JP2002241822A - 海綿鉄の製造方法 - Google Patents

海綿鉄の製造方法

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聡 上ノ薗
Shigeru Unami
繁 宇波
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由紀子 尾崎
Hiroki Nakamaru
裕樹 中丸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】汚染土壌、汚染地下水などの浄化の際の還元剤
として使用した場合に、有機ハロゲン化合物の脱ハロゲ
ン速度が速い海綿鉄の製造方法の提供。 【課題手段】酸化鉄粉末として、45質量%超の、2m2
/g以上の比表面積を有するヘマタイト粉末と、ミルスケ
ール粉末とを混合し、固体還元剤とともに加熱し、酸化
鉄を還元して海綿鉄とする。ヘマタイト粉末とミルスケ
ール粉末の混合粉は、炭素質粉末および/またはニッケ
ルを含有するのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海綿鉄の製造方法
に関し、特に有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン化に還元
剤として有効に作用する海綿鉄の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】人体に有害な有機ハロゲン化合物により
汚染された土壌、地下水を無害化する方法は、(1)汚
染土壌、汚染地下水を現状維持したまま処理する方法
(原位置分解法)、(2)汚染土壌中の気体または汚染
地下水を一旦地上に引き上げて処理する方法(原位置抽
出後処理法)、(3)汚染土壌を掘削して処理する方法
(掘削除去法)に分類される。
【0003】従来から、有害な有機ハロゲン化合物の脱
ハロゲンを行い、無害化するに際し、鉄粉を還元剤に用
いる方法が提案されている。例えば、土壌内に鉄粉分散
層を形成し、これに地下水等を接触させ、有機ハロゲン
化合物を無害化する土壌および土壌水分の浄化方法(特
表平5−501520号公報、特開平10−26352
2号公報)や、土壌または掘削した土壌に鉄粉を添加混
合して、有機塩素系化合物を分解して土壌を浄化する方
法(特開平11−235577号公報)が提案されてい
る。
【0004】前者の方法に使用される鉄粉は、鉄切断過
程で生じる屑鉄などであり、比表面積がさほど大きなも
のではなく、脱ハロゲン化速度が遅い。
【0005】後者の方法では、炭素を0.1重量%以上
含有し、比表面積が500cm2/g 以上(0.0500m2
/g以上)で、150μmのふるい通過分が50重量%以
上の粒度である、結晶構造としてパーライト組織を有す
る海綿鉄が使用されている。
【0006】ところで、有機ハロゲン化合物の脱ハロゲ
ン化は、鉄粉の表面で生じるものと推測されるので、鉄
粉の表面積が大きいほど、脱ハロゲン化速度は速いと考
えられるが、特開平11−235577号公報には、表
面積の大きな鉄粉の製造方法について記載されていな
い。
【0007】鉄粉には海綿鉄とアトマイズ鉄粉がある
が、表面積を大きくできるという観点から、多孔質であ
る海綿鉄を用いる方が有利である。海綿鉄は、通常、図
1に示す工程により製造される。例えば、図2に示すよ
うに、鉄鉱石やミルスケールなどの酸化鉄粉3(主原
料)の周りに、コークス粉末と石灰粉末を混合してなる
固体還元剤2(副原料)を充填した耐熱容器1を加熱し
て、酸化鉄を還元することにより製造される。
【0008】酸化鉄原料として鉄鉱石を用いた場合の海
綿鉄の見掛け密度は1.7〜2.5Mg/m3 程度、比表面
積は0.06〜0.10m2/g程度である。一方、酸化鉄
原料としてミルスケールを用いた場合の海綿鉄の見掛け
密度は2.4〜2.8Mg/m3程度、比表面積は0.03
〜0.07m2/g程度である。鉄鉱石を酸化鉄原料として
用いた方が、比表面積が大きくなりやすく、有機ハロゲ
ン化合物の脱ハロゲン化速度向上の点からは好ましい。
