JP2002237279A - 二次電池 - Google Patents

二次電池

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JP2002237279A
JP2002237279A JP2001033966A JP2001033966A JP2002237279A JP 2002237279 A JP2002237279 A JP 2002237279A JP 2001033966 A JP2001033966 A JP 2001033966A JP 2001033966 A JP2001033966 A JP 2001033966A JP 2002237279 A JP2002237279 A JP 2002237279A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過充電時の安全性を向上させる。 【解決手段】 正極及び負極を有する電池要素が、外装
材からなるケース内に密閉されてなり、該ケースは、側
壁部及び上下底部によって電池要素を被包してなる被包
部と、前記外装材の少なくとも一部の周縁部同士が接合
されてなる接合片部とを有してなる二次電池において、
少なくとも一部の前記接合片部が前記被包部の側壁部に
沿って折曲されてなり、且つ、下記固着強度試験を行な
った場合に、前記折曲された前記接合片部が、前記側壁
部に対して45度以下の角度を維持できる程度の強度で
前記側壁部に固着されてなることを特徴とする二次電
池。 固着強度試験 電池電圧が3Vにある電池を、上限電圧を10Vとした
範囲で、1.8Cの電流で200分間充電し続ける。た
だし、1Cは、電池電圧2.7Vから4.2V定電圧で
電流値が0になるまで充電して得られた容量を1時間で
放電するための電流値である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二次電池に関し、詳しく
は、過充電時の安全性が向上した二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年開発されてきている高エネルギー密
度の二次電池は、そのエネルギー密度の高さ故に、電池
の誤用や使用機器の故障等による発火、発煙等の危険性
が相対的に高まっている。このような背景から、二次電
池の安全性の確保は、より高エネルギー密度化された現
在の電池設計において、必要不可欠な課題の一つとなっ
ている。
【0003】電池の安全性確保の中では、特に過充電に
対する安全性確保が重要な課題の一つである。これは、
二次電池を充電する際に何らかの原因で所定以上の電気
が流れると電池が過充電状態となり、その結果内部短絡
等が起こり、電池温度の上昇を伴って電池の発煙、発火
等の事故に繋がる危険性がより高いためである。例え
ば、リチウム二次電池を例にとって説明すると、一般
に、リチウム二次電池は、過充電状態になると、先ず電
解液等の分解によりガスの発生が起こる。ガス発生が生
じると、電池の破裂、漏液等に繋がるばかりでなく、こ
の状態が続くことによって最終的に電池温度が上昇し、
発煙、発火等の事故に繋がることさえもある。そのよう
な観点から、これまでに過充電に対する種々の防止方法
が提案されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】過充電防止策の具体的
方法としては、電池外部に付属させた電子回路による制
御方法、過充電時の電解液等の分解によって発生するガ
スを利用した安全弁による機械的電流遮断方法等が一般
的な方法として知られている。しかしながら、このよう
な方法においては、電池に電子回路や安全弁を搭載する
必要上、電池コストが上昇したり、また電池の設計上の
制約が生じたりするといった問題点があった。
【0005】近年においては、ガスバリア層の両面に樹
脂層を設けてなるラミネートフィルムのような軽量の外
装材を用いて平板状ケースを構成し、この中に正極及び
負極を有する電池要素を密閉するタイプの電池が、例え
ばリチウム二次電池において開発されている。このよう
な電池は、外観上、外装材の周縁部同士が接合され、電
池要素を被包している被包部と、該外装材の周縁部同士
が接合されてなる接合片部とを有するが、外装材として
軽量のフィルムを用いることができるので、従来の金属
からなるケースに比べていくつか有利な点がある。即
ち、電池をより軽量・小型化できるだけでなく、例えば
リチウム二次電池において一般的な電子回路や安全弁を
含む金属缶からなるケースを用いた場合に比べてケース
の構成がより単純なので、コスト的にも有利になること
も期待される。一方、このような電池においては、前述
の電子回路による制御方法や安全弁による機械的電流遮
断方法は、電池ケースの構成上特に困難であるという問
題がある。
【0006】一方、過充電防止策の具体的方法として
は、電池の温度上昇によるセパレータの融解を利用した
シャットダウンによる方法や、満充電時の正極電位より
貴な電位に酸化電位を有する過充電防止剤を電解液に添
加することにより、過充電状態で正極電位が上昇した際
に有機添加剤の酸化反応を引き起こして過充電時の電池
内暴走反応を抑制する方法も知られている。しかしなが
ら、前者のセパレータによるシャットダウン方法は、過
充電時の暴走反応が急激であるため、過充電保護として
十分に機能させるのが困難なことがある。また、後者の
方法においては、電池の充放電に直接関与するわけでは
ない過充電防止剤を電解液に添加するために電池性能に
悪影響を与えたり、或いは過充電時の過充電防止剤の酸
化反応の結果ガスが発生し、この発生ガスによる使用機
器の腐食や有機ガス等の有毒ガスの漏洩等が懸念され
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、過充電時の電池
内暴走反応のトリガーは初期の電池の膨れにあること、
この初期の膨れを最小限に食い止めるような構造のケー
スを用いるとガス発生を抑制することができること、及
び、その結果過充電時のより安全性が向上すること、を
