JP2002244351A - 電子写真用キャリア芯材とその処理方法 - Google Patents

電子写真用キャリア芯材とその処理方法

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JP2002244351A
JP2002244351A JP2001035672A JP2001035672A JP2002244351A JP 2002244351 A JP2002244351 A JP 2002244351A JP 2001035672 A JP2001035672 A JP 2001035672A JP 2001035672 A JP2001035672 A JP 2001035672A JP 2002244351 A JP2002244351 A JP 2002244351A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被覆樹脂との接着性が改善された電子写
真用キャリア芯材及びその製造方法を提供すること並び
に使用済みの電子写真用キャリアから被覆樹脂との接着
性が改善された電子写真用キャリア芯材を製造するこ
と。 【解決手段】 キャリア芯材又は使用済みの電子写真用
キャリアを温度300℃以上、圧力20Mpa超臨界水
または亜臨界水で処理することにより、キャリア芯材の
濡れ性を3.5g以上(芯材50g当たり)とすること
により、被覆樹脂に対する芯材の接着性を改善する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真、静電記録
などに用いられる静電荷像二成分現像剤のキャリアを構
成する芯材並びにその再資源化及び再利用に関する。
【0002】
【従来の技術】以下に、従来の二成分系現像剤に関する
技術について説明する。 <二成分系現像剤について>従来からキャリア粒子とト
ナー粒子との混合物からなるいわゆる二成分系乾式現像
剤はよく知られている。この二成分系乾式現像剤は、比
較的大きな粒子表面上に微小なトナー粒子が、両粒子の
摩擦により発生した磁気力により保持されており、静電
潜像に近接すると静電潜像が形成する電界によるトナー
粒子に対する潜像方向への吸引力が、トナー粒子とキヤ
リア粒子間の結合力に打ち勝って、トナー粒子が静電潜
像上に吸引付着されて静電潜像が可視化されるものであ
る。
【0003】<キャリアについて>本発明が対象とする
二成分系乾式現像剤に用いられるキャリアは、少なくと
も磁性体粒子と樹脂から形成されている。この中には、
比較的大きな磁性体の粒子表面に被覆樹脂を主成分とす
る層を形成した構成や、樹脂中に比較的小さな磁性体粉
を均一に分散した状態の構成などが含まれる。
【0004】<二成分現像剤の疲労とその従来対策>現
像剤は現像によって消費されたトナーを補充しながら反
復使用される。従ってキヤリアは長期間の使用中、常時
にトナー粒子を所望する極性で、かつ充分な帯電量に摩
擦帯電しなければならない。
【0005】しかし従来の現像剤は、粒子間の衝突、ま
たは粒子と現像機械との衝突などの機械的衝突で帯電特
性が変化する傾向にある。例えば、キャリア表面の割
れ、欠け、剥がれなどによる表面状態の変化が起こる場
合や、摩擦作用による発熱でキヤリア表面上にトナー膜
が形成され、いわゆるスぺント化が生ずる場合がある。
このような場合、キャリアの帯電特性が使用時間と共に
低下し、現像剤全体を取り替える必要が生じる。
【0006】このようなキャリアの帯電特性の劣化に対
し、様々な改良が提案されてきた。例えば、キャリア表
面の割れ、欠け、剥がれというような機械的な強度を増
すためには、被覆樹脂の改良や磁性体表面と被覆樹脂の
接着性の改良がなされてきた。被覆樹脂としては様々な
樹脂が提案されているが、特に機械的な強度を増すこと
ができる架橋性の樹脂についての提案が多い。一般的に
は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン
系樹脂などが使用され、様々な架橋系や添加剤とともに
用いられている。
【0007】例えば、特開平05-127432号公報では、ポ
リカルボジイミド樹脂を含む樹脂を架橋する方法、特開
平05-216282号公報、特開平05-216283号公報では、特定
の物性や構造を持つアクリル系樹脂を架橋する方法、特
開平05-197211号公報では、被覆樹脂をウレタン結合及
び尿素結合からなる複合架橋構造を持たせる方法、特開
平07-114221号公報では、特定のシランカップリング剤
を用いたシリコーン樹脂を用いる方法、特開平08-87137
号公報では被覆樹脂としてアルコール性水酸基を有する
樹脂をフェノール系水酸基を持つ化合物で架橋する方法
などが提案されている。
【0008】また、この他にも芯材となる磁性体の表面
に直接樹脂を重合する方法なども提案されている。例え
ば、特開平06-194881号公報では、芯材表面に被覆樹脂
を界面重合する方法、更にこれを架橋する方法なども提
案されている。しかしながら、これらの提案はいずれも
機械的な強度や熱ストレスに対する安定性を改良してい
ったものであるため、一般には芯材と被覆樹脂との分離
は困難である。
【0009】更にスペント化を防止するために、キャリ
ア表面に様々な樹脂を被覆する方法が提案されている。
例えば、特公昭62-61948号公報では、被覆するシリコー
