JP2002246345A - 半導体ウェハ保護方法及び該保護方法に用いる半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム - Google Patents

半導体ウェハ保護方法及び該保護方法に用いる半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム

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JP2002246345A JP2001372232A JP2001372232A JP2002246345A JP 2002246345 A JP2002246345 A JP 2002246345A JP 2001372232 A JP2001372232 A JP 2001372232A JP 2001372232 A JP2001372232 A JP 2001372232A JP 2002246345 A JP2002246345 A JP 2002246345A
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健太郎 平井
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英樹 福本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体ウェハが厚み200μm以下に薄層化
された場合であっても、その破損を防止し得る半導体ウ
ェハ保護方法、及び該保護方法用の半導体ウェハ表面保
護用粘着フィルムを提供する。 【解決手段】 半導体ウェハの回路形成面に半導体ウェ
ハ表面保護用粘着フィルムを貼着する第一工程、半導体
ウェハの回路非形成面を加工する第二工程、及び半導体
ウェハの回路非形成面にダイボンティング用接着フィル
ムを貼着する第三工程を含む半導体ウェハ保護方法であ
って、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを剥離する
ことなしに第三工程を実施し、且つ、少なくとも一層が
融点200℃以上の樹脂から形成された基材フィルムの
片表面に粘着剤層が形成された粘着フィルムを使用する
半導体ウェハ保護方法、及び該保護方法用の半導体ウェ
ハ表面保護用粘着フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウェハ保護
方法、及び該保護方法に用いる半導体ウェハ表面保護用
粘着フィルムに関する。詳しくは、半導体ウェハを薄層
化加工する工程における半導体ウェハの破損防止に有用
で、生産性向上を図り得る半導体ウェハ保護方法、及び
該保護方法に用いる半導体ウェハ表面保護用粘着フィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハを加工する工程は、半導体
ウェハの回路形成面に半導体ウェハ表面保護用粘着フィ
ルムを貼着する工程、半導体ウェハの回路非形成面を加
工する工程、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを剥
離する工程、半導体ウェハを分割切断するダイシング工
程、分割された半導体チップをリードフレームへ接合す
るダイボンディング工程を経た後、半導体チップを外部
保護の為に樹脂で封止するモールド工程、等により構成
されている。
【0003】従来、ダイボンディング工程では、リード
フレーム上にダイボンディング材料である樹脂ペースト
を供給し、その上に半導体チップを載せて接着する方法
が最も多く用いられている。しかし、樹脂ペーストを用
いた場合、リードフレーム上に均一に塗布することが困
難である為、接着層の硬化時にボイドが発生したり、チ
ップクラックが生じる等の問題がある。
【0004】ダイボンディング材料である樹脂ペースト
の欠点である不均一な塗布性を改善すること、及び工程
全般の合理化を目的として、特開平6−302629号
公報には、ダイボンディング工程において、ダイボンデ
ィング用接着フィルムを用いる方法が開示されている。
この方法は、半導体ウェハの回路非形成面にダイボンデ
ィング用接着フィルムを貼着する工程、ダイボンディン
グ用接着フィルムを貼着した状態の半導体ウェハをダイ
シングテープに固着した後、分割切断するダイシング工
程、及びダイシングテープを剥離する工程を経た後、半
導体チップをリードフレームにダイボンディングする工
程を実施する方法である。
【0005】しかしながら、この方法は、半導体ウェハ
の回路非形成面を加工して、半導体ウェハを更に薄くし
た場合、特に200μm以下にした場合には、半導体ウ
ェハ表面保護用粘着フィルムが貼着していない状態で
は、ダイボンディング用接着フィルムを貼着する際に、
ロールの圧力等により半導体ウェハが破損する等の重大
な問題が発生する。
【0006】近年益々、半導体チップの薄層化の要求が
高まっており、厚みが30〜100μm程度のチップも
望まれている。従って、このように薄層化された半導体
ウェハであっても破損することなく、ダイボンディング
用粘着フィルムを貼着できる半導体ウェハの保護方法が
望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題に鑑み、半導体ウェハが厚み200μm以下程度に
薄層化された場合であっても、半導体ウェハの破損を防
止し得る半導体ウェハの保護方法、及び該保護方法に用
いる半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、半導体ウェハの回路形成面に半導体ウェハ表面
保護用粘着フィルムを貼着して、半導体ウェハの回路非
形成面を加工し、次いで、半導体ウェハの回路非形成面
にダイボンディング用接着フィルムを貼着する一連の工
程を実施するに際し、半導体ウェハの回路形成面に半導
体ウェハ表面保護用粘着フィルムが貼着された状態で半
導体ウェハの回路非形成面にダイボンディング用接着フ
ィルムを貼着し、且つ、少なくとも一層が融点200℃
以上の樹脂から形成された基材フィルムの片表面に粘着
剤層が形成された半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム
を用いることにより、上記課題が解決できることを見出
し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明の第1発明は、半導体ウ
ェハの回路形成面に半導体ウェハ表面保護用粘着フィル
ムを貼着する第一工程、半導体ウェハの回路非形成面を
加工する第二工程、及び半導体ウェハの回路非形成面に
ダイボンティング用接着フィルムを貼着する第三工程を
含む半導体ウェハ保護方法であって、半導体ウェハ表面
保護用粘着フィルムを剥離することなしに第三工程を実
施し、且つ、少なくとも一層が融点200℃以上の樹脂
から形成された基材フィルムの片表面に、150℃にお
ける貯蔵弾性率が少なくとも1×105Pa、厚みが3
〜100μmである粘着剤層が形成された半導体ウェハ
表面保護用粘着フィルムを使用することを特徴とする半
導体ウェハ保護方法である。
【0010】本発明の第1発明の特徴は、半導体ウェハ
の回路形成面に半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを
貼着してからそれを剥離するまでの一連の工程におい
て、半導体ウェハの回路非形成面を加工する工程に引き
続き、半導体ウェハの回路形成面に半導体ウェハ表面保
護用粘着フィルムを貼着したままの状態で、半導体ウェ
ハの回路非形成面にダイボンディング用接着フィルムを
貼着する工程を実施すること、及び、これらの工程で用
いる半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムとして、少な
くとも一層が融点200℃以上の樹脂から形成された基
材フィルムの片表面に、150℃における貯蔵弾性率が
少なくとも1×105Pa、厚みが3〜100μmであ
る粘着剤層が形成された粘着フィルムを用いることにあ
る。
【0011】また、本発明の第2発明は、上記第1発明