見出し、本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明の要旨は、下記に存する。 (1) 正極、負極及び電解質を有する電池要素が、外
装材からなるケース内に密閉されてなり、該ケースは、
電池要素を被包してなる被包部と、前記外装材の少なく
とも一部の周縁部同士が接合されてなる接合片部とを有
してなる二次電池において、少なくとも一部の前記接合
片部が前記被包部に沿って折曲されてなり、且つ、下記
固着強度試験を行なった場合に、前記折曲された前記接
合片部が、前記被包部に対して45度以下の角度を維持
できる程度の強度で固着されてなることを特徴とする二
次電池。固着強度試験電池電圧が3Vにある電池を、上
限電圧を10Vとした範囲で、1.8Cの電流で200
分間充電し続ける。ただし、1Cは、電池電圧2.7V
から4.2V定電圧で電流値が0になるまで充電して得
られた容量を1時間で放電するための電流値である。 (2) ケースは、側壁部及び上下底部を有し、少なく
とも一部の接合片部が前記被包部の側壁部に沿って折曲
されてなる(1)に記載の二次電池。 (3) 電池要素が、リチウム二次電池を含む(1)又
は(2)に記載の二次電池。 (4) 前記少なくとも一部の接合片部が、エポキシ系
接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、ホット
メルト系接着剤または合成ゴム系接着剤の群から選ばれ
る接着剤によって側壁部に接合されている(1)〜
(3)のいずれか1つに記載の二次電池。 (5) 外装材が合成樹脂層とガスバリア層とが積層さ
れたラミネートフィルムよりなる(1)〜(4)のいず
れか1つに記載の二次電池。 (6) 電解質が、非流動性電解質を有する(1)〜
(5)のいずれか1つに記載の二次電池。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、正極と負極と非流動性電解
質層とを有する平板状の単位電池要素を厚さ方向に複数
個積層してなる電池要素を、フィルム状の外装材によっ
て密閉収納されたリチウム二次電池を例として、本発明
の実施態様につきを詳細に説明する。図1は実施の形態
に係る電池の分解斜視図、図2はこの電池の要部の断面
図、図3は電池要素の概略的な斜視図、図4及び図5は
電池の斜視図、図6はケースの断面図((a)は全体断
面図、(b)は(a)のB部分の拡大断面図)、図7は
電池が膨れる様子を示す模式的断面図である。なお、説
明の便宜上、図1に記載の電池を上下逆向きにして、図
4及び図5に示す。
【0010】この電池は、電池要素1を外装材3の凹部
に収容した後、電池要素1の端子部(タブ4a,4b)
付近にエポキシ樹脂やアクリル樹脂等の絶縁材料5を注
入し、その後外装材2を外装材3に被せ、真空封止によ
り外装材2、3の周縁部2a、3aを接合したものであ
る。図1の通り、外装材2は平板状である。外装材3は
方形箱状の凹部よりなる収容部3bと、この収容部3b
の4周縁からフランジ状に外方に張り出す周縁部3aと
を有した浅い無蓋箱状のものである。
【0011】図3の通り、電池要素1は、複数の単位電
池要素を厚さ方向に積層したものである。この単位電池
要素からは、タブ4a又は4bが引き出されている。正
極からの各タブ4a同士は束ねられて(即ち、相互に重
ね合わされ)、正極リード21が接合されて正極端子部
が形成されている。負極からのタブ4b同士も束ねら
れ、負極リード21が接合されて負極端子部が形成され
ている。
【0012】外装材3の収容部3b内に電池要素1が収
容され、絶縁材料5がタブ4a、4b近傍に注入され、
正極端子部及び負極端子部近傍の電池要素側面が絶縁材
料で被覆された後、外装材2が被せられる。電池要素1
から延出した1対のリード21は、それぞれ外装材2、
3の1辺部の周縁部2a、3a同士の合わせ面を通って
外部に引き出される。その後、減圧(好ましくは真空)
雰囲気下で外装材2、3の4周縁の周縁部2a、3a同
士が熱圧着、超音波溶着などの手法によって気密に接合
され、電池要素1が外装材2、3内に封入される。その
後、絶縁材料5は加熱等によって硬化処理に供され、絶
縁材料5が端子部近傍で完全に固着する。完全に固着す
る前に外装材は封止されているので、固着時に電池の形
状が変化することはほとんどない。
【0013】周縁部2a、3a同士が接合されることに
より、外装材2,3からなるケースが構成される。図4
に示すとおり、このケースは、側壁部4B1、上底部4
2及び下底部(図示せず)によって電池要素1を被包
してなる略直方体状の被包部4Bと、前記外装材の周縁
部2a、3a同士が接合されてなる接合片部4A、4
F、4Gとを有している。
【0014】図4に記載の状態においては、上記接合片
部4A、4F、4Gは、電池要素1を被包している被包
部4Bの側壁部4B1から外方に張り出している。そこ
で、図5に示すように、これらの接合片部のうち、接合
片部4A、4Gを被包部4Bの側壁部4B1に沿うよう
に折曲し、接着剤によって被包部4Bの側壁部4B1
固着する(固定する)。即ち、例えば、図6に示すよう
に、接合片部4Aを、被包部4Bの側壁部4B1に沿っ
て折曲すると共に、これらを相互に接着剤51によって
接着する。接着剤51としては、エポキシ系接着剤、ア
クリル系接着剤、ウレタン系接着剤、ホットメルト系接
着剤、合成ゴム系接着剤等各種のものを使用することが
できる。無論、複数の接着剤を併用することもできる。
接合片部と側壁部との固着強度を制御するために、接着
剤の選定に当たっては、接合片部及び側壁部の表面の材
質、固着作業時の環境(湿度、温度等)等を考慮する必
要があるが、好ましくは、硬化時間が短く、且つ、非水
系電池の製造の際に用いられる露点の低い環境下におい
ても容易に硬化するホットメルト系接着剤を使用する。
【0015】このように、接合片部の少なくとも一部
(接合片部4A、4G)は、側壁部4B1に固着される
が、この際、これら接合片部は所定の固着強度で固着さ
れる。即ち、下記固着強度試験を行なった場合に、前記
