JP2002246230A - 交換結合膜と前記交換結合膜を用いた磁気検出素子、ならびに前記交換結合膜の製造方法と前記磁気検出素子の製造方法 - Google Patents
交換結合膜と前記交換結合膜を用いた磁気検出素子、ならびに前記交換結合膜の製造方法と前記磁気検出素子の製造方法Info
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Abstract
は40原子%以下であったが、今後の高記録密度化に適
切に対応するには前記Crの組成比を大きくして前記シ
ードレイヤ表面の濡れ性を高める必要があった。 【構成】 シードレイヤ22の反強磁性層4との界面で
のCrの組成比は40原子%以上で、このCrの組成比
は、前記シードレイヤ22の前記反強磁性層4と反対側
の面でのCrの組成比よりも大きく、前記シードレイヤ
22には、前記反強磁性層4側に向かうにしたがって、
前記Crの組成比が増加する領域が存在し、前記シード
レイヤ22の結晶構造は前記反強磁性層との界面で面心
立方構造である。これにより面心立方構造を保ちながら
シードレイヤ表面の濡れ性を向上させることができる。
Description
ヤ、反強磁性層および強磁性層とから成り、前記反強磁
性層と強磁性層との界面にて発生する交換結合磁界によ
り、前記強磁性層の磁化方向が一定の方向に固定される
交換結合膜および前記交換結合膜を用いた磁気検出素子
(スピンバルブ型薄膜素子、AMR素子など)に係り、
特に今後の高記録密度化においても、従来に比べて適切
に通電信頼性(耐エレクトロマイグレーション)の向
上、抵抗変化率の向上などを図ることが可能な交換結合
膜と前記交換結合膜を用いた磁気検出素子、ならびに前
記交換結合膜の製造方法と前記磁気検出素子の製造方法
に関する。
膜素子を記録媒体との対向面と平行な方向から切断した
部分断面図である。
Crで形成されたシードレイヤであり、前記シードレイ
ヤ14の上に反強磁性層30、固定磁性層31、非磁性
導電層32、フリー磁性層33および保護層7が順次積
層されている。
処理によって前記反強磁性層30と固定磁性層31との
界面で交換結合磁界が発生し、前記固定磁性層31の磁
化はハイト方向(図示Y方向)に固定される。
護層7までの多層膜の両側にハードバイアス層5が形成
され、前記ハードバイアス層5からのバイアス磁界によ
り前記フリー磁性層33の磁化は、トラック幅方向(図
示X方向)に揃えられる。
ス層5の上には重ねて電極層8が形成されている。前記
電極層8からのセンス電流は、特に固定磁性層31、非
磁性導電層32、およびフリー磁性層33の3層に流れ
ればよいが、この形態では前記シードレイヤ14及び反
強磁性層30にも分流する。
は、前記反強磁性層30の下にシードレイヤ14が形成
されているが、前記シードレイヤ14を設けることで、
前記シードレイヤ14上に形成された各層の[111]配
向性は良好になり、また膜面方向(X−Y面方向)への
結晶粒径が大きくなると考えられ、耐エレクトロマイグ
レーションの向上に代表される通電信頼性の向上、抵抗
変化率(ΔR/R)の向上やフリー磁性層33の軟磁気
特性の向上が期待された。
配向性を良好にし、しかも膜面方向の結晶粒径を大きく
するには、前記シードレイヤ14が面心立方構造(fc
c構造)であり且つ前記シードレイヤ14表面の濡れ性
(wettability)を良好にする必要性があっ
た。濡れ性が良いと前記シードレイヤ14上に反強磁性
層30をスパッタ成膜するとき、前記反強磁性層30を
構成する反強磁性材料の各原子が前記シードレイヤ14
上で凝集しにくくなり、前記反強磁性層30の膜面方向
の配向性を最稠密面となる[111]面により強く配向さ
せることが可能になるのである。
に含まれるCrの組成比が多いほど好ましいと思われた
が、前記Crの組成比を多くしすぎるとシードレイヤ1
4の結晶構造に、面心立方構造(fcc構造)の他に体
心立方構造(bcc構造)が混在し始め、これによって
前記シードレイヤ14上の各層の[111]配向性が低下
してしまい、通電信頼性の低下、抵抗変化率の低下など
を招いた。
r組成比を40原子%以下にしており、これにより前記
シードレイヤ14の結晶構造を面心立方構造に保ってい
た。
度化に伴い、スピンバルブ型薄膜素子の更なる小型化に
より、前記スピンバルブ型薄膜素子に流れるセンス電流
密度が大きくなり、これによってエレクトロマイグレー
ションの発生、さらには抵抗値の増大による抵抗変化率
の低下やノイズの発生等が問題となった。
ヤ14表面の濡れ性の向上を図り、前記シードレイヤ1
4上の各層の[111]配向性をさらに良好にし、また膜
面方向の結晶粒径を大きくして電気伝導性を向上させる
ことが効果的であり、そのためには前記シードレイヤ1
4に含まれるCrの組成比を従来よりも多くする必要が
あったが、既に説明したように、Crの組成比を40原
子%以上にすると、シードレイヤ14の結晶構造に、面
心立方構造以外に体心立方構造(bcc構造)が混在し
てしまう。
造が混在することで、結局、前記シードレイヤ14上に
積層される各層の[111]配向性の向上を図ることがで
きず、また結晶粒径を大きくすることはできず、電気伝
導性は低下してしまい、従来におけるシードレイヤ14
では、今後の高記録密度化に対応可能なスピンバルブ型
薄膜素子を製造することはできなかった。
ためのものであり、例えば前記シードレイヤを多層化
し、このとき組成比や膜厚を適切に調整することで、前
記シードレイヤの結晶構造を面心立方構造に保ちながら
従来よりも濡れ性を向上させることができ、通電信頼性
および抵抗変化率の向上などを図ることが可能な交換結
合膜と前記交換結合膜を用いた磁気検出素子、ならびに
前記交換結合膜の製造方法と前記磁気検出素子の製造方
法を提供することを目的としている。
あるいは一部が強磁性材料で形成されたシードレイヤ、
反強磁性層、強磁性層の順に積層され、前記反強磁性層
と強磁性層との界面で交換結合磁界が発生することで、
前記強磁性層の磁化方向が一定方向にされる交換結合膜
において、前記シードレイヤは元素α(Fe、Ni、C
oのうちいずれか1種または2種以上)とCrを含有
し、前記シードレイヤの前記反強磁性層との界面での前
記Crの組成比は40原子%以上で、このCrの組成比
は、前記シードレイヤの前記反強磁性層と反対側の面で
の前記Crの組成比(原子%)よりも大きくなってお
り、前記シードレイヤには、前記反強磁性層側に向かう
にしたがって、前記Crの組成比(原子%)が増加する
領域が存在し、前記シードレイヤの結晶構造は前記反強
磁性層との界面で面心立方構造(fcc構造)であるこ
とを特徴とするものである。
前記反強磁性層との界面でのCrの組成比が40原子%
以上である。本発明では、これにより前記シードレイヤ
表面での濡れ性を従来よりも向上させることができる。
表面エネルギーが増大し、表面活性となることで向上
し、前記濡れ性の向上には、シードレイヤのCr組成比
を大きくすることが重要である。またシードレイヤを形
成する際の基板表面の温度や基板とターゲット間の距
離、前記シードレイヤを形成する際のAr圧、スパッタ
速度なども重要な要素である。
く、前記シードレイヤ表面の濡れ性が悪いと、図6に示
すように前記シードレイヤ表面に飛来してきた各原子
は、表面移動が不十分で凝集し核を形成しやすくなる。
このような核が形成されているか否かは電子顕微鏡で調
べることができる。
で堆積していくと、前記シードレイヤの上にスパッタ成
膜される反強磁性層の膜面と平行方向の配向性は、最稠
密面である[111]配向になり難い。
高く、前記シードレイヤ表面の濡れ性が良好な状態であ
り、図7では、前記シードレイヤ表面に飛来してきた各
原子は表面移動が十分で凝集せず、かかる場合、前記シ
ードレイヤの上にスパッタ成膜される反強磁性層の膜面
と平行方向の配向性は、最稠密面である[111]配向に
なりやすい。
性が良好であることで、前記シードレイヤ上に形成され
る各層の膜面と平行方向の配向性を、最稠密面となる
[111]面により強く配向させることが可能である。
構造は、反強磁性層との界面で面心立方構造(fcc構
造)である。先に、シードレイヤのCrの組成比を40
原子%以上にすると、面心立方構造以外に体心立方構造
(bcc構造)が混在すると説明したが、本発明ではシ
ードレイヤ表面でのCrの組成比が40原子%以上であ
っても結晶構造を面心立方構造のみで構成することがで
きるのは、前記シードレイヤには、前記反強磁性層側に
向かうにしたがって、前記Crの組成比が増加する領域
が存在し、前記シードレイヤの前記反強磁性層と反対側
の面でのCrの組成比が、前記反強磁性層との界面での
前記Crの組成比よりも小さくなっているからである。
は後述する製造方法で説明するように、前記シードレイ
ヤを上層と下層の積層構造で形成し、下層側のCrの組
成比を、上層側のCrの組成比よりも小さくする。Cr
の組成比が小さくされた前記下層は、面心立方構造を良
好に保つことができる。一方、前記下層の上に積層され
る上層は、Crの組成比が40原子%以上に大きくて
も、前記下層側の結晶構造に引きずられて面心立方構造
になりやすく、Crの組成比が40原子%以上であって
も結晶構造に体心立方構造が混在せず結晶構造を面心立
方構造のみで構成することができるのである。ただし上
層の膜厚を薄くすることが重要であり、例えばその膜厚
は20Å以下に調整される。膜厚が薄いことで結晶構造
は下地となる下層の結晶構造に引きずられ、またバルク
の場合と同じような平衡状態にはなりにくく準安定状態
になり、結晶構造を面心立方構造に適切に保つことが可
能なのである。
反強磁性層と強磁性層間に交換結合磁界を発生させるた
めに熱処理を施すが、この熱処理によって前記上層と下
層間が拡散する場合があり、これによって前記上層と下
層とで構成されたシードレイヤは単一層のようになり、
このとき前記シードレイヤを組成分析すると、前記シー
ドレイヤには、前記反強磁性層側に向かうにしたがって
Crの組成比(原子%)が増加する領域が存在し、前記
シードレイヤの前記反強磁性層と反対側の面でのCrの
組成比が、前記反強磁性層との界面での前記Crの組成
比よりも小さくなっているのである。
ヤの反強磁性層との界面でのCrの組成比は40原子%
以上であるから濡れ性は従来よりも向上し、しかも前記
界面での結晶構造は面心立方構造であるため、従来に比
べて前記シードレイヤ上に積層される各層の膜面と平行
方向の配向性を良好に[111]配向させることができる
と共に、膜面と平行な方向への結晶粒径を大きくするこ
とができる。
低下し、これによりジュール熱を低下させることができ
る。また最稠密面である[111]面が膜面と平行な方向
に優先配向することで、各層の層間で拡散が生じ難くな
る。このような作用により耐エレクトロマイグレーショ
ンを向上させることができ、通電信頼性を従来よりも向
上させることができる。
良好になり、後述する磁気検出素子においては抵抗変化
率(ΔR/R)や電気伝導度の変化量(ΔG)、フリー
磁性層の軟磁気特性を従来よりも向上させることができ
る。またサーマルノイズの低下を図ることができる。
反強磁性層との界面での前記Crの組成比は40原子%
以上で70原子%以下であることが好ましく、より好ま
しくは、前記Crの組成比は45原子%以上で60原子
%以下である。
反強磁性層と反対側の面での前記Crの組成比は20原
子%以上で45原子%以下であることが好ましく、より
好ましくは、前記Crの組成比は20原子%以上で40
原子%以下である。
FeCr合金あるいはNiCr合金で形成されることが
好ましい。
100-XFeX)−Crで示され、組成比Xは、0原子%≦
X≦70原子%であることが好ましい。より好ましく
は、前記組成比Xは、0原子%≦X≦50原子%であ
る。さらに好ましくは、前記組成比Xは、0原子%≦X
≦30原子%である。
は、23Å以上で80Å以下であることが好ましく、よ
り好ましくは前記シードレイヤの膜厚は、25Å以上で
50Å以下である。
が強磁性材料で形成されたシードレイヤ、反強磁性層、
強磁性層の順に積層され、前記反強磁性層と強磁性層と
の界面で交換結合磁界が発生することで、前記強磁性層
の磁化方向が一定方向にされる交換結合膜において、前
記シードレイヤは上層と下層の積層構造で形成され、前
記上層及び下層はそれぞれ、元素α(Fe、Ni、Co
のうちいずれか1種または2種以上)とCrとを含有し
た非磁性あるいは一部が強磁性材料で形成され、前記シ
ードレイヤのうち前記上層のCrの組成比は40原子%
以上で、前記反強磁性層との界面での結晶構造は、面心
立方構造(fcc構造)であり、前記上層のCrの組成
比は、下層のCrの組成比よりも大きく、前記上層の膜
厚は、前記下層の膜厚よりも小さいことを特徴とするも
のである。
発明では前記シードレイヤが2層構造であるのに対し、
上記した発明では、前記シードレイヤが単一層である点
のみであり、得られる効果は全く同じである。
