JP2002240066A - 塩化ビニル系樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂フィルムの製造方法

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JP2002240066A
JP2002240066A JP2001043322A JP2001043322A JP2002240066A JP 2002240066 A JP2002240066 A JP 2002240066A JP 2001043322 A JP2001043322 A JP 2001043322A JP 2001043322 A JP2001043322 A JP 2001043322A JP 2002240066 A JP2002240066 A JP 2002240066A
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Japan
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vinyl chloride
sol
viscosity
chloride resin
film
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JP2001043322A
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English (en)
Inventor
Kenji Asada
健次 麻田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャスティング成形法において生産性に優れ
た塩化ビニル系樹脂フィルムの製造方法を提供する。 【解決手段】 離型フィルム(例えばPET)上に、以
下の粘度特性に関する式(1)及び式(2)を満たす、
例えば、塩化ビニル系樹脂、可塑剤、紫外線吸収剤、熱
安定剤、顔料、希釈溶剤及び分散剤を含有した、塩化ビ
ニル系樹脂からなるゾルを塗工し、乾燥させる塩化ビニ
ル系樹脂フィルムの製造方法。 B≦1.5A ・・・(1) 0.5≦B≦8 ・・・(2) (但し、Aは調製直後のゾル粘度(Pa・s)を、Bは
調製7日後に1000秒 -1の剪断速度を付与した後のゾ
ル粘度(Pa・s)を表す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生産性に優れた塩
化ビニル系樹脂フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂フィルムの製造方法と
しては、主にカレンダー成形法とキャスティング成形法
の2つが知られている。この内、寸法安定性やシートの
厚み精度の点でキャスティング成形法が優れており、高
品質製品の製造に多用されている。キャスティング成形
法では、一般に、希望の色を発現させるために複数の顔
料を塩化ビニル系樹脂に添加し、更に可塑剤、安定剤、
希釈溶剤等を配合して得られたゾル(通常、これをオル
ガノゾルと称している)を、適当な粘度で離型フィルム
の上に塗工し乾燥させる。その後離型フィルムを剥ぎ取
って、目的とする塩化ビニル系樹脂フィルムを得る。
【0003】しかし、これまでは、塩化ビニル系樹脂の
オルガノゾルの「粘度挙動と塗工性(塗工効率)」につ
いては十分な検討がなされていなかった。このため塩化
ビニル系樹脂の効率的な製造が難しく、試行錯誤のなか
で塗工の際のゾル粘度を設定していたのが現状であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】オルガノゾルは、顔料
の種類や希釈溶剤の量(固形分割合)により粘度挙動が
大きく異なり、また、この粘度挙動がオルガノゾルの塗
工性を大きく左右するものである。本発明者は、塩化ビ
ニル系樹脂フィルムを生産性良く製造するために、ゾル
粘度の絶対値を制御することにより塗工性を調整してい
たが、実際は絶対粘度のみによる塗工性制御は困難であ
った。そこでゾル粘度挙動と塗工性を詳細検討した結
果、粘度の絶対値に加え、「構造粘性の壊れ易さ」を加
味する必要があるとの知見を得て、本発明を完成させ
た。
【0005】即ち、本発明は、オルガノゾルの粘度挙動