接合片部が、前記被包部に対して45度以下、好ましく
は30度以下、さらに好ましくは20度以下、最も好ま
しくは10度以下の角度を維持できる程度の強度で固着
される。 固着強度試験 電池電圧が3Vにある電池を、上限電圧を10Vとした
範囲で、1.8Cの電流で200分間充電し続ける。た
だし、1Cは、電池電圧2.7Vから4.2V定電圧で
電流値が0になるまで充電して得られた容量を1時間で
放電するための電流値である。
【0016】一般に、上記のような条件に晒すと電池は
膨れようとする。図7に示すように、電池が方向Pに膨
れようとすると、その結果接合片部4Aは方向Q、即ち
接合片部4Aが被包部4Bの側壁部4B1から離れる方
向に力が働く。本発明においては、接合片部4Aが側壁
部4B1から離れるのを防ぐように、これらを相互に固
着するものである。なお、上記固着強度試験は、過充電
条件下での試験である。即ち、本発明における重要な知
見は、過充電時のガス発生のトリガーが意外にも初期の
電池の膨れにあり、接合片部を側壁部に固着することに
より、この初期の膨れを防止することができることを見
出した点である。その結果、相対的により激しい過充電
状態においても、より安全な電池を提供することができ
る。これは、過充電時の初期に発生する膨れを有効に防
止することとなり、それ以降の電池の暴走反応を抑制し
ているものと推定される。
【0017】なお、固着された部分における接合片部と
被包部との角度は、接合片部の接着面を含む平面と被包
部の接着面を含む平面とのなす角度(図6においては、
S1とS2とのなす角度。この場合平行故0度)のこと
である。以上の例においては、接合片部4A、4Gは、
側壁部4B1に接着剤によって固着されているが、固着
の方法は接着剤を使用することに限定されない。例え
ば、接着テープを用いて接合片部を被包部に固着させる
ことができる。
【0018】また、上記の例においては、接合片部4
A、4Gは側壁部4B1に沿って1回だけ折曲されてい
るが、例えば、図8に示すように、接合片部4Aを途中
でさらにもう一回折曲して、接合片部4Aの先端を接合
片部4Aと側壁部4B1との間に介在させるようにして
もよい。このように、接合片部を複数回折曲することに
よって、接合片部の側面から空気等が侵入するのを防止
したり、側壁部での機械的強度をさらに向上させたりす
ることができる。
【0019】図1では、外装材2、3が別体となってい
るが、本発明では、図9のように外装材2、3が一連一
体となっていても良い。図9では、外装材3の一辺と外
装材2の一辺とが連なり、外装材2が外装材3に対し屈
曲可能に連なる蓋状となっている。この外装材2、3が
連なる一辺から、収容部3bの凹部が形成されており、
この一辺においては接合片部が形成されていない以外は
接合片部と同一の構成のものとなる。この図9の場合で
も、接合片部4A、4Gは側壁部4B1に接着剤によっ
て固着される。
【0020】図1、9では、収容部3bを有した外装材
3と平板状の外装材2とが示されているが、本発明では
図10のように、それぞれ浅箱状の収容部6b、7b
と、該収容部6b、7bの4周縁から張り出す周縁部6
a、7aとを有した外装材6、7によって電池要素1を
被包してもよい。図10では、外装材6、7が一連体と
なっているが、前記図1と同様にこれらは別体となって
いてもよい。
【0021】図1、9、10の構成においては、電池要
素の収容部が予め形成されているため、電池要素をより
コンパクトに収容でき、また収容自体も容易である。上
記の説明においては、電池要素を収容部に収容した後、
端子部近傍に絶縁材料が注入されているが、この場合、
周縁部の合わせ面や電池要素と外装材との間に絶縁材料
が付着・流入して周縁部の接合を阻害したり、設計通り
の電池形状にならなかったりすることがある。そこで、
電池要素の端子部近傍に絶縁材料を供給した後に電池要
素を収容部に収容することによって、上記の問題点を回
避することができる。特に、図10の場合は、電池要素
を収容後に絶縁材料を供給しても電池要素の略上半分に
は絶縁材料は供給できないので、この製造方法は好まし
い。一方、この方法においては、絶縁材料が供給された
状態のハンドリングが容易でない電池要素を運搬し、外
装材に配置する必要があるので製造時の取り扱いに注意
を要する。この点においては前者の方法が好ましいと言
える。
【0022】本発明では、図11のように1枚の平たい
シート状の外装材8を中央辺8aに沿って2ツ折り状に
折り返して第1片8Aと第2片8Bとの2片を形成し、
これら第1片8Aと第2片8Bとの間に電池要素1を介
在させ、図12の如く、第1片8Aと第2片8Bの周縁
部8b同士を接合して電池要素1を封入してもよい。こ
の場合も、接合片部4A、4Gは、電池要素1を被包し
てなる被包部の側壁部4B1に接着剤によって固着され
る。このように構成された電池にあっても、接合片部を
被包部に沿わせて折曲し、さらに接着剤や接着テープで
固定しているため、この場合も過充電の初期における電
池要素のふくれを有効に防止でき、また電池の側面の強
度、剛性が高い。もちろん、折曲された接合片部が被包
部から離反することも防止される。また、電池の側面の
強度、剛性が高いので、側面に衝撃を受けた場合でも、
活物質に剥れが生じることが防止される。
【0023】なお、以上の例においては、接合片部4
A、4Gは、被包部4Bの側壁部4B 1に固着されてい
るが、側壁部以外の部分に固着させることもできる。例
えば、図17に示すように、1枚の外装材2を電池要素
の周囲を巻回するようにリード21を引き出した状態で
被包すると共に外装材の周縁を接合して、リードを引き
出した部分に設けた接合片部4Fと、その対向辺に設け
た接合片部4Gと、被包部の上面4Iに沿って設けた接
合片部4Hを形成させた場合、この接合片部4Hと被包
部上面4Iとを接着剤や接着テープで固着することもで
きる。
【0024】以上の例においては、また、端子部(タブ
4a、4b)近傍に絶縁材料5が充填されている。その
結果、過充電の初期における電池要素のふくれを有効に
防止でき、さらには短絡が防止される。