【0009】しかし、鉄鉱石には、SiO2 、Al2
3 などの脈石成分が含まれており、これらの成分はその
まま海綿鉄中に残存する。SiO2 、Al2 3 などは
有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン化を阻害するものと考
えられるため、これらの成分の含有量は少ない方が好ま
しい。一方、ミルスケールは、これらの阻害成分の含有
量が少ない反面、比表面積が小さいので、有機ハロゲン
化合物の脱ハロゲン化には最適とは言えない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点を解決し、有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン化速
度を増大させることができる海綿鉄の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【発明を解決するための手段】本発明者は、有機ハロゲ
ン化合物の脱ハロゲン化に適する海綿鉄について、鋭意
検討した結果、ミルスケールに微細なヘマタイト粉末を
混合し、混合物を還元して得られる海綿鉄を有機ハロゲ
ン化合物の脱ハロゲン化に用いると、従来用いられてい
た海綿鉄よりも脱ハロゲン化速度、すなわち有機ハロゲ
ン化合物の分解速度が速くなることを見出し、本発明を
完成した。
【0012】したがって、本発明は、酸化鉄を固体還元
剤とともに加熱して、前記酸化鉄を還元して海綿鉄を製
造する方法において、前記酸化鉄が2m2/g以上の表面積
を有するヘマタイト粉末とミルスケール粉末の混合粉で
あり、かつ前記ヘマタイト粉末の混合量が、前記酸化鉄
の全量に対し、45質量%超であることを特徴とする海
綿鉄の製造方法である。
【0013】本発明は、前記混合粉が炭素質粉末を含有
するのが好ましく、また、前記混合粉がニッケルを含有
するのが好ましい。炭素質粉末やニッケルを含有する混
合粉を還元して得られる海綿鉄を使用することにより、
有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン速度がさらに増大す
る。前記炭素質粉末の含有量は、前記混合粉全量に対し
1〜30質量%であるのが好ましく、前記ニッケルの含
有量は、前記混合粉全量に対し0.5〜30質量%であ
るのが好ましい。さらに好ましいのは、前記ヘマタイト
粉末が、塩化鉄水溶液を酸化焙焼して得られた場合であ
る。
【0014】主原料の一つであるヘマタイト粉末はFe
2 3 で表示される酸化鉄粉であり、比表面積は2m2/g
以上、好ましくは2〜6m2/gである。平均粒径は0.1
〜1μmであるのが好ましい。SiO2 の含有量は30
0ppm 以下、Al2 3 の含有量は30ppm 以下である
のが好ましい。具体的には市販されている川崎製鉄
(株)製のKH−DC(比表面積2.6m2/g) 、KH−
Nなどが好適に使用される。比表面積が2m2/g未満であ
ると、有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン速度の増大が僅
かである。なお、比表面積は窒素を吸着ガスに用いてB
ET法で測定した値である。
【0015】ヘマタイト粉末は、塩化鉄、硫酸鉄、硝酸
鉄などの鉄塩水溶液の噴霧焙焼によって製造されるのが
好ましい。これは、焙焼条件を調整することにより、比
表面積を調整することができるためである。
【0016】主原料の他の一つであるミルスケール粉末
は、鋼板の熱間圧延工程で生じた鋼板粉末を乾燥し、1
mm以下に粉砕して得られるものが好ましく、SiO2
有量が300ppm 以下、Al2 3 含有量が30ppm 以
下であるのが好ましい。ミルスケール粉末の最大粒径が
1mmを越えると、これを海綿鉄粉に粉砕する工程におい
て生産性が低下するので、好ましくない。より好ましい
平均粒径は10μm 〜1mmである。
【0017】本発明の主原料の酸化鉄粉末は、ヘマタイ
ト粉末とミルスケール粉末の混合物であり、ヘマタイト
粉末がヘマタイト粉末とミルスケール粉末の合計に対
