JP2002237622A - 熱電素子の製造方法および熱電モジュールの製造方法 - Google Patents

熱電素子の製造方法および熱電モジュールの製造方法

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JP2002237622A
JP2002237622A JP2001032557A JP2001032557A JP2002237622A JP 2002237622 A JP2002237622 A JP 2002237622A JP 2001032557 A JP2001032557 A JP 2001032557A JP 2001032557 A JP2001032557 A JP 2001032557A JP 2002237622 A JP2002237622 A JP 2002237622A
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thermoelectric element
forming
hole
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Seishi Takagi
清史 高木
Yuji Tashiro
雄次 田代
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Okano Electric Wire Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 p型とn型の熱電素子1と、そのようなp型
とn型の熱電素子1が配列形成されている熱電モジュー
ルとを容易に作製する。 【解決手段】 p型とn型の熱電素子1の配列に対応さ
せて貫通孔22が配列形成されている素子成形型20を
用意する。まず、p型とn型のうちの選択された一方側
の熱電素子形成用の貫通孔22に上記選択された側の熱
電素子1の形成材料の融液29を充填し冷却固化する。
次に、他方側の熱電素子形成用の貫通孔22に他方側の
熱電素子1の形成材料の融液を充填し冷却固化して、素
子成形型20にp型とn型の熱電素子1を配列形成す
る。その後、素子成形型20の熱電素子1の一端部と電
極形成基板3の電極2とを接合する。そして、熱電素子
1を素子成形型20から型抜きして、熱電素子1の他端
部に電極形成基板4の電極2を接合する。このようにし
て熱電素子1および熱電モジュールを作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電流を通電するこ
とにより冷却・加熱を行うペルチェ素子や、発電を生じ
せしめるゼーベック素子等の熱電素子を製造する方法
と、上記熱電素子を用いた熱電モジュールの製造方法と
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱電素子として一般的に知られているペ
ルチェ素子は、ビスマス・テルル等の金属間固溶体にア
ンチモン、セレン等の元素を添加することにより、p、
n型素子を形成し、このp、n型素子を注入電極を介在
させ交互に直列に並べ、該直列素子の両端に、電圧を印
加し、電流を流すことにより、素子と電極界面で冷却・
加熱効果を生ぜしめる素子であり、例えば、図12
(a)、(b)に示す構成をとる。又、その具体的構成
は、p、nの熱電素子1を直列に接続する電極2等を形
成した厚さ0.3〜1mm程度のアルミナ(Al
等のセラミック薄板等から成る絶縁性基板(電極形成基
板)3,4を上下に対向して配置し、上記絶縁性基板
3,4間に直径0.6〜3mm程度、長さ0.5〜3mm程
度のp型、n型のビスマス・テルル等からなる熱電素子
1を配置して成る。なお、これら熱電素子1と電極2間
や、熱電素子1とリード端子電極5間は図示しない半田
等により固定されている。図12(a)、(b)に示さ
れる符号6はリード端子を示す。
【0003】熱電素子1は従来、以下の二つの手法で作
られることが一般的である。 インゴット切断法:BiTeにセレン、アンチモン
等の元素を適当量添加して、図示しない700℃〜90
0℃に保たれた融液からチョコラルスキー炉やブリッジ
マン炉等を用いて図16(a)に示すような直径数セン
チのインゴット7を作製し、図16(b)に示すよう
に、これをウェハ状にスライシングし、そのウェハ8の
両面にメッキを行った後に、更に、そのウェハ8を、ダ
イサー9等の切断手段に上記所定寸法により切断して素
子1を形成する。なお、p型、n型の素子1はそれぞれ
合金組成を調整して別個に作製される。
【0004】型内成長法:図13(a)の斜視図に示す
ようにカーボンやアルミナ等からなる二つ割の成形型1
0を合わせ、図示しない位置決め・固定手段により固定
し、図14のようにBiTeにセレン、アンチモン
等の元素を適当量添加した700℃〜900℃に保たれ
た融液11に浸漬し、融液11から成形型10を引き上
げることにより、図13(b)に示すような角柱或いは
円柱状の素子を得る。得られた素子は、図示しない固定
治具に取りつけられた後、図15に示すように、長さ
0.5〜2mm程度の所定寸法に切断してモジュールに組
み込む熱電素子1とする。なお、BiTeにセレン
を添加することによりp型の熱電素子の形成材料とな
り、BiTeにアンチモンを添加することによりn
型の熱電素子の形成材料となる。
【0005】次に熱電素子1を組み立てて熱電モジュー
ルを作成する手法について示すが、従来以下の二つの製
造手法(組立て手法)が採られていた。 直接組立て法:図17に示すように、予め電極2を形成
し、更にその電極2の上側に半田をメッキ等により形成
したアルミナ等からなる回路基板4の上に、アルミナ等
のセラミック製の整列治具12を載せ、所定寸法に切断
されたp型及びn型の熱電素子1を交互に整列治具12
の配列孔13内に入れて並べ、半田リフロー炉内で熱電
素子1と基板4の電極2間を固定する。固定後、整列治
具12を外す。そして、上記回路基板4と同様に電極2
と半田が予め形成された回路基板3の上側に、上下を反
転させた上記熱電素子1と回路基板4の接合体を載せ、
上記同様に熱処理し、回路基板3の電極と熱電素子1と
を半田等で固定することで熱電モジュールを作成する。
【0006】スペーサ組立て法:熱電素子1を、図18
(a)に示すように所定の本数に対応する貫通孔14を
設けた薄板のセラミックやガラス/エポキシ樹脂等から
なる絶縁性スペーサ15を複数枚、所定の距離離間して
配置し、p型、n型の素子1を棒状のまま、交互に突き
通し、エポキシ接着剤等を、貫通孔14と熱電素子1間
に塗布し、硬化させることにより固定する。然る後、切
断治具(図示せず)にスペーサごと、一体化体を装着
し、図18(b)に示すように、ダイシングソー等の切
断手段により熱電素子1を切断線16に沿って切断し、
図10(a)、(b)に示す熱電素子配列ユニット(絶
縁性スペーサ15に複数のp型とn型の熱電素子1が交
互に配列固定されたスペーサ/素子複合体)17を作
る。かかる工程の後、熱電素子配列ユニット17の上下
に、前記直接組み立て法と同様の半田固定法により基板
3,4を配置し、図10(b)に示す熱電モジュールを
得る。
【0007】なお、BiTeをベースとする熱電素
子1は、銅や銀からなる電極材と直接、半田付けにより
良好な電気的・機械的接続をすることが困難なため、通
常、熱電素子1の両端部にNi.Auメッキ等を用いる
ことが多いが、この場合、図11に示すように、熱電素
子1の中間部に、メッキレジスト等の絶縁のためのコー