【0025】絶縁材料5としては、合成樹脂が好適であ
り、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂など
が例示されるが、中でもエポキシ樹脂又はアクリル樹脂
が硬化時間が短いので好適である。特に、アクリル樹脂
は、電池性能に悪影響を及ぼす可能性が低いので最も好
ましい。絶縁材料は、未硬化の流動性のある状態で端子
部近傍に供給され、硬化によって完全に端子部近傍で固
着する。また、図1においては、絶縁材料5は、正極端
子部と負極端子部とのそれぞれ別個に供給されている
が、過充電時の安全性をより高めるため、正極端子部か
ら負極端子部に亘る電池要素の側面全体を被覆するのが
より好ましい。この端子部近傍の電池要素側面の被覆に
おいては、特に、正極と負極との間にこれらよりも大き
いスペーサを設け、このスペーサのはみ出し部同士を相
互に固着するのがより好ましい。
【0026】即ち、電池要素にあっては、例えば図16
に示されるように、スペーサ13が正極11及び負極1
3から若干はみ出させてはみ出し部13aを形成し、正
極11と負極13との短絡を防止している。このはみ出
し部13a同士を絶縁材料で固着することにより、電池
要素が積層方向に拘束されるため、過充電時であっても
電池要素の膨れが防止され、電池の熱暴走が防止され
る。無論、絶縁材料は、電池要素の側面全体に亘って供
給することができ、また好ましい。
【0027】電池要素を収納する外装材は、形状可変性
を有するものが好ましい。その結果、種々の形状の電池
を作成しやすいばかりでなく、真空状態下で外装材を封
止した場合に、電池要素の電極間の貼り合わせを強化す
る機能を付与することができ、その結果、サイクル特性
などの電池特性を向上させることができる。外装材の厚
さは、薄ければ薄いほど電池の体積エネルギー密度や重
量エネルギー密度が大きくなるので好ましいばかりでな
く、強度そのものが相対的に低いので本発明の効果が特
に顕著となる。外装材の厚みは通常0.2mm以下、好
ましくは0.15mm以下である。ただし、あまりに薄
いのは強度不足が顕著になり、水分等も透過しやすくな
るので、通常0.01mm以上、好ましくは0.02m
m以上である。
【0028】外装材の材料としては、アルミニウム、ニ
ッケルメッキした鉄、銅等の金属、合成樹脂等を用いる
ことができる。好ましくは、ガスバリア層と樹脂層とが
設けられたラミネートフィルム、特に、ガスバリア層の
両面に樹脂層が設けられたラミネートフィルムである。
このようなラミネートフィルムは、高いガスバリア性を
有すると共に、高い形状可変性と、薄さを有する。その
結果、外装材の薄膜化・軽量化が可能となり、電池全体
としての容量を向上させることができる。
【0029】ラミネートフィルムに使用するガスバリア
層の材料としては、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、
チタン、モリブデン、金等の金属やステンレスやハステ
ロイ等の合金、酸化ケイ素や酸化アルミニウム等の金属
酸化物を使用することができる。好ましくは、軽量で加
工性に優れるアルミニウムである。樹脂層に使用する樹
脂としては、熱可塑性プラスチック、熱可塑性エラスト
マー類、熱硬化性樹脂、プラスチックアロイ等各種の合
成樹脂を使うことができる。これらの樹脂にはフィラー
等の充填材が混合されているものも含んでいる。
【0030】具体的なラミネートフィルムの構成として
は、図13(A)に示すように、ガスバリア層40と樹
脂層41が積層されたものを使用することができる。ま
た、さらに好ましいラミネートフィルムは、図13
(B)に示すようにガスバリア層40の外側面に外側保
護層として機能するための合成樹脂層41を設けると共
に、内側面に電解質による腐蝕やガスバリア層と電池要
素との接触を防止したりガスバリア層を保護するための
内側保護層として機能する合成樹脂層42を積層した三
層構造体としたものである。
【0031】この場合、外側保護層に使用する樹脂は、
好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリオ
レフィン、アイオノマー、非晶性ポリオレフィン、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリアミド等耐薬品性や機械
的強度に優れた樹脂が望ましい。内側保護層としては、
耐薬品性の合成樹脂が用いられ、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、変性ポリオレフィン、アイオノマー、
エチレン−酢酸ビニル共重合体等を用いることができ
る。
【0032】また、ラミネートフィルムは、図14に示
すようにガスバリア層40と保護層形成用合成樹脂層4
1、耐蝕層形成用合成樹脂層42間にそれぞれ接着材層
43を設けることもでき、また好ましい。さらにまた、
外装材同士を接着するために、複合材の最内面に溶着可
能なポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂からなる接
着層を設けることもできる。これらの金属、合成樹脂あ
るいは複合材を用いてケースが形成される。ケースの成
形はフィルム状体の周囲を融着して形成してもよく、シ
ート状体を真空成形、圧空成形、プレス成形等によって
絞り成形してもよい。また、合成樹脂を射出成形するこ
とによって成形することもできる。射出成形によるとき
は、ガスバリア層はスパッタリング等によって形成され
るのが通常である。
【0033】外装材に凹部よりなる収容部を予め設ける
には絞り加工等によって行うことができる。外装材は、
加工が容易である点でフィルム状のものを使用するのが
好ましい。電池要素がケースに収納されてなるリチウム
二次電池全体の厚さは、通常5mm以下、好ましくは
4.5mm以下、さらに好ましくは4mm以下である。
このような薄型のリチウム二次電池に対して本発明の効
果は特に大きい。ただし、あまりに薄い電池は、容量が
小さすぎたり、製造が困難だったりするので、通常0.
