JP2002241343A - 1,2−ジオールジエステルの製造方法 - Google Patents

1,2−ジオールジエステルの製造方法

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JP2002241343A
JP2002241343A JP2001034937A JP2001034937A JP2002241343A JP 2002241343 A JP2002241343 A JP 2002241343A JP 2001034937 A JP2001034937 A JP 2001034937A JP 2001034937 A JP2001034937 A JP 2001034937A JP 2002241343 A JP2002241343 A JP 2002241343A
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carbon atoms
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diol
acid
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JP2001034937A
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Takeshi Katayama
剛 片山
Takashi Yamaguchi
高司 山口
Yukihiro Ohashi
幸浩 大橋
Masakazu Okumura
昌和 奥村
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Nippon Fine Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nippon Fine Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化粧料として有用な1,2−ジオールジエス
テル、特に1位と2位に異なるアシル基を有する1,2
−ジオールジエステルの選択的かつ工業的に有利な製造
方法を提供する。 【解決手段】 エポキシドに、脂肪酸又はその塩を反応
させ、1,2−ジオールモノエステルを得、さらにこれ
をアシル化することにより1,2−ジオールジエステル
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、化粧料として有
用な1,2−ジオールジエステルの製造方法、並びに、
該製造方法で製造した1,2−ジオールジエステルを含
有する化粧料及び外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】 哺乳動物の皮表脂質中に存在するワッ
クスエステルは、他の皮表脂質成分と共に皮膚の保護及
び保湿作用などの機能を有していることが知られてい
る。このようなワックスエステルのうち、1,2−ジオ
ールジエステル型のワックスジエステルは、皮膚に対し
ては平滑性及び湿潤性を、頭髪に対しては柔軟性及び湿
潤性を付与することができ、さらに使用感に優れること
から外用組成物、化粧料として有用なことが示されてい
る(特開2000−10921号公報)。従来、このよ
うな1,2−ジオールジエステル型ワックスエステルの
製造法としては、天然物質から抽出する方法、及び、
1,2−アルカンジオールのジアシル化により合成する
方法が知られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、1,
2−ジオールジエステル型ワックスエステルの製造法の
うち、天然物質から抽出する方法は、抽出原料の入手が
困難である、抽出物からの分離が煩雑である等の点か
ら、工業的に有利な方法とは言えない。また、1,2−
アルカンジオールのアシル化により1,2−ジオールジ
エステル型ワックスエステルを合成する方法も、原料で
ある1,2−アルカンジオールが工業的に必ずしも汎用
の原料ではないため、一般的には、工業的に容易に入手
できるα−オレフィンオキサイド等の1,2−エポキシ
アルカンを開環してまず1,2−アルカンジオールを合
成し、その後アシル化を行う必要がある。そのため、こ
の方法も実質的には製造に多段階を要し、必ずしも工業
的に有利な方法とは言えない。さらに、1,2−アルカ
ンジオールを出発原料として、化粧料としてより感触等
に優れる1位と2位に異なるアシル基を有する1,2−
ジオールジエステルを得ようとする場合には、酵素等を
用いて選択的にアシル化を行う又は保護基を用いるなど
特殊かつ煩雑な方法で中間体の1,2−ジオールモノエ
ステルを合成しなければ、1位と2位に異なるアシル基
を導入できないという欠点をも有していた。
【0004】従って本発明は、皮表脂質中のワックスエ
ステルに存在する1,2−ジオールジエステル型ワック
スジエステルと類似の化学構造を有する1,2−ジオー
