JP2002238095A - 超音波マイクロホン - Google Patents

超音波マイクロホン

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JP2002238095A
JP2002238095A JP2001034116A JP2001034116A JP2002238095A JP 2002238095 A JP2002238095 A JP 2002238095A JP 2001034116 A JP2001034116 A JP 2001034116A JP 2001034116 A JP2001034116 A JP 2001034116A JP 2002238095 A JP2002238095 A JP 2002238095A
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vibration
ultrasonic
microphone
lid
wave
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JP2001034116A
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English (en)
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Hiroyuki Kani
博之 可児
Hirotomo Asa
弘知 麻
Takashi Harada
隆嗣 原田
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Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超音波マイクロホン1の残響波を安定させ
て、残響波から超音波マイクロホン1の異常を正確に検
出することが可能となる超音波マイクロホン1を提供す
る。 【解決手段】 有底筒状のマイクロホン筐体2の底部4
内面4aに固着される圧電振動素子3を備え、マイクロ
ホン筐体2の底部4と対向する面にマイクロホン筐体の
内側空間6を塞ぐように筒状部5の内周面5bに設けた
蓋部7を備えることで、蓋部7が筒状部5を拘止し、筒
状部5から超音波放射面4bへの振動影響を軽減してい
る。それにより、残響波の持続時間を安定させることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両搭載用の障害
物検知センサ等に用いられる超音波マイクロホンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の超音波マイクロホン100は、例
えば特開平9−284896号公報(図12参照)に開
示されているように、底部103と筒状部105が一体
形成された有底筒状の振動ケース101を有し、この振
動ケースの底部103内面に圧電振動素子102を固着
させている。そして、圧電振動素子102に交流電圧を
印加して振動ケース101の底部103を振動させるこ
とで、圧電振動素子102を固着させた底部103の内
面と表裏一体であるところの外表面(超音波放射面)1
04より、超音波放射面104の前面空間に向けて超音
波を放射させる構成である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超音波マイ
クロホンの底部内面に固着させた圧電振動素子に交流電
圧を印加して超音波放射面を振動させて超音波を送信す
る際、圧電振動素子への交流電圧の印加を停止させても
送信された送信波の後に残響波が発生する。そして、こ
の残響波が所定レベルまで減衰する時間から超音波マイ
クロホンの異常を検出する方法が用いられている。ここ
で言う超音波マイクロホンの異常とは、例えば圧電振動
素子への送電線部での断線や超音波放射面への異物付着
(泥、氷結物等)等であり、これら異常が発生すると残
響波が所定レベルまで減衰する時間が短くなる現象とし
て現れる。
【0004】ここで残響波の減衰特性は、超音波マイク
ロホンを構成するケース体としての振動ケースの持つ慣
性振動を主要因に決定される。この振動ケースが、例え
