２１による螺着が終了することにな
るから、カバー本体部６ａの下端とベース本体部４ａの
上面とで挟持されるベースパッド５の第２リング部５ｃ
の圧縮が規制されるようになる。このような構成によ
り、第２リング部５ｃが必要以上に押し潰されることが
防止され、長期間にわたり防水機能を発揮することがで
きるようになる。

【００２０】次に、カバー部６の詳細構成を図４および
図５に示す。ただし、図４（ａ）はカバー部６の上面図
であり、図４（ｂ）はその正面図であり、図４（ｃ）は
その下面図であり、図５（ａ）はカバー部６をほぼ中央
で切断した際の断面図であり、図５（ｂ）はその一部を
拡大して示す図である。これらの図に示すように、カバ
ー部６は、下部が開口されている樹脂製のカバー本体部
６ａからなり、その上部に、アンテナエレメント２が着
脱自在に螺着される固定ネジ部６ｂが一体に設けられて
いる。また、カバー本体部６ａの下端面には、図５
（ｂ）に示すようにリブ６ｃが突出するように形成され
ている。さらに、カバー本体部６ａの内部には図４
（ｃ）に示すようにボス６ｄと一対のボス６ｅとが形成
されている。なお、カバー本体部６ａの内部は収納空間
６ｆとされている。

【００２１】次に、アンテナベース４の詳細構成を図６
および図７に示す。ただし、図６（ａ）はアンテナベー
ス４の上面図であり、図６（ｂ）はアンテナベース４を
ほぼ中央で切断した際の正面の断面図であり、図６
（ｃ）はその下面図であり、図７（ａ）はその左側面図
であり、図７（ｂ）はその右側面図である。これらの図
に示すように、金属製とされたアンテナベース４は、略
楕円形の形状とされたベース本体部４ａと、ベース本体
部４ａの下面から下に突出するよう一体に形成されてい
る取付部４ｂから構成されている。ベース本体部４ａの
上面には、図６（ａ）（ｃ）に示すようにネジ挿通孔４
ｅと一対のネジ挿通孔４ｉが形成されており、これらの
ネジ挿通孔４ｅ，４ｉを取り囲むように突起部４ｇと一
対の突起部４ｆがそれぞれ形成されている。また、アン
テナベース４とカバー部６とで形成される収納空間６ｆ
には、アンテナエレメント２で受信された信号を増幅し
たり分波する回路が組まれた回路基板を収納することが
でき、この回路基板は図示しないアース金具にハンダ付
け等により固着されており、アース金具を立設して固定
するための一対の基板固定部４ｊがベース本体部４ａの
上面に設けられている。

【００２２】さらに、ベース本体部４ａのほぼ中央には
ケーブル７を外部へ引き出すための挿通孔４ｄが形成さ
れている。この挿通孔４ｄは、取付部４ｂの中心軸にほ
ぼ沿って延伸されて形成されており、この挿通孔４ｄに
はケーブル７が挿通可能とされる。取付部４ｂの外周面
には固定ナットが螺着されるネジ部４ｈが形成されてお
り、図６（ｃ）および図７（ｂ）に示すように挿通孔４
ｄに達するように取付部４ｂの外周面からほぼ中心軸に
沿って切り欠かれることにより切欠部４ｃが形成されて
いる。切欠部４ｃからはケーブル７を引き出すことがで
き、これにより、挿通孔４ｄを介して引き出されたケー
ブル７をベース本体部４ａの下面にほぼ平行して配置す
ることができるようになる。なお、取付部４ｂのネジ部
４ｈに車体内から固定ナットが螺着された際に、ルーフ
に当接するベースパッド５における第１リング部５ｂが
必要以上に押し潰されるのを防止するための４つの突起
４ｋがベース本体部４ａの下面に形成されている。

【００２３】次に、ベースパッド５の詳細構成を図８お
よび図９に示す。ただし、図８（ａ）はベースパッド５
の上面図であり、図８（ｂ）はその正面図であり、図８
（ｃ）はその下面図であり、図９（ａ）はベースパッド
５をほぼ中央で切断した際の側面の断面図であり、図９
（ｂ）はその正面の断面図であり、図９（ｃ）はその一
部を拡大して示す図である。ベースパッド５は略リング
状に形成されたパッド本体部５ａからなり、嵌着孔５ｇ
が中央に形成されている。この嵌着孔５ｇの内周面には
第１リング部５ｂおよび第２リング部５ｃがほぼ平行し
て２段に形成されている。第２リング部５ｃには一対の
嵌合孔５ｈが形成されており、嵌合孔５ｈの周辺は内側
に突出して形成されている。この嵌合孔５ｈは、アンテ
ナベース４における一対の突起部４ｆにそれぞれ嵌合可
能とされており、嵌合されることによりベースパッド５
をアンテナベース４に位置決めすることができる。

