JP2004006552A - 半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム及び該粘着フィルムを用いる半導体ウェハの保護方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】半導体ウエハが厚み200μm以下に薄層化された場合であっても、半導体ウエハの破損を防止し得る半導体ウエハ保護方法を提供する。
【解決手段】半導体ウェハの回路形成面に半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを貼着する第一工程、及び半導体ウェハの回路非形成面を機械的に研削する第二工程を順次実施し、次いで、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを剥離することなしに、半導体ウェハの回路非形成面に機械的研削によって生じた破砕層を除去する第三工程を実施する半導体ウエハの製造工程における半導体ウェハ保護方法であって、これらの工程で用いる表面保護用粘着フィルムの基材フィルムとして、熱伝導率(α)が0.18W/m・K以上、厚みが50〜300μmである高熱伝導率フィルム層を少なくとも1層有する基材フィルムを用いることを特徴とする半導体ウェハ保護方法である。
【解決手段】半導体ウェハの回路形成面に半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを貼着する第一工程、及び半導体ウェハの回路非形成面を機械的に研削する第二工程を順次実施し、次いで、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを剥離することなしに、半導体ウェハの回路非形成面に機械的研削によって生じた破砕層を除去する第三工程を実施する半導体ウエハの製造工程における半導体ウェハ保護方法であって、これらの工程で用いる表面保護用粘着フィルムの基材フィルムとして、熱伝導率(α)が0.18W/m・K以上、厚みが50〜300μmである高熱伝導率フィルム層を少なくとも1層有する基材フィルムを用いることを特徴とする半導体ウェハ保護方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハの回路非形成面の加工工程に用いるウエハ表面保護用粘着フィルム及び半導体ウェハ保護方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウェハを加工する工程は、半導体ウェハの回路形成面に半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを貼り付ける工程、半導体ウェハの回路非形成面を加工する工程、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを剥離する工程、半導体ウェハを分割切断するダイシング工程を経た後、半導体チップを外部保護の為に樹脂で封止するモールド工程等により構成されている。
【0003】
従来、半導体ウェハの回路非形成面を加工する工程においては、半導体ウェハの回路非形成面を機械的に研削する工程後の半導体ウェハの厚さが200μm以下になると、機械的研削により生じた破砕層に起因して半導体ウェハ自身の強度が低下し、微小な応力により半導体ウェハを破損してしまう恐れがある。そこで、半導体ウェハの厚さが200μm以下になる場合、半導体ウェハの回路非形成面を機械的に研削する工程に次いで、研削後の半導体ウェハの回路非形成面に生じた破砕層を除去するために化学的な処理を加える工程が実施されている。
【0004】
化学的な処理を加えるエッチング工程としては、主にフッ素と硝酸の混酸を用いたウェットエッチング工程が使用されており、半導体ウェハの回路形成面を下向きに、半導体ウェハの回路非形成面を上向きにして窒素ガスで半導体ウェハを浮かした状態で、半導体ウェハ周囲を爪で固定して、高速回転させながらエッチング液を上方から滴下して半導体ウェハの回路非形成面を加工するウェットエッチング工程が行われている。しかし、環境面で廃液処理等の取り扱いが懸念されている。
【0005】
最近、このような環境面を考慮したエッチング方法としてプラズマ法を用いたプラズマエッチングにより半導体ウェハの回路非形成面の破砕層を除去する工程が検討されているが、プラズマを発生させるため系内を高温且つ真空にすることにより、表面保護用粘着フィルムを貼り付けた状態では粘着フィルムの変形等により、半導体ウェハの破損、粘着フィルムが融着してしまい半導体ウェハがチャックテーブルから外せないといった問題点が挙げられている。
【0006】
近年益々、半導体チップの薄層化の要求が高まっており、厚みが30〜100μm程度のチップも望まれている。その中で半導体ウェハの製造プロセスも複雑になっており、このように薄層化された半導体ウェハであっても破損することなく、半導体ウェハの回路非形成面を加工する工程として、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを半導体ウェハに貼り付けた状態で、種々の加工工程ができる半導体ウェハの保護方法が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題を鑑み、半導体ウェハの厚みが機械的研削により200μm以下に薄層化され、その後半導体ウェハの回路非形成面に生じた破砕層を除去する工程が実施される半導体ウェハの回路非形成面に対する多段加工工程において、半導体ウェハの薄層加工に伴い半導体ウェハ強度低下に起因した半導体ウェハの破損、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムの変形に伴う半導体ウェハの破損及び半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを剥離する際の半導体ウェハの破損防止に有用である半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム及びそれを用いる半導体ウェハの保護方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、半導体ウェハの回路形成面に半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを貼り付ける工程、半導体ウェハの回路非形成面を機械的に研削する工程を順次実施し、半導体ウェハの回路形成面に半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムが貼着された状態で、引き続き、半導体ウェハの回路非形成面の破砕層を除去する工程を実施する半導体ウェハ保護方法において、熱伝導率に基づく設計で特定の物性をもつフィルムで構成された基材フィルム層の片表面に粘着剤層が形成された半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、半導体ウェハの回路形成面に半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを貼着する第一工程、及び半導体ウェハの回路非形成面を機械的に研削する第二工程を順次実施し、次いで、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを剥離することなしに、半導体ウェハの回路非形成面の機械的研削に起因した破砕層を除去する第三工程を実施する半導体ウェハの製造工程における半導体ウェハ保護方法であって、基材フィルム層として、熱伝導率(α)が0.18W/m・K以上である高熱伝導率フィルム層を少なくとも1層有し、基材フィルム層の片表面に厚みが3〜100μmである粘着剤層が形成された粘着フィルムを用いることを特徴とする半導体ウェハ保護方法およびそれに用いる半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムに関する。
【0010】
本発明の粘着フィルムの構成を採用することにより、厚みが200μm以下に薄層化された半導体ウェハであっても、一連の工程における半導体ウェハの破損などを防止できる効果を奏するのである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明に係わる半導体ウェハ保護方法を適用した半導体ウエハの製造方法は、先ず、前記の如く、半導体ウェハの回路形成面(以下、表面という)に半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを貼着する第一工程、及び半導体ウェハの回路非形成面(以下、裏面という)を機械的に研削する第二工程を順次実施し、引き続き、該粘着フィルムを剥離することなく、半導体ウエハの裏面に生じた破砕層を除去する第三工程を実施する。以降の工程は特に制限はないが、例えば、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを剥離する工程、半導体ウェハを分割切断するダイシング工程、半導体チップを外部保護の為に樹脂で封止するモールド工程、等を順次実施する半導体ウェハの製造方法が挙げられる。
【0012】
以下、本発明の半導体ウェハ保護方法について詳細に説明する。本発明の半導体ウェハ保護方法は、半導体ウェハの表面に半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを貼着する第一工程、及び半導体ウェハの裏面を機械的に研削する第二工程を順次実施し、引き続き、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを剥離することなしに、半導体ウェハ裏面に生じた破砕層を除去する第三工程を実施する。この際、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムとして、基材フィルム層に熱伝導率(α)が0.18W/m・K以上である高熱伝導率フィルム層を少なくとも1層有し、基材フィルムの片表面に厚みが3〜100μmである粘着剤層が形成された粘着フィルムを用いる。
【0013】
本発明に係わる半導体ウェハ保護方法の詳細は、先ず、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムの粘着剤層側から剥離フィルムを剥離し、粘着剤層表面を露出させ、その粘着剤層を介して、半導体ウェハの表面に貼着する(第一工程)。次いで、チャックテーブル等に粘着フィルムの基材フィルム層を介して半導体ウェハを固定し、半導体ウェハの裏面を機械的に研削する(第二工程)。次いで、粘着フィルムを剥離することなく、半導体ウエハの裏面に生じた破砕層を除去する(第三工程)。その後、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムは剥離される。また、必要に応じて粘着フィルム剥離した後に、半導体ウェハ表面に対して、水洗、プラズマ洗浄等の処理が施される。
【0014】
裏面加工操作において、半導体ウェハは、研削前の厚みが、通常500〜1000μmであるのに対して、半導体チップの種類等に応じ、通常200〜600μm程度まで研削、薄層化される。200μm以下まで薄くする場合は、裏面研削に引き続いて、半導体ウェハの裏面に生じている破砕層を除去する工程が好ましい。そのエッチングする厚みは、0.1〜60μm程度である。裏面を研削する前の半導体ウェハの厚みは、半導体ウェハの直径、種類等により適宜決められ、裏面研削後のウェハの厚みは、得られるチップのサイズ、回路の種類等により適宜決められる。
【0015】
半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを半導体ウェハに貼着する操作は、人手により行われる場合もあるが、一般に、ロール状の粘着フィルムを取り付けた自動貼り機と称される装置によって行われる。このような自動貼り機として、例えばタカトリ(株)製、形式:ATM−1000B、同ATM−1100、同TEAM−100、帝国精機(株)製、形式:STLシリーズ等が挙げられる。
【0016】
裏面研削方式としては、スルーフィード方式、インフィード方式等の公知の研削方式が採用される。それぞれ研削は、水を半導体ウェハと砥石にかけて冷却しながら行われる。裏面研削終了後の半導体ウェハ裏面に生じた破砕層の除去としては、ウエットエッチング、プラズマエッチング、ポリッシングなどのプロセスが挙げられる。ウェットエッチング工程、プラズマエッチング工程及びポリッシング工程は、半導体ウェハ裏面に生じた破砕層の除去の他に、半導体ウェハの更なる薄層化、酸化膜等の除去、電極を裏面に形成する際の前処理等を目的として行われる。エッチング液やプラズマ条件及びポリッシング剤は、目的に応じて適宜選択される。
【0017】
裏面研削、裏面エッチング処理工程終了後、粘着フィルムはウェハ表面から剥離される。この一連の操作は、人手により行われる場合もあるが、一般には自動剥がし機と称される装置により行われる。このような自動剥がし機としては、タカトリ(株)製、形式:ATRM−2000B、同ATRM−2100、帝国精機(株)製、形式:STPシリーズ、日東精機(株)製、型式:HR8500II等が挙げられる。また、剥離性向上を目的として、必要に応じて加熱剥離することが好ましい。
【0018】