ば特開平9−284896号公報(図12参照)に開示
されている超音波マイクロホン100における一面開口
状の振動ケース101である場合においては、振動ケー
ス101の筐体を構成する底部103の面(超音波放射
面)104の持つ慣性振動と、振動ケース101の筒状
部105の側面の持つ慣性振動との組合わせによりな
る。そして、これら超音波放射面104と側面との慣性
振動の組合わせにおいて、各々の面の慣性振動の周波数
や位相が異なる事由により複雑な残響波を形成すること
となる。特に、図12のように一面開口状の筒状部にお
いては、開口側の端部が自由端となっており筒状部の側
面における慣性振動を助長させている。このことは、超
音波放射面と筒状部との慣性振動の組合わせにおいて、
より複雑な残響波を形成することとなる。
【0005】つまり、残響波の減衰時間の長短が発生し
やすく、超音波マイクロホンの異常を示す残響波の減衰
時間と混同する事態となって、残響波の減衰特性から超
音波マイクロホンの異常を正確に検出することができな
くなる問題がある。
【0006】本発明の目的は上記の点に鑑み、超音波マ
イクロホンの残響波を安定させて、残響波から超音波マ
イクロホンの異常を正確に検出することが可能となる超
音波マイクロホンを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の請求項1記載の超音波マイクロホンに
よると、有底筒状に形成された振動ケースの底部内面に
固着される圧電振動素子を備え、圧電振動素子を収容す
る振動ケースの内側空間を塞ぐように振動ケースの筒状
部に設けた蓋部を備えたことを特徴とする。
【0008】このように振動ケースの筒状部に設けた蓋
部は、この蓋部が筒状部を拘止し筒状部の側面の慣性振
動を抑止する効果がある。つまり、底部の面と筒状部の
側面との慣性振動を組合わせたケース体としての振動ケ
ースの持つ慣性振動は、筒状部の側面の慣性振動による
影響が軽減される。それにより、底部の面と筒状部の側
面の各々の面の慣性振動の周波数や位相が異なる事由に
より複雑な残響波を形成しにくくなり、残響波の減衰時
間の長短の発生が抑えられる。
【0009】よって、超音波マイクロホンの正常時にお
ける残響波の減衰時間を長くなるように安定させて設定
することができ、超音波マイクロホンの異常時における
残響波の減衰時間の短い場合と混同することなく、残響
波から超音波マイクロホンの異常を正確に検出すること
が可能となる超音波マイクロホンを提供できる。
【0010】本発明の請求項2記載によると、蓋部の板
厚は、底部の板厚よりも厚く形成されていることを特徴
とする。
【0011】底部内面に固着させた圧電振動素子の振動
時に、底部の面とともに蓋部へも振動が伝播されて蓋部
が振動するが、蓋部の板厚を底部の板厚よりも厚く形成
することで蓋部の振動が抑えられる。このように蓋部の
振動を抑えれば、蓋部の筒状部と接することによる筒状
部への振動伝播を軽減させ、筒状部での慣性振動を抑止
する効果がある。
【0012】本発明の請求項3記載によると、蓋部は、
振動ケースの内周面に嵌着されていることを特徴とす
る。
【0013】このように蓋部を振動ケースの内周面に嵌
着させれば、蓋部が振動ケースの外周より外に飛び出す
ことがなく、コンパクトな形状の超音波マイクロホンと
なる。
【0014】本発明の請求項4記載によると、蓋部は、
振動ケースと同一材により形成されていることを特徴と
する。
【0015】このように、振動ケースと同一材により蓋
部を形成すれば、振動ケースに温度変化が加わる場合で
あっても、振動ケース、蓋部ともに同一材料であるので
線膨張率が同一となり、例えば筒状体が鼓形状に変形す
ることがなくなる。よって、筒状体の振動ケースの形状
が安定して、残響波の発生を安定させる効果がある。
【0016】本発明の請求項5記載によると、蓋部と筒
状部との接合部隙間を埋める封止材が添着されているこ
とを特徴とする。
【0017】底部の面に固着させた圧電振動素子の振動
時に、振動ケース内の内側空間を伝播して蓋部へ振動波
が伝播されるが、この伝播された振動波が蓋部と筒状部
の接合部隙間を通過してしまわないように封止材により
蓋部と筒状部の接合部隙間を埋めれば、伝播された振動