ティング18を設けてからメッキ19が形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記インゴット切断法
や型内成長法のいずれにおいても、小径・短尺の熱電素
子1をp、nそれぞれに切断して作る手法においては、
端部にメッキを行う際に、両端子間のメッキ短絡が生じ
やすい問題点があった。そのために図11に示すように
中間部にメッキが付着することを防止するためのレジス
トコーティング18を一本、一本確実に施し、又、熱電
素子1の放熱特性を損じることが無いようにメッキ後
に、このレジストコーティング18を完全に除去するこ
とを行っていたが、工程が煩雑であり、かつレジストコ
ーティング18の完全被覆・除去のために多大な工数が
かかる問題点があった。
【0009】また、型内成長法により作製した多数の熱
電素子1を図18に示すように、絶縁性スペーサ15の
貫通孔14に挿入していく手法においては、該Bi
合金が極めて脆く、かつ小応力に対して変形しやす
い性質を持つため、1mm以下の素子1については貫通孔
自体を1.2mm以上にとる必要があり、熱電モジュール
の素子冷却面での均熱性を保持するための条件である素
子1の高密度配列が困難であるという問題点があった。
【0010】また、この手法ではスペーサ15があるた
めに熱電素子の両端の短絡現象は生じない利点はある
が、スペーサ15と貫通孔14を一体化するためのエポ
キシ接着剤の塗布・乾燥・硬化に時間がかかる欠点と、
放熱性を損なわないために行うはみ出し部分のエポキシ
樹脂除去が困難である欠点とを有している。
【0011】更に、いずれの手法においてもp、n素子
1を手作業で交互に配列することは極めて面倒であり、
自動化するために高価な部品挿入・配設機を使用せざる
を得なく、又、この場合でも、一個一個の配列に時間が
かかる問題点があった。
【0012】本発明は上記課題を解決するために成され
たものであり、その第1の目的は、p、n各熱電素子の
作製が飛躍的に容易となる熱電素子の製造方法を提供す
ることであり、また、第2の目的は、p、n各熱電素子
を個別に挿入することなく、又、メッキ短絡が生じにく
く、更にエポキシ樹脂等を用いることなく、多数本の熱
電素子を高密度に配列することが可能な熱電モジュール
の製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、次のような構成をもって前記課題を解決す
る手段としている。すなわち、熱電素子の製造方法の第
1の発明は、複数の貫通孔が形成されている素子成形型
を複数用意し、まず、上記素子成形型と切断分離用部材
を交互に積層配置し、次に、上記各素子成形型の複数の
貫通孔の中から、p型の熱電素子とn型の熱電素子のう
ちの選択された一方側の熱電素子形成用に指定された貫
通孔の内部に上記選択された熱電素子の形成材料の融液
を充填して冷却固化し、次に、上記素子成形型の残りの
貫通孔の内部に他方側の熱電素子の形成材料の融液を充
填して冷却固化して、上記p型の熱電素子とn型の熱電
素子を共通の素子成形型の内部に形成し、然る後に、上
記切断分離用部材を切断して各素子成形型毎に分離する
構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0014】熱電素子の製造方法の第2の発明は、上記
第1の発明の構成を備え、p型とn型を択一的に選択す
る選択孔が形成されているpn選択手段を用意し、各素
子成形型の複数の貫通孔に熱電素子の形成材料の融液を
充填する際には、まず、上記pn選択手段の選択孔を上
記素子成形型のp型とn型のうちの選択された一方側の
熱電素子形成用となる貫通孔に合わせて、上記素子成形
型と切断分離用部材の積層体と、上記pn選択手段とを
着脱自在に積層一体化し、次に、この積層体を上記pn
選択手段を下向きにして上記選択された一方側の熱電素
子の形成材料の融液に浸漬して、上記pn選択手段の選
択孔から該選択孔に通じる上記各素子成形型の貫通孔に
上記融液を充填して冷却固化し、然る後に、上記同様
に、pn選択手段の選択孔を上記素子成形型の他方側の
熱電素子形成用となる貫通孔に合わせて上記素子成形型
の残りの貫通孔に他方側の熱電素子の形成材料の融液を
充填して冷却固化して、各素子成形型の内部にp型とn
型の熱電素子を形成することを特徴として構成されてい
る。
【0015】熱電素子の製造方法の第3の発明は、上記
第2の発明の構成を備え、素子成形型と切断分離用部材
とpn選択手段との積層体の積層高さよりも高い側壁を
有する積層体収容容器を用意し、各素子成形型の内部に
p型あるいはn型の熱電素子の形成材料の融液を充填す
る際には、上記素子成形型と切断分離用部材とpn選択
手段を着脱自在に積層一体化した後に、まず、その積層
体を上記pn選択手段を下向きにして上記積層体収容容
器の内部に入れ、上記pn選択手段の選択孔形成領域
を、上記積層体収容容器の底部に形成された融液導入用
穴部の上側に合わせ、上記積層体を上記積層体収容容器
の内部に上記融液導入用穴部を塞ぐ形態でもって着脱自
在に固定し、次に、その積層体収容容器を熱電素子の形
成材料の融液に挿入し、上記積層体収容容器の側壁上端
部を上記融液の液面よりも高く位置させた状態で、上記
積層体収容容器の底部の融液導入用穴部を通して上記各
素子成形型の選択された貫通孔に熱電素子の形成材料の
融液を充填することを特徴として構成されている。
【0016】熱電素子の製造方法の第4の発明は、上記
第1の発明の構成を備え、p型とn型を択一的に選択す
る選択孔が形成されているpn選択手段を用意し、各素
子成形型の複数の貫通孔に熱電素子の形成材料の融液を
充填する際には、まず、上記pn選択手段の選択孔を上
記素子成形型のp型とn型のうちの選択された一方側の
熱電素子形成用となる貫通孔に合わせて、素子成形型と
切断分離用部材の積層体の上下両側に、上記pn選択手
段を着脱自在に設けて一体化し、次に、この積層体を上
記選択された一方側の熱電素子の形成材料の融液に浸漬
して、上記積層体の上下両側のpn選択手段の選択孔か
ら該選択孔に通じる上記各素子成形型の貫通孔に上記融
液を充填して冷却固化し、然る後に、上記同様に、pn
選択手段の選択孔を上記素子成形型の他方側の熱電素子
形成用となる貫通孔に合わせて上記素子成形型の残りの
貫通孔に他方側の熱電素子の形成材料の融液を充填して
冷却固化して、各素子成形型の内部にp型とn型の熱電
素子を形成することを特徴として構成されている。
【0017】熱電素子の製造方法の第5の発明は、上記
第4の発明の構成を備え、素子成形型と切断分離用部材
とpn選択手段との積層体の積層高さよりも高い側壁を
有する積層体収容容器を用意し、各素子成形型の内部に
p型あるいはn型の熱電素子の形成材料の融液を充填す
る際には、上記素子成形型と切断分離用部材とpn選択
手段を着脱自在に積層一体化した後に、まず、その積層
体を上記積層体収容容器の内部に入れ、上記pn選択手
段の選択孔形成領域を、上記積層体収容容器の底部に形
成された融液導入用穴部の上側に合わせ、上記積層体を
上記積層体収容容器の内部に上記融液導入用穴部を塞ぐ
形態でもって着脱自在に固定し、次に、その積層体収容
容器を熱電素子の形成材料の融液に挿入し、上記積層体
収容容器の底部の融液導入用穴部を通して上記各素子成
形型の選択された貫通孔に熱電素子の形成材料の融液を
導入すると共に、上記積層体の上部側のpn選択手段の
選択孔を通して上記各素子成形型の選択された貫通孔に
熱電素子の形成材料の融液を導入して当該選択の貫通孔
に熱電素子の形成材料を充填することを特徴として構成
されている。
【0018】熱電素子の製造方法の第6の発明は、上記
熱電素子の製造方法の第2又は第3又は第4又は第5の