ウェハ表面保護用粘着フィルムを剥離した後のウェハ表面は、必要に応じて洗浄される。洗浄方法としては、水洗浄、溶剤洗浄等の湿式洗浄、プラズマ洗浄等の乾式洗浄等が挙げられる。湿式洗浄の場合、超音波洗浄を併用してもよい。これらの洗浄方法は、ウェハ表面の汚染状況により適宜選択される。
【0019】
本発明に用いる半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムは、基材フィルムを作成した後、その片面に粘着剤層を形成することにより製造される。剥離フィルムを剥離したときに露出する粘着剤層の表面を介して半導体ウェハ表面に貼着されることを考慮し、粘着剤層による半導体ウエハ表面の汚染防止を図るためには、剥離フィルムの片面に、粘着剤塗布液を塗布、乾燥して粘着剤層を形成した後、得られた粘着剤層を基材フィルムの片面に転写する方法が好ましい。
【0020】
本発明に用いるウェハ表面保護用粘着フィルムの基材フィルムは、少なくとも一層が、熱伝導率(α)が0.18W/m・K以上、厚みが50〜300μmである高熱伝導率フィルムであることが好ましい。これらの高熱伝導率フィルムとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アルキルアクリレート共重合体(アルキル基の炭素数1〜4)、及び低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンの炭素数3〜8)等のポリエチレンから成形された樹脂フィルムが挙げられる。これらの内、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンが好ましく、特に酢酸ビニル単位の含有量が5〜50重量%程度のエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムが好ましい。
【0021】
半導体ウェハの裏面研削後のウェハ裏面に生じた破砕層を除去する工程、例えば、ウェットエッチング工程、プラズマエッチング工程及びポリッシング工程等では、エッチング液と半導体ウェハとの反応に伴う発熱、プラズマ発生に伴う系内の高温真空状態及びポリッシング剤による研磨熱など、熱を伴う工程が考えられるため、目的に応じて低熱伝導率フィルムを積層してもよい。例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルファイド等及びこれらの混合樹脂から成形された樹脂フィルムが挙げられる。代表的市販品として、帝人デュポンフィルム(株)製、商品名:テオネックス、テトロン、三菱化学(株)製、商品名:トーロン4203L、ICI社製、商品名:45G、ICI社製、商品名:200P、東レ社製、商品名トレリナ等が挙げられる。
【0022】
基材フィルムの代表的な製造方法として、高熱伝導率フィルムを押出機で押出成形しながら、予め用意しておいた低熱伝導率フィルムとラミネートする方法が挙げられる。高熱伝導率フィルムと低熱伝導率フィルムとの接着力を高めるために両者の間に新たに接着層を設けてもよい。基材フィルムと粘着剤層の接着力を高めるために、粘着剤層を設ける面にはコロナ放電処理または化学処理等を施すことが好ましい。基材フィルム層の総厚みは100〜1000μmが好ましい。高熱伝導率フィルムと低熱伝導率フィルムを積層することは好ましい態様であるが、この場合、前者の層の厚みは50〜300μm程度、後者の厚みは10〜100μm程度が好ましい。高熱伝導率フィルム層は、その柔軟性により、ウエハ表面の段差を吸収し、半導体ウエハの裏面研削加工における破損を防ぐ作用を有する。低熱伝導率フィルムは熱伝導率(α)が0.18W/m・K未満のものが好ましく、例示すれば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフィレニンサルファイド、ポリエーテルサルファイドが挙げられる。
【0023】
粘着剤層を形成するフィルム層は、高熱伝導率フィルム側、低熱伝導率フィルム側のいずれでもよいが、半導体ウェハ裏面処理加工後、ダイボンディングフィルムを加熱粘着する工程を含むプロセスの場合は、高熱伝導率フィルム側が好ましい。
【0024】
本発明に係わる半導体ウェハ用粘着フィルムの粘着剤層を形成する粘着剤は、半導体ウェハの裏面に生じた破砕層を除去する工程での温度条件下でも、粘着剤として充分機能するもので、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤が好ましい。その厚みは3〜100μmであることが好ましい。粘着フィルム剥離時には、半導体ウェハの回路形成面上を汚染していないことが好ましい。
【0025】
特に、ウェットエッチング、プラズマエッチング及びポリッシングといった裏面処理プロセスにより高温に曝された後、粘着力が大きくなり過ぎないように、また、ウエハ表面の汚染が増加しないように、反応性官能基を有する架橋剤、過酸化物、放射線等により高密度に架橋されたものであることが好ましい。更に、粘着力の上昇に伴う剥離不良及び糊残りが発生しなことが好ましい。
【0026】
上記特性を有する粘着剤層を形成する方法として、アクリル系粘着剤を用いる方法を例示する。粘着剤層は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単位(A)、架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー単位(B)、2官能性モノマー単位(C)をそれぞれ特定量含む乳化重合共重合体のアクリル系粘着剤、並びに、凝集力を上げたり粘着力を調整するための、官能基を1分子中に2個以上有する架橋剤を含む溶液またはエマルション液を用いることにより形成される。溶液で使用する場合は、乳化重合で得られたエマルション液からアクリル系粘着剤を塩析等で分離してから溶剤等で再溶解して使用する。アクリル系粘着剤は、分子量が充分に大きく、溶剤への溶解性が低く、若しくは溶解しない場合が多いので、コスト的な観点から鑑みても、エマルション液のまま使用することが好ましい。
【0027】
本発明に用いるアクリル系粘着剤としては、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、又はこれらの混合物を主モノマー〔以下、モノマー(A)〕として、架橋剤と反応し得る官能基を有するコモノマーを含むモノマー混合物を共重合したものが挙げられる。
【0028】
モノマー(A)としては、炭素数1〜12程度のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル又はメタアクリル酸アルキルエステル〔以下、これらの総称して(メタ)アクリル酸アルキルエステルという〕が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルが挙げられる。これらは単独で使用しても、また、2種以上を混合して使用してもよい。モノマー(A)の使用量は粘着剤の原料となる全モノマーの総量中に、通常、10〜98.9重量%の範囲で含ませることが好ましい。更に好ましくは85〜95重量%である。モノマー(A)の使用量をかかる範囲とすることにより、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単位(A)10〜98.9重量%、好ましくは85〜95重量%を含むポリマーが得られる。
【0029】
架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー単位(B)を形成するモノマー(B)としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、メサコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ターシャル−ブチルアミノエチルアクリレート、ターシャル−ブチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド等である。これらの一種を上記主モノマーと共重合させてもよいし、また2種以上を共重合させてもよい。架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー(B)の使用量は、粘着剤の原料となる全モノマーの総量中に、通常、1〜40重量%の範囲で含まれていることが好ましい。更に好ましくは、1〜10重量%である。而して、モノマー組成とほぼ等しい組成の構成単位(B)を有するポリマーが得られる。
【0030】
更に、粘着剤層が半導体ウェハの加工工程での半導体ウェハの裏面加工時やウェハ裏面のエッチング処理時の温度条件下でも、粘着剤として充分機能するように、粘着力や剥離性を調整する方策として、エマルション粒子の凝集力を維持する為に粒子バルクの架橋方式も考慮することが好ましい。
【0031】
エマルション粒子に対しては、2官能モノマー(C)を共重合することによって凝集力を維持するよう架橋方式を改良することが好ましい。良好に共重合するモノマーとして、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、ジビニルベンゼン、メタクリル酸ビニル、アクリル酸ビニルや、例えば、両末端がジアクリレートまたはジメタクリレートで主鎖の構造がプロピレングリコール型〔日本油脂(株)製、商品名;PDP−200、同PDP−400、同ADP−200、同ADP−400〕、テトラメチレングリコール型〔日本油脂(株)製、商品名;ADT‐250、同ADT‐850〕及びこれらの混合型〔日本油脂(株)製、商品名:ADET‐1800、同ADPT−4000〕等が挙げられる。
【0032】
2官能モノマー(C)を乳化共重合する場合、その使用量は、全モノマー中に0.1〜30重量%含むことが好ましい。更に好ましくは0.1〜5重量%である。而して、モノマー組成とほぼ等しい組成の構成単位(C)を有するポリマーが得られる。
【0033】
上記粘着剤を構成する主モノマー及び架橋剤と反応し得る官能基を有するコモノマーの他に、界面活性剤としての性質を有する特定のコモノマー(以下、重合性界面活性剤と称する)を共重合してもよい。重合性界面活性剤は、主モノマー及びコモノマーと共重合する性質を有すると共に、乳化重合する場合には乳化剤としての作用を有する。重合性界面活性剤を用いて乳化重合したアクリル系粘着剤を用いた場合には、通常界面活性剤によるウェハ表面に対する汚染が生じない。また、粘着剤層に起因する僅かな汚染が生じた場合においても、ウェハ表面を水洗することにより容易に除去することが可能となる。
【0034】
このような重合性界面活性剤の例としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製;商品名:アクアロンRN−10、同RN−20、同RN−30、同RN−50等〕、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの硫酸エステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製;商品名:アクアロンHS−10、同HS−20等〕、及び分子内に重合性二重結合を持つ、スルホコハク酸ジエステル系〔花王(株)製;商品名:ラテムルS−120A、同S−180A等〕等が挙げられる。更に必要に応じて、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の重合性2重結合を有するモノマーを共重合してもよい。
【0035】
アクリル系粘着剤の重合反応機構としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等が挙げられる。粘着剤の製造コスト、モノマーの官能基の影響及び半導体ウェハ表面へのイオンの影響等を等慮すればラジカル重合によって重合することが好ましい。ラジカル重合反応によって重合する際、ラジカル重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−ターシャル−ブチルパーオキサイド、ジ−ターシャル−アミルパーオキサイド等の有機過酸化物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等のアゾ化合物が挙げられる。
【0036】
乳化重合法により重合する場合には、これらのラジカル重合開始剤の中で、水溶性の過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物、同じく水溶性の4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を持ったアゾ化合物が好ましい。半導体ウェハ表面へのイオンの影響を考慮すれば、過硫酸アンモニウム、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を有するアゾ化合物が更に好ましい。4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を有するアゾ化合物が特に好ましい。
【0037】