波が安定して蓋部を振動させること可能となり、残響波
の発生を安定させる効果がある。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態である
超音波マイクロホンを図面を参照して詳細に説明する。
なお、本実施形態における超音波マイクロホンは、車両
と障害物(前方検知物)との距離を検出し、この検出情
報に基づいて警報等を発信する車両搭載用の障害物検知
装置に用いられる。図1は、本発明の一実施形態である
超音波マイクロホンの詳細を示し、(a)は断面図、
(b)は図1(a)を下方から見た下面図、(c)は図
1(b)のA−A線断面図である。図2は、超音波マイ
クロホンを自動車の障害物検知装置に適用した例を示す
ブロック図である。
【0019】図1に示すように、超音波マイクロホン1
は、防滴型構造であり底部4と筒状部5が一体形成され
た有底筒状の振動ケースであるマイクロホン筐体2(ア
ルミニウム合金製)を有し、このマイクロホン筐体2の
底部4の内面4aに円形平板形状の圧電振動素子(圧電
セラミックス)3をマイクロホン筐体2と電気的接触を
持つように導電性の接着剤、もしくははんだ付けにより
接合固着させている。そして、マイクロホン筐体2の底
部4とは反対側の面にマイクロホン筐体2の内側空間6
を塞ぐようにマイクロホン筐体2の筒状部5に固定され
た蓋部7を備えた構成である。
【0020】具体的には、蓋部7の外周面は、筒状部5
の内周面5bと全周で接触させており、かつ筒状部5の
内周面5bと蓋部7の外周面との接触圧を上げて両者
5、7の密着性の安定を図っている。このように蓋部7
をマイクロホン筐体2の内周面5bに嵌着させれば、蓋
部7がマイクロホン筐体2の外周より外に飛び出すこと
がなく、コンパクトな形状の超音波マイクロホン1とな
る。
【0021】そして、蓋部7は、マイクロホン筐体2と
同一材であるアルミニウム合金により形成されている。
それにより、マイクロホン筐体2に温度変化が加わる場
合であっても、マイクロホン筐体2、蓋部7ともに同一
材料であるので線膨張率が同一となり、例えば筒状体が
鼓形状に変形することがなくなる。よって、筒状体のマ
イクロホン筐体2の形状が安定して、後述する残響波の
発生を安定させる効果がある。
【0022】また、蓋部7の板厚は、底部4内面4aに
固着させた圧電振動素子3の振動時に、底部4の面とと
もに蓋部7へも振動が伝播されて蓋部7が振動するのを
抑えるように底部4の板厚よりも厚く形成されている。
つまり、蓋部7の振動を抑えれば、蓋部7の筒状部5と
接することによる筒状部5への振動伝播を軽減させ、筒
状部5での慣性振動を抑止する効果がある。
【0023】マイクロホン筐体2の内側空間6では、圧
電振動素子3を駆動する電力供給用のリード線8a、8
bを圧電振動素子3およびマイクロホン筐体2の内部壁
に各々電気接合させている。なお、内側空間6は底部4
の内面4aから放射される超音波を吸収するように、内
側空間6の内の6aの空間にはスポンジが封入され、6
bの空間には樹脂が封入されて封止樹脂層を形成させて
いる。なお、リード線8a、8bは、蓋部5を貫通する
穴部を通過させた後、この穴部を密封させて塞いでい
る。
【0024】このように形成した超音波マイクロホン1
は、圧電振動素子3に後述する電気回路から電力供給
し、圧電振動素子3を振動させることで底部4を振動さ
せている。この底部4振動により圧電振動素子3を固着
させた底部4の内面4aと表裏一体であるところの外表
面(超音波放射面)4bから超音波放射面4bの前面空
間に向けて超音波を放射させる構成である。なお、5a
は、筒状部5の面(外周面)である。
【0025】そして、超音波放射面4bの前面空間に障
害物がある場合、放射させた超音波が障害物にて反射さ
れる。この反射された反射波を超音波放射面4bで受波
し、この受波した振動による変位ひずみを底部4と一体
に圧電振動素子3が受けることで、圧電振動素子3に起
電力を発生させる。発生させた起電力は、リード線8
a、8bを経由して後述する電気回路に送信される。つ
まり、本実施形態の超音波マイクロホン1は、送受波型
の超音波マイクロホンを構成している。
【0026】図2に示すように障害物検知装置1Aは、
