JP2002238499A - 高トリグリセリド血症治療剤 - Google Patents

高トリグリセリド血症治療剤

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JP2002238499A
JP2002238499A JP2001037137A JP2001037137A JP2002238499A JP 2002238499 A JP2002238499 A JP 2002238499A JP 2001037137 A JP2001037137 A JP 2001037137A JP 2001037137 A JP2001037137 A JP 2001037137A JP 2002238499 A JP2002238499 A JP 2002238499A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高トリグリセリド血症を呈しやすい素因を持
つヒトにおける予防もしくは治療する薬剤及び予防効果
もしくは治療効果を有する食品を提供し、さらに、発育
期の脳や各臓器の正常な発達に必要なコレステロールを
増加する、血清コレステロール増加剤及び血清コレステ
ロール増加食品を提供する。 【解決手段】 メバロノラクトンを含有する高トリグリ
セリド体質改善剤もしくは高トリグセリド血症治療
剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝的もしくは非
遺伝的に高トリグリセリド血症を呈しやすい素因を持つ
ヒトの体質を改善もしくは治療するのに有用なメバロノ
ラクトンを主成分としてなる高トリグセリド体質改善
剤、高トリグセリド血症治療剤、高グリセリド体質改善
食品及び高グリセリド血症治療食品に関し、ならびに発
育期の脳や各臓器の正常な発達に必要なコレステロール
を増加する、血清コレステロール増加剤及び血清コレス
テロール増加食品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】心疾
患、脳血管障害による死亡者数は我が国死亡原因の中で
も常に上位にあり、近年の食生活の変化とあいまって健
康に関する大きな問題となっている。狭心症、心筋梗塞
等の心疾患、脳梗塞等の脳血管障害となる虚血・動脈硬
化・血栓等のいずれもが脂質代謝異常と深く関わってい
る。血漿脂質が増加するいわゆる高脂血症は発症成因の
立場から原発性と続発性に分類されるが、続発性とは明
らかに原因がある場合であり、原疾患が治癒されれば高
脂血症も正常化するのが普通である。しかし、高脂血症
患者の95%は原発性といわれており、家族性であれ散
発性であれ高脂血症の原因となる明らかな原因がない場
合であり、治療はもっぱら原発性疾患に向けられる。
【0003】従来より、高脂血症治療薬としてHMG−
CoA還元酵素阻害剤(スタチン系薬剤)、フィブラー
ト系薬剤、イオン交換樹脂系薬剤、ニコチン酸系薬剤、
その他の薬剤が使用されてきている。とりわけスタチン
系薬剤の治療効果はめざましく、当該分野の治療薬の半
分以上を占めるに至っている。しかし、これらの薬剤は
高コレステロール血症に主点が置かれており、高トリグ
リセリドを主眼とした薬剤の開発はフィブラート系薬
剤、エラスターゼ等あるが高コレステロール治療剤ほど
進んではいないのが現状である。
【0004】一方、発育期の脳や各臓器の正常な発達に
は、内因性コレステロールの合成もしくは外因性コレス
テロールの供給が必要である。しかし、従来発育期のコ
レステロールの供給に関して、十分な効果を有する薬剤
又は食品等は見出されていない。
【0005】従って、本発明の目的は、高トリグリセリ
ド血症を呈しやすい素因を持つヒトにおける予防もしく
は治療する薬剤及び予防効果もしくは治療効果を有する
食品を提供し、さらに、発育期の脳や各臓器の正常な発
達に必要なコレステロールを増加する、血清コレステロ
ール増加剤及び血清コレステロール増加食品を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、イソプレノイド
化合物生合成系のキーマテリアルであるメバロノラクト
ンを経口摂取もしくは静脈注射等することにより高トリ
グリセリド血症の予防もしくは治療薬として有用である
こと、さらに脳、肝臓等の臓器、血清コレステロール濃
度を高め、脳や各臓器の発達のために有効であることを
見出し本発明を完成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明は、メバロノラクトンを