本発明に用いる架橋性の官能基を1分子中に2個以上有する架橋剤は、アクリル系粘着剤が有する官能基と反応させ、粘着力及び凝集力を調整するために用いる。架橋剤としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、レソルシンジグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトルエンジイソシアネート3付加物、ポリイソシアネート等のイソシアネート系化合物、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネート等のアジリジン系化合物、N,N,N’,N’−テトラグリシジルm−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンの4官能性エポキシ系化合物及びヘキサメトキシメチロールメラミン等のメラミン系化合物が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上に対して併用してもよい。
【0038】
架橋剤の含有量は、通常架橋剤中の官能基数がアクリル系粘着剤中の官能基数よりも多くならない程度の範囲で含有する。しかし、架橋反応で新たに官能基が生じる場合や、架橋反応が遅い場合等、必要に応じて過剰に含有してもよい。好ましい含有量は、アクリル系粘着剤100重量部に対し、架橋剤0.1〜15重量部である。含有量が少ない場合、粘着剤層の凝集力が不十分となり、粘着剤層に起因する糊残りを生じ易くなったり、粘着力が本発明の範囲を外れて高くなり、粘着フィルムをウェハ表面から剥離する際に自動剥がし機で剥離トラブルが発生したり、ウェハを完全に破損したりする場合がある。含有量が多い場合、粘着剤層とウェハ表面との密着力が弱くなり、裏面研削工程中に水や研削屑が浸入してウェハを破損したり、研削屑によるウェハ表面の汚染が生じたりすることがある。
【0039】
本発明に用いる粘着剤塗布液には、上記の特定の2官能モノマーを共重合したアクリル系粘着剤、架橋剤の他に粘着特性を調整するためにロジン系、テルペン樹脂系等のタッキファイヤー、各種界面活性剤等を、本発明の目的に影響しない程度に適宜含有してもよい。また、塗布液がエマルション液である場合は、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル等の造膜助剤を本発明の目的に影響しない程度に適宜添加してよい。造膜助剤として使用されるジエチレングリコールモノアルキルエーテル及びその誘導体は、粘着剤層中に多量に含有した場合、洗浄が不可能となる程度のウェハ表面の汚染を招くことがあることを考慮すれば、粘着剤塗工後の乾燥時の温度で揮発するものを使用し、粘着剤層中への残存量を低くすることが好ましい。
【0040】
本発明における半導体ウェハの保護用粘着フィルムの粘着力は、半導体ウェハの加工条件、ウェハの直径、裏面研削後のウェハの厚み、ウェハ裏面のエッチング処理時の発熱温度等を勘案して適宜調整できるが、粘着力が低すぎるとウェハ表面への粘着フィルムの貼着が困難となったり、フィルムによる保護性能が不十分でウェハが破損したり、ウェハ表面に研削屑等による汚染が生じたりする傾向にある。また、粘着力が高すぎると、ウェハ加工後に粘着フィルムをウェハ表面から剥離する際に、自動剥がし機で剥離トラブルが発生する等、剥離作業性が低下したり、ウェハを破損したりすることがある。通常、SUS304−BA板に対する粘着力に換算して5〜500g/25mm、好ましくは10〜300g/25mmである。
【0041】
基材フィルムまたは剥離フィルムの片表面に粘着剤塗布液を塗布する方法としては、従来公知の塗布方法、例えばロールコーター法、リバースロールコーター法、グラビアロール法、バーコート法、コンマコーター法、ダイコーター法等が採用できる。塗布された粘着剤の乾燥条件には特に制限はないが、一般的には、80〜200℃の温度範囲において10秒〜10分間乾燥することが好ましい。更に好ましくは、80〜170℃において15秒〜5分間乾燥する。架橋剤と粘着剤との架橋反応を十分に促進させるために、粘着剤塗布液の乾燥が終了した後に、半導体ウェハの表面保護粘着フィルムを40〜80℃において5〜300時間程度加熱してもよい。
【0042】
本発明における半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムの製造方法は、上記の通りであるが、半導体ウェハ表面の汚染防止の観点から、基材フィルム、剥離フィルム、粘着剤主剤等全ての原料資材の製造環境、粘着剤塗布液の調製、保存、塗布及び乾燥環境は、米国連邦規格209bに規定されるクラス1,000以下のクリーン度に維持されていることが好ましい。
【0043】
本発明の半導体ウェハ保護方法が適用できる半導体ウェハとして、シリコンウェハに限らず、ゲルマニウム、ガリウム−ヒ素、ガリウム−リン、ガリウム−ヒ素−アルミニウム等のウェハが挙げられる。
【0044】
【測定例】
以下、実施例を示して本発明についてさらに詳細に説明する。以下に示す全ての実施例及び比較例において、米国連邦規格209bに規定されるクラス1,000以下のクリーン度に維持された環境において粘着剤塗布液の調製及び塗布、半導体シリコンウェハの裏面研削、並びに裏面研削後の破砕層除去テスト等を実施した。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実施例に示した各種特性値は下記の方法で測定した。
1.粘着力測定(g/25mm)
下記に規定した条件以外は、全てJIS Z−0237−1991に規定される方法に準じて測定する。23℃の雰囲気下において、実施例または比較例で得られた粘着フィルムをその粘着剤層を介して、5cm×20cmのSUS304−BA板(JIS G−4305−1991規定)の表面に貼着し、60分放置する。試料の一端を挟持し、剥離角度180度、剥離速度300mm/min.でSUS304−BA板の表面から試料を剥離する際の応力を測定し、25mm幅に換算する。
【0045】
2.熱伝導率(W/m/K)
ASTME1225−99温度傾斜法に基づき、測定を行った。
【0046】
3.半導体ウエハの破損(枚数)
半導体ウェハの裏面研削、裏面処理加工工程及び表面保護用粘着フィルム剥離工程におけるウエハの破損枚数を示す。
【0047】
【実施例】
1.基材フィルムの調製例1
高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み120μm)を基材フィルム1とした。粘着剤層を塗布する側にコロナ処理を施した。
【0048】
2.基材フィルムの調整例2
低熱伝導率を有するフィルムとして、ポリエチレンナフタレートフィルム(熱伝導率α:0.12W/m・K、フィルム厚み50μm)を選定し、これと高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み70μm)を積層し、粘着剤層を形成する低熱伝導率フィルム側にコロナ放電処理を施し、全体の厚みが120μmである基材フィルム2を作成した。
【0049】
3.基材フィルムの調整例3
低熱伝導率を有するフィルムとして、ポリエチレンナフタレートフィルム(熱伝導率α:0.12W/m・K、フィルム厚み50μm)を選定し、これと高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み70μm)を積層し、粘着剤層を形成する高熱伝導率フィルム側にコロナ放電処理を施し、全体の厚みが120μmである基材フィルム3を作成した。
【0050】
4.基材フィルムの調整例4
高熱伝導率を有するフィルムとして、ポリエチレンフィルム(熱伝導率α:0.18W/m・K、フィルム厚み120μm)を基材フィルム4とした。粘着剤層を塗布する側にコロナ処理を施した。
【0051】
5.基材フィルムの調製例5
高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み50μm)を基材フィルム5とした。粘着剤層を塗布する側にコロナ処理を施した。
【0052】
6.基材フィルムの調製例6
高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み290μm)を基材フィルム6とした。粘着剤層を塗布する側にコロナ処理を施した。
【0053】
7.基材フィルムの調整例7
低熱伝導率を有するフィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム(熱伝導率α:0.13W/m・K、フィルム厚み100μm)を選定し、これと高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み195μm)を積層し、粘着剤層を形成する低熱伝導率フィルム側にコロナ放電処理を施し、全体の厚みが295μmである基材フィルム7を作成した。
【0054】
8.基材フィルムの調整例8
低熱伝導率を有するフィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム(熱伝導率α:0.13W/m・K、フィルム厚み12μm)を選定し、これと高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み195μm)を積層し、粘着剤層を形成する低熱伝導率フィルム側にコロナ放電処理を施し、全体の厚みが207μmである基材フィルム8を作成した。
【0055】
9.基材フィルムの調整例9
低熱伝導率を有するフィルムとして、ポリエーテルサルファイドフィルム(熱伝導率α:0.17W/m・K、フィルム厚み50μm)を選定し、これと高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み195μm)を積層し、粘着剤層を形成する低熱伝導率フィルム側にコロナ放電処理を施し、全体の厚みが245μmである基材フィルム9を作成した。
【0056】
10.基材フィルムの調整例10
低熱伝導率を有するフィルムとして、ポリフェニレンサルファイドフィルム(熱伝導率α:0.13W/m・K、フィルム厚み50μm)を選定し、これと高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み195μm)を積層し、粘着剤層を形成する低熱伝導率フィルム側にコロナ放電処理を施し、全体の厚みが245μmである基材フィルム10を作成した。
【0057】
11.基材フィルムの調整例11
高熱伝導率を有するフィルムとして、ポリエチレンフィルム(熱伝導率α:0.18W/m・K、フィルム厚み120μm)と高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み195μm)を積層し、粘着剤層を形成する低熱伝導率フィルム側にコロナ放電処理を施し、全体の厚みが315μmである基材フィルム11を作成した。
【0058】
12.基材フィルムの比較例1
低熱伝導率を有するフィルムとして、ポリエチレンナフタレートフィルム(熱伝導率α:0.12W/m・K、フィルム厚み50μm)を基材フィルム12とした。粘着剤層を塗布する側にコロナ処理を施した。
【0059】
13.基材フィルムの比較例2
低熱伝導率を有するフィルムとして、ポリエーテルサルファイドフィルム(熱伝導率α:0.17W/m・K、フィルム厚み50μm)を基材フィルム13とした。粘着剤層を塗布する側にコロナ処理を施した。
【0060】
14.基材フィルムの比較例3
低熱伝導率を有するフィルムとして、ポリフェニレンサルファイドフィルム(熱伝導率α:0.13W/m・K、フィルム厚み50μm)を基材フィルム14とした。粘着剤層を塗布する側にコロナ処理を施した。
【0061】
15.基材フィルムの比較例4
高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み45μm)を基材フィルム15とした。粘着剤層を塗布する側にコロナ処理を施した。
【0062】
16.基材フィルムの比較例5
高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み340μm)を基材フィルム16とした。粘着剤層を塗布する側にコロナ処理を施した。
【0063】
17.粘着剤主剤の調製例
重合反応機に脱イオン水150重量部、重合開始剤として4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド〔大塚化学(株)製、商品名:ACVA〕を0.625重量部、モノマー(A)としてアクリル酸−2−エチルヘキシル62.25重量部、アクリル酸−n−ブチル18重量部、及びメタクリル酸メチル12重量部、モノマー(B)としてメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル3重量%、メタクリル酸2重量部、及びアクリルアミド1重量部、モノマー(C)としてポリテトラメチレングリコールジアクリレート〔日本油脂(株)製、商品名:ADT−250〕1重量部、水溶性コモノマーとしてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキサイドの付加モル数の平均値:約20)の硫酸エステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンHS−10〕0.75重量部を装入し、攪拌下で70〜72℃において8時間乳化重合を実施し、アクリル系樹脂エマルションを得た。これを9重量%アンモニア水で中和(pH=7.0)し、固形分42.5重量%のアクリル系粘着剤とした。
【0064】
18.粘着剤塗布液の調製例
粘着剤主剤の調製例から得られた粘着剤主剤1の100重量部を採取し、さらに9重量%アンモニア水を加えてpH9.5に調整した。次いで、アジリジン系架橋剤〔日本触媒化学工業(株)製、商品名:ケミタイトPz−33〕1.6重量部を添加して粘着剤塗布液を得た。