成する下層は、上層よりもCr組成比が低く、適切に面
心立方構造を保ち、シードレイヤを構成する上層は、C
rの組成比が40原子%以上であり、且つ結晶構造が面
心立方構造であるため、前記シードレイヤ上に積層され
る各層の膜面と平行方向の配向性を良好に[111]配向
にでき、また膜面と平行な方向の結晶粒径を大きくする
ことができる。
向上を図ることができ通電信頼性を向上させることがで
き、また後述する磁気検出素子では抵抗変化率(ΔR/
R)や電気伝導度の変化率(ΔG)、フリー磁性層の軟
磁気特性などを向上させることができる。
は40原子%以上で70原子%以下であることが好まし
く、より好ましくは、前記Crの組成比は45原子%以
上で60原子%以下である。
は20原子%以上で45原子%以下であることが好まし
く、より好ましくは、前記Crの組成比は20原子%以
上で40原子%以下である。
ぞれ、FeNiCr合金あるいはNiCr合金で形成さ
れることが好ましい。
式は(Ni100-XFeX)−Crで示され、組成比Xは、
0原子%≦X≦70原子%であることが好ましい。より
好ましくは、前記組成比Xは、0原子%≦X≦50原子
%である。さらに好ましくは、前記組成比Xは、0原子
%≦X≦30原子%である。
で形成されてもよい。また本発明では、前記上層の膜厚
は3Å以上で20Å以下であることが好ましく、より好
ましくは前記上層の膜厚は5Å以上で10Å以下であ
る。
以上で60Å以下であることが好ましく、より好ましく
は、前記下層の膜厚は20Å以上で40Å以下である。
は、1層以上の中間層が形成されても良く、かかる場
合、前記中間層は元素α(Fe、Ni、Coのうちいず
れか1種または2種以上)とCrを含有した非磁性ある
いは一部が強磁性材料で形成され、前記Crの組成比
は、上層のCrの組成比よりも小さいことが好ましい。
は、Ta,Hf,Nb,Zr,Ti,Mo,Wのうち少
なくとも1種以上の元素で形成された下地層が形成され
ていることが好ましい。これにより前記シードレイヤの
結晶構造を適切に面心立方構造にすることができる。
ることが好ましい。これにより前記シードレイヤはバル
クのときの平衡状態と同じにならず、Crの組成比が4
0原子%以上であっても準安定状態となって結晶構造を
面心立方構造にしやすくできる。
層に形成された結晶粒の膜面と平行な方向における平均
結晶粒径は、100Å以上であることが好ましく、より
好ましくは、前記平均結晶粒径は、150Å以上であ
る。
向と平行に切断したときに切断面に現われる前記反強磁
性層に形成された結晶粒界と、強磁性層に形成された結
晶粒界とが、前記反強磁性層と強磁性層との界面の少な
くとも一部で不連続であることが好ましい。
向と平行に切断したときに切断面に現われる前記反強磁
性層に形成された結晶粒界と、シードレイヤに形成され
た結晶粒界とが、前記反強磁性層とシードレイヤとの界
面の少なくとも一部で不連続であることが好ましい。
層の界面と平行な結晶面は、互いに、代表的に{11
1}面として表される等価な結晶面が優先配向し、前記
結晶面内に存在する、同じ等価な結晶軸の少なくとも一
部が、前記反強磁性層及び強磁性層とで互いに異なる方
向を向いていることが好ましい。
レイヤの界面と平行な結晶面は、互いに代表的に{11
1}面として表される等価な結晶面が優先配向し、前記
結晶面内に存在する、同じ等価な結晶軸の少なくとも一
部が、前記反強磁性層及びシードレイヤとで互いに異な
る方向を向いていることが好ましい。
X(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Os
のうち1種または2種以上の元素である)とMnとを含
有する反強磁性材料で形成されることが好ましい。
X−Mn−X′合金(ただし元素X′は、Ne,Ar,
Kr,Xe,Be,B,C,N,Mg,Al,Si,
P,Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,
Ga,Ge,Zr,Nb,Mo,Ag,Cd,Ir,S
n,Hf,Ta,W,Re,Au,Pb、及び希土類元
素のうち1種または2種以上の元素である)で形成され
ていてもよい。
X′合金は、元素XとMnとで構成される空間格子の隙
間に元素X′が侵入した侵入型固溶体であり、あるい
は、元素XとMnとで構成される結晶格子の格子点の一
部が、元素X′に置換された置換型固溶体であることが
好ましい。
X+X′の組成比は、45(原子%)以上60(原子
%)以下であることが好ましい。
磁性層、固定磁性層、非磁性中間層、およびフリー磁性
層の順に積層され、前記フリー磁性層の磁化が前記固定
磁性層の磁化と交叉する方向に揃えられた磁気検出素子
において、前記シードレイヤ、反強磁性層及び固定磁性
層が上記に記載された交換結合膜により形成されている
ことを特徴とするものである。
磁性のエクスチェンジバイアス層、フリー磁性層、非磁
性中間層、固定磁性層、および反強磁性層の順に積層さ
れ、前記フリー磁性層の磁化が前記固定磁性層の磁化と
交叉する方向に揃えられた磁気検出素子において、前記
シードレイヤ、エクスチェンジバイアス層及びフリー磁
性層が上記に記載された交換結合膜により形成されてい
ることを特徴とするものである。
された非磁性中間層と、一方の前記非磁性中間層の上お
よび他方の非磁性中間層の下に位置する固定磁性層と、
一方の前記固定磁性層の上および他方の固定磁性層の下
に位置する反強磁性層とを有し、前記フリー磁性層より
も下側に形成された反強磁性層の下側にはシードレイヤ
が形成され、前記フリー磁性層の磁化が前記固定磁性層
の磁化と交叉する方向に揃えられた磁気検出素子におい
て、前記シードレイヤ、その上に接合された反強磁性層
及び固定磁性層が上記に記載された交換結合膜により形
成されていることを特徴とするものである。
磁性のエクスチェンジバイアス層、磁気抵抗層、非磁性
層、および軟磁性層の順で積層された磁気検出素子にお
いて、前記シードレイヤ、エクスチェンジバイアス層及
び磁気抵抗層が上記に記載された交換結合膜により形成
されていることを特徴とするものである。
に使用することで、耐エレクトロマイグレーションを向
上させることができ、通電信頼性を従来よりも向上させ
ることができる。
向上させることができる。またサーマルノイズの低下を
図ることができる。
Hcの低下を図ることができる。これにより前記保磁力
Hcと比例関係にある膜面内の結晶磁気異方性エネルギ
ーKの低下を図ることができ、前記フリー磁性層の磁化
を、外部磁界に対して感度良く回転させることが可能で
ある。
伴い、磁気検出素子がさらに小さくなっても、従来より
上記効果を適切に得ることができ、高記録密度化に適切
に対応可能な磁気検出素子の製造を図ることが可能であ
る。
磁性層、および強磁性層の順に積層し、前記反強磁性層
と強磁性層との界面に交換結合磁界を発生させて、前記
強磁性層の磁化方向を一定方向に向ける交換結合膜の製
造方法において、(A)Crの組成比が20原子%以上
で45原子%以下となるNiFeCr合金あるいはNi
Cr合金で形成された前記シードレイヤの下層を20Å
以上で60Å以下の膜厚でスパッタ成膜する工程と、
(B)前記下層の上に、前記下層よりもCrの組成比が
大きく、且つ前記Crの組成比が40原子%以上で70
原子%以下となるNiFeCr合金あるいはNiCr合
金で形成された前記シードレイヤの上層を3Å以上で2
0Å以下の膜厚でスパッタ成膜する工程と、(C)前記
シードレイヤの上に反強磁性層、強磁性層を順次積層
し、熱処理を施して、前記反強磁性層と強磁性層との界
面に交換結合磁界を発生させ、磁場方向に前記強磁性層
を磁化する工程と、を有することを特徴とするものであ
る。
20原子%以上で45原子%以下となるNiFeCr合
金あるいはNiCr合金で形成されたシードレイヤの下
層を20Å以上で60Å以下の膜厚でスパッタ成膜す
る。
%以下とすれば、前記下層の結晶構造を適切に面心立方
構造(fcc構造)にすることができる。また前記下層
の膜厚をある程度確保することで、前記下層の結晶構造
を適切に面心立方構造にすることができる。ただしあま
り膜厚が厚くなりすぎると、前記下層に流れるセンス電
流の分流ロスが大きくなり、また結晶構造に体心立方構
造が混入しやくなることから好ましくない。またこの製
造方法では、前記下層のCr組成比を40原子%〜45
原子%の範囲内でも良いとしている。上記のようにCr
組成比が40原子%を越えると結晶構造に体心立方構造
が混在し始めることを説明したが、前記下層の膜厚をで
きる限り薄く形成することで、バルクのときに体心立方
構造が混在する40原子%以上のCrを含んでいても、
エネルギー的にはさほど高くならないため準安定状態に
でき、面心立方構造のみで構成できる。上記の観点から
本発明では前記下層の膜厚を20Å以上で60Å以下に
設定している。また前記下層の下にTaなどの下地層を
敷くことで前記下層の結晶構造をより適切に面心立方構
造のみで構成できるとともに、[111]面の配向度を高
めることができる。
に、前記下層よりもCrの組成比が大きく、且つ前記C
rの組成比が40原子%以上で70原子%以下となるN
iFeCr合金あるいはNiCr合金で形成された前記
シードレイヤの上層を3Å以上で20Å以下の膜厚でス
パッタ成膜する。
%以下に調整することで、前記上層の表面の濡れ性を従
来よりも向上させることが可能である。
以上で20Å以下に非常に薄くしている。これにより前
記上層の結晶構造は前記下層の結晶構造に引きずられ
る。また前記上層をスパッタ成膜することで、バルクの
場合と同様な平衡状態にはなり難く準安定状態になり、
Crの組成比を40原子%以上にしても前記上層の結晶
構造を面心立方構造にすることが可能になるのである。
反強磁性層及び強磁性層をスパッタ成膜する。上記のよ
うにシードレイヤを構成する上層の表面は従来に比べて
濡れ性が良く、しかも面心立方構造になっているから、
前記シードレイヤの上に形成される反強磁性層及び強磁
性層の膜面と平行方向の配向性を、従来に比べて最稠密
面である[111]配向に強く配向でき、しかも膜面と平
行な方向の結晶粒径を大きくすることができる。
確実にシードレイヤ表面の濡れ性を従来よりも向上させ
ることができ、しかも前記シードレイヤの結晶構造を面
心立方構造に保つことができるのである。
を45原子%以上で60原子%以下とすることが好まし
い。
上で10Å以下にすることが好ましい。
を20原子%以上で40原子%以下にすることが好まし
い。
式は(Ni100-XFeX)−Crで示され、組成比Xを、
0原子%≦X≦70原子%とすることが好ましい。また
より好ましくは、前記組成比Xを、0原子%≦X≦50
原子%とすることである。さらに好ましくは、前記組成
比Xを、0原子%≦X≦30原子%とすることである。
て、以下の工程を有するものであってもよい。(D)N
iFe合金で形成された前記シードレイヤの下層を20
Å以上で60Å以下の膜厚でスパッタ成膜する工程、こ
のように前記シードレイヤの下層はCrを含まないNi
Fe合金で形成されてもよい。Crを含まないことで前
記下層の結晶構造を容易にしかも確実に面心立方構造に
することができる。
以上で40Å以下にすることが好ましい。
磁性層、および強磁性層の順に積層し、前記反強磁性層
と強磁性層との界面に交換結合磁界を発生させて、前記
強磁性層の磁化方向を一定方向に向ける交換結合膜の製
造方法において、(E)前記シードレイヤをNiFeC
r合金あるいはNiCr合金で23Å以上で80Å以下
の膜厚でスパッタ成膜し、このとき下面でのCr組成比
を20原子%以上で45原子%以下として前記下面から
上面にかけて徐々にCrの組成比が大きくなるようにス
パッタ成膜し、さらに前記上面でのCrの組成比を40
原子%以上で70原子%以下とする工程と、(F)前記
シードレイヤの上に反強磁性層、強磁性層を順次積層
し、熱処理を施して、前記反強磁性層と強磁性層との界
面に交換結合磁界を発生させ、磁場方向に前記強磁性層
を磁化する工程と、を有することを特徴とするものであ
る。
製造方法と異なり、シードレイヤを2層構造にせず、シ
ードレイヤを単一層でスパッタ成膜する。このとき、シ
ードレイヤの下面から上面にかけて徐々にCrの組成比
が大きくなるようにスパッタ成膜するが、その方法は例
えばNiFeターゲットとCrターゲットを用意し、C
rターゲットに供給される電力を膜厚が大きくなるにつ
れて相対的に徐々に大きくしていくことで達成すること
ができる。
実にシードレイヤ表面の濡れ性を従来よりも向上させる
ことができ、しかも前記シードレイヤの結晶構造を面心
立方構造に保つことができるのである。
式は(Ni100-XFeX)−Crで示され、組成比Xを、
0原子%≦X≦70原子%とすることが好ましい。より
好ましくは、前記組成比Xを、0原子%≦X≦50原子
%とすることである。さらに好ましくは、前記組成比X
を、0原子%≦X≦30原子%とすることである。
Å以上で50Å以下の膜厚でスパッタ成膜することが好