5mm以上、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは
2mm以上である。
【0034】正極、負極及び電解質を有する電池要素
は、ケース内に収納される。電池要素は、正極、負極及
び電解質層からなる積層体(単位電池要素)を巻回して
巻回形状とし、これをケース内に収納することもでき、
また、上記積層体(単位電池要素)をそのまま平板形状
でケース内に収納することもできる。さらに、前記図
2,3に記載のように、単位電池要素を厚さ方向に複数
個積層して電池要素とすることもできる。以下に単位電
池要素の好適な構成について説明する。
【0035】図15は、このリチウム二次電池からなる
単位電池要素の好適な一例を示すものである。この単位
電池要素は、正極集電体22及び正極活物質層23から
なる正極、スペーサ(電解質層)24、並びに、負極活
物質層25及び負極集電体26からなる負極を積層した
ものである。リチウムデンドライトの析出を抑制するた
め、負極は正極よりも大きくされる。また、短絡を防止
するため、スペーサ24は正極及び負極よりも大きくさ
れる。スペーサを正負極よりも大きくすることによっ
て、前述のように、単位電池要素のスペーサーのはみ出
し部相互を固着することができる。
【0036】この単位電池要素を複数個積層して電池要
素とするのであるが、この積層に際しては、正極を上側
とし負極を下側とした順姿勢(図15)の単位電池要素
と、これとは逆に正極を下側とし負極を上側とした逆姿
勢(図示略)の単位電池要素とを交互に積層する。即
ち、積層方向に隣り合う単位電池要素は同極同士を(即
ち、正極同士及び負極同士)が対面するように積層され
る。
【0037】この単位電池要素の正極集電体22からは
正極タブ4aが延設され、負極集電体26からは負極タ
ブ4bが延設されている。図15においては、正極集電
体の片面、負極集電体の片面に、ぞれぞれ正極活物質
層、負極活物質層が形成されているように記載している
が、無論、集電体の両面に活物質層を形成することがで
きる。この場合、同じ集電体の互いに反対の面に形成さ
れた活物質層は、相互に、異なる単位電池要素の構成要
素とすることができる。
【0038】電極の平面形状は任意であり、四角形、円
形、多角形等にすることができる。図15の通り、集電
体22、26には、通常、リード結合用のタブ4a、4
bが連設される。電極が四角形であるときは、通常図3
に示すように電極の一辺のサイド近傍に正極集電体より
突出するタブ4aを形成し、また、負極集電体のタブ4
bは他サイド近傍に形成する。
【0039】複数の単位電池要素を積層するのは、電池
の高容量化を図る上で有効であるが、この際、単位電池
要素それぞれからのタブ4aとタブ4bの夫々は、通
常、厚さ方向に結合されて正極と負極の端子部が形成さ
れる。その結果、大容量の電池要素1を得ることが可能
となる。タブ4a、4bには、図2に示すように、薄片
状の金属からなるリード21が結合される。その結果、
リード21と電池要素の正極及び負極とが電気的に結合
される。タブ4a同士、4b同士の結合及びタブ4a、
4bとリード21との結合はスポット溶接等の抵抗溶
接、超音波溶着あるいはレーザ溶接によって行うことが
できる。
【0040】本発明においては、上記正極リードと負極
リードの少なくとも一方のリード21好ましくは両方の
リードとして、焼鈍金属を使用するのが好ましい。その
結果、強度のみならず折れ曲げ耐久性に優れた電池とす
ることができる。リードに使用する金属の種類として
は、一般的にアルミや銅、ニッケルやSUSなどを用い
ることができる。正極のリードとして好ましい材料はア
ルミニウムである。また、負極のリードとして好ましい
材質は銅である。
【0041】リード21の厚さは、通常1μm以上、好
ましくは10μm以上、更に好ましくは20μm以上、
最も好ましくは40μm以上である。薄すぎると引張強
度等リードの機械的強度が不十分になる傾向にある。ま
た、リードの厚さは、通常1000μm以下、好ましく
は500μm以下、さらに好ましくは100μm以下で
ある。厚すぎると折り曲げ耐久性が悪化する傾向にあ
り、また、ケースによる電池要素の封止が困難になる傾
向にある。リードに後述する焼鈍金属を使用することに
よる利点は、リードの厚さが厚いほど顕著である。
【0042】リードの外部への露出長さは通常1mm以
上50mm以下程度である。前記のように、電池要素
は、正極及び負極を電解質層を介して積層した積層体
(単位電池要素)を巻回してなる巻回型電池であっても
よいが、この場合も、正極と負極との間にはスペーサを
介在させ、これを正負極よりも大きくするのが好まし
い。いずれの場合においても、電池要素としては、リチ
ウム二次電池を使用するのが好ましい。
【0043】以下、リチウム二次電池に使用する材料に
ついて説明する。電池要素は、通常正極と負極とそれら
の間に存在する電解質層とを有する。正極及び負極は、
通常、集電体とその上に設けられた活物質層とを含む。
正極集電体としては、アルミニウム、ニッケル、SUS
等各種の金属を使用することができるが、好ましくはア
ルミニウムである。集電体の厚さは、通常1μm以上、
好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上で
あり、また、通常30μm以下、好ましくは25μm以
下、さらに好ましくは20μm以下である。薄ければ薄
いほど、体積エネルギー密度及び重量エネルギー密度の
観点から好ましいが、あまりに薄いのは強度等の点でハ
ンドリングが困難になりやすい。集電体は、通常の金属
箔のような板状や、パンチングメタルのようなメッシュ
状であってよい。集電体の表面は、必要に応じて粗面化
処理しておくことができる。
【0044】正極に用いことができる活物質としては、
リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物として無機化合
物でも有機化合物でも使用できる。無機化合物としては
Fe、Co、Ni、Mn、等の遷移金属の酸化物、リチ
ウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属硫化物等が挙
げられる。具体的には、遷移金属酸化物としてMn
2、V25、V613、TiO2等を例示でき、リチウ
ムと遷移金属との複合酸化物としてニッケル酸リチウ
ム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム等を例示
でき、遷移金属硫化物としてTiS2、FeS等を例示
できる。有機化合物としては、例えばポリアニリン等の
導電性ポリマー等が挙げられる。また、これらの任意の
無機化合物、有機化合物を任意の量混合して正極活物質
として用いる方法も好適に使用される。好ましくは、リ