【0065】
19.粘着フィルムの調製例1
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム1のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を製造した。粘着力は、120g/25mmであった。
【0066】
20.粘着フィルムの調製例2
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム2のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム2を製造した。また、粘着力は、150g/25mmであった。
【0067】
21.粘着フィルムの調製例3
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム3のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム3を製造した。粘着力は、130g/25mmであった。
【0068】
22.粘着フィルムの調製例4
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム4のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム4を製造した。粘着力は、140g/25mmであった。
【0069】
23.粘着フィルムの調製例5
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム5のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム5を製造した。粘着力は、70g/25mmであった。
【0070】
24.粘着フィルムの調製例6
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム6のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム6を製造した。粘着力は、170g/25mmであった。
【0071】
25.粘着フィルムの調製例7
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム7のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム7を製造した。粘着力は、220g/25mmであった。
【0072】
26.粘着フィルムの調製例8
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム8のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム8を製造した。粘着力は、180g/25mmであった。
【0073】
27.粘着フィルムの調製例9
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム9のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム9を製造した。粘着力は、190g/25mmであった。
【0074】
28.粘着フィルムの調製例10
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム10のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム10を製造した。粘着力は、190g/25mmであった。
【0075】
29.粘着フィルムの調製例11
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム11のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム11を製造した。粘着力は、230g/25mmであった。
【0076】
30.粘着フィルムの調製例12
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム12のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム12を製造した。粘着力は、240g/25mmであった。
【0077】
31.粘着フィルムの調製例13
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム13のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム13を製造した。粘着力は、255g/25mmであった。
【0078】
32.粘着フィルムの調製例14
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム14のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム14を製造した。粘着力は、235g/25mmであった。
【0079】
33.粘着フィルムの調製例15
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム15のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム15を製造した。粘着力は、60g/25mmであった。
【0080】
34.粘着フィルムの調製例16
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム16のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム16を製造した。粘着力は、210g/25mmであった。
【0081】
実施例1
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を用いて、半導体の保護性能を実施した。半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を集積回路が組み込まれた60枚の半導体シリコンウェハ(直径:8インチ、厚み:600μm、スクライブラインの深さ:8μm、スクライブラインの幅:100μm)の回路形成の全表面に貼着し、▲1▼裏面研削とケミカルエッチング工程(ディスコ、日曹エンジニアリング製、型式:BEST)評価は、半導体ウェハを170μmまで裏面研削し、ケミカルエッチングにて150μmまで処理した(20枚)。▲2▼裏面研削とポリッシング工程(東京精密製、型式:PG200)では、半導体ウェハを152μmまで裏面研削し、ポリッシングにて150μmまで処理した(20枚)。▲3▼裏面研削とプラズマエッチング工程(ディスコ製、型式:DFG850/SR10)では、半導体ウェハを152μmまで裏面研削し、プラズマエッチングにて150μmまで処理した(20枚)。各処理工程において半導体ウェハ破損及びテープ変形に起因した半導体ウェハ割れは発生しなかった。半導体ウエハ表面保護用粘着フィルム1の剥離工程(日東精機(株)製、形式:HR8500II)においてもウェハの割れは発生しなかった。得られた結果を表1に示す。
【0082】
実施例2〜11
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム2〜11を用いて、実施例1と同様に半導体の保護性能を実施した。得られた結果を表1に示す。
【0083】
比較例1
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム12を用いて、半導体の保護性能を実施した。半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム12を集積回路が組み込まれた60枚の半導体シリコンウェハ(直径:8インチ、厚み:600μm、スクライブラインの深さ:8μm、スクライブラインの幅:100μm)の回路形成の全表面に貼着し、▲1▼裏面研削とケミカルエッチング工程(ディスコ、日曹エンジニアリング製、型式:BEST)評価は、半導体ウェハを170μmまで裏面研削し、ケミカルエッチングにて150μmまで処理した(20枚)。▲2▼裏面研削とポリッシング工程(東京精密製、型式:PG200)では、半導体ウェハを152μmまで裏面研削し、ポリッシングにて150μmまで処理した(20枚)。▲3▼裏面研削とプラズマエッチング工程(ディスコ製、型式:DFG850/SR10)では、半導体ウェハを152μmまで裏面研削し、プラズマエッチングにて150μmまで処理した(20枚)。処理工程▲1▼▲2▼において半導体ウェハ破損及びテープ変形に起因した半導体ウェハ割れは発生しなかった。しかし、処理工程▲3▼では、裏面研削後のウェハ破損は確認されなかったが、プラズマエッチングの影響で半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムが熱変形した16枚の内、6枚のウェハ破損が確認された。得られた結果を表2に示す。
【0084】
比較例2
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム13を用いて、比較例1と同様の半導体の保護性能を実施した。その結果、処理工程▲1▼▲2▼において半導体ウェハ破損及びテープ変形に起因した半導体ウェハ割れは発生しなかった。しかし、処理工程▲3▼では、裏面研削後のウェハ破損は確認されなかったが、プラズマエッチングの影響で半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムが熱変形した15枚の内、5枚のウェハ破損が確認された。得られた結果を表2に示す。
【0085】
比較例3
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム14を用いて、比較例1と同様の半導体の保護性能を実施した。その結果、処理工程▲1▼▲2▼において半導体ウェハ破損及びテープ変形に起因した半導体ウェハ割れは発生しなかった。しかし、処理工程▲3▼では、裏面研削後のウェハ破損は確認されなかったが、プラズマエッチングの影響で半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムが熱変形した18枚の内、11枚のウェハ破損が確認された。得られた結果を表2に示す。
【0086】
比較例4
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム15を用いて、比較例1と同様の半導体の保護性能を実施した。その結果、裏面加工処理にする前の裏面研削後のテープクッション性欠陥に起因したウェハ破損は、処理工程▲1▼、▲2▼、▲3▼の順に、1枚、2枚、1枚であった。処理工程▲1▼後18枚のウェハにてテープ変色が確認され、ウェハ破損は3枚であった。処理工程▲2▼後では、ウェハ破損が3枚確認された。処理工程▲3▼後では、ウェハ破損が2枚確認された。得られた結果を表2に示す。
【0087】
比較例5
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム16を用いて、比較例1と同様の半導体の保護性能を実施した。その結果、処理工程▲1▼▲2▼▲3▼において半導体ウェハ破損は確認されなかった。しかし、各処理工程でのテープ変形を観察すると、処理工程▲1▼では、19枚のウェハにて薬液に起因したテープ変色、処理工程▲2▼では、4枚のウェハにて発熱に起因したテープ変形、処理工程▲3▼では、2枚のウェハにて発熱起因したテープ変形が確認された。得られた結果を表2に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
【本発明の効果】
本発明は、半導体ウエハの表面に、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを貼着してから、それを剥離する工程に到る一連の工程において、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを貼着した状態で、半導体ウェハの裏面を機械的に研削する工程と半導体ウェハの裏面に生じた破砕層を除去する工程を行い、且つ、これらの工程で用いる表面保護用粘着フィルムの基材フィルムとして、熱伝導率(α)が0.18W/m・K以上、厚みが50〜300μmである高熱伝導率フィルム層を少なくとも1層有する基材フィルムを用いることを特徴とする半導体ウェハ保護方法である。本発明によれば、裏面研削及び裏面処理加工工程において、厚さが200μm以下に薄層化された場合であっても、半導体ウェハの破損、汚染等を防止することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェハの回路非形成面の加工工程に用いるウエハ表面保護用粘着フィルム及び半導体ウェハ保護方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウェハを加工する工程は、半導体ウェハの回路形成面に半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを貼り付ける工程、半導体ウェハの回路非形成面を加工する工程、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを剥離する工程、半導体ウェハを分割切断するダイシング工程を経た後、半導体チップを外部保護の為に樹脂で封止するモールド工程等により構成されている。
