JP2012194449A - 電子写真用現像剤のキャリア被覆樹脂及びトナー分離・洗浄方法、キャリアリサイクル方法、再生芯材及びキャリア - Google Patents

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一実 大滝
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孝幸 清水
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猛 佐古
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Abstract

【課題】環境影響の少ない方法で被覆樹脂を確実に除去し、芯材の特性を劣化させない芯材を再利用できる樹脂との改良された分離手段、及びリサイクル方法を提供することであり、また、環境影響の少ない方法でキャリアの被覆樹脂を確実に除去し、かつ経済的な処理条件を提供する。
【解決手段】トナーから構成される電子写真用現像剤を、超臨界水により被覆樹脂と該トナーを分離して得た芯材上の残留物を除去する除去工程とを含み、該残留物除去工程は、電気伝導率1.00μS・cm以下(25℃)の水にマイクロバブルまたはナノバブルを噴射しながら攪拌しながら洗浄する工程、もしくは得られた芯材上の残留物を、界面活性剤を含有した電気伝導率1.00μS・cm以下(25℃)の水に超音波を照射しながら攪拌する工程により洗浄するものであることを特徴とする電子写真用現像剤のキャリア被覆樹脂及びトナーの洗浄分離方法。
【選択図】図1

Description

本発明は電子写真、静電記録などに用いられる静電荷像二成分現像剤中のキャリアを構成する芯材の再資源化及び再利用に関する。
従来からキャリア粒子とトナー粒子との混合物からなるいわゆる二成分系乾式現像剤はよく知られている。この二成分系乾式現像剤(以降、単に「現像剤」ということがある)は、比較的大きな粒子表面上に微小なトナー粒子が、両粒子の摩擦により発生した磁気力により保持されており、静電潜像に近接すると静電潜像が形成する電界によるトナー粒子に対する潜像方向への吸引力が、トナー粒子とキヤリア粒子間の結合力に打ち勝って、トナー粒子が静電潜像上に吸引付着されて静電潜像が可視化されるものである。 本発明が対象とする二成分系乾式現像剤に用いられるキャリアは、少なくとも芯材と樹脂から形成されている。この中には、比較的大きな磁性体の粒子表面に被覆樹脂を主成分とする層を形成した構成や、樹脂中に比較的小さな磁性体粉を均一に分散した状態の構成などが含まれる。現像剤は、現像によって消費されたトナーを補充しながら反復使用される。従って、キヤリアは長期間の使用中、常時にトナー粒子を所望する極性で、かつ充分な帯電量に摩擦帯電しなけれぱならない。
しかし、従来の現像剤は、粒子間の衝突、または粒子と現像機械との衝突などの機械的衝突で帯電特性が変化する傾向にある。例えば、キャリア表面の割れ、欠け、剥がれなどによる表面状態の変化が起こる場合や、摩擦作用による発熱でキヤリア表面上にトナー膜が形成され、いわゆるスぺント化が生ずる場合がある。このような場合、キャリアの帯電特性が使用時間と共に低下し、現像剤全体を取り替える必要が生じる。このようなキャリアの帯電特性の劣化に対し、様々な改良が提案されてきた。例えば、キャリア表面の割れ、欠け、剥がれというような機械的な強度を増すためには、被覆樹脂の改良や芯材表面と被覆樹脂の接着性が改良されてきた。
被覆樹脂としては様々な樹脂が提案されているが、特に機械的な強度を増すことができる架橋性の樹脂の提案が多い。一般的には、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂などが使用され、様々な架橋系や添加剤とともに用いられている。例えば、特許文献1では、ポリカルボジイミド樹脂を含む樹脂を架橋する方法、特許文献2、特許文献3では、特定の物性や構造を持つアクリル系樹脂を架橋する方法、特許文献4では、被覆樹脂にウレタン結合及び尿素結合からなる複合架橋構造を持たせる方法、特許文献5では、特定のシランカップリング剤を用いたシリコーン樹脂を用いる方法、特許文献6では被覆樹脂としてアルコール性水酸基を有する樹脂をフェノール系水酸基を持つ化合物で架橋する方法などが提案されている。また、この他にも芯材となる磁性体の表面に直接樹脂を重合する方法なども提案されている。例えば、特許文献7では、芯材表面に被覆樹脂を界面重合する方法、更にこれを架橋する方法なども提案されている。
しかしながら、これらの提案はいずれも機械的な強度や熱ストレスに対する安定性を改良していったものであるため、一般には芯材と被覆樹脂の分離は困難である。更にスペント化を防止するために、芯材表面に様々な樹脂を被覆する方法が提案されている。例えば、特許文献8では、被覆するシリコーン樹脂の硬化度合いを規定しており、より高い硬化度合いを提案している。以上のように、本発明が対象とする二成分系乾式現像剤に用いられるキャリアの多くは、機械的な強度向上やスペント化防止のために被覆樹脂として架橋樹脂が用いられ、その被覆状態は芯材に対して非常に強固なものとなっている。
従来はこのような劣化した現像剤は回収・廃棄されていたが、近来、産業廃棄物による環境破壊が問題になっており、現像剤の再利用も課題の一つとなっている。この現像剤の再生に関しては、キャリア表面にスペント化したトナーを除去し性能を回復させる方法と、キャリアの被覆樹脂まで剥離して芯材を得て、被覆樹脂を再度設けて性能を回復する方法が提案されている。
前者の例としては、特許文献9があり、ここでは、キャリア表面にスペント化したトナーを加熱や溶剤洗浄などにより除去し、芯材をリサイクルする方法を提案している。この方法は、芯材に被覆された樹脂はそのままでリサイクルしようとする方法である。かかる方法によれば、主としてスペント化して特性が劣化したキャリアをリサイクルすることができる。
しかしながら、特性の劣化がスペント化だけではなくキャリア被覆樹脂の割れや、欠け、剥がれの場合は、スペント化したトナーを除去するだけでは特性は回復せず再利用ができない。また、上記公報記載の技術でも除去の困難なスペント化したトナーもあり、より強力な除去方法が求められている。更に溶剤で洗浄する場合はこの溶剤自体の後処理を考慮するとより環境影響の少ない方法が求められている。
キャリアの被覆樹脂を剥離して芯材をリサイクルする方法としては、特許文献10が提案されている。この提案は、回収した現像剤を1000℃程度の高温で加熱し再生する方法であり、アクリル系樹脂のような熱可塑性樹脂をコーテイングしたキヤリアでは、このような熱処理により被覆樹脂も除去することが可能で、特性の劣化がスペント化だけではなくキャリア被覆樹脂の割れや、欠け、剥がれの場合でも、再使用する際に再度コーテイングをすることにより芯材を再利用することが可能である。
しかしながら、金属亜酸化物で所要の磁気特性を付与されたフェライト系キヤリアを芯材として用い、これを上記従来技術によって再生した場合、当初の芯材特性が元に戻らないという欠点があった。また、この高温加熱による再生方法が、熱を再利用する方法であれば環境影響を多少改善できるが、キャリアを構成する物質の中で燃焼熱を発生する樹脂などの可燃物が少ないため、効率的なサーマルリサイクルは期待できない。
さらに、上記公報記載の技術を、キャリアの被覆樹脂に熱硬化性樹脂を用いた系に適用した場合においても、芯材からの被覆樹脂の剥離が十分に行なえないという欠点があることを本発明者等は確認した。また、さらに本発明者等は、被覆樹脂または該処理による生成物が芯材に付着したままであると、その再生した芯材に再度樹脂を被覆したものをキャリアとして用いた場合と、非再生の新規な芯材に樹脂を被覆したものをキャリアとして用いた場合とを、現像剤としての性能の観点から見ると明らかに前者の方が劣り、この性能の差は被覆樹脂が十分に剥離しているほど小さいことを検証した。
したがって、前者が後者と同等の性能を発揮するためには、再生芯材に残留樹脂が少ないほど、すなわち被覆剥離の度合いは高いことが望ましい。
以上のような理由から、従来の二成分系現像剤に関し、被覆樹脂とキャリアを分離する方法及びリサイクル方法は、環境に対する影響が少ない被覆樹脂を確実に除去できず、しかもキャリア芯材の特性を劣化させてしまうため、実用上満足できるものではない。
