JP2002243737A - 抗スフィンゴ脂質モノクローナル抗体 - Google Patents
抗スフィンゴ脂質モノクローナル抗体Info
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Abstract
シン−1−リン酸から選択される一種のスフィンゴ脂質
を測定する免疫学的測定法を提供する。 【解決手段】 本発明の免疫学的測定法は、セラミド、
スフィンゴシンおよびスフィンゴシン−1−リン酸と特
異的に反応し、他のスフィンゴ脂質とは交差反応しない
モノクローナル抗体を使用することを特徴とする。
Description
識する抗体および該抗体を利用する免疫学的測定方法に
関する。広義のスフィンゴ脂質は長鎖塩基であるスフィ
ンゴイドを持つ脂質の総称であり、狭義のスフィンゴ脂
質とリゾスフィンゴ脂質とに分類される。狭義のスフィ
ンゴ脂質にはセラミド、およびその類縁体であるスフィ
ンゴ糖脂質、スフィンゴリン脂質(スフィンゴホスホノ
リピドを含む)があり、リゾスフィンゴ脂質にはスフィ
ンゴシン(Sph)などがある。
均一な鎖長の長鎖脂肪酸が酸アミド結合したセラミド構
造を共通骨格として持ち、下等動物から高等動物まで広
く分布している。スフィンゴ脂質は近年、細胞表層の構
成成分であるだけでなく、細胞の増殖、分化誘導、アポ
トーシス等の生物活性において重要な役割を果たしてい
ることが明らかにされつつある。
およびその生理学的に活性な誘導体であるスフィンゴシ
ン−1−リン酸(S1P)における細胞および血清のよう
な生物学的試料中での動態を知ることは、生体内情報伝
達システムの解明に役立つばかりでなく、種々の疾病の
病態解明の糸口になる可能性がある。例えばCer量の変
化は白血病などの造血器腫瘍や変性神経系疾患の病態に
関与している可能性があり(Int. J. Hematolo. 65,40(1
997))、Sphは高濃度で非特異的毒性をもちネクローシス
を誘導する(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92,8970-74(1
995))。また、S1Pに特異的な5種類のG蛋白質共役型細
胞膜受容体が各細胞に発現していることが報告されてお
り、各受容体とその下流の情報伝達の解析が行われてい
る。
は認識されているものの、それらが生物学的試料中に微
量にしか存在しないため、これらを測定することは困難
であった。これまでに存在するCerを検出し定量する方
法として、ESI-MS/MS(Electro Spray Ionization Tande
m Mass Spectrometry, J. Lipid. Res. 40,1539-46(199
9))やHPLC(Anal. Biochem. 276,242-50(1999))を用いた
方法、および疎水性の強いCerを大腸菌由来のジアシル
グリセロールキナーゼ(diacylglycerol kinase, DGK)と
[γ-32P]ATPを用いてリン酸化し、得られた放射能標識
セラミド−1−リン酸を基に微量のCerを定量すること
が知られている(Biochem. Mol. Biol. Int. 36,21-30(1
995))。一方、SphまたはS1Pを検出し測定する方法とし
て、LC/MS/MS(Liquid Chromatograpy/ionspray tandem
mass spectrometry, Anal. Biochem. 244,291-300(199
7))やHPLC(Anal. Biochem. 276,242-50(1999)前出)を用
いた方法や、放射能標識した無水酢酸を用いてN−アセ
チル化することにより微量のSphおよびS1Pを定量する方
法が知られている(Anal. Biochem. 222,489-494(199
4)、同誌230,315-320(1995)、特表平11-513110)。
常に高価な装置が必要であるうえ、取り扱いには専門的
知識が必要である。またHPLCでは測定範囲がnmolレンジ
と感度が低く比較的大量の試料を必要とする。またDGK
法やN−アセチル化による放射標識法はその処理が煩雑
であるばかりでなく、一連の操作に少なくとも二日間以
上を要する。このため簡単な操作でかつ短時間に生物学
的試料中のスフィンゴ脂質を検出し定量する手段が求め
られていた。
便な操作で高い感度と精度を達成することができる優れ
た分析手段であり、生体内のスフィンゴ脂質動態の研究
をさらに進めるためにスフィンゴ脂質の免疫学的な測定
を実現することが強く望まれている。スフィンゴ脂質を
認識する抗体はその研究を進める上で重要なツールとな
り、抗体が提供されればそれらスフィンゴ脂質の免疫測
定、あるいは組織・細胞染色等に有用である。しかしな
がら、スフィンゴ脂質のうちスフィンゴシンおよびスフ
ィンゴシン−1−リン酸に対する抗体は未だ報告されて
いない。またセラミドに対するモノクローナル抗体は既