し、45質量%超である。ヘマタイト粉末の含有量が4
5質量%以下であると、ヘマタイト粉末に起因する、比
表面積の低下が見られ、有機ハロゲン化合物の脱ハロゲ
ン化速度が遅くなる。ヘマタイト粉末の含有量は45質
量%超で95質量%以下であるのが好ましく、47〜9
0質量%であるのが特に好ましい。
【0018】本発明の酸化鉄は、炭素質粉末を含有して
いてもよい。例えば、ヘマタイト粉末とミルスケール粉
末の混合粉に、石炭、木炭、チャー、コークスなどの炭
素質粉末を混合した混合物が好ましい。炭素質粉末の含
有量は、混合粉全量(ヘマタイト粉末、ミルスケール粉
末および炭素質粉末の合計量)に対して0.5〜20質
量%であるのが好ましい。炭素質粉末の含有量が少ない
と前記速度の増大が僅かであり、多すぎると該速度が遅
くなる。
【0019】また、本発明の酸化鉄はニッケルを含有し
ていてもよい。例えば、ヘマタイト粉末とミルスケール
粉末の混合粉に、ニッケルを混合した混合物が好まし
い。ニッケルを混合して製造した海綿鉄は、有機ハロゲ
ン化合物の脱ハロゲン化速度を速めることができる。ニ
ッケルの含有量は、混合粉全量(ヘマタイト粉末、ミル
スケール粉末およびニッケルの合計量)に対して0.5
〜30質量%であるのが好ましい。ニッケルの含有量が
少ないと前記速度の増大が僅かであり、多すぎると該速
度が遅くなる。
【0020】ニッケルの混合は、粉末状の酸化ニッケル
をヘマタイト粉末、ミルスケール粉末に混合する方法に
よってもよい。また、塩化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄などの鉄
塩水溶液を噴霧焙焼してヘマタイト粉末を製造する際
に、あらかじめ、鉄塩水溶液にニッケル成分を混合させ
る方法によってもよい。後者の場合には、ニッケルの分
散がより均一になり、脱ハロゲン化速度を増大させるこ
とができる。
【0021】炭素質粉末とニッケルを併用してもよい。
この場合、それぞれの含有量は混合粉全量(ヘマタイト
粉末、ミルスケール粉末、炭素質粉末およびニッケルの
合計量)に対して、それぞれ0.5〜20質量%と0.
5〜30質量%である。
【0022】本発明の副原料の固体還元剤は、海綿鉄の
製造の際に通常使用されるものであればよく、例えば、
石灰粉末(CaCO3 )と炭素質粉末(C)である。炭
素質粉末はコークス、無煙炭、チャーの粉末またはそれ
らの混合物であるのが好ましい。石灰粉末の組成は、石
灰粉末と炭素質粉末の合計に対し、5〜30質量%であ
るのが好ましく、5〜20質量%であるのが特に好まし
い。固体還元剤は平均粒径が小さいほど短時間で分解
し、炭酸ガスを多量に発生させ、酸化鉄の還元を促進す
る。固体還元剤の平均粒径は10mm以下であるのが好ま
しく、3〜6mmであるのが特に好ましい。
【0023】本発明の酸化鉄粉を、固体還元剤を用いて
還元して海綿鉄を製造する方法は、例えば、図2に示す
円筒状の耐熱容器1を用い、図1の工程により実施され
る。すなわち、まず、耐熱容器1の中の円筒状に形成さ
れた酸化鉄粉3(ヘマタイト粉末とミルスケール粉末の
混合物)の内側と外側に固体還元剤粉末2を充填する。
【0024】酸化鉄粉末と固体還元剤粉末が充填された
耐熱容器は、トンネル炉などの加熱炉を用いて、好まし
くは1000〜1300℃で加熱される。加熱により、
酸化鉄粉の還元が進行し、海綿鉄が得られる。加熱温度
が1000℃未満では、還元が充分進行せず、海綿鉄の
純度が低い。1300℃を越えると、還元と同時に進行
する海綿鉄の焼結が過度に進み、硬くなり、その後の海
綿鉄の粉砕における消費電力が増大したり、粉砕工具の
消耗が激しく、製造コストが高騰する。より好ましい加
熱温度は1050〜1200℃である。
【0025】加熱後、海綿鉄を耐熱容器から取り出し、
海綿鉄を90メッシュ以下の粒径になるまで粉砕して、
粉末として使用する。粉砕せずに使用しても差支えな
い。なお、さらに、粉末を水素などの還元性雰囲気の仕
上げ還元炉で仕上げ還元して用いてもよい。
【0026】本発明の海綿鉄は有機ハロゲン化合物の脱
