JP2002239808A - 表面被覆超硬合金切削工具 - Google Patents
表面被覆超硬合金切削工具Info
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Abstract
るとともに、耐摩耗性の向上を可能とした、表面被覆超
硬合金切削工具を提供することにある。 【解決手段】 超硬合金基体の表面部にη相が、A領域
(刃先稜線部から逃げ面方向に向かう0.1mm≦a≦
3.0mmの領域)、B領域(刃先稜線部の範囲)およ
びC領域(刃先稜線部からチップブレーカの底を含むす
くい面方向に向かう0.3mm≦c≦3.0mmの領
域)の連続領域で5%以上、40%以下の領域割合で点
在し、A領域、B領域およびC領域の連続領域で表面粗
さが超硬合金基体の端面からの観察によって測定される
基準長さ5μmに対し、面粗さがRmax0.2μm〜
1.3μmとなる均一な面粗さを有する。
Description
切削工具に関し、より特定的には、表面被覆超硬合金切
削工具の刃先近傍の耐摩耗性を向上させるとともに、硬
質被覆膜の密着力を向上させる表面被覆超硬合金切削工
具の長寿命化の達成に関するものである。
所定の超硬合金基体から形成されている。この超硬合金
基体は、周期律表のIVA、VA、VIA族の炭化物、
窒化物、および、炭窒化物から選ばれた1種以上を硬質
相とし、Fe、Ni、Co、Mo、および、Crからな
る群より選択される材料を含む、Coを主成分とする結
合相とからなる超硬合金の粉末を金型でプレス成形し焼
結した後に刃先稜線部をホーニング加工などにより研削
加工を行なうことにより形成される。また、上記超硬合
金の粉末をブレーカ付金型でプレス成型することもあ
る。超硬合金基体の表面には、化学蒸着法(CVD法)
や物理蒸着法(PVD法)などの手段によって各種のセ
ラミックス被膜を形成した単層または多層で構成された
被覆層を蒸着され、この硬質被覆層が蒸着された超硬合
金基体が表面被覆切削工具として実用化され広く普及し
ている。
硬質被覆層を超硬合金基体に蒸着することにより、表面
被覆切削工具の耐摩耗性が向上するだけでなく、切削時
に被削材と表面被覆切削工具とが反応することを防止で
き、結果的に表面被覆切削工具の寿命の向上が図れる。
しかし、これらの表面被覆切削工具を用いて加工を行な
った場合、特に高速切削加工のような高温での被覆層の
耐摩耗性が必要な加工、あるいは小物部品加工のように
被削材への食いつき回数が多い加工などにおいて被覆層
の耐摩耗性が不足したり、被覆層の損傷が発生すること
による表面被覆切削工具寿命の低下が発生していた。
法に比べて母材との密着性は優れるものの、母材の種類
によっては、特に性能に寄与する切刃稜線部において超
硬基体と硬質被覆膜の界面に脆化相であるη相(Co3
W3C,Co6W6Cなどの複炭化物相)が広範囲にわた
り厚く析出し、切削中にこのη相とともに硬質被覆相が
脱落して摩耗の進行が発生することから、表面被覆切削
工具の寿命のばらつきを引起し、硬質被覆膜が寿命向上
に寄与しているとはいえない場合があった。
化合物を用いた熱CVD法(以下、MT−CVD法と呼
ぶ)でTiCN膜を成膜する方法が提案されている(特
開昭50−117809号公報、特開昭50−1098
28号公報)。この方法により形成された被覆層は柱状
組織を有することも知られている(特許第266018
0号公報など)。このMT−CVD法では、従来の方法
よりもやや低い温度で成膜ができ、気相中でCやNの供
給が十分であるために切刃稜線部の基体から膜へのCな
どの拡散が少なく、刃先稜線部のη相が発生しないとさ
れている。
が集中して発生するのは、超硬合金基体のプレス成形時
