JP2002238379A - 壁面緑化パネルとそれを用いた緑化基盤の形成方法 - Google Patents

壁面緑化パネルとそれを用いた緑化基盤の形成方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緑化基盤を形成し易く、設置された壁面の汚
れが生じなく、鉛直の壁面に緑化基盤を形成でき、保水
力が大きい壁面緑化パネルを提供すること。 【解決手段】 コンクリート壁Wの表面に、潅水管2
と、保水マット7と、ナイロからなる線状体を比較的疎
かつ不規則に絡ませて形成した不織保持マット8とを配
置する。潅水管2は保水マットの表面側に露出しない位
置に配置する。アンカーボルト11とラス網10によっ
て、不織保持マット8の表面を保水マット7側に押し付
ける。不織保持マット8に向けて、緑化用の土壌13
を、圧縮空気などを用いて吹き付けて、不織保持マット
8の隙間に入れ込んで付着させて、容易に緑化基盤を形
成する。保水マット7を介して水が土壌13に均一に徐
々に供給されるので、土壌13の一部が乾燥したり、水
が流出して土壌が流出したりしないから、壁面を効果的
に緑化でき、また、壁面の美観を向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁面緑化パネル
と、その壁面緑化パネルを用いた緑化基盤の形成方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の壁面緑化パネルとして、
例えば図5に示すようなものが知られている(特開平9
−9787号公報)。この壁面緑化パネルは、図示しな
い壁面に接してH形鋼を矩形に組んで枠を立設し、この
枠に上下面に複数の通水孔をもつ鋼製の支持桁31を複
数段重ねて水平に取り付け、各支持桁31に、直方体状
の複数個の植栽容器32,32・・・を並べて収容して
いる。
【0003】上記植栽容器32は、通水孔をもつ横板で
内部が3段に仕切られ、上面,両側面,下面に夫々通水孔
33aをもち、上面が水受けになった箱体33を、3つ
の植栽孔34aとそれらの周りの複数通気孔34bとを
もつ2つ割りの蓋34,34で覆ってなる。
【0004】上記構造の植栽容器32において、3段に
仕切られた内部に土壌を充填して、この土壌に緑化用の
植物を植え付ける。そして、上記土壌を充填して植物が
植え付けられた複数個の植栽容器32,32・・・を上
記支持桁31に配置して、最上段の支持桁31の上面の
複数給水孔31aを経て供給した水を、上記各通水孔を
経て下方の植栽容器に順次流下させ、上記植栽容器3
2,32・・・に給水して上記植物を成長させる。この
ようにして、緑化基盤を形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
壁面緑化パネルは、上記複数の植栽容器32,32・・
・において、3段に仕切られた内部に夫々土壌を充填し
て、緑化用の植物を植え付けるので、緑化基盤を形成す
る手間がかかるという問題がある。
【0006】また、上記複数個の植栽容器32,32・
・・内に土壌を充填し、最上段の植栽容器から水を流下
させて土壌に給水しているので、上記土壌は保水力が小
さくて水が流れ落ち易いから、上記土壌が水不足になっ
て植物が枯れたり、流下する水と共に土壌が流失した
り、上記植栽容器32,32・・・を支持する上記枠の
下方の壁面が、流れ落ちる水や土壌で汚れたりするとい
う問題がある。このような問題は、建物外壁や高速道路
側壁のように、鉛直な壁面に壁面緑化パネルを設ける場
合に顕著である。
【0007】そこで、本発明の目的は、緑化基盤を形成
し易く、緑化基盤を形成した壁面の潅水による汚れが生
じなく、さらに、鉛直の壁面に緑化基盤が形成でき、保
水力が大きい壁面緑化パネルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明の壁面緑化パネルは、保水マット
と、上記保水マットの表面側に露出しない位置に配置さ
れて、上記保水マットに水を供給する潅水管と、上記保
水マットの表面に配置されて、緑化用の土壌が吹き付け
られる土壌保持材とを備えることを特徴としている。
【0009】請求項1の発明によれば、上記壁面緑化パ
ネルは、上記保水マットと、潅水管と、土壌保持材とか
らなり、緑化用の土壌が無くて比較的軽量であるので、