【0003】
従来、半導体ウェハの回路非形成面を加工する工程においては、半導体ウェハの回路非形成面を機械的に研削する工程後の半導体ウェハの厚さが200μm以下になると、機械的研削により生じた破砕層に起因して半導体ウェハ自身の強度が低下し、微小な応力により半導体ウェハを破損してしまう恐れがある。そこで、半導体ウェハの厚さが200μm以下になる場合、半導体ウェハの回路非形成面を機械的に研削する工程に次いで、研削後の半導体ウェハの回路非形成面に生じた破砕層を除去するために化学的な処理を加える工程が実施されている。
【0004】
化学的な処理を加えるエッチング工程としては、主にフッ素と硝酸の混酸を用いたウェットエッチング工程が使用されており、半導体ウェハの回路形成面を下向きに、半導体ウェハの回路非形成面を上向きにして窒素ガスで半導体ウェハを浮かした状態で、半導体ウェハ周囲を爪で固定して、高速回転させながらエッチング液を上方から滴下して半導体ウェハの回路非形成面を加工するウェットエッチング工程が行われている。しかし、環境面で廃液処理等の取り扱いが懸念されている。
【0005】
最近、このような環境面を考慮したエッチング方法としてプラズマ法を用いたプラズマエッチングにより半導体ウェハの回路非形成面の破砕層を除去する工程が検討されているが、プラズマを発生させるため系内を高温且つ真空にすることにより、表面保護用粘着フィルムを貼り付けた状態では粘着フィルムの変形等により、半導体ウェハの破損、粘着フィルムが融着してしまい半導体ウェハがチャックテーブルから外せないといった問題点が挙げられている。
【0006】
近年益々、半導体チップの薄層化の要求が高まっており、厚みが30〜100μm程度のチップも望まれている。その中で半導体ウェハの製造プロセスも複雑になっており、このように薄層化された半導体ウェハであっても破損することなく、半導体ウェハの回路非形成面を加工する工程として、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを半導体ウェハに貼り付けた状態で、種々の加工工程ができる半導体ウェハの保護方法が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題を鑑み、半導体ウェハの厚みが機械的研削により200μm以下に薄層化され、その後半導体ウェハの回路非形成面に生じた破砕層を除去する工程が実施される半導体ウェハの回路非形成面に対する多段加工工程において、半導体ウェハの薄層加工に伴い半導体ウェハ強度低下に起因した半導体ウェハの破損、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムの変形に伴う半導体ウェハの破損及び半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを剥離する際の半導体ウェハの破損防止に有用である半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム及びそれを用いる半導体ウェハの保護方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、半導体ウェハの回路形成面に半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを貼り付ける工程、半導体ウェハの回路非形成面を機械的に研削する工程を順次実施し、半導体ウェハの回路形成面に半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムが貼着された状態で、引き続き、半導体ウェハの回路非形成面の破砕層を除去する工程を実施する半導体ウェハ保護方法において、熱伝導率に基づく設計で特定の物性をもつフィルムで構成された基材フィルム層の片表面に粘着剤層が形成された半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、半導体ウェハの回路形成面に半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを貼着する第一工程、及び半導体ウェハの回路非形成面を機械的に研削する第二工程を順次実施し、次いで、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを剥離することなしに、半導体ウェハの回路非形成面の機械的研削に起因した破砕層を除去する第三工程を実施する半導体ウェハの製造工程における半導体ウェハ保護方法であって、基材フィルム層として、熱伝導率(α)が0.18W/m・K以上である高熱伝導率フィルム層を少なくとも1層有し、基材フィルム層の片表面に厚みが3〜100μmである粘着剤層が形成された粘着フィルムを用いることを特徴とする半導体ウェハ保護方法およびそれに用いる半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムに関する。
【0010】
本発明の粘着フィルムの構成を採用することにより、厚みが200μm以下に薄層化された半導体ウェハであっても、一連の工程における半導体ウェハの破損などを防止できる効果を奏するのである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明に係わる半導体ウェハ保護方法を適用した半導体ウエハの製造方法は、先ず、前記の如く、半導体ウェハの回路形成面(以下、表面という)に半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを貼着する第一工程、及び半導体ウェハの回路非形成面(以下、裏面という)を機械的に研削する第二工程を順次実施し、引き続き、該粘着フィルムを剥離することなく、半導体ウエハの裏面に生じた破砕層を除去する第三工程を実施する。以降の工程は特に制限はないが、例えば、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを剥離する工程、半導体ウェハを分割切断するダイシング工程、半導体チップを外部保護の為に樹脂で封止するモールド工程、等を順次実施する半導体ウェハの製造方法が挙げられる。
【0012】
以下、本発明の半導体ウェハ保護方法について詳細に説明する。本発明の半導体ウェハ保護方法は、半導体ウェハの表面に半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを貼着する第一工程、及び半導体ウェハの裏面を機械的に研削する第二工程を順次実施し、引き続き、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを剥離することなしに、半導体ウェハ裏面に生じた破砕層を除去する第三工程を実施する。この際、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムとして、基材フィルム層に熱伝導率(α)が0.18W/m・K以上である高熱伝導率フィルム層を少なくとも1層有し、基材フィルムの片表面に厚みが3〜100μmである粘着剤層が形成された粘着フィルムを用いる。
【0013】
本発明に係わる半導体ウェハ保護方法の詳細は、先ず、半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムの粘着剤層側から剥離フィルムを剥離し、粘着剤層表面を露出させ、その粘着剤層を介して、半導体ウェハの表面に貼着する(第一工程)。次いで、チャックテーブル等に粘着フィルムの基材フィルム層を介して半導体ウェハを固定し、半導体ウェハの裏面を機械的に研削する(第二工程)。次いで、粘着フィルムを剥離することなく、半導体ウエハの裏面に生じた破砕層を除去する(第三工程)。その後、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムは剥離される。また、必要に応じて粘着フィルム剥離した後に、半導体ウェハ表面に対して、水洗、プラズマ洗浄等の処理が施される。
【0014】
裏面加工操作において、半導体ウェハは、研削前の厚みが、通常500〜1000μmであるのに対して、半導体チップの種類等に応じ、通常200〜600μm程度まで研削、薄層化される。200μm以下まで薄くする場合は、裏面研削に引き続いて、半導体ウェハの裏面に生じている破砕層を除去する工程が好ましい。そのエッチングする厚みは、0.1〜60μm程度である。裏面を研削する前の半導体ウェハの厚みは、半導体ウェハの直径、種類等により適宜決められ、裏面研削後のウェハの厚みは、得られるチップのサイズ、回路の種類等により適宜決められる。
【0015】
半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを半導体ウェハに貼着する操作は、人手により行われる場合もあるが、一般に、ロール状の粘着フィルムを取り付けた自動貼り機と称される装置によって行われる。このような自動貼り機として、例えばタカトリ(株)製、形式:ATM−1000B、同ATM−1100、同TEAM−100、帝国精機(株)製、形式:STLシリーズ等が挙げられる。
【0016】
裏面研削方式としては、スルーフィード方式、インフィード方式等の公知の研削方式が採用される。それぞれ研削は、水を半導体ウェハと砥石にかけて冷却しながら行われる。裏面研削終了後の半導体ウェハ裏面に生じた破砕層の除去としては、ウエットエッチング、プラズマエッチング、ポリッシングなどのプロセスが挙げられる。ウェットエッチング工程、プラズマエッチング工程及びポリッシング工程は、半導体ウェハ裏面に生じた破砕層の除去の他に、半導体ウェハの更なる薄層化、酸化膜等の除去、電極を裏面に形成する際の前処理等を目的として行われる。エッチング液やプラズマ条件及びポリッシング剤は、目的に応じて適宜選択される。
【0017】
裏面研削、裏面エッチング処理工程終了後、粘着フィルムはウェハ表面から剥離される。この一連の操作は、人手により行われる場合もあるが、一般には自動剥がし機と称される装置により行われる。このような自動剥がし機としては、タカトリ(株)製、形式:ATRM−2000B、同ATRM−2100、帝国精機(株)製、形式:STPシリーズ、日東精機(株)製、型式:HR8500II等が挙げられる。また、剥離性向上を目的として、必要に応じて加熱剥離することが好ましい。
【0018】
ウェハ表面保護用粘着フィルムを剥離した後のウェハ表面は、必要に応じて洗浄される。洗浄方法としては、水洗浄、溶剤洗浄等の湿式洗浄、プラズマ洗浄等の乾式洗浄等が挙げられる。湿式洗浄の場合、超音波洗浄を併用してもよい。これらの洗浄方法は、ウェハ表面の汚染状況により適宜選択される。
【0019】
本発明に用いる半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムは、基材フィルムを作成した後、その片面に粘着剤層を形成することにより製造される。剥離フィルムを剥離したときに露出する粘着剤層の表面を介して半導体ウェハ表面に貼着されることを考慮し、粘着剤層による半導体ウエハ表面の汚染防止を図るためには、剥離フィルムの片面に、粘着剤塗布液を塗布、乾燥して粘着剤層を形成した後、得られた粘着剤層を基材フィルムの片面に転写する方法が好ましい。
【0020】
本発明に用いるウェハ表面保護用粘着フィルムの基材フィルムは、少なくとも一層が、熱伝導率(α)が0.18W/m・K以上、厚みが50〜300μmである高熱伝導率フィルムであることが好ましい。これらの高熱伝導率フィルムとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アルキルアクリレート共重合体(アルキル基の炭素数1〜4)、及び低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンの炭素数3〜8)等のポリエチレンから成形された樹脂フィルムが挙げられる。これらの内、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンが好ましく、特に酢酸ビニル単位の含有量が5〜50重量%程度のエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムが好ましい。
【0021】
半導体ウェハの裏面研削後のウェハ裏面に生じた破砕層を除去する工程、例えば、ウェットエッチング工程、プラズマエッチング工程及びポリッシング工程等では、エッチング液と半導体ウェハとの反応に伴う発熱、プラズマ発生に伴う系内の高温真空状態及びポリッシング剤による研磨熱など、熱を伴う工程が考えられるため、目的に応じて低熱伝導率フィルムを積層してもよい。例示すると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルサルファイド等及びこれらの混合樹脂から成形された樹脂フィルムが挙げられる。代表的市販品として、帝人デュポンフィルム(株)製、商品名:テオネックス、テトロン、三菱化学(株)製、商品名:トーロン4203L、ICI社製、商品名:45G、ICI社製、商品名:200P、東レ社製、商品名トレリナ等が挙げられる。
【0022】
