JPH08106876A - イオン注入装置およびイオン注入方法 - Google Patents
イオン注入装置およびイオン注入方法Info
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- JPH08106876A JPH08106876A JP6241406A JP24140694A JPH08106876A JP H08106876 A JPH08106876 A JP H08106876A JP 6241406 A JP6241406 A JP 6241406A JP 24140694 A JP24140694 A JP 24140694A JP H08106876 A JPH08106876 A JP H08106876A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】イオン注入装置により半導体基板表面にイオン
注入を行っている過程で基板表面の絶縁体部分に生じた
電位差によって絶縁体部分が静電的に破壊されないよう
に、基板表面の正帯電・負帯電に拘らず防止する。 【構成】半導体基板にイオンビームを照射するイオン注
入装置において、導電性の試料台13に接続されている制
御電源27と、試料台上に載置された半導体基板15のイオ
ン注入時の基板表面電位をモニターする帯電量検出素子
24と、帯電量検出素子により得られた電位に応じて制御
電源の出力電位を制御することにより試料台の電位を制
御する制御増幅器28とを具備することを特徴とする。
注入を行っている過程で基板表面の絶縁体部分に生じた
電位差によって絶縁体部分が静電的に破壊されないよう
に、基板表面の正帯電・負帯電に拘らず防止する。 【構成】半導体基板にイオンビームを照射するイオン注
入装置において、導電性の試料台13に接続されている制
御電源27と、試料台上に載置された半導体基板15のイオ
ン注入時の基板表面電位をモニターする帯電量検出素子
24と、帯電量検出素子により得られた電位に応じて制御
電源の出力電位を制御することにより試料台の電位を制
御する制御増幅器28とを具備することを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置の製造に際
して使用され、半導体基板にイオンを注入するためのイ
オン注入装置およびイオン注入方法に関する。
して使用され、半導体基板にイオンを注入するためのイ
オン注入装置およびイオン注入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造プロセスで用いられる
イオン注入技術は、シリコンウエハーなどの半導体基板
の表層部に電気素子を形成する過程で、正イオンを高エ
ネルギーに加速して半導体基板に不純物をドーピングす
るものである。
イオン注入技術は、シリコンウエハーなどの半導体基板
の表層部に電気素子を形成する過程で、正イオンを高エ
ネルギーに加速して半導体基板に不純物をドーピングす
るものである。
【0003】しかし、このイオン注入技術は、高エネル
ギーのイオンが半導体基板と衝突する過程で、半導体基
板から電子が叩き出されたり、半導体基板表面に形成さ
れた絶縁体部分に正電荷の蓄積が起こるなど、半導体基
板表面が正に帯電し易く、著しい場合には、前記絶縁体
部分が静電的に破壊することがあり、生産性低下の一因
となっている。
ギーのイオンが半導体基板と衝突する過程で、半導体基
板から電子が叩き出されたり、半導体基板表面に形成さ
れた絶縁体部分に正電荷の蓄積が起こるなど、半導体基
板表面が正に帯電し易く、著しい場合には、前記絶縁体
部分が静電的に破壊することがあり、生産性低下の一因
となっている。
【0004】ここで、イオン注入装置の概略的な構成を
図5に示す。このイオン注入装置において、半導体基板
15は、その表面(素子形成面側)に絶縁体部分18が形成
されている製造段階にあるものとし、抵抗17を介して接
地された導電性の試料台13上に設置されている。イオン
ビーム11はイオンビーム導入管12内を通り、半導体基板
15の表面(素子形成面側)に照射される。
図5に示す。このイオン注入装置において、半導体基板
15は、その表面(素子形成面側)に絶縁体部分18が形成
されている製造段階にあるものとし、抵抗17を介して接