壁面に容易に取り付けられる。この後に、上記壁面緑化
パネルに緑化用の土壌を吹き付けて、上記土壌保持材に
緑化用土壌を保持させるのみで、一度に大面積の緑化基
盤が形成される。したがって、従来におけるような複数
の植栽容器に夫々土壌を充填した後に、上記植栽容器を
支持桁に配置する必要がないから、緑化基盤が容易に形
成される。
【0010】また、上記潅水管は、保水マットの表面側
に露出しない位置に配置されているので、上記土壌保持
材に吹き付けられる土壌が、潅水管に設けられた給水孔
から潅水管内に侵入したり、上記給水孔に付着して給水
孔の開口を狭めたりすることがない。したがって、上記
緑化基盤は、緑化用の土壌が吹き付けられて容易に形成
される上に、上記潅水管の詰まりなどの問題がなく、安
定して給水される。
【0011】ここにおいて、上記潅水管が保水マットの
表面側に露出しない位置とは、土壌を土壌保持材に吹き
付けたときに、潅水管の給水孔から土壌が侵入したり、
潅水管の給水孔の開口が土壌によって狭められたりしな
い位置をいう。
【0012】また、上記壁面緑化パネルに土壌を吹き付
けて形成する緑化基盤において、上記潅水管から水が供
給されると、まず、この水は上記保水マットに蓄えられ
る。次に、上記保水マットに水が供給されて、この保水
マットを介して、保水マットの表面に配置されて緑化用
土壌が所定厚さに吹き付けられた土壌保持材に、水が徐
々に浸潤する。すなわち、上記保水マットには常に水が
蓄えられていて、この蓄えられた水が、保水マットを介
して、土壌保持材が保持する緑化用の土壌に徐々に供給
される。これによって、上記緑化用の土壌には水が均一
に徐々に供給されるので、この土壌の保水力が小さい場
合であっても、従来におけるように土壌の部分が乾燥し
たり、潅水管から供給された水が土壌の間隙を通じて緑
化基盤から流れ落ちたり、流れ落ちる水とともに土壌が
流れたりし難い。したがって、上記緑化用土壌で生成す
る植物が枯れたり、上記土壌が流出して減少したり、こ
の緑化パネルが配置された壁が泥水で汚れて美観を損な
ったりしない。
【0013】請求項2の発明の壁面緑化パネルは、請求
項1に記載の壁面緑化パネルにおいて、上記土壌保持材
を上記保水マット側に押え付ける押えネットを備えるこ
とを特徴としている。
【0014】請求項2の発明によれば、上記ネットによ
って、上記土壌保持材が保水マット側に押え付けられる
ので、上記土壌保持材によって保持される土壌は、上記
壁面緑化パネルから脱落したり流出したりし難い。した
がって、上記壁面緑化パネルによれば、緑化基盤が容易
に形成でき、しかも、安定して壁面が緑化される。
【0015】請求項3の発明の壁面緑化パネルは、請求
項1または2に記載の壁面緑化パネルにおいて、上記保
水マットの裏面に不透水膜を設けたことを特徴としてい
る。
【0016】請求項3の発明によれば、上記保水マット
の裏面に不透水膜を設けたので、上記土壌保持材が保持
する土壌に含まれる肥料や、上記土壌で生育される植物
からの分泌物などが、この壁面緑化パネルが設置された
壁面に達しない。したがって、上記壁面の侵食や劣化が
防止される。
【0017】請求項4の発明の緑化基盤の形成方法は、
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の壁面緑化パネル
の少なくとも保水マットと土壌保持材とを壁面に設置す
る工程と、上記土壌保持材に向けて緑化用の土壌を吹き
付ける工程とを有することを特徴としている。
【0018】請求項4の発明によれば、上記壁面緑化パ
ネルの少なくとも保水マットと土壌保持材とを壁面に設
置し、上記土壌保持材に向けて、例えば植物の種子と腐
葉土からなる土壌を吹き付けるのみで、緑化基盤が形成
される。すなわち、土壌を含まなくて軽量な壁面緑化パ
ネルの少なくとも保水マットと土壌保持材とを壁面に設
置するので、この設置の作業は容易である。そして、上
記土壌保持材に向けて緑化用の土壌を吹き付けるのみ
で、大面積の緑化基盤が、一度に容易に形成される。し
たがって、従来におけるような複数の植栽容器に土壌を
充填し、この土壌を充填した植栽容器に植物を植え付け
て支持桁に配置するよりも、はるかに容易に緑化基盤が
形成できる。その結果、緑化基盤形成のための工程数と
工期が短縮されるので、緑化基盤の施工費用が安価にな
る。