すなわち、化学的かつ機械的に堅牢なキャリアの被覆樹脂を除去するための条件と、所望の磁気特性を付与された芯材の性能を損なわない条件を両立させることは、従来技術では達成し得なかったものである。特に、金属亜酸化物の所定結晶の粒子と被覆樹脂からなる芯材材料に適用して、酸化物への酸化や逆の還元を伴わず、かつ結晶状態を乱さず、したがって磁気特性を劣化させずに芯材を回収することに関する従来技術は皆無である。
すなわち、キャリアの芯材として用いられる芯材は、特定の結晶構造を有する亜酸化物であるため、リサイクル処理工程で、酸化などの化学変化や結晶構造に変化を生じることは避けなければならない。超臨界又は亜臨界状態の水中での樹脂の分解が、特許文献11に提案されている。これによれば、多くの樹脂が加水分解又は熱分解を受け、モノマー単位まで分解できることが示されている。また、特許文献12では、特に熱硬化性樹脂の超臨界又は亜臨界状態の水中での分解方法が示されている。特許文献13では、特に塩素含有プラスチック廃棄物の処理方法が示されている。これらは、主として大量の樹脂廃棄物をモノマー化し、無害化すると共に原材料化することを目的に行なわれ、その目的対象物に適した条件などを提案している。
一方、特許文献14や特許文献15では、樹脂の分解条件を亜臨界条件に規定し、使用流体を過酸化水素水に規定した提案をしている。この方法では、特定の被膜樹脂はある程度除去できるが、過酸化水素水により酸化作用が進み金属亜酸化物の所定結晶の粒子からなる芯材の特性が大きく損なわれる。特に、過酸化水素水による影響で芯材の特性である抵抗が未使用芯材より高抵抗化したり、磁気特性変化(低下)があり、リサイクル化には適さない。
上記のように多くの樹脂が超臨界条件または亜臨界条件で分解することが確認されているが、全ての樹脂が分解するわけではない。非特許文献1では、いくつかの熱硬化性樹脂の分解について研究結果を報告している。例えば、熱硬化性樹脂の一種であるフェノール樹脂は、超臨界水で処理しても分解率が低く、いわゆるチャー化が起こっていることを報告している。また、その他の樹脂についても分解に適切な条件範囲があることを示唆している。さらに、特許文献16、および特許文献17では、特に船の構造材などに用いられる繊維強化プラスチックなどの樹脂と他の物質の複合材料を対象物質として、その処理方法を条件と共に提案している。これらは、特定の目的対象物に対して、その形態や利用目的に応じて処理条件や処理のプロセスを提案しているものである。しかしながら、これらの公報は、樹脂と繊維などの芯材との分離を目的としたもので、キャリア芯材のリサイクルに関連した特性変化などについては言及していない。特に金属亜酸化物の所定結晶の粒子と被覆樹脂からなる芯材に適用して、酸化物への酸化や逆の還元を伴わず、かつ結晶状態を乱さず、したがって、磁気特性を劣化させずに芯材を回収するためのものであることは示されていない。さらに、電子写真用キャリアに用いられている芯材には、一定の粒子径範囲を持ち、球形に近づくように高度に形状制御した芯材が用いられており、これらが、超臨界水または亜臨界水によりどのような変化が起こるかについては、まったく示されていない。
超臨界水は、前記のように被処理物の処理に有効であるが、経済性を考慮した処理条件の設定も重要である。特に被処理物に対して使用する水の量が多い場合、熱エネルギーコストが処理費に与える影響は大きい。反面、被処理物の有効な変化にはある程度の水の量が必要である。具体的には、現像剤キャリアに被覆された樹脂が十分に剥離する水の量が必要である。したがって、被処理物単位重量あたりに要する水の量は、多ければ多いほど確実に被覆を除去できる反面、処理費用はかさむことになり、これらを両立する適当な条件設定が必要である。
本発明の第一の目的は、電子写真用二成分現像剤において、芯材である磁性体を強固に被覆した樹脂を該芯材から分離し、かつ分離後も芯材の諸特性に影響しないで、再び樹脂を被覆してもキャリアとして十分な性能をもたらすことができるキャリアの被覆樹脂と芯材であるキャリアの分離方法、及びリサイクル方法を提供するものである。すなわち、環境影響の少ない方法で被覆樹脂を確実に除去し、芯材の特性を劣化させない芯材を再利用できる樹脂との改良された分離手段、及びリサイクル方法を提供することである。
また、本発明の第ニの目的は、環境影響の少ない方法でキャリアの被覆樹脂を確実に除去し、かつ経済的な処理条件を提供することである。
本発明者等は、前記目的を達成のために鋭意検討を重ねた結果、思いがけずも、少なくとも芯材と被覆樹脂から構成される電子写真用キャリアと電子写真用トナーから構成される電子写真用現像剤を、過酸化水素と界面活性剤を含有した電気伝導率1.00μS・cm以下(25℃)の水を超臨界状態とした超臨界過酸化水素水と超臨界界面活性剤により前記現像剤から前記芯材被覆樹脂と前記トナーを分離し、次いで得られた芯材上の残留物を、水に超音波を付加しながら洗浄分離するという方法がこの目的を達成するのに有効であることを見出して、本発明に至った。上記目的は、本発明の(1)〜(11)によって達成される。
(1) 少なくとも芯材と被覆樹脂から構成される電子写真用キャリアと、電子写真用トナーから構成される電子写真用現像剤を、酸化剤と界面活性剤を電気伝導率1.00μS・cm以下(25℃)の水に添加し、超臨界状態とした超臨界水により電子写真用現像剤から芯材被覆樹脂とトナーを分離する超臨界水処理工程と、該現像剤から該超臨界水により被覆樹脂と該トナーを分離して得た芯材上の残留物を除去する除去工程とを含み、該残留物除去工程は、電気伝導率1.00μS・cm以下(25℃)の水にマイクロバブルまたはナノバブルを噴射しながら攪拌しながら洗浄する工程、もしくは得られた芯材上の残留物を、界面活性剤を含有した電気伝導率1.00μS・cm以下(25℃)の水に超音波を照射しながら攪拌する工程により洗浄するものであることを特徴とする電子写真用現像剤のキャリア被覆樹脂及びトナーの洗浄分離方法。
(2) 前記超臨界水処理条件は温度が375℃以上、圧力が22MPa以上の超臨界範囲であることを特徴とする前記(1)項記載の電子写真用現像剤のキャリア被覆樹脂及びトナーの洗浄分離方法。
(3) 前記電子写真用現像剤のトナー濃度が12%以下の範囲で処理することを特徴とする前記(1)又は(2)項に記載の電子写真用現像剤のキャリア被覆樹脂及びトナー洗浄分離方法。
(4) 前記電子写真現像剤の重量1に対し、前記超臨界水が重量が3以上であることを特徴とする前記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載の電子写真用現像剤のキャリア被覆樹脂及びトナー洗浄分離方法。
(5) 前記酸化剤は1重量%以上15重量%以下の過酸化水素濃度を有していることを特徴とする前記(1)項乃至(4)項のいずれかに記載の電子写真用現像剤のキャリア被覆樹脂及びトナー洗浄分離方法。
(6) 前記超臨界処理時の界面活性剤は0.05重量%以上3.0重量%以下の濃度を有し、且つ洗浄時の界面活性剤は0.02重量%以上2.0重量%以下の濃度であることを特徴とする前記(1)項乃至(5)項のいずれかに記載の電子写真用現像剤のキャリア被覆樹脂及びトナー洗浄分離方法。
(7) 前記(1)項乃至(6)項のいずれかに記載の電子写真用現像剤のキャリア被覆樹脂及びトナー分離及び洗浄方法により前記電子写真用現像剤から前記キャリア被覆樹脂及び前記トナーを分離し、得られた芯材を回収し洗浄・乾燥した後、この芯材に樹脂を再被覆して再使用することを特徴とする芯材リサイクル方法。
(8) 前記(7)項に記載の電子写真用芯材に樹脂が再被覆されてなることを特徴とする電子写真用キャリアリサイクル方法。
(9) 前記(8)項に記載の電子写真用キャリアリサイクル方法により得られたことを特徴とする電子写真用キャリア。
(10) 前記(9)項に記載の電子写真用キャリアと、電子写真用トナーから構成されてなることを特徴とする電子写真用現像剤。
(11) 前記(9)に記載の電子写真用キャリアと、電子写真用トナーから構成されてなることを特徴とする電子写真用現像剤。