地された導電性の試料台13上に設置されている。イオン
ビーム11はイオンビーム導入管12内を通り、半導体基板
15の表面(素子形成面側)に照射される。
【0005】通常、半導体基板15の面積はイオンビーム
11の断面積より大きいので、半導体基板15を均一に照射
するために半導体基板15上でイオンビーム11を走査する
か、試料台13をイオンビーム11に対し相対運動させる必
要がある。
11の断面積より大きいので、半導体基板15を均一に照射
するために半導体基板15上でイオンビーム11を走査する
か、試料台13をイオンビーム11に対し相対運動させる必
要がある。
【0006】イオンビーム11が半導体基板15に照射され
る過程で、半導体基板15上に正電荷16が蓄積するが、半
導体基板15の裏面は試料台13を介して接地電位が与えら
れているので、半導体基板15の表面に形成された絶縁体
部分18では、その表面に蓄積した正電荷16の量Qにより
決まる電位差Vが発生する。上記電位差Vが前記絶縁体
部分18の破壊耐圧をこえると、絶縁体部分18は静電的に
破壊する。
る過程で、半導体基板15上に正電荷16が蓄積するが、半
導体基板15の裏面は試料台13を介して接地電位が与えら
れているので、半導体基板15の表面に形成された絶縁体
部分18では、その表面に蓄積した正電荷16の量Qにより
決まる電位差Vが発生する。上記電位差Vが前記絶縁体
部分18の破壊耐圧をこえると、絶縁体部分18は静電的に
破壊する。
【0007】このような絶縁体部分18の静電破壊を防止
するために、イオン注入に伴って半導体基板の正帯電を
起こした領域に、エレクトロンフラッドガンまたはエレ
クトロンシャワーガンと呼ばれる電子線供給機構から電
子線を供給することにより上記正帯電を起こした領域の
静電ストレスを緩和することが試みられている。
するために、イオン注入に伴って半導体基板の正帯電を
起こした領域に、エレクトロンフラッドガンまたはエレ
クトロンシャワーガンと呼ばれる電子線供給機構から電
子線を供給することにより上記正帯電を起こした領域の
静電ストレスを緩和することが試みられている。
【0008】ここで、現在提案されている電子線供給機
構付きのイオン注入装置の概略的な構成を図6に示す。
このイオン注入装置は、基本的な構成は図5と同様であ
り、さらに、イオンビーム導入路の途中に取り付けた電
子線供給機構20から発生する電子により前記半導体基板
15の表面に蓄積した正電荷16を中和するために、電子線
供給機構20が付設されている。なお、図5中と同一部分
には同一符号を付している。
構付きのイオン注入装置の概略的な構成を図6に示す。
このイオン注入装置は、基本的な構成は図5と同様であ
り、さらに、イオンビーム導入路の途中に取り付けた電
子線供給機構20から発生する電子により前記半導体基板
15の表面に蓄積した正電荷16を中和するために、電子線
供給機構20が付設されている。なお、図5中と同一部分
には同一符号を付している。
【0009】上記電子線供給機構20は、フィラメント電
源1Cから直流電流をフィラメント1Bに流してフィラメン
ト1Bを加熱し、上記フィラメント1Bより熱電子19(一次
電子)を発生させる。そして、引き出し電源1Dによって
フィラメント1Bとターゲット1Eとの間に印加した電位
(〜数百V)により前記一次電子19を加速して引き出
す。そして、上記一次電子19がターゲット1Eに衝突した
際に発生する二次電子1Aを半導体基板15の正に帯電した
部分に供給するように構成されている。
源1Cから直流電流をフィラメント1Bに流してフィラメン
ト1Bを加熱し、上記フィラメント1Bより熱電子19(一次
電子)を発生させる。そして、引き出し電源1Dによって
フィラメント1Bとターゲット1Eとの間に印加した電位
(〜数百V)により前記一次電子19を加速して引き出
す。そして、上記一次電子19がターゲット1Eに衝突した
際に発生する二次電子1Aを半導体基板15の正に帯電した
部分に供給するように構成されている。
【0010】しかし、上記したように電子線供給機構20
から供給される二次電子1Aを用いる方法では、ターゲッ
ト1E表面の汚れの状態によっては一次電子19によりター
ゲット1Eが負に帯電するので、一次電子1Aの軌道が曲げ
られて〜数百eVの一次電子19が半導体基板15に照射さ
れる場合がある。