に係わる半導体ウェハ保護方法に用いる半導体ウェハ表
面保護用粘着フィルムであって、少なくとも一層が融点
200℃以上の樹脂から形成され、厚みが50〜350
μmである基材フィルムの片表面に、貯蔵弾性率が15
0℃において少なくとも1×105Pa、厚みが3〜1
00μmである粘着剤層が形成された薄層化半導体ウェ
ハの製造に好適に用いられる半導体ウェハ表面保護用粘
着フィルムである。本発明によれば、厚みが200μm
以下に薄層化された半導体ウェハであっても、上記一連
の工程における半導体ウェハの破損、汚染などを防止で
きる効果を奏する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に係わる半導体ウェハ保護方法を適用した
半導体ウェハの製造方法は、先ず、前記の如く、半導体
ウェハの回路形成面(以下、表面という)に半導体ウェ
ハ表面保護用粘着フィルムを貼着する第一工程、及び半
導体ウェハの回路非形成面(以下、裏面という)を加工
する第二工程を順次実施し、引き続き、該表面保護用粘
着フィルムを剥離することなしに半導体ウェハの裏面に
ダイボンディング用接着フィルムを貼着する第三工程を
実施する。以降の工程には特に制限はないが、例えば、
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを剥離する工程、
半導体ウェハを分割切断するダイシング工程、半導体チ
ップを外部保護の為に樹脂で封止するモールド工程、等
を順次実施する半導体ウェハの製造方法が挙げられる。
【0013】先ず、本発明の半導体ウェハ保護方法につ
いて詳細に説明する。本発明の半導体ウェハ保護方法
は、半導体ウェハの表面に半導体ウェハ表面保護用粘着
フィルムを貼着する第一工程、及び半導体ウェハの裏面
を加工する第二工程を順次実施し、引き続き、半導体ウ
ェハ表面保護用粘着フィルムを剥離することなしに、半
導体ウェハ裏面にダイボンディング用接着フィルムを貼
着する第三工程を実施する。この際、半導体ウェハ表面
保護用粘着フィルムとして、少なくとも一層が融点20
0℃以上の樹脂から形成された基材フィルムの片表面
に、150℃における貯蔵弾性率が少なくとも1×10
5Pa、厚みが3〜100μmである粘着剤層が形成さ
れた表面保護用粘着フィルムを用いる。
【0014】本発明に係わる半導体ウェハ保護方法の詳
細は、先ず、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム(以
下、表面保護用粘着フィルムと略称する)の粘着剤層側
から剥離フィルムを剥離し、粘着剤層表面を露出させ、
その粘着剤層を介して、半導体ウェハの表面に表面保護
用粘着フィルムを貼着する(第一工程)。次いで、裏面
加工機のチャックテーブル等に表面保護用粘着フィルム
の基材フィルム層を介して半導体ウェハを固定し、半導
体ウェハの裏面を加工する(第二工程)。第二工程は、
半導体ウェハの裏面研削工程、ウェットエッチング工
程、及びポリッシング工程を全て実施してもよいし、又
は、これらの工程のいずれか一工程を実施してもよい。
次いで、表面保護用粘着フィルムを剥離することなし
に、ダイボンディング用接着フィルムの貼着工程に搬送
され、ダイボンディング用接着フィルムを貼着する(第
三工程)。その後、表面保護用粘着フィルムは剥離され
る。また、必要に応じて表面保護用粘着フィルムを剥離
した後に、半導体ウェハ表面に対して、水洗、プラズマ
洗浄等の処理が施される。
【0015】従来、裏面加工工程において、半導体ウェ
ハは、研削前の厚みが500〜1000μmであったも
のが、半導体チップの種類等に応じ、200〜600μ
m程度まで研削、薄層化される。一方、本発明の保護方
法を適用することにより、厚みが200μm以下になる
まで薄層化することができる。その場合、半導体ウェハ
の最低厚みは20μm程度である。200μm以下まで
薄くする場合は、裏面研削に引き続いて、ウェットエッ
チング工程やポリッシング工程を実施することもでき
る。裏面を研削する前の半導体ウェハの厚みは、半導体
ウェハの直径、種類等により適宜決められ、裏面研削後
の半導体ウェハの厚みは、得られるチップのサイズ、回
路の種類等により適宜決められる。
【0016】表面保護用粘着フィルムを半導体ウェハの
表面に貼着する操作は、人手により行われる場合もある
が、一般に、ロール状の表面保護用粘着フィルムを取り
付けた自動貼り機と称される装置によって行われる。こ
のような自動貼り機として、例えばタカトリ(株)製、
形式:ATM−1000B、同ATM−1100、同T
EAM−100、帝国精機(株)製、形式:STLシリ
ーズ等が挙げられる。
【0017】裏面研削方式としては、スルーフィード方
式、インフィード方式等の公知の研削方式が採用され
る。通常、いずれの方法においても、半導体ウェハと砥
石に水を供給して冷却しながら裏面研削が行われる。裏
面研削終了後、必要に応じて、ウェットエッチング、ポ
リッシングが行われる。ウェットエッチング工程及びポ
リッシング工程は、半導体ウェハ裏面に生じた歪の除
去、半導体ウェハのさらなる薄層化、酸化膜等の除去、
電極を裏面に形成する際の前処理等を目的として行われ
る。エッチング液は、上記の目的に応じて適宜選択され
る。
【0018】ダイボンディング用接着フィルムを貼着す
る工程で用いる装置としては、例えば、タカトリ(株)
製、形式:ATM−8200、同DM−800等が挙げ
られる。ダイボンディング用接着フィルムとしては、ポ
リエステル系、ポリプロピレン系フィルムの表面に、ポ
リイミド樹脂と熱硬化性樹脂の混合物からなるワニスを
塗布して、接着剤層を形成したダイボンディング用接着
フィルムが挙げられる。この時、必要に応じてポリイミ
ド樹脂と熱硬化性樹脂の混合物に添加剤を混合すること
もある。ロールを用いて、ダイボンディング用接着フィ
ルムを半導体ウェハ裏面に加熱貼着することにより、接
着剤付半導体ウェハとされる。
【0019】裏面研削工程、エッチング工程、及びダイ
ボンディング用接着フィルムの貼着工程がそれぞれ終了
した後、半導体ウェハ表面から表面保護用粘着フィルム
が剥離される。これらの一連の操作は、人手により行わ
れる場合もあるが、一般的に自動剥がし機と称される装
置を用いて行われる。このような自動剥がし機として
は、タカトリ(株)製、形式:ATRM−2000B、
同ATRM−2100、帝国精機(株)製、形式:ST
Pシリーズ等が挙げられる。また、剥離性の向上を目的
として、必要に応じて加熱剥離することが好ましい。
【0020】表面保護用粘着フィルムを剥離した後の半
導体ウェハ表面は、必要に応じて洗浄される。洗浄方法
としては、水洗浄、溶剤洗浄等の湿式洗浄、プラズマ洗
浄等の乾式洗浄等が挙げられる。湿式洗浄の場合、超音
波洗浄を併用してもよい。これらの洗浄方法は、半導体
ウェハ表面の汚染状況により適宜選択される。
【0021】次いで、本発明に用いる表面保護用粘着フ
ィルムについて説明する。本発明に係わる表面保護用粘
着フィルムは、基材フィルムの片表面に粘着剤層を形成
することにより製造される。通常、粘着剤層を保護する
ために、粘着剤層の表面に剥離フィルムが貼着される。
剥離フィルムを剥離したときに露出する粘着剤層の表面
を介して半導体ウェハ表面に貼着することを考慮し、粘
着剤層による半導体ウェハ表面の汚染防止を図るために
は、剥離フィルムの片面に、粘着剤塗布液を塗布、乾燥
して粘着剤層を形成した後、得られた粘着剤層を基材フ
ィルムの片面に転写する方法が好ましい。
【0022】基材フィルムは、少なくとも一層が、融点
が200℃以上の樹脂から形成された耐熱性を有するフ
ィルムが好ましい。さらに好ましくは、融点が250℃
以上の樹脂から形成されたフィルムである。例示する
と、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート等のポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリエーテルスルフォン等、及びこれら
の混合樹脂から成形された樹脂フィルムが挙げられる。
代表的市販品として、帝人(株)製、商品名:テオネッ
