JP2002237467A - イオン打込み装置及びこれを用いた半導体製造方法 - Google Patents

イオン打込み装置及びこれを用いた半導体製造方法

Info

Publication number
JP2002237467A
JP2002237467A JP2001338852A JP2001338852A JP2002237467A JP 2002237467 A JP2002237467 A JP 2002237467A JP 2001338852 A JP2001338852 A JP 2001338852A JP 2001338852 A JP2001338852 A JP 2001338852A JP 2002237467 A JP2002237467 A JP 2002237467A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon wafer
wafer
ion implantation
ion
ion beam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001338852A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsumi Tokikuchi
克己 登木口
Takayoshi Seki
関  孝義
Kensuke Amamiya
健介 雨宮
Yasuo Yamashita
泰郎 山下
Kazuo Mera
和夫 米良
Isao Hashimoto
橋本  勲
Keiji Arimatsu
啓治 有松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2001338852A priority Critical patent/JP2002237467A/ja
Publication of JP2002237467A publication Critical patent/JP2002237467A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】10mAから100mA領域のイオン打込み装
置を使い300℃を越える温度でシリコンウエハにイオ
ン打込みを行うときに発生していたウエハ裏面放電痕の
ないイオン打込み装置を提供する。 【解決手段】酸素イオンビームが照射されるウエハ面側
に有ってイオンビームライン外に電子源を設置し、イオ
ンビーム電流値と同量、それ以下の電子ビームを照射
し、電子エネルギーが50eV以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイオン打込み装置及
びこれを用いた半導体製造方法に係り、特に表面が絶縁
物で覆われる割合の少ないシリコンウエハを高温に保ち
ながらイオン打込みする大電流のイオン打込みに好適な
イオン打込み装置及びこれを用いた半導体製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の大電流イオン打込み装置における
イオン打込み室の構造を図3(A),(B)に示す。該
図で(A)は正面図、(B)はビーム側から見たイオン
打込み室の構造であり、イオン打込み装置を構成する他
の代表的構成部品(例えば、イオン源,質量分離器,レ
ンズ,スリット,偏向器等)は省略した。
【0003】該図に示すごとく、イオン打込みされるシ
リコンウエハ2の表面は、一般にSiO2 やレジスト等
の絶縁膜でパターニングされ、地肌のシリコン露出部は
少ない。
【0004】シリコンウエハ2は、回転円板(通常は直
径1m前後)1の表面に複数枚装着されている。イオン
ビーム4は静止している。均一打込みは、回転円板1を
図3(B)の両矢印で示したように半径方向に機械的に
往復運動させて行われる。
【0005】従来技術においては、シリコンウエハ2は
絶縁膜がかなりの面積を占めるため、イオンビーム4の
照射により絶縁膜の帯電が発生してしまう。絶縁膜の帯
電によりイオンビーム4が拡がり、イオン打込み中にビ
ーム電流密度が変わり均一打込みができなくなる。更
に、絶縁膜が絶縁破壊してシリコンウエハ2に作られた
素子自身が破壊されてしまう。
【0006】この様な問題を解決するため、イオンビー
ム4と共に電子を供給することが従来よりなされてき
た。従来技術における電子供給法としては、図3(A)
に示すような、イオンビーム4の途中のウエハ近傍に電
子ビーム発生装置を置くものがある。電子ビーム発生装
置は、一般に熱フィラメント6と、熱フィラメント6か
らの電子を引出す電極で構成され、まず電子ビーム7を
発生させる。この電子ビーム7を2次電子放出板5に当
てると2次電子放出板5からは多量の2次電子が発生
し、この2次電子がシリコンウエハ2に供給されるよう