図1に示した超音波マイクロホン1に対して超音波を送
信(放射)させるための電気回路部分と、障害物にて反
射された反射波を受信するための電気回路部分と、超音
波の送信および反射波の受信情報による警報信号の発信
等を制御する制御回路部20等から構成される。
【0027】超音波を送信(放射)させるための電気回
路部分は、規定周波数(例えば40kHz)を発信する
発信回路部21と、この発信回路部21よりの信号を受
けて超音波マイクロホン1を駆動する駆動回路22等よ
りなる。また、障害物にて反射された反射波を受信する
ための電気回路部分は、反射波を受信した信号を増幅さ
せる増幅回路部23である。なお、24は、超音波の送
信と反射波の受信を切替える信号切替部である。
【0028】制御回路部20は、発信回路部21へ発信
開始指令および発信終了指令等を発する部分、増幅回路
部23より増幅された信号を受けて障害物までの距離を
判定する距離判定部20a、および増幅回路部23より
増幅された信号を受けて超音波マイクロホン1の異常を
判定する異常判断部20b等を内部に備えている。
【0029】ここで、異常判断部20bが判断する超音
波マイクロホン1の異常とは、例えば圧電振動素子3へ
の送電線部での断線や超音波放射面への異物付着(泥、
氷結物等)等が発生して超音波放射面4bから正常に超
音波が発信されていない状況を言う。そして、このよう
な異常状態が発生すると残響波が所定レベルまで減衰す
る時間が短くなる現象として現れるので、この残響波が
所定レベルまで減衰する時間を検出することで異常判断
を行っている。
【0030】上述した残響波とは、超音波マイクロホン
1の底部4内面4aに固着させた圧電振動素子3に交流
電圧を印加して超音波放射面4bを振動させて超音波を
送信する際、圧電振動素子3への交流電圧の印加を停止
させても送信された送信波の後に減衰しながら引き続き
発生する振動波を言う。詳細には、超音波放射面4bが
圧電振動素子3により振動した後、超音波放射面4bで
の振動が減衰しながら持続する際に圧電振動素子3がこ
の振動を感知して増幅回路部23に信号を発信する振動
波形のことを言う。
【0031】図3は、図2中の障害物検知装置1Aの一
部を示す概略回路図である。図3に示すように、増幅部
22a、トランス部22b等からなる駆動回路22は、
発信回路部21よりの発信信号を受けて圧電振動素子3
に超音波(例えば40kHz)を10パルス発信する。
この発信パルスは、リード線8aを経由して圧電振動素
子3に伝送されており、かつ駆動回路22、圧電振動素
子3、増幅回路部23の3者間は結線(電気接続)され
ている。
【0032】この電気回路において、例えばリード線8
aが断線することとなっても駆動回路22よりの発信パ
ルスは増幅回路部23に送信され、かつ駆動回路22は
発信パルスを送信し終わった後にも駆動回路22自体か
ら残響パルスを発信する。この駆動回路22自体から発
信される残響パルスの持続時間は短いものの、リード線
8aが断線していない時に圧電振動素子3から発信され
る振動波と混同する事となる。特に、超音波マイクロホ
ンを構成するケース体としてのマイクロホン筐体2の構
成によっては、以下に示すように、残響波の減衰特性に
ばらつきが生じ、例えばリード線8aの断線等の故障
(異常)時と、正常時とを振動波(残響パルス)の持続
時間から判断するのが困難である。
【0033】そこで、本発明の超音波マイクロホン1で
はマイクロホン筐体2の構成を工夫して、振動波の持続
時間から超音波マイクロホン1の異常時と正常時判断で
きるようにしたので、以下説明する。
【0034】残響波の減衰特性は、超音波マイクロホン
を構成するケース体としてのマイクロホン筐体2の持つ
慣性振動を主要因に決定される。そして、マイクロホン
筐体2の慣性振動は、主にマイクロホン筐体2を構成す
る底部4の面(超音波放射面)4bの振動と筒状部5の
面5aの振動とが重ね合わされて決定される。
【0035】ここで、超音波放射面4bからの超音波の
送信直後の残響波発生時における超音波放射面)の振動
と筒状部5の面5aの振動を比較した状態を図4、図5
に示す。図4は、正常時の超音波放射面4b振動と筒状
部5の面5aの振動との振動特性を説明する説明図であ