に市販されているが(ALEXIS BIOCHEMICALS, Monoclona
l Antibody to Ceramide (MID 15B4))、このものはセ
ラミドとの構造類似体であるグルコシルセラミドと交差
反応してしまい、特異性が十分ではない。そのためセラ
ミドの免疫学的な測定方法は現在のところ実現していな
い。
r)、スフィンゴシン(Sph)およびスフィンゴシン−1
−リン酸(S1P)をそれぞれ特異的に認識する抗体およ
び該抗体を利用する免疫学的測定方法を提供する。よっ
て本発明は、Cer、SphおよびS1Pをそれぞれ特異的に認
識する新規な抗体の提供を通じ、たとえば酵素免疫学的
測定法のような簡便かつ高感度なCer、SphおよびS1Pの
定量系の実現を可能とする。
ン−1−リン酸から選択される一種のスフィンゴ脂質を
測定する免疫学的測定法であって、該一種のスフィンゴ
脂質と特異的に反応し、他のスフィンゴ脂質とは交差反
応しないモノクローナル抗体を使用することを特徴とす
る、免疫学的測定法; (2) 生物学的試料中のセラミド、スフィンゴシンお
よびスフィンゴシン−1−リン酸から選択される一種の
スフィンゴ脂質を測定する免疫学的測定法であって、生
物学的試料を採取し、該生物学的試料に含まれる総脂質
を抽出し、次いで該一種のスフィンゴ脂質と特異的に反
応し、他のスフィンゴ脂質とは交差反応しないモノクロ
ーナル抗体を使用するTLC酵素免疫測定法を行い、いず
れかの抗体で染色されるスポットを検出することを特徴
とする方法。
スフィンゴシン−1−リン酸から選択される一種のスフ
ィンゴ脂質と特異的に反応し、他のスフィンゴ脂質とは
交差反応しないモノクローナル抗体、好ましくはセラミ
ドと特異的に反応し、スフィンゴシン(Sph)、スフィン
ゴシン−1−リン酸(S1P)、スフィンゴミエリン(SM)、
リゾスフィンゴミエリン(LSM)、セレブロシド(CB)、グ
ルコシルセラミド(Glu-Cer)、セラミド−1−リン酸(C1
P)、ホスファチジルセリン(PS)、リゾホスファチジルコ
リン(LPC)およびリゾホスファチジルエタノールアミン
(LPE)とは交差反応しないモノクローナル抗体、スフィ
ンゴシンと特異的に反応し、スフィンゴシン−1−リン
酸(S1P)、スフィンゴミエリン(SM)、セラミド(Cer)、セ
レブロシド(CB)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファ
チジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(P
E)およびリゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)と
は交差反応しないモノクローナル抗体、あるいはスフィ
ンゴシン−1−リン酸と特異的に反応し、スフィンゴシ
ン(Sph)、スフィンゴミエリン(SM)、リゾスフィンゴミ
エリン(LSM)、セラミド(Cer)、セレブロシド(CB)、セラ
ミド−1−リン酸(C1P)、ホスファチジルセリン(PS)、
リゾホスファチジルコリン(LPC)およびリゾホスファチ
ジルエタノールアミン(LPE)とは交差反応しないモノク
ローナル抗体であり、より好ましくは受託番号FERM P-1
8183、受託番号FERM P-18184または受託番号FERM P-181
85のハイブリドーマの特性を有するハイブリドーマ細胞
系によって産生されるモノクローナル抗体;
生するハイブリドーマ;および (5) 本発明のモノクローナル抗体を構成試薬として
含む、セラミド、スフィンゴシンおよびスフィンゴシン
−1−リン酸から選択される一種のスフィンゴ脂質を特
異的に測定するための試薬キット、に関する。
脂質自体が低分子量であるうえに、蛋白質等のような種
による差がないため、その抗原性が低く抗体を得ること
が困難であるという問題があった。本発明者らは、リン
脂質抗体等の作製で用いられているリポソーム免疫法に
よって抗原性を上昇させ、Cer、SphおよびS1Pそれぞれ
に対し特異的に結合する各モノクローナル抗体の作製に
成功した。
する免疫方法等、当業者に周知の手法によって調製する
ことができる。目的スフィンゴ脂質をリポソームに組み
込んで免疫原とする方法は例えば、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 85,9057-9061(1988)またはVaccine,14,898-404(1
996)に詳細が説明されている。
の上昇を確認したところでモノクローナル抗体を作製す
る。モノクローナル抗体は、抗体産生細胞をクローニン
グすることにより得ることができる。一般的には、免疫
動物から回収した抗体産生細胞をFO等のマウス由来のミ
エローマ細胞と細胞融合させることによってハイブリド
ーマとし、産生される抗体の活性を指標としてスクリー
ニングを行う。HAT選択法によって選択されたハイブリ