から供給される二次電子1Aを用いる方法では、ターゲッ
ト1E表面の汚れの状態によっては一次電子19によりター
ゲット1Eが負に帯電するので、一次電子1Aの軌道が曲げ
られて〜数百eVの一次電子19が半導体基板15に照射さ
れる場合がある。
【0011】このような状況では、半導体基板15に正電
荷16を中和するのに必要な量以上の電子が供給され、半
導体基板15は負の帯電を起こす。逆に、半導体基板15の
負の帯電を防止するために電子のエネルギーを低く制限
した場合、正の帯電を中和するのに十分な電子を供給す
ることができない。
荷16を中和するのに必要な量以上の電子が供給され、半
導体基板15は負の帯電を起こす。逆に、半導体基板15の
負の帯電を防止するために電子のエネルギーを低く制限
した場合、正の帯電を中和するのに十分な電子を供給す
ることができない。
【0012】上記したような理由により、半導体基板15
の帯電を過不足なく有効に中和することは難しく、半導
体基板15の絶縁体部分18は常に静電的ストレスを受けて
おり、著しい場合には、前記絶縁体部分18が静電的に破
壊していた。
の帯電を過不足なく有効に中和することは難しく、半導
体基板15の絶縁体部分18は常に静電的ストレスを受けて
おり、著しい場合には、前記絶縁体部分18が静電的に破
壊していた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記したように現在提
案されている電子線供給機構付きのイオン注入装置は、
イオン注入に伴う半導体基板の帯電を過不足なく有効に
中和することは難しく、半導体基板の絶縁体部分が静電
的に破壊することがあるという問題があった。
案されている電子線供給機構付きのイオン注入装置は、
イオン注入に伴う半導体基板の帯電を過不足なく有効に
中和することは難しく、半導体基板の絶縁体部分が静電
的に破壊することがあるという問題があった。
【0014】本発明は上記の問題点を解決すべくなされ
たもので、半導体基板表面にイオン注入を行っている過
程で基板表面の絶縁体部分に生じた電位差によって絶縁
体部分が静電的に破壊されないように、半導体基板表面
の正帯電・負帯電に拘らず制御し得るイオン注入装置お
よびイオン注入方法を提供することを目的とする。
たもので、半導体基板表面にイオン注入を行っている過
程で基板表面の絶縁体部分に生じた電位差によって絶縁
体部分が静電的に破壊されないように、半導体基板表面
の正帯電・負帯電に拘らず制御し得るイオン注入装置お
よびイオン注入方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体基板に
イオンビームを照射するイオン注入装置において、導電
性の試料台に接続されている制御電源と、上記試料台上
に載置された半導体基板のイオン注入時の基板表面電位
をモニターする基板電位モニター手段と、上記基板電位
モニター手段により得られた電位に応じて前記制御電源
の出力電位を制御することにより、前記試料台の電位を
制御する試料台電位制御手段とを具備することを特徴と
する。
イオンビームを照射するイオン注入装置において、導電
性の試料台に接続されている制御電源と、上記試料台上
に載置された半導体基板のイオン注入時の基板表面電位
をモニターする基板電位モニター手段と、上記基板電位
モニター手段により得られた電位に応じて前記制御電源
の出力電位を制御することにより、前記試料台の電位を
制御する試料台電位制御手段とを具備することを特徴と
する。
【0016】また、本発明は、半導体基板にイオンビー
ムを照射するイオン注入方法において、導電性の試料台
上に載置された半導体基板のイオン注入時の基板表面電
位をモニターし、モニターにより得られた電位に応じて
前記半導体基板の試料台の電位を制御しながらイオン注
入することを特徴とする。
ムを照射するイオン注入方法において、導電性の試料台
上に載置された半導体基板のイオン注入時の基板表面電
位をモニターし、モニターにより得られた電位に応じて
前記半導体基板の試料台の電位を制御しながらイオン注
入することを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明のイオン注入装置およびイオン注入方法
は、半導体基板のイオン注入時に基板表面電位をモニタ