る。図5は、異常時の超音波放射面4b振動と筒状部5
の面5aの振動との振動特性を説明する説明図である。
なお、ここで示す振動特性は、マイクロホン筐体2に蓋
部7を備えていない状態である。
【0036】通常、図4に示すようにマイクロホン筐体
2は、超音波放射面4bの振動(4−1)の方が筒状部
5の面5aの振動(4−2)に比べ振動強度は大きく、
かつ長く持続する特性を有するように構成されている。
しかし、マイクロホン筐体2に加わる温度変化やマイク
ロホン筐体2に付着物(泥、氷結物等)が付着すると、
超音波放射面4b振動と筒状部5の面5aの振動との振
動減衰特性が変化する異常が発生する。例えば、図5に
示すように、筒状部5の面5aの振動(5−2)の方が
超音波放射面4bの振動(5−1)に比べて振動の持続
時間が長くなる領域(図5中A部に示す)が発生する。
このような状況下において超音波放射面4bの振動と筒
状部5の面5aの振動の重ね合わせによる状態が変化
し、残響波の減衰特性として残響波の持続時間が短くな
る場合が発生し、超音波マイクロホン1の異常時と混同
する事態となる。
【0037】そこで、本発明の超音波マイクロホンで
は、マイクロホン筐体2に蓋部7を備えた構成とした。
以下、図6から図8を用いてマイクロホン筐体2の持つ
慣性振動と残響波の減衰特性との関係について説明す
る。図6は、蓋部7無し時の超音波放射面4b振動と筒
状部5の面5aの振動との振動特性を説明する説明図で
ある。図7は、蓋部7有り時の超音波放射面4b振動と
筒状部5の面5aの振動との振動特性を説明する説明図
である。図8は、残響波の減衰時間特性を説明する説明
図である。
【0038】図6、図7はマイクロホン筐体2を模式的
に示した図である。図6に示すように一端が開放された
有底筒状形状のマイクロホン筐体2にあっては、超音波
放射面4bを有する底部4は両端(全周)が筒状部5と
接して支持点4c、4dにより支持されている。一方、
筒状部5は、一端のみが底部4と接し、他端5Aは支持
されていない(開放されている)。これにより、筒状部
5の面5aでの振動(イ)は、他端5Aが自由端を形成
していることから振動が大きくなる。
【0039】図7は、図6に示した有底筒状形状のマイ
クロホン筐体2に対し、筒状部5を設け、筒状部5の他
端5Aにおいて筒状部5の内周面5bと蓋部7の外周面
とを全周で接触させている。それにより、他端5Aが蓋
部7によって支持されて支持点5cを得るので、筒状部
5の面5aでの振動(ロ)は抑えられる。よって、超音
波放射面4bの振動に対する筒状部5の面5aにおける
振動の影響が小さくなり、超音波放射面4bの振動を安
定させている。具体的には、筒状部5の面5aにおける
振動の影響を小さくすることで、超音波放射面4bと筒
状部5の面5aの各々の面4b、5aの慣性振動の周波
数や位相が異なる事由により複雑な残響波を形成しにく
くなり、超音波放射面4bにおける残響波の減衰時間の
長短の発生を抑えている。
【0040】図8に示すように、図6に示した従来の蓋
部7を有していないマイクロホン筐体2においては、例
えばリード線8aの断線等の故障(異常)時における残
響波の持続時間が短くなる領域(ハ)と、正常時におけ
る残響波の持続時間の領域(ニ)とが混在することとな
って、残響波の減衰時間から超音波マイクロホン1の異
常を検出することを困難にしていた。
【0041】しかし、図7に示した改良した本実施形態
の蓋部7を有するマイクロホン筐体2においては、残響
波の減衰時間が安定するので、故障(異常)時における
残響波の持続時間が短くなる領域(ハ)と、残響波の持
続時間の領域(ホ)とを異ならせて設定可能となる。こ
れにより、残響波の減衰時間から超音波マイクロホン1
の異常を検出することを可能としている。
【0042】図9は、受信波を示す説明図であり、
(a)は超音波マイクロホンの異常時の受信波、(b)
は超音波マイクロホン1の正常時、かつ前方障害物が検
出範囲外時の受信波、(c)は超音波マイクロホンの正
常時、かつ前方障害物が検出範囲内時の受信波である。
図9(a)に示すように、例えばリード線8aの断線等
の故障(異常)時、マイクロホン1の異常が発生する
と、増幅回路部23を経由して制御回路部20が受信す