ましい。
Ta,Hf,Nb,Zr,Ti,Mo,Wのうち少なく
とも1種以上の元素で形成された下地層を形成すること
が好ましい。これにより前記下地層上に形成されるシー
ドレイヤの結晶構造をより確実に面心立方構造にするこ
とができるとともに[111]面の優先配向度を高めるこ
とができる。
X(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Os
のうち1種または2種以上の元素である)とMnとを含
有する反強磁性材料でスパッタ成膜することが好まし
い。
X−Mn−X′合金(ただし元素X′は、Ne,Ar,
Kr,Xe,Be,B,C,N,Mg,Al,Si,
P,Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,
Ga,Ge,Zr,Nb,Mo,Ag,Cd,Ir,S
n,Hf,Ta,W,Re,Au,Pb、及び希土類元
素のうち1種または2種以上の元素である)でスパッタ
成膜してもよい。
X+X′の組成比を、45(原子%)以上60(原子
%)以下とすることが好ましい。
磁性層、固定磁性層、非磁性中間層、およびフリー磁性
層の順に積層して成る磁気検出素子の製造方法におい
て、前記シードレイヤ、反強磁性層及び固定磁性層を上
記に記載された交換結合膜により形成することを特徴と
するものである。
磁性のエクスチェンジバイアス層、フリー磁性層、非磁
性中間層、固定磁性層、および反強磁性層の順に積層す
る磁気検出素子の製造方法において、前記シードレイ
ヤ、エクスチェンジバイアス層及びフリー磁性層を上記
に記載された交換結合膜により形成されていることを特
徴とするものである。
された非磁性中間層と、一方の前記非磁性中間層の上お
よび他方の非磁性中間層の下に位置する固定磁性層と、
一方の前記固定磁性層の上および他方の固定磁性層の下
に位置する反強磁性層とを有し、前記フリー磁性層より
も下側に形成された反強磁性層の下側にシードレイヤを
形成して成る磁気検出素子の製造方法において、前記シ
ードレイヤ、その上に接合する反強磁性層及び固定磁性
層を上記に記載された交換結合膜により形成することを
特徴とするものである。
磁性のエクスチェンジバイアス層、磁気抵抗層、非磁性
層、および軟磁性層の順で積層した磁気検出素子の製造
方法において、前記シードレイヤ、エクスチェンジバイ
アス層及び磁気抵抗層を上記に記載された交換結合膜に
より形成することを特徴とするものである。
製造方法で確実にシードレイヤ表面の濡れ性を従来より
も向上させることができ、しかも前記シードレイヤの結
晶構造を面心立方構造に保つことができる。
る各層の膜面と平行方向の結晶配向性を最稠密面である
[111]配向に良好に配向でき、しかも膜面と平行な方
向への結晶粒径を大きくすることができる。
ーションに代表される通電信頼性、抵抗変化率、および
フリー磁性層の軟磁気特性などの向上を適切に図ること
が可能な高記録密度化に優れた磁気検出素子を容易に製
造することが可能である。
気検出素子(シングルスピンバルブ型磁気抵抗効果素
子)の全体構造を記録媒体との対向面側から見た断面図
である。なお、図1ではX方向に延びる素子の中央部分
のみを破断して示している。
素子は、ハードディスク装置に設けられた浮上式スライ
ダのトレーリング側端部などに設けられて、ハードディ
スクなどの記録磁界を検出するものである。なお、ハー
ドディスクなどの磁気記録媒体の移動方向はZ方向であ
り、磁気記録媒体からの洩れ磁界の方向はY方向であ
る。
Hf,Nb,Zr,Ti,Mo,Wのうち1種または2
種以上の元素などの非磁性材料で形成された下地層6で
ある。この下地層6の上に、シードレイヤ22、反強磁
性層4、固定磁性層3、非磁性中間層2、フリー磁性層
1が積層されている。
強磁性層4は、元素X(ただしXは、Pt,Pd,I
r,Rh,Ru,Osのうち1種または2種以上の元素
である)とMnとを含有する反強磁性材料で形成される
ことが好ましい。
は、耐食性に優れ、またブロッキング温度も高く、さら
に交換結合磁界(Hex)を大きくできるなど反強磁性
材料として優れた特性を有している。特に白金族元素の
うちPtを用いることが好ましく、例えば二元系で形成
されたPtMn合金を使用することができる。
素Xと元素X′(ただし元素X′は、Ne,Ar,K
r,Xe,Be,B,C,N,Mg,Al,Si,P,
Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,G
a,Ge,Zr,Nb,Mo,Ag,Cd,Sn,H
f,Ta,W,Re,Au,Pb、及び希土類元素のう
ち1種または2種以上の元素である)とMnとを含有す
る反強磁性材料で形成されてもよい。
構成される空間格子の隙間に侵入し、または元素XとM
nとで構成される結晶格子の格子点の一部と置換する元
素を用いることが好ましい。ここで固溶体とは、広い範
囲にわたって、均一に成分が混ざり合った固体のことを
指している。
ことで、前記X−Mn合金膜の格子定数に比べて、前記
X−Mn−X′合金の格子定数を大きくすることができ
る。これによって反強磁性層4の格子定数と固定磁性層
3の格子定数との差を広げることができ、前記反強磁性
層4と固定磁性層3との界面構造を非整合状態にしやす
くできる。ここで非整合状態とは、前記反強磁性層4と
固定磁性層3との界面で前記反強磁性層4を構成する原
子と前記固定磁性層3を構成する原子とが一対一に対応
しない状態である。
する場合は、前記元素X′の組成比が大きくなりすぎる
と、反強磁性としての特性が低下し、固定磁性層3との
界面で発生する交換結合磁界が小さくなってしまう。特
に本発明では、侵入型で固溶し、不活性ガスの希ガス元
素(Ne,Ar,Kr,Xeのうち1種または2種以
上)を元素X′として使用することが好ましいとしてい
る。希ガス元素は不活性ガスなので、希ガス元素が、膜
中に含有されても、反強磁性特性に大きく影響を与える
ことがなく、さらに、Arなどは、スパッタガスとして
従来からスパッタ装置内に導入されるガスであり、ガス
圧を適正に調節するのみで、容易に、膜中にArを侵入
させることができる。
場合には、膜中に多量の元素X′を含有することは困難
であるが、希ガスの場合においては、膜中に微量侵入さ
せるだけで、熱処理によって発生する交換結合磁界を、
飛躍的に大きくできる。
組成範囲は、原子%で0.2から10であり、より好ま
しくは、原子%で、0.5から5である。また本発明で
は前記元素XはPtであることが好ましく、よってPt
−Mn−X′合金を使用することが好ましい。
るいは元素X+X′の原子%を45(原子%)以上で6
0(原子%)以下に設定することが好ましい。より好ま
しくは49(原子%)以上で56.5(原子%)以下で
ある。これによって成膜段階において、固定磁性層3と
の界面が非整合状態にされ、しかも前記反強磁性層4は
熱処理によって適切な規則変態を起すものと推測され
る。
定磁性層3は3層構造となっている。
12とCo膜13とで形成され、前記反強磁性層4との
界面での交換結合磁界及びRu膜12を介した反強磁性
的交換結合磁界(RKKY相互作用)により前記Co膜
11とCo膜13の磁化方向は互いに反平行状態にされ
る。これは、いわゆるフェリ磁性結合状態と呼ばれ、こ
の構成により固定磁性層3の磁化を安定した状態にで
き、また前記固定磁性層3と反強磁性層4との界面で発
生する交換結合磁界を見かけ上大きくすることができ
る。
形成され、Ru膜12は8Å程度で形成され、Co膜1
3は15Å程度で形成される。
なくても良く、例えば単層膜で形成されてもよい。また
各層11,12,13は、上記した磁性材料以外の材料
によって形成してもよい。例えば層11及び層13に
は、NiFe合金、CoFe合金、あるいはCoFeN
i合金などを選択することができる。また層12には、
Rh、Ir、Cr、Re、Cuなどを選択することがで
きる。
中間層2は、例えばCuで形成されている。なお本発明
における磁気検出素子が、トンネル効果の原理を用いた
トンネル型磁気抵抗効果素子(TMR素子)の場合、前
記非磁性中間層2は、例えばAl2O3等の絶縁材料で形
成される。
で形成されたフリー磁性層1が形成される。
とCo膜10の2層で形成される。図1に示すように前
記Co膜10を非磁性中間層2と接する側に形成するこ
とにより、前記非磁性中間層2との界面での金属元素等
の拡散を防止し、ΔR/R(抵抗変化率)を大きくする
ことができる。
Niを80(原子%)、Feを20(原子%)として形
成する。また前記NiFe合金膜9の膜厚を例えば45
Å程度、Co膜を5Å程度で形成する。また前記Co膜
10に代えて、CoFe合金、CoFeNi合金などを
用いてもよい。
るいは非磁性金属のCu,Au,Agからなるバックド
層15が形成されている。例えば前記バックド層の膜厚
は12〜20Å程度で形成される。
形成されている。前記保護層7は、Taなどから成りそ
の表面が酸化された酸化層が形成されていることが好ま
しい。
って、磁気抵抗効果に寄与する+スピン(上向きスピ
ン:up spin)の電子における平均自由行程(m
eanfree path)を延ばし、いわゆるスピン
フィルター効果(spinfilter effec
t)によりスピンバルブ型磁気素子において、大きな抵
抗変化率が得られ、高記録密度化に対応できるものとな
る。
ら保護層7までの積層膜の両側にはハードバイアス層5
及び電極層8が形成されている。前記ハードバイアス層
5からのバイアス磁界によってフリー磁性層1の磁化は
トラック幅方向(図示X方向)に揃えられる。
o−Pt(コバルト−白金)合金やCo−Cr−Pt
(コバルト−クロム−白金)合金などで形成されてお
り、電極層8,8は、α−Ta、Au、Cr、Cu
(銅)やW(タングステン)などで形成されている。な
お上記したトンネル型磁気抵抗効果素子の場合、前記電
極層8,8は、フリー磁性層1の上側と、反強磁性層4
の下側にそれぞれ形成されることになる。
下地層6から保護層7を積層後、熱処理を施し、これに
よって前記反強磁性層4と固定磁性層3との界面に交換
結合磁界を発生させる。このとき磁場を図示Y方向に向
けることで、前記固定磁性層3の磁化は図示Y方向に向
けられ固定される。なお図1に示す実施形態では前記固
定磁性層3はフェリ構造であるため、層11及び層13
のどちらかが図示Y方向に磁化され、他方は図示Y方向
と逆方向に磁化される。
層4の下にシードレイヤ22が形成されているが、本発
明では前記シードレイヤ22は元素α(Fe、Ni、C
oのうちいずれか1種または2種以上)とCrを含有し
た非磁性あるいは一部が強磁性材料で形成される。具体
的には前記シードレイヤ22はNiCr合金かFeNi
Cr合金で形成されることが好ましい。
組成式は(Ni100-XFeX)−Crで示され、組成比X
は、0原子%≦X≦70原子%であることが好ましい。
より好ましくは、前記組成比Xは、0原子%≦X≦50
原子%である。さらに好ましくは、前記組成比Xは、0
原子%≦X≦30原子%である。Fe量が多くなりすぎ
ると、前記シードレイヤ22が体心立方構造となりやす
いため、上記の組成比を有することが好ましい。その他
に上記組成であると反強磁性層4の結晶配向性を高め、
結晶粒径、導電変化量、抵抗変化率の増大を期待するこ
とができる。なお最も好ましいのは組成比Xが20原子
%である。
の前記反強磁性層4との界面(表面)での前記Crの組
成比は40原子%以上である。従来では前記シードレイ
ヤのCrの組成比は40原子%以下であったが、本発明
では、前記反強磁性層4との界面における前記Crの組
成比を40原子%以上に設定することで、前記界面での
表面エネルギーを増大させ界面活性状態にでき、いわゆ
る濡れ性(wettability)を従来に比べて向
上させることができる。
結晶構造は前記反強磁性層4との界面で面心立方構造
(fcc構造)である。
上により、前記シードレイヤ22上に反強磁性層4をス
パッタ成膜したとき、前記反強磁性層4を構成する各原
子が前記界面上で十分な界面移動を起すことができ、し
かも前記シードレイヤ22表面が面心立方構造であるこ
とから、前記反強磁性層4の膜面と平行な方向(X−Y
面と平行)の結晶配向を、最稠密面である[111]配向
に強く配向させることができる。
ことで、その上に形成される各層の膜面と平行な方向
(図示X方向)の結晶配向を、最稠密面である[111]
配向に配向させることができる。
面の濡れ性が良好であり、且つ面心立方構造であること
で、前記シードレイヤ22上に形成される各層には、前
記各層を貫くほどの大きな結晶粒が形成され、前記結晶
粒の結晶粒径は膜面と平行な方向(X−Y面と平行な方
向)にも大きくなる。本発明では膜面と平行な方向にお
ける前記結晶粒径は、100Å以上であることが好まし
く、より好ましくは150Å以上である。これにより電
気伝導性を良好にできる。
2の反強磁性層4との界面でのCrの組成比は40原子