ドーマは、まずその培養上清中に含まれる抗体の目的の
スフィンゴ脂質に対する結合活性を指標としてスクリー
ニングを行う。次いで目的スフィンゴ脂質への結合活性
を持つ抗体について他の脂質に対する交差反応性の試験
を行い、目的脂質に対する結合活性が他の脂質に対する
結合活性に比べて有意に高い抗体を培養上清に含むハイ
ブリドーマを選択する。さらに限界希釈法によるクロー
ニングを行い、クローンが産生する抗体について他の脂
質抗原への交差反応性を調査し、許容できる交差反応性
を示す抗体を産生するクローンを選択する。許容できる
交差反応性とは、目的とする抗体の用途において、無視
しうる程度の交差反応性を意味する。たとえば、免疫学
的な測定に用いるためのモノクローナル抗体であれば、
最終的な測定系において交差反応によるシグナルがバッ
クグランドレベルに抑えられれば、事実上交差反応しな
いということができる。
確認するには、ドットブロット法を利用する。ドットブ
ロット法では96穴丸型ウェルのドットブロッティング装
置を用いると、ELISA法と同様の操作が行えて有利であ
る。ドットブロット法では反応を観察すべき脂質抗原を
感作したPVDF(ポリビニリデンフルオライド)膜を、ド
ットブロッティング装置に装着し、これにハイブリドー
マの培養上清を適当に希釈した試料を加えて反応させ
る。十分に反応させた後に膜を洗浄し、免疫グロブリン
に対する二次抗体をさらに反応させる。最終的に膜に結
合した二次抗体を測定すれば、培養上清中に存在する抗
体の抗原に対する結合活性を定量的に知ることができ
る。
に類似するスフィンゴ脂質を挙げることができる。ある
いは、部分構造が共通な類似物質についても交差反応性
を確認しておくと良い。詳細は実施例を参照。交差反応
性を確認する手段としては、上記ドットブロット法の他
に、一般に脂質分析に用いられるTLCを用いたTLC酵素免
疫測定法が有効である。TLC酵素免疫測定法に用いる薄
層板としては、プラッスチックにシリカゲルを吸着させ
た、POLYGRAM SIL G(MACHEREY-NAGEL社:805013)等が
ガラス板プレートの薄層板に比べ、プレート、吸着層と
もに薄く取り扱いが有利である。TLC酵素免疫測定法で
は反応を観察すべき脂質をスポットし、適当な展開溶媒
を用いて脂質を展開する。これにハイブリドーマの培養
上清を適当に希釈した試料を加えて反応させる。十分に
反応させた後にTLCを洗浄し、免疫グロブリンに対する
二次抗体をさらに反応させる。最終的にTLC上の脂質存
在部位に結合した二次抗体を測定すれば、培養上清中に
存在する抗体の抗原に対する結合活性を知ることができ
る。
ィンゴ脂質を本発明モノクローナル抗体により測定する
には例えばTLC酵素免疫測定法を使用する。TLC酵素免疫
測定法としては、まず生物学的試料より抽出した脂質画
分をTLC上にスポットし、適当な展開溶媒を用いて分離
した後に、本発明抗体と反応させる。十分に反応させた
後にTLCを洗浄し、免疫グロブリンに対する二次抗体を
さらに反応させる。最終的にTLC上の脂質存在部位に結
合した二次抗体を測定すれば、試料中に存在する抗原に
対する本発明抗体の結合活性を定量的に知ることができ
る。たとえば化学発光法により前記二次抗体を測定する
際に、ルミイメージャー(ロシュ社:1 901 800)を用い
ることで定量することも可能である。ルミイメージャー
はマイクロプレートでも膜等でも測定できる。免疫学的
測定法のための生物学的試料は、液状のもののみならず
固体試料であっても良い。たとえば、組織標本を対象と
して、免疫染色を行ってCer、SphやS1Pの局在を観察す
ることができる。
明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものでは
ない。
のセラミド(Doosan Serdary Reserch Laboratories,"C
ermides,Natural mixture,bovine brain" code:A-45)
を用い、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85,9057-9061(1988)
を参考にしDMPC、コレステロール、リピドAとともにリ
ポゾームを調製して免疫原とする。DMPC:コレステロー
ル:リピドA:Cer=1:1.5:0.08:1のモル比となるように各
脂質液をガラス試験管内で混合し、窒素気流下で乾固し
た。次いで、Cer250μgを含む混合脂質(一回分)にリ
ン酸緩衝生理食塩水(PBS)を加え、超音波処理により作
製したリポソームを免疫原とした。
とフットパット(初回のみ)に2週間おきに数ヶ月免疫
し、抗体価の上昇したマウスについて、その脾臓細胞を
ミエローマ細胞P3-X63-Ag8と融合しハイブリドーマを作
製した。HAT選択後、生存しているハイブリドーマの培
養上清中に含まれる抗体の、Cerに対する結合活性を以