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明における上記(1)のキャリアの被覆樹脂及びトナーと芯材の分離方法は、使用後の現像剤を酸化剤、例えば過酸化水素と界面活性剤を含有する電気伝導率1.00μS・cm以下(25℃)の水を超臨界条件下で処理し、被覆樹脂及びトナーを加水分解、または熱分解により芯材と分離するもので、従来の方法に比較して環境影響の少ない方法で確実に分離を行ない、より除去率の高い処理が可能なだけでなく、芯材自身も変質させないという効果がある。特に、前記水のみで処理した場合、還元反応が起こり芯材表面の酸化被膜が破壊され電気特性の低下を起こし、他の品質劣化もまねいていた。また、前記処理に加え、酸化剤と同時に界面活性剤を添加することにより、現像剤中のトナー分離性の向上及びキャリア表面に付着或いは固着していた、いわいるスペントトナーの除去分離が効率よく行なわれる。
本発明は、被覆樹脂分離時、処理また、現像剤から被覆樹脂及びトナーを分離後、得られた芯材を洗浄し、乾燥の後、芯材をキャリア用のリサイクルに供する方法である。被覆樹脂除去処理時は超臨界水による処理に加え、処理後の芯材の洗浄方法を本発明の方法である芯材表面に分離した付着物の再付着もなくきれいに被覆樹脂及びトナーが分離できた芯材を得ることができる。この方法によれば、従来は破棄していた現像剤を再利用可能であり、地球環境保護の視点で寄与できるものである。
また、処理液中から樹脂モノマーなどの有効成分を資源化することも可能であり、これも再資源化による環境保護に繋がる効果がある。本発明の被覆樹脂及びトナーをキャリア芯材から分離する方法は、現像剤を処理する超臨界水の条件が温度375℃以上420度以下、且つ22MPa以上35MPa以下であることにより、迅速でより効果的に分解またはリサイクルが可能であるという効果がある。
また、本発明の現像剤中のキャリア被覆樹脂及びトナーと芯材を分離する方法は、処理の対象となる二成分現像剤が、少なくとも磁性体からなる芯材に熱架橋性樹脂が被覆されたキャリアと電子写真用トナーから構成され、従来技術では使用後の現像剤から芯材を得るために、二成分現像剤からトナーを分離する工程が必要となり、二成分現像剤のまま処理することはできなかった二成分現像剤に対しても、超臨界状態の水中で処理することにより、被覆樹脂及びトナーと芯材を確実に分離するという効果がある。
また、二成分現像剤からトナーを分離する工程がなくなるため、歩留まりが向上、また処理時間が短縮されるために生産効率の向上、且つランニングコストを抑えることができるという効果がある。
本発明の方法は、キャリアから被覆樹脂をより完全に分離することと、熱エネルギーを有効に利用することに効果がある。
超臨界水により現像剤から被覆樹脂及びトナー分離処理を行う装置の一例の概略図である。 芯材上の被覆樹脂残留物分離のための、マイクロバブル/ナノバブル発生装置、洗浄方法の1例の概要示す模式図である。 界面活性剤含有水洗方法の1例を説明する概要図である。 被覆樹脂剥離前後のSEM像を比較した図である。
本発明の電子写真用現像剤の被服樹脂及びトナーの洗浄分離方法は、少なくとも芯材と被覆樹脂から構成される電子写真用キャリアと電子写真用トナーから構成される電子写真用現像剤を、酸化剤と界面活性剤を含有した電気伝導率1.00μS・cm以下(25℃)の水を超臨界状態とした酸化剤及び界界面活性含有の超臨界水により前記現像剤から前記芯材被覆樹脂と前記トナーを分離し、得られた芯材上の残留物を、界面活性剤を含有した水に超音波を付加しながら洗浄分離する、又はマイクロバブルまたはナノバブルを噴射した水で洗浄分離することを特徴とする。
さらに、上記目的は、本発明の「前記キャリアを、超臨界水の条件下で分離処理する被覆樹脂と芯材を分離する方法であって、該現像剤を保持した容器に供給する超臨界水中に含まれる該キャリアを構成する物質の分解物または、溶解物を時間とともに減少させることを特徴とする前記被覆材料と芯材を分離する方法」、によって達成される。すなわち、本発明のキャリアの被覆樹脂と磁性体の分離方法は、使用後の現像剤中のキャリアを超臨界水の条件下で分離処理し、被覆樹脂を加水分解、および/または、熱分解による作用と、溶解作用により磁性体と分離するものである。また、本発明のキャリアの被覆樹脂と芯材を分離する方法は、キャリアを分離処理する超臨界水の条件が温度が375℃以上、且つ圧力22Mpa以上であることを特徴とし、効率的な分解が可能であり、超臨界水では好ましくは380℃以上、且つ圧力25Mpa以上、420℃・35MPa以下であることが好ましい。
さらにまた、本発明のキャリアの被覆樹脂と芯材を分離する方法においては、超臨界水による分離処理が1分乃至90分間の間行なわれることを特徴とする場合を包含する。被覆に使用されている樹脂の性質、超臨界水の温度圧力条件にもよるが、好ましくは1分乃至60分、より好ましくは5分乃至30分である。
さらにまた、本発明の被覆樹脂と芯材を分離する方法は、分離処理の対象となるキャリアが芯材に架橋された樹脂で被覆された構成であり、溶剤などでは溶解しにくい被覆樹脂を超臨界状態の水中で分離処理することにより、被覆樹脂と芯材を確実に分離する方法を包含する。さらにまた、本発明のキャリアの被覆樹脂と芯材を分離する方法は、処理の対象となるキャリアが少なくとも芯材からなる芯材に熱架橋性樹脂で被覆された構成であり、燃焼などでは容易に分解しにくい被覆樹脂を超臨界状態の水中で処理することにより、被覆樹脂と芯材を確実に分離する方法を包含する
以下、図面をも参照して、本発明を詳細に説明する。
図1に本発明における超臨界処理水により被覆樹脂及びトナー分離処理を行う装置の一例の概略図を示す。
本発明は、図1(A)(B)で示されるように、耐圧容器内へ処理しようとする二成分現像剤と超純水、及び過酸化水素水溶液と界面活性剤を耐圧容器内入れる。耐圧容器上下は、内圧が変動しないようにねじ止めし、固定化する。そして、加熱容器のサンドバス等の熱媒体:流動砂等入った加熱容器が設定温度になったら流動砂中に耐圧容器を所定の時間投入する。そして、超純水及び過酸化水素水溶液と界面活性剤を超臨界状態とし、二成分現像剤と超臨界水を反応させ、芯材から被覆樹脂及びトナーを分離する。加温設定時間になったら、氷等の入った冷却槽へ入れ急冷させ、常温常圧へ戻す。
超臨界水による処理の際の界面活性剤量は0.01重量%〜5.0重量%であることが好ましい。
超臨界処理を行うときの現像剤と超臨界水の重量比は1:3が好ましい。さらに好ましくは1:7〜1:20の重量比がよい。重量比が1:3よりも超臨界水の比率が低いと、反応溶媒となる超臨界水が現像剤と十分に接触せしめることができなく、被覆樹脂及びトナーが分離できなくなる。また、重量比が1:20よりも超臨界水の比率が高いと、現像剤の被覆樹脂及びトナーを十分分離することは可能であるが、超臨界水の比率が高いことから、反応させる現像剤の処理量が低下し、生産効率を悪くする。
さらに、被覆樹脂を分離するための酸化剤含有超臨界水処理後、処理済み液から分別した芯材の洗浄は、水中にマイクロバブルまたはナノバブルを噴射された水で洗浄処理または、界面活性剤を含有した電気伝導度が1.00μS・cm以下の水で処理すること、を特徴部分として包含する。マイクロバブルまたはナノバブルより微粒径の気泡を含有する水は、電気伝導度が1.00μS・cm以下の水が好ましい。電気伝導度が1.00μS・cmを超える水のように多くのイオンを含有すると、洗浄時被覆樹脂分離後の芯材表面にイオンが付着し芯材特性を損なう。
一般的に水の電気伝導率は以下のように認識・紹介されている。
Figure 2012194449
また、洗浄時にマイクロバブルまたはナノバブルの微粒気泡が含有されていると、洗浄時、芯材表面に分離した被覆樹脂成分や被覆樹脂中に含有されていたフィラー類の再付着物や芯材表面に分離しきれずに残留していた被覆樹脂分やフィラー類が前記微粒気泡の破裂時に発生する衝撃力により分離される。洗浄方法は、微粒気泡(マイクロバブルまたはナノバブル)を含む水中に浸漬させながら、超音波振動を付加させながら洗浄し、上澄み液を除去する方法や前記処理済みの芯材を含む洗浄液を吸引ろ過により除去する。
他方の洗浄液中に界面活性剤を含有する水は、電気伝導度が1.0μS・cm以下の水が用いられ、攪拌しながら超音波震動が照射される。洗浄時に添加される界面活性剤は、微量で洗浄液1.0重量部に対し、通常0.02〜2.0%であり、0.5〜1.5%であることが好ましい。添加量が、0.02%未満になると、ほとんど洗浄・分離効果がなくなり好ましくない。添加量を2.0%を超える量にすると芯材表面や内部に浸透し、芯材品質が変動し好ましくない。