発明の構成を備え、pn選択手段は板状に形成されてい
ることを特徴として構成されている。
【0019】熱電素子の製造方法の第7の発明は、上記
熱電素子の製造方法の第2又は第3又は第4又は第5の
発明の構成を備え、pn選択手段はメッシュ状に形成さ
れ、メッシュの網目孔が素子成形型の選択された貫通孔
に融液を導入する選択孔と成し、メッシュの網目の交差
部が素子成形型の非選択孔への融液の導入を阻止する融
液導入阻止部と成していることを特徴として構成されて
いる。
【0020】熱電素子の製造方法の第8の発明は、上記
熱電素子の製造方法の第1〜第7の発明の何れか1つの
発明の構成を備え、素子成形型の貫通孔は表裏の一方側
から他方側に向かうに従って孔径が狭くなっており、貫
通孔の内壁面は傾斜面と成し、その素子成形型の貫通孔
の内部にp型とn型の熱電素子を形成した後に熱電素子
を上記素子成形型から型抜きする際には、上記熱電素子
に対して上記素子成形型が上記貫通孔の径の大きい側か
ら小さい側に向かう方向に移動するように熱電素子と素
子成形型を相対的に移動させて型抜きを行うことを特徴
として構成されている。
【0021】熱電素子の製造方法の第9の発明は、上記
熱電素子の製造方法の第1〜第8の発明の何れか1つの
発明の構成を備え、素子成形型の内部にp型とn型の熱
電素子を配列形成した後に、素子成形型の表裏両面側に
露出している上記熱電素子の両端面に導体金属をメッキ
形成し、その後に、熱電素子を素子形成型から型抜きす
ることを特徴として構成されている。
【0022】熱電モジュールの製造方法の第1の発明
は、一対の電極形成基板間にp型の熱電素子とn型の熱
電素子が交互に配列配置されており、上記各熱電素子の
端部が上記各電極形成基板に形成されている電極に接合
して上記p型とn型の熱電素子は上記電極を介して交互
に直列に接続されている熱電モジュールの製造方法にお
いて、複数の貫通孔が上記p型とn型の熱電素子の配列
に対応させて配列形成されている素子成形型を用意し、
上記熱電素子の製造方法の第1〜第7の発明の何れか1
つを用いて上記素子成形型の内部に上記p型とn型の熱
電素子を交互に配列形成し、然る後に、上記熱電素子の
端部が露出している上記素子成形型の表面側と裏面側の
うちの一方側に上記一対の電極形成基板のうちの対応す
る一方側を配置して当該電極形成基板の電極と上記熱電
素子の一端部とを接合し、次に、上記電極形成基板に接
合された熱電素子を上記素子成形型から型抜きし、その
後に、その熱電素子の他端部と上記他方側の電極形成基
板の電極とを接合することを特徴として構成されてい
る。
【0023】熱電モジュールの製造方法の第2の発明
は、上記熱電モジュールの製造方法の第1の発明の構成
を備え、素子成形型の貫通孔は表裏の一方側から他方側
に向かうに従って孔径が狭くなっており、貫通孔の内壁
面は傾斜面と成し、その素子成形型の貫通孔の内部にp
型とn型の熱電素子を配列形成した後には、その素子成
形型の内部に埋設されている上記径が大きい側の熱電素
子端部に電極形成基板の電極を接合し、その後に、上記
熱電素子に対して上記素子成形型が上記貫通孔の径の大
きい側から小さい側に向かう方向に移動するように熱電
素子と素子成形型を相対的に移動させて型抜きを行うこ
とを特徴として構成されている。
【0024】熱電モジュールの製造方法の第3の発明
は、上記熱電モジュールの製造方法の第1又は第2の発
明の構成を備え、素子成形型の内部にp型とn型の熱電
素子を配列形成した後に、素子成形型の表裏両面側に露
出している上記熱電素子の両端面に導体金属をメッキ形
成し、その後に、熱電素子と電極形成基板の電極との接
合を行うことを特徴として構成されている。
【0025】上記構成の発明において、熱電素子を作製
する際には、まず、素子成形型の複数の貫通孔の中か
ら、p型の熱電素子とn型の熱電素子のうちの選択され
た一方側の熱電素子形成用に指定された貫通孔の内部に
上記選択された側の熱電素子の形成材料の融液を充填し
て冷却固化する。このようにして、上記素子成形型の上
記選択された貫通孔の内部に、上記選択された側の熱電
素子を形成する。
【0026】次に、上記素子成形型の残りの貫通孔の内
部に他方側の熱電素子の形成材料の融液を充填し冷却固
化する。このようにして、上記素子成形型の残りの貫通
孔の内部に、他方側の熱電素子を形成する。
【0027】上記のようにして、p型の熱電素子とn型
の熱電素子を共通の素子成形型の内部に順次形成する。
【0028】p型の熱電素子とn型の熱電素子の形状お
よび大きさに合った貫通孔を持つ素子成形型を利用する
ことによって、所望のp型の熱電素子とn型の熱電素子
を一括的に多数個作製することができ、熱電素子の生産
性を格段に高めることができる。
【0029】また、熱電モジュールを作製する際には、
上記したように、素子成形型の内部に上記p型とn型の
熱電素子を交互に配列形成した後に、熱電素子の端部が
露出している上記素子成形型の表面側と裏面側のうちの
一方側に一対の電極形成基板のうちの一方側を配置す
る。そして、その電極形成基板の電極と上記熱電素子の
一端部とを接合する。その後に、上記電極形成基板に接
合された熱電素子を上記素子成形型から型抜きする。然
る後に、その熱電素子の他端部に上記他方側の電極形成
基板の電極を接合する。このようにして、熱電モジュー
ルを作製することができる。
【0030】このようにして熱電モジュールを作製する
ことによって、熱電素子を1つずつ手作業により配列配
置するという多くの時間を要する素子配列工程が不要と
なり、熱電モジュールの生産性を飛躍的に高めることが
できる。また、上記p型とn型の熱電素子を高密度に配
列配置することが容易となり、熱電モジュールの特性向
上を図ることができる。
【0031】さらに、素子成形型の内部にp型とn型の
熱電素子を配列形成した後に、素子形成型の表裏両面に
露出している上記熱電素子の両端面にメッキを施すとい
う工程を設けたものにあっては、熱電素子の側面が素子
成形型に覆われた状態で熱電素子の両端面にメッキが施
されるので、熱電素子の側面にメッキが付着することを
防止するために熱電素子の側面をコーティングするとい
う手間、および、そのコーティングを除去する手間およ
びその除去作業に用いる材料を省くことができる。これ
により、より一層の熱電モジュールの生産性向上を図る
ことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下に、この発明に係る実施形態
例を図面に基づいて説明する。
【0033】この実施形態例では、図6に示すような熱
電モジュールおよびその熱電モジュールを構成する熱電
素子の作製手法の一例を図1〜図5を用いて説明する。
なお、図6に示す熱電モジュールは、前記図12
(a)、(b)に示した熱電モジュールと同様な構成を
備えており、この実施形態例の説明においては、図12
(a)、(b)に示した熱電モジュールと同一構成部分
には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略す
る。
【0034】まず、熱電素子1の作製工程を説明する。
【0035】まず始めに、図1(a)に示すような複数
枚の素子成形型20と、pn選択手段21と、切断分離
用部材50とを用意する。上記素子成形型20はp型と
n型の熱電素子1を形成するための成形型であり、例え
ば、厚さ0.5mm〜2mm程度の耐熱成形型から成る。具
体例としては、厚さ0.3mmのグラファイト板により上
記素子成形型20を形成する。なお、上記素子成形型2
0の厚みDは、図6に示す熱電素子1の高さ(長さ)H