含有する高トリグセリド体質改善剤もしくは高トリグセ
リド血症治療剤を提供するものである。
【0008】また、本発明は、メバロノラクトンを含有
する発育期の血清コレステロール増加剤を提供するもの
である。
【0009】さらに、本発明は、上記メバロノラクトン
が天然型である上記高トリグリセリド体質改善剤もしく
は高トリグリセリド血症治療剤、又は発育期の血清コレ
ステロール増加剤を提供するものである。
【0010】また、本発明は、上記メバロノラクトンを
0.5〜80重量%含有する上記高トリグリセリド体質
改善剤もしくは高トリグリセリド血症治療剤、又は発育
期の血清コレステロール増加剤を提供するものである。
【0011】本発明は、メバロノラクトンを含有する高
トリグリセリド体質改善食品もしくは高グリセリド血症
治療食品を提供するものである。
【0012】また、本発明は、メバロノラクトンを含有
する発育期の血清コレステロール増加食品を提供するも
のである。
【0013】また、本発明は、上記食品がミルク、育児
粉乳、離乳食、幼児食、妊娠中の母親用食である上記高
トリグリセリド体質改善食品もしくは高グリセリド血症
治療食品、又は発育期の血清コレステロール増加食品を
提供するものである。
【0014】さらに、本発明は、上記メバロノラクトン
が天然型である上記高トリグリセリド体質改善食品もし
くは高トリグリセリド血症治療食品、又は発育期の血清
コレステロール増加食品を提供するものである。
【0015】また、本発明は、上記メバロノラクトンを
0.001〜30重量%含有する上記高トリグリセリド
体質改善食品もしくは高トリグリセリド血症治療食品、
又は発育期の血清コレステロール増加食品を提供するも
のである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるメバロノラクトンは、自然界におい
ては極めて多くの生物のイソプレノイド関連物質生合成
代謝に関与している物質であるが、ラクトン型をとった
ものがメバロノラクトンであり、水溶液中ではメバロン
酸として存在している。以後、メバロノラクトンとメバ
ロン酸は同義語として扱う。メバロノラクトンの大量生
産の方式としては例えば、微生物から生産する方法が知
られている(特公平7−89938号公報、特公平7−
89939号公報、特公平7−89940号公報、特公
平7−51068号公報、特許第2763782号公報
等を参照)。
【0017】また、化学合成によって得られたメバロノ
ラクトンには2種の光学異性体が存在するが、ラセミ体
も、そのまま使用でき、天然型のみを分割して使用する
こともできる。本発明で用いられるメバロノラクトン
は、生体への適合性の点から天然型のものが好ましい。
【0018】また、メバロン酸の1価もしくは2価の金
属塩、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム等の
塩、あるいは、アルコール類、例えば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、ブチルアルコール、プロピレン
グリコール、グリセリン、イソプロピルアルコール等と
のエステルでも使用することができる。以下、これらを
メバロン酸誘導体という。従って、本発明で用いられる
メバロノラクトンは、メバロノラクトン、メバロン酸、
メバロン酸誘導体を包含する。
【0019】本発明の高トリグセリド体質改善剤もしく
は高トリグセリド血症治療剤、又は発育期の血清コレス
テロール増加剤は、メバロノラクトン、メバロン酸又は
メバロン酸誘導体を含有し、通常一般的な医薬製剤の形
態、例えば、錠剤、散剤、丸剤、液剤、乳剤、顆粒、坐
剤、注射剤、舌下錠、トローチ、カプセル等の形態、あ
るいは輸液として用いることもできる。必要に応じて、
賦形剤、湿潤剤、希釈剤、保存剤、界面活性剤、着色
剤、呈味・香剤等を含有させることもできる。
【0020】また、高トリグセリド体質改善剤もしくは
高トリグセリド血症治療剤として使用する場合、例え
ば、HMG−CoA還元酵素阻害剤(スタチン系薬剤)
であるプラバスタチン、シンバスタチン、セリバスタチ
ン、アトルバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチ
ン等や、フィブラート系薬剤であるクロフィブラート、
フェノフィブラート、ベザフィブラート等や、イオン交
換樹脂系薬剤であるコレスチラミン、コレスチミド等