チウムと遷移金属との複合酸化物、特に、マンガン、ニ
ッケル及びコバルトからなる群から選ばれる少なくとも
1種の遷移金属酸化物とリチウムとを含有する複合酸化
物である。中でも、コバルトとリチウムとを含む複合酸
化物やニッケルとリチウムとを含む複合酸化物が好まし
い。正極活物質の粒径は、レ−ト特性、サイクル特性等
の電池特性の点で、通常1〜30μm、好ましくは1〜
10μmである。
【0045】負極集電体としては、銅、ニッケル、SU
S等各種の金属を使用することができるが、好ましくは
銅である。集電体の厚さは、通常1μm以上、好ましく
は3μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、ま
た、通常30μm以下、好ましくは25μm以下、さら
に好ましくは20μm以下である。薄ければ薄いほど、
体積エネルギー密度及び重量エネルギー密度の観点から
好ましいが、あまりに薄いのは強度等の点でハンドリン
グが困難になりやすい。集電体は、通常の金属箔のよう
な板状や、パンチングメタルのようなメッシュ状であっ
てよい。集電体の表面は、必要に応じて粗面化処理して
おくことができる。
【0046】負極に使用できる活物質としては、リチウ
ム金属の外、リチウムを吸蔵放出可能な各種の化合物を
使用することができる。具体的には、リチウム金属;リ
チウム−アルミニウム合金、リチウム−ビスマス−カド
ミウム合金、リチウム−スズ−カドミウム合金等のリチ
ウム合金;グラファイト、コークス等の炭素材料等を挙
げることができる。また、珪素、スズ、亜鉛、マンガ
ン、鉄、ニッケル等の酸化物や硫酸鉛を使用することも
できる。リチウム金属やリチウム合金を用いると、充電
の際にデンドライトが生成しやすく特に過充電時の安全
性が低下する傾向にあるため、グラファイトやコークス
等の炭素材料が好ましい。このような炭素材料は一般に
疎水性が高いと考えられるので、負極活物質の粒径は、
初期効率、レ−ト特性、サイクル特性等の電池特性の点
で、通常1〜50μm、好ましくは15〜30μmであ
る。
【0047】正極及び負極の活物質層は、通常上記活物
質の外、バインダーを含有する。使用するバインダーと
しては、電解液等に対して安定である必要があり、耐候
性、耐薬品性、耐熱性、難燃性等が望まれる。バインダ
ーとしてはシリケート、ガラスのような無機化合物や、
主として高分子からなる各種の樹脂が使用できる。樹脂
としては例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ー1,1−ジメチルエチレンなどのアルカン系ポリマ
ー;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの不飽和系ポ
リマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニ
ルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどの環を有
するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリ
ル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸
メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリ
メタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導
体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポ
リアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニドなどのC
N基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコ
ールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマ
ー;ポリアニリンなどの導電性ポリマーなどが使用でき
る。また上記のポリマーなどの混合物、変成体、誘導
体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合
体、ブロック共重合体などであっても使用できる。これ
らの樹脂の分子量は、好ましくは10000−3000
000、さらに好ましくは100000−100000
0である。低すぎると活物質層の強度が低下し、高すぎ
ると粘度が高くなり電極の形成が困難になる傾向にあ
る。
【0048】活物質100部に対するバインダーの配合
量としては、好ましくは0.1−30部、さらに好まし
くは1−20部である。バインダーの量が少なすぎると
電極の強度が低下することがあり、多すぎるとイオン伝
導度が低下する傾向にある。活物質層中には必要に応じ
て導電材料、補強材など各種の機能を発現する粉体、充
填材などを含有していても良い。導電材料としては、上
記活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれ
ば特に制限は無いが、通常、アセチレンブラック、カー
ボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属のフ
ァイバー、箔などが挙げられる。炭素粉末導電性物質の
DBP吸油量は120cc/100g以上が好ましく、
特に150cc/100g以上が電解液を保持するとい
う理由から好ましい。補強材としては各種の無機、有機
の球状、繊維状フィラーなどが使用できる。
【0049】電極は、活物質層を構成する材料を含有す
る塗料を集電体上に塗布・乾燥することによって製造す
ることができる。また、その後、活物質層を圧密処理に
供することもできる。塗料の組成や、乾燥条件、圧密条
件等を制御することによって、活物質層中におけるバイ
ンダーの体積分率は、制御することができる。必要に応
じて、活物質層と集電体との間の接着性を向上させるた
め、これらの間にアンダーコートプライマ層を設けるこ
とができる。
【0050】アンダーコートプライマー層を用いる場
合、その組成としてはカーボンブラック、グラファイ
ト、金属粉体などの導電性粒子を添加した樹脂や、導電
性の有機共役系樹脂を例示できる。好ましくは導電性粒
子に、活物質としても機能しうるカーボンブラック、グ
ラファイトを使用するとよい。また樹脂としても、活物
質として機能しうるポリアニリン、ポリピロール、ポリ
アセン、ジスルフィド系化合物、ポリスルフィド系化合
物などを用いると、容量を減少させないため好ましい。
導電性粒子を添加した樹脂を主成分とする組成の場合、
導電性粒子に対する樹脂の割合は、1−300重量%と
することが好ましい。低すぎると塗膜強度が低下して、