基材フィルムの代表的な製造方法として、高熱伝導率フィルムを押出機で押出成形しながら、予め用意しておいた低熱伝導率フィルムとラミネートする方法が挙げられる。高熱伝導率フィルムと低熱伝導率フィルムとの接着力を高めるために両者の間に新たに接着層を設けてもよい。基材フィルムと粘着剤層の接着力を高めるために、粘着剤層を設ける面にはコロナ放電処理または化学処理等を施すことが好ましい。基材フィルム層の総厚みは100〜1000μmが好ましい。高熱伝導率フィルムと低熱伝導率フィルムを積層することは好ましい態様であるが、この場合、前者の層の厚みは50〜300μm程度、後者の厚みは10〜100μm程度が好ましい。高熱伝導率フィルム層は、その柔軟性により、ウエハ表面の段差を吸収し、半導体ウエハの裏面研削加工における破損を防ぐ作用を有する。低熱伝導率フィルムは熱伝導率(α)が0.18W/m・K未満のものが好ましく、例示すれば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフィレニンサルファイド、ポリエーテルサルファイドが挙げられる。
【0023】
粘着剤層を形成するフィルム層は、高熱伝導率フィルム側、低熱伝導率フィルム側のいずれでもよいが、半導体ウェハ裏面処理加工後、ダイボンディングフィルムを加熱粘着する工程を含むプロセスの場合は、高熱伝導率フィルム側が好ましい。
【0024】
本発明に係わる半導体ウェハ用粘着フィルムの粘着剤層を形成する粘着剤は、半導体ウェハの裏面に生じた破砕層を除去する工程での温度条件下でも、粘着剤として充分機能するもので、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤が好ましい。その厚みは3〜100μmであることが好ましい。粘着フィルム剥離時には、半導体ウェハの回路形成面上を汚染していないことが好ましい。
【0025】
特に、ウェットエッチング、プラズマエッチング及びポリッシングといった裏面処理プロセスにより高温に曝された後、粘着力が大きくなり過ぎないように、また、ウエハ表面の汚染が増加しないように、反応性官能基を有する架橋剤、過酸化物、放射線等により高密度に架橋されたものであることが好ましい。更に、粘着力の上昇に伴う剥離不良及び糊残りが発生しなことが好ましい。
【0026】
上記特性を有する粘着剤層を形成する方法として、アクリル系粘着剤を用いる方法を例示する。粘着剤層は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単位(A)、架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー単位(B)、2官能性モノマー単位(C)をそれぞれ特定量含む乳化重合共重合体のアクリル系粘着剤、並びに、凝集力を上げたり粘着力を調整するための、官能基を1分子中に2個以上有する架橋剤を含む溶液またはエマルション液を用いることにより形成される。溶液で使用する場合は、乳化重合で得られたエマルション液からアクリル系粘着剤を塩析等で分離してから溶剤等で再溶解して使用する。アクリル系粘着剤は、分子量が充分に大きく、溶剤への溶解性が低く、若しくは溶解しない場合が多いので、コスト的な観点から鑑みても、エマルション液のまま使用することが好ましい。
【0027】
本発明に用いるアクリル系粘着剤としては、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、又はこれらの混合物を主モノマー〔以下、モノマー(A)〕として、架橋剤と反応し得る官能基を有するコモノマーを含むモノマー混合物を共重合したものが挙げられる。
【0028】
モノマー(A)としては、炭素数1〜12程度のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル又はメタアクリル酸アルキルエステル〔以下、これらの総称して(メタ)アクリル酸アルキルエステルという〕が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。具体的には、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルが挙げられる。これらは単独で使用しても、また、2種以上を混合して使用してもよい。モノマー(A)の使用量は粘着剤の原料となる全モノマーの総量中に、通常、10〜98.9重量%の範囲で含ませることが好ましい。更に好ましくは85〜95重量%である。モノマー(A)の使用量をかかる範囲とすることにより、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー単位(A)10〜98.9重量%、好ましくは85〜95重量%を含むポリマーが得られる。
【0029】
架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー単位(B)を形成するモノマー(B)としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、メサコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ターシャル−ブチルアミノエチルアクリレート、ターシャル−ブチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド等である。これらの一種を上記主モノマーと共重合させてもよいし、また2種以上を共重合させてもよい。架橋剤と反応し得る官能基を有するモノマー(B)の使用量は、粘着剤の原料となる全モノマーの総量中に、通常、1〜40重量%の範囲で含まれていることが好ましい。更に好ましくは、1〜10重量%である。而して、モノマー組成とほぼ等しい組成の構成単位(B)を有するポリマーが得られる。
【0030】
更に、粘着剤層が半導体ウェハの加工工程での半導体ウェハの裏面加工時やウェハ裏面のエッチング処理時の温度条件下でも、粘着剤として充分機能するように、粘着力や剥離性を調整する方策として、エマルション粒子の凝集力を維持する為に粒子バルクの架橋方式も考慮することが好ましい。
【0031】
エマルション粒子に対しては、2官能モノマー(C)を共重合することによって凝集力を維持するよう架橋方式を改良することが好ましい。良好に共重合するモノマーとして、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、ジビニルベンゼン、メタクリル酸ビニル、アクリル酸ビニルや、例えば、両末端がジアクリレートまたはジメタクリレートで主鎖の構造がプロピレングリコール型〔日本油脂(株)製、商品名;PDP−200、同PDP−400、同ADP−200、同ADP−400〕、テトラメチレングリコール型〔日本油脂(株)製、商品名;ADT‐250、同ADT‐850〕及びこれらの混合型〔日本油脂(株)製、商品名:ADET‐1800、同ADPT−4000〕等が挙げられる。
【0032】
2官能モノマー(C)を乳化共重合する場合、その使用量は、全モノマー中に0.1〜30重量%含むことが好ましい。更に好ましくは0.1〜5重量%である。而して、モノマー組成とほぼ等しい組成の構成単位(C)を有するポリマーが得られる。
【0033】
上記粘着剤を構成する主モノマー及び架橋剤と反応し得る官能基を有するコモノマーの他に、界面活性剤としての性質を有する特定のコモノマー(以下、重合性界面活性剤と称する)を共重合してもよい。重合性界面活性剤は、主モノマー及びコモノマーと共重合する性質を有すると共に、乳化重合する場合には乳化剤としての作用を有する。重合性界面活性剤を用いて乳化重合したアクリル系粘着剤を用いた場合には、通常界面活性剤によるウェハ表面に対する汚染が生じない。また、粘着剤層に起因する僅かな汚染が生じた場合においても、ウェハ表面を水洗することにより容易に除去することが可能となる。
【0034】
このような重合性界面活性剤の例としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルのベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製;商品名:アクアロンRN−10、同RN−20、同RN−30、同RN−50等〕、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルの硫酸エステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製;商品名:アクアロンHS−10、同HS−20等〕、及び分子内に重合性二重結合を持つ、スルホコハク酸ジエステル系〔花王(株)製;商品名:ラテムルS−120A、同S−180A等〕等が挙げられる。更に必要に応じて、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の重合性2重結合を有するモノマーを共重合してもよい。
【0035】
アクリル系粘着剤の重合反応機構としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等が挙げられる。粘着剤の製造コスト、モノマーの官能基の影響及び半導体ウェハ表面へのイオンの影響等を等慮すればラジカル重合によって重合することが好ましい。ラジカル重合反応によって重合する際、ラジカル重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−ターシャル−ブチルパーオキサイド、ジ−ターシャル−アミルパーオキサイド等の有機過酸化物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等のアゾ化合物が挙げられる。
【0036】
乳化重合法により重合する場合には、これらのラジカル重合開始剤の中で、水溶性の過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物、同じく水溶性の4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を持ったアゾ化合物が好ましい。半導体ウェハ表面へのイオンの影響を考慮すれば、過硫酸アンモニウム、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を有するアゾ化合物が更に好ましい。4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の分子内にカルボキシル基を有するアゾ化合物が特に好ましい。
【0037】
本発明に用いる架橋性の官能基を1分子中に2個以上有する架橋剤は、アクリル系粘着剤が有する官能基と反応させ、粘着力及び凝集力を調整するために用いる。架橋剤としては、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、レソルシンジグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトルエンジイソシアネート3付加物、ポリイソシアネート等のイソシアネート系化合物、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−(2−メチルアジリジン)プロピオネート等のアジリジン系化合物、N,N,N’,N’−テトラグリシジルm−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンの4官能性エポキシ系化合物及びヘキサメトキシメチロールメラミン等のメラミン系化合物が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上に対して併用してもよい。
【0038】
架橋剤の含有量は、通常架橋剤中の官能基数がアクリル系粘着剤中の官能基数よりも多くならない程度の範囲で含有する。しかし、架橋反応で新たに官能基が生じる場合や、架橋反応が遅い場合等、必要に応じて過剰に含有してもよい。好ましい含有量は、アクリル系粘着剤100重量部に対し、架橋剤0.1〜15重量部である。含有量が少ない場合、粘着剤層の凝集力が不十分となり、粘着剤層に起因する糊残りを生じ易くなったり、粘着力が本発明の範囲を外れて高くなり、粘着フィルムをウェハ表面から剥離する際に自動剥がし機で剥離トラブルが発生したり、ウェハを完全に破損したりする場合がある。含有量が多い場合、粘着剤層とウェハ表面との密着力が弱くなり、裏面研削工程中に水や研削屑が浸入してウェハを破損したり、研削屑によるウェハ表面の汚染が生じたりすることがある。
【0039】
本発明に用いる粘着剤塗布液には、上記の特定の2官能モノマーを共重合したアクリル系粘着剤、架橋剤の他に粘着特性を調整するためにロジン系、テルペン樹脂系等のタッキファイヤー、各種界面活性剤等を、本発明の目的に影響しない程度に適宜含有してもよい。また、塗布液がエマルション液である場合は、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル等の造膜助剤を本発明の目的に影響しない程度に適宜添加してよい。造膜助剤として使用されるジエチレングリコールモノアルキルエーテル及びその誘導体は、粘着剤層中に多量に含有した場合、洗浄が不可能となる程度のウェハ表面の汚染を招くことがあることを考慮すれば、粘着剤塗工後の乾燥時の温度で揮発するものを使用し、粘着剤層中への残存量を低くすることが好ましい。
【0040】