下のドットブロット法により測定し、それを指標にスク
リーニングを行った。まず、ポリビニリデンフルオライ
ド(PVDF)膜をクロロホルム:メタノール1:2の割合
に調製した溶媒で、Cerを200μg/mlになるように調製し
た抗原液に浸して乾燥させる。十分に乾燥させた後に、
3%スキムミルク,1% PVP-25(ポリビニルピロリドン25:
ナカライテスク,code283-16)を含むPBSでブロッキング
を室温で2時間行った。
イオドット(BIO-RAD社:170-6545)に装着し、各ウエル
にハイブリドーマの培養上清50μlを加え、室温で1時
間インキュベートした。反応液を除去し、PVDF膜をバイ
オドットより取り外し、0.05% Tween20含有PBS(pH7.4)
で洗浄して、二次抗体(アルカリホスファターゼ標識抗
マウスIgG+IgM(H+L)(ヤギ由来、Jackson Immuno Resea
rch Laboraries, Inc.:code JIR 115-055-068)を1%BSA
/PBSで1/7000に希釈したものを加え、室温で30分間イン
キュベートした。二次抗体の反応後、未反応の抗体を除
去して再度Tween20含有PBSで洗浄し、BCIP-NBT(5-ブロ
モ-4-クロロ-3-インドリルホスフェート-4-ニトロ・ブ
ルー・テトラゾリウム・クロライド:ナカライテスク)
溶液を加えて、膜上に残ったアルカリホスファターゼの
活性を検出した。次いで、結合活性が陽性であったハイ
ブリドーマについて、その培養上清中に含まれる抗体の
他の脂質との交差反応性をドットブロット法により調べ
た。S1PおよびDG(ジアシルグリセロール、卵由来、DOOS
AN SERDARY RESEARCH LABORATORIES; code SRL A-22)と
の反応性を調べ、Cerに対する結合活性が他の脂質に比
べて有意に高いものを選択し、限界希釈法によるクロー
ニングを行った。このスクリーニングの結果、Cerのみ
に反応する抗体を産生する1クローンを樹立し、このク
ローンをNHCER-2と命名した。クローンNHCER-2は、茨城
県つくば市東1丁目1番3号に住所を有する産業技術総
合研究所生命工学工業技術研究所に寄託番号FERM P-181
83(寄託日:平成13年1月26日)として寄託されて
いる。クラス分析により、クローンNHCER-2が産生するC
erに特異的なモノクローナル抗体(以下、特に断りのな
い限り、抗体NHCER-2という)はIgMクラスに属すること
が判明した。
HCER-2の特異性検討 実施例1にて得られた抗体NHCER-2について、TLC酵素免
疫測定法によりさらにその反応性を詳細に検討した。検
討に先立って、ハイブリドーマNHCER-2を大量培養し、
その培養上清から硫安画分により免疫グロブリンを精製
し、モノクローナル抗体NHCER-2を調製した。特異性検
定に用いた脂質は以下の通りである。 スフィンゴシン(Sph)(ウシ脳由来): スフィンゴシン−1−リン酸(S1P)(合成品): スフィンゴミエリン(SM)(ウシ脳由来): リゾスフィンゴミエリン(LSM)(ウシ脳由来): セレブロシド(CB)(ウシ脳由来): グルコシルセラミド(Glu-Cer)(Gaucher病患者の脾臓細
胞由来): セラミド−1−リン酸(C1P)(ウシ脊髄由来): ホスファチジルセリン(PS)(ウシ脳由来): リゾホスファチジルコリン(LPC)(ブタ肝臓由来): リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)(ブタ肝臓
由来):
ートに上記の各脂質を500ngずつスポットし、展開後に
0.4% ポリ(イソブチルメタクリレート)(PIM)のヘキサ
ン溶液に浸しポリマー化を行った。このポリマー化操作
は、抗体溶液や洗浄液に浸している間に脂質がTLCプレ
ートから溶け出さないようにするのが主な目的である。
1%卵製アルブミン、1% PVP-25を含むPBSでブロッキング
を行い、濃度30μg/mlの抗体NHCER-2液と室温にて1時
間反応させた。0.1%Tween20含有トリス緩衝生理食塩水
(pH7.4, 以下TBS)で十分洗浄した後、アルカリホスフ
ァターゼ標識抗マウスIgM(μCHAIN)(ヤギ由来、ICN Ph
armaceuticals, Inc.: code 59295)を1% 卵製アルブミ
ン/0.1%Tween20/TBSで1/5000に希釈した溶液と室温1時
間反応させた。0.1%Tween20含有TBSで十分洗浄した後
に、基質液(BCIP-NBT)を加え、発色反応を行った。同時
に別のTLCプレートに上記の各脂質を2μg ずつスポッ
トし、同一条件にて展開後、モリブデン−硫酸試薬によ
り発色反応を行い、各脂質の移動位置を確認した。その
結果、TLC酵素免疫染色において、Cerのみが発色したス
ポットとして検出された。得られた結果を図1および図
2に示す。