ーして得られた電位に応じて基板の試料台の電位を制御
しながらイオン注入する際、基板の表面と裏面との間に
発生する電位差をなくし、基板表面の絶縁体部分の静電
ストレスを緩和させ、絶縁体部分の静電破壊を防止する
ことが可能になる。
は、半導体基板のイオン注入時に基板表面電位をモニタ
ーして得られた電位に応じて基板の試料台の電位を制御
しながらイオン注入する際、基板の表面と裏面との間に
発生する電位差をなくし、基板表面の絶縁体部分の静電
ストレスを緩和させ、絶縁体部分の静電破壊を防止する
ことが可能になる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は、本発明の第1実施例に係るイオン
注入装置の概略的な構成を示している。このイオン注入
装置は、図5を参照して前述した従来のイオン注入装置
と比べて、(1)試料台13は、その電位を制御するため
の制御電源27を介して接地されている点、(2)試料台
13上に載置された半導体基板15のイオン注入時の基板表
面電位をモニターする基板電位モニター手段が設けられ
ている点、(3)上記基板電位モニター手段により得ら
れた電位に応じて制御電源27の出力電位を制御すること
により、試料台13の電位を制御する試料台電位制御手段
(例えば制御増幅器28)が設けられている点が異なる。
に説明する。図1は、本発明の第1実施例に係るイオン
注入装置の概略的な構成を示している。このイオン注入
装置は、図5を参照して前述した従来のイオン注入装置
と比べて、(1)試料台13は、その電位を制御するため
の制御電源27を介して接地されている点、(2)試料台
13上に載置された半導体基板15のイオン注入時の基板表
面電位をモニターする基板電位モニター手段が設けられ
ている点、(3)上記基板電位モニター手段により得ら
れた電位に応じて制御電源27の出力電位を制御すること
により、試料台13の電位を制御する試料台電位制御手段
(例えば制御増幅器28)が設けられている点が異なる。
【0019】前記基板電位モニター手段の一例として、
試料台13上の半導体基板15の近傍で半導体基板15の帯電
量を検出する帯電量検出素子24が設けられている。上記
帯電量検出素子24の一例として、図2に示すように、試
料台13上で基板載置領域の周囲を囲むように帯状の絶縁
体26を形成しておき、このリング状の絶縁体26の内側に
半導体基板15を載置した状態で基板外周縁部上と絶縁体
26上を覆うように配置される帯状の導体25とを設けてお
り、この帯状の導体25を上記したように配置した状態で
帯状の導体25を試料台13側に押さえ付けるための手段
(図示せず)が設けられている。
試料台13上の半導体基板15の近傍で半導体基板15の帯電
量を検出する帯電量検出素子24が設けられている。上記
帯電量検出素子24の一例として、図2に示すように、試
料台13上で基板載置領域の周囲を囲むように帯状の絶縁
体26を形成しておき、このリング状の絶縁体26の内側に
半導体基板15を載置した状態で基板外周縁部上と絶縁体
26上を覆うように配置される帯状の導体25とを設けてお
り、この帯状の導体25を上記したように配置した状態で
帯状の導体25を試料台13側に押さえ付けるための手段
(図示せず)が設けられている。
【0020】このような帯電量検出素子24は、その導体
25が半導体基板15の表面に接しているので、導体25と半
導体基板15の表面とが同電位になり、半導体基板15の帯
電量を検出することが可能になる。即ち、図1のイオン
注入装置において、半導体基板15は、その表面(素子形
成面側)に絶縁体部分18が形成されている製造段階にあ
るものとし、制御電源27を介して接地された導電性の試
料台13上に設置されている。イオンビーム11はイオンビ
ーム導入管12内を通り、基板15の表面(素子形成面側)
に照射される。通常、半導体基板15の面積はイオンビー
ム11の断面積より大きいので、半導体基板15を均一に照
射するために半導体基板15上でイオンビーム11を走査す
るか、試料台13をイオンビーム11に対し相対運動させる
必要がある。
25が半導体基板15の表面に接しているので、導体25と半
導体基板15の表面とが同電位になり、半導体基板15の帯
電量を検出することが可能になる。即ち、図1のイオン
注入装置において、半導体基板15は、その表面(素子形