クス、三菱化学(株)製、商品名:トーロン4203
L、ICI社製、商品名:45G、及び200P等が挙
げられる。
【0023】表面保護用粘着フィルムの基材フィルム
は、少なくとも一層が、融点が200℃以上である樹脂
フィルムで形成されていれば、他のフィルムとの積層体
であってもよい。全ての層の融点が200℃未満である
場合は、ダイボンディング用接着フィルムの貼着工程に
おいて、表面保護用粘着フィルムに熱による変形が発生
し、薄層化した半導体ウェハを破損する危険性がある。
【0024】半導体ウェハの裏面研削時の保護性能を高
める目的で耐熱性フィルムの他に低弾性率の樹脂から成
形されたフィルムを積層してもよい。これらの低弾性フ
ィルムとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アルキルアクリレート共重合体(アルキル基の炭素
数1〜4)、低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレ
フィン共重合体(α−オレフィンの炭素数3〜8)等か
ら成形された樹脂フィルムが挙げられる。これらの内、
酢酸ビニル単位の含有量が5〜50重量%程度のエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体フィルムが好ましい。
【0025】基材フィルムの代表的な製造方法として、
低弾性率フィルムを押出機で押出成形しながら、予め用
意しておいた耐熱性フィルムとラミネートする方法が挙
げられる。低弾性率フィルムと耐熱性フィルムとの接着
力を高めるために両者の間に新たに接着層を設けてもよ
い。基材フィルムと粘着剤層の接着力を高めるために、
粘着剤層を設ける面にはコロナ放電処理または化学処理
等を施すことが好ましい。基材フィルム全体の厚みは5
0〜350μmであることが好ましい。耐熱性フィルム
と低弾性率フィルムを積層する場合は、前者の層の厚み
は10〜300μm程度、後者の層の厚みは20〜30
0μm程度が好ましい。更に好ましくは、前者の厚みが
15〜200μ程度である。低弾性率フィルム層は、そ
の柔軟性により、半導体ウェハ表面の回路により形成さ
れた凹凸段差を吸収し、半導体ウェハの裏面研削加工に
よる破損を防止する効果を有する。粘着剤層を形成する
基材フィルム層は、耐熱フィルム側、低弾性率フィルム
側のいずれでもよいが、ダイボンディング工程の加熱粘
着工程等を考慮すると、低弾性率フィルム側が好まし
い。
【0026】200μm以下程度に薄層化した半導体ウ
ェハの反りを防止すること等を考慮すると、融点が20
0℃以上である樹脂から形成された基材フィルム層の貯
蔵弾性率は、0〜100℃において103〜105MP
a、好ましくは103〜104MPa、100〜300℃
において10〜104MPa、好ましくは102〜103
MPaであることが好ましい。
【0027】本発明に係わる表面保護用粘着フィルムの
粘着剤層を形成する粘着剤は、ダイボンディング用接着
フィルム貼着時の温度条件下でも、粘着剤として充分機
能するものであることが好ましい。具体的には、アクリ
ル系粘着剤、シリコン系粘着剤等が例示される。粘着剤
層の厚みは3〜100μmであることが好ましい。粘着
剤層は、表面保護用粘着フィルムを剥離した後、半導体
ウェハの回路形成面に糊残りなどによる汚染が生じない
ことが好ましい。
【0028】粘着剤層は、特に、ダイボンディング用接
着フィルムを加熱貼着するダイボンディング工程におい
て高温に曝された際に、粘着力が大きくなり過ぎないよ
うに、また、半導体ウェハ表面の汚染が増加しないよう
に、反応性官能基を有する架橋剤、過酸化物、放射線等
により高密度に架橋されたものであることが好ましい。
更に、ダイボンディング用接着フィルムを貼着する際
に、温度150℃以上の条件下で加熱処理された場合で
あっても、粘着力が上昇して剥離不良を起こさないこ
と、及び糊残りが発生しないことが好ましい。その為、
粘着剤層は、150℃における貯蔵弾性率が少なくとも
1×105Paであることが好ましい。更に好ましく
は、200℃における貯蔵弾性率が少なくとも1×10
5Paである。貯蔵弾性率は、高ければ高いほどよい
が、通常、その上限は1×108Pa程度である。
【0029】更に、200μm以下程度に薄層化した半
導体ウェハの反りを防止すること等を考慮すると、融点
200℃以上の樹脂から形成された基材フィルム層の貯
蔵弾性率〔(G)MPa〕と厚み〔(D)μm〕との比
が、0〜100℃において下記数式(1)、100〜3
00℃において下記数式(2)で表される関係を満たす
ことが好ましい。 3≦G/D≦10000 ・・(1) 0.03≦G/D≦1000・・(2) 更に好ましくは、上記比が0〜100℃において下記数
式(3)、100〜300℃において下記数式(4)で
表される関係を満たすことである。 5≦G/D≦700 ・ ・・ (3) 0.5≦G/D≦70・・・ (4) 上記特性を有する粘着剤層を形成する方法として、アク
リル系粘着剤を用いる方法を例示する。粘着剤層は、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単位
(A)、架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー単
位(B)、2官能性モノマー単位(C)をそれぞれ特定
量含む乳化重合共重合体であるアクリル系粘着剤、並び
に、凝集力を上げたり粘着力を調整するための、官能基
を1分子中に2個以上有する架橋剤を含む溶液またはエ
マルション液を用いることにより形成される。溶液で使
用する場合は、乳化重合で得られたエマルション液から
アクリル系粘着剤を塩析等で分離した後、溶剤等で再溶
解して使用する。アクリル系粘着剤は、分子量が充分に
大きく、溶剤への溶解性が低く、若しくは溶解しない場
合が多いので、コスト的な観点から鑑みても、エマルシ
ョン液のまま使用することが好ましい。
【0030】本発明に用いるアクリル系粘着剤として
は、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキ
ルエステル、又はこれらの混合物を主モノマー〔以下、
モノマー(A)〕として、架橋剤と反応し得る官能基を
有するコモノマーを含むモノマー混合物を共重合して得
られたものが挙げられる。
【0031】モノマー(A)としては、炭素数1〜12
程度のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステ
ル、又はメタクリル酸アルキルエステル〔以下、これら
の総称して(メタ)アクリル酸アルキルエステルとい
う〕が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜8のアルキ
ル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであ
る。具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル等が挙げられる。これらは単独で使用して
も、また、2種以上を混合して使用してもよい。モノマ
ー(A)の使用量は粘着剤の原料となる全モノマーの総
量中に、通常、10〜98.9重量%の範囲で含ませる
ことが好ましい。更に好ましくは85〜95重量%であ
る。モノマー(A)の使用量をかかる範囲とすることに
より、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単
位(A)10〜98.9重量%、好ましくは85〜95
重量%を含むポリマーが得られる。
【0032】架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマ
ー単位(B)を形成するモノマー(B)としては、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、シト
ラコン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸モノアル
キルエステル、メサコン酸モノアルキルエステル、シト