ン樹脂の硬化度合いを規定しており、より高い硬化度合
いを提案している。以上のように、本発明が対象とする
二成分系乾式現像剤に用いられるキャリアの多くは、機
械的な強度向上やスペント化防止のために被覆樹脂とし
て架橋樹脂が用いられ、その被覆状態は芯材に対して非
常に強固なものとなっている。
【0010】<二成分系現像剤の廃棄やリサイクルの目
的>従来はこのような劣化した現像剤は回収・廃棄され
ていたが、近来、産業廃棄物による環境破壊が問題にな
っており、現像剤の再利用も課題の一つとなっている。
この現像剤の再生に関しては、キャリア表面にスペント
化したトナーを除去し性能を回復させる方法と、キャリ
アの被覆樹脂まで剥離して芯材を得て、被覆樹脂を再度
設けて性能を回復する方法が提案されている。
【0011】前者の例としては、特開平6-149132号公報
があり、キャリア表面にスペント化したトナーを加熱や
溶剤洗浄などにより除去して芯材をリサイクルする方法
を提案している。この方法は、芯材に被覆された樹脂は
そのままでリサイクルしようとする方法である。かかる
方法によれば、主としてスペント化して特性が劣化した
キャリアをリサイクルすることができる。
【0012】しかしながら、特性の劣化がスペント化だ
けではなくキャリア被覆樹脂の割れや、欠け、剥がれの
場合は、スペント化したトナーを除去するだけでは特性
は回復せず再利用できない。また、上記公報記載の技術
でも除去の困難なスペント化したトナーもあり、より強
力な除去方法が求められている。更に溶剤で洗浄する場
合はこの溶剤自体の後処理をも考慮した環境に対する影
響の少ない方法が求められている。
【0013】キャリアの被覆樹脂を剥離して芯材をリサ
イクルする方法としては、特開昭47-12286号公報が提案
されている。この提案は、回収した現像剤を1000o
F程度の高温で加熱し再生する方法であり、アクリル系
樹脂のような熱可塑成樹脂をコーテイングしたキヤリア
ではこのような熱処理により被覆樹脂も除去することが
可能で、特性の劣化がスペント化だけではなくキャリア
被覆樹脂の割れや、欠け、剥がれの場合でも、再使用す
る際に再度コーテイングをすることにより芯材を再利用
することが可能である。
【0014】しかしながら、金属亜酸化物で所要の磁気
特性を付与されたフェライト系キヤリアを芯材として用
い、これを上記提案技術によって再生した場合、芯材が
元通りの特性に戻らないという欠点があった。また、こ
の高温加熱による再生方法が、熱を再利用する方法であ
れば環境影響を多少改善できるが、キャリアを構成する
物質の中には燃焼熱を発生する樹脂などの可燃物が少な
いため、効率的なサーマルリサイクルは期待できない。
【0015】さらに、上記公報記載の技術を、キャリア
の被覆樹脂として熱硬化性樹脂を用いた系に適用した場
合においても、芯材からの被覆樹脂の剥離が十分に行え
ないという欠点があることを本発明者等は確認した。ま
たさらに本発明者等は、被覆樹脂または該処理による生
成物が芯材に付着したままであると、その再生した芯材
に再度樹脂を被覆したものをキャリアとして用いた場合
と、非再生の新規な芯材に樹脂を被覆したものをキャリ
アとして用いた場合とについて、現像剤としての性能を
比較すると、明らかに前者の方が劣り、この性能の差は
被覆樹脂が十分に剥離しているほど小さいことを検証し
た。
【0016】したがって、前者が後者と同等の性能を発
揮するためには、再生芯材に残留する樹脂がより少ない
こと、すなわち被覆剥離の度合いがより高いことが望ま
しい。以上のような理由から、従来の二成分系現像剤キ
ャリアに関する、被覆樹脂と磁性体とを分離する方法及
びリサイクル方法は、環境に対する影響を少なくして被
覆樹脂を確実に除去することができず、しかも芯材の特
性を劣化させてしまうため、実用上満足できるものでは
ない。
【0017】すなわち、化学的かつ機械的に堅牢なキャ
リアの被覆樹脂を除去するための条件と、所望の磁気特
性を付与された磁性体の性能を損なわない条件とを両立
させることは、従来技術では達成し得なかったものであ
る。
【0018】キャリアの芯材として用いられる磁性体
は、特定の結晶構造を有する速酸化物であるため、リサ
イクル処理工程で、酸化などの化学変化や結晶構造変化
を生じることは避けなければならないが、特に金属亜酸
化物の所定結晶の粒子と被覆樹脂とからなる粒状磁性材
料に適用して、酸化物への酸化や逆の還元を伴わず、か
つ結晶状態を乱さずしたがって磁気特性を劣化させずに
磁気材料粒子体を回収することに関する従来技術は皆無
である。
【0019】<超臨界水の利用>超臨界又は亜臨界状態
の水中での樹脂の分解が、特開平05-53000号公報に提案
されている。これによれば、多くの樹脂が加水分解又は
熱分解を受けてモノマー単位にまで分解できることが示
されている。また、特開平10-24274号公報では、特に熱
硬化性樹脂の超臨界又は亜臨界状態の水中での分解方法
が示されている。特開平9-111249号公報では、特に塩素
含有プラスチック廃棄物の処理方法が示されている。こ
れらは、主として大量の樹脂廃棄物をモノマー化し無害
化すると共に原材料化することを目的に行われ、その目
的対象物に適した条件などを提案している。
【0020】上記のように多くの樹脂が超臨界条件また
は亜臨界条件で分解することが確認されているが、全て