%以上で、しかも面心立方構造となっているが、このよ
うな表面状態にするためには、前記シードレイヤ22の
下側(すなわち前記反強磁性層4から遠ざかる側)のC
rの組成比を、前記シードレイヤ22表面のCr組成比
よりも小さくして、前記シードレイヤ22の下側がしっ
かりと面心立方構造を保っている必要がある。このよう
に前記シードレイヤ22の下側がしっかりと面心立方構
造を保っていると、前記シードレイヤ22表面のCrの
組成比がたとえ40原子%以上となっても体心立方構造
(bcc構造)が混在せず、前記表面での結晶構造を面
心立方構造のみで構成することができるのである。
を組成分析すると、前記シードレイヤ22には組成変調
が起きている。すなわち本発明では前記シードレイヤ2
2には前記反強磁性層4側に向かうにしたがって前記C
rの組成比が増加する領域が存在し、さらに前記シード
レイヤ22表面での前記Crの組成比は、前記表面と反
対側の面(下面)でのCrの組成比よりも大きくなって
いるのである。
態、及び組成変調を起させるには製造方法を工夫する必
要性がある。以下に前記シードレイヤ22の製造方法の
代表例について図9を参照しながら説明する。図9は下
地層6から保護層7までの各層を記録媒体との対向面側
から見た模式図である。
6を形成する。なお前記下地層6は、前記Ta,Hf,
Nb,Zr,Ti,Mo,Wのうち少なくとも1種以上
の元素で形成されていることが好ましい。下地層6の形
成により、その上に形成されるシードレイヤ22の結晶
構造を面心立方構造にしやすくできるとともにシードレ
イヤ22の[111]面の優先配向度を高めることができ
る。
してまず下層23をスパッタ成膜する。
0原子%以上で45原子%以下となるNiFeCr合金
あるいはNiCr合金でスパッタ成膜することが好まし
い。また前記下層23の膜厚を20Å以上で60Å以下
で形成する。
以上で45原子%以下とすることで、前記下層23の結
晶構造を面心立方構造(fcc構造)のみで構成するこ
とができる。また前記下層23の膜厚はある程度厚くな
いと、前記下層23の結晶構造を適切に面心立方構造に
して[111]配向させることはできないため前記下層2
3の膜厚を20Å以上に設定したが、あまり膜厚が厚す
ぎると、前記下層23に流れるセンス電流量が多くな
り、センス電流の分流ロスが大きくなる。またこの製造
方法では、前記下層23のCr組成比は40原子%〜4
5原子%の範囲内でも良いが、このようにCr組成比が
大きいと結晶構造に体心立方構造が混在する可能性が高
くなる。前記Crの組成比が40原子%を越えても体心
立方構造が混在しないようにするには、前記下層23の
膜厚をあまり厚くしないことや後述のように成膜条件を
調整することが必要である。スパッタ膜厚が薄い場合、
バルクの場合にbcc構造で安定になりやすい40原子
%以上のCrが含まれていてもエネルギー的にはさほど
高くならないため準安定状態にでき、結晶構造を面心立
方構造のみで構成することができる。そこで本発明で
は、前記下層23の膜厚の上限を60Å以下とした。こ
れによって前記下層23の結晶構造を面心立方構造のみ
で構成することができる。
された下地層6を敷いて、その上に前記下層23を形成
することで前記下層23の結晶構造を面心立方構造のみ
で構成しやすくできる。
比を20原子%以上で40原子%以下にすることが好ま
しい。これにより前記下層23の結晶構造をより確実に
面心立方構造にすることができる。
0Å以下にすることが好ましい。これにより前記下層2
3の結晶構造をより確実に面心立方構造にすることがで
きると同時に、センス電流の分流ロスをより適切に低減
させることができる。
金で形成してもよい。かかる場合も前記下層23の膜厚
を20Å以上で60Å以下とし、好ましくは20Å以上
で40Å以下にする。前記下層23にCrを含まないN
iFe合金を使用することで、より確実に前記下層23
の結晶構造を面心立方構造にすることができる。
る基板25の温度を20〜100℃とし、また基板25
とターゲット間の距離を40〜80mmとし、またスパ
ッタ成膜時に導入されるArガスの圧力を0.5〜3m
Torr(0.067〜0.4Pa)とすることが好ま
しい。これにより前記下層23の結晶構造をより適切に
面心立方構造にできる。
りもCrの組成比が大きく、且つ前記Crの組成比が4
0原子%以上で70原子%以下となるFeNiCr合金
あるいはNiCr合金で形成された上層24をスパッタ
成膜する。また前記上層24の膜厚を3Å以上で20Å
以下に調整する。
Å以上20Å以下と非常に薄いことがわかる。このよう
に前記上層24の膜厚が薄いと前記上層24の結晶構造
は前記下層23側の結晶構造に引きずられて前記下層2
3と同じ結晶構造になりやすい。またバルクのときはC
rの組成比を40原子%以上とすると結晶構造に体心立
方構造が混在してくることが知られているが、本発明で
は前記上層24をスパッタ成膜しているため、特に前記
上層24を薄く成膜したときは、前記バルクのときの平
衡状態と同じにはならず準安定状態になりやすい。
はCrの組成比が40原子%以上と高い含有量であって
も前記上層24に体心立方構造(bcc構造)が混在せ
ず、面心立方構造のみで構成されるのである。
比を45原子%以上で60原子%以下にすることが好ま
しい。これにより前記上層24の表面の濡れ性をより適
切に向上させることができる。
4の組成式は(Ni100-XFeX)−Crで示され、組成
比Xを、0原子%≦X≦70原子%とすることが好まし
い。より好ましくは、前記組成比Xを、0原子%≦X≦
50原子%とすることである。さらに好ましくは、前記
組成比Xを、0原子%≦X≦30原子%とすることであ
る。Fe量が多くなりすぎると、前記下層23及び上層
24が体心立方構造となりやすいため、上記の組成比を
有することが好ましい。その他に上記組成であると反強
磁性層4の結晶配向性を高め、結晶粒径、導電変化量、
抵抗変化率の増大を期待することができる。なお最も好
ましいのは組成比Xが20原子%である。
Å以上で10Å以下にすることが好ましい。これによ
り、より確実に前記上層24の結晶構造を面心立方構造
にすることができる。
る基板25の温度を20〜100℃とし、また基板25
とターゲット間の距離を40〜80nmとし、またスパ
ッタ成膜時に導入されるArガスの圧力を0.5〜3m
Torr(0.067〜0.4Pa)とすることが好ま
しい。これにより前記上層24表面の濡れ性を向上させ
ることができ、また結晶構造を面心立方構造にしやすく
できる。
パッタ成膜する。本発明では、前記反強磁性層4を、元
素X(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,O
sのうち1種または2種以上の元素である)とMnとを
含有する反強磁性材料でスパッタ成膜することが好まし
い。
Mn−X′合金(ただし元素X′は、Ne,Ar,K
r,Xe,Be,B,C,N,Mg,Al,Si,P,
Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,G
a,Ge,Zr,Nb,Mo,Ag,Cd,Ir,S
n,Hf,Ta,W,Re,Au,Pb、及び希土類元
素のうち1種または2種以上の元素である)でスパッタ
成膜してもよい。
X+X′の組成比を、45(原子%)以上60(原子
%)以下とすることが好ましい。
3、非磁性中間層2、フリー磁性層1、バックド層15
及び保護層7を成膜する。
の表面はCrの組成比が40原子%以上に高いため濡れ
性が良好で、しかも面心立方構造であるため前記反強磁
性層4の膜面と平行方向の結晶配向を良好に[111]配
向させることができる。また前記反強磁性層4が[11
1]配向することで、その上に成膜される各層の膜面と
平行方向の結晶配向を良好に[111]配向させることが
できる。
たX−Mn合金やX−Mn−X′合金で形成されること
が好ましいが、これら反強磁性材料を使用する場合に
は、熱処理をしないと前記固定磁性層3との界面で交換
結合磁界を発生しない。したがって本発明では熱処理を
施すことで前記反強磁性層4と固定磁性層3との界面で
交換結合磁界を発生させることができる。またこのとき
図示Y方向に磁場をかけることで前記固定磁性層3の磁
化を図示Y方向に向け固定することができる。
2上には、前記シードレイヤ22上に形成された各層を
貫くほどの結晶粒が成長し、特に本発明では前記結晶粒
の膜面と平行方向における結晶粒径の大きさを100Å
以上に大きくすることができる。
上層24との界面では拡散が生じるため前記下層23と
上層24との界面の存在が熱処理後には判別できなくな
る場合があり、前記シードレイヤ22はあたかも単一層
で形成された状態になる。
上層24との界面で拡散が生じた結果、熱処理後にシー
ドレイヤ22の組成分析を行うと、前記界面であった付
近に組成変調が見られ、従って前記シードレイヤ22に
は、前記反強磁性層4側に向かうにしたがってCrの組
成比が増加する領域が存在するのである。また図1に示
す前記シードレイヤ22表面は図9の製造工程における
上層24の上面に相当し、図1に示す前記シードレイヤ
22の下面は図9の製造工程における下層23の下面に
相当するため、前記シードレイヤ22上面のCrの組成
比が前記シードレイヤ22の下面のCrの組成比よりも
大きくなるのである。
ドレイヤ22を形成することも可能である。製造方法に
ついては主として図10を参照しながら説明する。図1
0は下地層6から保護層7までの積層膜を記録媒体との
対向面側から見た模式図である。
タ成膜し、さらに前記下地層6上にシードレイヤ22を
スパッタ成膜する。前記シードレイヤ22をNiFeC
r合金あるいはNiCr合金でスパッタ成膜する。
式は(Ni100-XFeX)−Crで示され、組成比Xを、
0原子%≦X≦70原子%とすることが好ましい。また
より好ましくは、前記組成比Xを、0原子%≦X≦50
原子%とする。あるいはさらに好ましくは、前記組成比
Xを、0原子%≦X≦30原子%とする。
されるターゲットを例えば2つ用意する。前記シードレ
イヤ22をNiFeCr合金で形成するとき、例えば一
方のターゲットをNiFe合金とし、他方のターゲット
をCrとする。
シードレイヤ22を成膜する初期段階において、前記シ
ードレイヤ22の下面でのCrの組成比が20原子%以
上で45原子%以下となるように、前記2つのターゲッ
トの供給電力を調整する。そして前記シードレイヤ22
の膜厚が厚くなるにつれて前記Crターゲットの供給電
力を上げていき、前記Crが徐々に多くスパッタされる
ようにする。そして前記シードレイヤ22を23Å以上
で80Å以下の範囲内となるまで成膜し、最終段階にお
いて、前記シードレイヤ22表面のCrの組成比が40
原子%以上で70原子%以下となるように、前記2つの
ターゲットの供給電力を調整するのである。
2のCr組成比を組成分析すると、前記Crの組成比
は、前記シードレイヤ22の下面から上面にかけて徐々
に大きくなっている。
2成膜の初期段階ではCr組成比を小さくしているから
初期段階で成膜されたシードレイヤ22の結晶構造は適
切に面心立方構造となっている。従って前記シードレイ
ヤ22のCrの組成比が膜厚が厚くなるにつれて徐々に
大きくなっていっても、前記シードレイヤ22の結晶構
造は初期段階での結晶構造に引きずられて適切に面心立
方構造になり、前記シードレイヤ22表面のCrの組成
比が40原子%以上で70原子%の高い数値であっても
適切に前記表面の結晶構造を面心立方構造に保つことが
できるのである。前記シードレイヤ22表面のCr組成
比が40原子%以上で70原子%以下とされることで、
前記シードレイヤ22表面の濡れ性を従来に比べて向上
させることが可能である。
性層4、固定磁性層3、非磁性中間層2、フリー磁性層
1、バックド層15及び保護層7を成膜していき、熱処
理を施して前記反強磁性層4と固定磁性層3との界面に
交換結合磁界を発生させる。
シードレイヤ22の膜厚を25Å以上で50Å以下で成
膜することが好ましい。これにより前記シードレイヤ2
2の結晶構造を適切に面心立方構造にすることができる
とともに、前記シードレイヤ22へのセンス電流の分流
ロスを低減させることができる。
ヤ22の膜厚を23Å以上で80Å以下でスパッタ成膜
するとしているが、前記シードレイヤ22の下面から上
面にかけて全膜厚の75%程度までの膜厚内のCr組成
比が45原子%以下となるようにターゲットに供給され
る供給電力を調整することが好ましい。より好ましくは
40原子%以下である。
Cr組成で形成し、表面層のみを40原子%以上から7
5原子%以下の高いCr組成を有する層とすることで、
前記シードレイヤ22全体を適切に面心立方構造に保つ
ことができる。
以上で50Å以下とすることが好ましい。
時における基板25の温度を20〜100℃とし、また
基板25とターゲット間の距離を40〜80mmとし、
またスパッタ成膜時に導入されるArガスの圧力を0.