ラコン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキル
エステル、マレイン酸モノアルキルエステル、アクリル
酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸−
2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシ
エチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ターシャ
ル−ブチルアミノエチルアクリレート、ターシャル−ブ
チルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。好ま
しくは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸−2−
ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチ
ル、アクリルアミド、メタクリルアミド等である。これ
らの一種を上記主モノマーと共重合させてもよいし、ま
た2種以上を共重合させてもよい。架橋剤と反応し得る
官能基を有するモノマー(B)の使用量は、粘着剤の原
料となる全モノマーの総量中に、通常、1〜40重量%
の範囲で含まれていることが好ましい。更に好ましく
は、1〜10重量%である。而して、モノマー組成とほ
ぼ等しい組成の構成単位(B)を有するポリマーが得ら
れる。
【0033】更に、粘着剤層は、半導体ウェハの裏面加
工、及びダイボンディング用接着フィルムの貼着時等に
おける温度条件下でも、粘着剤として充分機能するよう
に、粘着力や剥離性を調整することが好ましい。その方
策として、エマルション粒子の凝集力を維持する為に粒
子バルクの架橋方式も考慮することが好ましい。
【0034】エマルション粒子に対しては、150〜2
00℃の温度条件下でも1×105Pa以上を有する為
に、2官能モノマー(C)を共重合することによって凝
集力を維持するよう架橋方式を改良することが好まし
い。良好に共重合するモノマーとして、メタクリル酸ア
リル、アクリル酸アリル、ジビニルベンゼン、メタクリ
ル酸ビニル、アクリル酸ビニルや、例えば、両末端がジ
アクリレートまたはジメタクリレートで主鎖の構造がプ
ロピレングリコール型〔日本油脂(株)製、商品名;P
DP−200、同PDP−400、同ADP−200、
同ADP-400〕、テトラメチレングリコール型〔日
本油脂(株)製、商品名;ADT‐250、同ADT‐
850〕及びこれらの混合型〔日本油脂(株)製、商品
名:ADET‐1800、同ADPT−4000〕であ
るもの等が挙げられる。2官能モノマー(C)を乳化共
重合する場合、その使用量は、全モノマー中に0.1〜
30重量%含むことが好ましい。更に好ましくは0.1
〜5重量%である。而して、モノマー組成とほぼ等しい
組成の構成単位(C)を有するポリマーが得られる。
【0035】上記粘着剤を構成する主モノマー、及び架
橋剤と反応し得る官能基を有するコモノマーの他に、界
面活性剤としての性質を有する特定のコモノマー(以
下、重合性界面活性剤と称する)を共重合してもよい。
重合性界面活性剤は、主モノマー及びコモノマーと共重
合する性質を有すると共に、乳化重合する場合には乳化
剤としての作用を有する。重合性界面活性剤を用いて乳
化重合したアクリル系粘着剤を用いた場合には、通常、
界面活性剤による半導体ウェハ表面に対する汚染が生じ
ない。また、粘着剤層に起因する僅かな汚染が生じた場
合においても、半導体ウェハ表面を水洗することにより
容易に除去することが可能となる。
【0036】このような重合性界面活性剤の例として
は、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ルのベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入した
もの〔第一工業製薬(株)製;商品名:アクアロンRN
−10、同RN−20、同RN−30、同RN−50
等〕、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの硫
酸エステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1
−プロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)
製;商品名:アクアロンHS−10、同HS−20
等〕、及び分子内に重合性二重結合を持つ、スルホコハ
ク酸ジエステル系〔花王(株)製;商品名:ラテムルS
−120A、同S−180A等〕等が挙げられる。更に
必要に応じて、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレ
ン等の重合性2重結合を有するモノマーを共重合しても
よい。
【0037】アクリル系粘着剤の重合反応機構として
は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等が挙
げられる。粘着剤の製造コスト、モノマーの官能基の影
響及び半導体ウェハ表面へのイオンの影響等を等慮すれ
ばラジカル重合によって重合することが好ましい。ラジ
カル重合反応によって重合する際、ラジカル重合開始剤
として、ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキ
サイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパ
ーオキサイド、ジ−ターシャル−ブチルパーオキサイ
ド、ジ−ターシャル−アミルパーオキサイド等の有機過
酸化物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸
ナトリウム等の無機過酸化物、2,2’−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチ
ロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリッ
クアシッド等のアゾ化合物が挙げられる。
【0038】乳化重合法により重合する場合には、これ
らのラジカル重合開始剤の中で、水溶性の過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過
酸化物、同じく水溶性の4,4’−アゾビス−4−シア
ノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を持
ったアゾ化合物が好ましい。半導体ウェハ表面へのイオ
ンの影響を考慮すれば、過硫酸アンモニウム、4,4’
−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内
にカルボキシル基を有するアゾ化合物が更に好ましい。
4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等
の分子内にカルボキシル基を有するアゾ化合物が特に好
ましい。
【0039】本発明に用いる架橋性の官能基を1分子中
に2個以上有する架橋剤は、アクリル系粘着剤が有する
官能基と反応させ、粘着力及び凝集力を調整するために
用いる。架橋剤としては、ソルビトールポリグリシジル
エーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、
ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリ
セロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグ
リシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジ
ルエーテル、レソルシンジグリシジルエーテル等のエポ
キシ系化合物、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン
のトルエンジイソシアネート3付加物、ポリイソシアネ