電池使用時、工程上での剥離などが生じることがある。
高すぎると伝導度が低下して電池特性が低下する傾向に
ある。特に好ましくは、5−100重量%の範囲とする
ことが好ましい。アンダーコートプライマー層の膜厚
は、通常0.05〜10μm、好ましくは0.1〜1μ
mである。薄すぎると塗布が困難になり均一性が確保し
にくくなる。厚すぎると電池の体積容量を必要以上に損
なう。
【0051】電解質は、正極と負極との間の電解質層の
構成成分として存在する。また、電解質は、通常イオン
移動相として電極の活物質中にも存在する。電解質とし
ては、例えば電解液、高分子固体電解質、ゲル状電解
質、無機固体電解質等各種の性状のものを用いることが
できる。一般に、高分子固体電解質、ゲル状電解質、無
機固体電解質等の非流動性電解質を使用すれば、電解質
のケース外部への漏れをより有効に防止することが可能
となる。特に、ケースとして形状可変性を有するものを
使用した場合、電解質がケース外部に漏れやすい傾向に
あるので、非流動性電解質を使用する効果が特に顕著で
ある。
【0052】一方、リチウム塩を非水系溶媒に溶解して
なる電解液は、流動性が高く、一般に非流動性電解質に
比べてイオン伝導性に優れる傾向にある。従って、電解
液を含む電解質を使用するのは、イオン伝導性を向上さ
せる点で好ましい。電解質として使用する電解液は、通
常支持電解質であるリチウム塩を非水系溶媒に溶解して
なる。非水系溶媒としては、比較的高誘電率の溶媒が好
適に用いられる。具体的にはエチレンカーボネート、プ
ロピレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチ
ルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチル
カーボネートなどの非環状カーボネート類、テトラヒド
ロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシ
エタン、ジフェニルエーテル等のエーテル類、γ−ブチ
ルラクトン等のラクトン類、スルフォラン等の硫黄化合
物、アセトニトリル等のニトリル類等を挙げることがで
きる。サイクル特性、レート特性、安全性等の電池特性
上、好ましくは、環状カーボネート類及び/又はラクト
ン類である。
【0053】本発明においては、電解液の溶媒として、
好ましくは常圧における沸点が150℃以上の非水系溶
媒(以下「高沸点溶媒」ということがある)を使用す
る。ここで、なお、「沸点がX℃以上」とは、圧力1a
tmのもとで室温からX℃まで加熱しても蒸気圧が1a
tmを越えないことを意味する。即ち、圧力1atmの
もとで室温から150℃まで加熱した場合、常に蒸気圧
が1atm以下である非水系溶媒を使用するのが好まし
い。その結果、より高いサイクル特性を得ることができ
るたり電池の安全性を向上させることができる。例え
ば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ
メトキシエタン等の溶媒からなる低沸点溶媒を使用する
場合、溶媒の気化により活物質と溶媒との間に気泡が発
生して電解液の含浸状態の低下し、界面の不均一性が生
じると共に、サイクル特性が低下しやすい傾向にある。
また、高沸点溶媒を使用することによって、電池要素を
形状可変性ケースに収納しても、高温下等での電池の形
状変化(変形)、電解液の揮発、漏洩等を抑制すること
もできる。このような高沸点溶媒としては、プロピレン
カーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボ
ネート、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。
【0054】なお、非水系溶媒は、粘度が1mPa・s
以上であることが好ましい。電解質に使用する支持電解
質であるリチウム塩としては、LiPF6、LiAs
6、LiSbF6、LiBF4、LiClO4、LiI、
LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2、Li
SCN、LiSO3CF2等を挙げることができる。これ
らのうちでは特にLiPF6及びLiClO4が好適であ
る。これら支持電解質の電解液における含有量は、通常
0.5〜2.5mol/lである。
【0055】上記電解液とゲル形成用のポリマーとから
ゲル状電解質を構成することができる。ゲル状電解質
は、通常、上記電解液をポリマーで保持してなる。ゲル
状電解質は、電解液と同程度のイオン導電性を付与する
ことできると共に、電解質を非流動化しているので、本
発明においては、特に好ましい電解質である。ゲル状電
解質におけるポリマーの電解液に対する濃度は、使用す
るポリマーの分子量にもよるが、通常0.1〜30重量
%である。濃度が低すぎるとゲルを形成しにくくなり、
電解液の保持性が低下して流動、液漏れの問題が生じる
ことがある。また濃度が高すぎると粘度が高くなりすぎ
て工程上困難を生じるとともに、電解液の割合が低下し
てイオン伝導度が低下しレート特性などの電池特性が低
下する傾向にある。電解質を保持するポリマーとして
は、ポリ(メタ)アクリレート系高分子や、アルキレン
オキシドユニットを有するアルキレンオキシド系高分
子、ポリフッ化ビニリデンやフッ化ビニリデン−ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体のようなフッ素系高分子
等、電解液をゲル化できる機能を有する各種のポリマー
を挙げることができる。
【0056】ゲル状電解質を形成する方法としては、あ
らかじめポリマーを電解液に溶解させた電解質塗料を非
流動化処理する方法や、電解液に重合性ゲル化剤を含有
させた電解質塗料を架橋反応させて非流動性電解質とす
る方法など必要に応じた材料・製法を採用することがで
きる。ゲル状電解質の形成を、電解液に重合性ゲル化剤
を含有させた塗料を架橋反応させる方法で行う場合に
は、紫外線硬化や熱硬化などの重合処理を施すことによ
って高分子を形成するモノマーとなる成分を重合性ゲル
化剤として電解液に添加することにより塗料を調製す
る。
【0057】重合性ゲル化剤としては、例えばアクリロ
イル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等の不
飽和二重結合を有するものが挙げられる。具体的には、
例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルア
クリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ポ
リエチレングリコールモノアクリレート、エトキシエチ
ルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エ