【0019】また、壁面緑化パネルの設置と土壌の配置
とは異なる工程で行うので、例えば緑化基盤の配置環境
に対応して土壌の種類を替えたり、あるいは、上記土壌
として植物の種子と肥料とを混合して形成した土壌を使
用したりできる。すなわち、上記吹き付ける土壌を変更
することによって、1種類の壁面緑化パネルを用いて多
くの種類の緑化基盤を形成することができて、緑化基盤
を形成する際の自由度が増す。
【0020】また、上記緑化基盤の土壌が、万一欠損し
た場合でも、その欠損部分に土壌を吹き付けるのみで緑
化基盤が容易に補修される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
により詳細に説明する。
【0022】図1(a)は、壁面緑化パネルの1実施の
形態を示す平面図である。この壁面緑化パネルは、表面
が略鉛直に延びるコンクリート壁Wに設けられている。
図1(b)は、図1(a)に示した領域Aの拡大平面図
であり、図2は、図1(b)における縦方向の断面図で
ある。
【0023】この壁面緑化パネルは、コンクリート壁W
表面に、潅水管2,2,2を略水平方向に取り付けてい
て、この潅水管2,2,2に水を導くホース3と、この
ホース3を介して上記潅水管2,2,2に水を供給する
潅水装置5を備える。なお、上記潅水管2,2,2はコ
ンクリート壁W表面に水平方向に3個取り付けたが、潅
水管は、給水すべき水の量に対応して1個や2個、ある
いは4個以上取り付けてもよい。上記潅水装置5は、季
節およびこの壁面緑化パネルに植える植物に応じて、上
記潅水管2,2,2に供給する水の量や時刻が設定可能
になっている。上記潅水管2は、図1(b)および図2
に示すように、導かれた水を排出する複数の点滴孔2
a,2a・・・を有する。
【0024】上記潅水管2,2,2を覆うように、上記
コンクリート壁Wの緑化すべき位置に、保水マット7を
配置している。この保水マット7の表面に、土壌保持材
としての不織保持マット8を配置している。この不織保
持マットは、ナイロンからなる線状体を、ヘチマの繊維
状に、しかも、ヘチマの繊維よりもさらに大きい空隙を
有するように、疎かつ不規則に絡ませて、所定の厚さに
形成している。上記不織保持マット8の空隙は、土壌が
吹き付けられて、この土壌が不織保持マット8に適切に
保持される位置にまで入り込める大きさに形成してい
る。上記不織保持マット8の表面には、押え網としての
ラス網10を配置して、このラス網10を、一端が上記
コンクリート壁Wに埋設されたアンカーボルト11の他
端に固定している。上記ラス網10によって、不織保持
マット8を保水マット7側に押し付けている。
【0025】ここにおいて、上記潅水管2は、コンクリ
ート壁Wと保水マット7との間に挟持されていても、保
水マット7に包まれていても、また、一部がコンクリー
ト壁W側に保水マット7から露出していてもよい。要
は、上記不織保持マット8に吹き付けられる土壌が、潅
水管2に設けられた点滴孔2aから潅水管2内部に侵入
したり、上記点滴孔2aに付着して点滴孔2aの開口を
狭めたりしないようになっていればよい。さらに、潅水
管2からの水が、不織保持マット8側に直接供給されな
いで、まず、保水マット7に供給されて蓄えられた後、
上記不織保持マット8側に浸潤するようになっていれば
よい。
【0026】上記構成の壁面緑化パネルに、以下のよう
にして緑化基盤を形成する。すなわち、上記コンクリー
ト壁Wに配置された壁面緑化パネルの表面の不織保持マ
ット8に向けて、植物の種子と腐葉土からなる土壌13
を、圧縮空気などを用いて、図3に示すように吹き付け
る。これによって、上記土壌13が、上記不織保持マッ
ト8の比較的疎に絡まったナイロン線状体の隙間に入り
込むと共に、上記ナイロン線状体に絡まって付着する。
その結果、上記土壌13は、上記壁面緑化パネルが略鉛
直のコンクリート壁Wに配置されているにも拘らず、不
織保持マット8に効果的に固定される。このようにし
て、上記コンクリート壁Wに配置された壁面緑化パネル
に、緑化基盤を形成する。なお、上記土壌13に、不織
保持マット8に強固に固定されるように、増粘材や接着
剤を含ませてもよい。また、上記土壌13は肥料を含ん
でいてもよく、あるいは、種子を含んでいなくてもよ
い。
【0027】以上のようにして緑化基盤が形成された壁