洗浄は、2〜6回洗浄するが、好ましくは3〜5回がよい。洗浄回数が増すにつれて分離された被覆樹脂成分やフィラー類の残留物が減少していく。特に抵抗調整目的で使用しているフィラー類が芯材表面に残留すると、芯材の重要特性の1つである磁気特性の低下を招き好ましくない。洗浄回数が5回以上に多くなると、生産性が低下したり、歩留低下を招き好ましくない。また、抵抗調整目的で使用しているフィラー類が芯材表面に残留すると、芯材の重要特性の1つである磁気特性の低下を招き好ましくない。本発明に用いる処理液はマイクロバブルまたはナノバブル以下の微粒気泡を発生させる発生器から発生した気泡は、芯材粒径以下の気泡を使用する。気泡の平均粒径は、レーザー回折/散乱式の粒度測定装置(東日アプリケーションズ株製 LDSA3400A)にて測定する。気泡の直径は、芯材粒径が小径時はマイクロバブルよりも小さいナノバブル:1μm以下の気泡がこのましい。気泡径が小さくなると、芯材窪み部に付着した残留物もより効果的に洗浄できる。反対に気泡径が大きいと窪み部の内部に残留した付着物は効果的に洗浄できなくなる。また、洗浄時にナノバブルまたはマイクロバブル水に浸漬した被覆樹脂分離後の芯材に超音波振動の振動を与え、攪拌羽根で攪拌すると更に洗浄効果が上がる。攪拌羽根で攪拌しないと芯材に付着していた付着物が芯材近傍に浮遊し離れきれずにそのまま芯材上に残留するものもあり好ましくない。
本発明のキャリアを処理する超臨界水に用いる界面活性剤は、1)陰イオン(アニオン)性界面活性剤、2) 非イオン(ノニオン)性界面活性剤、3)陽イオン(カチオン)性界面活性剤、4)両性界面活性剤が使用できる。
1) 陰イオン(アニオン)性界面活性剤として、脂肪酸系、直鎖アルキルベンゼン系、高級アルコール系、アルフォオレフィン系、ノルマルパラフィン系が挙げられる。脂肪酸系として脂肪酸系ナトリウム、脂肪酸カリウム、アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウムが挙げられる。直鎖アルキルベンゼン系として、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。高級アルコール系として、アルキル硫酸エステルナトリウムアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、高級脂肪酸エステルスルホン酸ナトリウムが挙げられる。アルフォオレフィン系では、アルフォオレフィンスルホン酸ナトリウムがある。ノルマルパラフィン系では、アルキルスルホン酸ナトリウムがある。
2) 非イオン(カチオン)性界面活性剤として、脂肪酸系(非イオン)、高級アルコール系(非イオン)がある。脂肪酸系(非として、しょ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミドが挙げられる。高級アルコール系(非イオン)として、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが挙げられる。アルキルフェノール系として、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが挙げられる。が挙げられる。
3) 陽イオン界面活性剤として、第4級アンモニュウム塩系が挙げられる。第4級アンモニュウム塩系として、アルキルトリメチルアンモニュウム塩、ジアルキルジメチルアンモニュウム塩、塩化セチル、ステアリルトリメチルアンモニュウム塩、ジアルキルジメチリルベンジルアンモニュウム塩、アルキルピリジニウム塩が挙げられる。
4) 両性界面活性剤として、アミノ酸系、ベタイン系、アミンオキシド系が挙げられる。アミノ酸系として、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウムが挙げられる。ベタイン系として、アルキルベタイン、カルボキシベタイン、スルフォベタイン、フォスフォ・ベタインが挙げられる。アミンオキシド系として、アルキルアミンオキシドが挙げられる。また、界面活性剤を含有する超純水中の界面活性剤濃度は、0.05から5.0%の濃度で使用されることが好ましい。濃度が0.05%未満になると、界面活性剤による洗浄効果がほとんど無くなる。反対に使用濃度が、5.0%を超える量になると、洗浄時に芯材表面に付着または内部に浸透し芯材品質を変動させるので、好ましくない。使用量の好ましい量としては、総溶媒量1に対し1.0〜3.0重量部が好ましい。
さらにまた、本発明のキャリアの被覆樹脂と芯材を分離する方法は、処理の対象となる現像剤中のキャリアが少なくとも磁性体からなる芯材に少なくともシリコーン樹脂を主成分とした樹脂で構成された樹脂膜が被覆された構成であり、溶剤、酸や塩基、燃焼などのさまざまな分離手段に対し現像剤から分離が困難なシリコーン被覆樹脂を超臨界状態の水で処理することにより芯材から確実に分離する方法である。
さらにまた、本発明のキャリアの被覆樹脂と芯材を分離する方法は、処理の対象となるキャリアが少なくとも磁性体からなる芯材としてフェライトやマグネタイトを用い、これに被覆樹脂が形成された構成である。フェライトは超臨界水中で安定であるため、芯材自体が変質することなく分離操作を行なうことができる。この際、超臨界水による処理が、非酸性条件下で行なわれることが好ましく、また、非酸化性かつ非還元性条件下で行なわれることが磁性体の変質を防ぐ上でより好ましい。超臨界処理時に、還元反応が働いた場合、それを補うために微量の酸化剤を添加してもかまわない。
本発明に用いる酸化剤:H2O2(過酸化水素水)以外に、O3、KMnO4、Cl2、K2Cr2O7、HN03、H2SO4、等が上げられる。本発明に用いる過酸化水素水のような酸化剤は、殺菌作用、分解作用が強いので使用するときは、高濃度では被覆樹脂除去・分離以外にキャリア芯材品質も酸化作用により損なうため、好ましくない。低濃度域:0.1%以下では影響は少ないが効果が殆ど得られない。好ましい範囲としては、0.1〜15.0%の範囲が好ましく、被覆樹脂剥離後の芯剤品質への影響がなく、被覆樹脂剥離も効率良く行なわれる。更に好ましい範囲は、前記範囲より更に0.5〜5.0%の範囲が好ましい。
また、本発明の現像剤中のキャリア用芯材のリサイクル方法は、現像剤を超臨界水の条件下で処理し、キャリアの被覆樹脂を加水分解および/または熱分解による作用と溶解作用により芯材と分離し、これと同時またはその後芯材を分離し、これと同時またはその後芯材を洗浄し、乾燥後、芯材をキャリア用にリサイクルする方法である。芯材を回収、洗浄、乾燥する過程では、芯材を洗浄する時、マイクロバブルまたはナノバブルの微粒気泡を含有する水中に浸漬させ、吸引ろ過やタンク内で攪拌しながら超音波振動を付加方法と界面活性剤を含有する純水もしくは超純水に浸漬して、攪拌しながら超音波震動を付加する方法。乾燥後は粗目スクリーンを有する篩を通過させて、例えば被覆樹脂層を未だ分離していないか又は不如意の原因により所望粒径を超える大粒径の磁性体を除去し、また細目スクリーンを有する篩を通過させて、例えば摩耗、衝突など何らかの原因で所望粒径未満となった小粒径の芯材を除去することができる。
また、芯材を再びキャリア用芯材としてリサイクルする際に、無論バージン芯材を混合使用してもよい。さらに、処理液中から樹脂モノマー等の有効成分を資源化することも可能である。また、本発明のキャリアの被覆樹脂と芯材を分離する方法は、被処理キャリアと接触させる超臨界水中に含まれる該現像剤を構成する物資の分解物および/または溶解物を時間とともに減少させることにより、特に非分解物が多い被処理物であるキャリアから、被覆樹脂を確実に分離し、かつ熱効率のよい処理が行なえる。さらにまた、被処理物を処理系内に取り入れた初期において、既に処理に使用した超臨界水は熱水と被処理物を接触させることにより、熱エネルギーを有効に利用できる。さらにまた、本発明に係わるキャリアの被覆樹脂と芯材を分離する方法は、容器と配管で構成される反応装置において、記載の方法と同様の効果が得られる。
本発明が対象とするキャリアの磁性体と複合形態は、大別して2種がある。比較的大きな芯材の粒子表面に被覆樹脂を主成分とする層を形成した構成や、樹脂中に比較的小さな磁性体粉を均一に分散した状態の構成などである。いずれの構成においても本発明を適用することができる。