1(1)および(2)に示されている。図1および図2
は、Cerと構造が類似しているC1P(Cerにリン酸が結合
した脂質)、Glu-Cer(Cerにグルコースが結合した脂
質)およびCB(Cerにガラクトースが結合した脂質)が
全く染色されず[図1(2)および(3)参照]、抗体NHCER-
2がこれらとは交差反応しないことを示している。またS
ph[図2参照]、S1P、SMおよびLSMという天然スフィンゴ
脂質とも反応しなかった[図1(1)参照]。さらにLPC、L
PEおよびPSという天然リン脂質とも反応しなかった[図
1(1)参照]。
も物理的性質が異なるため、以下の一次元多重展開を行
った。 一回目: C/M/W=85/15/1 Cer以外はほ
とんど移動しない 二回目: C/M/W=65/35/7 Cer以外を移
動させるため (2)C1P,Glu-Cer,CB: C/M/W=85/15/1 (3)Cerと構造が最も類似するC1Pについて、(2)の
展開条件では十分な分離が得られていないので、以下の
展開溶媒にてC1Pのみを展開し、交差性を調べた。Cerは
この条件では溶媒と共に移動し、昇天してしまう。 C/アセトン/M/酢酸/W=10/4/3/2/1 (4)Sph: 一次元では十分な分離を行えなかったた
め、二次元にて展開した。 一次元方向:クロロホルム(C)/メタノール(M)/水(W)
=85/15/1(vol/vol) 二次元方向:C/M/W=80/20/1 ただし、SphはCerと物理的性質が異なるため、この条件
では両者を同一プレート上にて展開できなかった。よっ
てSphとの反応性のみのデータとなっている。
HCER-2を用いた生物学的試料中のCerの検出 生物学的試料として血球を用い、血球0.5g中に含まれる
総脂質を常法に従い抽出し、その抽出物総量の1/50およ
び対照としてセラミド1μgをプラスチックでコートした
TLCプレートにスポットした後、一次元多重展開により
脂質を分離した。不要な部分を削除した後、PIMのヘキ
サン溶液に浸してポリマー化を行った。1%卵製アルブミ
ン,1% PVP-25を含むPBSでブロッキングを行い、濃度30
μg/mlの抗体NHCER-2液を室温で1時間反応させた。0.1
%Tween20含有TBSで十分洗浄した後、アルカリホスファ
ターゼ標識抗マウスIgM(μCHAIN)(ヤギ由来、ICN Phar
maceuticals, Inc.: code 59295)を1%卵製アルブミン/
0.1%Tween20/TBSで1/5000に希釈した溶液と室温1時間
反応させた。0.1%Tween20を含んだTBSで十分洗浄した後
に、基質液(BCIP-NBT)を加えるとCerが発色したスポッ
トとして検出された。得られた結果を図3に示す。TLC
による分離条件は以下の通りである。 一〜四回目: クロロホルムのみ 大量に存在するコレ
ステロールを除くため 五回目: C/M/W=95/5/0.5 コレステロ
ールをさらに移動させるため 六回目:C/M/W=85/15/1 Cerを移動させ
るため
評価時の抗体濃度はALEXIS社の製品データシートに記載
された推奨濃度20μg/mlを用いた。比較した脂質は以下
の通りである。 セレブロシド(CB)(ウシ脳由来): グルコシルセラミド(Glu-Cer)(Gaucher病患者の脾臓細
胞由来): セラミド−1−リン酸(C1P)(ウシ脊髄由来): プラスチックでコートされた耐水性TLCプレートに各脂
質を500ngずつスポットし、試験例1に記載の方法に実
質的に従い、交差反応性を試験した。得られた結果を図
4に示す。各脂質の展開条件は以下の通りである: C
/M/W=85/15/1。図4は、CerとGlu-Cerが発
色したスポットとして検出されたことを示している。こ
れは市販の抗体が交差反応することを意味する。なお、
ここでは抗体濃度20μg/mlを使用し、試験例1では抗体
濃度30μg/mlを用いている。試験例1にて試験した本発
明抗体はこの市販抗体よりも高濃度にて特異性試験を行
ったにもかかわらず、交差反応を示していない。これは
試験例1の結果が特記すべき結果であることを示してい
る。
た。評価時の抗体濃度はALEXIS社の製品データシートに
記載された推奨濃度20μg/mlを用いた。プラスチックで
コートされた耐水性TLCプレートにセラミドを50,100,20
0,400,800,1000ngずつスポットする以外は、試験例1記
載の操作に実質的に従い、試験した。得られた結果を図
5に示す。(1)は脂質の移動位置を示すモリブデン-
硫酸試薬による結果である。(2)はALEXIS社製Cer抗
体による染色結果、(3)は本発明抗体による染色結果
である。図5は、本発明抗体では50ngまで検出できた
が、ALEXIS社製抗体では100ngまでであることを示して
いる。 脂質の展開条件は以下の通りである: C/M/W=8
5/15/1。
h Laboratories,Inc.Sphingosine-1-phosphate,code:SL