ルジエステル、特に1位と2位に異なるアシル基を有す
る1,2−ジオールジエステルの選択的かつ工業的に有
利な製造方法を提供することをその課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明者らは、前記課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明によれば、一般式(1)
【化4】 (式中、R1は炭素数4〜40の炭化水素基を示す)で
表されるエポキシドに、一般式(2) R2−COOH (2) (式中、R2は水素原子又は炭素数1〜40の炭化水素
基を示す)で表されるカルボン酸又はその塩を反応さ
せ、一般式(3)
【化5】 (式中、R1は炭素数4〜40の炭化水素基、R2は水素
原子又は炭素数1〜40の炭化水素基を示す)で表され
る1,2−ジオールモノエステルを得、さらにこれをア
シル化することを特徴とする、一般式(4)
【化6】 (式中、R1は炭素数4〜40の炭化水素基、R2は水素
原子又は炭素数1〜40の炭化水素基、R3は水素原子
又は炭素数1〜40の炭化水素基を示す)で表される
1,2−ジオールジエステルの製造方法、及び、該製造
方法で製造した1,2−ジオールジエステルを含有する
化粧料及び外用剤が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】 本発明で反応原料として用いる
一般式(1)で表されるエポキシドにおいて、R1は炭
素数4〜40の炭化水素基を示すが、この炭化水素基に
は、直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の炭化水
素基、置換基を有していても良い飽和若しくは不飽和の
脂環式の炭化水素基、及び、置換基を有していても良い
芳香族の炭化水素基が包含され、これらは2種以上混合
していてもよい。具体的には、直鎖若しくは分岐鎖の飽
和炭化水素基としては、ブチル、イソブチル、sec−ブ
チル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシ
ル、イソヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチ
ル、イソオクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデ
シル、トリデシル、アンテイソトリデシル、テトラデシ
ル、イソテトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、
イソヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナ
デシル、エイコシル、ドコシル、テトラコシル基等が挙
げられ、直鎖又は分岐鎖の不飽和炭化水素基としては、
3−ブテニル、4−メチル−4−ペンテニル基などが挙
げられる。置換基を有していても良い飽和若しくは不飽
和の脂環式の炭化水素基としては、シクロペンチル、シ
クロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキシルメチ
ル基等が挙げられる。置換基を有していても良い芳香族
の炭化水素基としては、フェニル、ベンジル基等が挙げ
られる。これらのうち、R1としては、原料エポキシド
の工業的入手性及び最終的に生成するジオールジエステ
ルの物性等の点から、炭素数4〜30の直鎖又は分岐鎖
の飽和炭化水素基が好ましく、最も好ましいものとして
は、炭素数4〜30の直鎖の飽和炭化水素基であるブチ
ル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデ
シル、ヘキサデシル、オクタデシル、エイコシル、ドコ
シル、テトラコシル基等が挙げられる。このようなR1
を有するエポキシドは、対応する1−オレフィンのエポ
キシド化により容易に製造できるが、α−オレフィンオ
キサイドとして市販品を工業的に入手することも可能で
ある。市販品の例としては、ダイセル化学製AOEX6
8(アルキレン(16〜18)オキサイド)、同AOE
X24(アルキレン(12〜14)オキサイド)等を挙
げることができる。
【0007】本発明でもう一方の反応原料として用いる
一般式(2)で表されるカルボン酸、又はその塩におい
て、R2は水素原子又は炭素数1〜40の炭化水素基を
示すが、この炭化水素基には、直鎖若しくは分岐鎖の飽
和若しくは不飽和の炭化水素基、置換基を有していても
良い飽和若しくは不飽和の脂環式炭化水素基、及び、置
換基を有していても良い芳香族の炭化水素基が包含さ
れ、これらは2種以上混合していてもよい。具体的に
は、直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の炭化水
素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert
−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘ
キシル、ヘプチル、イソヘプチル、1−エチルペンチ
ル、オクチル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デ
シル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシ
ル、アンテイソテトラデシル、ペンタデシル、イソペン
タデシル、1−ヘキシルノニル、ヘキサデシル、ヘプタ
デシル、イソヘプタデシル、メチル分岐イソヘプタデシ
ル、1−ヘプチルデシル、オクタデシル、ノナデシル、
1−オクチルウンデシル、エイコシル、イソエイコシ
ル、アンテイソエイコシル、ヘニコシル、ドコシル、ト
リコシル、長鎖分岐脂肪族(11〜30)炭化水素基;ビニ
ル、プロペニル、デセニル、トリデセニル、ペンタデセ
ニル、ヘプタデセニル、ヘプタデカジエニル、ヘプタデ
カトリエニル、ノナデカテトラエニル、ノナデカペンタ
エニル、ヘニコセニル、ヘニコサヘキサエニル基等;及
び、ラノリン脂肪酸、マカデミアナッツ脂肪酸等の天然
脂肪酸からカルボキシル基を除いた残基等が挙げられ
る。置換基を有していても良い飽和若しくは不飽和の脂
環式炭化水素基としては、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、シクロヘキセニル、ジヒドロアビエチル、テトラ
ヒドロアビエチル基等が挙げられる。置換基を有してい
ても良い芳香族炭化水素基としては、フェニル、ベンジ
ル、トルイル、デヒドロアビエチル基等が挙げられる。
これらのうち、R2としては、最終的に生成するジオー
ルジエステルの物性等の点から、炭素数1〜40の直鎖
若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の炭化水素基が好
ましい。
【0008】また、本発明では、前記一般式(2)で表
されるカルボン酸は、一部又は全てを塩の形で一般式
(1)のエポキシドと反応させても良く、その場合のカ
ルボン酸の塩としては、ナトリウム、カリウム、カルシ
ウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、銀などの金属、又
は、アンモニウム、若しくは、モノメチルアンモニウ
ム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、
テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウ
ム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、モノエタノール
アンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノ
ールアンモニウム、トリプロパノールアンモニウム、ピ
リジニウム、2−ピコリニウム、3−ピコリニウム、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセンアンモ
ニウムなどのアルキルアンモニウム等の塩を挙げること
ができるが、塩とする場合は、アルカリ金属塩がより好
ましい。
【0009】本発明において、一般式(4)で表される
1,2−ジオールジエステルにおいて、R3は水素原子
又は炭素数1〜40の炭化水素基を示すが、この炭化水
素基には、直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の
炭化水素基、置換基を有していても良い飽和若しくは不
飽和の脂環式炭化水素基、及び、置換基を有していても
良い芳香族の炭化水素基が包含され、これらは2種以上
混合していてもよい。具体例としては、R2と同様の基
が挙げられる。R3の好ましい基としては、ジオールジ
エステルの物性等の点から、炭素数1〜40の直鎖若し
くは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の炭化水素基が好まし
い。
【0010】さらに、後述するように、本発明の製造方
法によれば、化粧料としてより感触等に優れる1位と2
位に互いに異なるアシル基を有する1,2−ジオールジ
エステル、すなわち、一般式(4)においてR2とR3に
異なる炭化水素基を持つ1,2−ジオールジエステルを
容易に合成することができるため、R2とR3のより好ま
しい組み合わせとしては、R2、R3の一方が炭素数10
〜40の直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の炭
化水素基であり、他方がより短い炭素鎖を有する炭素数
1〜40の直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の
炭化水素基である組み合わせが挙げられる。
【0011】本発明において、中間体である一般式
(3)で表される1,2−ジオールモノエステルは、前
記一般式(1)で表されるエポキシドと、前記一般式