5〜3mTorr(0.067〜0.4Pa)とするこ
とが好ましい。
レイヤ22は、前記反強磁性層4との界面(表面)での
前記Crの組成比が40原子%以上で70原子%以下で
あることが好ましい。このCrの組成比は図9における
上層24のCrの組成範囲と同じである。これにより前
記シードレイヤ22表面の濡れ性をより適切に向上させ
ることができる。
のCrの組成比を45原子%以上で60原子%以下にす
ることがより好ましい。このCrの組成比は図9におけ
る上層24のCrの組成比の好ましい範囲である。これ
により前記シードレイヤ22表面の濡れ性をさらに向上
させることができる。
記反強磁性層4と反対側の面(下面)でのCrの組成比
は20原子%以上で45原子%以下であることが好まし
い。このCrの組成比は図9における下層23のCrの
組成範囲と同じである。これにより前記シードレイヤ2
2の下側の結晶構造を適切に面心立方構造にすることが
できる。
下面のCrの組成比は20原子%以上で40原子%以下
であることが好ましい。このCrの組成比は図9におけ
る下層23でのCr組成比の好ましい範囲と同じであ
る。これにより前記シードレイヤ22の下側の結晶構造
を確実に面心立方構造にすることができる。
厚は23Å以上で80Å以下であることが好ましい。こ
の膜厚は図9における下層23と上層24の膜厚を足し
合わせた数値である。なお上記で図9における前記下層
23の膜厚は20Å以上で60Å以下が好ましいと説明
したが、この膜厚はシードレイヤ22の全膜厚の75%
以上を占める。従って図1のシードレイヤ22の組成分
析を行うと本発明では、前記シードレイヤ22の下面か
ら全膜厚の75%以上の膜厚内のCr組成比は20原子
%以上で45原子%以下、好ましくは40原子%以下と
なっており、表面層のみが40原子%以上で70原子%
以下、好ましくは45原子%以上の高いCr組成を有す
るものとなっている。
晶構造を適切に面心立方構造にすることができると同時
に前記シードレイヤ22へのセンス電流の分流ロスを低
減させることができる。
膜厚は25Å以上で50Å以下であることがより好まし
い。この膜厚は図9における下層23と上層24の好ま
しい膜厚を足しあわせた数値である。これにより前記シ
ードレイヤ22の結晶構造を確実に面心立方構造にする
ことができると同時に、前記シードレイヤ22へのセン
ス電流の分流ロスをより低減させることができる。
ドレイヤ22表面のCrの組成比を大きくすることがで
きると共に、前記シードレイヤ22の結晶構造を面心立
方構造に適切に保つことができるから、前記シードレイ
ヤ22上に積層される各層の膜面と平行方向の結晶配向
を良好に{111}配向させることができると共に、前
記膜面と平行方向の結晶粒の平均結晶粒径を大きくする
ことができる。
値の増加及び各層間の拡散が生じないようにでき、耐エ
レクトロマイグレーションの向上を図ることができ通電
信頼性を向上させることが可能である。
向上させることができ、また電気伝導度の変化量(Δ
G)を大きくできる。またサーマルノイズの低減を図る
ことが可能である。
素子を構成するフリー磁性層1の軟磁気特性を向上させ
ることができる。具体的には前記フリー磁性層1の保磁
力Hcを低減させることができ、前記保磁力Hcと比例
関係にある膜面内の結晶磁気異方性エネルギーKを小さ
くでき、したがって外部磁界に対する前記フリー磁性層
1の磁化回転を良好にすることができ感度の良いスピン
バルブ型薄膜素子を製造できる。
ンバルブ型薄膜素子では、今後の高記録密度化におい
て、前記スピンバルブ型薄膜素子に流れるセンス電流密
度が大きくなっても前記高記録密度化に十分に対応可能
なスピンバルブ型薄膜素子を製造することが可能であ
る。
素子の構造である。図2は前記スピンバルブ型薄膜素子
を記録媒体との対向面と平行な方向から切断した部分断
面図である。
ある。図2では前記シードレイヤ22が下層27と上層
28の2層構造である。前記下層27及び上層28のそ
れぞれは元素α(Fe、Ni、Coのうちいずれか1種
または2種以上)とCrとを含有した非磁性材料あるい
は一部が強磁性材料(下層のみ)で形成される。前記下
層27及び上層28はNiFeCr合金、NiCr合金
あるいはNiFe合金で形成されることが好ましい。
(Ni100-XFeX)−Crで示され、組成比Xは、0原
子%≦X≦70原子%であることが好ましい。より好ま
しくは、前記組成比Xは、0原子%≦X≦50原子%で
ある。さらに好ましくは、前記組成比Xは、0原子%≦
X≦30原子%である。Fe量が多くなりすぎると、前
記下層27及び上層28が体心立方構造となりやすいた
め、上記の組成比を有することが好ましい。その他に上
記組成であると反強磁性層4の結晶配向性を高め、結晶
粒径、導電変化量、抵抗変化率の増大を期待することが
できる。なお最も好ましいのは組成比Xが20原子%で
ある。
の組成比は40原子%以上で、前記Crの組成比は下層
27のCrの組成比よりも大きくなっている。また前記
上層28の表面、すなわちシードレイヤ22表面の結晶
構造は面心立方構造となっている。
に比べて小さくなっている。従って本発明ではCrの組
成比が小さくされ、また膜厚が厚くされた下層27は適
切に面心立方構造を保っている。そして前記下層27の
上に形成された上層28はCrの組成比が40原子%以
上と大きく、また膜厚が薄いことで、前記上層28の結
晶構造は前記下層27の結晶構造に引きずられて面心立
方構造となり、また前記上層28表面の濡れ性を従来よ
りも向上させることが可能になっている。
法の一つは図9と同じである。ただし図9では後に熱処
理を施すことで、下層23と上層24との界面が拡散を
生じ、前記界面を判別できなくなる場合があると説明し
たが、前記熱処理温度が低い場合や熱処理時間が短い場
合には、前記拡散はさほど起きず、図2に示す下層27
と上層28の界面を判別できるものと考えられる。また
前記反強磁性層4に熱処理を施さなくても固定磁性層3
との界面で交換結合磁界を発生する反強磁性材料、例え
ばFeMnやIrMnなどを使用した場合には、元々熱
処理は必要ないから上記した拡散は生じず、前記下層2
7と上層28との界面をはっきりと判別することは可能
である。
成比は40原子%以上で70原子%以下であることが好
ましい。これにより前記上層28の結晶構造を面心立方
構造に適切に調整できると共に、前記上層28表面の濡
れ性を従来よりも高めることができる。
比は45原子%以上で60原子%以下であることがより
好ましい。これにより前記上層28の結晶構造を確実に
面心立方構造にできると共に、前記上層28表面の濡れ
性をさらに高めることが可能である。
比は20原子%以上で45原子%以下であることが好ま
しい。これにより前記下層27の結晶構造を適切に面心
立方構造にすることができる。ただし下層27のCr組
成比が40原子%を越える場合には、下記のように前記
下層27の膜厚を適切に調整する必要がある。Cr組成
比が40原子%を越えると結晶構造に体心立方構造が混
ざり始めるからである。
子%以上で40原子%以下であることがより好ましい。
これにより前記下層27の結晶構造を確実に面心立方構
造にすることができる。
Å以下であることが好ましい。これにより、前記上層2
8の結晶構造を適切に面心立方構造にすることができ
る。
Å以下であることがより好ましい。これにより、前記上
層28の結晶構造をより確実に面心立方構造にすること
ができる。
Å以上で60Å以下であることが好ましい。これにより
前記下層27の結晶構造を適切に面心立方構造にできる
と共に、前記下層27へのセンス電流の分流ロスを低減
させることができる。
%〜45原子%の範囲内であるとき、あまり膜厚を厚く
しすぎると結晶構造に体心立方構造が混在しやすくな
る。このためできる限り前記下層27の膜厚を薄くして
結晶構造を面心立方構造のみに保つ必要があり、本発明
では前記下層27の膜厚を60Å以下とすることで前記
下層27の結晶構造を面心立方構造のみで構成すること
が可能である。
Å以上で40Å以下であることが好ましい。これにより
前記下層27の結晶構造をより確実に面心立方構造にで
きると共に前記下層27へのセンス電流の分流ロスをよ
り適切に低減させることができる。
の間には、1層以上の中間層が形成されてもよく、前記
中間層は元素α(ただし元素αはFe、Ni、Coのう
ち1種または2種以上)とCrとを含有する非磁性材料
あるいは一部が強磁性材料で形成されることが好まし
い。具体的にはNiFeCr合金あるいはNiCr合金
で形成されることが好ましい。あるいはNiFe合金で
形成されてもよい。
構造になっていればよいが、前記中間層にCrが含有さ
れている場合、前記Crの組成比は上層28よりも小さ
い方がよい。前記中間層のCrの組成比が上層28と同
等程度であると、高いCr組成比を有する膜が中間層と
上層28とを足した膜厚になり、前記膜厚が厚くなるこ
とで前記上層28は、下層27の結晶構造の影響を受け
難くなり、結晶構造に面心立方構造のみならず体心立方
構造が混在する可能性があるからである。例えば前記中
間層のCrの組成比は上層28のCrの組成比よりも小
さく、また下層27のCrの組成比よりも大きくなるよ
うに調整される。
合金で形成されていてもよい。前記下層27にCrが含
まれていないことで確実に前記下層27の結晶構造を面
心立方構造にすることができる。
は、従来よりもシードレイヤ22表面のCrの組成比を
大きくすることができると共に、前記シードレイヤ22
の結晶構造を面心立方構造に適切に保つことができるか
ら、前記シードレイヤ22上に積層される各層の膜面と
平行方向の結晶配向を良好に{111}配向させること
ができると共に、前記膜面と平行方向の結晶粒の平均結
晶粒径を大きくすることができる。
値の増大及び各層間の拡散を生じにくくでき、耐エレク
トロマイグレーションの向上を図ることができ通電信頼
性を向上させることが可能である。
向上させることができ、また電気伝導度の変化量(Δ
G)を大きくすることができる。またサーマルノイズの
低減を図ることが可能である。
素子を構成するフリー磁性層1の軟磁気特性を向上させ
ることができる。具体的には前記フリー磁性層1の保磁
力Hcを低減させることができ、前記保磁力Hcと比例
関係にある膜面内の結晶磁気異方性エネルギーKを小さ
くでき、したがって外部磁界に対する前記フリー磁性層
1の磁化回転を良好にすることができ感度の良いスピン
バルブ型薄膜素子を製造できる。
ンバルブ型薄膜素子では、今後の高記録密度化におい
て、前記スピンバルブ型薄膜素子に流れるセンス電流密
度が大きくなっても前記高記録密度化に十分に対応可能
なスピンバルブ型薄膜素子を製造することが可能であ
る。
型薄膜素子の構造を示す部分断面図である。
下地層6上にトラック幅方向(図示X方向)にトラック
幅Twの間隔を開けた一対のシードレイヤ22が形成さ
れ、前記シードレイヤ22の上にエクスチェンジバイア
ス層16,16が形成されている。
ェンジバイアス層16間は、SiO 2やAl2O3等の絶
縁材料で形成された絶縁層17によって埋められてい
る。
及び絶縁層17上にはフリー磁性層1が形成されてい
る。
Mn合金、あるいはX−Mn−X′合金で形成され、前
記元素Xあるいは元素X+X′の組成比は45(原子
%)以上60(原子%)以下であることが好ましく、よ
り好ましくは49(原子%)以上56.5(原子%)以
下である。
スチェンジバイアス層16間での交換結合磁界により図
示X方向に単磁区化され、フリー磁性層1のトラック幅
Tw領域の磁化は、外部磁界に対して反応する程度に図
示X方向に適性に揃えられている。
には非磁性中間層2が形成され、さらに前記非磁性中間