成面側)に絶縁体部分18が形成されている製造段階にあ
るものとし、制御電源27を介して接地された導電性の試
料台13上に設置されている。イオンビーム11はイオンビ
ーム導入管12内を通り、基板15の表面(素子形成面側)
に照射される。通常、半導体基板15の面積はイオンビー
ム11の断面積より大きいので、半導体基板15を均一に照
射するために半導体基板15上でイオンビーム11を走査す
るか、試料台13をイオンビーム11に対し相対運動させる
必要がある。
【0021】イオンビーム11が半導体基板15に照射され
る過程で、半導体基板15上に正電荷16が蓄積し、半導体
基板15の表面に形成された絶縁体部分18は、その表面に
蓄積した正電荷16の量Qにより決まる電位差Vが発生す
る。そして、上記電位差Vが前記絶縁体部分18の破壊耐
圧をこえると、絶縁体部分18は静電的に破壊する。
る過程で、半導体基板15上に正電荷16が蓄積し、半導体
基板15の表面に形成された絶縁体部分18は、その表面に
蓄積した正電荷16の量Qにより決まる電位差Vが発生す
る。そして、上記電位差Vが前記絶縁体部分18の破壊耐
圧をこえると、絶縁体部分18は静電的に破壊する。
【0022】しかし、上記第1実施例のイオン注入装置
においては、前記したような制御電源27、基板電位モニ
ター手段および試料台電位制御手段が設けられているの
で、上記したようなイオン注入に伴う半導体基板15の帯
電により発生する悪影響を防止できる。以下、この動作
について図3を参照しながら詳述する。
においては、前記したような制御電源27、基板電位モニ
ター手段および試料台電位制御手段が設けられているの
で、上記したようなイオン注入に伴う半導体基板15の帯
電により発生する悪影響を防止できる。以下、この動作
について図3を参照しながら詳述する。
【0023】イオンビーム11が半導体基板15および帯電
量検出素子24を通過する過程で、帯電量検出素子24の表
面にも半導体基板15上と同様に電荷16が蓄積する。上記
帯電量検出素子24の表面に蓄積した電荷16により、絶縁
体26の両端間に電位差Vが生じ、この電位差Vに応じた
制御電位が制御増幅器28を介して制御電源27に入力さ
れ、制御電源27は試料台13の電位を制御する。この場
合、帯電量検出素子24の表面に蓄積した電荷16と同量の
電荷29が制御電源27を通して帯電量検出素子24の裏面か
ら注入されるようになり、絶縁体26の両端間に電位差V
が生じることがない。また、電荷29が制御電源27を通し
て基板15の裏面から注入されるようになり、基板15の表
面と裏面との間は電位差Vが生じることがない。
量検出素子24を通過する過程で、帯電量検出素子24の表
面にも半導体基板15上と同様に電荷16が蓄積する。上記
帯電量検出素子24の表面に蓄積した電荷16により、絶縁
体26の両端間に電位差Vが生じ、この電位差Vに応じた
制御電位が制御増幅器28を介して制御電源27に入力さ
れ、制御電源27は試料台13の電位を制御する。この場
合、帯電量検出素子24の表面に蓄積した電荷16と同量の
電荷29が制御電源27を通して帯電量検出素子24の裏面か
ら注入されるようになり、絶縁体26の両端間に電位差V
が生じることがない。また、電荷29が制御電源27を通し
て基板15の裏面から注入されるようになり、基板15の表
面と裏面との間は電位差Vが生じることがない。
【0024】このように、基板15の表面と裏面との間に
発生する電位差Vをなくし、基板表面の絶縁体部分18の
静電ストレスを緩和させるので、絶縁体部分18の静電破
壊を防止することが可能になる。
発生する電位差Vをなくし、基板表面の絶縁体部分18の
静電ストレスを緩和させるので、絶縁体部分18の静電破
壊を防止することが可能になる。
【0025】上記したように第1実施例のイオン注入装
置によれば、半導体基板15に外部の電子線供給機構から
電子線を供給する必要がないので、半導体基板15を負に
帯電させることなく、半導体基板15の正の帯電により発
生する基板15の表面と裏面との電位差をなくすることが
でき、半導体基板15の絶縁体部分18が静電的に破壊され
ることを防止できる。
置によれば、半導体基板15に外部の電子線供給機構から
電子線を供給する必要がないので、半導体基板15を負に
帯電させることなく、半導体基板15の正の帯電により発