とほぼ同様の寸法と成すものであるという如く、素子成
形型20の厚みDは作製対象の熱電素子1の設定の高さ
に合わせて適宜設定できるものであり、上記寸法に限定
されるものではない。
【0036】上記素子成形型20には、図1(a)に示
すように、複数の貫通孔22が形成されており、この実
施形態例では、その貫通孔22の個数は、作製対象の図
6に示す熱電モジュールのp型の熱電素子1の本数とn
型の熱電素子1の本数との合計数である。これら貫通孔
22は、上記p型とn型の熱電素子1の配列に対応させ
て、配列配置されている。また、各貫通孔22は、熱電
素子1の形状および大きさに合わせた形状および大きさ
を備えているものであり、例えば、上記貫通孔22は円
柱状と成し、その直径は約0.6mmと成す。
【0037】なお、この実施形態例では、熱電素子1が
例えば図5(c)に示されるような略円柱状であるため
に、上記貫通孔22はその熱電素子1の形状に合わせて
上記のように円柱状であったが、上記熱電素子1は略円
柱状に限定されるものではなく、例えば、角柱状でもよ
く、その形状は適宜設定できるものであり、上記貫通孔
22はその熱電素子1の形状に合わせて形成されるの
で、貫通孔22の形状も円柱状に限定されるものではな
い。
【0038】また、図1(a)に示す例では、上記素子
成形型20は3枚であるが、上記素子成形型20の枚数
は特に限定されるものではない。ただ、後述するように
素子成形型20を積層配置して上記貫通孔22内に結晶
を成長させる際に、最上層の素子成形型20と、最下層
の素子成形型20との温度差が、熱電素子1を構成する
BiTe等の結晶を良好に成長させることが可能な
温度差(例えば20〜40℃/cm)となる枚数、つま
り、20枚以上の素子成形型20を用いることが好まし
い。
【0039】上記pn選択手段21は、上記素子成形型
20の複数の貫通孔22のうち、p型の熱電素子1の形
成用となる孔を選択するp型選択用の板状部材と、n型
となる孔を選択するn型選択用の板状部材との2種類の
板状部材とを有する。なお、上記p型選択用の板状部材
と、n型選択用の板状部材とは、下記に述べるように、
ほぼ同様な形状を有しており、ただ選択孔23の形成位
置がずれているだけであるので、図1(a)では、上記
p型選択用とn型選択用の板状部材のうちの一方側のみ
を図示し、他方側の図示を省略している。
【0040】上記p型選択用とn型選択用の板状部材は
例えば0.5mm程度の厚みを持つグラファイト板から成
り、それら板状部材には共に図1(a)に示すように複
数の選択孔23が形成されている。上記p型選択用の板
状部材の選択孔23は、上記素子成形型20の複数の貫
通孔22のうち、p型の熱電素子形成用となる貫通孔2
2の形成位置に合わせて、配置形成されている。また、
n型選択用の板状部材の選択孔23は、上記素子成形型
20の複数の貫通孔22のうち、n型の熱電素子形成用
となる貫通孔22の形成位置に合わせて、配置形成され
ている。なお、上記選択孔23はその直径が例えば0.
6mmに形成される。
【0041】上記切断分離用部材50は素子成形型20
とほぼ同様な基板面積を有し、厚さ0.1〜0.2mm程
度の例えばグラファイト等から成るシート状の部材であ
り、素子成形型20の貫通孔22に合わせて貫通孔49
が配列形成されている。
【0042】上記のような素子成形型20とpn選択手
段21と切断分離用部材50を用意した後には、図1
(b)に示されるように、素子成形型20と切断分離用
部材50とを交互に貫通孔22,49の位置を合わせて
積層配置すると共に、その素子成形型20と切断分離用
部材50の積層体の上下の一方側に、上記pn選択手段
21のp型選択用とn型選択用の板状部材のうちの選択
された一方側(ここでは、説明を分かり易くするため
に、p型を選択したとする)選択用の板状部材を配置し
て、上記pn選択手段21と素子成形型20と切断分離
用部材50を着脱自在に積層一体化する。この際、図示
されていないが、上記pn選択手段21と素子成形型2
0と切断分離用部材50を機械的に一体化し、また、そ
れぞれに設けられた貫通孔22,23,49を適切に位
置決めする耐熱性の位置決め手段および保持手段(例え
ば白金製のファスナーや、アルミナ等の耐熱性の螺子
等)を利用して、上記pn選択手段21と素子成形型2
0と切断分離用部材50が積層一体化される。
【0043】そして、図1(b)に示されるような積層
体収容容器24の内部に、上記pn選択手段21と素子
成形型20と切断分離用部材50の積層体25を収容す
る。上記積層体収容容器24は、図1(b)に示される
ように、箱状の上面開口の容器であり、上記積層体25
の積層高さよりも高い側壁26を有し、また、底部には
融液導入用穴部27が形成されているものである。この
積層体収容容器24に上記の如く積層体25を収容する
際には、上記積層体25を上記pn選択手段21を下向
きにして上記積層体収容容器24の内部に入れ、上記p
n選択手段21の選択孔23の形成領域を上記融液導入
用穴部27の上側にし、かつ、上記積層体25によって
上記融液導入用穴部27を塞ぐ形態でもって上記積層体
25を着脱自在に(例えばねじ(図示せず)とねじ穴4
4等を利用して)上記積層体収容容器24に固定する。
【0044】なお、上記積層体収容容器24の融液導入
用穴部27の開口面積は、上記積層体25の孔22,2
3の形成領域とほぼ同様あるいはそれよりも広く、か
つ、上記積層体25の底面積よりも狭いものとする。
【0045】然る後に、図2に示されるように、素子成
長装置の例えばグラファイト等から成る箱状の融液浴2
8の内部に上記積層体収容容器24を入れて、該積層体
収容容器24を上記融液浴28の内部の融液29に挿入
する。この融液29は前記選択された側(p型)の熱電
素子1の形成材料の融液であり、例えば、BiTe
にSbTeを固浴させて生成したものを加熱手段4
5により例えば700〜800℃に加温・溶融させて成
るものである。
【0046】なお、上記積層体収容容器24は固定手段
46によって固定部47に固定され、上記融液浴28は
昇降手段(図示せず)に取り付けられており、その昇降
手段によって融液浴28を上下方向に移動させること
で、上記融液浴28の内部の融液29に上記積層体収容
容器24を出し入れすることができる。また、上記融液
浴28や積層体収容容器24等は、窒素やアルゴン等の
不活性ガスで満たされた封管等の気密手段48の中に収
容されている。このように、上記融液浴28等を気密手
段48の中に収容することによって、上記融液29中の
BiやTe等の金属材料の酸化を防止することができ
る。また、Se等は蒸気圧が高いことから、融液浴28
や積層体収容容器24の上面が開放された状態では、融
液29を所定の組成比に維持することができないという
問題が生じるが、上記の如く、融液浴28や積層体収容
容器24を気密手段48の中に収容することにより、上
記問題を回避することができる。なお、上記気密手段4
8の内部を不活性ガスで満たして封止する手法は周知で
あるために、ここでは、その説明は省略する。
【0047】以下に、熱電素子1の結晶成長法の一例を
詳細に述べる。
【0048】図3(a)に示されるように、上記積層体
収容容器24は上記気密手段48の中の固定手段46に
固定されており、まず、この積層体収容容器24の内部
に上記の如く積層体25を取り付ける。そして、昇降手
段によって上記融液浴28を移動させて、積層体25の
底部と融液29との間隔が約5〜10cmとなる位置に上
記融液浴28を配置させる。
【0049】次に、上記融液浴28を例えば高周波加熱
手法や抵抗加熱手法等を利用した加熱手段45により7