にしている。電子ビーム7を直接シリコンウエハ2に照
射しない理由は、一般に熱フィラメント6では、その加
熱に伴い多量の不純物元素が熱フィラメント6から放出
されるため、高集積デバイスの作製では、微量不純物の
ウエハへの汚染が許されないからである。
【0007】次に、図3において、通常100eV以上
のエネルギーを持つ電子ビーム7は、イオンビーム4に
効率良く取り込まれないことが知られている。効率良く
取り込まれるためには数10eV以下にする必要があ
る。
【0008】このような理由から、電子発生装置として
は複雑な構造と電源設備等が必要になるにもかかわら
ず、従来技術では2次電子を大量に発生させて、これを
シリコンウエハ2に照射する技術が採られてきた。
【0009】従来技術で特徴的なことは、シリコンウエ
ハ2を覆う絶縁膜を通して、シリコンウエハ2内にイオ
ンビーム4を打込む点にあり、その帯電防止にはイオン
ビーム照射が行われるシリコンウエハ2の面に電子を注
ぐ必要があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年半導体イ
オン打込みの産業利用では、半導体表面に絶縁膜はない
ものの、シリコンと化合して絶縁物を構成する元素のイ
オンを打込み、基板内部に絶縁膜が形成されたシリコン
基板を作製するイオン打込み利用が高まってきた。
【0011】使われるイオンとしては酸素,窒素イオン
等がある。これらのイオン打込みでは、半導体ウエハは
数100℃から1000℃近くまで高温に保ってイオン
打込みが行われる。このイオン打込みでは表面に絶縁膜
がないため、図3に示した熱フィラメント6や2次電子
放出板5を含む電子発生装置は不要であった。
【0012】しかし、最近のように、イオンビーム電流
が数10mAを越える打込みが可能になってくると、シ
リコンウエハ2と回転円板1の接触面のシリコンウエハ
2の裏面に放電傷が発生することがある。また、放電に
より発生した飛散物がシリコンウエハ表面に付着するこ
とも観察される。
【0013】この放電傷の発生は、以下の理由によると
考えられる。
【0014】パターニングのないシリコンウエハは、そ
の全面がデバイス利用される可能性があるため、打込み
シリコンウエハを円板に装着するにあたり、シリコンウ
エハ周辺の一部を別の部品で押えて固定する方法は採用
できない。固定部品の場所に打込まれない影ができるか
らである。このため図2に示す従来のイオン打込み装置
では、シリコンウエハ裏面から静電チャックで吸い付け
て固定する方法や、シリコンウエハを傾け回転による遠
心力で、シリコンウエハを円板に機械的に接触固定させ
る方法が採られている。
【0015】パターニングが施されたシリコンウエハで
は、一般にシリコンウエハ周辺の1mm以内にはパターン
形成されない部分もあるので、これらの部分を使ってシ
リコンウエハを機械的に固定する方法も採られている。
特に、打込み時のシリコンウエハ温度は50℃以下にな
るように、打込み室各部品はシリコンウエハも含め全て
冷却が施されている。打込み電流は高々20mA以下で
あった。
【0016】しかし、上述した最近の高温中での大電流
イオン打込みでは、一般の静電チャックは使えない。こ
れは静電チャックの接着力が300℃を越える高温で劣
化するためである。勿論、静電チャックの材質等の今後
の開発改良により静電チャックが600℃程度まで高温
利用できることは考えられる。しかし、現状技術では高
温利用はできない。このため大電流イオン打込み装置で
は、遠心力による固定方法が採用されてきた。
【0017】シリコンウエハ周辺部を機械的に押えて固
定する方法が使えない裸のシリコンウエハでは、シリコ
ンウエハを傾けて回転円板の遠心力で固定した場合、シ
リコンウエハと円板の電気的接触は十分にとれなくな
る。すると打込まれたシリコンウエハ全体が帯電しやす
くなり、シリコンウエハと円板との間で微小な真空放電
が起きる。この放電によりシリコンウエハ裏面に放電痕
や異物の飛散が発生する。特に、シリコンウエハは加熱
装置による昇温と大電流ビーム照射による加熱を周期的
に受けるため、ウエハ熱変形も周期的に発生し、円板と
の間に隙間が発生しやすい。このため放電が誘発されや
すいと考えられる。
【0018】このような放電が発生すると、異物汚染が
起きその後のデバイス作製に種々の不具合が生ずる。放
電による異物は打込み室全体に飛散するので恒久的な汚
染を引き起こす源となる。従って、高温打込みでは、イ
オン照射に伴うウエハ裏面放電損傷を防ぐ工夫が必要で
あった。
【0019】本発明は上述の点に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、シリコンウエハの裏面に放電
傷のない、特に、大電流イオン打込みでも放電傷のない