や、ニコチン酸系薬剤であるニコモール、ニセリトー
ル、ニコチン酸トコフェロール等、従来、一般にコレス
テロール低下剤あるいはトリグセリド低下剤として使用
される各種薬剤は基本的には併用することができる。
【0021】本発明の高トリグリセリド体質改善食品も
しくは高トリグリセリド血症治療食品、又は発育期の血
清コレステロール増加食品は、メバロノラクトン、メバ
ロン酸、メバロン酸誘導体を含有し、例えば、ミルク、
育児粉乳、離乳食、幼児食、妊娠中の母親用食、老人
食、病人食、あるいは一般の加工食品、例えばチーズ、
バター等の乳製品、マーガリン等の油脂加工品、醤油、
味噌、ドレッシング、焼肉のタレ、マヨネーズ、トマト
加工品、酢等の調味料、せんべい、スナック、麺、パ
ン、和・洋菓子等の米・小麦製品や澱粉加工製品、ジュ
ース、サイダー、コーラ等の飲料、酒類等の形態の各種
食品として、メバロノラクトンが分解もしくは揮散しな
い方法であればどのような形態でも使用することができ
る。
【0022】また、本発明の発育期の血清コレステロー
ル増加剤及び発育期の血清コレステロール増加食品とし
ての効果は、乳児期、離乳期、幼児期のメバロノラクト
ンの補給は乳幼児に必要な各組織へのコレステロール供
給という視点から、コレステロールを直接経口摂取させ
るよりもメバロノラクトンを摂取させることで極めて効
果的に供給でき、従って脳の発育を始め各組織の発育に
優れた手段であるため、育児粉乳、離乳食、幼児食への
メバロノラクトンの使用が好ましいといえる。しかも、
離乳期のコレステロール食は成熟期において肝臓のトリ
アシルグリセロール濃度を増加させるが、メバロン酸食
はトリアシルグリセロール濃度を低下させ、メバロン酸
が極めて有用なトリアシルグリセロール低下剤もしくは
予防薬であり、しかも、幼児の脳をはじめとする各組織
の発育に有用であることがいえ、離乳食へのメバロノラ
クトンの使用が特に好ましい。本発明でいうミルク、育
児粉乳、離乳食、幼児食は、乳幼児が通常食する飲料・
食料であれば特に限定されない。もちろん、離乳期以外
に、乳児期、幼児期での、本発明の薬剤や食品を与える
ことも好ましい。さらには、妊娠中又は育児中の母親に
投与又は食べさせることで、胎児へ効果を与えること
や、母乳を通して乳児に効果を与えることもできる。
【0023】また、本発明の高トリグリセリド体質改善
剤もしくは高トリグリセリド血症治療剤、又は発育期の
血清コレステロール増加剤は、家畜や愛玩動物用の飼料
として使用しても、家畜又は愛玩動物に対して効果を与
えることができる。
【0024】本発明の高トリグセリド体質改善及び高ト
リグセリド血症治療及び発育期の血清コレステロール増
加のための医薬製剤に含有されるメバロノラクトン、メ
バロン酸又はメバロン酸誘導体の量は特に限定されるも
のではないが、通常0.5〜80%重量%である。
【0025】高トリグリセリド体質改善食品及び高トリ
グリセリド血症治療食品及び発育期の血清コレステロー
ル増加食品に含有されるメバロノラクトン、メバロン酸
又はメバロン酸誘導体の量は、効果から考えて、0.0
01〜30重量%の範囲である。0.001重量%未満
では効果が顕著ではなく、30重量%を超えると食味の
点で影響が無視できなくなる。食品としての品質と効果
を考慮すれば、好ましくは0.001〜10重量%であ
る。
【0026】また、高トリグリセリド血症を呈しやすい
素因を持つヒトにおける予防もしくは治療する薬剤とし
て投与する場合、メバロノラクトン、メバロン酸又はメ
バロン酸誘導体を0.003〜250mg/体重kg投
与することができる。このような量を1日あたり1〜数
回に分けて投与もしくは摂取するのが好ましい。
【0027】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明
する。
【0028】〔実施例1〕 <実験方法>各群10匹の2週齢の雄SDラットに、そ
れぞれ表1に示したAIN−93G純化食(コントロー
ル群)、0.1重量%コレステロール添加食(コレステ
ロール群)及び0.2重量%メバロン酸添加食(メバロ
ン酸群)を給餌し、3週間飼育した。その後、引き続き
全てのラットをAIN−93G純化食で4週間飼育し
た。屠殺により血液、肝臓、脳を採取した。2週齢から
屠殺時までの血清コレステロール濃度(図1)、脳にお
けるコレステロールとリン脂質濃度(図2及び3)、及
び肝臓におけるコレステロール、リン脂質とトリアシル
グリセロール濃度(図4〜6)をそれぞれ測定した。