の内、構造粘性の壊れ易さに着目し、キャスティング成
形法における生産性に優れた塩化ビニル系樹脂フィルム
の製造方法を提供することを目的としてなされたもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、離型フィルム上に、以下の粘度特性に関
する式(1)及び式(2)を満たす塩化ビニル系樹脂を
含有するゾルを塗工し、乾燥させる塩化ビニル系樹脂フ
ィルムの製造方法を提供する。 B≦1.5A ・・・(1) 0.5≦B≦8 ・・・(2) (但し、Aは調製直後のゾル粘度(Pa・s=1000
センチポイズcP)を、Bは調製7日後に1000秒-1
の剪断速度を付与した後のゾル粘度(Pa・s=100
0センチポイズcP)を表す)
【0007】以下、本発明を更に詳細に説明する。尚、
本明細書における「フィルム」は、厚さの点でシートと
厳密に区別し得るものではなく、シートをも包含するも
のである。本発明の塩化ビニル系樹脂フィルムの製造方
法においては、先ず、従来公知の方法で、塩化ビニル系
樹脂に希釈溶剤の他、通常は顔料と更に必要に応じ、可
塑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、分散剤等を配合してゾ
ルを調製する。以下このゾルを、適宜、オルガノゾルと
して説明する。この際に得られるオルガノゾルの粘度特
性を、式(1)及び式(2)を満足する様なものとする
ことが、本発明の重要な要件となる。
【0008】式(1)は「構造粘性の壊れ易さ」の適性
範囲を示すものであり、この範囲外では構造粘性が壊れ
にくいために、塗工時にゾル攪拌釜やバット等の容器内
の粘度が不均一となり、塗工不良が発生し易くなるので
ある。また式(2)は「ゾルの絶対粘度」(他の液体と
の相対的値ではない、測定粘度)を定義するものであ
り、0.5(Pa・s)未満の場合は、低粘度によるバ
ット部での液漏れや、ゾル中の顔料が沈降したり分散不
良による所謂色別れ不良などが発生し、逆に8(Pa・
s)より高い場合はレベリング性が低くなり、塗工スジ
などの不良が発生することとなる。
【0009】上記希釈溶剤としてはオルガノゾルに使用
される公知の溶剤が使用可能であり、例えば、キシレ
ン、トルエン等が挙げられる。上記熱安定剤としては特
に制限はないものの、Ca−Zn系、BaーZn系が好
適に用いられる。
【0010】上記紫外線吸収剤としては塩化ビニル系樹
脂に相溶性が良く、揮発性が少なく、移行性の小さなも
のであれば特に制限はなく、具体的にはベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸誘導体系の紫外
線吸収剤が挙げられる。これらは、単独でもしくは2種
以上を併用して使用される。またこれら紫外線吸収剤の
代替としてヒンダート・アミン系光安定剤を使用しても
よい。上記可塑剤としては揮発性が少なく、移行性の小
さなものであれば特に制限はなく、具体的代表例として
はアジピン酸系、ポリエステル系の可塑剤が好適に使用
される。
【0011】本発明においては、例えば、塩化ビニル系
樹脂100重量部の場合、可塑剤25〜35重量部、最
も一般的には30重量部、紫外線吸収剤1〜2重量部、
最も一般的には1重量部、熱安定剤0.5〜2重量部、
最も一般的には1重量部、分散剤0.2〜1.5重量
部、最も一般的には0.5重量部に対し、溶剤及び顔料
を、全体の固形分や色目に応じて適宜配合してゾルを調
製する。固形分の割合や分散剤の量、顔料の種類、攪拌
時間等によって、上記Bの値を調整する。
【0012】使用される離型フィルムは特に制約はな
く、強度、コスト、入手の容易性からポリエステル系フ
ィルムが好ましく用いられる。具体的にはポリエチレン
テレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート
(PEN)等が好適に用いられる。離型フィルムの厚み
については特に制約はなく、25〜75μmであること
が好ましく、更には38〜50μmが好ましい。25μ
m以下であると乾燥工程にて、その熱量により収縮や切
断が発生する危険があり75μm以上になるとコスト的
に不利となる。
【0013】離型フィルム上に、上記オルガノゾルを塗
工するには、一般に使用されるコーター機によるキャス