イオン打込みが実現できるイオン打込み装置及びこれを
用いた半導体製造方法を提供するにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するに
は、シリコンウエハの熱変形発生は機能上避けられない
から、シリコンウエハ全体が帯電することを防止した
り、仮に隙間ができても放電を起こさないようにすれば
良い。
【0021】そこで、本発明では、表面に複数のシリコ
ンウエハが載置された円板を真空中で回転させると共
に、該円板全体を、該円板の半径方向に往復運動させ、
かつ、この円板上のシリコンウエハを加熱装置を用いて
加熱しながらシリコンウエハに照射するイオンビームを
酸素イオンビームとし、この酸素イオンビームが照射さ
れるウエハ面側にあって酸素イオンビームライン以外の
場所に電子源を設置し、該電子源から酸素イオンビーム
電流値と同量、若しくはそれ以下の値の電子ビームを照
射し、かつ、電子エネルギーが50eV以上であるイオ
ン打込み装置、及びこのイオン打込み装置により打込み
処理を施したウエハを熱処理して得られる埋込み絶縁層
付シリコンウエハを使い、絶縁層の上に形成されるシリ
コン層にCMOSデバイスを作る半導体製造方法とした
ことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図示した実施例に基づいて
本発明を説明する。尚、符号は従来と同一のものは同符
号を使用し、その詳細説明は省略する。
【0023】図4は、本発明のイオン打込み装置の参考
例を示すもので、図中の回転円板1は断面して示した。
本参考例では、シリコンウエハ2′の裏面部分に相当す
る回転円板1部分は開口しており、電子ビーム発生装置
8(図3の従来例と同じようにフィラメント,引出し電
極等を含む)で発生した電子ビーム7′がシリコンウエ
ハ2′の裏面に効率良く照射される。この場合、電子エ
ネルギーは十分な電子電流値が取れる値(代表的には5
0Vから10kVの範囲)であれば良い。シリコンウエ
ハ2′はシリコン酸化膜が表面に無い(裸のシリコンウ
エハ)か、若しくは酸化膜面積の割合の少ないシリコン
ウエハである。
【0024】図4の参考例では、放電傷発生防止を効果
的に行うため、電子ビーム発生装置8からの電子電流値
を制御している。即ち、図には示されていないが、後段
加速電源電流(シリコンウエハへのイオンビーム照射電
流に比例)の変化に応じて制御器10を働かせ、その出
力信号を使って電子ビーム発生装置電源9を制御してい
る。具体的には回転円板1に流入する全電流がゼロにな
るように調整している。
【0025】電子電流の値としてはイオンビーム電流値
以下でも放電傷の発生頻度が減る現象が観測された。こ
の時は電子電流の絶対値はイオンビーム電流値より小さ
い。
【0026】本参考例では、イオンビームは40keV
から200keVの窒素または酸素等のシリコン元素と
化合して絶縁物を形成するイオンビームを用いている。
イオンビーム電流は10mAから100mAの領域で行
った。また、シリコンウエハ温度を高めるには、専用の
加熱装置(図中には図示されていない)によりシリコン
ウエハを加熱して500℃から650℃の範囲で打込み
を行えばよい。
【0027】本参考例によれば、電子電流の増加と共に
シリコンウエハ2′の裏面の小さな放電傷の数が減るこ
とが確認された。特に、イオンビーム電流と電子電流が
ほぼ同じ場合、イオンビーム電流値の広い範囲にわたっ
て放電傷あるいは放電付着物の発生が見られなかった。
【0028】図5は本発明の別の参考例を示す図であ
る。本参考例でも制御器10は取り付けられているが、
図では省略した。図5では電子ビーム発生装置8は、円
板回転モータ14を囲むハウジング13に固定具12を
介して固定されている。ハウジング13は回転しない
が、均一注入のための円板半径方向の往復運動(図5で
は矢印の上下方向)に連動して移動する。従って、電子
ビーム発生装置8とシリコンウエハ2′の相対的位置は
常に一定である。
【0029】図5の参考例において留意すべきことは、
往復運動に伴い電子電流の値を制御することである。図
4の参考例の場合、イオン及び電子の電流値は時間的に
一定であれば、ウエハ自身に流入するイオンビーム電流
と電子ビーム電流は往復運動に伴い同じ様に増減する。
制御器10には抵抗器11の両端信号を使って制御して
いる。
【0030】図6には図4の参考例におけるイオン及び
電子ビームのウエハ流入電流の変化を示した。正,負の
それぞれの波形は往復運動の位置移動に伴うイオン,電
子ビームのそれぞれの流入電流波形である。一方、図5
の参考例ではシリコンウエハに流入するイオンビーム電
流は往復運動に伴い、図6の15,15′のように変化
するものの、電子ビーム電流を一定値に保つと電子電流