00〜900℃に加熱して、融液浴28の内部のBi
Te ・SbTe(p型半導体)を溶融し液状化し
て融液29を作り出す。そして、その融液29が均一に
なり、かつ、前記積層体25が設定温度に予熱されたこ
とを確認した後に、図3(b)に示すように、融液浴2
8を昇降手段により上昇させて、上記積層体収容容器2
4を融液29に挿入し、積層体収容容器24内の積層体
25の上面が上記融液29の液面よりも1〜2mm程度高
くなるように融液浴28を位置させる。
【0050】このような状態で上記積層体収容容器24
を上記融液29に挿入させていると、上記積層体収容容
器24の融液導入用穴部27から融液29が導入され
て、pn選択手段21の選択孔23から、該選択孔23
に通じている素子成形型20の貫通孔22に上記融液2
9が浸入してくる。
【0051】そして、予め定めた設定の時間(例えば5
分)が経過して、上記積層体25の上面(つまり、素子
成形型20の上面)に上記貫通孔22を通して融液29
が図3(b)に示すような噴出体30として導出凝固
し、これにより、上記選択された側(p型)の熱電素子
形成用の貫通孔22の内部に上記融液29が充填された
ことを確認した後に、上記融液浴28を例えば1mm〜4
mm/分の速度で下方向に移動させる。これにより、図3
(c)に示されるように、上記積層体収容容器24を融
液29から引き出していき、上記貫通孔22内に充填さ
れた上記融液29(上記選択された側(p型)の熱電素
子1の形成材料)を冷却固化する。
【0052】このようにして、上記素子成形型20の選
択された側(p型)の熱電素子形成用の貫通孔22の内
部に、上記選択された側(p型)の熱電素子1を形成す
る。なお、融液29の上側の不活性ガスの雰囲気温度は
BiTeの凝固点である585〜600℃以下とな
ることが好ましいことから、この実施形態例では、上記
ガス雰囲気温度は、融液29の温度よりも100〜20
0℃程度低くなるようにしている。ただ、製造管理面で
の便宜を図るために、上記ガス雰囲気温度を融液29の
温度と同程度とする場合には、前記積層体収容容器24
の底部に底板を設けることが望ましい。
【0053】その後、上記積層体25を積層体収容容器
24から取り出し、さらに、その積層体25からpn選
択手段21を分離する。このとき、積層体25の底部側
には、上記積層体収容容器24の融液導入用穴部27と
pn選択手段21の選択孔23に導入されて固化した熱
電素子1の形成材料が余分に付着しているので、その余
剰部分を切断・除去する。
【0054】然る後に、上記同様に、上記素子成形型2
0と切断分離用部材50の積層体と、他方側(n型)選
択用のpn選択手段21とを積層一体化して、この積層
体25を積層体収容容器24に収容固定し、その積層体
収容容器24を他方側(n型)の熱電素子1の形成材料
の融液に挿入して、上記素子成形型20の他方側(n
型)の熱電素子形成用の貫通孔22の内部に上記融液を
充填する。このときの融液は、BiTeにBi
を固化させて生成したものを加熱手段45により加
温・溶融させて成るものである。
【0055】そして、上記同様に、素子成形型20の上
面に上記貫通孔22を通して融液が噴出体30として導
出凝固したことを確認した後に、積層体収容容器24を
融液29から引き出して、上記貫通孔22の内部の融液
を冷却固化する。このようにして、他方側(n型)の熱
電素子形成用の貫通孔22の内部に他方側(n型)の熱
電素子1を形成する。
【0056】然る後に、上記同様に、積層体25を積層
体収容容器24から取り出す。そして、帯域溶融法等の
再結晶化手法により結晶性を高める。その後に、図3
(d)に示されるように、切断分離用部材50をダイシ
ングソーやワイヤソー等の切断手段により切断すること
によって、各素子成形型20、pn選択手段21を分離
する。これにより、p型とn型の熱電素子1が共に形成
された素子成形型20を得る。然る後に、上記素子成形
型20の表裏両面を研磨して、上記したような噴出体3
0を除去すると共に、上記熱電素子1の両端面を研磨等
により平坦に加工する。
【0057】このようにして、p型とn型の熱電素子1
を共通の素子成形型20の内部に順次形成する。上記各
熱電素子1を素子成形型20から型抜きすることによっ
て、個々の熱電素子1を得ることができるが、ここで
は、上記各熱電素子1を素子成形型20から型抜きせず
に、引き続き、以下に示すような特有な手法を利用した
熱電モジュールの作製工程に入る。
【0058】まず、図4(a)に示すように、上記熱電
素子1が形成されている素子成形型20の表面側と裏面
側の一方側に、一対の電極形成基板3,4のうちの一方
側(例えば電極形成基板3)を配置する。この電極形成
基板3(4)には予め電極2が形成され、その電極2の
上側には半田が形成されており、その電極形成基板3
(4)の電極2と上記素子成形型20の熱電素子1の一
端部とを例えばリフロー等により図4(b)に示すよう
に接合する。
【0059】なお、上記のように、素子成形型20の熱
電素子1の端部と、上記電極形成基板3(4)の電極2
とを接合する前に、上記熱電素子1の端部に導体金属
(例えばニッケル)をメッキ形成し、その後に、上記の
ように熱電素子1と電極2を接合してもよい。
【0060】上記のように、素子成形型20の熱電素子
1の一端部と電極形成基板3(4)の電極2との接合が
終了した後には、図5(a)に示すように、上記熱電素
子1を素子成形型20から型抜きして、図5(b)の斜
視図に示されるような熱電素子配列体32(つまり、電
極形成基板3(4)の上面に、p型とn型の熱電素子1
が交互に配列立設されているもの)を得る。
【0061】なお、上記型抜きを行う際に、その型抜き
を容易にするために次に示すような手段を講じてもよ
い。すなわち、素子成形型20の貫通孔22の孔径を、
例えば図5(a)に示されるように、表裏の一方側から
他方側に向かうに従って狭く形成して、該貫通孔22の
内壁面を傾斜面に形成する。そうすると、その貫通孔2
2の内部には、一端部側から他端部側に向かうに従って
径が大きくなる(又は小さくなる)形状(円錐形状)の
熱電素子1が形成される。その後、そのような熱電素子
1に対して上記素子成形型20が上記熱電素子1の径の
大きい側から小さい側に向かう方向に移動するように上
記熱電素子1と素子成形型20を相対的に移動させて型
抜きを行う。このようにすることによって、熱電素子1
の型抜きをよりスムーズに行うことができる。このよう
な場合には、上記素子成形型20の熱電素子1に電極形
成基板3(4)の電極2を接合する際に、上記径が大き
い側の熱電素子1端部に上記電極2を接合する。
【0062】上記のように、熱電素子1の側面に傾斜を
付ける際には、その傾斜の角度は、上記型抜きをスムー
ズに行うことができ、しかも、熱電素子1の特性劣化を
防止することができる適宜な非常に微小な角度(例えば
2〜5度程度)を付けることが望ましい。
【0063】また、この実施形態例では、上記型抜きを
行い易くするために、半田が付着し難い例えばカーボン
等によって、上記素子成形型20を構成している。これ
により、素子成形型20と電極形成基板3(4)が半田
により接合してしまって素子成形型20を取り外すこと
ができないという事態発生を防止して、型抜きを容易に
している。
【0064】上記のように熱電素子1の型抜きを行った
後には、図5(c)に示すように、上記熱電素子1が接
合されている電極形成基板3(4)に例えばリード端子
6を接続させてから、上記熱電素子1の他端部側に他方
側の電極形成基板4(3)を配置して、上記同様に、そ
の熱電素子1の他端部と上記電極形成基板4(3)の電