層2の上には固定磁性層3が形成されている。さらに前
記固定磁性層3の上には反強磁性層4、保護層7が形成
される。
22は、元素α(Fe、Ni、Coのうちいずれか1種
または2種以上)とCrを含有した非磁性あるいは一部
が強磁性材料で形成される。
スチェンジバイアス層16側に向かうにしたがって、前
記Crの組成比が増加する領域が存在している。
チェンジバイアス層16との界面での前記Crの組成比
は40原子%以上で、この組成比は前記シードレイヤ2
2の前記エクスチェンジバイアス層16と反対側の面で
のCrの組成比よりも大きくなっており、また前記シー
ドレイヤ22の結晶構造は前記エクスチェンジバイアス
層16との界面で面心立方構造(fcc構造)となって
いる。
22は元素α(Fe、Ni、Coのいずれか1種または
2種以上)とCrを含有した上層と下層とで構成され、
前記上層の前記エクスチェンジバイアス層16との界面
でのCrの組成比は40原子%以上で、しかも結晶構造
が面心立方構造であり、また前記上層側のCrの組成比
は下層側のCrの組成比よりも大きくなっている。さら
に前記上層の膜厚は下層の膜厚よりも小さくなってい
る。
膜素子では、従来よりもシードレイヤ22表面のCrの
組成比を大きくすることができると共に、前記シードレ
イヤ22の結晶構造を面心立方構造に適切に保つことが
できるから、前記シードレイヤ22上に積層される各層
の膜面と平行方向の結晶配向を良好に{111}配向さ
せることができると共に、前記膜面と平行方向の結晶粒
の平均結晶粒径を大きくすることができる。
値の増大及び各層間の拡散を生じにくくでき、耐エレク
トロマイグレーションの向上を図ることができ通電信頼
性を向上させることが可能である。
向上させることができ、また電気伝導度の変化量(Δ
G)を大きくすることができる。またサーマルノイズの
低減を図ることが可能である。
素子を構成するフリー磁性層1の軟磁気特性を向上させ
ることができる。具体的には前記フリー磁性層1の保磁
力Hcを低減させることができ、前記保磁力Hcと比例
関係にある膜面内の結晶磁気異方性エネルギーKを小さ
くでき、したがって外部磁界に対する前記フリー磁性層
1の磁化回転を良好にすることができ感度の良いスピン
バルブ型薄膜素子を製造できる。
ンバルブ型薄膜素子では、今後の高記録密度化におい
て、前記スピンバルブ型薄膜素子に流れるセンス電流密
度が大きくなっても前記高記録密度化に十分に対応可能
なスピンバルブ型薄膜素子を製造することが可能であ
る。
説明した図9及び図10と同じ製造方法で形成すること
ができる。
ブ型薄膜素子の構造を示す部分断面図である。
ドレイヤ22、反強磁性層4、固定磁性層3、非磁性中
間層2、およびフリー磁性層1が連続して積層されてい
る。前記フリー磁性層1は3層膜で形成され、例えばC
o膜10,10とNiFe合金膜9で構成される。さら
に前記フリー磁性層1の上には、非磁性中間層2、固定
磁性層3、反強磁性層4、および保護層7が連続して積
層されている。
の両側にはハードバイアス層5,5、電極層8,8が積
層されている。なお、各層は図1で説明した材質と同じ
材質で形成されている。
示下側に位置する反強磁性層4の下にはシードレイヤ2
2が形成されている。さらに前記反強磁性層4を構成す
る元素Xあるいは元素X+X′の組成比は、45(原子
%)以上60(原子%)以上で形成されることが好まし
く、より好ましくは49(原子%)以上56.5(原子
%)以下である。
22は、元素α(Fe、Ni、Coのうちいずれか1種
または2種以上)とCrを含有した非磁性材料あるいは
一部が強磁性材料で形成される。
磁性層4側に向かうにしたがって、前記Crの組成比が
増加する領域が存在している。
性層4との界面での前記Crの組成比は40原子%以上
で、この組成比は前記シードレイヤ22の前記反強磁性
層4と反対側の面でのCrの組成比よりも大きくなって
おり、また前記シードレイヤ22の結晶構造は前記反強
磁性層4との界面で面心立方構造(fcc構造)となっ
ている。
22は元素α(Fe、Ni、Coのいずれか1種または
2種以上)とCrを含有した上層と下層とで構成され、
前記上層の前記反強磁性層4との界面でのCrの組成比
は40原子%以上で、しかも結晶構造が面心立方構造で
あり、また前記上層側のCrの組成比は下層側のCrの
組成比よりも大きくなっている。さらに前記上層の膜厚
は下層の膜厚よりも小さくなっている。
膜素子では、従来よりもシードレイヤ22表面のCrの
組成比を大きくすることができると共に、前記シードレ
イヤ22の結晶構造を面心立方構造に適切に保つことが
できるから、前記シードレイヤ22上に積層される各層
の膜面と平行方向の結晶配向を良好に{111}配向さ
せることができると共に、前記膜面と平行方向の結晶粒
の平均結晶粒径を大きくすることができる。
値の増大及び各層間の拡散を生じにくくでき、耐エレク
トロマイグレーションの向上を図ることができ通電信頼
性を向上させることが可能である。
向上させることができ、また電気伝導度の変化量(Δ
G)を大きくできる。またサーマルノイズの低減を図る
ことが可能である。
素子を構成するフリー磁性層1の軟磁気特性を向上させ
ることができる。具体的には前記フリー磁性層1の保磁
力Hcを低減させることができ、前記保磁力Hcと比例
関係にある膜面内の結晶磁気異方性エネルギーKを小さ
くでき、したがって外部磁界に対する前記フリー磁性層
1の磁化回転を良好にすることができ感度の良いスピン
バルブ型薄膜素子を製造できる。
ンバルブ型薄膜素子では、今後の高記録密度化におい
て、前記スピンバルブ型薄膜素子に流れるセンス電流密
度が大きくなっても前記高記録密度化に十分に対応可能
なスピンバルブ型薄膜素子を製造することが可能であ
る。
型素子(AMR素子)を記録媒体との対向面と平行な方
向から切断した部分断面図である。
(図示X方向)にトラック幅Twの間隔を開けて一対の
シードレイヤ22が形成されている。前記シードレイヤ
22上にはエクスチェンジバイアス層21,21が形成
され、前記一対のシードレイヤ22及びエクスチェンジ
バイアス層21,21間がSiO2やAl2O3等の絶縁
材料で形成された絶縁層26によって埋められている。
1,21及び前記絶縁層26上に、磁気抵抗層(MR
層)20、非磁性層(SHUNT層)19、及び軟磁性
層(SAL層)18が積層される。
は、前記エクスチェンジバイアス層21,21と磁気抵
抗層20との界面で発生する交換結合磁界により、図5
に示す磁気抵抗層20のE領域が、図示X方向に単磁区
化される。そしてこれに誘発されて前記磁気抵抗層20
のD領域の磁化が図示X方向に揃えられる。また、検出
電流が磁気抵抗層20を流れる際に発生する電流磁界
が、軟磁性層18にY方向に印加され、軟磁性層18が
もたらす静磁結合エネルギーにより、磁気抵抗層20の
D領域に横バイアス磁界がY方向に与えられる。X方向
に単磁区化された磁気抵抗層20のD領域にこの横バイ
アス層が与えられることにより、磁気抵抗層20のD領
域の磁界変化に対する抵抗変化(磁気抵抗効果特性:H
―R効果特性)が直線性を有する状態に設定される。
Y方向に漏れ磁界が与えられると、磁気抵抗層20のD
領域の抵抗値が変化し、これが電圧変化として検出され
る。
22は、元素α(Fe、Ni、Coのうちいずれか1種
または2種以上)とCrを含有した非磁性あるいは一部
が強磁性材料で形成される。
スチェンジバイアス層21側に向かうにしたがって、前
記Crの組成比が増加する領域が存在している。
チェンジバイアス層21との界面での前記Crの組成比
は40原子%以上で、この組成比は前記シードレイヤ2
2の前記エクスチェンジバイアス層21と反対側の面で
のCrの組成比よりも大きくなっており、また前記シー
ドレイヤ22の結晶構造は前記エクスチェンジバイアス
層21との界面で面心立方構造(fcc構造)となって
いる。
22は元素α(Fe、Ni、Coのいずれか1種または
2種以上)とCrを含有した上層と下層とで構成され、
前記上層の前記エクスチェンジバイアス層16との界面
でのCrの組成比は40原子%以上で、しかも結晶構造
が面心立方構造であり、また前記上層側のCrの組成比
は下層側のCrの組成比よりも大きくなっている。さら
に前記上層の膜厚は下層の膜厚よりも小さくなってい
る。
では、従来よりもシードレイヤ22表面のCrの組成比
を大きくすることができると共に、前記シードレイヤ2
2の結晶構造を面心立方構造に適切に保つことができる
から、前記シードレイヤ22上に積層される各層の膜面
と平行方向の結晶配向を良好に{111}配向させるこ
とができると共に、前記膜面と平行方向の結晶粒径を大
きくすることができる。
値の増大及び各層間の拡散を生じにくくでき、耐エレク
トロマイグレーションの向上を図ることができ通電信頼
性を向上させることが可能である。
向上させることができ、また電気伝導度の変化量(Δ
G)を大きくできる。またサーマルノイズの低減を図る
ことが可能である。
構成する磁気抵抗層20の軟磁気特性を向上させること
ができる。具体的には前記磁気抵抗層20の保磁力Hc
を低減させることができ、前記保磁力Hcと比例関係に
ある膜面内の結晶磁気異方性エネルギーKを小さくで
き、したがって外部磁界に対する前記磁気抵抗層20の
磁化回転を良好にすることができ感度の良いスピンバル
ブ型薄膜素子を製造できる。
R型薄膜素子では、今後の高記録密度化において、前記
AMR型薄膜素子に流れるセンス電流密度が大きくなっ
ても前記高記録密度化に十分に対応可能なAMR型薄膜
素子を製造することが可能である。
説明した図9及び図10と同じ製造方法で形成すること
ができる。
は、いずれも下地層6が形成されているが、前記下地層
6が形成されていなくてもよい。ただし下地層6が形成
されない場合、その上に形成されるシードレイヤ22は
ある程度、厚い膜厚で形成されないと結晶構造を適切に
面心立方構造にしつつ[111]面の優先配向を向上でき
ないと考えられる。前記シードレイヤ22のうちCrの
組成比が小さくされる下層(図2の符号27や図9の符
号23)は20Å以上であることが好ましい。上記した
ように本発明では、前記下層の膜厚の好ましい範囲とし
て20Å以上としており、前記下地層6が無くても前記
下層の結晶構造を面心立方構造にしつつ良好な[111]
配向を得ることができる。特に前記下層のCr組成比を
40原子%〜45原子%の高い値で形成する場合、下地
層6を設けず、さらに前記下層の膜厚を45Å以上に厚
くすることで、前記下層の[111]面の優先配向を良好
にしやすくできることがわかった。ただしあまり膜厚が
厚くなりすぎると、センス電流の分流量が大きくなるの
で、前記下層の膜厚は100Å以下であることが好まし
い。また前記下層のCr組成比を0〜40原子%の低い
値で形成する場合、前記下地層6を設けた方がより薄い
下層の膜厚でも良好な[111]面の優先配向度を得るこ
とができる。
イヤ22の結晶構造をより確実に面心立方構造にでき
[111]面の優先配向度も良好にすることができて好ま
しい。前記下地層6は例えば30Å程度の膜厚で形成さ
れる。また前記下地層6を設けることでシードレイヤ2
2の膜面と平行な方向の結晶配向を、よりいっそう適切
に{111}配向させることができる。
検出素子において、前記磁気検出素子を膜厚方向に平行
に切断したときに現れる反強磁性層4(図3及び図5で
はエクスチェンジバイアス層16、21)の結晶粒界と
前記固定磁性層3(図3ではフリー磁性層1、図5では
磁気抵抗層20)の結晶粒界が前記反強磁性層4と固定
磁性層3との界面の少なくとも一部で不連続な状態にな
っていることが好ましい。
おいて、前記磁気検出素子を膜厚方向に平行に切断した