【００２４】また、第１リング部５ｂと第２リング部５
ｃとの間には第１リング状溝部５ｄが形成され、第２リ
ング部５ｃの上部に第２リング状溝部５ｅが形成されて
いる。第１リング状溝部５ｄは、ベース本体部４ａの周
縁部を嵌着することができ、第２リング状溝部５ｅに
は、カバー部６の下部を嵌着することができるようにな
されている。さらにまた、パッド本体部５ａの下部には
スカート部５ｆが設けられており、ルーフに載置されて
固着された際にルーフに密着するようにされている。な
お、ベース本体部４ａにおける取付部４ｂのネジ部４ｈ
に車体内から固定ナットが螺着された際に、第１リング
部５ｂはベース本体部４ａの周縁とルーフとの間に挟持
されて密着するようになり、これにより第１リング５ｂ
の内部に水が浸入することを防止している。

【００２５】次に、本発明にかかる車載用アンテナ１に
おけるアンテナケースの変形例の構成を図１０に示す。
図１０においては変形例のアンテナケース３０の構成を
分解組立図で示している。上記説明した本発明にかかる
車載用アンテナ１のアンテナケース３においては、カバ
ー本体部６ａの下端面にはリブ６ｃを突出して形成し、
このリブ６ｃをパッド本体部５ａにおける第２リング部
５ｃの上面に圧接していた。図１０に示す変形例のアン
テナケース３０においては、これに替えて、パッド本体
部５ａにおける第２リング部５ｃの上面にリング状リブ
５ｉを形成するようにしている。そして、カバー部６を
アンテナベース４に嵌着した際に、カバー本体部６ａの
下端がリング状リブ５ｉを押し潰すように第２リング部
５ｃに圧接されるようになる。これにより、アンテナケ
ース３０はリング状リブ５ｉの作用により確実に防水す
ることができるようになる。変形例のアンテナケース３
０における他の構成は、前述したアンテナケース３の構
成と同様であるのでその説明は省略する。ところで、本
発明にかかる車載用アンテナ１において、アンテナエレ
メント２はＡＭ帯とＦＭ帯の２周波共用アンテナとした
り、電話帯を加えた３周波共用アンテナとすることがで
きる。

【００２６】

【発明の効果】本発明は以上説明したように、リング状
のパッド本体部の内周面から突出するように形成されて
いるリング部が、カバー部の下端とアンテナベースの上
面とで挟持されて固着されるようにしているので、パッ
ド本体部がアンテナケースから脱落したり位置ずれが生
じることを防止することができる。さらに、パッド本体
部におけるリング部がカバー部の下端とアンテナベース
の上面とで挟持されることから、アンテナケースを防水
構造とすることができる。また、リング部が、カバー部
の下端とアンテナベースの上面とで挟持されて圧縮され
る度合いを、突起部と当接部とにより規制するようにし
たので、必要以上にリング部が押し潰されることを防止
することができ、長期間にわたる防水性を保持すること
ができる。さらにまた、このカバー部の下端あるいは第
２リング部の上面にリブを設けることにより、防水性を
向上することができる。さらにまた、パッド本体部には
アンテナベースに対する位置決め手段が設けられている
ので、組立時に位置ずれすることなく組み立てることが
できるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の車載用アンテナの全体の
構成を示す図である。