極2とを半田接合する。なお、電極形成基板4には予め
電極2と半田が形成されている。
【0065】以上のようにして、図6に示されるような
熱電モジュールを作製することができる。
【0066】この実施形態例によれば、素子成形型20
のp型とn型のうちの選択された側の熱電素子形成用と
なる貫通孔22に上記選択された側の熱電素子1の形成
材料の融液を充填し冷却固化する工程と、素子成形型2
0の他方側の熱電素子形成用となる貫通孔22に他方側
の熱電素子1の形成材料の融液を充填し冷却固化する工
程とを順次行うだけで、多数のp型とn型の熱電素子1
を一括的に形成することができる。上記素子成形型20
の貫通孔22の大きさおよび形状を上記p型やn型の熱
電素子1の大きさおよび形状に合ったものとすることに
よって、従来のような切断により個々の熱電素子1を切
り出すというような工程を経なくとも、上記のように、
p型とn型の熱電素子1を一括的に形成することができ
る。
【0067】また、通常、切断を行うと、切断部に結晶
の乱れ部分が数十μmに渡って生じるために、前記イン
ゴット切断法により角柱状の熱電素子1を形成する場合
には、その熱電素子1では結晶が全周に渡って劣化して
しまうが、この実施形態例では、切断面が熱電素子1の
端面のみであるために、熱電素子1の側周面の結晶は劣
化しないという利点がある。さらに、素子成形型20の
貫通孔22の内部に成長させる結晶の長さは各熱電素子
1の長さ分で済み、従来例に示したような図15に示さ
れる長棒状の素子を作製する場合に比べて、素子形成工
程の時間を大幅に短縮することができる。
【0068】上記のように、切断工程が不要となること
と、素子形成工程の時間が短縮されることとによって、
熱電素子1の生産性を格段に高めることができる。
【0069】また、この実施形態例では、素子成形型2
0とpn選択手段21と切断分離用部材50の積層体2
5を積層体収容容器24に収容して、図2に示すように
融液29内に挿入したので、上記積層体25の上面に融
液がかぶることが防止され、非選択の貫通孔22に融液
が入り込むことを確実に防止することができる。
【0070】また、この実施形態例では、上記のように
素子成形型20の内部にp型とn型の熱電素子1を交互
に配列形成し、上記素子成形型20から上記各熱電素子
1を取り出す前に、素子成形型20の内部の熱電素子1
の一端部と、電極形成基板3(あるいは電極形成基板
4)の電極2とを接合し、その後に、上記熱電素子1を
素子成形型20から型抜きして、熱電素子1の他端側に
電極形成基板4(あるいは電極形成基板3)の電極2を
接合するだけで、熱電モジュールを作製することができ
る。このように、この実施形態例では、各熱電素子1を
1個ずつ並べるという手間をかけることなく、熱電モジ
ュールを作製することができるので、熱電モジュールの
生産性を飛躍的に向上させることができる。この実施形
態例に示したような熱電モジュールの製造手法を用いる
ことによって、熱電素子1が多い熱電モジュールも、熱
電素子1が少なく熱電モジュールも、ほぼ同様な時間で
作製することができるので、この実施形態例に示した熱
電モジュールの製造手法は、特に、熱電素子1が多い熱
電モジュールに対して有効である。
【0071】さらに、この実施形態例では、上記のよう
に、素子成形型20の内部にp型とn型の熱電素子1を
配列配置した状態に形成するので、熱電素子1を高密度
に配列配置することが容易となり、これに起因して、熱
電モジュールの冷却・加熱の性能を高めることが可能と
なる。このため、通信用レーザダイオード等の温度制御
用として充分に使用することができる熱電モジュールを
提供することができる。
【0072】さらに、熱電素子1を1本ずつ電極形成基
板3(4)に配列配置する従来の手法では、熱電素子1
が傾いてしまうという事態が多発し易かったが、この実
施形態例では、素子成形型20の内部に配列形成された
p型とn型の熱電素子1の一端部に電極形成基板3
(4)を接合した後に、素子成形型20を電極形成基板
3(4)に対して垂直方向に移動させて熱電素子1を型
抜きするので、熱電素子1をほぼ確実に電極形成基板3
(4)に対して垂直方向に立設することができる。
【0073】さらにまた、この実施形態例では、熱電素
子1の端部に電極形成基板3(4)の電極2を半田接合
する前に、熱電素子1の端部にメッキを施す際には、熱
電素子1を素子成形型20から型抜きする前に上記メッ
キ処理を行うので、熱電素子1の側面は素子成形型20
によって覆われている状態でメッキ処理が行われること
となり、従来のような熱電素子1の側面をPVCやアク
リル等のレジスト樹脂でコーティングする必要が無く、
そのコーティングに起因した問題を解消することができ
る。つまり、各熱電素子1に1本ずつ丁寧にコーティン
グを行うという手間と、メッキ後に各熱電素子1から上
記コーティングを確実に除去するという手間とを無くす
ことができる。これにより、より一層の熱電素子1およ
び熱電モジュールの生産性の向上を図ることができる。
【0074】なお、この発明は、上記実施形態例に限定
されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例
えば、上記実施形態例では、pn選択手段として、前述
したような板状部材のpn選択手段21を用いたが、図
7(a)、(b)に示されるようなメッシュ34をpn
選択手段21として採用してもよい。例えば、メッシュ
34は、素子成形型20の貫通孔22の孔径の1/2〜
2/3程度の線径のプラチナ等の非腐食性、高温耐性の
材料を金属網と成す。この場合、p、n選択は網目の移
動によって実行できる。熱電素子1の融液材料は粘度が
高く、図7(b)に示すようにメッシュ34が配置され
た場合、網目の交差部40に位置する貫通孔22には融
液が入り込まないので、この交差部40は融液導入阻止
部として機能する。したがって、融液はメッシュ34の
網目孔41に対向する(対面する)位置の貫通孔22に
選択的に入り込む。このことから、図7(b)の状態
は、メッシュ34によって、n型の貫通孔22が選択さ
れた状態にある。
【0075】例えば、A方向をメッシュ34の移動方向
とし、素子成形型20の貫通孔22のA方向の配列ピッ
チをsとし、網目の交差部40のA方向の配列ピッチを
2sとしたとき、図7(b)の状態からメッシュ34を
A方向にsだけ移動することにより、素子成形型20の
p型の孔が選択されることとなり、メッシュ34の網位
置を所定量移動することでp型の孔とn型の孔を択一的
に切り換え選択でき、p型とn型の孔選択が容易に実行
できるため、好ましい。
【0076】また、上記実施形態例では、pn選択手段
21として、p型選択用の板状部材と、n型選択用の板
状部材とを用意したが、例えば、板状部材にp型選択用
の孔とn型選択用の孔を共に形成し、当該板状部材を前
記メッシュ34と同様にスライド移動することによって
p型の孔とn型の孔を択一的に切り換える構成のものを
pn選択手段21として採用してもよい。
【0077】さらに、上記実施形態例では、素子成形型
20とpn選択手段21と切断分離用部材50の積層体
25は積層体収容容器24に収容された状態で、融液2
9に挿入されたが、図8(a)〜(c)に示されるよう
に、上記積層体25を直接的に固定手段46に固定し
て、上記積層体25をそのまま融液内に浸漬してもよ
い。このように、積層体25をそのまま融液内に浸漬し
ても、上記積層体25の素子成形型20の非選択の貫通
孔22は一端側がpn選択手段21によって閉鎖されて
いるので、その非選択の貫通孔22の内部に融液が入り