本発明における半導体ウェハの保護用粘着フィルムの粘着力は、半導体ウェハの加工条件、ウェハの直径、裏面研削後のウェハの厚み、ウェハ裏面のエッチング処理時の発熱温度等を勘案して適宜調整できるが、粘着力が低すぎるとウェハ表面への粘着フィルムの貼着が困難となったり、フィルムによる保護性能が不十分でウェハが破損したり、ウェハ表面に研削屑等による汚染が生じたりする傾向にある。また、粘着力が高すぎると、ウェハ加工後に粘着フィルムをウェハ表面から剥離する際に、自動剥がし機で剥離トラブルが発生する等、剥離作業性が低下したり、ウェハを破損したりすることがある。通常、SUS304−BA板に対する粘着力に換算して5〜500g/25mm、好ましくは10〜300g/25mmである。
【0041】
基材フィルムまたは剥離フィルムの片表面に粘着剤塗布液を塗布する方法としては、従来公知の塗布方法、例えばロールコーター法、リバースロールコーター法、グラビアロール法、バーコート法、コンマコーター法、ダイコーター法等が採用できる。塗布された粘着剤の乾燥条件には特に制限はないが、一般的には、80〜200℃の温度範囲において10秒〜10分間乾燥することが好ましい。更に好ましくは、80〜170℃において15秒〜5分間乾燥する。架橋剤と粘着剤との架橋反応を十分に促進させるために、粘着剤塗布液の乾燥が終了した後に、半導体ウェハの表面保護粘着フィルムを40〜80℃において5〜300時間程度加熱してもよい。
【0042】
本発明における半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムの製造方法は、上記の通りであるが、半導体ウェハ表面の汚染防止の観点から、基材フィルム、剥離フィルム、粘着剤主剤等全ての原料資材の製造環境、粘着剤塗布液の調製、保存、塗布及び乾燥環境は、米国連邦規格209bに規定されるクラス1,000以下のクリーン度に維持されていることが好ましい。
【0043】
本発明の半導体ウェハ保護方法が適用できる半導体ウェハとして、シリコンウェハに限らず、ゲルマニウム、ガリウム−ヒ素、ガリウム−リン、ガリウム−ヒ素−アルミニウム等のウェハが挙げられる。
【0044】
【測定例】
以下、実施例を示して本発明についてさらに詳細に説明する。以下に示す全ての実施例及び比較例において、米国連邦規格209bに規定されるクラス1,000以下のクリーン度に維持された環境において粘着剤塗布液の調製及び塗布、半導体シリコンウェハの裏面研削、並びに裏面研削後の破砕層除去テスト等を実施した。本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、実施例に示した各種特性値は下記の方法で測定した。
1.粘着力測定(g/25mm)
下記に規定した条件以外は、全てJIS Z−0237−1991に規定される方法に準じて測定する。23℃の雰囲気下において、実施例または比較例で得られた粘着フィルムをその粘着剤層を介して、5cm×20cmのSUS304−BA板(JIS G−4305−1991規定)の表面に貼着し、60分放置する。試料の一端を挟持し、剥離角度180度、剥離速度300mm/min.でSUS304−BA板の表面から試料を剥離する際の応力を測定し、25mm幅に換算する。
【0045】
2.熱伝導率(W/m/K)
ASTME1225−99温度傾斜法に基づき、測定を行った。
【0046】
3.半導体ウエハの破損(枚数)
半導体ウェハの裏面研削、裏面処理加工工程及び表面保護用粘着フィルム剥離工程におけるウエハの破損枚数を示す。
【0047】
【実施例】
1.基材フィルムの調製例1
高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み120μm)を基材フィルム1とした。粘着剤層を塗布する側にコロナ処理を施した。
【0048】
2.基材フィルムの調整例2
低熱伝導率を有するフィルムとして、ポリエチレンナフタレートフィルム(熱伝導率α:0.12W/m・K、フィルム厚み50μm)を選定し、これと高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み70μm)を積層し、粘着剤層を形成する低熱伝導率フィルム側にコロナ放電処理を施し、全体の厚みが120μmである基材フィルム2を作成した。
【0049】
3.基材フィルムの調整例3
低熱伝導率を有するフィルムとして、ポリエチレンナフタレートフィルム(熱伝導率α:0.12W/m・K、フィルム厚み50μm)を選定し、これと高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み70μm)を積層し、粘着剤層を形成する高熱伝導率フィルム側にコロナ放電処理を施し、全体の厚みが120μmである基材フィルム3を作成した。
【0050】
4.基材フィルムの調整例4
高熱伝導率を有するフィルムとして、ポリエチレンフィルム(熱伝導率α:0.18W/m・K、フィルム厚み120μm)を基材フィルム4とした。粘着剤層を塗布する側にコロナ処理を施した。
【0051】
5.基材フィルムの調製例5
高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み50μm)を基材フィルム5とした。粘着剤層を塗布する側にコロナ処理を施した。
【0052】
6.基材フィルムの調製例6
高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み290μm)を基材フィルム6とした。粘着剤層を塗布する側にコロナ処理を施した。
【0053】
7.基材フィルムの調整例7
低熱伝導率を有するフィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム(熱伝導率α:0.13W/m・K、フィルム厚み100μm)を選定し、これと高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み195μm)を積層し、粘着剤層を形成する低熱伝導率フィルム側にコロナ放電処理を施し、全体の厚みが295μmである基材フィルム7を作成した。
【0054】
8.基材フィルムの調整例8
低熱伝導率を有するフィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム(熱伝導率α:0.13W/m・K、フィルム厚み12μm)を選定し、これと高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み195μm)を積層し、粘着剤層を形成する低熱伝導率フィルム側にコロナ放電処理を施し、全体の厚みが207μmである基材フィルム8を作成した。
【0055】
9.基材フィルムの調整例9
低熱伝導率を有するフィルムとして、ポリエーテルサルファイドフィルム(熱伝導率α:0.17W/m・K、フィルム厚み50μm)を選定し、これと高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み195μm)を積層し、粘着剤層を形成する低熱伝導率フィルム側にコロナ放電処理を施し、全体の厚みが245μmである基材フィルム9を作成した。
【0056】
10.基材フィルムの調整例10
低熱伝導率を有するフィルムとして、ポリフェニレンサルファイドフィルム(熱伝導率α:0.13W/m・K、フィルム厚み50μm)を選定し、これと高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み195μm)を積層し、粘着剤層を形成する低熱伝導率フィルム側にコロナ放電処理を施し、全体の厚みが245μmである基材フィルム10を作成した。
【0057】
11.基材フィルムの調整例11
高熱伝導率を有するフィルムとして、ポリエチレンフィルム(熱伝導率α:0.18W/m・K、フィルム厚み120μm)と高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み195μm)を積層し、粘着剤層を形成する低熱伝導率フィルム側にコロナ放電処理を施し、全体の厚みが315μmである基材フィルム11を作成した。
【0058】
12.基材フィルムの比較例1
低熱伝導率を有するフィルムとして、ポリエチレンナフタレートフィルム(熱伝導率α:0.12W/m・K、フィルム厚み50μm)を基材フィルム12とした。粘着剤層を塗布する側にコロナ処理を施した。
【0059】
13.基材フィルムの比較例2
低熱伝導率を有するフィルムとして、ポリエーテルサルファイドフィルム(熱伝導率α:0.17W/m・K、フィルム厚み50μm)を基材フィルム13とした。粘着剤層を塗布する側にコロナ処理を施した。
【0060】
14.基材フィルムの比較例3
低熱伝導率を有するフィルムとして、ポリフェニレンサルファイドフィルム(熱伝導率α:0.13W/m・K、フィルム厚み50μm)を基材フィルム14とした。粘着剤層を塗布する側にコロナ処理を施した。
【0061】
15.基材フィルムの比較例4
高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み45μm)を基材フィルム15とした。粘着剤層を塗布する側にコロナ処理を施した。
【0062】
16.基材フィルムの比較例5
高熱伝導率フィルムであるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂フィルム(熱伝導率α:0.25W/m・K、フィルム厚み340μm)を基材フィルム16とした。粘着剤層を塗布する側にコロナ処理を施した。
【0063】
17.粘着剤主剤の調製例
重合反応機に脱イオン水150重量部、重合開始剤として4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド〔大塚化学(株)製、商品名:ACVA〕を0.625重量部、モノマー(A)としてアクリル酸−2−エチルヘキシル62.25重量部、アクリル酸−n−ブチル18重量部、及びメタクリル酸メチル12重量部、モノマー(B)としてメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル3重量%、メタクリル酸2重量部、及びアクリルアミド1重量部、モノマー(C)としてポリテトラメチレングリコールジアクリレート〔日本油脂(株)製、商品名:ADT−250〕1重量部、水溶性コモノマーとしてポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(エチレンオキサイドの付加モル数の平均値:約20)の硫酸エステルのアンモニウム塩のベンゼン環に重合性の1−プロペニル基を導入したもの〔第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンHS−10〕0.75重量部を装入し、攪拌下で70〜72℃において8時間乳化重合を実施し、アクリル系樹脂エマルションを得た。これを9重量%アンモニア水で中和(pH=7.0)し、固形分42.5重量%のアクリル系粘着剤とした。
【0064】
18.粘着剤塗布液の調製例
粘着剤主剤の調製例から得られた粘着剤主剤1の100重量部を採取し、さらに9重量%アンモニア水を加えてpH9.5に調整した。次いで、アジリジン系架橋剤〔日本触媒化学工業(株)製、商品名:ケミタイトPz−33〕1.6重量部を添加して粘着剤塗布液を得た。
【0065】
19.粘着フィルムの調製例1
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム1のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を製造した。粘着力は、120g/25mmであった。
【0066】
20.粘着フィルムの調製例2
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム2のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム2を製造した。また、粘着力は、150g/25mmであった。
【0067】
21.粘着フィルムの調製例3
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム3のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム3を製造した。粘着力は、130g/25mmであった。
【0068】
22.粘着フィルムの調製例4
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム4のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム4を製造した。粘着力は、140g/25mmであった。
【0069】
23.粘着フィルムの調製例5
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム5のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム5を製造した。粘着力は、70g/25mmであった。
【0070】
24.粘着フィルムの調製例6
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム6のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム6を製造した。粘着力は、170g/25mmであった。