に生じた刃先稜線部のバリを、ホーニング処理である面
取り加工が施されたときに生じる加工屑または加工変質
相がCVD法成膜時に基体から炭素が硬質被覆膜に拡散
し、拡散した空孔部に融点の低い結合相であるCoが入
り込み、複炭化物相であるη相を形成するためである。
そこで、このη相をなくすために加工屑または加工変質
相をコーティング前にエッチング処理を施し除去する方
法が提案されている(特開平8−257809号公
報)。
T−CVD法では超硬合金基体と硬質被覆膜の界面にη
相が形成されることはないが、従来の方法よりもやや低
い温度で成膜され、また反応性の高い有機CN化合物を
使用するため、超硬合金基体から膜への拡散がなく密着
力が不十分となっている。
の極端な低減は密着力低下をもたらし、実質的には硬質
被覆膜が食いつき加工時に剥離を伴う摩耗の増加を引き
起こし、表面被覆切削工具の寿命を延ばすことができな
かった。また、η相は高硬度の複炭化物であり、η相を
消滅させることで耐摩耗性が下がり、この点でも表面被
覆切削工具の寿命を延ばすことができなかった。
膜の超硬合金基体への密着力を高めるとともに、耐摩耗
性の向上を可能とした、表面被覆超硬合金切削工具を提
供することにある。
は、上記知見に基づき硬質被覆膜の密着力と超硬合金基
体の耐摩耗性を向上させ、表面被覆超硬合金切削工具の
寿命を延ばすために鋭意研究を行なった結果、下記に示
す所定の連続した領域範囲で一定の割合でη相を点在さ
せることで上記問題点を解消し、さらに表面被覆超硬合
金切削工具の広範囲にわたり性能を発揮することを見出
した。
具によれば、周期律表のIVA、VA、VIA族の炭化
物、窒化物、および、炭窒化物から選ばれた1種以上を
硬質相とし、Fe、Ni、Co、Mo、および、Crか
らなる群より選択される材料を含む、Coを主成分とす
る結合相とを備え、すくい面にプレス焼成された超硬合
金基体の表面部に、アスペクト比が5以上の柱状組織を
有するTiCN硬質被覆膜を少なくとも1層以上有し、
かつ、上記柱状組織を有するTiCN硬質被覆膜と異な
る表面硬質被覆膜が少なくとも1層以上有する表面被覆
超硬合金切削工具であって、上記超硬合金基体の表面部
のA領域、B領域、およびC領域の連続した領域範囲
で、上記A領域が、刃先稜線部から逃げ面方向に向かう
0.1mm≦a≦3.0mmの範囲の領域、上記B領域
が、上記刃先稜線部の範囲、および、C領域が、上記刃
先稜線部からすくい面方向に向かう0.3mm≦c≦
3.0mmの範囲の領域である場合に、上記超硬合金基
体の表面部にη相がA領域、B領域およびC領域の連続
領域で5%以上、40%以下の領域割合で点在し、A領
域、B領域およびC領域の連続領域で表面粗さが上記超
硬合金基体の断面からの観察によって測定される基準長
さ5μmに対し、面粗さがRmax0.2〜1.3μm
となる均一な面粗さを有する。
になり、硬質被覆膜への炭素などの拡散とη相の点在に
より不連続相が形成され硬質被覆膜と超硬合金基体との
界面に走る亀裂進展を防ぎ、より強固な密着力が得られ
る。また高硬度なη相を点在することにより、超硬合金
基体の耐摩耗性を向上させることが可能となる。
超硬合金基体の表面部に点在するη相は、界面に沿う幅
を0.5μm以上、10μm以下、かつ、界面から垂直
な深さを0.5μm以上、5μm以下である。これによ
り、性能良く表面被覆超硬合金切削工具の寿命の延命を
図ることが可能になる。
超硬合金基体の表面部の上記C領域は、チップブレーカ
の底を含む領域が存在する。これにより、さらに耐クレ
ータ性を向上させることが可能になる。
柱状組織を有するTiCN硬質被覆膜の少なくとも1層
の膜厚が3.0μm〜20.0μmを有する。これによ