ときに現れる反強磁性層4(図3及び図5ではエクスチ
ェンジバイアス層16、21)の結晶粒界と前記シード
レイヤ22の結晶粒界が前記反強磁性層4とシードレイ
ヤ22との界面の少なくとも一部で不連続な状態になっ
ていることが好ましい。
おいて、前記反強磁性層4(図3及び図5ではエクスチ
ェンジバイアス層16、21)と固定磁性層3(図3で
はフリー磁性層1、図5では磁気抵抗層20)の界面と
平行な結晶面は、互いに、代表的に{111}面として
表される等価な結晶面が優先配向し、前記結晶面内に存
在する、同じ等価な結晶軸の少なくとも一部が、前記反
強磁性層及び固定磁性層とで互いに異なる方向を向いて
いることが好ましい。
おいて、前記反強磁性層4(図3及び図5ではエクスチ
ェンジバイアス層16、21)とシードレイヤ22の界
面と平行な結晶面は、互いに代表的に{111}面とし
て表される等価な結晶面が優先配向し、前記結晶面内に
存在する、同じ等価な結晶軸の少なくとも一部が、前記
反強磁性層及びシードレイヤとで互いに異なる方向を向
いていることが好ましい。
4と固定磁性層3との界面、および反強磁性層4とシー
ドレイヤ22との界面では、いわゆる非整合状態が保た
れ、前記反強磁性層4は熱処理によって不規則格子から
規則格子に適切な規則変態がなされており、大きな交換
結合磁界を得ることが可能である。
2表面の濡れ性が高いこと及び結晶構造が面心立方構造
に保たれることのほかに、反強磁性層4の組成比や前記
シードレイヤ22の上に形成される各層の成膜条件を適
切に調整することが必要である。
成する元素Xあるいは元素X+X′の組成比は45(原
子%)以上60(原子%)以下であることが好ましい。
膜の際に使用されるArガスの圧力を3mTorrとす
る。また反強磁性層4と固定磁性層3間に交換結合磁界
を発生させるための熱処理温度を200℃以上で300
℃以下とし、熱処理時間を2時間以上で10-6Torr
以下の真空中で磁場中熱処理をする。また前記基板とタ
ーゲット間の距離を80mmとする。
などにより、前記反強磁性層4と固定磁性層3との界
面、反強磁性層4とシードレイヤ22との界面を適切に
非整合状態にでき、1.58×104(A/m)以上の
高い交換結合磁界を得ることが可能である。
が形成された読み取りヘッドの構造を記録媒体との対向
面側から見た断面図である。
成された下部シールド層であり、この下部シールド層4
0の上に下部ギャップ層41が形成されている。また下
部ギャップ層41の上には、図1ないし図5に示す磁気
検出素子42が形成されており、さらに前記磁気検出素
子42の上には、上部ギャップ層43が形成され、前記
上部ギャップ層43の上には、NiFe合金などで形成
された上部シールド層44が形成されている。
層43は、例えばSiO2やAl2O 3(アルミナ)など
の絶縁材料によって形成されている。図8に示すよう
に、下部ギャップ層41から上部ギャップ層43までの
長さがギャップ長Glであり、このギャップ長Glが小
さいほど高記録密度化に対応できるものとなっている。
くしてもなお大きな交換結合磁界を発生させることがで
きる。前記反強磁性層4の膜厚は、例えば70Å以上で
形成され、300Å程度の膜厚であった従来に比べて前
記反強磁性層4の膜厚を十分に小さくできる。よって狭
ギャップ化により高記録密度化に対応可能な薄膜磁気ヘ
ッドを製造することが可能になっている。
ドディスク装置内に内臓される磁気ヘッド以外にも磁気
センサなどに利用可能である。
結合膜では、シードレイヤ表面のCr組成比を大きくし
て濡れ性を向上させることができると共に結晶構造を面
心立方構造にすることができる。従って前記シードレイ
ヤ上に積層される各層の膜面と平行方向の結晶配向を良
好に{111}配向させることができると共に、前記膜
面と平行方向の結晶粒径を大きくすることができる。
イヤをCrの組成比が低い下層とCrの組成比が高い上
層でスパッタ成膜し、しかも前記下層の膜厚よりも上層
の膜厚を薄く形成する。これにより、容易に前記シード
レイヤ表面の濡れ性を向上させることができると共に適
切に結晶構造を面心立方構造にすることができる。
子に適用でき、上記交換結合膜を有する磁気検出素子で
は、耐エレクトロマイグレーションの向上を図ることが
でき通電信頼性を向上させることが可能である。
向上させることができ、また電気伝導度の変化量(Δ
G)を大きくできる。またサーマルノイズの低減を図る
ことが可能である。
層の軟磁気特性を向上させることができる。
ると、今後の高記録密度化に適切に対応することが可能
になる。
ルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の構造を記録媒体
との対向面側から見た断面図、
ルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の構造を記録媒体
との対向面側から見た断面図、
ルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の構造を記録媒体
との対向面側から見た断面図、
ルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の構造を記録媒体
との対向面側から見た断面図、
型磁気抵抗効果素子)の構造を記録媒体との対向面側か
ら見た断面図、
レイヤ上にスパッタされる反強磁性層の原子状態を示す
模式図、
レイヤ上にスパッタされる反強磁性層の原子状態を示す
模式図、
面図、
するための一工程図、
を説明するための一工程図、
向面側から見た部分断面図、
Claims (64)
- 【請求項1】 下から非磁性あるいは一部が強磁性材料
で形成されたシードレイヤ、反強磁性層、強磁性層の順
に積層され、前記反強磁性層と強磁性層との界面で交換
結合磁界が発生することで、前記強磁性層の磁化方向が
一定方向にされる交換結合膜において、 前記シードレイヤは元素α(Fe、Ni、Coのうちい
ずれか1種または2種以上)とCrを含有し、前記シー
ドレイヤの前記反強磁性層との界面での前記Crの組成
比は40原子%以上で、このCrの組成比は、前記シー
ドレイヤの前記反強磁性層と反対側の面でのCrの組成
比(原子%)よりも大きくなっており、 前記シードレイヤには、前記反強磁性層側に向かうにし
たがって、前記Crの組成比(原子%)が増加する領域
が存在し、 前記シードレイヤの結晶構造は前記反強磁性層との界面
で面心立方構造(fcc構造)であることを特徴とする
交換結合膜。 - 【請求項2】 前記シードレイヤの前記反強磁性層との
界面での前記Crの組成比は40原子%以上で70原子
%以下である請求項1記載の交換結合膜。 - 【請求項3】 前記Crの組成比は45原子%以上で6
0原子%以下である請求項2記載の交換結合膜。 - 【請求項4】 前記シードレイヤの前記反強磁性層と反
対側の面での前記Crの組成比は20原子%以上で45
原子%以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の
交換結合膜。 - 【請求項5】 前記Crの組成比は20原子%以上で4
0原子%以下である請求項4記載の交換結合膜。 - 【請求項6】 前記シードレイヤはNiFeCr合金あ
るいはNiCr合金で形成される請求項1ないし5のい
ずれかに記載の交換結合膜。 - 【請求項7】 前記シードレイヤの組成式は(Ni
100-XFeX)−Crで示され、組成比Xは、0原子%≦
X≦70原子%である請求項6記載の交換結合膜。 - 【請求項8】 前記組成比Xは、0原子%≦X≦50原
子%である請求項7記載の交換結合膜。 - 【請求項9】 前記組成比Xは、0原子%≦X≦30原
子%である請求項8記載の交換結合膜。 - 【請求項10】 前記シードレイヤの膜厚は、23Å以
上で80Å以下である請求項1ないし9のいずれかに記
載の交換結合膜。 - 【請求項11】 前記シードレイヤの膜厚は、25Å以
上で50Å以下である請求項10記載の交換結合膜。 - 【請求項12】 下から非磁性あるいは一部が強磁性材
料で形成されたシードレイヤ、反強磁性層、強磁性層の
順に積層され、前記反強磁性層と強磁性層との界面で交
換結合磁界が発生することで、前記強磁性層の磁化方向
が一定方向にされる交換結合膜において、 前記シードレイヤは上層と下層の積層構造で形成され、
前記上層及び下層はそれぞれ、元素α(Fe、Ni、C
oのうちいずれか1種または2種以上)とCrとを含有
した非磁性あるいは一部が強磁性材料で形成され、 前記シードレイヤのうち前記上層のCrの組成比は40
原子%以上で、前記反強磁性層との界面での結晶構造
は、面心立方構造(fcc構造)であり、 前記上層のCrの組成比は、下層のCrの組成比よりも
大きく、 前記上層の膜厚は、前記下層の膜厚よりも小さいことを
特徴とする交換結合膜。 - 【請求項13】 前記上層のCrの組成比は40原子%
以上で70原子%以下である請求項12記載の交換結合
膜。 - 【請求項14】 前記Crの組成比は45原子%以上で
60原子%以下である請求項13記載の交換結合膜。 - 【請求項15】 前記下層のCrの組成比は20原子%
以上で45原子%以下である請求項12ないし14のい
ずれかに記載の交換結合膜。 - 【請求項16】 前記Crの組成比は20原子%以上で
40原子%以下である請求項15記載の交換結合膜。 - 【請求項17】 前記上層及び下層はそれぞれ、FeN
iCr合金あるいはNiCr合金で形成される請求項1
2ないし16のいずれかに記載の交換結合膜。 - 【請求項18】 前記上層及び下層の組成式は(Ni
100-XFeX)−Crで示され、組成比Xは、0原子%≦
X≦70原子%である請求項17記載の交換結合膜。 - 【請求項19】 前記組成比Xは、0原子%≦X≦50
原子%である請求項18記載の交換結合膜。 - 【請求項20】 前記組成比Xは、0原子%≦X≦30
原子%である請求項19記載の交換結合膜。 - 【請求項21】 前記下層は、FeNi合金で形成され
る請求項12ないし14に記載の交換結合膜。 - 【請求項22】 前記上層の膜厚は3Å以上で20Å以
下である請求項12ないし21のいずれかに記載の交換
結合膜。 - 【請求項23】 前記上層の膜厚は5Å以上で10Å以
下である請求項22記載の交換結合膜。 - 【請求項24】 前記下層の膜厚は20Å以上で60Å
以下である請求項12ないし23のいずれかに記載の交
換結合膜。 - 【請求項25】 前記下層の膜厚は20Å以上で40Å
以下である請求項24記載の交換結合膜。 - 【請求項26】 前記上層と下層との間には、1層以上
の中間層が形成され、前記中間層は元素α(Fe、N
i、Coのうちいずれか1種または2種以上)とCrを
含有した非磁性あるいは一部が強磁性材料で形成され、
前記Crの組成比は前記上層のCrの組成比よりも小さ
い請求項12ないし25のいずれかに記載の交換結合
膜。 - 【請求項27】 前記シードレイヤの下には、Ta,H
f,Nb,Zr,Ti,Mo,Wのうち少なくとも1種
以上の元素で形成された下地層が形成されている請求項
1ないし26のいずれかに記載の交換結合膜。 - 【請求項28】 前記シードレイヤはスパッタ成膜され
る請求項1ないし27のいずれかに記載の交換結合膜。 - 【請求項29】 前記シードレイヤ上の各層に形成され
た結晶粒の膜面と平行な方向における平均結晶粒径は、
100Å以上である請求項1ないし28のいずれかに記
載の交換結合膜。 - 【請求項30】 前記平均結晶粒径は、150Å以上で
ある請求項29記載の交換結合膜。 - 【請求項31】 前記交換結合膜を膜厚方向と平行に切
断したときに切断面に現われる前記反強磁性層に形成さ