【0071】
25.粘着フィルムの調製例7
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム7のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム7を製造した。粘着力は、220g/25mmであった。
【0072】
26.粘着フィルムの調製例8
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム8のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム8を製造した。粘着力は、180g/25mmであった。
【0073】
27.粘着フィルムの調製例9
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム9のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム9を製造した。粘着力は、190g/25mmであった。
【0074】
28.粘着フィルムの調製例10
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム10のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム10を製造した。粘着力は、190g/25mmであった。
【0075】
29.粘着フィルムの調製例11
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム11のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム11を製造した。粘着力は、230g/25mmであった。
【0076】
30.粘着フィルムの調製例12
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム12のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム12を製造した。粘着力は、240g/25mmであった。
【0077】
31.粘着フィルムの調製例13
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム13のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム13を製造した。粘着力は、255g/25mmであった。
【0078】
32.粘着フィルムの調製例14
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム14のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム14を製造した。粘着力は、235g/25mmであった。
【0079】
33.粘着フィルムの調製例15
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム15のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム15を製造した。粘着力は、60g/25mmであった。
【0080】
34.粘着フィルムの調製例16
粘着剤塗布液を、ロールコーターを用いてポリプロピレンフィルム(剥離フィルム、厚み:50μm)に塗布し、120℃で2分間乾燥して厚み10μmの粘着剤層を設けた。これに上記基材フィルム16のコロナ処理面を貼り合わせ押圧して、粘着剤層を転写させた。転写後、60℃において48時間加熱した後、室温まで冷却することにより半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム16を製造した。粘着力は、210g/25mmであった。
【0081】
実施例1
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を用いて、半導体の保護性能を実施した。半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム1を集積回路が組み込まれた60枚の半導体シリコンウェハ(直径:8インチ、厚み:600μm、スクライブラインの深さ:8μm、スクライブラインの幅:100μm)の回路形成の全表面に貼着し、▲1▼裏面研削とケミカルエッチング工程(ディスコ、日曹エンジニアリング製、型式:BEST)評価は、半導体ウェハを170μmまで裏面研削し、ケミカルエッチングにて150μmまで処理した(20枚)。▲2▼裏面研削とポリッシング工程(東京精密製、型式:PG200)では、半導体ウェハを152μmまで裏面研削し、ポリッシングにて150μmまで処理した(20枚)。▲3▼裏面研削とプラズマエッチング工程(ディスコ製、型式:DFG850/SR10)では、半導体ウェハを152μmまで裏面研削し、プラズマエッチングにて150μmまで処理した(20枚)。各処理工程において半導体ウェハ破損及びテープ変形に起因した半導体ウェハ割れは発生しなかった。半導体ウエハ表面保護用粘着フィルム1の剥離工程(日東精機(株)製、形式:HR8500II)においてもウェハの割れは発生しなかった。得られた結果を表1に示す。
【0082】
実施例2〜11
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム2〜11を用いて、実施例1と同様に半導体の保護性能を実施した。得られた結果を表1に示す。
【0083】
比較例1
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム12を用いて、半導体の保護性能を実施した。半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム12を集積回路が組み込まれた60枚の半導体シリコンウェハ(直径:8インチ、厚み:600μm、スクライブラインの深さ:8μm、スクライブラインの幅:100μm)の回路形成の全表面に貼着し、▲1▼裏面研削とケミカルエッチング工程(ディスコ、日曹エンジニアリング製、型式:BEST)評価は、半導体ウェハを170μmまで裏面研削し、ケミカルエッチングにて150μmまで処理した(20枚)。▲2▼裏面研削とポリッシング工程(東京精密製、型式:PG200)では、半導体ウェハを152μmまで裏面研削し、ポリッシングにて150μmまで処理した(20枚)。▲3▼裏面研削とプラズマエッチング工程(ディスコ製、型式:DFG850/SR10)では、半導体ウェハを152μmまで裏面研削し、プラズマエッチングにて150μmまで処理した(20枚)。処理工程▲1▼▲2▼において半導体ウェハ破損及びテープ変形に起因した半導体ウェハ割れは発生しなかった。しかし、処理工程▲3▼では、裏面研削後のウェハ破損は確認されなかったが、プラズマエッチングの影響で半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムが熱変形した16枚の内、6枚のウェハ破損が確認された。得られた結果を表2に示す。
【0084】
比較例2
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム13を用いて、比較例1と同様の半導体の保護性能を実施した。その結果、処理工程▲1▼▲2▼において半導体ウェハ破損及びテープ変形に起因した半導体ウェハ割れは発生しなかった。しかし、処理工程▲3▼では、裏面研削後のウェハ破損は確認されなかったが、プラズマエッチングの影響で半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムが熱変形した15枚の内、5枚のウェハ破損が確認された。得られた結果を表2に示す。
【0085】
比較例3
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム14を用いて、比較例1と同様の半導体の保護性能を実施した。その結果、処理工程▲1▼▲2▼において半導体ウェハ破損及びテープ変形に起因した半導体ウェハ割れは発生しなかった。しかし、処理工程▲3▼では、裏面研削後のウェハ破損は確認されなかったが、プラズマエッチングの影響で半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムが熱変形した18枚の内、11枚のウェハ破損が確認された。得られた結果を表2に示す。
【0086】
比較例4
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム15を用いて、比較例1と同様の半導体の保護性能を実施した。その結果、裏面加工処理にする前の裏面研削後のテープクッション性欠陥に起因したウェハ破損は、処理工程▲1▼、▲2▼、▲3▼の順に、1枚、2枚、1枚であった。処理工程▲1▼後18枚のウェハにてテープ変色が確認され、ウェハ破損は3枚であった。処理工程▲2▼後では、ウェハ破損が3枚確認された。処理工程▲3▼後では、ウェハ破損が2枚確認された。得られた結果を表2に示す。
【0087】
比較例5
半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム16を用いて、比較例1と同様の半導体の保護性能を実施した。その結果、処理工程▲1▼▲2▼▲3▼において半導体ウェハ破損は確認されなかった。しかし、各処理工程でのテープ変形を観察すると、処理工程▲1▼では、19枚のウェハにて薬液に起因したテープ変色、処理工程▲2▼では、4枚のウェハにて発熱に起因したテープ変形、処理工程▲3▼では、2枚のウェハにて発熱起因したテープ変形が確認された。得られた結果を表2に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
【表2】
【0090】
【表3】
【0091】
【本発明の効果】
本発明は、半導体ウエハの表面に、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを貼着してから、それを剥離する工程に到る一連の工程において、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを貼着した状態で、半導体ウェハの裏面を機械的に研削する工程と半導体ウェハの裏面に生じた破砕層を除去する工程を行い、且つ、これらの工程で用いる表面保護用粘着フィルムの基材フィルムとして、熱伝導率(α)が0.18W/m・K以上、厚みが50〜300μmである高熱伝導率フィルム層を少なくとも1層有する基材フィルムを用いることを特徴とする半導体ウェハ保護方法である。本発明によれば、裏面研削及び裏面処理加工工程において、厚さが200μm以下に薄層化された場合であっても、半導体ウェハの破損、汚染等を防止することができる。
Claims (6)
- 基材フィルム層の片表面に厚みが3〜100μmである粘着剤層が形成された半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムであって、基材フィルム層として、熱伝導率(α)が0.18W/m・K以上、厚みが50〜300μmである高熱伝導率フィルム層を少なくとも1層有し、基材フィルム層の総厚みが100〜1000μmであることを特徴とする半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム。
- 高熱伝導率フィルム層が、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びポリエチレンから選ばれた少なくとも1種のフィルムであることを特徴とする請求項1記載の半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム。
- 基材フィルム層が、熱伝導率(α)が、0.18W/m・K未満、厚みが10〜100μmである低熱伝導率フィルム層を少なくとも1層有することを特徴とする請求項1記載の半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム。
- 低熱伝導率フィルム層が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド及びポリエーテルサルファイドから選ばれた少なくとも1種のフィルムであることを特徴とする請求項3記載の半導体ウェハ表面保護用粘着フィルム。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体ウェハ表面保護用粘着フィルムを用いる半導体ウェハの保護方法であって、半導体ウェハの回路形成面に半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを貼着する第一工程、及び半導体ウェハの回路非形成面を機械的に研削する第二工程を実施し、次いで、半導体ウエハ表面保護用粘着フィルムを剥離することなしに、半導体ウェハの回路非形成面を加工する第三工程を実施する半導体ウエハの回路非形成面の加工工程における半導体ウェハ保護方法。
- 前記第三工程が、ウェットエッチング工程、プラズマエッチング工程及びポリッシング工程から選ばれた少なくとも一工程を含むことを特徴とする請求項5記載の半導体ウェハ保護方法。
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