また、本発明が対象とするキャリアに含まれる芯材(磁性体)は、従来からの公知のものでよく、例えば鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属、マグネタイト、へマタイト、フェライトなどの合金や前記強磁性体微粒子と樹脂との複合体等が挙げられる。これら芯材の平均粒径は通常10〜1000μmである。ただし、芯材によっては超臨界水のある条件下では、酸化や加水分解を受けるため、このような環境下でより安定な芯材が好ましい。例えば、好適な対象磁性体としては金属酸化物系などが挙げられる。この中で代表的なものは、フェライト、マグネタイトなどがある。ただし、超臨界状態の水で変質を受けやすい磁性体であっても、被覆樹脂との関係で適切な温度、圧力、処理時間、添加物、更には適切な乾燥を加えれば、これを回避することが可能である。これら材料は、限定されるもではない。
また、本発明が対象とするキャリアの被覆樹脂も従来からの公知のものでよく、被覆層を形成する樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル(例えばポリメチルメタクリレート)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン等のポリビニル及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂またはその変成品(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成品);ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニル、ポリ弗化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等の弗素樹脂;ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。中でもトナースペントを防止する点で好ましいのは、シリコーン樹脂またはその変成品、弗素樹脂、特にシリコーン樹脂またはその変成品である。
シリコーン樹脂としては、従来から知られているいずれのシリコーン樹脂であってもよく、下記一般式(1)で示されるオルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーンおよびアルキド、ポリエステル、エポキシ、ウレタンなどで変成したシリコーン樹脂が挙げられる。
Figure 2012194449
上記、式中R1は水素原子、炭素原子1〜4のアルキル基またはフェニル基、R2およびR3は水素基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、炭素原子数2〜4のアリケニル基、炭素原子数2〜4のアルケニルオキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エチレンオキシド基、グリシジル基または下記一般式(2)で示される基である。
Figure 2012194449

上記、式中R4,R5はヒドロキシ基、カルボキシル基、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数2〜4のアルケニル基、炭素原子数2〜4のアルケニルオキシ基、フェニル基、フェノキシ基、k,l,m,n,o,pは1以上の整数を示す。
上記、各置換基は未置換のもののほか、例えばアミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メルカプト基、アルキル基、フェニル基、エチレンオキサイド基、グリシジル基、ハロゲン原子のような置換基を有してもよい。
更に、これらの樹脂は架橋剤などが加えられ、例えば熱処理などにより架橋を進められたものでもよい。このような熱架橋樹脂の被覆は、一般に溶剤や酸・塩基に不溶であり、熱処理をした場合、炭化物などが磁性体表面に付着するため、他の方法では磁性体からの確実な除去は難しいが、本発明の方法では分離が確実にできる。
これらの中でもシリコーン樹脂を硬化させた樹脂皮膜は、多くの酸・塩基に対し安定であるばかりでなく、溶剤に不溶であり、かつ燃焼させてもなかなか除去できないものである。これらのシリコーン樹脂は従来から知られるシリコーン樹脂で良く、例えば市販品として、信越シリコーン社製のKR261、KR271、KR272、KR275、KR280、KR282、KR285、KR251、KR155、KR220、KR201、KR204、KR205、KR206、SA−4、ES−1001、ES1001N、ES1002T、KR3093や東レダウコーニング社製のSR2100、SR2101、SR2107、SR2110、SR2108、SR2109、SR2115、SR2400、SR2410、SR2411、SH805、SH806A、SH840などが挙げられる。
また、本発明で用いられるキャリアは、その体積固有抵抗を制御するために、被覆層中に導電性付与材料等のフィラー類を分散してもよい。分散される導電性付与剤は従来より公知のものでよく、例えば鉄、金、銅等の金属;フェライト、マグネタイト等の酸化鉄;カーボンブラック等の顔料が挙げられる。この中でも、特にカーボンブラックの一つであるファーネスブラックとアセチレンブラックの混合物を用いることにより、少量の導電性微粉末の添加で効果的に導電性の調整が可能で、更に被覆層の耐摩耗性に優れたキャリアを得ることが可能となった。これらの導電性微粉末は、粒径0.01〜10μm程度のものが好ましく、被覆樹脂100重量部に対して2〜30重量部添加されることが好ましく、さらには5〜20重量部が好ましい。このような添加物質が樹脂皮膜中にあっても本発明の処理に特に影響はない。
また、キャリア被覆層中には核体粒子との接着性を向上させたり、導電性付与剤の分散性を向上させる目的でシランカップリング剤、チタンカップリング剤等を添加してもよい。
本発明に用いるシランカップリング剤としては、下記一般式(3)で示される化合物がある。
YRSiX3 ・・・一般式(3)
但し、Xはけい素原子に結合している加水分解基でクロル基、アルコキシ基、アセトキシ基、アルキルアミノ基、プロペノキシ基などがある。Yは有機マトリックスと反応する有機官能基でビニル基、メタクリル基、エポキシ基、グリシドキシ基、アミノ基、メルカプト基などがある。Rは炭素数1〜20のアルキル基またはアルキレン基である。
このシランカップリング剤の中でも、特に負帯電性を有する現像剤を得るには、Yにアミノ基を有するアミノシランカップリング剤が好ましく、正帯電性を有する現像剤を得るには、Yにエポキシ基を有するエポキシシランカップリング剤が好ましい。
本発明が対象とするキャリアは、実際には使用後の現像剤として回収される。これはトナーとキャリアの混合物であるが、この混合物の状態で超臨界処理してもよいが、容易に分離可能なトナーは予め分離する方が望ましい。この分離方法としてブローオフなどの静電的な処理を行なう方法:乾式法や純水等に界面活性材と浸し、超音波振動等のエネルギーを加え、分離してもよい。ただし、キャリアにスペント化したトナーは容易に分離できない。これについては、超臨界処理する前処理と組み合わせてもよい。
例えば、溶剤による洗浄や加熱処理を行なってもよい。しかし、超臨界処理の時点で多少のトナーが混入しても樹脂と芯材の分離は問題なく行なえるため、大きな問題とはならない。
本発明のキャリアを処理する超臨界水の場合、少なくとも温度:375℃・22MPa以上がよいが、好ましくは380℃〜420℃、圧力:22〜35MPaの範囲で適当に調整すればよいが、好ましくは温度:380〜400℃、圧力:25〜30MPaの範囲にある。これらの範囲の中で、更に好ましい範囲は、対象とするキャリアの被覆樹脂や芯材の構成により調整される。すなわち、被覆樹脂は迅速に分解するが、磁性体は変質しないような条件が適する。また、超臨界水の温度・圧力の条件は、できるだけ高い方が処理時間を短くできるため、可能な範囲で高温・高圧の条件が適する。この範囲は、例えば超臨界水の場合は380℃以上、25MPa以上の範囲である。
本発明が対象とする二成分現像剤は、トナー濃度が12%以下の二成分現像剤である。より好ましくはトナー濃度が5%以下の二成分現像剤である。12%を超える二成分現像剤を超臨界処理すると、超臨界水で分解させるトナーが増加するため、十分に被膜樹脂及びトナーを除去することができなくなる。また、超臨界処理後にトナーが残ってしまうと、トナーの残留樹脂成分によりキャリアとトナーが吸着してしまい、大きな凝集体を生成してしまい問題となる。また、十分に洗浄効果が得られないため、好ましくない。