ート等のイソシアネート系化合物、トリメチロールプロ
パン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラ
メチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネ
ート、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス
(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−ヘキ
サメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシ
アミド)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−ア
ジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン
−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネート
等のアジリジン系化合物、N,N,N’,N’−テトラ
グリシジルm−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,
N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンの4
官能性エポキシ系化合物及びヘキサメトキシメチロール
メラミン等のメラミン系化合物が挙げられる。これらは
単独で使用してもよいし、2種以上に対して併用しても
よい。
【0040】架橋剤の含有量は、通常、架橋剤中の官能
基数がアクリル系粘着剤中の官能基数よりも多くならな
い程度の範囲が好ましい。しかし、架橋反応で新たに官
能基が生じる場合や、架橋反応が遅い場合等、必要に応
じて過剰に含有してもよい。好ましい含有量は、アクリ
ル系粘着剤100重量部に対し、架橋剤0.1〜15重
量部である。含有量が少なすぎると、粘着剤層の凝集力
が不十分となり、150〜200℃において、弾性率が
1×105Pa未満となり、耐熱特性が低下する。その
ため、粘着剤層に起因する糊残りを生じ易くなったり、
粘着力が高くなり、表面保護用粘着フィルムを半導体ウ
ェハ表面から剥離する際に自動剥がし機で剥離トラブル
が発生したり、半導体ウェハを完全に破損したりするこ
とがある。含有量が多すぎると、粘着剤層と半導体ウェ
ハ表面との密着力が弱くなり、半導体ウェハ裏面研削工
程において、半導体ウェハ表面と粘着剤層の間に研磨屑
が浸入して半導体ウェハを破損したり、半導体ウェハ表
面を汚染することがある。
【0041】本発明に用いる粘着剤塗布液には、上記の
特定の2官能モノマーを共重合したアクリル系粘着剤及
び架橋剤の他に、粘着特性を調整するためにロジン系、
テルペン樹脂系等のタッキファイヤー、各種界面活性剤
等を本発明の目的に影響しない程度に適宜含有してもよ
い。また、塗布液がエマルション液である場合は、ジエ
チレングリコールモノアルキルエーテル等の造膜助剤を
本発明の目的に影響しない程度に適宜添加してよい。造
膜助剤として使用されるジエチレングリコールモノアル
キルエーテル及びその誘導体は、粘着剤層中に多量に存
在した場合、洗浄が不可能となる程度に半導体ウェハ表
面を汚染することがある。そのため、粘着剤塗布液の乾
燥温度において揮発する性質を有するものを使用し、粘
着剤層中の残存量を極力低くすることが好ましい。
【0042】本発明の表面保護用粘着フィルムの粘着力
は、半導体ウェハの加工条件、半導体ウェハの直径、裏
面研削後の半導体ウェハの厚み、ダイボンディング用接
着フィルム貼着温度等を勘案して適宜調整できる。粘着
力が低すぎると、半導体ウェハ表面への表面保護用粘着
フィルムの貼着が困難となったり、表面保護用粘着フィ
ルムによる保護性能が不十分となり、半導体ウェハが破
損したり、半導体ウェハ表面に研削屑等による汚染が生
じることがある。また、粘着力が高すぎると、半導体ウ
ェハの裏面加工を実施した後、表面保護用粘着フィルム
を半導体ウェハ表面から剥離する際に、自動剥がし機で
剥離トラブルが発生する等、剥離作業性が低下したり、
半導体ウェハを破損したりすることがある。通常、SU
S304−BA板に対する粘着力に換算して5〜500
g/25mm、好ましくは10〜300g/25mmで
ある。
【0043】基材フィルムまたは剥離フィルムの片表面
に粘着剤塗布液を塗布する方法としては、従来公知の塗
布方法、例えば、ロールコーター法、リバースロールコ
ーター法、グラビアロール法、バーコート法、コンマコ
ーター法、ダイコーター法等が採用できる。塗布された
粘着剤の乾燥条件には特に制限はないが、一般的には、
80〜200℃の温度範囲において、10秒〜10分間
乾燥することが好ましい。更に好ましくは、80〜17
0℃において、15秒〜5分間乾燥する。架橋剤と粘着
剤との架橋反応を十分に促進させるために、粘着剤塗布
液の乾燥が終了した後、表面保護粘着フィルムを40〜
80℃において5〜300時間程度加熱してもよい。
【0044】本発明の半導体ウェハ表面保護用粘着フィ
ルムの製造方法は、上記の通りであるが、半導体ウェハ
表面の汚染防止の観点から、基材フィルム、剥離フィル
ム、粘着剤主剤等全ての原料資材の製造環境、粘着剤塗
布液の調製、保存、塗布及び乾燥環境は、米国連邦規格
209bに規定されるクラス1,000以下のクリーン
度に維持されていることが好ましい。
【0045】本発明の半導体ウェハ保護方法が適用でき
る半導体ウェハとして、シリコンウェハに限らず、ゲル
マニウム、ガリウム−ヒ素、ガリウム−リン、ガリウム
−ヒ素−アルミニウム等のウェハが挙げられる。
【0046】
【実施例】以下、実施例を示して本発明についてさらに
詳細に説明する。以下に示す全ての実施例及び比較例に
おいて、米国連邦規格209bに規定されるクラス1,
000以下のクリーン度に維持された環境において粘着
剤塗布液の調製及び塗布、半導体シリコンウェハの裏面
研削、並びにダイボンディング用接着フィルム貼着等を
実施した。本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。尚、実施例に示した各種特性値は下記の方法で測
定した。
【0047】1.各種特性の測定方法 1−1.粘着力測定(g/25mm) 下記に規定した条件以外は、全てJIS Z−0237
−1991に規定される方法に準じて測定する。23℃
の雰囲気下において、実施例または比較例で得られた粘
着フィルムをその粘着剤層を介して、5cm×20cm
のSUS304−BA板(JIS G−4305−19
91規定)の表面に貼着し、60分放置する。試料の一
端を挟持し、剥離角度180度、剥離速度300mm/
min.でSUS304−BA板の表面から試料を剥離
する際の応力を測定し、25mm幅に換算する。
【0048】1−2.貯蔵弾性率(Pa) 1)粘着剤層 半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムの粘着剤層の部分
を厚さ1mmになるように積層し、直径8mmの粘弾性
測定用試料を作製する。動的粘弾性測定装置(レオメト
リックス社製:形式:RMS−800)を用いて、15
0℃及び200℃において貯蔵弾性率を測定する。測定
周波数は1Hzとし、歪みは0.1〜3%とする。 2)基材フィルム層 半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムの基材フィルム層
部分を切断し、長方形(機械方向:3mm、機械方向と
直交する方向:40mm)の試料を作製する。動的粘弾
性測定装置(レオメトリックス社製:形式:RSA−I
I)を用いて、0〜300℃までの貯蔵弾性率(機械方
向)を測定する。測定周波数は、1Hzとし、歪みは
0.01〜0.1%とする。但し、積層基材フィルムの
場合は、各層独立で測定を行った。
【0049】1−3.汚染性評価 半導体シリコンウェハ(直径:8インチ、厚み:600
μm、スクライブラインの深さ:8μm、スクライブラ
インの幅:100μm)の表面に試料用の表面保護用粘