-140)を用い、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85,9057-9061
(1988)を参考にしDMPC,コレステロール,リピドAととも
にリポゾームを調製して免疫原とした。DMPC:コレステ
ロール:リピドA:S1P=1:1.5:0.08:1のモル比となるよう
に各脂質液をガラス試験管内で混合し、窒素気流下で乾
固した。S1P 250μgを含む混合脂質(一回分)にリン酸
緩衝生理食水(PBS)を加え、超音波処理により作製した
リポソームを免疫原とした。この免疫原をマウス(Balb/
c)の皮下、腹腔とフットパット(初回のみ)に2週間お
きに数ヶ月免疫し、抗体価の上昇したマウスについて、
その脾臓細胞をミエローマ細胞P3-X63-Ag8と融合しハイ
ブリドーマを作製した。HAT選択後、生存しているハイ
ブリドーマの培養上清中に含まれる抗体の、S1Pに対す
る結合活性を実施例1と同様にドットブロット法により
測定し、それを指標にスクリーニングを行った。
ドーマについて、その培養上清中に含まれる抗体の他の
脂質との交差反応性をドットブロット法により調べた。
Sph,Cerとの反応性を調べ、S1Pに対する結合活性が他の
脂質に比べて有意に高いものを選択し、限界希釈法によ
るクローニングを行った。このスクリーニングの結果、
S1Pのみに反応する抗体を産生する1クローンを樹立
し、このクローンをNHS1Pと命名した。クローンNHS1P
は、茨城県つくば市東1丁目1番3号に住所を有する産
業技術総合研究所生命工学工業技術研究所に寄託番号FE
RM P-18184(寄託日:平成13年1月26日)として寄
託されている。クラス分析により、クローンNHS1Pが産
生するS1Pに特異的なモノクローナル抗体(以下、特に
断りのない限り、抗体NHS1Pという)はIgMクラスに属す
ることが判明した。
特異性検討 実施例2で得られた抗体NHS1Pについて、TLC酵素免疫測
定法により特異性の検討を行った。検討に先立って、ハ
イブリドーマNHS1Pを大量培養し、その培養上清から硫
安画分により免疫グロブリンを精製し、モノクローナル
抗体NHS1Pとした。特異性検定に用いた脂質は以下の通
りである。 スフィンゴシン(Sph)(ウシ脳由来): スフィンゴミエリン(SM)(ウシ脳由来): リゾスフィンゴミエリン(LSM)(ウシ脳由来): セラミド(Cer)(ウシ脳由来): セラミド−1−リン酸(C1P)(ウシ脊髄由来): ホスファチジルセリン(PS)(ウシ脳由来): リゾホスファチジルコリン(LPC)(ブタ肝臓由来): リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)(ブタ肝臓
由来):
載の操作に従った。得られた結果を図6に示す。抗体NH
S1PがS1Pと反応しているのは図6(1)および(2)に示さ
れている。図6は、S1Pと構造が類似しているC1P(Cer
にリン酸が結合した脂質)およびSph(S1Pからリン酸が
除かれた脂質)が全く染色されず、抗体NHS1Pが交差反
応しないことを示している[図6(2)参照]。またSM、LS
Mという天然スフィンゴ脂質とも反応していない[図6
(2)および(3)参照]。さらにLPC、LPE、PSという天然
リン脂質とも反応していない[図6(3)参照]。
5(vol/vol) 二次元方向:C/M/アンモニア水(Aw)=90/10/
1 (2)Sph,SM,C1P: 一次元方向:C/M/W=85/15/1 二次元方向:C/M/Aw=65/25/4 (3)PS,LPE,LPC,LSM: 一次元方向:C/M/W=65/35/7 二次元方向:C/M/Aw=65/25/4。
h Laboratories,Inc.Sphingosine-1-phosphate,code:SL
-140)を用い、Vaccine,14,898-404(1996)を参考にしDP
PC,PS,リピドAとともにリポゾームを調製して免疫原と
した。DPPC:PS:リピドA:S1P=1:0.4:0.08:1のモル比にな
るように各脂質液をガラス試験管内で混合し、窒素気流
下で乾固した。S1P 250μgを含む混合脂質(一回分)に
リン酸緩衝生理食水(PBS)を加え、超音波処理により作
製したリポソームを免疫原とした。この免疫原をマウス
(Balb/c)の皮下、腹腔とフットパット(初回のみ)に2
週間おきに数ヶ月免疫し、抗体価の上昇したマウスにつ
いて、その脾臓細胞をミエローマ細胞FOと融合しハイブ
リドーマを作製した。HAT選択後、生存しているハイブ
リドーマの培養上清中に含まれる抗体の、S1Pに対する
結合活性を実施例1と同様にドットブロット法により測
定し、それを指標にスクリーニングを行った。
ドーマについて、その培養上清中に含まれる抗体の他の
脂質との交差反応性をドットブロット法により調べた。