値がイオンビーム電流値を上回り、電荷バランスが崩れ
る。この場合、今度は電子電流によりウエハ裏面に放電
傷が発生した。従って、図5の参考例では円板に流入す
る全電流値信号を基にして電子ビーム電流を制御するこ
とが不可欠であった。
【0031】図7はシリコンウエハ裏面に照射させる電
子として従来法の2次電子を利用した参考例である。こ
の場合、シリコンウエハ裏面は素子が作られない面であ
るので、図3の従来例に比べ熱フィラメント6による不
純物元素汚染は厳しくない。しかし、よりシリコンウエ
ハ裏面にも不純物汚染のない打込みを実現する観点から
は、2次電子ビームの活用は有効である。
【0032】該図では、2次電子放出板5と回転円板1
の間に電圧をかけ2次電子が有効にシリコンウエハ2′
に照射されるようにした。なお、従来例の図3では電子
線照射によるレジスト等の劣化防止や2次電子を供給す
るにあたってのイオンビーム形状の変化を最小にするた
め回転円板1に加える電圧は数10Vであった。これに
対し、図7ではイオンビームラインと電子ビームライン
は切り離されており、絶縁膜の表面塗布もないので電子
エネルギーは電源16を使い50V以上とした。
【0033】本参考例では放電傷が減ると共に電子ビー
ム照射に伴う不純物汚染量も図4の参考例に比べ10分
の1から100分の1以下に激減した。即ち、高集積CM
OSデバイスを作るのに必要な汚染量レベルである単位面
積当り10の10乗個(1010ヶ/cm2)以下になった。図
7の参考例では1次電子ビーム発生にタングステンの熱
フィラメント6が使われているが、これを6硼化ランタ
ン(LaB6)の電子源に変えることにより、汚染量は更
に減った。なお、図7に示した電子ビーム発生装置を、
図5の電子ビーム発生装置8として使用して良いことは
明らかである。
【0034】図8は本発明の更に別の参考例を説明する
図である。該図では電子ビーム発生装置として熱フィラ
メントの代わりにプラズマ20から電子ビーム7を引出
す装置を用いた。プラズマ源としては、コイル30で発
生した磁場中のマイクロ波放電で作られるマイクロ波プ
ラズマを使った。マイクロ波の周波数は2.45GHzで
ある。プラズマ室18にはマイクロ波導入窓(絶縁物)
17を通してマイクロ波が導入される。プラズマ室18
には放電ガスが導入される。放電ガスとしては酸素イオ
ンビームの打込みでは同じ酸素ガスを使い、窒素イオン
ビーム打込みでは窒素ガスを用いた。またボロン,燐,
砒素等の周期律表における3属、若しくは5属元素のイ
オンビームの場合は不活性ガスのアルゴン,ヘリウム,
ネオン,クリプトンガス等を用いた。マイクロ波放電プ
ラズマは低いガス圧力(0.1Pa以下)の下で安定に放
電が発生でき、十分な電子電流を得るに十分な高密度プ
ラズマを発生できる。また不純物元素の混入のないクリ
ーンなプラズマ20が生成できるので、半導体イオン打
込みに適う電子ビーム発生装置として提供できる。電子
ビーム電流の制御は電源16の電圧を変えて行った。
【0035】図9は本発明の更に別の参考例を説明する
図である。該図ではマイクロ波プラズマ20をシリコン
ウエハ2′の裏面に接触させ、かつ、プラズマとシリコ
ンウエハ2′の間に電源16の電圧を印加している。プ
ラズマの接触だけでも放電傷の減少が見られた。ガス種
の選び方は図8の参考例の場合と同じである。
【0036】次に、現状技術で利用できる最高温度が約
300℃程度と言われる静電チャックでシリコンウエハ
を保持した打込みでの有効性を調べた。
【0037】図10はその参考例である。該図で静電チ
ャック21はシリコンウエハ2′の裏面の一部と接触し
てシリコンウエハ2′を固定している。この状態でウエ
ハ加熱装置(図中には示されていない加熱装置を使っ
た)を調整し、シリコンウエハ2′の温度を変えた。3
00℃以下のウエハ温度の場合、静電チャック21の密
着力が強いためシリコンウエハ2′の裏面はしっかりと
回転円板1に電気的に接触し、電子ビーム7やプラズマ
を照射しなくても、シリコンウエハ2′の裏面には放電
傷は発生しなかった。この時、酸素イオンのエネルギー
は180keV,電流値は30から100mAの範囲で
実施した。
【0038】温度が300℃を越えるに伴い、温度に比
例して放電傷が発生した。しかし、電子ビーム7の照射
を加えることによりその放電傷は減少した。また、必要
な電子電流値も図4より小さいことが分かった。これ
は、静電チャック21の密着力が温度上昇と共に大きく
落ちるものの多少の密着力は残っているため、シリコン
ウエハ2′と静電チャック21との隙間は比較的小さい
ためと考えられる。今後、技術の進展により静電チャッ
ク21の使用可能温度が上がった場合でも、図10の参
考例の効果が維持されることは明らかである。
【0039】以上の参考例によりイオン打込み装置の効