(2)で表されるカルボン酸又はその塩を反応させるこ
とによって製造される。本反応において、前記一般式
(2)のカルボン酸又はその塩の使用割合は、一般式
(1)のエポキシド1モルに対し、通常0.5〜5モ
ル、より好ましくは0.8〜2モルである。カルボン酸
又はその塩がこの範囲よりも少ないと、エポキシドが残
存または重合等の副反応を起こすため好ましくなく、ま
た、カルボン酸又はその塩がこの範囲より多くても、反
応に特に好影響を与えることはないため、経済的に不利
となる。
【0012】また、本反応において、カルボン酸塩をエ
ポキシドと反応させる場合は、特に触媒を用いなくても
反応は進行するが、カルボン酸をエポキシドと反応させ
る場合には、触媒を用いることが好ましい。触媒として
は、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の金属の炭酸
塩、炭酸水素塩、水酸化物、酸化物、カルボン酸塩等、
及び、三級アミン、四級アンモニウム塩などの塩基触
媒、並びに、酸触媒が好ましいものとして挙げられる。
具体的には、塩基触媒としては、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、炭酸リチウム;炭酸水素ナトリウム、炭酸水
素カリウム、炭酸水素リチウム;水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム;一般式(2)で表され
るカルボン酸のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩
等のアルカリ金属の化合物;炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、;炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウ
ム;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム;酸化カル
シウム;一般式(2)で表されるカルボン酸のカルシウ
ム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属の化合物;
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、トリエタノールアミン、ピリジン、ジアミノピリジ
ン、2−ピコリン、3−ピコリン、1,8−ジアザビシ
クロ(5,4,0)ウンデセン、トリエチレンジアミン等
の三級アミン;水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸
化テトラ−n−ブチルアンモニウム等の四級アンモニウ
ム塩等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いても
良い。また、酸触媒としては、硫酸、塩酸、リン酸、パ
ラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、三フッ化ホ
ウ素ジエチルエーテル錯体、塩化スズ、塩化アルミニウ
ム、塩化鉄、アルミニウムアルコキシド等があげられ、
これらを1種又は2種以上組み合わせて用いても良い。
これらのうち、本反応の触媒としてより好ましいものと
しては、反応の進行速度、触媒の溶解性、副生成物の生
成の有無、生成物の着色及びにおい等の点から、アルカ
リ金属炭酸塩、若しくは、アルカリ金属炭酸水素塩、及
びそれらの混合物などの塩基触媒が挙げられる。反応に
用いる触媒量は、カルボン酸に対して通常0.01〜2
0モル%、好ましくは0.05〜10モル%程度用い
る。
【0013】本反応に用いられる反応溶媒としては、反
応に悪影響を与えない溶媒であれば何れの溶媒でも使用
でき、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエ
ン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロピル
アルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコー
ル、ブチレングリコール、テトラヒドロフラン、ジメチ
ルホルムアミド等の溶媒を用いることができる。また、
反応温度でカルボン酸が液状となる場合は、無溶媒で反
応を行うこともできる。反応温度は、通常0〜250
℃、好ましくは30〜200℃、より好ましくは50〜
150℃である。反応時間は、反応触媒種、触媒量、反
応温度等により変動するが、通常1〜48時間程度であ
る。
【0014】本発明に従うと、選択性良く1,2−ジオ
ールモノエステルを得ることが可能となる。得られた
1,2−ジオールモノエステルは、中和、水洗等の通常
の後処理、精製を行って次工程のアシル化反応に供する
こともできるが、次工程の反応の種類によっては、何ら
後処理を行うことなく、そのまま次工程のアシル化反応
に供することも可能である。