の樹脂が分解するわけではない。平成9年度「ニューサ
ンシャイン計画」先導研究開発 新エネルギー・産業技
術総合開発機構委託 超臨界流体利用技術先導研究開発
成果報告書では、いくつかの熱硬化性樹脂の分解につい
て研究結果を報告している。例えば、熱硬化性樹脂の一
種であるフェノール樹脂は、超臨界水で処理しても分解
率が低く、いわゆるチャー化が起っていることを報告し
ている。また、その他の樹脂についても分解に適切な条
件範囲があることを示唆している。
【0021】さらに、特開平10-80674号公報、および、
特開平10-87872号公報では、特に船の構造材などに用い
られる繊維強化プラスチックなどの樹脂と他の物質の複
合材料を対象物質として、その処理方法を条件と共に提
案している。これらは、特定の目的対象物に対して、そ
の形態や利用目的に応じて処理条件や処理のプロセスを
提案しているものである。
【0022】しかしながら、これらの公報は樹脂と、繊
維などの芯材との分離を目的としたもので、芯材のリサ
イクルに関連した特性変化などについては言及していな
い。特に金属亜酸化物の所定結晶の粒子と被覆樹脂から
なる粒状磁性材料に適用して、酸化物への酸化や逆の還
元を伴わず、かつ結晶状態を乱さずしたがって磁気特性
を劣化させずに磁気材料粒子体を回収するためのもので
あることは示されていない。従って、超臨界水または亜
臨界水による処理によって電子写真用キャリアの芯材か
ら被覆樹脂を除去するための温度及び圧力等の臨界条件
については明らかにされていない。
【0023】さらに、電子写真用キャリアに用いられて
いる芯材には、一定の粒子径範囲を持ち、球形に近づく
ように高度に形状制御した磁性体が用いられており、こ
れらが、超臨界水または亜臨界水によりどの様な変化が
起こるかについては、まったく示されていない。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、被覆樹脂との接着性が改善された電子写真用キャリ
ア芯材を提供することである。本発明の第2の目的は、
被覆樹脂との接着性が改善された電子写真用キャリア芯
材を得るための処理方法を提供することである。本発明
の第3の目的は、資源の再利用を図るため、使用済みの
電子写真用キャリアから被覆樹脂との接着性が改善され
た電子写真用キャリア芯材を得るための処理方法を提供
することである。本発明の第4目的は、上記のような被
覆樹脂との接着性が改善された電子写真用キャリア芯材
と被覆樹脂とからなる電子写真用キャリア及びこの電子
写真用キャリアとトナーとからなる電子写真用現像剤を
提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の目的
を達成するために、鋭意研究した結果、粉体の濡れ性が
電子写真用キャリア芯材と被覆樹脂との接着性に大きく
影響すること及び粉体の濡れ性は粉体を超臨界水又は亜
臨界水で処理することによって調整できることを見出し
て本発明の完成に至ったものである。
【0026】すなわち、本発明は、次のような態様から
なるものである。 (1)少なくとも磁性体と被覆樹脂とから構成されるキ
ャリアとトナーとからなる電子写真用現像剤のための電
子写真用キャリア芯材であって、粉体濡れ性試験におい
て芯材50gあたり3.5g以上の浸透量を示すことを
特徴とする電子写真用キャリア芯材。 (2)少なくとも上記(1)に記載の電子写真用キャリ
ア芯材と被覆樹脂とから構成されるキャリアとトナーと
からなる電子写真用現像剤 (3)電子写真用キャリア芯材を超臨界水または亜臨界
水で処理して上記(1)に記載の電子写真用キャリア芯
材を得ることを特徴とする電子写真用キャリア芯材の処
理方法。 (4)超臨界水または亜臨界水による処理を、300℃
以上、20Mpa以上で行うことを特徴とする上記
(3)に記載の電子写真用キャリア芯材の処理方法。 (5)上記(3)または上記(4)に記載の処理方法に
よって得られた粉体濡れ性試験において芯材50gあた
り3.5g以上の浸透量を示すことを特徴とする電子写
真用キャリア芯材。 (6)使用済みの電子写真用キャリアを超臨界水または
亜臨界水で処理して上記(1)記載の電子写真用キャリ
ア芯材を得ることを特徴とする使用済み電子写真用キャ
リアの処理方法。 (7)上記(6)に記載の処理方法によって得られた粉
体濡れ性試験において芯材50gあたり3.5g以上の
浸透量を示すことを特徴とする電子写真用キャリア芯
材。 (8)少なくとも上記(7)に記載の電子写真用キャリ
ア芯材と被覆樹脂とからなる電子写真用キャリアとトナ
ーとからなる電子写真用現像剤。 (9)超臨界水または亜臨界水による処理を、300℃
以上、20Mpa以上で行うことを特徴とする上記
(6)に記載の電子写真用キャリアの処理方法。 (10)少なくとも磁性体と被覆樹脂とから構成される
使用済み電子写真用キャリアを用いることを特徴とする
上記(6)または上記(9)に記載の使用済み電子写真
用キャリアの処理方法。 (11)磁性体がフェライトまたはマグネタイトである
使用済み電子写真用キャリアを使用することを特徴とす
る上記(10)記載の使用済み電子写真用キャリアの処
理方法。 (12)被覆樹脂が少なくともシリコーン樹脂を含む使
用済み電子写真用キャリアを使用することを特徴とする
上記(10)または上記(11)記載の使用済み電子写