生する基板15の表面と裏面との電位差をなくすることが
でき、半導体基板15の絶縁体部分18が静電的に破壊され
ることを防止できる。
【0026】なお、半導体基板15のイオン注入時の基板
表面電位をモニターする基板電位モニター手段に用いら
れる帯電量検出素子24は、上記実施例に限らず、試料台
13上で基板載置領域の周囲を囲むように帯状の絶縁体26
を形成し、その上に帯状の導体25を重ねて形成しておい
てもよい。また、帯電量検出素子24を半導体基板15とは
電気的に独立させて試料台13上に取り付けることも可能
である。
表面電位をモニターする基板電位モニター手段に用いら
れる帯電量検出素子24は、上記実施例に限らず、試料台
13上で基板載置領域の周囲を囲むように帯状の絶縁体26
を形成し、その上に帯状の導体25を重ねて形成しておい
てもよい。また、帯電量検出素子24を半導体基板15とは
電気的に独立させて試料台13上に取り付けることも可能
である。
【0027】また、基板電位モニター手段として、レー
ザー表面電位センサーを用いて基板表面電位をモニター
するようにしてもよい。図4は、本発明の第2実施例に
係る電子線供給機構付きのイオン注入装置の概略的な構
成を示している。このイオン注入装置は、図6を参照し
て前述した電子線供給機構付きのイオン注入装置に前記
第1実施例と同様に本発明を適用したものであり、基本
的な構成は図1と同様であり、さらに、イオンビーム導
入路の途中に取り付けた電子線供給機構20から発生する
電子により半導体基板15の表面に蓄積した正電荷16を中
和するために、図6中に示したような電子線供給機構20
が付設されている。なお、図1、図6中と同一部分には
同一符号を付している。
ザー表面電位センサーを用いて基板表面電位をモニター
するようにしてもよい。図4は、本発明の第2実施例に
係る電子線供給機構付きのイオン注入装置の概略的な構
成を示している。このイオン注入装置は、図6を参照し
て前述した電子線供給機構付きのイオン注入装置に前記
第1実施例と同様に本発明を適用したものであり、基本
的な構成は図1と同様であり、さらに、イオンビーム導
入路の途中に取り付けた電子線供給機構20から発生する
電子により半導体基板15の表面に蓄積した正電荷16を中
和するために、図6中に示したような電子線供給機構20
が付設されている。なお、図1、図6中と同一部分には
同一符号を付している。
【0028】即ち、このイオン注入装置において、イオ
ンビーム11が半導体基板15に照射される過程で、半導体
基板15上に正電荷16が蓄積するが、電子線供給機構20か
ら発生する電子1Aにより、半導体基板15の表面に蓄積し
た正電荷16を中和する。
ンビーム11が半導体基板15に照射される過程で、半導体
基板15上に正電荷16が蓄積するが、電子線供給機構20か
ら発生する電子1Aにより、半導体基板15の表面に蓄積し
た正電荷16を中和する。
【0029】この場合、供給される電子1Aの量は、前述
したように、ターゲット1Eの汚れの状態により変化する
ので、被照射体である半導体基板15は電子過剰供給の場
合には負に帯電し、電子供給不足の場合には正に帯電す
る。このように半導体基板15上に蓄積した正電荷または
負電荷によって半導体基板15が正または負に帯電する
と、基板15の表面と裏面との間に電位差Vが発生する。
したように、ターゲット1Eの汚れの状態により変化する
ので、被照射体である半導体基板15は電子過剰供給の場
合には負に帯電し、電子供給不足の場合には正に帯電す
る。このように半導体基板15上に蓄積した正電荷または
負電荷によって半導体基板15が正または負に帯電する
と、基板15の表面と裏面との間に電位差Vが発生する。
【0030】しかし、上記第2実施例のイオン注入装置
によれば、以下に述べる方法により電位差Vをなくする
ことができる。即ち、半導体基板15の表面と導体25部分
で接続されている帯電量検出素子24の表面も基板15の表
面と同様に帯電し、絶縁体26の両端間に電位差Vが生
じ、この電位差Vに対応する制御電位が制御増幅器28
を介して制御電源27に入力され、制御電源27は試料台13
の電位を制御する。これにより、図1を参照して詳述し
たのと同じ理由から、半導体基板15の正の帯電・負の帯
電に拘らず、半導体基板15の両端間に発生した電位差V