果と作用が明らかとなったので、同一技術を打込み室構
造がやや異なる実用イオン打込み室にも適用した。その
参考例を図11に示す。
【0040】該図では、電子ビーム発生装置8が斜めの
位置に置かれている。これは本参考例では、回転円板1
の後方にイオンビーム電流を測定するファラデーカップ
22が取り付けられていたためである。図11におい
て、回転円板1の周辺の点Aは、半径方向の往復運動に
より位置Bと位置Cの間を往復する。A点が位置Cにあ
る時は、イオンビーム4はファラデーカップ22に流入
する。
【0041】本図の実用装置では、ファラデーカップ電
流を電流積算器23で積算し、所定の量に達すると所定
の打込み量が得られたものとして打込み終了信号が出さ
れ、ビーム照射が停止する。ファラデーカップ22の取
り付け位置はビーム電流を測定する必要上変えられない
ので、電子ビーム発生装置8を斜め置きとしたものであ
る。本図の参考例でも酸素イオンビームの場合、放電傷
のないイオン打込みが得られた。
【0042】図1は本発明の一実施例を説明する図であ
る。本実施例ではシリコンウエハ2′のイオンビーム4
の照射面(表側)に電子ビーム7を照射している。
【0043】この場合、シリコンウエハ2′の表面には
酸化膜等の絶縁物がないので、電子ビームエネルギーは
従来例の図3に比べ高い値(>100V)を選ぶことが
でき、大電流の電子ビーム7が得やすい。また、回転円
板1のウエハ裏面場所を開口する必要もない。電子ビー
ム7を照射しない場合には、裏面放電傷は6インチウエ
ハで100個以上あったものが、電子ビーム7の照射で
ほぼゼロになった。この時、イオンは酸素イオンでビー
ム電流は10から100mAの領域で効果が確認され
た。エネルギーは120から200keVの領域であ
る。また、ウエハ温度は500℃から650℃の範囲で
実施された。電子ビーム7はイオンビーム電流値と同じ
10から100mAのレベルで照射を行った。勿論、図
4に示した様に、回転円板1に流入する全電流がゼロ若
しくはイオンビーム電流より小さくなるように制御器1
0を使った制御を行いながら打込んだ。
【0044】本実施例の場合、ファラデーカップ22に
電子ビームが同時に混入するためイオンビーム電流値の
正確な測定ができず、ウエハ注入量が所定の値より高く
なった。即ち、図1の構成の場合、ファラデーカップ電
流による打込み量の制御は精度が著しく劣化した。この
ため本実施例では打込み量の制御を図2の実施例により
行った。
【0045】図2は本発明による一実施例であるイオン
打込み装置の全体構成を示している。本装置はマイクロ
波イオン源25,質量分離器26,後段加速管27,磁
場レンズ28,磁場偏向器29、及び打込み室3で構成
されている。約50kVの引出し電圧でマイクロ波イオ
ン源25から引出されたイオンビームは、質量分離器2
6で特定のイオン種だけのビームに選別される。その
後、後段加速管電源24により最大200kV程度まで
の電圧が印加された後段加速管27により追加速され所
望のエネルギーに達する。次いで磁場レンズ28や偏向
器29によりビーム形状を制御し、ビームが輸送管内の
壁に当って消失しないようにした。図において、後段加
速管電源24を流れる電流は加速管で加速されるイオン
ビーム電流である。使用した実施例装置では、この後段
加速電源電流値とファラデーカップ電流値とがほぼ同じ
で比例関係があることが見出された。そこで本発明で
は、後加速電源電流を使い、これを積算して所定の値で
打込み操作を終了するようにした。以上の図1,図2の
実施例によっても、ウエハ裏面の放電傷が減ると共にシ
リコンウエハへの正確なイオン打込み量制御が得られる
ようになった。
【0046】次に、上述した各装置を使い、シリコンウ
エハ(6,8及び12インチ直径のもの)に酸素イオン
を単位面積当り10の17乗(1017ヶ/cm2)の桁の打
込み量のイオン打込みを行った。イオンエネルギーは4
0keVから200keVの範囲で、ウエハ温度は50
0℃から650℃の範囲とした。このような打込み条件
のもとで、電子ビームエネルギーは50eVから10k
eVの範囲とした。打込み後のウエハを微量酸素が入っ
た窒素雰囲気中で1400℃で数時間のアニール処理を
施した。熱処理によりいわゆる酸化膜が埋め込まれた良
質のウエハ(SIMOX構造のウエハ)が形成された。
放電傷がないため、裏面の平坦度が良く高集積デバイス
の作製が容易となった。また放電傷による異物の混入や
飛散による汚染がないため、埋込み酸化膜の上に作られ
るシリコン層の質が格段に改善された。シリコン層にC
MOSデバイスを作製したところ、短チャネル効果の抑
制,ラッチアップ防止が図られ、良好な各種CMOS特
性が得られた。
【0047】本例では、回転円板の最上段の位置にイオ