る残響波の持続時間T1は短い。なお、圧電振動素子3
を駆動するリード線8aの断線により、障害物による反
射波は受信されない。
【0043】図9(b)、(c)に示すように、超音波
マイクロホン1の正常時においては、増幅回路部23を
経由して制御回路部20が受信する残響波の持続時間T
2は、超音波マイクロホン1の異常時と混同しない長さ
に設定してある。なお、図9(b)は、前方障害物が検
出範囲外にあるので障害物による反射波は受信されない
状態を示す。よって、図9(a)、(b)のように、双
方において反射波が受信されていない状況を有するの
で、反射波の有無による超音波マイクロホン1の異常時
か正常時かは判断できない。よって、残響波の持続時間
を安定させ、その安定させた残響波の持続時間から超音
波マイクロホン1の異常時か正常時かを判断している。
つまり、制御回路部20における超音波マイクロホン1
の異常判断処理は、例えば超音波放射面4bに氷結物が
付着して残響波の持続時間が故障検出領域(図8
(ハ))となれば、超音波マイクロホン1の異常時と判
断するように構築される。
【0044】次に、超音波マイクロホン1を用いた障害
物検知装置1Aの作動について図10に基づいて簡単に
説明する。図10は、障害物検知装置1Aの動作フロー
チャートである。まずS110(Sはステップを表す)
にて、障害物検知装置1Aの超音波マイクロホン1にお
ける超音波放射面4bから超音波を発信(例えば40k
Hz、10パルス)する。超音波が発信されるとS12
0では、超音波の発信(送信)を停止し、信号切替部2
4を切替えて障害物にて反射される反射波を受信できる
状態にする。そして、S130では、残響波をもとに規
定出力値まで減衰する残響持続時間を求め、この求めた
残響持続時間と予め制御回路部20内に記憶保持されて
いる判定基準時間とを比較することで異常判断部20b
が正常か異常かの判断を行う。
【0045】S130にて異常であると判断されるとS
180へ進み、車両の操作者に異常を報知させるために
異常判断部20bが送信する指示信号に従い異常表示
(ランプ点灯等)させる。また、S130にて正常であ
ると判断されると、S140へ進み、障害物にて反射さ
れる反射波を受信する。そして、S150では、この受
信した反射波信号を増幅回路部23により増幅して距離
判定部20aに送信する。S160では、距離判定部2
0aが増幅された反射波信号から対象障害物との距離を
算出する。S160に続きS170では、この算出した
距離情報に応じた警報表示(ランプ点灯等)をおこなう
指示信号を距離判定部20aが送信し、当該処理を一旦
終了する。
【0046】(変形例)図11は、図1に示した超音波
マイクロホン1に対して筒状部5の内周面5bと蓋部7
の外周面との接触位置を変更したが異なる例を示し、本
発明の変形例による超音波マイクロホン1を示す断面図
である。図1に示す一実施形態と実質的に同一構成部品
に同一符号を付し、説明を省略する。
【0047】変形例では、筒状部5を底部4方向に近づ
けた位置に配置し、蓋部7の底部4方向とは反対の位置
に筒状部5の内周面5bに囲まれた空間9を設けた。そ
して、この空間9を埋めるように封止材が添着されてい
る。
【0048】この封止材は、樹脂層(シリコン材)であ
り、蓋部7と筒状部5との接合部隙間を埋めるととも
に、筒状部5の振動を抑止する制振効果がある。また、
外部よりの水等の侵入を防いでいる。
【0049】また、蓋部7と筒状部5との接合部隙間を
完全に埋めることで、底部4の内面4aに固着させた圧
電振動素子3の振動時に、マイクロホン筐体2内の内側
空間6を伝播して蓋部7へ振動波が伝播されるが、この
伝播された振動波が蓋部5と筒状部5の接合部隙間を通
過してしまわないので、伝播された振動波が安定して蓋
部7を振動させること可能となり、残響波の発生を安定
させる効果がある。
【0050】なお、本発明の実施にあたり、蓋部7と接
する筒状部5の外周部の周壁厚さが均一でなく、薄肉部
と圧肉部が混在する筒状部を有するマイクロホン筐体に
おいては、筒状部5の薄肉部における内周面と蓋部7の
外周面との接触圧を、筒状部5の圧肉部における内周面
と蓋部7の外周面との接触圧よりも上げるようにする。