着フィルムをその粘着剤層を介して、半導体シリコンウ
ェハの全表面に貼着し、半導体ウェハの裏面加工工程、
ダイボンディング用接着フィルム貼着工程を経た後、粘
着フィルムを剥離(日東精機(株)製、型式:HR85
00II)した後の半導体ウェハの表面をレーザーフォ
ーカス顕微鏡(KEYENCE製、形式:VF−751
0、VF−7500、VP−ED100)を用いて25
0倍率で観察する。評価基準は、次の通り。○:糊残り
無し。×:糊残り発生。
【0050】1−4.半導体ウェハの破損(枚数) 半導体ウェハ裏面研削工程、ダイボンディング用接着フ
ィルム貼着工程、及び表面保護用粘着フィルム剥離工程
における半導体ウェハの破損枚数を示す。
【0051】2.表面保護用粘着フィルムの製造例 2−1.基材フィルムの製造例1 耐熱特性を有するフィルムとして、ポリエチレンナフタ
レート(融点269℃)フィルム(厚み50μm、50
℃の貯蔵弾性率2800MPa、200℃の貯蔵弾性率
190MPa)を選定し、これと低弾性率フィルムであ
るエチレン−酢酸ビニル共重合体(ショアーD型硬度3
5、融点85℃、50℃の貯蔵弾性率14.5MPa)
フィルム(厚み70μm)を積層し、粘着剤層を形成す
る低弾性率フィルム側はコロナ放電処理を施し、全体の
厚みが120μmである基材フィルム1を作成した。
【0052】2−2.基材フィルムの比較製造例1 低弾性率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体
樹脂(ショアーD型硬度35、融点85℃)の単層フィ
ルム(厚み120μm、50℃の貯蔵弾性率14.5M
Pa)を基材フィルム2とした。粘着剤層を形成する側
にコロナ処理を施した。
【0053】2−3.基材フィルムの比較製造例2 耐熱特性を有するフィルムとして、ポリプロピレン(融
点160℃)フィルム(厚み50μm、50℃の貯蔵弾
性率1300MPa)を選定し、これと低弾性率フィル
ムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体(ショアーD型
硬度35、融点85℃)フィルム(厚み70μm、50
℃の貯蔵弾性率14.5MPa)を積層し、粘着剤層を
形成する低弾性率フィルム側はコロナ放電処理を施し、
全体の厚みが120μmである基材フィルム3を作成し
た。
【0054】2−4.基材フィルムの比較製造例3 耐熱特性を有するフィルムとして、ポリメチルペンテン
(融点230℃)フィルム(厚み300μm、50℃の
貯蔵弾性率100MPa、200℃の貯蔵弾性率5MP
a)を選定し、これと低弾性率フィルムであるエチレン
−酢酸ビニル共重合体(ショアーD型硬度35、融点8
5℃)フィルム(厚み50μm、50℃の貯蔵弾性率1
4.5MPa)を積層し、粘着剤層を形成する低弾性率
フィルム側はコロナ放電処理を施し、全体の厚みが35
0μmである基材フィルム4を作成した。
【0055】2−5.粘着剤主剤の製造例1 重合反応機に脱イオン水150重量部、重合開始剤とし
て4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド
〔大塚化学(株)製、商品名:ACVA〕を0.625
重量部、モノマー(A)としてアクリル酸−2−エチル
ヘキシル62.25重量部、アクリル酸−n−ブチル1
8重量部、及びメタクリル酸メチル12重量部、モノマ
ー(B)としてメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル3
重量部、メタクリル酸2重量部、及びアクリルアミド1
重量部、モノマー(C)としてポリテトラメチレングリ
コールジアクリレート〔日本油脂(株)製、商品名:A
DT−250〕1重量部、水溶性コモノマーとしてポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキ
サイドの付加モル数の平均値:約20)の硫酸エステル
のアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1−プロペニ
ル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製、商品名:
アクアロンHS−10〕0.75重量部を装入し、攪拌
下で70〜72℃において8時間乳化重合を実施し、ア
クリル系樹脂エマルションを得た。これを9重量%アン
モニア水で中和(pH=7.0)し、固形分42.5重
量%のアクリル系粘着剤(粘着剤主剤1)とした。
【0056】2−6.粘着剤主剤の製造例2 重合反応機に脱イオン水150重量部、重合開始剤とし
て4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド
〔大塚化学(株)製、商品名:ACVA〕を0.625
重量部、モノマー(A)としてアクリル酸−2−エチル
ヘキシル62.25重量部、アクリル酸−n−ブチル1
8重量部、及びメタクリル酸メチル12重量部、モノマ
ー(B)としてメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル3
重量部、メタクリル酸2重量部、及びアクリルアミド1
重量部、モノマー(C)としてメタクリル酸アリル〔和
光純薬工業(株)製〕1重量部、水溶性コモノマーとし
てポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレ
ンオキサイドの付加モル数の平均値:約20)の硫酸エ
ステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1−プ
ロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製、商
品名:アクアロンHS−10〕0.75重量部を装入
し、攪拌下で70〜72℃において8時間乳化重合を実
施し、アクリル系樹脂エマルションを得た。これを9重
量%アンモニア水で中和(pH=7.0)し、固形分4
2.5重量%のアクリル系粘着剤(粘着剤主剤2)とし
た。
【0057】2−7.粘着剤主剤の比較製造例1 重合反応機に脱イオン水150重量部、重合開始剤とし
て4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド
〔大塚化学(株)製、商品名:ACVA〕を0.625
重量部、モノマー(A)としてアクリル酸−2−エチル
ヘキシル63.25重量部、アクリル酸−n−ブチル1
8重量部、及びメタクリル酸メチル12重量部、モノマ
ー(B)としてメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル3
重量部、メタクリル酸2重量部、及びアクリルアミド1
重量部、水溶性コモノマーとしてポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル(エチレンオキサイドの付加モル
数の平均値:約20)の硫酸エステルのアンモニウム塩
のベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したも
の〔第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンHS−
10〕0.75重量部を装入し、攪拌下で70〜72℃
において8時間乳化重合を実施し、アクリル系樹脂エマ
ルションを得た。これを9重量%アンモニア水で中和
(pH=7.0)し、固形分42.5重量%のアクリル
系粘着剤(粘着剤主剤3)とした。
【0058】2−8.粘着剤塗布液の製造例1 粘着剤主剤の製造例1得られた粘着剤主剤1の100重
量部を採取し、さらに9重量%アンモニア水を加えてp
H9.5に調整した。次いで、アジリジン系架橋剤〔日
本触媒化学工業(株)製、商品名:ケミタイトPz−3
3〕1.6重量部を添加して粘着剤塗布液1を得た。
【0059】2−9.粘着剤塗布液の製造例2 粘着剤主剤の製造例2で得られた粘着剤主剤2を用いた
以外は、粘着剤塗布液の製造例1と同様にして粘着剤塗
布液2を得た。
【0060】2−10.粘着剤塗布液の比較製造例1 粘着剤主剤の比較製造例1で得られた粘着剤主剤3を用