【0029】また、ステロール感受性エレメント結合蛋
白質(SREBP)は転写調節因子として細胞の増殖、
脂肪とコレステロールの合成を制御しており、それぞれ
には、SREBP−1a、SREBP−1c、SREB
P−2が作用するといわれている。メバロン酸のコレス
テロール代謝とトリグリセリド代謝に関係している遺伝
子への刷り込み効果を調べる目的で、上記SREBP−
1、SREBP−2、さらに、低密度リポタンパク質
(LDL)レセプター、3−ヒドロキシ−3−メチルグ
ルタリル−CoAリダクターゼ、肝臓脂肪酸合成酵素
(FAS)のmRNAレベルを常法により測定した(図
7〜11)。
【0030】
【表1】
【0031】<結果>表2に、ラットの体重、体重増加
量、脳重量、肝臓重量及び摂食量を示した。これらの結
果は、それぞれ群間で差が見られなかった。
【0032】
【表2】
【0033】図1に血清コレステロール濃度を示した。
図1に示されるように、離乳期の食事は血清コレステロ
ール濃度に顕著な影響を及ぼした。5週齢では、メバロ
ン酸群の血清コレステロール濃度は、コントロール群に
比べ有意に高く、コレステロール添加群よりも明らかに
高かった。これは、離乳期のメバロン酸の補給は、各組
織へのコレステロールの供給という視点から、食事とし
て供給されるコレステロールより効果的であることを示
している。
【0034】また、図2及び3に示されるように、大脳
のコレステロールとリン脂質濃度は食事の影響を受けな
かった。また、コレステロールとリン脂質比も群間で差
は見られなかった。
【0035】図4〜6に示されるように、肝臓のコレス
テロール濃度及びリン脂質濃度に群間で差は見られなか
ったが、トリアシルグリセロール濃度は、コレステロー
ル群で最も高く、メバロン酸群で最も低い傾向にあっ
た。この結果は、離乳期の内因性と外因性のコレステロ
ールの供給は、成熟期における肝臓のトリアシルグリセ
ロールの代謝に異なった“刷り込み”効果を及ぼしてい
ると考えられる。
【0036】図7〜11に示されるように、メバロン酸
食は3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAリ
ダクターゼ、SREBP−2のmRNAレベルには影響
しなかったが、低密度リポタンパク質(LDL)レセプ
ター、SREBP−1、肝臓脂肪酸合成酵素(FAS)
のmRNAレベルを低下させた。SREBP−1は主と
して脂肪合成に関わる遺伝子の発現に関与することが示
唆されていることから、FASのmRNAの低下はSR
EBP−1の発現低下と連動した現象であるとみなされ
る。
【0037】離乳期のメバロン酸食がこれらの遺伝子に
影響したメカニズムは、例えば次のように考えることが
できる。図1で示したように、離乳期のメバロン酸食は
血清のコレステロール濃度を増加させたことから、肝臓
やその他組織のコレステロール濃度を高めた可能性が大
きい。肝臓でのコレステロールの増加は脂肪酸合成とそ
れに引き続くトリグリセリドの合成増加を誘発すること
が知られている。そのことより、メバロン酸食群では、
離乳期のトリグリセリド合成の増加がフィードバック阻
害されるように遺伝子に刷り込みが起こった可能性があ
る。
【0038】〔実施例2〕遺伝子にトリグリセリド合成
をフィードバック阻害するような刷り込みを確認するた
めに、強制的に血清トリグリセリドを増加させる条件下
での肝臓脂肪酸合成酵素(FAS)、低密度リポタンパ
ク質(LDL)レセプター、ステロール感受性エレメン
ト結合蛋白質1(SREBP1)のmRNAレベルを測
定した。
【0039】<実験方法>各群18匹の2週齢の雄SD
ラットに、それぞれ実施例1の表1に示したAIN−9
3G純化食(コントロール群)、0.1重量%コレステ
ロール添加食(コレステロール群)及び0.2重量%メ
バロン酸添加食(メバロン酸群)を給餌し、3週間飼育
した。メバロン酸の添加量は、1モルのコレステロール
が6モルのメバロン酸から生成すると仮定して決定し
た。3週間の飼育後(5週齢)、それぞれラットの半数
を屠殺し、血清トリグリセリド濃度(図12)をそれぞ
れ測定した。これらの結果を図12に示す。また2週齢
雄SDラットについても同様に屠殺し、5週齢と同様に
血清トリグリセリド濃度の測定を行ない、その結果を図
12に示した。
【0040】残りのラットをAIN−93G 純化食及
び10%フルクトース水で4週間飼育した。10%フル
クトース水は血清トリグリセリドを強制的に増加させる