真用キャリアの処理方法。 (13)被覆樹脂が少なくとも架橋された樹脂を含む使
用済み電子写真用キャリアを使用することを特徴とする
上記(10)または上記(11)記載の使用済み電子写
真用キャリアの処理方法。 (14)被覆樹脂が少なくとも熱架橋性樹脂を含む使用
済み電子写真用キャリアを使用することを特徴とする上
記(10)または上記(11)記載の使用済み電子写真
用キャリアの処理方法。
【0027】そして、特に本件発明の上記(1)〜
(4)の態様について説明を加えると次のとおりであ
る。
【0028】<上記(1)の態様について>電子写真用
キャリア芯材と被覆樹脂との接着性を改善するために
は、粉体の濡れ性試験において水の浸透量が芯材50g
あたり3.5g以上であるとよい。粉体の濡れ性試験と
しては、研磨粉体の濡れ性評価法(JIS R 6127「人造研
削材の親水性試験方法」)参考にして、次のような測定
手順を採用した。
【0029】1)被処理粉体を120℃の恒温槽で2時
間乾燥した。 2)内径8mm長さ500mmのガラス管の一端を濾紙
でふさいだ。 3)他端から被処理粉体を50g投入した。 4)ガラス管を垂直に保ったまま、タッピングを粉体の
充填状態が落ち着くまで行った。 5)浸透させる蒸留水を300ccメスシリンダーに30
0cc計量した。 6)ガラス管の下端から50mmの位置までガラス管を
液中に垂直に浸した。 7)10分経過後にガラス管を取り出して秤量し、浸透
量を求めた。 本件明細書でいう「濡れ性試験」という用語は、上記の
手順により行う試験をいうものとする。なお、後記の実
施例では被処理粉体としては平均粒径60μm及び80
μmのものについて試験を行ったが、上記粉体の濡れ性
試験において水の浸透量が芯材50gあたり3.5g以
上である場合に、電子写真用キャリア芯材と被覆樹脂と
の接着性が改善されるという効果は、通常に使用されて
いるキャリア芯材の平均粒径を包含する50〜100μ
m程度の平均粒径のキャリア芯材について奏されること
が分かった。
【0030】<上記(2)の態様について>上記(1)
の濡れ性が大きい電子写真用キャリア心材に被覆樹脂を
設けることで、被覆樹脂と芯材との接着性が向上した電
子写真用現像剤が得られる。
【0031】<上記(3)の態様について>芯材を超臨
界水または亜臨界状態の水で処理することにより、芯材
の濡れ性が向上するので、上記(1)の電子写真用キャ
リア芯材を得るために、芯材を超臨界水又は亜臨界水で
処理する。
【0032】<上記(4)の態様について>上記(3)
の処理方法によって得た電子写真用キャリア芯材に被覆
樹脂を設けることで、芯材と被覆樹脂との接着性が向上
した電子写真用現像剤が得られる。
【0033】<上記(5)の態様について>超臨界水ま
たは亜臨界水で処理する芯材は未使用芯材である必要は
無く、既に使用済みのキャリアであっても被覆が超臨界
または亜臨界水により芯材から分離できるため、芯材の
濡れ性向上の効果はある。また、このようにして得た芯
材は、濡れ性以外の物性が未使用の芯材と同等であり、
これに再度被覆を施すことにより再利用が可能となる。
【0034】<上記(6)の態様について>上記(5)
の処理方法によって得た電子写真用キャリア芯材に被覆
樹脂を設けることで、使用済みのキャリアであっても、
性能上何ら支障のない電子写真用現像剤を得ることがで
きる。
【0035】<上記(7)の態様について>上記(3)
の超臨界水または亜臨界水の水の臨界条件には、工業的
かつ経済的に適切な範囲があり、濡れ性以外の芯材物性
を損なうことなく、工業的な効率で、且つ経済的な条件
を選択しなければならない。本件発明はその範囲を30
0℃以上、20Mpaとしたことを特徴とする。
【0036】本発明が対象とするキャリアの磁性体と複
合形態は、大別して2 種がある。比較的大きな磁性体
の粒子表面に被覆樹脂を主成分とする層を形成した構成
や、樹脂中に比較的小さな磁性体粉を均一に分散した状
態の構成などである。いずれの構成においても本発明を
適用することができる。
【0037】また、本発明が対象とするキャリアに含ま
れる磁性体は、従来からの公知のものでよく、例えば
鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属、マグネタイ
ト、へマタイト、フェライトなどの合金や前記強磁性体
微粒子と樹脂との複合体等が挙げられる。これら磁性体
粒子の平均粒径は通常10 〜1000 μm である。
ただし、磁性体によっては超臨界水のある条件下では、
酸化や加水分解を受けるため、このような環境下でより
安定な磁性体が好ましい。例えば、好適な対象磁性体と
しては金属酸化物系などが挙げられる。この中で代表的
なものは、フェライト、マグネタイトなどがある。ただ
し、超臨界または亜臨界状態の水で変質を受けやすい磁
性体であっても、被覆樹脂との関係で適切な温度、圧
力、処理時間、添加物などを設定すれば、これを回避す
ることが可能である。
【0038】また、本発明が対象とするキャリアの被覆
樹脂も従来からの公知のものでよく、被覆層を形成する
樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等
のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル(例