込むことは殆ど無い。ただ、非選択の貫通孔22への融
液の浸入を確実に防止するために、上記実施形態例で
は、上記積層体25を積層体収容容器24に収容して融
液に挿入している。
【0078】さらに、上記実施形態例では、積層体25
の最上層と最下層のうちの一方側のみにpn選択手段2
1が配置されていたが、例えば、図9(a)〜(c)に
示されるように、積層体25の最上層と最下層の両方側
にpn選択手段21を配置してもよい。この場合には、
素子成形型20の非選択の貫通孔22は両端がpn選択
手段21により閉鎖されているので、融液29が浸入す
る心配が無いことから、図9(b)に示されるように、
上記積層体25を完全に融液29内に浸漬する。これに
より、積層体25の上下両側のpn選択手段21の選択
孔23を通して素子成形型20の貫通孔22内に融液2
9を導入することとなり、貫通孔22内に融液29を充
填し易くすることができる。また、上記積層体25を積
層体収容容器24に収容した場合にも、上記同様に、積
層体25の上下両側のpn選択手段21の選択孔23を
通して素子成形型20の選択された貫通孔22に融液2
9を導入する構成としてもよい。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、p型、n型の熱電素子
を個別に切断、配列することが無く、したがって、素子
配列の誤りや、素子配列等の取り扱い時に素子が脆性破
損する等の問題を除去でき、又、熱電素子の大きさが広
いものも素子数の多いものもほぼ同一の時間で製造でき
る等、生産性が高い。
【0080】また、熱電素子の径の小さなものの高密度
配列が可能であり、熱電モジュールに使用した場合に、
均一な冷却・加熱効果が得られるため、通信用レーザダ
イオード等の温度制御用のモジュールとして有効であ
る。
【0081】素子成形型とpn選択手段の積層体の積層
高さよりも高い側壁を有する積層体収容容器を利用した
ものにあっては、素子成形型の非選択の貫通孔に融液が
入り込むことを確実に防止することができる。
【0082】pn選択手段が板状に形成されているもの
や、メッシュ状に形成されているものにあっては、簡単
な形状のpn選択手段により、上記のような優れた効果
を得ることができる。
【0083】素子成形型の貫通孔の内壁面が傾斜面と成
しているものにあっては、その貫通孔の内部に形成され
た熱電素子を素子成形型から型抜きする際に、より一層
スムーズに型抜きを行うことができる。
【0084】さらに、熱電素子端面のメッキ等の端部処
理が簡易であり、かつ、そのメッキ処理時に熱電素子の
端部間周面へのコーティング処理が不要となり、また、
メッキ後にそのコーティングを取り除く作業も不要とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱電素子の製造方法および熱電モ
ジュールの製造方法の一実施形態例を示す説明図であ
る。
【図2】図1に引き続き、熱電素子の製造方法および熱
電モジュールの製造方法の実施形態例を示す説明図であ
る。
【図3】さらに、引き続き、熱電素子の製造方法および
熱電モジュールの製造方法の実施形態例を示す説明図で
ある。
【図4】さらに、引き続き、熱電素子の製造方法および
熱電モジュールの製造方法の実施形態例を示す説明図で
ある。
【図5】さらに、引き続き、熱電素子の製造方法および
熱電モジュールの製造方法の実施形態例を示す説明図で
ある。
【図6】上記実施形態例により作製された熱電モジュー
ルの一例を示す斜視図である。
【図7】pn選択手段のその他の形態例を模式的に示す
説明図である。
【図8】その他の実施形態例を示す説明図である。
【図9】さらに、その他の実施形態例を示す説明図であ
る。
【図10】スペーサを用いた熱電モジュールの一例を示
す説明図である。
【図11】熱電素子の端面にメッキを施す従来例を示す
説明図である。
【図12】一般的な熱電モジュールの組み立て状況の説
明図である。
【図13】型内成長法による熱電素子の製作を説明する
ための図である。
【図14】型内成長法による熱電素子の結晶成長工程の
説明図である。
【図15】成長した熱電素子の材料を切断して所定長さ
の熱電素子を形成する工程を説明するための図である。
【図16】インゴット切断法による熱電素子の作製手法
を説明するための図である。
【図17】熱電モジュールの直接組み立て法を説明する
ための図である。
【図18】熱電モジュールのスペーサ組み立て法を説明
するための図である。
【符号の説明】
1 熱電素子 2 電極 3,4 電極形成基板 20 素子成形型 21 pn選択手段 22 貫通孔 23 選択孔 24 積層体収容容器 25 積層体 26 側壁 27 融液導入用穴部 34 メッシュ 50 切断分離用部材

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の貫通孔が形成されている素子成形
    型を複数用意し、まず、上記素子成形型と切断分離用部
    材を交互に積層配置し、次に、上記各素子成形型の複数
    の貫通孔の中から、p型の熱電素子とn型の熱電素子の
    うちの選択された一方側の熱電素子形成用に指定された
    貫通孔の内部に上記選択された熱電素子の形成材料の融
    液を充填して冷却固化し、次に、上記素子成形型の残り
    の貫通孔の内部に他方側の熱電素子の形成材料の融液を
    充填して冷却固化して、上記p型の熱電素子とn型の熱
    電素子を共通の素子成形型の内部に形成し、然る後に、
    上記切断分離用部材を切断して各素子成形型毎に分離す
    ることを特徴とした熱電素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 p型とn型を択一的に選択する選択孔が
    形成されているpn選択手段を用意し、各素子成形型の
    複数の貫通孔に熱電素子の形成材料の融液を充填する際
    には、まず、上記pn選択手段の選択孔を上記素子成形
    型のp型とn型のうちの選択された一方側の熱電素子形
    成用となる貫通孔に合わせて、上記素子成形型と切断分
    離用部材の積層体と、上記pn選択手段とを着脱自在に
    積層一体化し、次に、この積層体を上記pn選択手段を
    下向きにして上記選択された一方側の熱電素子の形成材
    料の融液に浸漬して、上記pn選択手段の選択孔から該
    選択孔に通じる上記各素子成形型の貫通孔に上記融液を
    充填して冷却固化し、然る後に、上記同様に、pn選択
    手段の選択孔を上記素子成形型の他方側の熱電素子形成
    用となる貫通孔に合わせて上記素子成形型の残りの貫通
    孔に他方側の熱電素子の形成材料の融液を充填して冷却
    固化して、各素子成形型の内部にp型とn型の熱電素子
    を形成することを特徴とした請求項1記載の熱電素子の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 素子成形型と切断分離用部材とpn選択
    手段との積層体の積層高さよりも高い側壁を有する積層
    体収容容器を用意し、各素子成形型の内部にp型あるい
    はn型の熱電素子の形成材料の融液を充填する際には、
    上記素子成形型と切断分離用部材とpn選択手段を着脱
    自在に積層一体化した後に、まず、その積層体を上記p
    n選択手段を下向きにして上記積層体収容容器の内部に
    入れ、上記pn選択手段の選択孔形成領域を、上記積層
    体収容容器の底部に形成された融液導入用穴部の上側に
    合わせ、上記積層体を上記積層体収容容器の内部に上記