Sph,Cerとの反応性を調べたが、S1Pに対する結合活性が
他の脂質に比べて有意に高いハイブリドーマはなく、Sp
hに対する結合活性が有意に高いハイブリドーマが存在
した。そこでそのハイブリドーマを選択し、限界希釈法
によるクローニングを行った。このスクリーニングの結
果、Sphのみに反応する抗体を産生する1クローンを樹
立し、このクローンをNHSphと命名した。クローンNHSph
は、茨城県つくば市東1丁目1番3号に住所を有する産
業技術総合研究所生命工学工業技術研究所に寄託番号FE
RM P-18185(寄託日:平成13年1月26日)として寄
託されている。クラス分析により、クローンNHSphが産
生するSphに特異的なモノクローナル抗体(以下、特に
断りのない限り、抗体NHSphという)はIgMクラスに属す
ることが判明した。なお、ここではS1P,DPPC,PS等から
なるリポソーム免疫法によりSphに特異的なモノクロー
ナル抗体が得られた。これはリポソーム内のS1Pが生体
内で代謝を受け、結果的にSphに対する抗体ができたも
のと推測される。
HSphの特異性検討 実施例3で得られた抗体NHSphについて、TLC酵素免疫測
定法によりさらに検討を行った。検討に先立って、ハイ
ブリドーマNHSphを大量培養し、その培養上清から硫安
画分により免疫グロブリンを精製し、モノクローナル抗
体NHSphとした。特異性検定に用いた脂質は以下の通り
である。 スフィンゴシン−1−リン酸(S1P):合成品 スフィンゴミエリン(SM):ウシ脳由来 セラミド(Cer):ウシ脳由来 セレブロシド(CB):ウシ脳由来 ホスファチジルセリン(PS):ウシ脳由来 ホスファチジルコリン(PC):卵黄由来 ホスファチジルエタノールアミン(PE):ウシ肝臓由来 リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE):ブタ肝臓
由来
従い、TLC酵素免疫測定法を行った。得られた結果を図
7に示す。抗体NHSphがスフィンゴシンと反応している
ことは図7(1)に示されている。図7は、抗体NHSphがC
er,S1P,SM,CBという天然スフィンゴ脂質と反応せず[図
7(1)参照]、さらにPC、PE、LPE、PSという天然リン脂
質とも反応しないことを示している[図7(2)参照]。各
脂質の展開条件は以下の通りである。 (1)Cer,S1P,SM,CB: 一次元方向:クロロホルム(C)/メタノール(M)/水(W)
=85/15/1(vol/vol) 二次元方向:C/M/アンモニア水(Aw)=65/25/
4 (2)PS,LPE,LPC: 一次元方向:C/M/W=65/35/7 二次元方向:C/M/Aw=65/25/4
ると以下の表のようになる。
よってCer、SphおよびS1Pの免疫学的な測定方法を実現
するものである。従来、Cer、SphおよびS1Pに特異的な
抗体そのものが提供されておらず、免疫学的な測定方法
は不可能であった。本発明の各抗体はそれぞれSph,S1P,
Cerに対する特異性に優れ、それぞれの脂質の免疫学的
測定方法を実現する。
酵素免疫測定法による特異性の検討結果を示すクロマト
グラフの図面に代わる写真である。(1)はS1P,SM,LS
M,PS,LPC,LPEとの交差反応性、(2)はC1P,Glu-Cer,CB
との交差反応性、(3)はC1Pとの交差反応性を示して
いる。それぞれ、右側プレートはモリブデン-硫酸試薬
による結果、左側プレートは本発明抗体による染色結果
である。左右プレートとも各脂質のスポット位置の順番
は同じであるので、両者同じ位置に各脂質は移動してお
り、右側プレートのモリブデン-硫酸試薬による結果に
て左側プレートにおける各脂質の移動位置が確認でき
る。
酵素免疫測定法による特異性の検討結果を示すクロマト
グラフの図面に代わる写真である。(4)はSphとの交
差反応性を示している。他は図1と同様。
たTLC酵素免疫測定法によって血球より抽出したセラミ
ドを検出した結果を示すクロマトグラフの図面に代わる
写真である。
試験の結果を示すクロマトグラフの図面に代わる写真で
ある。左側プレートは脂質の移動位置を示すモリブデン
−硫酸試薬による結果、右側プレートは市販抗体による
染色結果である。
市販抗体におけるTLC酵素免疫測定法による結合性の比
較結果を示すクロマトグラフの図面に代わる写真であ
る。(1)は脂質の移動位置を示すモリブデン-硫酸試
薬による結果である。(2)は市販抗体による染色結
果、(3)は本発明抗体による染色結果である。
素免疫測定法による特異性の検討結果を示すクロマトグ
ラフの図面に代わる写真である。(1)はCerとの交差
反応性、(2)はSph,SM,C1Pとの交差反応性、(3)は
PS,LPE,LPC,LSMとの交差反応性を示している。それぞ
れ、右側プレートはモリブデン-硫酸試薬による結果、
左側プレートは本発明抗体による染色結果である。左右
プレートとも各脂質のスポット位置の順番は同じである