り、硬質被覆膜の耐摩耗性の向上を図ることが可能にな
る。
表面硬質被覆膜は、酸化アルミニウム層、酸化ジルコニ
ウム層、酸化ハフニウム層、周期律表のIVA、VA、
VIA族の炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、硼化物
層、硼窒化物層、硼窒炭化物層、酸化物層、炭酸化物
層、酸窒化物層、および、炭窒酸化物層、からなる群よ
り選択される層を有し、上記トータル膜厚が1.0μm
〜30.0μmである。
超硬合金基体上に形成される最内層に、TiNからなる
上記硬質被覆膜が形成される。これにより、表面被覆超
硬合金切削工具の耐摩耗性と耐クレータ性のバランスが
良く長期に亘り優れた性能を発揮することが可能にな
る。
表面硬質被覆膜が、α−Al2O3を有する。これによ
り、表面硬質被覆膜の強度が向上し、更に性能向上を図
ることが可能になる。
表面硬質被覆膜の刃先稜線部近傍が、工具断面からの観
察によって測定される基準長さ5μmに対する面粗さR
maxが、0.2μm以下の滑らかな面で実質的に構成
されている。これにより、表面硬質被覆膜の剥離が防止
され、実質的に表面硬質被覆膜の剥離から生じる摩耗の
進行を抑制でき、表面被覆超硬合金切削工具の寿命の向
上を図ることが可能になる。
超硬合金基体の表面部に、平均厚みが0μmより大きく
50μm以下の脱β層を有する。これにより、超硬合金
基体の表面部の欠損が抑制され、実質的に欠損から生じ
る耐摩耗性を十分に発揮することが可能になり、表面被
覆超硬合金切削工具の寿命の向上を図ることが可能にな
る。
硬合金切削工具の実施の形態について説明する。なお、
以下に示す元素の周期律は、「株式会社朝倉書店発行、
実用化学辞典(第4刷)、第346頁および第347
頁」に掲載のものに基くものとする。
は周期律表のIVA、VA、VIA族から選ばれた1種
以上を硬質相とし、Fe、Ni、Co、Mo、および、
Crからなる群より選択される材料を含む、Coを主成
分とする結合相とを備え、図1に示すように、すくい面
1にプレス焼成されたチップブレーカ2が配設された超
硬合金基体が適用される。なお、図1に示す表面被覆超
硬合金切削工具は、その外観を示す斜視図の一例であ
り、刃先先端3、刃先稜線部4、および、逃げ面5が表
わされている。
置されている超硬合金基体を用いるのは、高速・高能率
加工における切屑排出性をよくし、工具と切屑の滑り摩
擦による温度上昇を極力低くし、表面被覆超硬合金切削
工具の寿命の延命を狙うものであり、従来の方法過酷な
使用環境に耐えるためには必要不可欠である。
アスペクト比が5以上の柱状組織を有するTiCN硬質
被覆膜を少なくとも1層以上形成し、かつ、柱状組織を
有するTiCN硬質被覆膜と異なる表面硬質被覆膜が少
なくとも1層以上形成している。ここで、MT−CVD
法の反応条件を従来とは異なった条件、すなわち有機C
N化合物を用いて雰囲気圧力を30kPa〜80kP
a、成膜温度を900℃〜1000℃で成膜させる。
記超硬合金基体の表面部のA領域、B領域、およびC領
域の連続した領域範囲において、a領域が刃先稜線部か
ら逃げ面に向く方向の領域0.1mm≦a≦3.0mm
の範囲であり、b領域が刃先稜線部の範囲であり、c領
域が刃先稜線部からチップブレーカ底を含むすくい面に
向く方向の領域0.3mm≦c≦3.0mmの範囲であ
る。
ない、A領域およびC領域の範囲は超硬合金基体の表面
処理を実施し、B領域を中心に均一な超硬合金基体の表
面加工処理がなされ、A領域、B領域、およびC領域の
連続領域で表面粗さが超硬合金基体の断面から観察する
方法によって測定される基準長さ5μmに対し、面粗さ