本発明のキャリアの被覆樹脂と芯材を分離する方法においては、キャリアに含まれる被覆樹脂を一部分離するだけでもよい。すなわち、キャリアの劣化が表面近傍だけであれば、表面近傍の樹脂を除去するだけでもよい。また、超臨界水よる樹脂の分解は、キャリア粒子の表面側から進行するため、この分解度も処理時間などにより制御できる。
しかし、好ましい被覆樹脂の分離の割合は処理前の70%以上であり、より好ましくは80%以上、更に好ましいのは90%以上の範囲である。これは、特に処理後の芯材をバージン芯材と混合して被覆を施す場合、芯材との差が被覆後の現像剤の性能に影響するため、特に製造工程の安定化のためには、より高い被覆除去が望ましい。すなわち、より高い被覆除去がなされた処理後の芯材は、バージン芯材とまったく同じような製造条件で対応できるため、処理後の芯材を用いるにあたって特に対応を必要としない。
また、キャリアを超臨界処理した後、芯材を洗浄し付着物を除去する工程、及び、その後乾燥する工程を経ることにより、キャリアに用いられていた芯材は再び樹脂被覆することができる状態となる。芯材を洗浄し、付着物を除去する工程では、被覆樹脂を分離したキャリアの洗浄は、水中にマイクロバブルまたはナノバブル以下の微粒気泡を含有する界面活性剤含有水で洗浄処理することを特徴とする方法。
さらにまた、本発明のキャリアの被覆樹脂と磁性体を分離する方法は、処理の対象となるキャリアが少なくとも磁性体からなる芯材に少なくともシリコーン樹脂を主成分とした樹脂で構成された樹脂膜が被覆された構成であり、溶剤、酸や塩基、燃焼などのさまざまな分離手段に対し分離が困難なシリコーン被覆樹脂を超臨界状態の水で処理することにより磁性体を確実に分離する方法である。
前記以外の他方法として、例えば攪拌しながら芯材表面に機械的な摩擦を与えると、より確実に付着物を除去できる。その後、さらに超音波洗浄機などを用いてもよく限定されるものではない。
以下、実施例と比較例によって本発明を説明する。
本発明が対象とするキャリアの製造例を示す。
(キャリアの製造)
シリコーン樹脂(SR2400;東レダウコーニング社製) 45重量部
トルエン 150重量部
アルミナ (酸化アルミニウム;住友化学工業株式会社製) 5重量部
この被覆層形成液を使用済み現像剤:平均粒径50μmの球状フェライト1000重量部の表面に流動床型塗布装置を用いて被覆層を形成し、キャリア粒子を得た。その時の被覆層の膜厚は、0.3μmであった。これにキャリア粒子を93重量部と市販トナー(RICOH imagioトナー タイプ7)7重量部を混合して現像剤を得た。トナー濃度は7%であった。
複写機 imagio MPC5000(リコー社製)でこの現像剤を用いて、100万回の複写操作を行ない、使用後の現像剤を得た。この現像剤を複写機から取り出し、まず、ブローオフにより静電的にトナーを除去した。このときキャリア表面へのトナースペント量はごくわずかであった。これを処理サンプルとした。その後、キャリアを93重量部と市販トナーを7重量部混ぜ、トナー濃度が7%の現像剤を得た。
(超臨界水による分離処理)
SUS316製の耐圧容器(外径3/8、肉厚1.65mm、内容積10ml)に、処理現像剤サンプル:2.0重量部、電気伝導率が1.00μS・cmの水に過酸化水素を用いて調整した1.0%過酸化水素水と界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いて調整した0.5%界面活性剤水を投入した水を20.0重量部投入したのち容器を密閉した。ついで385℃に加熱された流動砂浴にこの反応容器を投入させた。これにより、反応容器内中の温度は385℃、圧力は25MPaに達する。30min後取り出し、氷水中に投入し急冷却した。
反応容器を開け反応物をガラス容器に取り出した。ガラス容器に取り出した反応物は、灰黒色の比較的大きな粒子が沈降しており、これがフェライト粒子であった。また、純水は白濁色に懸濁した状態であり、これがコート膜及びコート膜中のフィラーの粒子が溶出したものであった。また、ガラス壁面にわずかに油状成分が付着していた。
(超臨界条件の設定方法)
容器内の圧力は、以下に示す使用限度圧力表及び温度上昇時の使用限度圧力算定係数表から求めて設定した。すなわち、既に知られているように、圧力容器の耐圧性は、容器の径が大きくなると急激に低下するので、容器肉厚が多少増えただけでは耐圧性低下を完全に避けることが難かしい。使用容器内の圧力は、以下に示す表2の使用限度圧力表(表中の数字はM Pa)中の棒グラフ右の数値(M・Pa)に加えて、表3の温度上昇時の使用限度圧力算定係数表内容を勘案し、設定した。
表2は、使用限度圧力、表3は、温度上昇時の使用限度圧力算定係数を示した表である。
Figure 2012194449
Figure 2012194449

表中のハッチング部は、今回の実施例、比較例で使用時の値を示す。
(被覆樹脂分離後の洗浄方法)
反応物中から沈降している灰黒色粒子を取り出し、電気伝導率が0.91μS・cmの水(気泡粒径:2.5μm)にマイクロバブル噴射させながらオーバーフローさせ、超音波振動を10minかけながら攪拌羽根を回した。その処理を3回繰返し、その後100℃の恒温乾燥機で1時間乾燥し、評価サンプルを得た。被覆樹脂除去率は97%であった。磁気特性は、使用前のキャリア芯材からの変化率は0.7%であった。
また、電気特性は、使用前の芯材からの変化率はほとんどなく0.57%であった。
(磁性体と被覆樹脂の分離の評価)
[SEMによる表面観察]
評価サンプルに白金蒸着を行なった。走査型顕微鏡S−2400(日立製作所社製)で観察した。観察の条件は、加速電圧15KV、倍率2000倍である。その結果、評価サンプルAの表面からほぼシリコーン樹脂皮膜が除去分離され、芯材表面にはカス状の残留物は認められなかった。
評価基準は、コート前の芯材表面に近い状態のものを◎、やや樹脂カス状物が残存しているものを○、被覆樹脂が半分程度残留している状態のものを△、芯材表面が僅かに見える状態のものを△×、被覆樹脂が殆ど除去できず芯材表面が見えていない状態のものを×として評価した。
[水の電気伝導率計測]
本発明に使用した水の電気伝導率は電気伝導率計 ES-51 ハンディタイプ(HORIBA製)にて計測した。
純水の電気伝導率は、0.91μS・cmであった。また、超純水の電気伝導率は、0.50μS・cmであった。
[コート膜除去確認]
X線マイクロアナライザーEMAX2700(堀場製作所社製)により評価サンプルAの表面の元素分析を行なった。このときのSi及びAl元素の検出量と、キャリア粒子Aの検出量を比較し、次のような式でシリコーン樹脂の除去率を計算した。
Figure 2012194449
評価は、被覆樹脂が90%以上分離できているものを◎、80%以上90%未満分離できているものを○、被覆樹脂が65%以上80%未満分離できているものを△、被覆樹脂が30〜65%剥離できているものを△×、被覆樹脂の分離が30%以下のものを×として評価した。
[磁気特性評価]
膜除去処理による磁気特性変化を確認する為、磁気特性計測を実施した。測定器は、小型全自動振動試料型磁力計:VSM−C7−10A(東英工業株式会社製)にて飽和磁化、残留磁化、保持力の計測を行なった。
また、評価サンプルの磁気特性結果は、使用前のキャリア芯材の物性とほぼ同等値であった。
磁気特性評価は、コート前の芯材の飽和磁化値(1KOe印加時)に対し、変化率が1%未満のものを◎、変化率が1〜3%のものを○、変化率が3〜5%のものを△、変化率が5〜10%のものを△×、変化率が10%以上のものを×として評価した。
−電気特性評価−
膜除去処理による電気特性変化を確認する為、電気特性計測を実施した。測定は平行電極式の抵抗測定器により抵抗測定を行い1000V印加時の抵抗値の計測を行った。
電気特性評価は、コート前の芯材の抵抗値(1000V印加時)に対し、変化率が1%未満のものを◎、変化率が1〜3%のものを○、変化率が3〜5%のものを△、変化率が5〜10%のものを△×、変化率が10%以上のものを×として評価した。
〔マイクロバブル/ナノバブル粒径計測〕
気泡の平均粒径は、レーザー回折/散乱式の粒度測定装置(東日アプリケーションズ株製 LDSA3400A)にて測定した。粒径はヒストグラム法により算出した。