えばポリメチルメタクリレート)、ポリアクリロニトリ
ル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカル
バゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン等の
ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体;オルガノシロキサン結合からなるシ
リコーン樹脂またはその変成品(例えばアルキッド樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等
による変成品);ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗
化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ポリクロロトリフルオ
ロエチレン等の弗素樹脂;ポリアミド;ポリエステル;
ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素−ホルムアルデ
ヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられ
る。中でもトナースペントを防止する点で好ましいの
は、シリコーン樹脂またはその変成品、弗素樹脂、特に
シリコーン樹脂またはその変成品である。
【0039】シリコーン樹脂としては、従来から知られ
ているいずれのシリコーン樹脂であってもよく、下記式
で示されるオルガノシロキサン結合のみからなるストレ
ートシリコーンおよびアルキド、ポリエステル、エポキ
シ、ウレタンなどで変成したシリコーン樹脂が挙げられ
る。
【0040】
【化1】 上記、式中R1は水素原子、炭素原子1〜4のアルキル
基またはフェニル基、R2およびR3は水素基、炭素原子
数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、
炭素原子数2〜4のアリケニル基、炭素原子数2〜4の
アルケニルオキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、
エチレンオキシド基、グリシジル基または下記式で示さ
れる基である
【0041】
【化2】 上記、式中R4,R5はヒドロキシ基、カルボキシル基、
炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のア
ルコキシ基、炭素原子数2〜4のアルケニル基、炭素原
子数2〜4のアルケニルオキシ基、フェニル基、フェノ
キシ基、k ,l,m ,n ,o ,p は1 以上の整数
を示す。
【0042】上記、各置換基は未置換のもののほか、例
えばアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メルカ
プト基、アルキル基、フェニル基、エチレンオキサイド
基グリシジル基、ハロゲン原子のような置換基を有して
もよい。
【0043】更に、これらの樹脂は架橋剤などが加えら
れ、例えば熱処理などにより架橋を進められたものでも
よい。このような熱架橋樹脂の被覆は、一般に溶剤や酸
・塩基に不溶であり、熱処理をした場合、炭化物などが
磁性体表面に付着するため、他の方法では磁性体からの
確実な除去は難しいが、本発明の方法では分離が確実に
できる。
【0044】これらの中でもシリコーン樹脂を硬化させ
た樹脂皮膜は、多くの酸・塩基に対し安定であるばかり
でなく、溶剤に不溶であり、かつ燃焼させてもなかなか
除去できないものである。このような系では磁性体から
の樹脂皮膜の除去が他の方法では困難であるため、本発
明の超臨界水、または亜臨界水を用いる方法は極めて有
効である。これらのシリコーン樹脂は従来から知られる
シリコーン樹脂で良く、例えば市販品として、信越シリ
コーン社製のKR261、KR271、KR272、K
R275、KR280、KR282、KR285、KR
251、KR155、KR220、KR201、KR2
04、KR205、KR206、SA−4、ES−10
01、ES1001N、ES1002T、KR3093
や東レダウコーニング社製のSR2100、SR210
1、SR2107、SR2110、SR2108、SR
2109、SR2115、SR2400、SR241
0、SR2411、SH805、SH806A、SH8
40などが挙げられる。
【0045】また、本発明で用いられるキャリアは、そ
の体積固有抵抗を制御するために、被覆層中に導電性付
与材料を分散してもよい。分散される導電性付与剤は従
来より公知のものでよく、例えば鉄、金、銅等の金属;
フェライト、マグネタイト等の酸化鉄;カーボンブラッ
ク等の顔料が挙げられる。この中でも、特にカーボンブ
ラックの一つであるファーネスブラックとアセチレンブ
ラックの混合物を用いることにより、少量の導電性微粉
末の添加で効果的に導電性の調整が可能で、更に被覆層
の耐摩耗性に優れたキャリアを得ることが可能となっ
た。これらの導電性微粉末は、粒径0 .01 〜10μ
m 程度のものが好ましく、被覆樹脂100重量部に対
して2〜30重量部添加されることが好ましく、さらに
は5 〜20重量部が好ましい。このような添加物質が
樹脂皮膜中にあっても本発明の処理に特に影響はない。
【0046】また、キャリア被覆材中には、キャリア被