ンビームが照射される例について説明したが、イオンビ
ーム照射位置は別の位置であっても良く、この場合、照
射位置と円板中心を結ぶ半径方向に円板を往復運動させ
れば、本発明が同様に利用できることは明らかである。
【0048】上述した本実施例では、回転円板に複数の
シリコンウエハを装着して均一注入を行う所謂バッチ式
イオン注入に適用した例について述べたが、バッチ式イ
オン注入に限らず大電流イオンビームの注入でウエハ裏
面に放電痕が発生する場合にも本発明が適用できること
は明らかである。
【0049】図12は、このような参考例を説明する図
である。該図に示す例は、シリコンウエハに一枚ずつ所
定の注入量になるまでイオン注入を行う所謂枚葉式イオ
ン注入に適用した例である。
【0050】該図に示す本参考例は、打込み室3内に配
置されているシリコンホルダー31上に一枚のシリコン
ウエハ2″が載置され、更にシリコンホルダー31はウ
エハ駆動板32により、矢印で示す上下方向に移動可能
となっており、このシリコンホルダー31上に載置され
ているシリコンウエハ2″にイオンビーム4′を照射す
るように構成されている。
【0051】そして、本参考例ではシリコンウエハ2″
の裏面部分に、上述した参考例と同様なフィラメント,
引出し電極等からなる電子ビーム発生装置8を設け、こ
の電子ビーム発生装置8で発生した電子ビームを、シリ
コンウエハ2″の裏面部分に相当するシリコンホルダー
31部分に開口された開口部を介してシリコンウエハ
2″の裏面に照射するようにしている。
【0052】本参考例では、酸素イオンビーム(エネル
ギーは180keV,ビーム電流は約70mA)が、紙
面垂直方向に一定幅で掃引されており(ビーム掃引には
磁場によるビーム走査器(図示せず)を用いた)、シリ
コンウエハ2″は図の上下方向に掃引ビーム内をウエハ
駆動板32により機械的に移動されて均一注入され、所
定の注入量は上下の移動回数を制御して達成される。
【0053】移動回数は1回の場合もある。この場合、
シリコンウエハ2″は斜め置きされており、熱接触を悪
くすることによりイオンビームや加熱手段で容易に数1
00℃以上の高温注入が可能となるように工夫されてい
る。
【0054】図12の構成でも電子ビームを照射しない
と、直径6インチ及び8インチのシリコンウエハについ
てウエハ裏面に放電痕の発生が観察された。そこで、図
12に示したように、ウエハ裏面から電子ビームを照射
する本参考例を実施したところ、放電痕の発生が著しく
減少し、特に、電子ビーム電流値をイオンビーム電流値
以上に上げた場合には、放電痕の発生がなくなった。図
12では8インチ直径までのウエハについての例を説明
したが、8インチを越える直径のウエハについても同様
な効果が得られることは明らかである。また、図12に
示した参考例は、一軸がビーム掃引、これに直交する方
向で機械掃引する例であるが、二軸ともにビーム掃引、
若しくは機械掃引により均一注入を行う枚葉式イオン注
入にも適用できることは明らかである。
【0055】なお、図12に示した参考例では、電子ビ
ームを発生する電子ビーム発生装置としてフィラメン
ト,引出し電極等からなる例について説明したが、図8
に示した参考例と同様なマイクロ波放電で作られるマイ
クロ波プラズマを使い、このプラズマから電子ビームを
引出す電子ビーム発生装置を使用しても同様な効果が得
られる。
【0056】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、その表面
に絶縁物が被膜されている面積の少ないシリコンウエハ
を高温にしてイオン打込みするイオン打込み装置が、ウ
エハ裏面に放電傷のないイオン打込みが実現できる。特
に30mAを越える大電流イオン打込みでも放電傷が付
かないので100mA級のイオン打込みが実用に供する
ことができる。更に放電傷のない埋込み酸化膜付きのウ
エハを使って、特性の優れたCMOSデバイスが大量に
作製できるようになり、実用に供しその効果は著しく大
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオン打込み装置の一実施例を示す部
分断面図である。
【図2】図1に示した実施例を実現したイオン打込み装
置を示す全体構成図である。
【図3】従来のイオン打込み装置を示し、(A)は部分
断面図、(B)はシリコンウエハを乗せた回転円板の平
面図である。
【図4】本発明のイオン打込み装置に参考例を示す部分
断面図である。
【図5】本発明のイオン打込み装置の別の参考例を示す
部分断面図である。
【図6】図4に示した本発明の参考例における回転円板
に流入するイオン及び電子ビームの時間変化を示した特
性図である。
【図7】本発明の更に別の参考例を示す部分断面図であ
る。
【図8】本発明の更に別の参考例を示す部分断面図であ