【0015】本発明において、中間体である一般式
(3)で表される1,2−ジオールモノエステルをさら
にアシル化することにより、目的化合物である一般式
(4)で表される1,2−ジオールジエステルを製造す
ることができる。この際、一般式(3)のR2とは異な
る炭化水素基を有するアシル基(R3CO基)を導入で
きるアシル化剤を用いれば、化粧料としてより感触等に
優れる1位と2位に互いに異なるアシル基を有する1,
2−ジオールジエステル、すなわち、一般式(4)にお
いてR2とR3に異なる炭化水素基を持つ1,2−ジオー
ルジエステルを容易に合成することが可能となる。本工
程に用いられるアシル化剤及びその反応条件としては、
アシル基不均化反応が進行しない反応条件であれば特に
制限はなく、R3CO基を分子内に有する酸クロリド又
は酸無水物を用いたアシル化反応、R3CO基を分子内
に有するカルボン酸及び酸触媒を用いたアシル化反応な
ど、通常用いられるアシル化剤、アシル化反応を適応す
ることができる。酸クロリド又は酸無水物を用いたアシ
ル化反応の場合は、三級アミン、カルボン酸アルカリ金
属塩等の塩基の存在下又は不存在下、無溶媒又はトルエ
ン、ヘプタン、ヘキサン等の溶媒中で、一般式(3)で
表される1,2−ジオールモノエステルに酸クロリド又
は酸無水物を反応させることで本工程を行うことができ
る。また、カルボン酸及び酸触媒を用いたアシル化反応
の場合は、触媒としてパラトルエンスルホン酸、硫酸、
塩酸、メタンスルホン酸、三フッ化ホウ素ジエチルエー
テル錯体等の存在下、無溶媒又はトルエン、ヘプタン、
ヘキサン等の溶媒中で、一般式(3)で表される1,2
−ジオールモノエステルにカルボン酸を反応させること
で本工程を行うことができる。一般式(3)で表される
1,2−ジオールモノエステルとアシル化剤の使用割合
は、通常0.5〜5モル、より好ましくは0.8〜2モ
ルである。反応温度は、特に限定されないが、通常−2
0〜250℃、好ましくは0〜200℃、より好ましく
は10〜150℃である。このようにして得られた、一
般式(4)で表される1,2−ジオールジエステルは、
さらに必要に応じて中和、水洗、水蒸気脱臭、吸着剤処
理等の通常の後処理、精製を行っても良い。
【0016】本発明の製造方法で得られた一般式(4)
で表される1,2−ジオールジエステルは、安価かつ大
量に製造でき、また、より感触等に優れる1位と2位に
互いに異なるアシル基を有する1,2−ジオールジエス
テルの含有率を高くすることも可能なことから、好まし
く化粧料及び外用剤に用いることができる。本発明の製
造方法で得られた一般式(4)で表される1,2−ジオ
ールジエステルは、クリーム、乳液、化粧水等の皮膚化
粧料、薬用化粧料、ファンデーション等のメーキャップ
化粧料、シャンプー、リンス、ヘアクリーム、育毛剤等
の毛髪用化粧料、唇用化粧料、爪用化粧料、芳香化粧
料、ボディ化粧料、軟膏等など通常の化粧料、医薬部外
品、医薬品等に配合可能である。また、その化粧料及び
外用剤への配合量は、0.01〜60重量%とすること
が好ましい。本発明の化粧料及び外用剤には、本発明の
製造方法で得られた一般式(4)で表される1,2−ジ
オールジエステルの他、必要に応じ、化粧品、医薬部外
品、医薬品等に配合される通常の成分を配合することが
できる。配合可能な成分、剤型、化粧料及び外用剤の具
体的な例としては、更に、特願2000−392975
号公報、特願2000−392988号公報に記載のも
のを挙げることができる。
【0017】
【実施例】次に、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこの実施例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0018】実施例1 2−ヘキシルデカン酸2−イソ
ブチリロキシアルキル(16〜18)の合成 (1)2−ヘキシルデカン酸2−ヒドロキシアルキル
(16〜18)の合成 1L4つ口反応器に2−ヘキシルデカン酸(CONDE
A社製 ISOCARB16)131g、炭酸ナトリウ
ム1g、炭酸水素ナトリウム0.1gを仕込み、110
℃で撹拌しながらアルキレン(16〜18)オキサイド
(ダイセル化学製AOEX68)140gを1時間かけ
て滴下した。110〜120℃で14時間反応した後、
冷却し、水酸化ナトリウム水溶液で未反応の2−ヘキシ
ルデカン酸を除去し、水洗、脱水して中間体の2−ヘキ
シルデカン酸2−ヒドロキシアルキル(16〜18)2
39g(収率88%)を得た。得られたモノエステルは
常温で液状で、酸価3.1、ケン化価94.1、水酸基
価106.5であった。 NMR(δ ppm, CDCl3):4.14(dd,J=3,12Hz,1H), 3.98
(dd,J=7,12Hz,1H), 3.82(bs,1H), 3.72-3.59(m,1H), 2.
31-2.40(m,1H), 1.64-1.19(m,約52H),0.88(t,J=7Hz,9
H).