がRmax0.2μm〜1.3μmとなる均一な面粗さ
を形成する。加工処理はブラシ・バレル・ブラストなど
の方法を用いて、チップブレーカ底まで均一に処理しな
ければならない。
ーザ照射、エッチング液などの高圧照射などの方法によ
り脱炭しやすいA領域、B領域、および、C領域の連続
領域で5%以上、40%以下の領域割合で点在させるこ
とができる。また断続時間、照射圧力を変化させること
により超硬合金基体の深さ方向にもη相を点在させるこ
とが可能となる。
被覆膜への炭素などの拡散とη相の点在により不連続相
が形成され硬質被覆膜と超硬合金基体との界面に走る亀
裂進展を防ぎ、より強固な密着力が得られる。また高硬
度なη相を点在することにより、超硬合金基体の耐摩耗
性を向上させることが可能となるのである。ここでη相
領域確認方法は、図1のII−IIで、表面被覆超硬合
金切削工具を切断し、その断面(図2)を研磨後ラッピ
ングにより鏡面状態に仕上げ、所定の試薬にて硬質被覆
膜と硬質合金基体との界面を腐食させる方法で確認し、
領域を界面に沿う長さで測定・計算する。
3.0mmとしたのは被削材との滑り摩耗である耐摩耗
性を向上させるものとしており、0.1mm以下では摩
耗の進行が制御できず、3.0mm以上では照射領域が
広くなりすぎ、制御されたη相が析出できない。また、
C領域の範囲ではチップブレーカ底を含むすくい面に向
かう方向の領域において0.3mm≦a≦3.0mmと
することにより、耐クレータ性の向上を図り、クレータ
摩耗の進行を抑制することにより、切削温度を下げる効
果が発揮され長期にわたり寿命を延ばすことが可能とな
る。すくい面領域の範囲が0.3μm以下では、ブレー
カ底までは達せず、3.0mm以上では照射領域が広く
なりすぎ、制御されたη相が析出できない。また、超硬
合金基体の表面粗さをRmax0.2μm〜1.3μm
となる均一な面粗さでなければη相の析出を制御するこ
とが困難となる。
硬合金の主成分であるWC粒子の大きさが一般に、表面
部で3μm〜5μmの範囲にあり、これが表面に突起し
ていて5μm〜7μm程度の幅で2μm〜3μmの高さ
の「うねり」が生じるので、このうねりの影響を排除し
て表面粗さを特定するためである。
m以上、10μm以下、かつ、界面から垂直な深さで
0.5μm以上、5μm以下とすることで性能向上が図
れ、これ以外の範囲では、著しく寿命を低下させること
になる。点在するη相の大きさは、好ましくは幅約5μ
m・深さ約2μmで最も性能がよく表面被覆超硬合金切
削工具の寿命の延命が可能となる。
が5以上の柱状結晶組織であるTiCN相が3.0μm
〜20.0μmを有することで硬質被覆膜の耐摩耗性の
向上が可能となる。ここで、3.0μm以下では硬質被
覆膜の膜厚が薄すぎるために耐摩耗性が足りなくなり、
20.0μm以上では柱状組織の途中から膜破壊してし
まうことになり欠損し、表面被覆超硬合金切削工具の寿
命が十分発揮できなくなるためである。
柱状結晶組織であるTiCN相以外の硬質被覆膜の膜質
が上記の組成の異なる表面硬質被覆膜は、酸化アルミニ
ウム層、酸化ジルコニウム層、酸化ハフニウム層、周期
律表のIVA、VA、VIA族の炭化物層、窒化物層、
炭窒化物層、硼化物層、硼窒化物層、硼窒炭化物層、酸
化物層、炭酸化物層、酸窒化物層、および、炭窒酸化物
層の単層または多重層で構成されていることが好まし
く、トータル膜厚が1.0μm〜30.0μmとするこ
とで耐摩耗性と耐クレータ性のバランスがよく長期にわ
たり優れた性能を発揮できる。
り最内層である第1層がTiNであることで硬質基体表
面の膜付着強度を向上させることが可能となり、硬質被
覆膜の剥離から生じる摩耗の抑制が可能となり、耐摩耗