覆層と核体粒子との接着性を向上させたり、導電性付与
剤の分散性を向上させる目的でシランカップリング剤、
チタンカップリング剤等を添加してもよい。キャリア被
覆材中に添加されるシランカップリング剤としては、下
記一般式で示される化合物がある。YRSiX3但し、
Xはけい素原子に結合している加水分解基でクロル基、
アルコキシ基、アセトキシ基、アルキルアミノ基、プロ
ペノキシ基などがある。Yは有機マトリックスと反応す
る有機官能基でビニル基、メタクリル基、エポキシ基、
グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基などがある。
R は炭素数1 〜20 のアルキル基またはアルキレン
基である。
【0047】このシランカップリング剤の中でも、特に
負帯電性を有する現像剤を得るには、Yにアミノ基を有
するアミノシランカップリング剤が好ましく、正帯電性
を有する現像剤を得るには、Yにエポキシ基を有するエ
ポキシシランカップリング剤が好ましい。
【0048】本発明の処理方法の対象となる電子写真用
キャリアとしては、使用後の現像剤として回収されるも
の使用できる。これはトナーとキャリアとの混合物であ
るが、この混合物の状態で超臨界処理してもよいが、容
易に分離可能なトナーは予め分離する方が望ましい。こ
の分離方法としてブローオフなどの静電的な処理を行っ
てもよい。ただし、キャリアにスペント化したトナーは
容易に分離できない。これについては、超臨界処理する
前処理と組み合わせてもよい。例えば、溶剤による洗浄
や加熱処理を行ってもよい。しかし、超臨界処理の時点
で多少のトナーが混入しても樹脂と磁性体との分離は問
題なく行えるため、大きな問題とはならない。
【0049】本発明のキャリアを処理する超臨界水また
は亜臨界水を形成するためには、温度を300℃以上と
し、圧力を20Mpa以上とする必要がある。このよう
にすることによって、被覆樹脂は迅速に分解するが、磁
性体は変質しないようにすることができる。また、超臨
界水または亜臨界水の温度・圧力の条件は、できるだけ
高い方が処理時間を短くできるため、可能な範囲で高温
・高圧の条件が適する。これらの条件は、亜臨界水また
は超臨界水を形成する処理装置の形式によるが、例えば
好ましい範囲として、350℃以上、20MPa以上の
範囲、さらに好ましくは400℃以上、22MPa以上
の範囲である。
【0050】本発明のキャリアの被覆樹脂と磁性体を分
離する方法においては、キャリアに含まれる被覆樹脂を
一部分離するだけでもよい。すなわち、キャリアの劣化
が表面近傍だけであれば、表面近傍の樹脂を除去するだ
けでもよい。また、超臨界水または亜臨界水による樹脂
の分解は、キャリア粒子の表面側から進行するため、こ
の分解度も処理時間などにより制御できる。しかし、好
ましい被覆樹脂の分離の割合は処理前の50%以上であ
り、より好ましくは80%以上、更に好ましいのは90
%以上の範囲である。これは、特に処理後の芯材をバー
ジン芯材と混合して被覆を施す場合、芯材の差が被覆後
の現像剤の性能に影響するため、特に製造工程の安定化
のためには、より高い被覆除去が望ましい。すなわち、
より高い被覆除去がなされた処理後の芯材は、バージン
芯材とまったく同じような製造条件で対応できるため、
処理後の芯材を用いるにあたって特に対応を必要としな
い。
【0051】また、キャリアを超臨界処理した後、磁性
体を洗浄し付着物を除去する工程、及び、その後乾燥す
る工程を経ることにより、キャリアに用いられていた磁
性体は再び樹脂被覆することができる状態となる。
【0052】磁性体を洗浄し、付着物を除去する工程で
は、これに限定されるものではないが、例えば攪拌しな
がら芯材表面に機械的な摩擦を与えると、より確実に付
着物を除去できる。さらに超音波洗浄機などを用いても
よい。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。
【0054】<実施例1>平均粒径80μmの未使用の
球状マグネタイト芯材(パウダーテック社製)を被処理
サンプルAとした。
【0055】(超臨界水または亜臨界水処理)被処理サ
ンプルA200gを秤量し、ステンレス製メッシュ(#
400)に包み、300cc圧力容器に入れた。気室が最
小限となるように、蒸留水を圧力容器に満たし、圧力容
器の蓋を閉めた。外部からの電熱ヒーター加熱により、
温度350℃となるように昇温した。圧力は保圧弁を用
いて30MPaとなるように調整した。温度圧力が35
0℃30Mpaに達したときから30分間その状態を保持
した後、ヒーターを切り、80℃まで放冷した。圧力容
器から水を除いた後、球状マグネタイト芯材を取り出し
た。メッシュより取り出した芯材を蒸留水で洗浄した
後、120℃で2時間乾燥して、処理後の芯材サンプル
Aを得た。
【0056】(浸透量の測定)内径8mm長さ500m
mのガラス管を用意し、その一端を濾紙でふさいだ。他
端から処理後の芯材サンプルAを50g投入した。ガラ
ス管を垂直に保ったまま、1分間タッピングし芯材サン
プルAの充填状態を調整した。浸透させる蒸留水を30
0ccメスシリンダーに300cc計量した。ガラス管
の下端から50mmの位置までガラス管を液中に垂直に
浸した。10分後にガラス管を取り出し、秤量し浸透量
を求めた。水の浸透量は4.5gであった。