面緑化パネルは、以下のように動作する。上記潅水装置
5に予め設定された時刻になると、予め設定された所定
の量の水が、ホース3を介して上記潅水管2,2,2に
供給される。この水の量は、緑化基盤の配置場所や季節
に対応した水の蒸発量、保水マットの保水力、植物の種
類に対応した水の必要量などに基づいて定められてい
る。潅水管2,2,2に導かれた水は、潅水管2の複数
の点滴孔2a,2a・・・から排出されて保水マット7
に供給される。この水は、保水マット7の略全体に略均
一に広がって、この保水マット7に蓄えられる。この保
水マット7に蓄えられた水が、上記不織保持マット8に
保持された土壌13、すなわち緑化基盤に吸収される。
その結果、上記土壌13の種子が発芽・育成して、図4
に示すように、芝生などの植物15が緑化基盤に生成す
る。
【0028】このように、上記壁面緑化パネルを用いた
緑化基盤は、上記潅水管2を介して保水マット7に水を
蓄えて、この蓄えた水を、不織保持マット8が保持する
土壌13に徐々に供給するので、略鉛直のコンクリート
壁W表面に設置されているにも拘らず、土壌13に水を
均一に徐々に供給できる。したがって、上記土壌13の
保水力が小さい場合であっても、従来におけるように土
壌の部分が乾燥したり、潅水管から供給された水が緑化
基盤から流れ落ちたり、流れ落ちる水とともに土壌が流
れたりしない。したがって、上記土壌13の植物15を
枯らすことなく育成でき、土壌13を流出させることな
く保持でき、また、緑化基盤が形成された壁の美観を保
つことができる。また、上記保水マット7に供給される
水は、上記潅水装置5によって所定の量に調節されるの
で、上記保水マット7の保水力や、緑化基盤が形成され
た場所の環境などに対応して、土壌13の乾燥や緑化基
盤からの水などの流出を効果的に防止できる。
【0029】また、上記壁面緑化パネルは、上記コンク
リート壁Wに取り付ける際、土壌13を含まなくて比較
的軽量であるので、上記壁Wに容易に取り付けられる。
この後、上記不織保持マット8に、土壌13を吹き付け
て保持させるのみで、緑化基盤が一度に容易に形成でき
る。したがって、従来よりも容易に緑化基盤が形成でき
るので、緑化基盤形成のための工程数と工期が短縮でき
て、緑化基盤の施工費用を安価にできる。
【0030】また、上記潅水管2は、保水マット7に覆
われていて、保水マット7の表面側に露出しない位置に
配置されているので、上記不織保持マット8に吹き付け
られる土壌13が、潅水管2に設けられた点滴孔2aか
ら潅水管2内に侵入したり、上記点滴孔2aに付着して
点滴孔2aの開口を狭めたりしない。したがって、上記
潅水管2は、詰まりなどの問題がなく、安定して上記緑
化基盤に給水できる。
【0031】また、壁面緑化パネルの設置と土壌13の
吹き付けとは異なる工程で行うので、1種類の壁面緑化
パネルを用いて多くの種類の緑化基盤を形成することが
できるから、高い自由度で緑化基盤を形成することがで
きる。
【0032】また、上記緑化基盤の土壌が万一欠損した
場合でも、その欠損部分に土壌を吹き付けるのみで、緑
化基盤を容易に補修することができる。
【0033】上記実施形態において、上記コンクリート
壁Wと保水マット7との間に、不透水膜を配置してもよ
い。この不透水膜によって保水マット7側から上記コン
クリート壁Wへの水を遮断して、土壌13に含まれる肥
料や植物からの分泌物によって、上記コンクリート壁W
が侵食されたり劣化することが防止できる。
【0034】また、コンクリート壁Wの表面に、潅水管
2を直接取り付けて、この潅水管2を覆うように保水マ
ット7を配置したが、潅水管2は、保水マット7に水が
供給可能であれば、保水マット7と不織保持マット8と
の間に配置しても、保水マット7中に内蔵してもよい。
このとき、上記潅水管2は上記不織保持マット8の表面
側に露出しない位置に配置するようにすることが肝要で
ある。これによって、上記不織保持マット8への土壌1
3の吹き付け時に、この土壌13による潅水管2の点滴
孔2aの目詰まりや、土壌13の潅水管2中への侵入を
防止できる。また、上記潅水管2からの水を、上記土壌
13に直接供給しないで、保水マット7に一旦蓄えた後
に、この保水マット7を介して均一かつ徐々に土壌13
に供給することができる。
【0035】また、上記実施形態において、土壌保持材
としてナイロン線状体からなる不織保持マット8を用い