性の向上が図れ、切削工具の寿命延命がなされる。
O3膜を配置することにより、硬質被覆膜の強度が向上
しさらに性能向上が図れることになる。
生しないように、刃先稜線部近傍の硬質被覆膜表面が基
準長さ5μmに対する面粗さRmaxが0.2μm以下
の滑らかな面で構成されることにより、硬質被覆膜の剥
離を防止し、実質的に硬質被膜の剥離から生じる摩耗の
進行を抑制され、寿命向上が図れる。
μmより大きく(脱β層厚み)≦50μm)である軟化
層を配置することにより欠損が抑制され、実質的に欠損
から生じる耐摩耗性を十分に発揮することが可能とな
り、被覆工具寿命の延命がなされる。
示した原料粉末を用いて、表1記載の配合組成に配合
し、ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥した後IS
O・SNMG120408の形状にブレーカ形状が施さ
れた圧紛体にプレス成形し、真空雰囲気中で表1記載の
条件で焼結(超硬合金A〜E)を行なった。
稜線部Bの面取り加工を♯800SiCブラシ実施し、
その後逃げ面Aとすくい面Cの領域を線形の細い♯80
0SiCブラシを用いて、ブレーカ底まで処理を実施す
る。図2に断面模式図を記載する。実施した硬質合金基
体の処理領域と基体表面の面粗さの状態を表2に示す。
得られた超硬合金基体を断続的なレーザ照射:波長0.
19μm〜0.50μm、出力5mJ〜1JをA〜C領
域に照射する。
い、表3に示される成膜条件で硬質被覆膜を得た。
iCN硬質被覆膜は圧力・温度を断続あるいは連続変化
させることにより得られる。得られたアスペクト比は表
4に記載する。
表面被覆超硬合金切削工具の破断面で柱状組織を持つT
iCN硬質被覆膜の膜厚Fの中心部から70%範囲
(G)で水平方向の結晶粒径((上端側粒径D+下端側
粒径E)/2)と膜厚(G)との比を算出して求める方
法をとる(模式図を図3に示す)。また、本実施の形態
で製造された超硬合金基体状態と硬質被覆膜構造とを表
2に示し、η相の領域割合と大きさとを表4に示す。
合金切削工具1〜7(表2参照)および従来の表面被覆
超硬合金切削工具8〜11(表2参照)について以下の
条件で連続切削試験を行なう。
逃げ面の磨耗量とすくい面のクレータ磨耗量の測定を
し、切削条件2では工具寿命までの加工時間を測定し
た。測定結果を下記表5に示す。
被覆超硬合金切削工具の刃先稜線部近傍の硬質被覆膜を
平均粒径4μmのダイヤモンドパウダーでラッピング
し、刃先稜線部付近の硬質被覆膜の表面粗さを断面から
観察する方法によって測定される基準長さ5μmに対す
る面粗さRmaxが0.2μm以下の滑らかな面とする
ことで、切削条件1では逃げ面の摩耗幅が20%程度減
少し、また切削条件2では20%〜40%寿命が延びた
ことが確認でき、性能向上が図れた。
であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記し
た説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許
請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更
が含まれる。
金切削工具においては、一定時間の摩耗量比較と寿命ま
での加工時間の延命が可能となる。また、本発明におい
ては、刃先稜線部と逃げ面とすくい面の超硬合金基体の
粗さを均一にし、超硬合金基体と硬質被覆膜の界面にη
相が点在させることにより、長期にわたって優れた耐摩
耗性と耐クレータ摩耗性の両立が可能となり、表面被覆
切削工具の長寿命化を達成することが可能となる。
一例を示す斜視図である。
示す模式図である。
刃先稜線部、5 逃げ面。