といわれている。4週間の飼育後(9週齢)、5週齢の
ラットと同様に屠殺、そして5週齢と同様に血清トリグ
リセリド濃度の測定を行なった。結果を図12に示す。
さらに肝臓の肝臓脂肪酸合成酵素(FAS)、低密度リ
ポタンパク質(LDL)レセプター、ステロール感受性
エレメント結合蛋白質1(SREBP−1)のmRNA
レベルを測定した。結果を図13〜15に示す。
【0041】<結果>図12に示されるように、血清中
のトリグリセリド濃度は、いずれも9週齢で増加してい
る。これは、10%フルクトース水を与え、強制的に血
清中のトリグリセリド濃度を増加させたためである。図
13〜15に示されるように、9週齢における肝臓FA
S、LDLレセプター、SREBP−1のmRNA量
は、コントロール群に比べてコレステロール群及びメバ
ロン酸群で低かった。
【0042】以上のことより、フルクトース水を与え強
制的に血清トリグリセリドを増加させた条件でも、肝臓
のFAS、LDLレセプター、SREBP−1のmRN
A量は減少しており、この結果は、血清トリグリセリド
を増加させた条件下でも、メバロン酸による脂質代謝に
おける刷り込み効果が維持されることを示しているとい
える。
【0043】
【発明の効果】本発明により、高トリグリセリド血症を
呈しやすい素因を持つヒトにおける予防もしくは治療す
る薬剤及び予防効果もしくは治療効果を有する食品を提
供することができ、さらに発育期の脳や各臓器の正常な
発達に必要なコレステロールを増加する、血清コレステ
ロール増加剤及び血清コレステロール増加食品を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1における血清コレステロール
濃度を示すグラフ。
【図2】図2は、実施例1における大脳のコレステロー
ル濃度を示すグラフ。
【図3】図3は、実施例1における大脳のリン脂質濃度
を示すグラフ。
【図4】図4は、実施例1における肝臓のコレステロー
ル濃度を示すグラフ。
【図5】図5は、実施例1における肝臓のリン脂質濃度
を示すグラフ。
【図6】図6は、実施例1における肝臓のトリアシルグ
リセロール濃度を示すグラフ。
【図7】図7は、実施例1におけるSREBP−1のm
RNAレベルを示すグラフ。
【図8】図8は、実施例1におけるSREBP−2のm
RNAレベルを示すグラフ。
【図9】図9は、実施例1におけるLDLレセプターの
mRNAレベルを示すグラフ。
【図10】図10は、実施例1におけるHMG−CoA
リダクターゼのmRNAレベルを示すグラフ。
【図11】図11は、実施例1におけるFASのmRN
Aレベルを示すグラフ。
【図12】図12は、実施例2における血清トリグリセ
リド濃度を示すグラフ。
【図13】図13は、実施例2におけるFASのmRN
Aレベルを示すグラフ。
【図14】図14は、実施例2におけるLDLレセプタ
ーのmRNAレベルを示すグラフ。
【図15】図15は、実施例2におけるSREBP−1
のmRNAレベルを示すグラフ。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月21日(2001.2.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝的もしくは非
遺伝的に高トリグリセリド血症を呈しやすい素因を持つ
ヒトの体質を改善もしくは治療するのに有用なメバロノ
ラクトンを主成分としてなる高トリグセリド体質改善
剤、高トリグセリド血症治療剤、高トリグリセリド体
質改善食品及び高トリグリセリド血症治療食品に関し、
ならびに発育期の脳や各臓器の正常な発達に必要なコレ
ステロールを増加する、血清コレステロール増加剤及び
血清コレステロール増加食品に関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】すなわち、本発明は、メバロノラクトンを
含有する高トリグセリド体質改善剤もしくは高トリグ
セリド血症治療剤を提供するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】また、本発明は、メバロノラクトンを含有
する高トリグリセリド体質改善食品もしくは高トリグリ
セリド血症治療食品を提供するものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】また、本発明は、上記食品がミルク、育児
粉乳、離乳食、幼児食、妊娠中の母親用食である上記高
トリグリセリド体質改善食品もしくは高トリグリセリド