    融液導入用穴部を塞ぐ形態でもって着脱自在に固定し、
    次に、その積層体収容容器を熱電素子の形成材料の融液
    に挿入し、上記積層体収容容器の側壁上端部を上記融液
    の液面よりも高く位置させた状態で、上記積層体収容容
    器の底部の融液導入用穴部を通して上記各素子成形型の
    選択された貫通孔に熱電素子の形成材料の融液を充填す
    ることを特徴とした請求項2記載の熱電素子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 p型とn型を択一的に選択する選択孔が
    形成されているpn選択手段を用意し、各素子成形型の
    複数の貫通孔に熱電素子の形成材料の融液を充填する際
    には、まず、上記pn選択手段の選択孔を上記素子成形
    型のp型とn型のうちの選択された一方側の熱電素子形
    成用となる貫通孔に合わせて、素子成形型と切断分離用
    部材の積層体の上下両側に、上記pn選択手段を着脱自
    在に設けて一体化し、次に、この積層体を上記選択され
    た一方側の熱電素子の形成材料の融液に浸漬して、上記
    積層体の上下両側のpn選択手段の選択孔から該選択孔
    に通じる上記各素子成形型の貫通孔に上記融液を充填し
    て冷却固化し、然る後に、上記同様に、pn選択手段の
    選択孔を上記素子成形型の他方側の熱電素子形成用とな
    る貫通孔に合わせて上記素子成形型の残りの貫通孔に他
    方側の熱電素子の形成材料の融液を充填して冷却固化し
    て、各素子成形型の内部にp型とn型の熱電素子を形成
    することを特徴とした請求項1記載の熱電素子の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 素子成形型と切断分離用部材とpn選択
    手段との積層体の積層高さよりも高い側壁を有する積層
    体収容容器を用意し、各素子成形型の内部にp型あるい
    はn型の熱電素子の形成材料の融液を充填する際には、
    上記素子成形型と切断分離用部材とpn選択手段を着脱
    自在に積層一体化した後に、まず、その積層体を上記積
    層体収容容器の内部に入れ、上記pn選択手段の選択孔
    形成領域を、上記積層体収容容器の底部に形成された融
    液導入用穴部の上側に合わせ、上記積層体を上記積層体
    収容容器の内部に上記融液導入用穴部を塞ぐ形態でもっ
    て着脱自在に固定し、次に、その積層体収容容器を熱電
    素子の形成材料の融液に挿入し、上記積層体収容容器の
    底部の融液導入用穴部を通して上記各素子成形型の選択
    された貫通孔に熱電素子の形成材料の融液を導入すると
    共に、上記積層体の上部側のpn選択手段の選択孔を通
    して上記各素子成形型の選択された貫通孔に熱電素子の
    形成材料の融液を導入して当該選択の貫通孔に熱電素子
    の形成材料を充填することを特徴とした請求項4記載の
    熱電素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 pn選択手段は板状に形成されているこ
    とを特徴とした請求項2又は請求項3又は請求項4又は
    請求項5記載の熱電素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 pn選択手段はメッシュ状に形成され、
    メッシュの網目孔が素子成形型の選択された貫通孔に融
    液を導入する選択孔と成し、メッシュの網目の交差部が
    素子成形型の非選択孔への融液の導入を阻止する融液導
    入阻止部と成していることを特徴とした請求項2又は請
    求項3又は請求項4又は請求項5記載の熱電素子の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 素子成形型の貫通孔は表裏の一方側から
    他方側に向かうに従って孔径が狭くなっており、貫通孔
    の内壁面は傾斜面と成し、その素子成形型の貫通孔の内
    部にp型とn型の熱電素子を形成した後に熱電素子を上
    記素子成形型から型抜きする際には、上記熱電素子に対
    して上記素子成形型が上記貫通孔の径の大きい側から小
    さい側に向かう方向に移動するように熱電素子と素子成
    形型を相対的に移動させて型抜きを行うことを特徴とし
    た請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の熱電素子
    の製造方法。
  9. 【請求項9】 素子成形型の内部にp型とn型の熱電素
    子を配列形成した後に、素子成形型の表裏両面側に露出
    している上記熱電素子の両端面に導体金属をメッキ形成
    し、その後に、熱電素子を素子形成型から型抜きするこ
    とを特徴とした請求項1乃至請求項8の何れか1つに記
    載の熱電素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 一対の電極形成基板間にp型の熱電素
    子とn型の熱電素子が交互に配列配置されており、上記
    各熱電素子の端部が上記各電極形成基板に形成されてい
    る電極に接合して上記p型とn型の熱電素子は上記電極
    を介して交互に直列に接続されている熱電モジュールの
    製造方法において、複数の貫通孔が上記p型とn型の熱
    電素子の配列に対応させて配列形成されている素子成形
    型を用意し、請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載
    の熱電素子の製造方法を用いて上記素子成形型の内部に
    上記p型とn型の熱電素子を交互に配列形成し、然る後
    に、上記熱電素子の端部が露出している上記素子成形型
    の表面側と裏面側のうちの一方側に上記一対の電極形成
    基板のうちの対応する一方側を配置して当該電極形成基
    板の電極と上記熱電素子の一端部とを接合し、次に、上
    記電極形成基板に接合された熱電素子を上記素子成形型
    から型抜きし、その後に、その熱電素子の他端部と上記
    他方側の電極形成基板の電極とを接合することを特徴と
    した熱電モジュールの製造方法。
  11. 【請求項11】 素子成形型の貫通孔は表裏の一方側か
    ら他方側に向かうに従って孔径が狭くなっており、貫通
    孔の内壁面は傾斜面と成し、その素子成形型の貫通孔の
    内部にp型とn型の熱電素子を配列形成した後には、そ
    の素子成形型の内部に埋設されている上記径が大きい側
    の熱電素子端部に電極形成基板の電極を接合し、その後
    に、上記熱電素子に対して上記素子成形型が上記貫通孔
    の径の大きい側から小さい側に向かう方向に移動するよ
    うに熱電素子と素子成形型を相対的に移動させて型抜き
    を行うことを特徴とした請求項10記載の熱電モジュー
    ルの製造方法。
  12. 【請求項12】 素子成形型の内部にp型とn型の熱電
    素子を配列形成した後に、素子成形型の表裏両面側に露
    出している上記熱電素子の両端面に導体金属をメッキ形
    成し、その後に、熱電素子と電極形成基板の電極との接
    合を行うことを特徴とした請求項10又は請求項11記
    載の熱電モジュールの製造方法。
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