たが、金属材料からなる繊維や針金などを絡ませたマッ
ト状のもの、あるいは凹凸を有する樹脂、金属などで形
成されて土壌を保持する機能を有する他のものを用いて
もよい。上記土壌保持材として金属材料からなるものを
用いた場合、水や、土壌に含まれる肥料、あるいは植物
の分泌物によって腐食し難い材料を選んだり、防錆およ
び防食加工を施す必要がある。
【0036】また、上記不織保持マット8に、植物の種
子と腐葉土からなる土壌13を吹き付けたが、上記不織
保持マット8に、腐葉土のみからなる土壌を吹き付け
て、その後に、別個に種や苗を上記土壌に植えてもよ
い。
【0037】また、上記実施形態において、コンクリー
ト壁Wに1枚の壁面緑化パネルを設置して、この壁面緑
化パネルに土壌13を吹きつけたが、コンクリート壁に
複数の壁面緑化パネルを設置した後、この複数の壁面緑
化パネルに一度に土壌を吹きつけて大面積の緑化基盤を
形成してもよい。これによって、大面積の緑化基盤を効
率良く形成できる。
【0038】また、上記実施形態において、コンクリー
ト壁Wの表面に潅水管2を配置した後、保水マット7と
不織保持マット8とを各々配置して壁面緑化パネルを形
成したが、予め潅水管2と保水マット7と不織保持マッ
ト8とを組立てて壁面緑化パネルを形成した後、この壁
面緑化パネルをコンクリート壁Wに取り付けてもよい。
この予め組立てた壁面緑化パネルは、当然、複数であっ
てもよい。
【0039】また、上記保水マット7と不織保持マット
8とをコンクリート壁Wに取り付けた後に、潅水管2
を、上記保水マット7の表面側に露出しない位置に取り
付けてもよい。
【0040】また、上記保水マット7および不織保持マ
ット8とを、ラス網10およびアンカーボルト11によ
ってコンクリート壁Wに固定したが、ラス網10以外の
ネットを用いてもよく、また、アンカーボルト11以外
の固定手段を用いてもよい。
【0041】また、上記壁面緑化パネルは略鉛直のコン
クリート壁Wの表面に配置したが、所定の角度を有する
壁面に配置してもよい。また、コンクリート壁面以外の
樹脂製パネルなどに設置してもよい。
【0042】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明の壁面緑化パネルによれば、保水マットと、上記保水
マットに水を供給する潅水管と、上記保水マットの表面
に配置された土壌保持材とを備えるので、比較的軽量な
壁面緑化パネルを壁面に容易に取り付けることができ、
しかも、上記壁面緑化パネルに緑化用の土壌を吹き付け
て土壌保持材に緑化用土壌を保持させるのみで、一度に
大面積の緑化基盤を形成できるので、従来よりも緑化基
盤を容易に形成できる。
【0043】また、上記潅水管は、保水マットの表面側
に露出しない位置に配置されているので、上記土壌保持
材に吹き付けられる土壌が、潅水管に設けられた給水孔
から潅水管内に侵入したり、上記給水孔に付着して給水
孔の開口を狭めたりすることを防止できるから、上記壁
面緑化パネルに緑化用の土壌を吹き付けて容易に緑化基
盤を形成できる上に、土壌の吹き付けによる潅水管の詰
まりなどの問題を防止して、上記土壌に安定して給水可
能な壁面緑化パネルにできる。
【0044】また、上記潅水管は、上記保水マットの表
面側に露出しない位置に配置されているので、この潅水
管によって保水マットに常に水を蓄えて、この蓄えた水
を土壌保持材の土壌に徐々に均一に供給できる。したが
って、土壌の部分が乾燥したり、潅水管から供給された
水が土壌の間隙を通じて緑化基盤から流れ落ちたり、流
れ落ちる水とともに土壌が流れたりすることを防止でき
る。その結果、上記土壌で生成する植物の枯れや、上記
土壌の減少や、この緑化パネルを配置した壁面の汚染を
防止できる。
【0045】請求項2の発明の壁面緑化パネルによれ
ば、上記土壌保持材を上記保水マット側に押え付ける押
えネットを備えるので、上記土壌保持材によって保持さ
れる土壌が、上記壁面緑化パネルから脱落したり流出し
たりするのを防止できるから、緑化基盤を容易に形成で
きて、しかも、安定して壁面を緑化できる。
【0046】請求項3の発明の壁面緑化パネルによれ
ば、上記保水マットの裏面に不透水膜を設けたので、上
記土壌保持材が保持する土壌に含まれる肥料や、上記土
壌で生育される植物からの分泌物などが、この壁面緑化