SUS316製の耐圧容器にトナー濃度が3%の現像剤を2.0重量部、電気伝導率が0.91μS・cmの水と過酸化水素及び界面活性剤を用いて調整し、それぞれ0.5重量%、0.05重量%の水を8.0重量部投入し、以下実施例1と同様の超臨界処理を行った。その後、反応物中から沈降している灰黒色粒子を取り出し、電気伝導率が0.91μS・cmの水(気泡粒径:2.5μm)にマイクロバブル噴射させながらオーバーフローさせ、付着物を槽外へ排出させるよう超音波振動を10minかけながら攪拌羽根を回した。その処理を3回繰返し、その後100℃の恒温乾燥機で1時間乾燥し、評価サンプルを得た。
その結果、評価サンプルの電子顕微鏡写真からはほとんどのシリコーン樹脂が除去されていた。また、膜除去率は93%であった。磁気特性は、使用前の芯材からの変化率はやや変動し0.76%であった。
電気特性は、使用前の芯材からの変化率もやや変動し0.89%であった。
得られたサンプルを用いて、実施例にしめされる処方、コート方法により、再被覆キャリアを得た。このキャリアを93重量部と市販トナー(RICOH imagioトナー タイプ7)7重量部を混合して現像剤を得た。この時の現像剤物性は、リコー内の出荷時基準を満たしており、問題なかった。
ついで複写機imagio MPC5000(リコー社製)でこの現像剤を用いて、100万回の複写操作を行ない、使用後の現像剤を得た。この現像剤を複写機から取り出し、まず、ブローオフにより静電的にトナーを除去した。このときキャリア表面へのトナースペント量はごくわずかであり、耐久特性を含め問題となる品質事項はなかった。
キャリアを95重量部と市販トナーを5重量部混ぜ、トナー濃度が5重量%の現像剤を得た。その後、SUS316製の耐圧容器に現像剤を2.0重量部、電気伝導率が0.91μS・cmの水に過酸化水素を用いて調整した5.0重量%過酸化水素水、界面活性剤を用いて調整した3.0重量%界面活性剤水を40重量部投入し、実施例1と同様に処理を行った。
その後、反応物中から沈降している灰黒色粒子を取り出し、電気伝導率が0.91μS・cmの水(気泡粒径:2.5μm)にマイクロバブル噴射させながらオーバーフローさせ、付着物を槽外へ排出させるよう超音波振動を10minかけながら攪拌羽根を回した。その処理を3回繰返し、その後100℃の恒温乾燥機で1時間乾燥し、評価サンプルを得た。
その結果、評価サンプルは、電子顕微鏡写真からかなりシリコーン樹脂が除去されていた。また、膜除去率は95%であった。磁気特性は、使用前の芯材からの変化率はやや変動し2.10%であった。電気特性は、使用前の芯材からの変化率もやや変動し1.96%であった。
キャリアを95重量部と市販トナーを5.0重量部混ぜ、トナー濃度が5%の現像剤を得た。その後、SUS316製の耐圧容器に現像剤を2.0重量部、電気伝導率が0.91μS・cmの純水と過酸化水素を用いて調整した1.0重量%過酸化水素水、界面活性剤を用いて調整した1.0重量%界面活性剤水を14.0重量部投入し、容器を密閉した。ついで385℃に加熱された流動砂浴にこの耐圧容器を投入した。これにより、反応容器内中の温度は385℃、圧力は25MPaに達する。30min後取り出し、氷水中に投入し急冷却した。その後、実施例1と同様の洗浄処理をおこない評価サンプルを得た。
その後、反応物中から沈降している灰黒色粒子を取り出し、電気伝導率が0.91μS・cmの水(気泡粒径:2.5μm)にマイクロバブル噴射させながらオーバーフローさせ、付着物を槽外へ排出させるよう超音波振動を10minかけながら攪拌羽根を回した。その処理を3回繰返し、その後100℃の恒温乾燥機で1時間乾燥し、評価サンプルを得た。
その結果、評価サンプルは、電子顕微鏡写真からかなりシリコーン樹脂が除去されていた。また、膜除去率は88%であった。磁気特性は、使用前の芯材からの変化率はやや変動し1.90%であった。電気特性は、使用前の芯材からの変化率も変動し1.75%であった。
キャリアBを89.0重量部と市販トナーを11.0重量部混ぜ、トナー濃度が11%の現像剤を得た。
SUS316製の耐圧容器に現像剤を2.0重量部、電気伝導率が0.05μS・cmの超純水と過酸化水素を用いて調整した1.0重量%過酸化水素水と界面活性剤を用いて調整した1.0重量%界面活性剤水を20.0重量部投入し、実施例1と同様の処理を行い、評価サンプルを得た。
その後、反応物中から沈降している灰黒色粒子を取り出し、電気伝導率が0.91μS・cmの水に界面活性剤を用いて調整した1.0重量%界面活性剤水に浸漬させ、超音波振動を10minかけながら攪拌羽根を回した。処理終了後は、上澄み液を除去した。その処理を3回繰返し、その後100℃の恒温乾燥機で1時間乾燥し、評価サンプルを得た。
その結果、評価サンプルは、電子顕微鏡写真からかなりシリコーン樹脂が除去されていた。また、膜除去率は86%であった。磁気特性は、使用前の芯材からの変化率は変動し2.57%であった。電気特性は、使用前の芯材からの変化率もやや変動し3.14%であった。
実施例1の処理サンプルの現像剤中のトナー濃度を15%に替えた他は、実施例1の条件で、30min間処理しサンプルを得た。
その後、反応物中から沈降している灰黒色粒子を取り出し、電気伝導率が0.91μS・cmの水に浸漬させ、超音波振動を10minかけながら攪拌羽根を回した。処理終了後は、上澄み液を除去した。その処理を3回繰返し、その後100℃の恒温乾燥機で1時間乾燥し、評価サンプルを得た。
その結果、評価サンプルは、若干のトナー凝集が残留していた。また、膜除去率は71%であった。磁気特性は、使用前の芯材からの変化率はやや変動し2.9%であった。電気特性は、使用前の芯材からの変化率もやや変動し5.37%であった。
SUS316製の耐圧容器に、トナー濃度5%の現像剤を2.0重量部、電気伝導率が0.05μS・cmの水に過酸化水素を用いて調整した1.0重量%過酸化水素水と界面活性剤を用いて調整した0.1重量%界面活性剤水を投入調整後、10.0重量部投入し、実施例1の超臨界条件の温度を440℃、耐圧容器内圧力を35MPaに替えた他は実施例1と同様の処理を行い、評価サンプルを得た。
その結果、評価サンプルは、電子顕微鏡写真から実施例1のときと同様に芯材表面からほぼシリコーン樹脂皮膜又はトナーが除去分離され、芯材表面にはカス状の残留物は認められなかった。また、膜除去率は81%であった。磁気特性は、使用前の芯材からの変化率はやや変動し2.29%であった。電気特性は、使用前の芯材からの変化率もやや変動し3.37%であった。
SUS316製の耐圧容器に、トナー濃度7%の現像剤を2.0重量部、電気伝導率が0.91μS・cmの水と過酸化水素を用いて調整した1.0重量%過酸化水素水と界面活性剤を用いて調整した1.0重量%界面活性剤水を投入調整後、14.0重量部投入し、処理時の温度を400℃、圧力を30MPaに設定し、その他は実施例1と同様の処理を行なった。
その後、反応物中から沈降している灰黒色粒子を取り出し、電気伝導率が0.91μS・cmの水(気泡粒径:2.5μm)にマイクロバブル噴射させながらオーバーフローさせ、付着物を槽外へ排出させるよう超音波振動を10minかけながら攪拌羽根を回した。その処理を3回繰返し、その後100℃の恒温乾燥機で1時間乾燥し、評価サンプルを得た
その結果、評価サンプルHは、電子顕微鏡写真から実施例1のときと同様に芯材表面からほぼシリコーン樹脂皮膜又はトナーが除去分離され、芯材表面にはカス状の残留物は認められなかった。また、膜除去率は82%であった。磁気特性は、使用前の芯材からの変化率は変動し2.10%であった。電気特性は、使用前の芯材からの変化率もかなり変動し2.79%であった。
SUS316製の耐圧容器に、トナー濃度5%の現像剤を2.0重量部、電気伝導率が0.91μS・cmの水に過酸化水素を用いて調整した1.0重量%過酸化水素水と界面活性剤を用いて調整した1.0重量%界面活性剤水を投入調整後、4.0重量部投入し、その他は実施例1と同様の処理を行なった。
その後、反応物中から沈降している灰黒色粒子を取り出し、電気伝導率が0.91μS・cmの水(気泡粒径:2.5μm)にマイクロバブル噴射させながらオーバーフローさせ、付着物を槽外へ排出させるよう超音波振動を10minかけながら攪拌羽根を回した。その処理を3回繰返し、その後100℃の恒温乾燥機で1時間乾燥し、評価サンプルを得た