【0057】(芯材物性の評価)芯材の物性として磁化
特性を評価した。その結果、被処理サンプルAとほぼ同
等の磁化特性を示していた。
【0058】 (キャリアの製造) シリコーン樹脂(SR2400;東レダウコーニング社製) 50重量部 トルエン 150重量部 カーボンブラック(#44;三菱化学社製) 2重量部 この被覆層形成液を流動床型塗布装置を用いて芯材サン
プルAの表面に塗布して被覆層を形成したのち、焼成し
てキャリア粒子Aを得た。
【0059】(樹脂接着性の評価)キャリア粒子Aを5
0g秤量し、ガラス瓶に投入した。φ2mmのジルコニ
アビーズを50g秤量し、同様にガラス瓶に投入し、ふ
たをした。ガラス瓶を卓上ボールミルに載せ、回転数6
0rpmとして、1時間処理した。ふるいを用いてジル
コニアビーズを分離した。このような処理を受けたキャ
リア粒子Aの表面を走査式電子顕微鏡で観察して、表面
の状態を観察した。被覆のはがれはみられなかった。
【0060】<実施例2>実施例1で用いた未使用の平
均粒径80μmの球状マグネタイト芯材を用いて以下に
示すようにキャリアを製造した。 (キャリアの製造) シリコーン樹脂(SR2400;東レダウコーニング社製) 50重量部 トルエン 150重量部 カーボンブラック(#44;三菱化学社製) 2重量部 この被覆層形成液を流動床型塗布装置を用いて1000
重量部の被処理サンプルBの表面に塗布して、被覆層を
形成し、キャリア粒子B−1を得た。
【0061】このキャリア粒子B―1を97重量部と市
販トナー(RICOH imagio トナー タイフ゜7)25重量部とを
混合して現像剤Bを得た。複写機 imagio MF4550(リコ
ー社製)でこの現像剤を用いて、30万回の複写操作を
行い、使用後の現像剤を得た。この現像剤を複写機から
取り出し、まず、ブローオフにより静電的にトナーを除
去した。このときキャリア表面へのトナースペント量は
ごくわずかであった。これを被処理サンプルBとした。
【0062】この被処理サンプルBについて実施例1と
同様の超臨界処理を行い、芯材サンプルBを得た。この
芯材サンプルBについて実施例1と同様にして、水浸透
量を測定したところ、水の浸透量は、4.8gであっ
た。この芯材サンプルBの磁化特性を評価したところ、
[表]に示すように良好な磁化特性を示した。この芯材
サンプルBに実施例1と同様にして被覆層を形成してキ
ャリア粒子B―2を得た。
【0063】このキャリア粒子B−2について実施例1
と同様にして、樹脂接着性の評価をしたところ、芯材か
らの被覆のはがれはみられなかった。また、このキャリ
ア粒子を用いた現像剤での複写画像は、実施例1と同様
に良好であった。評価結果は表1に示すとおりであっ
た。
【0064】<実施例3>実施例1の超臨界水または亜
臨界水の処理において、温度400℃となるように昇温
し、圧力を保圧弁を用いて33Mpaとなるように調整
した以外は、実施例1と同様にしてキャリア粒子Cを得
た。キャリア粒子Cの樹脂接着性及び磁化特性を評価し
た。また、実施例1と同様にして複写画像評価を行っ
た。評価結果は表1に示すとおりであった。
【0065】<実施例4>実施例2の超臨界水または亜
臨界水の処理において、温度400℃となるように昇温
し、圧力を保圧弁を用いて33MPaとなるように調整
した以外は、実施例2と同様にしてキャリア粒子Dを得
た。キャリア粒子Dの樹脂接着性及び磁化特性を評価し
た。また、実施例1と同様にして複写画像評価を行っ
た。評価結果は表1に示すとおりであった。
【0066】<実施例5>実施例1の80μmの球状マ
グネタイトの代わりに、60μmの球状フェライトを用
いた以外は、実施例1と同様にしてキャリア粒子Eを得
た。キャリア粒子Eの樹脂接着性及び磁化特性を評価し
た。また、実施例1と同様にして複写画像評価を行っ
た。評価結果は表1に示すとおりであった。
【0067】<比較例1>80μmの球状マグネタイト
に超臨界水または亜臨界水処理を行わない以外は、実施
例1と同様にしてキャリア粒子Fを得た。キャリア粒子
Fの樹脂接着性及び磁化特性を評価した。また、実施例
1と同様にして複写画像評価を行った。評価結果は表1
に示すとおりであった。
【0068】<比較例2>60μmの球状フェライトに
超臨界水または亜臨界水処理を行わない以外は、実施例
1と同様にしてキャリア粒子Gを得た。キャリア粒子G
の樹脂接着性及び磁化特性を評価した。また、実施例1
と同様にして複写画像評価を行った。評価結果は表1に
示すとおりであった。
【0069】
【表1】
【0070】以上の実施例及び比較例についての評価結
果から、写真用キャリア芯材の粉体濡れ性を高めること
により、キャリア芯材と被覆樹脂との接着性が向上する
こと及び使用済みキャリアを臨界水または亜臨界水で処
理することにより、粉体濡れ性の大きいキャリア芯材を
回収することができ、これをキャリア芯材として使用す
ることによりキャリア芯材と被覆樹脂との接着性が向上
したキャリアとすることができることが明らかとなっ
た。
【0071】
【発明の効果】粉体濡れ性試験において芯材50gあた
り3.5g以上の浸透量を示す本発明のキャリア芯材を
使用することにより、キャリア芯材と被覆樹脂の接着性
が向上し、被覆剥がれがなく耐久性の向上したキャリア
粒子とすることができる。また、本発明の臨界水または
亜臨界水処理により、使用済みキャリアから上記の3.