パネルが設置された壁面に達しすることが防止できるか
ら、上記壁面の侵食や劣化を防止できる。
【0047】請求項4の発明の緑化基盤の形成方法は、
請求項1乃至3のいずれか1つに記載の壁面緑化パネル
の少なくとも保水マットと土壌保持材とを壁面に設置す
る工程と、上記土壌保持材に向けて土壌を吹き付ける工
程とを有するので、土壌を含まなくて軽量な壁面緑化パ
ネルの少なくとも保水マットと土壌保持材とを壁面に設
置すればよいから、壁面緑化パネルの設置作業を容易に
でき、しかも、土壌を土壌保持材に向けて吹き付けるの
みで、大面積の緑化基盤が一度に容易に形成できる。そ
の結果、従来よりもはるかに容易に緑化基盤を形成でき
るので、緑化基盤形成のための工程数と工期を短縮でき
て、緑化基盤の施工費用を安価にできる。
【0048】また、壁面緑化パネルの設置と土壌の配置
とを異なる工程で行うので、1種類の壁面緑化パネルを
用いて多くの種類の緑化基盤を形成することができるか
ら、高い自由度で緑化基盤を形成することができる。
【0049】また、上記緑化基盤の土壌が万一欠損した
場合でも、その欠損部分に土壌を吹き付けるのみで緑化
基盤を容易に補修できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)は、壁面緑化パネルの1実施の形
態を示す平面図であり、図1(b)は、図1(a)に示
した領域Aの拡大平面図である。
【図2】 図1(b)における縦方向の断面図である。
【図3】 壁面緑化パネルの表面の不織保持マット8に
向けて、植物の種子と腐葉土からなる土壌13を吹き付
ける様子を示した図である。
【図4】 緑化基盤に芝生などの植物15が生成した様
子を示す図である。
【図5】 従来の壁面緑化パネルを示す図である。
【符号の説明】
2 潅水管 3 ホース 5 潅水装置 7 保水マット 8 不織保持マット 10 ラス網 11 アンカーボルト 13 土壌 W コンクリート壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E02D 29/02 311 A01G 27/00 502H (72)発明者 廣中 哲也 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番2 号 株式会社奥村組内 (72)発明者 白石 祐彰 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番2 号 株式会社奥村組内 (72)発明者 竹本 光慶 大阪府大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番2 号 株式会社奥村組内 Fターム(参考) 2B022 AA01 AA05 AB04 BA02 BA15 BA23 BB01 2B027 NC05 NC24 NC37 ND02 NE08 QC11 2D048 BA00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 保水マットと、 上記保水マットの表面側に露出しない位置に配置され
    て、上記保水マットに水を供給する潅水管と、 上記保水マットの表面に配置されて、緑化用の土壌が吹
    き付けられる土壌保持材とを備えることを特徴とする壁
    面緑化パネル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の壁面緑化パネルにおい
    て、 上記土壌保持材を上記保水マット側に押え付ける押えネ
    ットを備えることを特徴とする壁面緑化パネル。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の壁面緑化パネ
    ルにおいて、 上記保水マットの裏面に不透水膜を設けたことを特徴と
    する壁面緑化パネル。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の
    壁面緑化パネルの少なくとも保水マットと土壌保持材と
    を壁面に設置する工程と、 上記土壌保持材に向けて緑化用の土壌を吹き付ける工程
    とを有することを特徴とする緑化基盤の形成方法。
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