ティング成形方法が採用され、コンマコーター、コンマ
リバース等の一般的な塗工設備を使用し得る。コーター
にて均一にキャスティングした後、乾燥工程にて固形化
された後、冷却され巻き取られる工程となる。乾燥工程
における乾燥条件としてはフィルムの表面到達温度が1
80〜200℃の範囲内に制御する必要がある。好まし
くは185〜195℃であり、180℃以下ではフィル
ムの融着が不十分となる可能性があり、十分なフィルム
物性を発現しないことがある。また200℃以上になる
とポリエステル系フィルムの収縮が大きくなり、シワが
発生する。
【0014】更に乾燥工程以降のテンションはフィルム
の収縮と相関を持つため、160N/m(約160g/
cm)以下に抑える必要ことが好ましい。160N/m
を越えるとフィルムが巾方向に縮む恐れがある。本発明
で得られるフィルムは、必要に応じ、粘着剤を積層し粘
着シートとすることが可能である。使用される粘着剤と
しては特に限定はないが、耐候性、透明性の観点からア
クリル系粘着剤が好適に使用される。また粘着剤中に顔
料や安定剤等の各種改質剤を添加してもよい。粘着剤層
厚みは十分な粘着力を発現する範囲内であれば問題はな
く、通常10〜40μmが好ましい。
【0015】(作用)「構造粘性の壊れ易さ」の定量的
評価方法とその適性範囲を明確化することが重要であ
る。本発明は、構造粘度の壊れ易さを定量的に評価し、
それと、絶対粘度の2面からゾル粘度の適正化を図るこ
とにより、塗工性に優れたゾルを得て、かかるゾルを離
型フィルム上に塗工することにより、生産性に優れた塩
化ビニル系樹脂フィルムの製造方法を完成したものであ
る。
【0016】
【実施例】<サンプル調整>塩化ビニル系樹脂(住友化
学工業社製 スミリットPX−N(4),重合度130
0)100重量部に対し、可塑剤(旭電化社製 PN2
50)30重量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
(旭電化社製 アデカスタブLA−32)1重量部、熱
安定剤(旭電化社製 MARK AC−167)1重量
部、キナクリドンレッド2.5重量部に、更に希釈溶剤
(キシレン)と分散剤( ビックケミー・ ジャパン社製
Disperbyk−108、油溶性非イオン系脂肪族
ポリカルボン酸類)を表1のように秤量した。
【0017】次に、これらを23℃の条件下でディゾル
バーにて900rpmで40分間撹拌し、ぞれぞれ表1
に記載の粘度特性を有するオルガノゾルを得た。尚、オ
ルガノゾルの粘度特性の測定は、TOKIMEC社製の
BH型粘度計を用いて行った。
【0018】
【表1】
【0019】更に厚み50μm、巾1000mmのPE
T離型フィルム(帝人製 テトロン)の表面上に、上述
のオルガノゾルをコンマコーターにて塗布、乾燥し、5
0μmの塩化ビニル系樹脂フィルムを得た。その結果
は、表1に記載の通り、比較例1、2においては塗工ロ
ス率が21%、20%であったのに対し、実施例1、2
においては塗工ロス率が0%、1%と低減され大幅に塗
工性が向上したことが明らかである。
【0020】
【発明の効果】本発明においては、上述の(1)式及び
(2)式を満足する構造粘性の壊れ易さ等が特定の適宜
範囲とされた塩化ビニル系樹脂含有ゾルを調製し、離型
フィルム上に塗工するので、本発明によれば、キャステ
ィング成形法において高い生産性をもって塩化ビニル系
樹脂フィルムを提供することが可能であり、かつ、寸法
安定性やシートの優れた厚み精度等、従来のキャスティ
ング成形法による利点を備えた高品質製品の製造が可能
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型フィルム上に、以下の粘度特性に関
    する式(1)及び式(2)を満たす塩化ビニル系樹脂を
    含有するゾルを塗工し、乾燥させることを特徴とする塩
    化ビニル系樹脂フィルムの製造方法。 B≦1.5A ・・・(1) 0.5≦B≦8 ・・・(2) (但し、Aは調製直後のゾル粘度(Pa・s)を、Bは
    調製7日後に1000秒 -1の剪断速度を付与した後のゾ
    ル粘度(Pa・s)を表す)
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