る。
【図9】本発明の更に別の参考例を示す部分断面図であ
る。
【図10】本発明の更に別の参考例を示す部分断面図で
ある。
【図11】本発明の更に別の参考例を示す部分断面図で
ある。
【図12】本発明の参考例を枚葉式イオン注入装置に適
用した例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1…回転円板、2…シリコンウエハ(酸化膜付き)、
2′…酸化膜の少ない若しくは裸のシリコンウエハ、3
…打込み室、4…イオンビーム、5…2次電子放出板、
6…熱フィラメント、7,7′…電子ビーム、8…電子
ビーム発生装置、9…電子ビーム発生装置電源、10…
制御器、11…抵抗器、12…固定具、13…ハウジン
グ、14…円板回転用モータ、15,15′,15″…イ
オンビーム電流波形、15′′′,15′′′′…電子
ビーム電流波形、16…電源、17…マイクロ波導入
窓、18…プラズマ室、19…絶縁管、20…プラズ
マ、21…静電チャック、22…ファラデーカップ、2
3…電流積算器、24…後段加速管電源、25…マイク
ロ波イオン源、26…質量分離器、27…後段加速管、
28…磁場レンズ、29…磁場偏向器、30…コイル、
31…シリコンホルダー、32…ウエハ駆動板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雨宮 健介 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 山下 泰郎 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 米良 和夫 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 橋本 勲 茨城県日立市国分町一丁目1番1号 株式 会社日立製作所国分工場内 (72)発明者 有松 啓治 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 Fターム(参考) 5C034 CC01 CC13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に複数のシリコンウエハが載置された
    円板を真空中で回転させると共に、該円板全体を、該円
    板の半径方向に往復運動させ、かつ、この円板上のシリ
    コンウエハを加熱装置を用いて加熱しながらイオンビー
    ムをシリコンウエハに照射するイオン打込み装置におい
    て、 前記イオンビームは酸素イオンビームであり、該酸素イ
    オンビームが照射されるウエハ面側にあって酸素イオン
    ビームライン以外の場所に電子源を設置し、該電子源か
    ら酸素イオンビーム電流値と同量、若しくはそれ以下の
    値の電子ビームを照射し、かつ、電子エネルギーが50
    eV以上であることを特徴とするイオン打込み装置。
  2. 【請求項2】前記イオン打込み装置が、その酸素イオン
    ビームラインの途中に後段加速管を含み、該後段加速管
    に電圧を印加する後段加速電源の電流を積算することに
    より酸素イオン打込み量の制御を行うことを特徴とする
    請求項1記載のイオン打込み装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のイオン打込み装置
    により打込み処理を施したウエハを熱処理して得られる
    埋込み絶縁層付きシリコンウエハを使い、絶縁層の上に
    形成されるシリコン層にCMOSデバイスを作ることを
    特徴とする半導体製造方法。
JP2001338852A 1996-03-29 2001-11-05 イオン打込み装置及びこれを用いた半導体製造方法 Pending JP2002237467A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001338852A JP2002237467A (ja) 1996-03-29 2001-11-05 イオン打込み装置及びこれを用いた半導体製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7582696 1996-03-29
JP8-75826 1996-03-29
JP2001338852A JP2002237467A (ja) 1996-03-29 2001-11-05 イオン打込み装置及びこれを用いた半導体製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17457296A Division JP3407548B2 (ja) 1996-03-29 1996-07-04 イオン打込み装置及びこれを用いた半導体製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002237467A true JP2002237467A (ja) 2002-08-23