ハロゲン化速度が速く、有機ハロゲン化合物で汚染され
た土壌などを浄化する際の還元剤として有効に使用され
る。もちろん、本発明の海綿鉄の用途はこれに限定され
ない。例えば、粉末冶金などにも使用され得る。
【0027】本発明の海綿鉄が適用できる有機ハロゲン
化合物は分子中に塩素などのハロゲンが結合したもので
あり、例えば、トリクロロエチレン(TCEと略記する
ことがある)、テトラクロロエチレン、1,1,1−ト
リクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、ジク
ロロエチレン、ジクロロエタン、ジクロロメタン、四塩
化炭素等の揮発性の有機ハロゲン化合物が主であるが、
PCB,ダイオキシン等も対象とすることができる。有
機ハロゲン化合物は通常タンク、排水溝等から漏洩し、
土壌に浸透して滞留するが、一部は土壌水分や地下水に
僅かずつ溶解して存在し、他の一部は土壌中、空気中に
気体で存在する。
【0028】有機ハロゲン化合物は海綿鉄により還元さ
れて、非ハロゲン化合物のような無害な化合物とハロゲ
ン化水素に変わる。例えばTCEは鉄粉表面で電子を受
け取り(還元され)、β脱離によりクロロアセチレンな
どの中間体を経由して、アセチレンのような塩素を含ま
ない化合物に変化して無害化される。あるいは、さらに
還元が進む場合もあるが、いずれにしても鉄粉表面で電
子を受け取る(還元される)ことを契機として反応が進
み、結果として無害な化合物に変化する。
【0029】本発明の海綿鉄は、有機ハロゲン化合物の
脱ハロゲン化速度が速い。そのため、汚染土壌などの浄
化のための使用量を低減でき、鉄粉交換作業の回数の軽
減などが可能になる。
【0030】本発明の海綿鉄は、従来公知の方法で、汚
染土壌、汚染地下水、汚染空気に適用される。例えば、
汚染土壌および/または汚染地下水に対しては、海綿鉄
粉末または海綿鉄粉末のスラリーを散布、混合、圧入等
の手段により適用し、海綿鉄粉末と有機ハロゲン化合物
が接触するようにすればよい。土壌の含水率は40質量
%以上であるのが好ましい。その際、還元促進物質など
を併用してもよい。
【0031】掘削された汚染土壌に適用する場合も同様
に、含水率、土質、土圧などを考慮して海綿鉄粉末また
は海綿鉄粉末のスラリーを散布、混合、圧入等の手段に
より適用し、海綿鉄粉末と有機ハロゲン化合物が接触す
るようにすればよい。掘削土壌が粘性で大粒径の場合
は、土壌を予め粉砕して小粒径にしてから、海綿鉄粉末
を適用するのが好ましい。海綿鉄粉末を添加した透過性
の地中の層に地下水を通過させてもよい。
【0032】海綿鉄粉末の土壌、地下水に対する使用量
は、汚染土壌の無害化処理方法のタイプ、汚染度合い等
により適宜決定されるが、(1)汚染土壌、汚染地下水
を現場で直接処理する方法の場合も、(2)汚染地下水
を現場から汲み上げて(抽出)処理する方法の場合も、
(3)汚染土壌を掘削して処理する方法の場合も一般的
には0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5質量%
である。本発明の海綿鉄粉末は無害であり、土壌、地下
水に残留しても格別問題がない。
【0033】本発明の海綿鉄を汚染空気に適用する場合
は、例えば、海綿鉄粉末を入れた容器に該空気を通過さ
せ、接触さればよい。その場合、海綿鉄粉末表面が湿潤
されている必要があるが、吸着水があれば良く、単分子
層以上の水分子層が形成されているのが好ましい。空気
の湿度は50%以上であるのが好ましい。容器には、海
綿鉄粉末の他に充填剤、還元促進物質などを混合しても
よい。
【0034】
【実施例】(実施例1)表1に示す比表面積の、塩化鉄
水溶液を噴霧焙焼して得たヘマタイト粉末(SiO2
300ppm 以下、Al2 3 30ppm 以下)と、表1に
示す平均粒径のミルスケール粉末(SiO2 :300pp
m 以下、Al2 3 30ppm 以下)を表1に示す質量比
で混合した酸化鉄粉末、および固体還元剤[石灰粉末
(平均粒径80μm)17質量%、コークス粉末(平均
粒径85μm)63質量%と無煙炭粉末(平均粒径2.