それにより、筒状部5の薄肉部での蓋部7との接触圧力
が高まり、その接触圧力が高まった部分での振動を軽減
できる。よって、筒状部5全体としての振動を抑止する
効果がある。
【0051】また、本発明の実施にあたり、マイクロホ
ン筐体2を金属材としてのアルミニウム合金により形成
させたが、例えばマイクロホン筐体2が樹脂材よりな
り、蓋部7も同材料で構成させることで、上記した実施
形態と同様の効果が得られる超音波マイクロホン1とす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である超音波マイクロホン
の詳細を示し、(a)は断面図、(b)は図1(a)を
下方から見た下面図、(c)は図1(b)のA−A線断
面図である。
【図2】超音波マイクロホンを自動車の超音波ソナー装
置に適用した例を示すブロック図である。
【図3】図2中の障害物検知装置の一部を示す概略回路
図である。
【図4】正常時の超音波放射面振動と筒状部の面の振動
を説明する説明図である。
【図5】異常時の超音波放射面振動と筒状部の面の振動
を説明する説明図である。
【図6】蓋部無し時の超音波放射面振動と筒状部の面の
振動との振動特性を説明する説明図である。
【図7】蓋部有り時の超音波放射面振動と筒状部の面の
振動との振動特性を説明する説明図である。
【図8】残響波の減衰時間特性を説明する説明図であ
る。
【図9】受信波を示す説明図であり、(a)は超音波マ
イクロホンの異常時の受信波、(b)は超音波マイクロ
ホンの正常時、かつ前方障害物が検出範囲外時の受信
波、(c)超音波マイクロホンの正常時、かつ前方障害
物が検出範囲内時の受信波である。
【図10】障害物検知装置1Aの動作フローチャートで
ある。
【図11】本発明の変形例による超音波マイクロホンを
示す断面図である。
【図12】従来の超音波マイクロホンを示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 超音波マイクロホン 2 マイクロホン筐体(振動ケース) 3 圧電振動素子 4 底部(振動ケースの一部) 5 筒状部(振動ケースの一部) 5b 内周面 7 蓋部(振動ケースの一部) 9 封止材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 麻 弘知 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 原田 隆嗣 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 5D019 AA22 FF01 GG05 GG06 5J083 AA02 AB13 AC16 AC19 AC27 AD04 AE10 AF05 CA10 CA17 CA20 CA35 CA36 CB02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有底筒状に形成された振動ケースと、 前記振動ケースの底部内面に固着される圧電振動素子と
    を備えた超音波マイクロホンにおいて、 前記圧電振動素子を収容する前記振動ケースの内側空間
    を塞ぐように前記振動ケースの筒状部に設けた蓋部を備
    えたことを特徴とする超音波マイクロホン。
  2. 【請求項2】 前記蓋部の板厚は、前記底部の板厚より
    も厚く形成されていることを特徴とする請求項1に記載
    の超音波マイクロホン。
  3. 【請求項3】 前記蓋部は、前記振動ケースの内周面に
    嵌着されていることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の超音波マイクロホン。
  4. 【請求項4】 前記蓋部は、前記振動ケースと同一材に
    より形成されていることを特徴とする請求項1ないし請
    求項3のいずれか1項に記載の超音波マイクロホン。
  5. 【請求項5】 前記蓋部と前記筒状部との接合部隙間を
    埋める封止材が添着されていることを特徴とする請求項
    1ないし請求項4のいずれか1項に記載の超音波マイク
    ロホン。
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