【0019】(2)2−ヘキシルデカン酸2−イソブチ
リロキシアルキル(16〜18)の合成 1L4つ口反応器に上記(1)で合成した2−ヘキシル
デカン酸2−ヒドロキシアルキル(16〜18)217
g、ヘプタン210g、無水イソ酪酸95gを仕込み、
110〜113℃で4時間撹拌しエステル化を行った。
冷却後、水酸化ナトリウム水溶液で副生するイソ酪酸を
除去し、水洗後溶剤を回収し、水蒸気脱臭、脱水して目
的の2−ヘキシルデカン酸2−イソブチリロキシアルキ
ル(16〜18)232g(収率95%)を得た。得ら
れたエステルは常温で液状で、酸価0.8、ケン化価1
61.2、水酸基価2.2であった。このようにして得
られた2−ヘキシルデカン酸2−イソブチリロキシアル
キル(16〜18)を、5名のパネラーの皮膚及び毛髪
上に塗布し、塗布時の感触を評価した。その結果、5名
中4名が塗布前に比べ感触が改善されたと判定した。
【0020】実施例2 長鎖分岐脂肪酸(12〜31)
2−イソブチリロキシアルキル(12〜14)の合成 (1)長鎖分岐脂肪酸(12〜31)2−ヒドロキシア
ルキル(12〜14)の合成 1L4つ口反応器に長鎖分岐脂肪酸(12〜31)(日
本精化製FA−NH)157g、炭酸ナトリウム0.5
g、炭酸水素ナトリウム0.04gを仕込み、110℃
で撹拌しながらアルキレン(12〜14)オキサイド
(ダイセル化学製AOEX24)109gを1時間かけ
て滴下した。110〜120℃で14時間反応した後、
実施例1の(1)と同様の後処理をして中間体の長鎖分
岐脂肪酸(12〜31)2−ヒドロキシアルキル(12
〜14)229g(収率86%)を得た。得られたモノ
エステルは融点64℃の固体で、酸価0.3、ケン化価
112.1、水酸基価124.3であった。
【0021】(2)長鎖分岐脂肪酸(12〜31)2−
イソブチリロキシアルキル(12〜14)の合成 1L4つ口反応器に上記(1)で合成した長鎖分岐脂肪
酸(12〜31)2−ヒドロキシアルキル(12〜1
4)180g、ヘプタン180g、イソ酪酸クロライド
48gを仕込み、80〜90℃で18時間撹拌しエステ
ル化した。実施例1の(2)と同様に後処理をして目的
の長鎖分岐(12〜31)脂肪酸2−イソブチリロキシ
アルキル(12〜14)186g(収率89%)を得
た。得られたエステルは常温で液状で、酸価0.2、ケ
ン化価203.9、水酸基価4.4であった。このよう
にして得られた長鎖分岐脂肪酸(12〜31)2−イソ
ブチリロキシアルキル(12〜14)を、5名のパネラ
ーの皮膚及び毛髪上に塗布し、塗布時の感触を評価し
た。その結果、5名中4名が塗布前に比べ感触が改善さ
れたと判定した。
【0022】実施例3 イソ酪酸2−(イソステアロイ
ルオキシ)アルキル(16〜18)の合成 (1)イソ酪酸2−ヒドロキシアルキル(16〜18)
の合成 1L4つ口反応器にイソ酪酸62g、炭酸ナトリウム1
g、炭酸水素ナトリウム0.1gを仕込み、110℃で
撹拌しながらアルキレン(16〜18)オキサイド(ダ
イセル化学製AOEX68)197gを1時間かけて滴
下する。110〜115℃で18時間反応し、冷却後実
施例1の(1)と同様に後処理をして中間体のイソ酪酸
2−ヒドロキシアルキル(16〜18)229g(収率
89%)を得た。得られたエステルは融点31℃のペー
スト状で、酸価0.1、ケン化価144.0、水酸基価
155.0であった。 NMR(δ ppm, CDCl3):4.14(dd,J=3,12Hz,1H), 3.96
(dd,J=7,12Hz,1H), 3.83(bs,1H), 3.73-3.60(m,1H), 2.