いた以外は、粘着剤塗布液の製造例1と同様にして粘着
剤塗布液3を得た。
【0061】2−11.粘着フィルムの製造例1 粘着剤塗布液1を、ロールコーターを用いてポリプロピ
レンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布
し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層
を設けた。これに上記基材フィルム1のコロナ処理面を
貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、
60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却する
ことにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を製
造した。粘着剤層の貯蔵弾性率は、150℃において
1.5×105Pa、200℃において1.3×105
aであった。また、粘着力は、120g/25mmであ
った。
【0062】2−12.粘着フィルムの製造例2 粘着剤塗布液2を、ロールコーターを用いてポリプロピ
レンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布
し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層
を設けた。これに上記基材フィルム1のコロナ処理面を
貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、
60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却する
ことにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム2を製
造した。粘着剤層の貯蔵弾性率は、150℃において
2.5×105Pa、200℃において1.8×105
aであった。また、粘着力は、150g/25mmであ
った。
【0063】2−13.粘着フィルムの比較製造例1 粘着剤塗布液1を、ロールコーターを用いてポリプロピ
レンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布
し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層
を設けた。これに上記の基材フィルム2のコロナ処理面
を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写
後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却
することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム3
を製造した。粘着剤層の貯蔵弾性率は、150℃におい
て1.5×105Pa、200℃において1.3×105
Paであった。また、粘着力は、125g/25mmで
あった。
【0064】2−14.粘着フィルムの比較製造例2 粘着剤塗布液3を、ロールコーターを用いてポリプロピ
レンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布
し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層
を設けた。これに上記基材フィルム1のコロナ処理面を
貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、
60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却する
ことにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム4を製
造した。粘着剤層の貯蔵弾性率は、150℃において
4.5×104Pa、200℃において4.3×104
aであった。また、粘着力は、90g/25mmであっ
た。
【0065】2−15.粘着フィルムの比較製造例3 粘着剤塗布液1を、ロールコーターを用いてポリプロピ
レンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布
し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層
を設けた。これに上記の基材フィルム3のコロナ処理面
を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写
後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却
することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム5
を製造した。粘着剤層の貯蔵弾性率は、150℃におい
て1.5×105Pa、200℃において1.3×105
Paであった。また、粘着力は、120g/25mmで
あった。
【0066】2−16.粘着フィルムの比較製造例4 粘着剤塗布液3を、ロールコーターを用いてポリプロピ
レンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布
し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層
を設けた。これに上記の基材フィルム4のコロナ処理面
を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写
後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却
することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム6
を製造した。粘着剤層の貯蔵弾性率は、150℃におい
て4.5×104Pa、200℃において4.3×104
Paであった。また、粘着力は、90g/25mmであ
った。
【0067】3.半導体ウェハの保護方法の実施例 3−1.保護方法の実施例1 半導体ウェハに対する、半導体ウェハ表面保護用粘着フ
ィルム1の保護性能を評価した。半導体ウェハ表面保護
用粘着フィルム1を集積回路が組み込まれた20枚の半
導体シリコンウェハ(直径:8インチ、厚み:600μ
m、スクライブラインの深さ:8μm、スクライブライ
ンの幅:100μm)の回路形成の全表面に貼着した状
態で、裏面研削(ディスコ製、形式:DFD−2S/
8)工程において、厚みが100μmになるまでウェハ
裏面を研削した後、半導体ウェハ表面保護用粘着フィル
ム1を貼着した状態で、ダイボンディング用接着フィル
ム(日立化成(株)製、商品名:ハイアタッチ)を15
0℃で半導体ウェハ裏面に貼着(タカトリ(株)製、形
式:DM−800)した。その結果、20枚全ての半導
体ウェハに対して接着フィルム貼着時において半導体ウ
ェハの割れは発生しなかった。半導体ウェハ表面保護用
粘着フィルム1の剥離工程(日東精機(株)製、形式:
HR8500II)においても半導体ウェハの割れは発
生しなかった。また、表面保護用粘着フィルムを剥離し
た後の半導体ウェハ表面に糊残り等の汚染は観察されな
かった。得られた結果を表1に示す。
【0068】3−2.保護方法の実施例2 半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム2を用いた以外、
実施例1と同様の方法を実施した。その結果、実施例1
と同様の結果が得られた。得られた結果を表1に示す。
【0069】3−3.保護方法の比較例1 半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を集積回路が組
み込まれた20枚の半導体シリコンウェハ(直径:8イ
ンチ、厚み:600μm、スクライブラインの深さ:8
μm、スクライブラインの幅:100μm)の回路形成
の全表面に貼着した状態で、裏面研削(ディスコ製、形