をなくすることが可能になる。
によれば、以下に述べる方法により電位差Vをなくする
ことができる。即ち、半導体基板15の表面と導体25部分
で接続されている帯電量検出素子24の表面も基板15の表
面と同様に帯電し、絶縁体26の両端間に電位差Vが生
じ、この電位差Vに対応する制御電位が制御増幅器28
を介して制御電源27に入力され、制御電源27は試料台13
の電位を制御する。これにより、図1を参照して詳述し
たのと同じ理由から、半導体基板15の正の帯電・負の帯
電に拘らず、半導体基板15の両端間に発生した電位差V
をなくすることが可能になる。
【0031】即ち、上記したように第2実施例のイオン
注入装置によれば、電子線供給機構20から半導体基板15
に電子線を供給しても中和しきることができなかった正
帯電・負帯電によって発生する半導体基板15の表面と裏
面の電位差Vなくすることができるので、半導体基板15
の絶縁体部分が静電的に破壊されることを一層効果的に
防止することができる。
注入装置によれば、電子線供給機構20から半導体基板15
に電子線を供給しても中和しきることができなかった正
帯電・負帯電によって発生する半導体基板15の表面と裏
面の電位差Vなくすることができるので、半導体基板15
の絶縁体部分が静電的に破壊されることを一層効果的に
防止することができる。
【0032】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、半導体
基板表面にイオン注入を行っている過程で半導体基板表
面の絶縁体部分に生じた電位差によって絶縁体部分が静
電的に破壊されないように、半導体基板表面の正帯電・
負帯電に拘らず制御し得るイオン注入装置およびイオン
注入方法を提供することができる。
基板表面にイオン注入を行っている過程で半導体基板表
面の絶縁体部分に生じた電位差によって絶縁体部分が静
電的に破壊されないように、半導体基板表面の正帯電・
負帯電に拘らず制御し得るイオン注入装置およびイオン
注入方法を提供することができる。
【図1】本発明の第1実施例に係る静電破壊防止機構付
きイオン注入装置を概略的に示す構成説明図。
きイオン注入装置を概略的に示す構成説明図。
【図2】図1中の帯電量検出素子の一例を示す図。
【図3】図1のイオン注入装置のイオン注入に伴う図1
中の半導体基板の帯電によって基板の表面と裏面の間に
発生した電位差をなくする制御動作を説明するために示
す断面図および電位分布図。
中の半導体基板の帯電によって基板の表面と裏面の間に
発生した電位差をなくする制御動作を説明するために示
す断面図および電位分布図。
【図4】本発明の第2実施例に係る静電破壊防止機構付
きイオン注入装置を概略的に示す構成説明図。
きイオン注入装置を概略的に示す構成説明図。
【図5】従来のイオン注入装置を概略的に示す構成説明
図。
図。
【図6】従来の電子供給機構付きイオン注入装置を概略
的に示す構成説明図。
的に示す構成説明図。
11…イオンビーム、12…イオンビーム導入管、13…試料
台、15…半導体基板(被照射体)、16…正電荷、18…絶
縁体、19…一次電子、1A…二次電子、1B…フィラメン
ト、1C…フィラメント電源、1D…引き出し電源、1E…タ
ーゲット、20…電子線供給機構、24…帯電量検出素子、
25…導体、26…絶縁体、27…制御電源、28…制御増幅
器、29…正電荷。
台、15…半導体基板(被照射体)、16…正電荷、18…絶
縁体、19…一次電子、1A…二次電子、1B…フィラメン
ト、1C…フィラメント電源、1D…引き出し電源、1E…タ
ーゲット、20…電子線供給機構、24…帯電量検出素子、
25…導体、26…絶縁体、27…制御電源、28…制御増幅
器、29…正電荷。
Claims (3)
- 【請求項1】 半導体基板にイオンビームを照射するイ
オン注入装置において、導電性の試料台に接続されてい
る制御電源と、上記試料台上に載置された半導体基板の
イオン注入時の基板表面電位をモニターする基板電位モ
ニター手段と、上記基板電位モニター手段により得られ
た電位に応じて前記制御電源の出力電位を制御すること
により、前記試料台の電位を制御する試料台電位制御手
段とを具備することを特徴とするイオン注入装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のイオン注入装置におい