Claims (9)
- 【請求項1】 周期律表のIVA、VA、VIA族の炭
化物、窒化物、および、炭窒化物から選ばれた1種以上
を硬質相とし、 Fe、Ni、Co、Mo、および、Crからなる群より
選択される材料を含む、Coを主成分とする結合相とを
備え、 すくい面にプレス焼成されたチップブレーカが配設され
た超硬合金基体の表面部に、アスペクト比が5以上の柱
状組織を有するTiCN硬質被覆膜を少なくとも1層以
上有し、かつ、前記柱状組織を有するTiCN硬質被覆
膜と異なる表面硬質被覆膜を少なくとも1層以上有する
表面被覆超硬合金切削工具であって、 前記超硬合金基体の表面部のA領域、B領域、およびC
領域の連続した領域範囲で、前記A領域が、刃先稜線部
から逃げ面方向に向かう0.1≦a≦3.0mmの範囲
の領域、前記B領域が、前記刃先稜線部の範囲、およ
び、前記C領域が、前記刃先稜線部からすくい面方向に
向かう0.3≦c≦3.0mmの範囲の領域である場合
に、前記超硬合金基体の表面部にη相が前記A領域、前
記B領域および前記C領域の連続領域で5%以上、40
%以下の領域割合で点在し、前記A領域、前記B領域お
よび前記C領域の連続領域で表面粗さが前記超硬合金基
体の断面からの観察によって測定される基準長さ5μm
に対し、面粗さがRmax0.2〜1.3μmとなる均
一な面粗さを有することを特徴とする、表面被覆超硬合
金切削工具。 - 【請求項2】 前記超硬合金基体の表面部に点在するη
相は、界面に沿う幅を0.5μm以上、10μm以下、
かつ、界面から垂直な深さを0.5μm以上、5μm以
下とすることを特徴とする、請求項1に記載の表面被覆
超硬合金切削工具。 - 【請求項3】 前記超硬合金基体の表面部の前記C領域
は、チップブレーカの底を含む領域が存在することを特
徴とする、請求項1または2に記載の表面被覆超硬合金
切削工具。 - 【請求項4】 前記柱状組織を有するTiCN硬質被覆
膜の少なくとも1層の膜厚が3.0μm〜20.0μm
を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか
に記載の表面被覆超硬合金切削工具。 - 【請求項5】 前記表面硬質被覆膜は、酸化アルミニウ
ム層、酸化ジルコニウム層、酸化ハフニウム層、周期律
表のIVA、VA、VIA族の炭化物層、窒化物層、炭
窒化物層、硼化物層、硼窒化物層、硼窒炭化物層、酸化
物層、炭酸化物層、酸窒化物層、および、炭窒酸化物
層、からなる群より選択される層を有し、前記トータル
膜厚が1.0μm〜30.0μmである、請求項1から
4のいずれかに記載の表面被覆超硬合金切削工具。 - 【請求項6】 前記超硬合金基体上に形成される最内層
に、TiNからなる前記硬質被覆膜が形成されることを
特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の表面被
覆超硬合金切削工具。 - 【請求項7】 前記表面硬質被覆膜が、α−Al2O3を
有することを特徴とする、請求項1から6のいずれかに
記載の表面被覆超硬合金切削工具。 - 【請求項8】 前記表面硬質被覆膜の刃先稜線部近傍
が、工具断面からの観察によって測定される基準長さ5
μmに対する面粗さRmaxが、0.2μm以下の滑ら
かな面で実質的に構成されていることを特徴とする、請
求項1から7のいずれかに記載の表面被覆超硬合金切削
工具。 - 【請求項9】 前記超硬合金基体の表面部に、平均厚み
が0μmより大きく50μm以下の脱β層を有する、請
求項1から8のいずれかに記載の表面被覆超硬合金切削
工具。
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