血症治療食品、又は発育期の血清コレステロール増加食
品を提供するものである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】本発明の高トリグセリド体質改善剤もし
くは高トリグセリド血症治療剤、又は発育期の血清コ
レステロール増加剤は、メバロノラクトン、メバロン酸
又はメバロン酸誘導体を含有し、通常一般的な医薬製剤
の形態、例えば、錠剤、散剤、丸剤、液剤、乳剤、顆
粒、坐剤、注射剤、舌下錠、トローチ、カプセル等の形
態、あるいは輸液として用いることもできる。必要に応
じて、賦形剤、湿潤剤、希釈剤、保存剤、界面活性剤、
着色剤、呈味・香剤等を含有させることもできる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】また、高トリグセリド体質改善剤もしく
は高トリグセリド血症治療剤として使用する場合、例
えば、HMG−CoA還元酵素阻害剤(スタチン系薬
剤)であるプラバスタチン、シンバスタチン、セリバス
タチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、セリバス
タチン等や、フィブラート系薬剤であるクロフィブラー
ト、フェノフィブラート、ベザフィブラート等や、イオ
ン交換樹脂系薬剤であるコレスチラミン、コレスチミド
等や、ニコチン酸系薬剤であるニコモール、ニセリトー
ル、ニコチン酸トコフェロール等、従来、一般にコレス
テロール低下剤あるいはトリグセリド低下剤として使
用される各種薬剤は基本的には併用することができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】本発明の高トリグセリド体質改善及び高
トリグセリド血症治療及び発育期の血清コレステロー
ル増加のための医薬製剤に含有されるメバロノラクト
ン、メバロン酸又はメバロン酸誘導体の量は特に限定さ
れるものではないが、通常0.5〜80%重量%であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07D 309/30 C07D 309/30 D (72)発明者 遠藤 章 東京都杉並区宮前3−2−19 Fターム(参考) 4B001 AC99 EC05 4B018 LB07 LB08 MD08 ME04 4C062 BB60 4C086 AA01 AA02 BA17 MA01 MA04 NA14 ZC33

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メバロノラクトンを含有する高トリグリ
    セリド体質改善剤もしくは高トリグセリド血症治療剤。
  2. 【請求項2】 メバロノラクトンを含有する発育期の血
    清コレステロール増加剤。
  3. 【請求項3】 上記メバロノラクトンが天然型である請
    求項1又は2記載の高トリグリセリド体質改善剤もしく
    は高トリグリセリド血症治療剤、又は発育期の血清コレ
    ステロール増加剤。
  4. 【請求項4】 上記メバロノラクトンを0.5〜80重
    量%含有する請求項1、2又は3記載の高トリグリセリ
    ド体質改善剤もしくは高トリグリセリド血症治療剤、又
    は発育期の血清コレステロール増加剤。
  5. 【請求項5】 メバロノラクトンを含有する高トリグリ
    セリド体質改善食品もしくは高グリセリド血症治療食
    品。
  6. 【請求項6】 メバロノラクトンを含有する発育期の血
    清コレステロール増加食品。
  7. 【請求項7】 上記食品がミルク、育児粉乳、離乳食、
    幼児食、妊娠中の母親用食である請求項5又は6記載の
    高トリグリセリド体質改善食品もしくは高グリセリド血
    症治療食品、又は発育期の血清コレステロール増加食
    品。
  8. 【請求項8】 上記メバロノラクトンが天然型である請
    求項5、6又は7記載の高トリグリセリド体質改善食品
    もしくは高トリグリセリド血症治療食品、又は発育期の
    血清コレステロール増加食品。
  9. 【請求項9】 上記メバロノラクトンを0.001〜3
    0重量%含有する請求項5〜8のいずれかに記載の高ト
    リグリセリド体質改善食品もしくは高トリグリセリド血
    症治療食品、又は発育期の血清コレステロール増加食
    品。
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