式:DFD−2S/8)工程を行った。100μmまで
裏面を研削した後、半導体ウェハ表面保護用粘着フィル
ム1を剥離した。その後、ダイボンディング用接着フィ
ルム(日立化成(株)製、商品名:ハイアタッチ)を1
50℃で半導体ウェハ裏面に貼着(タカトリ(株)製、
形式:DM−800)する工程を実施した。その結果、
ダイボンディング用接着フィルム貼着時に半導体ウェハ
が15枚割れ、ダイボンディング用接着フィルムが貼着
できる状態ではなかった。得られた結果を表2に示す。
【0070】3−4.保護方法の比較例2 半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム3を用いた以外、
実施例1と同様の方法を実施した。その結果、ダイボン
ディング用接着フィルムを貼着した後、チャックテーブ
ルに接している基材フィルムが熱により融解したため、
チャックテープルからアームによる搬送ができず、ダイ
ボンディング用接着フィルムのアフターキュアへのアー
ム移動ができなかった。表2には、この現象をエラー1
と記載した。得られた結果を表2に示す。
【0071】3−5.保護方法の比較例3 半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム4を用いた以外、
実施例1と同様の方法を実施した。その結果、ウェハ2
0枚に対して、表面保護用粘着フィルムの剥離不良が1
5枚発生した。ダイボンディング用接着フィルムを貼着
することができた半導体ウェハ5枚に対しては、粘着フ
ィルム剥離工程後の半導体ウェハ表面を光学顕微鏡測定
したところ、半導体ウェハ4枚に対して糊残りが発生し
ていた。得られた結果を表2に示す。
【0072】3−6.保護方法の比較例4 半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム5を用いた以外、
実施例1と同様の方法を実施した。その結果、ダイボン
ディング用接着フィルムを貼着した後、チャックテーブ
ルに接している基材フィルムが熱により融解したため、
チャックテープルからアームによる搬送ができず、ダイ
ボンディング用接着フィルムのアフターキュアへのアー
ム移動ができなかった。表2には、この現象をエラー1
と記載した。得られた結果を表2に示す。
【0073】3−7.保護方法の比較例5 半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム6を用いた以外、
実施例1と同様の方法を実施した。その結果、半導体ウ
ェハ裏面研削後のウェハの反りが大きく、ダイボンディ
ング用接着フィルム貼着装置(タカトリ(株)製、形
式:DM−800)で、ダイボンディング用接着フィル
ムを貼着することができなかった。表2には、この現象
をエラー2と記載した。得られた結果を表2に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【発明の効果】本発明は、半導体ウェハの表面に、半導
体ウェハ表面保護用粘着フィルムを貼着してから、それ
を剥離する工程に到る一連の工程において、半導体ウェ
ハ表面保護用粘着フィルムを貼着した状態で、半導体ウ
ェハの裏面を研削する工程と半導体ウェハの裏面にダイ
ボンディング用接着フィルムを貼着する工程を行い、且
つ、これらの工程で用いる半導体ウェハ表面保護用粘着
フィルムとして、少なくとも一層が融点200℃以上の
樹脂から形成された基材フィルムの片表面に、150℃
における貯蔵弾性率が少なくとも1×105Pa、厚み
が3〜100μmである粘着剤層が形成された半導体ウ
ェハ表面保護用粘着フィルムを使用することを特徴とす
る半導体ウェハ保護方法である。本発明によれば、裏面
加工工程において、厚みが200μm以下に薄層化され
た半導体ウェハであっても、上記一連の工程における半
導体ウェハの破損、汚染などを防止することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 真 愛知県名古屋市南区丹後通2−1 三井化 学株式会社内 (72)発明者 平井 健太郎 宮城県仙台市青葉区宮町4−1−5 第十 三ショーケ−ビル303号 (72)発明者 福本 英樹 愛知県名古屋市南区丹後通2−1 三井化 学株式会社内 (72)発明者 小清水 孝信 愛知県名古屋市南区丹後通2−1 三井化 学株式会社内 Fターム(参考) 4J004 AA10 AB01 CA06 CB03 FA05 FA10 4J040 DF041 DF051 DF061 EE001 GA08 5F043 AA02 AA03 AA04 AA05 DD30 GG10

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウェハの回路形成面に半導体ウェ
    ハ表面保護用粘着フィルムを貼着する第一工程、半導体
    ウェハの回路非形成面を加工する第二工程、及び半導体
    ウェハの回路非形成面にダイボンティング用接着フィル
    ムを貼着する第三工程を含む半導体ウェハ保護方法であ
    って、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを剥離する
    ことなしに第三工程を実施し、且つ、少なくとも一層が
    融点200℃以上の樹脂から形成された基材フィルムの
    片表面に、150℃における貯蔵弾性率が少なくとも1
    ×105Pa、厚みが3〜100μmである粘着剤層が
    形成された半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを使用
    することを特徴とする半導体ウェハ保護方法。
  2. 【請求項2】 前記第二工程が、裏面研削工程、ウェッ
    トエッチング工程及びポリッシング工程から選ばれた少
    なくとも一工程を含むことを特徴とする請求項1記載の
    半導体ウェハ保護方法。
  3. 【請求項3】 前記第二工程を経た後の半導体ウェハの
    厚みが200μm以下であることを特徴とする請求項1
    記載の半導体ウェハ保護方法。
  4. 【請求項4】 融点200℃以上の樹脂が、ポリエステ
    ル、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、及びポ
    リエーテルスルフォンから選ばれた少なくとも一種の樹
    脂であることを特徴とする請求項1記載の半導体ウェハ
    保護方法。
  5. 【請求項5】 融点が200℃以上の樹脂から形成され
    た基材フィルム層の厚みが10〜300μmであること
    を特徴とする請求項1記載の半導体ウェハ保護方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも一層が融点200℃以上の樹
    脂から形成され、厚みが50〜350μmである基材フ
    ィルムの片表面に、貯蔵弾性率が150℃において少な
    くとも1×105Pa、厚みが3〜100μmである粘
    着剤層が形成された薄膜半導体ウェハの製造に好適に用
    いられる半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム。
  7. 【請求項7】 融点が200℃以上の樹脂から形成され
    た基材フィルム層の厚みが10〜300μmであること
    を特徴とする請求項6記載の半導体ウェハ表面保護用粘
    着フィルム。
  8. 【請求項8】 融点が200℃以上の樹脂から形成され
    た基材フィルム層の貯蔵弾性率〔(G)MPa〕と厚み
    〔(D)μm〕との比が、0〜100℃において下記数
    式(1)、100〜300℃において下記数式(2)で
    表される関係を満たすことを特徴とする請求項6記載の
    半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム。 3≦G/D≦10000 ・・・(1) 0.03≦G/D≦1000・・・(2)
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