Family

ID=26416987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001338852A Pending JP2002237467A (ja) 1996-03-29 2001-11-05 イオン打込み装置及びこれを用いた半導体製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002237467A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100634541B1 (ko) 2005-04-13 2006-10-13 삼성전자주식회사 다결정 실리콘 제조방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100634541B1 (ko) 2005-04-13 2006-10-13 삼성전자주식회사 다결정 실리콘 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3407548B2 (ja) イオン打込み装置及びこれを用いた半導体製造方法
JP3647506B2 (ja) 半導体基板に絶縁物層を形成する方法
JP2704438B2 (ja) イオン注入装置
US20090084988A1 (en) Single wafer implanter for silicon-on-insulator wafer fabrication
TW200300272A (en) A method for molding a polymer surface that reduces particle generation and surface adhesion forces while maintaining a high heat transfer coefficient
CN1969365B (zh) 电荷中和装置
JPH05106037A (ja) イオン注入装置及びその制御方法
US6348764B1 (en) Indirect hot cathode (IHC) ion source
US6528804B1 (en) Method and apparatus for low energy ion implantation
US7977652B2 (en) Optical heater for cryogenic ion implanter surface regeneration
EP0217616A2 (en) Substrate processing apparatus
US7173260B2 (en) Removing byproducts of physical and chemical reactions in an ion implanter
JPS5826441A (ja) イオン注入装置
JP2002237467A (ja) イオン打込み装置及びこれを用いた半導体製造方法
JP3508424B2 (ja) イオン打込み装置及びこれを用いた半導体製造方法
Yoshikawa et al. High-current Oxygen Ion Implanter for SIMOX
JP3339516B2 (ja) イオン注入方法及びイオン注入装置
MATSUDA et al. Industrial Aspects of Ion-Implantation Equipment and Ion Beam Generation
JPH08106876A (ja) イオン注入装置およびイオン注入方法
JPH04315757A (ja) イオン注入装置
KR0114868Y1 (ko) 이온주입 장비
Tokiguchi et al. Development of an ion implanter for SIMOX wafer volume production
JP2573028Y2 (ja) イオン注入装置用ディスク
Stocker Some considerations on target chamber design
JPH0513041A (ja) イオン注入装置用電子シヤワー装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050607

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050804

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051122