その結果、評価サンプルは、電子顕微鏡写真から実施例1のときと同様に芯材表面からほぼシリコーン樹脂皮膜又はトナーが除去分離され、芯材表面にはカス状の残留物は認められなかった。また、膜除去率は68%であった。磁気特性は、使用前の芯材からの変化率は変動し3.10%であった。電気特性は、使用前の芯材からの変化率もかなり変動し2.80%であった。
SUS316製の耐圧容器に、トナー濃度5%の現像剤を2.0重量部、電気伝導率が0.05μS・cmの水に過酸化水素を用いて調整した0.5重量%過酸化水素水と界面活性剤を用いて調整した0.5重量%界面活性剤水を投入調整後、50重量部投入し、実施例1と同様の処理を行い、評価サンプルを得た。
その後、反応物中から沈降している灰黒色粒子を取り出し、電気伝導率が0.91μS・cmの純水に界面活性剤を用いて調整した1.0重量%界面活性剤水中に浸漬させ、超音波振動を10minかけながら攪拌羽根を回した。処理終了後は、上澄み液を除去した。その処理を3回繰返し、その後100℃の恒温乾燥機で1時間乾燥し、評価サンプルを得た。
その結果、評価サンプルは、電子顕微鏡写真から実施例1のときと同様に芯材表面からほぼシリコーン樹脂皮膜又はトナーが除去分離され、芯材表面にはカス状の残留物は認められなかった。また、膜除去率は97%であった。磁気特性は、使用前の芯材からの変化率は変動し1.18%であった。電気特性は、使用前の芯材からの変化率もかなり変動し1.72%であった。
<比較例1>
SUS316製の耐圧容器に、トナー濃度5%の現像剤を2.0重量部、電気伝導率が0.91μS・cmの水に過酸化水素を用いて調整した1.0重量%過酸化水素水と界面活性剤を用いて調整した1.0重量%の界面活性剤水を投入調整後、10.0重量部投入し、サンプル処理条件の温度を320℃、圧力を15MPaに替えた以外は、実施例1と同様にして評価サンプルを得た。この評価サンプルは走査型顕微鏡の観察結果は、粒子表面のシリコーン樹脂はほとんど除去されていなく被覆除去率は32%とかなりわるかった。また、磁気特性結果は、使用前のキャリア芯材の物性に比べ変化が大きく8.9%低下していた。電気特性は、使用前の芯材からの変化が11.3%と変動が大きく変化していた。
<比較例2>
実施例1の超臨界水を電気伝導率が0.91μS・cmの水のみとして過酸化水素水と界面活性剤を除いた他は実施例1と同様にし、評価サンプルを得た。このサンプルは走査型顕微鏡の観察結果は、粒子の表面にはまだシリコーン樹脂とまたはフィラーの残留物と思われる残渣が残存していた。また、膜除去率は83%と良好であった。磁気特性は、使用前のキャリア芯材からの変化率は6.1%とやや低下が大きかった。電気特性は、使用前の芯材からの変化率が25%と大きく変化してしまった。
<比較例3>
実施例1の超臨界処理する水を電気伝導率が178μS・cmの水道水に替えた他は同様にして実施例1の超臨界処理条件で、30min間被覆膜除去処理した。実施例1と同様にして、評価サンプルを得た。その結果、評価サンプルの走査型電子顕微鏡写真から、被覆樹脂はキャリア芯材の表面にはかなり除去されていた。膜除去率は、80%良好であった。磁気特性は、使用前のキャリア芯材からの変化率は5.1%と変化が大きかった。また、電気特性についても使用前の芯材からの変化率が8.9%と大きく変化してしまった。
<比較例4>
実施例1と同様にして得た処理サンプルの洗浄時、超音波振動は照射せず、撹拌のみで洗浄を行った以外は実施例1の条件で行ない評価サンプルを得た。このサンプルの走査型顕微鏡の観察結果は、粒子の表面にはまだ多くのシリコーン樹脂が残存している。膜除去率は、53%とかなり悪かった。磁気特性は、使用前のキャリア芯材の物性からの変化率は11.7%と大きく低下し、芯材の規格を外れていた。また、電気特性についても使用前の芯材からの変化率が10.5%と大きく変化していた。
表4は、キャリア芯材及びキャリアの処理条件および物性評価結果一覧、表5は物性評価一覧を示した表である。
Figure 2012194449
Figure 2012194449
1 マイクロバブル/ナノバブル発生器、
2 加圧液(水)供給部、
3 加圧空気供給部、
4 気液混合部、
5 気液混合液(マイクロorナノバブル液)送液ポンプ、
6 ナノバブル/マイクロバブルスットクタンク、
7 超音波発振器、
8 被覆樹脂分離後の芯材、
9ナノバブル/マイクロバブル液攪拌羽根
特開平05−127432号公報 特開平05−216282号公報 特開平05−216283号公報 特開平05−197211号公報 特開平07−114221号公報 特開平08−87137号公報 特開平06−194881号公報 特開昭62−61948号公報 特開平6−149132号公報 特開昭47−12286号公報 特開平05−31000号公報 特開平10−24274号公報 特開平9−111249号公報 特開平2007−206614号公報 特許第4244197 特開平10−80674号公報 特開平10−87873号公報
平成9年度「ニューサンシャイン計画」先導研究開発エネルギー・産業技術総合開発機構委託超臨界流体利用技術先導研究開発成果報告書

Claims (11)

  1. 少なくとも芯材と被覆樹脂から構成される電子写真用キャリアと、電子写真用トナーから構成される電子写真用現像剤を、酸化剤と界面活性剤を電気伝導率1.00μS・cm以下(25℃)の水に添加し、超臨界状態とした超臨界水により電子写真用現像剤から芯材被覆樹脂とトナーを分離する超臨界水処理工程と、該現像剤から該超臨界水により被覆樹脂と該トナーを分離して得た芯材上の残留物を除去する除去工程とを含み、該残留物除去工程は、電気伝導率1.00μS・cm以下(25℃)の水にマイクロバブルまたはナノバブルを噴射しながら攪拌しながら洗浄する工程、もしくは得られた芯材上の残留物を、界面活性剤を含有した電気伝導率1.00μS・cm以下(25℃)の水に超音波を照射しながら攪拌する工程により洗浄するものであることを特徴とする電子写真用現像剤のキャリア被覆樹脂及びトナーの洗浄分離方法。
  2. 前記超臨界水処理条件は温度が375℃以上、圧力が22MPa以上の超臨界範囲であることを特徴とする請求項1記載の電子写真用現像剤のキャリア被覆樹脂及びトナーの洗浄分離方法。
  3. 前記電子写真用現像剤のトナー濃度が12%以下の範囲で処理することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用現像剤のキャリア被覆樹脂及びトナー洗浄分離方法。
  4. 前記電子写真現像剤の重量1に対し、前記超臨界水が重量が3以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真用現像剤のキャリア被覆樹脂及びトナー洗浄分離方法。
  5. 前記酸化剤は1重量%以上15重量%以下の過酸化水素濃度を有していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真用現像剤のキャリア被覆樹脂及びトナー洗浄分離方法。
  6. 前記超臨界処理時の界面活性剤は0.05重量%以上3.0重量%以下の濃度を有し、且つ洗浄時の界面活性剤は0.02重量%以上2.0重量%以下の濃度であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真用現像剤のキャリア被覆樹脂及びトナー洗浄分離方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の電子写真用現像剤のキャリア被覆樹脂及びトナー分離及び洗浄方法により前記電子写真用現像剤から前記キャリア被覆樹脂及び前記トナーを分離し、得られた芯材を回収し洗浄・乾燥した後、この芯材に樹脂を再被覆して再使用することを特徴とする芯材リサイクル方法。
  8. 請求項7に記載の電子写真用芯材に樹脂が再被覆されてなることを特徴とする電子写真用キャリアリサイクル方法。
  9. 請求項8に記載の電子写真用キャリアリサイクル方法により得られたことを特徴とする電子写真用キャリア。
  10. 請求項9に記載の電子写真用キャリアと、電子写真用トナーから構成されてなることを特徴とする電子写真用現像剤。
  11. 請求項9に記載の電子写真用キャリアと、電子写真用トナーから構成されてなることを特徴とする電子写真用現像剤。
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