【図２】本発明の実施の形態の車載用アンテナにかかる
アンテナケースとベースパッドとの構成を示す分解組立
図である。

【図３】本発明の実施の形態の車載用アンテナにかかる
アンテナケースとベースパッドとの構成を示す断面図お
よび一部拡大図である。

【図４】本発明の実施の形態の車載用アンテナにかかる
カバー部の詳細構成を示す図である。

【図５】本発明の実施の形態の車載用アンテナにかかる
カバー部の詳細構成を示す図である。

【図６】本発明の実施の形態の車載用アンテナにかかる
アンテナベースの詳細構成を示す図である。

【図７】本発明の実施の形態の車載用アンテナにかかる
アンテナベースの詳細構成を示す図である。

【図８】本発明の実施の形態の車載用アンテナにかかる
ベースパッドの詳細構成を示す図である。

【図９】本発明の実施の形態の車載用アンテナにかかる
ベースパッドの詳細構成を示す図である。

【図１０】本発明の実施の形態の他の車載用アンテナに
かかるカバー部とベースパッドとの構成を示す分解組立
図である。

【図１１】従来の車載用アンテナをルーフに取り付けた
状態を示す図である。

【図１２】従来の車載用アンテナのアンテナケースの構
成例を示す図である。

【符号の説明】 １ 車載用アンテナ、２ アンテナエレメント、３ ア
ンテナケース、４ アンテナベース、４ａ ベース本体
部、４ｂ 取付部、４ｃ 切欠部、４ｄ 挿通孔、４ｅ
ネジ挿通孔、４ｆ 突起部、４ｇ 突起部、４ｈ ネ
ジ部、４ｉ ネジ挿通孔、４ｊ 基板固定部、４ｋ 突
起、５ ベースパッド、５ａ パッド本体部、５ｂ 第
１リング部、５ｃ 第２リング部、５ｄ 第１リング状
溝部、５ｅ第２リング状溝部、５ｆ スカート部、５ｇ
嵌着孔、５ｈ 嵌合孔、５ｉリング状リブ、６ カバ
ー部、６ａ カバー本体部、６ｂ 固定ネジ部、６ｃリ
ブ、６ｄ ボス、６ｅ ボス、６ｆ 収納空間、７ ケ
ーブル、８ Ｏリング、１１ アンテナトップ、１２
エレメント部、１３ アンテナ基部、２０ 固定ネジ、
２１ 固定ネジ、３０ アンテナケース、１００ 自動
車、１０１ 車載用アンテナ、１０４ アンテナベー
ス、１０５ ベースパッド、１０６ カバー部、１０６
ａ カバー本体部、１０６ｂ 固定ネジ部、１０６ｄ
ボス、１０６ｅ ボス、１０７ Ｏリング、１０８ Ｏ
リング、１０９ 充填材、１１０シール材

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アンテナエレメントと、 下面が開口しているカバー部と、該カバー部の開口面を
   覆うように固着された略平面状のアンテナベースとから
   なり、前記アンテナエレメントが装着可能とされている
   と共に、内部に収納空間が形成されているアンテナケー
   スと、 該アンテナケースの下部周縁に嵌着される略リング状の
   パッド本体部からなるベースパッドとを備え、 前記パッド本体部が前記アンテナベースに嵌着された状
   態において、前記アンテナベースを前記カバー部に固着
   することにより、前記パッド本体部の内周面から突出す
   るように形成されているリング部が、前記カバー部の下
   端と前記アンテナベースの上面とで挟持されて固着され
   るようにしたことを特徴とする車載用アンテナ。
2. 【請求項２】 前記アンテナベースの上面には複数の突
   起部が形成されており、該突起部に当接する当接部が前
   記カバー部の内面から突出して形成されており、前記ア
   ンテナベースに前記カバー部を固着した際に、前記突起
   部に前記当接部が当接することにより、前記カバー部の
   下端による前記ベースパッドにおける前記リング部の圧
   縮が規制されるようになされていることを特徴とする請
   求項１記載の車載用アンテナ。
3. 【請求項３】 前記カバー部の下端には、その下面から
   突出してリブが形成されていることを特徴とする請求項
   １記載の車載用アンテナ。
4. 【請求項４】 前記パッド本体部における前記リング部
   の一面にリング状リブが突出して形成されており、該リ
   ング状リブに前記カバー部の下端が当接されることを特
   徴とする請求項１記載の車載用アンテナ。
5. 【請求項５】 前記パッド本体部の内周面に、前記アン
   テナベースの外周縁が嵌挿されるリング状溝部が形成さ
   れていることを特徴とする請求項１記載の車載用アンテ
   ナ。
6. 【請求項６】 前記パッド本体部を前記アンテナベース
   に嵌着した際に、前記アンテナベースに形成されている
   前記突起部に嵌合される位置決め用の嵌合部が、前記パ
   ッド本体部におけるリング部に形成されていることを特
   徴とする請求項２記載の車載用アンテナ。