4mm)20質量%]を、図2に示すように、円筒状耐熱
容器(SiC製:直径400mm、高さ1800mm)に、
該酸化鉄粉末を縦方向に円筒を形成するように充填配置
し、該円筒の内側および外側に該還元剤粉末を充填し
た。
【0035】つぎに、該耐熱容器にSiC製の蓋をした
後、トンネル炉(還元炉)に入れ、表1に示す温度に加
熱し還元して海綿鉄を得た。得られた海綿鉄を90メッ
シュ以下まで粉砕しサンプルとした。
【0036】100mlのガラスバイアル瓶複数本に40
mg/lの炭酸カルシウム、80mg/lの亜硫酸ナトリウム、
および5mg/lのTCE水溶液50mgをそれぞれ入れ、さ
らに上記の海綿鉄5gをそれぞれ加え、フッ素樹脂シー
ル付きのブチルゴム栓とアルミキャップを用いて封入し
た。23±2℃に管理した恒温室内で、該バイアル瓶の
鉛直軸方向に180rpm で震とうした。震とう開始後、
所定時間毎にそれぞれの瓶のヘッドスペースの気体TC
E濃度をガス検知管を用いて分析し、TCE水溶液中の
濃度を算出した。一度開栓した瓶はその後の分析には供
しなかった。横軸に震とう時間(反応時間)、縦軸にT
CE濃度をプロットし、初期濃度の半分の濃度になるま
での時間(半減時間: hr)で、脱ハロゲン化能力を評
価した。結果を表1に示した。
【0037】(実施例2〜6、比較例1〜5)表1に示
す比表面積のヘマタイト粉末[ただし、実施例4および
6は塩化ニッケルを含有する塩化鉄水溶液を噴霧焙焼し
て製造したヘマタイト粉末を用いた]、表1に示す平均
粒径のミルスケール粉末[ただし、比較例2はミルスケ
ール粉末の代わりに鉄鉱石粉末(SiO2 :1.5質量
%、Al2 3 :0.6質量%)を用いた]と、表1に
示す炭素質粉末を、表1に示す質量比で用い、表1に示
す還元温度とする以外は実施例1と同様にサンプルを試
作し、TCEの半減時間を測定した。結果を表1に示
す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明の実施例1〜6の海綿鉄を用いる
と、従来の海綿鉄(ミルスケール粉末のみ、または鉄鉱
石粉末のみから製造したもの)よりも、TCE半減時間
が短くなり、有機ハロゲン化合物の脱ハロゲン速度が速
くなることがわかる。また、炭素質粉末またはニッケル
を酸化鉄粉末に混合して製造された海綿鉄を用いると、
TCE半減時間ががさらに短くなり、有機ハロゲン化合
物の脱ハロゲン化速度がさらに速くなることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 海綿鉄の製造工程の一例を示すフロー図であ
る。
【図2】 耐熱容器への酸化鉄粉と固体還元剤の充填状
態の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 耐熱容器 2 固体還元剤 3 酸化鉄粉
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 35/06 B09B 3/00 304K C07C 21/10 (72)発明者 尾崎 由紀子 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 中丸 裕樹 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BB01 BC01 BD11 4D004 AA41 AB06 CA37 CC11 4D050 AA02 AB19 BA02 4H006 AA05 AC13 BA06 BA09 BA19 BA21 BA27 BA30 BA81 EA03 4K012 DE03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化鉄を固体還元剤とともに加熱して、前
    記酸化鉄を還元して海綿鉄を製造する方法において、前
    記酸化鉄が2m2/g以上の表面積を有するヘマタイト粉末
    とミルスケール粉末の混合粉であり、かつ前記ヘマタイ
    ト粉末の混合量が、前記酸化鉄の全量に対し、45質量
    %超であることを特徴とする海綿鉄の製造方法。
  2. 【請求項2】前記混合粉が炭素質粉末を含有することを
    特徴とする請求項1に記載の海綿鉄の製造方法。
  3. 【請求項3】前記混合粉がニッケルを含有することを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の海綿鉄の製造
    方法。
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