て、前記基板電位モニター手段は、前記試料台上の前記
半導体基板の近傍で絶縁体上に導体が重ねられてなり、
上記半導体基板の帯電量を検出する帯電量検出素子が用
いられていることを特徴とするイオン注入装置。 - 【請求項3】 半導体基板にイオンビームを照射するイ
オン注入方法において、導電性の試料台上に載置された
半導体基板のイオン注入時の基板表面電位をモニター
し、モニターにより得られた電位に応じて前記半導体基
板の試料台の電位を制御しながらイオン注入することを
特徴とするイオン注入方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6241406A JPH08106876A (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | イオン注入装置およびイオン注入方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6241406A JPH08106876A (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | イオン注入装置およびイオン注入方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08106876A true JPH08106876A (ja) | 1996-04-23 |
Family
ID=17073817
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6241406A Pending JPH08106876A (ja) | 1994-10-05 | 1994-10-05 | イオン注入装置およびイオン注入方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08106876A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100905257B1 (ko) * | 2007-08-31 | 2009-06-29 | 세메스 주식회사 | 전위 제어 방법, 이를 적용한 전위 제어 유닛 및 기판 처리장치 |
KR20190010662A (ko) * | 2017-04-13 | 2019-01-30 | 더 스와치 그룹 리서치 앤 디벨롭먼트 엘티디 | 처리될 오브젝트의 표면 상에 단일 및 다중 하전된 이온들을 주입하기 위한 방법 및 상기 방법을 구현하기 위한 장치 |
-
1994
- 1994-10-05 JP JP6241406A patent/JPH08106876A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100905257B1 (ko) * | 2007-08-31 | 2009-06-29 | 세메스 주식회사 | 전위 제어 방법, 이를 적용한 전위 제어 유닛 및 기판 처리장치 |
KR20190010662A (ko) * | 2017-04-13 | 2019-01-30 | 더 스와치 그룹 리서치 앤 디벨롭먼트 엘티디 | 처리될 오브젝트의 표면 상에 단일 및 다중 하전된 이온들을 주입하기 위한 방법 및 상기 방법을 구현하기 위한 장치 |
CN109417004A (zh) * | 2017-04-13 | 2019-03-01 | 斯沃奇集团研究和开发有限公司 | 将单电荷或多电荷离子注入待处理对象表面的方法及实现该方法的装置 |
JP2019525394A (ja) * | 2017-04-13 | 2019-09-05 | ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド | 被処理物体の表面に1価又は多価イオンを注入する方法及び方法を実施するデバイス |
CN109417004B (zh) * | 2017-04-13 | 2021-09-07 | 斯沃奇集团研究和开发有限公司 | 将单电荷或多电荷离子注入待处理对象表面的方法及实现该方法的装置 |
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