60(qq,J=7Hz,1H), 1.64-1.19(m,約34H), 0.88(t,J=7Hz,
3H).
【0023】(2)イソ酪酸2−(イソステアロイルオ
キシ)アルキル(16〜18)の合成 500mL4つ口反応器に(1)で合成したイソ酪酸2
−ヒドロキシアルキル(16〜18)52g、ヘプタン
90g、イソステアリン酸42g、パラトルエンスルホ
ン酸2gを仕込み、110〜113℃で14時間撹拌し
エステル化した。冷却後実施例1の(2)と同様に後処
理を行い目的のイソ酪酸2−(イソステアロイルオキ
シ)アルキル(16〜18)85g(収率93%)を得
た。得られたエステルは常温で液状で、酸価0.3、ケ
ン化価169.5、水酸基価3.8であった。このよう
にして得られたイソ酪酸2−(イソステアロイルオキ
シ)アルキル(16〜18)を、5名のパネラーの皮膚
及び毛髪上に塗布し、塗布時の感触を評価した。その結
果、5名中5名が塗布前に比べ感触が改善されたと判定
した。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、安価で入手容易な一般
式(1)で表されるエポキシドから、一般式(4)で表
される1,2−ジオールジエステル、特に1位と2位に
異なるアシル基を有する1,2−ジオールジエステル
を、選択的かつ工業的に有利な方法で、高収率、安価に
製造することができる。また、このようにして得られた
1,2−ジオールジエステルは皮膚や毛髪に塗布した場
合、平滑性、柔軟性、湿潤性、及び感触に優れており、
化粧料として有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 69/003 C07C 69/003 C 69/007 69/007 B C 69/02 69/02 69/025 69/025 Z 69/527 69/527 69/533 69/533 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 奥村 昌和 兵庫県高砂市梅井5丁目1番1号 日本精 化株式会社研究所内 Fターム(参考) 4C076 BB31 DD46 FF04 4C083 AC391 CC01 EE06 EE07 4H006 AA02 AC28 AC48 BA02 BA03 BA06 BA32 BN10 BP10 4H039 CA66 CD10 CH70

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数4〜40の炭化水素基を示す)で
    表されるエポキシドに、一般式(2) R2−COOH (2) (式中、R2は水素原子又は炭素数1〜40の炭化水素
    基を示す)で表されるカルボン酸又はその塩を反応さ
    せ、一般式(3) 【化2】 (式中、R1は炭素数4〜40の炭化水素基、R2は水素
    原子又は炭素数1〜40の炭化水素基を示す)で表され
    る1,2−ジオールモノエステルを得、さらにこれをア
    シル化することを特徴とする、一般式(4) 【化3】 (式中、R1は炭素数4〜40の炭化水素基、R2は水素
    原子又は炭素数1〜40の炭化水素基、R3は水素原子
    又は炭素数1〜40の炭化水素基を示す)で表される
    1,2−ジオールジエステルの製造方法。
  2. 【請求項2】 R1が炭素数4〜30の直鎖若しくは分
    岐鎖の飽和炭化水素基、R2、R3の一方が炭素数10〜
    40の直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の炭化
    水素基、他方が炭素数1〜40の直鎖若しくは分岐鎖の
    飽和若しくは不飽和の炭化水素基である請求項1記載の
    1,2−ジオールジエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 R2とR3が互いに異なる炭化水素基であ
    る請求項1又は2記載の1,2−ジオールジエステルの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(1)で表されるエポキシドに、
    一般式(2)で表されるカルボン酸又はその塩を反応さ
    せる際に、触媒として、アルカリ金属の炭酸塩、炭酸水
    素塩から選ばれる1種又は2種以上を含有させる請求項
    1〜3の何れかに記載の1,2−ジオールジエステルの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の製造方法
    で製造した1,2−ジオールジエステルを含有する化粧
    料及び外用剤。
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