れた結晶粒界と、強磁性層に形成された結晶粒界とが、
前記反強磁性層と強磁性層との界面の少なくとも一部で
不連続である請求項1ないし30のいずれかに記載の交
換結合膜。 - 【請求項32】 前記交換結合膜を膜厚方向と平行に切
断したときに切断面に現われる前記反強磁性層に形成さ
れた結晶粒界と、シードレイヤに形成された結晶粒界と
が、前記反強磁性層とシードレイヤとの界面の少なくと
も一部で不連続である請求項1ないし31のいずれかに
記載の交換結合膜。 - 【請求項33】 前記反強磁性層と強磁性層の界面と平
行な結晶面は、互いに、代表的に{111}面として表
される等価な結晶面が優先配向し、前記結晶面内に存在
する、同じ等価な結晶軸の少なくとも一部が、前記反強
磁性層及び強磁性層とで互いに異なる方向を向いている
請求項1ないし32のいずれかに記載の交換結合膜。 - 【請求項34】 前記反強磁性層とシードレイヤの界面
と平行な結晶面は、互いに代表的に{111}面として
表される等価な結晶面が優先配向し、前記結晶面内に存
在する、同じ等価な結晶軸の少なくとも一部が、前記反
強磁性層及びシードレイヤとで互いに異なる方向を向い
ている請求項1ないし33のいずれかに記載の交換結合
膜。 - 【請求項35】 前記反強磁性層は、元素X(ただしX
は、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Osのうち1種ま
たは2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁
性材料で形成される請求項1ないし34のいずれかに記
載の交換結合膜。 - 【請求項36】 前記反強磁性層は、X−Mn−X′合
金(ただし元素X′は、Ne,Ar,Kr,Xe,B
e,B,C,N,Mg,Al,Si,P,Ti,V,C
r,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Z
r,Nb,Mo,Ag,Cd,Ir,Sn,Hf,T
a,W,Re,Au,Pb、及び希土類元素のうち1種
または2種以上の元素である)で形成されている請求項
1ないし34のいずれかに記載の交換結合膜。 - 【請求項37】 前記X―Mn―X′合金は、元素Xと
Mnとで構成される空間格子の隙間に元素X′が侵入し
た侵入型固溶体であり、あるいは、元素XとMnとで構
成される結晶格子の格子点の一部が、元素X′に置換さ
れた置換型固溶体である請求項36記載の交換結合膜。 - 【請求項38】 前記元素Xあるいは元素X+X′の組
成比は、45(原子%)以上60(原子%)以下である
請求項35ないし37のいずれかに記載の交換結合膜。 - 【請求項39】 下からシードレイヤ、反強磁性層、固
定磁性層、非磁性中間層、およびフリー磁性層の順に積
層され、前記フリー磁性層の磁化が前記固定磁性層の磁
化と交叉する方向に揃えられた磁気検出素子において、 前記シードレイヤ、反強磁性層及び固定磁性層が請求項
1ないし38のいずれかに記載された交換結合膜により
形成されていることを特徴とする磁気検出素子。 - 【請求項40】 下から、シードレイヤ、反強磁性のエ
クスチェンジバイアス層、フリー磁性層、非磁性中間
層、固定磁性層、および反強磁性層の順に積層され、前
記フリー磁性層の磁化が前記固定磁性層の磁化と交叉す
る方向に揃えられた磁気検出素子において、 前記シードレイヤ、エクスチェンジバイアス層及びフリ
ー磁性層が請求項1ないし38のいずれかに記載された
交換結合膜により形成されていることを特徴とする磁気
検出素子。 - 【請求項41】 フリー磁性層の上下に積層された非磁
性中間層と、一方の前記非磁性中間層の上および他方の
非磁性中間層の下に位置する固定磁性層と、一方の前記
固定磁性層の上および他方の固定磁性層の下に位置する
反強磁性層とを有し、前記フリー磁性層よりも下側に形
成された反強磁性層の下側にはシードレイヤが形成さ
れ、前記フリー磁性層の磁化が前記固定磁性層の磁化と
交叉する方向に揃えられた磁気検出素子において、 前記シードレイヤ、その上に接合された反強磁性層及び
固定磁性層が請求項1ないし38のいずれかに記載され
た交換結合膜により形成されていることを特徴とする磁
気検出素子。 - 【請求項42】 下から、シードレイヤ、反強磁性のエ
クスチェンジバイアス層、磁気抵抗層、非磁性層、およ
び軟磁性層の順で積層された磁気検出素子において、 前記シードレイヤ、エクスチェンジバイアス層及び磁気
抵抗層が請求項1ないし38のいずれかに記載された交
換結合膜により形成されていることを特徴とする磁気検
出素子。 - 【請求項43】 下からシードレイヤ、反強磁性層、お
よび強磁性層の順に積層し、前記反強磁性層と強磁性層
との界面に交換結合磁界を発生させて、前記強磁性層の
磁化方向を一定方向に向ける交換結合膜の製造方法にお
いて、(A)Crの組成比が20原子%以上で45原子
%以下となるNiFeCr合金あるいはNiCr合金で
形成された前記シードレイヤの下層を20Å以上で60
Å以下の膜厚でスパッタ成膜する工程と、(B)前記下
層の上に、前記下層よりもCrの組成比が大きく、且つ
前記Crの組成比が40原子%以上で70原子%以下と
なるNiFeCr合金あるいはNiCr合金で形成され
た前記シードレイヤの上層を3Å以上で20Å以下の膜
厚でスパッタ成膜する工程と、(C)前記シードレイヤ
の上に反強磁性層、強磁性層を順次積層し、熱処理を施
して、前記反強磁性層と強磁性層との界面に交換結合磁
界を発生させ、磁場方向に前記強磁性層を磁化する工程
と、 を有することを特徴とする交換結合膜の製造方法。 - 【請求項44】 前記上層のCrの組成比を45原子%
以上で60原子%以下とする請求項43記載の交換結合
膜の製造方法。 - 【請求項45】 前記上層の膜厚を5Å以上で10Å以
下にする請求項43または44に記載の交換結合膜の製
造方法。 - 【請求項46】 前記下層のCrの組成比を20原子%
以上で40原子%以下にする請求項43ないし45のい
ずれかに記載の交換結合膜の製造方法。 - 【請求項47】 前記上層及び下層の組成式は(Ni
100-XFeX)−Crで示され、組成比Xを、0原子%≦
X≦70原子%とする請求項43ないし46のいずれか
に記載の交換結合膜。 - 【請求項48】 前記組成比Xを、0原子%≦X≦50
原子%とする請求項47記載の交換結合膜。 - 【請求項49】 前記組成比Xを、0原子%≦X≦30
原子%とする請求項48記載の交換結合膜。 - 【請求項50】 前記(A)工程に代えて、以下の工程
を有する請求項43ないし45のいずれかに記載の交換
結合膜の製造方法。(D)NiFe合金で形成された前
記シードレイヤの下層を20Å以上で60Å以下の膜厚
でスパッタ成膜する工程、 - 【請求項51】 前記下層の膜厚を20Å以上で40Å
以下にする請求項43ないし50のいずれかに記載の交
換結合膜の製造方法。 - 【請求項52】 下からシードレイヤ、反強磁性層、お
よび強磁性層の順に積層し、前記反強磁性層と強磁性層
との界面に交換結合磁界を発生させて、前記強磁性層の
磁化方向を一定方向に向ける交換結合膜の製造方法にお
いて、(E)前記シードレイヤをNiFeCr合金ある
いはNiCr合金で23Å以上で80Å以下の膜厚でス
パッタ成膜し、このとき下面でのCr組成比を20原子
%以上で45原子%以下として前記下面から上面にかけ
て徐々にCrの組成比が大きくなるようにスパッタ成膜
し、さらに前記上面でのCrの組成比を40原子%以上
で70原子%以下にする工程と、(F)前記シードレイ
ヤの上に反強磁性層、強磁性層を順次積層し、熱処理を
施して、前記反強磁性層と強磁性層との界面に交換結合
磁界を発生させ、磁場方向に前記強磁性層を磁化する工
程と、 を有することを特徴とする交換結合膜の製造方法。 - 【請求項53】 前記シードレイヤの組成式は(Ni
100-XFeX)−Crで示され、組成比Xを、0原子%≦
X≦70原子%とする請求項52記載の交換結合膜の製
造方法。 - 【請求項54】 前記組成比Xを、0原子%≦X≦50
原子%とする請求項53記載の交換結合膜の製造方法。 - 【請求項55】 前記組成比Xを、0原子%≦X≦30
原子%とする請求項54記載の交換結合膜の製造方法。 - 【請求項56】 前記シードレイヤを25Å以上で50
Å以下の膜厚でスパッタ成膜する請求項52ないし55
のいずれかに記載の交換結合膜の製造方法。 - 【請求項57】 前記シードレイヤの下に、Ta,H
f,Nb,Zr,Ti,Mo,Wのうち少なくとも1種
以上の元素で形成された下地層を形成する請求項43な
いし56のいずれかに記載の交換結合膜の製造方法。 - 【請求項58】 前記反強磁性層を、元素X(ただしX
は、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Osのうち1種ま
たは2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁
性材料でスパッタ成膜する請求項43ないし57のいず
れかに記載の交換結合膜の製造方法。 - 【請求項59】 前記反強磁性層を、X−Mn−X′合
金(ただし元素X′は、Ne,Ar,Kr,Xe,B
e,B,C,N,Mg,Al,Si,P,Ti,V,C
r,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Z
r,Nb,Mo,Ag,Cd,Ir,Sn,Hf,T
a,W,Re,Au,Pb、及び希土類元素のうち1種
または2種以上の元素である)でスパッタ成膜する請求
項43ないし57のいずれかに記載の交換結合膜の製造
方法。 - 【請求項60】 前記元素Xあるいは元素X+X′の組
成比を、45(原子%)以上60(原子%)以下とする
請求項58または59に記載の交換結合膜の製造方法。 - 【請求項61】 下からシードレイヤ、反強磁性層、固
定磁性層、非磁性中間層、およびフリー磁性層の順に積
層して成る磁気検出素子の製造方法において、 前記シードレイヤ、反強磁性層及び固定磁性層を請求項
43ないし60のいずれかに記載された交換結合膜によ
り形成することを特徴とする磁気検出素子の製造方法。 - 【請求項62】 下からシードレイヤ、反強磁性のエク
スチェンジバイアス層、フリー磁性層、非磁性中間層、
固定磁性層、および反強磁性層の順に積層する磁気検出
素子の製造方法において、 前記シードレイヤ、エクスチェンジバイアス層及びフリ
ー磁性層を請求項43ないし60のいずれかに記載され
た交換結合膜により形成されていることを特徴とする磁
気検出素子の製造方法。 - 【請求項63】 フリー磁性層の上下に積層された非磁
性中間層と、一方の前記非磁性中間層の上および他方の
非磁性中間層の下に位置する固定磁性層と、一方の前記
固定磁性層の上および他方の固定磁性層の下に位置する
反強磁性層とを有し、前記フリー磁性層よりも下側に形
成された反強磁性層の下側にシードレイヤを形成して成
る磁気検出素子の製造方法において、 前記シードレイヤ、その上に接合する反強磁性層及び固
定磁性層を請求項43ないし60のいずれかに記載され
た交換結合膜により形成することを特徴とする磁気検出
素子の製造方法。 - 【請求項64】 下からシードレイヤ、反強磁性のエク
スチェンジバイアス層、磁気抵抗層、非磁性層、および
軟磁性層の順で積層した磁気検出素子の製造方法におい
て、 前記シードレイヤ、エクスチェンジバイアス層及び磁気
抵抗層を請求項43ないし60のいずれかに記載された
交換結合膜により形成することを特徴とする磁気検出素
子の製造方法。
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