5g以上の浸透量を示すキャリア芯材を効率良く得るこ
とができ、このキャリア芯材を使用することにより、品
質を劣化させることなく電子写真用現像剤を再生するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 嘉彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 新井 邦夫 宮城県仙台市太白区富沢3丁目4−6 (72)発明者 阿尻 雅文 宮城県仙台市太白区三神峯1−3−4− 203 Fターム(参考) 2H005 BA02 BA06 BA11 CA12 CA17 CB03 CB04 EA10

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも磁性体と被覆樹脂とから構成
    されるキャリアとトナーとからなる電子写真用現像剤の
    ための電子写真用キャリア芯材であって、粉体濡れ性試
    験において芯材50gあたり3.5g以上の浸透量を示
    すことを特徴とする電子写真用キャリア芯材。
  2. 【請求項2】 少なくとも請求項1に記載の電子写真用
    キャリア芯材と被覆樹脂とから構成されるキャリアとト
    ナーとからなる電子写真用現像剤
  3. 【請求項3】 電子写真用キャリア芯材を超臨界水また
    は亜臨界水で処理して請求項1記載の電子写真用キャリ
    ア芯材を得ることを特徴とする電子写真用キャリア芯材
    の処理方法。
  4. 【請求項4】 超臨界水または亜臨界水による処理を、
    300℃以上、20Mpa以上で行うことを特徴とする
    請求項3に記載の電子写真用キャリア芯材の処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載の処理方
    法によって得られた粉体濡れ性試験において芯材50g
    あたり3.5g以上の浸透量を示すことを特徴とする電
    子写真用キャリア芯材。
  6. 【請求項6】 使用済みの電子写真用キャリアを超臨界
    水または亜臨界水で処理して請求項1記載の電子写真用
    キャリア芯材を得ることを特徴とする使用済み電子写真
    用キャリアの処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の処理方法によって得ら
    れた粉体濡れ性試験において芯材50gあたり3.5g
    以上の浸透量を示すことを特徴とする電子写真用キャリ
    ア芯材。
  8. 【請求項8】 少なくとも請求項7に記載の電子写真用
    キャリア芯材と被覆樹脂とからなる電子写真用キャリア
    とトナーとからなる電子写真用現像剤。
  9. 【請求項9】 超臨界水または亜臨界水による処理を、
    300℃以上、20Mpa以上で行うことを特徴とする
    請求項6に記載の電子写真用キャリアの処理方法。
  10. 【請求項10】 少なくとも磁性体と被覆樹脂とから構
    成される使用済み電子写真用キャリアを用いることを特
    徴とする請求項6または請求項9に記載の使用済み電子
    写真用キャリアの処理方法。
  11. 【請求項11】 磁性体がフェライトまたはマグネタイ
    トである使用済み電子写真用キャリアを使用することを
    特徴とする請求項10記載の使用済み電子写真用キャリ
    アの処理方法。
  12. 【請求項12】 被覆樹脂が少なくともシリコーン樹脂
    を含む使用済み電子写真用キャリアを使用することを特
    徴とする請求項10または請求項11記載の使用済み電
    子写真用キャリアの処理方法。
  13. 【請求項13】 被覆樹脂が少なくとも架橋された樹脂
    を含む使用済み電子写真用キャリアを使用することを特
    徴とする請求項10または請求項11記載の使用済み電
    子写真用キャリアの処理方法。
  14. 【請求項14】 被覆樹脂が少なくとも熱架橋性樹脂を
    含む使用済み電子写真用キャリアを使用することを特徴
    とする請求項10または請求項11記載の使用済み電子
    写真用キャリアの処理方法。
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