ので、両者同じ位置に各脂質は移動しており、右側プレ
ートのモリブデン-硫酸試薬による結果にて左側プレー
トにおける各脂質の移動位置が確認できる。
素免疫測定法による特異性の検討結果を示すクロマトグ
ラフの図面に代わる写真である。(1)はCer,S1P,SM,C
Bとの交差反応性、(2)はPS,LPE,PC,PEとの交差反応
性を示している。それぞれ、(1)の上側プレートはモ
リブデン-硫酸試薬による結果、(2)の上側プレート
はモリブデン-硫酸試薬およびニンヒドリン試薬による
結果、(1)および(2)の下側プレートは本発明抗体
による染色結果である。上下プレートとも各脂質のスポ
ット位置の順番は同じであるので、両者同じ位置に各脂
質は移動しており、上側プレートのモリブデン-硫酸試
薬およびニンヒドリン試薬による結果にて下側プレート
における各脂質の移動位置が確認できる。
Claims (11)
- 【請求項1】 セラミド、スフィンゴシンおよびスフィ
ンゴシン−1−リン酸から選択される一種のスフィンゴ
脂質を測定する免疫学的測定法であって、該一種のスフ
ィンゴ脂質と特異的に反応し、他のスフィンゴ脂質とは
交差反応しないモノクローナル抗体を使用することを特
徴とする、免疫学的測定法。 - 【請求項2】 生物学的試料中のセラミド、スフィンゴ
シンおよびスフィンゴシン−1−リン酸から選択される
一種のスフィンゴ脂質を測定する免疫学的測定法であっ
て、生物学的試料を採取し、該生物学的試料に含まれる
総脂質を抽出し、次いで該一種のスフィンゴ脂質と特異
的に反応し、他のスフィンゴ脂質とは交差反応しないモ
ノクローナル抗体を使用するTLC酵素免疫測定法を行
い、いずれかの抗体で染色されるスポットを検出するこ
とを特徴とする方法。 - 【請求項3】 セラミド、スフィンゴシンおよびスフィ
ンゴシン−1−リン酸から選択される一種のスフィンゴ
脂質と特異的に反応し、他のスフィンゴ脂質とは交差反
応しないモノクローナル抗体。 - 【請求項4】 セラミドと特異的に反応し、スフィンゴ
シン、スフィンゴシン−1−リン酸、スフィンゴミエリ
ン、リゾスフィンゴミエリン、セレブロシド、グルコシ
ルセラミド、セラミド−1−リン酸、ホスファチジルセ
リン、リゾホスファチジルコリンおよびリゾホスファチ
ジルエタノールアミンとは交差反応しない請求項3記載
のモノクローナル抗体。 - 【請求項5】 受託番号FERM P-18183のハイブリドーマ
の特性を有するハイブリドーマ細胞系によって産生され
る請求項4記載のモノクローナル抗体。 - 【請求項6】 スフィンゴシンと特異的に反応し、スフ
ィンゴシン−1−リン酸、スフィンゴミエリン、セラミ
ド、セレブロシド、ホスファチジルセリン、ホスファチ
ジルコリン、ホスファチジルエタノールアミンおよびリ
ゾホスファチジルエタノールアミンとは交差反応しない
請求項3記載のモノクローナル抗体。 - 【請求項7】 受託番号FERM P-18185のハイブリドーマ
の特性を有するハイブリドーマ細胞系によって産生され
る請求項6記載のモノクローナル抗体。 - 【請求項8】 スフィンゴシン−1−リン酸と特異的に
反応し、スフィンゴシン、スフィンゴミエリン、リゾス
フィンゴミエリン、セラミド、セレブロシド、セラミド
−1−リン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチ
ジルコリンおよびリゾホスファチジルエタノールアミン
とは交差反応しない請求項3記載のモノクローナル抗
体。 - 【請求項9】 受託番号FERM P-18184のハイブリドーマ
の特性を有するハイブリドーマ細胞系によって産生され
る請求項8記載のモノクローナル抗体。 - 【請求項10】 請求項3記載のモノクローナル抗体を
産生するハイブリドーマ。 - 【請求項11】 請求項3から9までのいずれかに記載
のモノクローナル抗体を構成試薬として含む、セラミ
ド、スフィンゴシンおよびスフィンゴシン−1−リン酸
から選択される一種のスフィンゴ脂質を特異的に測定す
るための試薬キット。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001034031A JP2002243737A (ja) | 2001-02-09 | 2001-02-09 | 抗スフィンゴ脂質モノクローナル抗体 |
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JP2001034031A Pending JP2002243737A (ja) | 2001-02-09 | 2001-02-09 | 抗スフィンゴ脂質モノクローナル抗体 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002243737A (ja) |
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