トキシエトキシエチルメタクリレート、ポリエチレング
リコールモノメタクリレート、N,N−ジエチルアミノ
エチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルア
クリレート、グリシジルアクリレート、アリルアクリレ
ート、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジ
エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレング
リコールジメタクリレート、テトラエチレングリコール
ジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリ
レート、ポリアルキレングリコールジアクリレート、ポ
リアルキレングリコールジメタクリレート、トリメチロ
ールプロパンアルコキシレートトリアクリレート、ペン
タエリスリトールアルコキシレートトリアクリレート、
ペンタエリスリトールアルコキシレートテトラアクリレ
ート、ジトリメチロールプロパンアルコキシレートテト
ラアクリレートなどが例示できる、これらは複数種を併
用することができる。これらの中で特に好ましくはエチ
レンオキシド基を複数含有するジアクリレート、トリア
クリレートである。電解液中における重合性ゲル化剤の
含有量は特に制限されないが、好ましくは1重量%以上
である。含有量が低いと高分子の形成効率が低下し、電
解液を非流動化しにくくなる。他方、あまりに多すぎる
と未反応モノマーの残留や電解質塗料としての操作性が
悪くなるので、通常30重量%以下とする。
【0058】ゲル状電解質を、あらかじめポリマーを含
有した電解質塗料を非流動化する方法によって形成させ
る場合においては、ポリマーとして、高温で電解液に溶
解し、常温でゲル状電解質を形成する高分子を使用する
のが好ましい。即ち、高温で電解液に溶解したポリマー
を常温にすることによってゲル状電解質とする。高温時
の温度としては通常50〜200℃、好ましくは100
〜160℃である。あまりにも低温で溶解するようであ
ると、ゲル状電解質の安定性が低下する。溶解温度が高
すぎると、電解液成分、ポリマー等の分解を引き起こす
ことがあり得る。非流動化の方法としては、電解液を室
温で放置することが好ましいが、強制冷却することもで
きる。使用できるポリマーとしては、例えば、ポリビニ
ルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドン等の環を有す
るポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル
酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メ
チル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメ
タクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導体
系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン
等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリ
デンシアニド等のCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系
ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハ
ロゲン含有ポリマー等が挙げられる。これらの中、好ま
しくはポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリ
ル、ポリエチレンオキシド、あるいはそれらの変性体を
使用する。上記のポリマーの混合物、変成体、誘導体、
ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、
ブロック共重合体等を使用することもできる。
【0059】これらのポリマーの重量平均分子量は、好
ましくは10,000〜5,000,000の範囲であ
る。分子量が低いとゲルを形成しにくくなり、他方、あ
まり分子量が高いと粘度が高くなりすぎて取り扱いが難
しくなる。これらのゲル状電解質を形成する方法の中で
は、電解液に重合性ゲル化剤を含有させた電解質塗料を
架橋反応させて非流動性電解質とする方法が、電極間の
密着性が向上し、本発明の効果が特に顕著となるため好
ましい。
【0060】電解質中には、必要に応じて、電池の性能
向上のために各種の添加剤を添加することができる。こ
のような機能を発現させる添加剤としては、特に限定は
されないが、トリフルオロプロピレンカーボネート、
1,6−ジオキサスピロ[4,4]ノナン−2,7−ジ
オン、12−クラウン−4−エーテル、ビニレンカーボ
ネート、カテコールカーボネート、無水コハク酸などが
挙げられる。
【0061】電解質層は、通常、多孔性シートからなる
スペーサ中に電解質を含浸させてなる。スペーサは、正
極と負極との間に設けられた多孔性の膜であり、これら
を隔離すると共に、電解質層を支持する。スペーサの材
料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオ
レフィン類や、これらの水素原子の一部又は全部がフッ
素原子で置換されたポリオレフィン類、ポリアクリロニ
トリル、ポリアラミド等の高分子を挙げることができ
る。好ましくは、ポリオレフィンやフッ素置換されたポ
リオレフィン類である。具体的には、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリテトトラフルオロエチレン、ポリフ
ッ化ビニリデン等を挙げることができる。無論、上記ポ
リマーのモノマーユニットを含む共重合体や、ポリマー
の混合物であってもよい。スペーサは、1軸延伸や2軸
延伸によって形成された延伸フィルムであってもよく、
また、不織布であってもよい。スペーサの膜厚は、通常
100μm以下、好ましくは50μm以下、さらに好ま
しくは30μm以下、最も好ましくは20μm以下であ
る。膜厚が大きすぎると電池のレート特性や体積エネル
ギー密度が低下する傾向にある。また、薄すぎる場合
は、剛性不足によって切断が困難になる傾向にあり、ま
た短絡が生じやすいので、通常5μm以上、好ましくは
7μm以上、さらに好ましくは8μm以上である。スペ
ーサの空隙率は、通常45−90%、好ましくは45−
75%である。空隙率が大きすぎると機械的強度が不足
し、小さすぎると電池のレート特性等が低下する傾向に
ある。
【0062】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明は下記実施例により何ら限定され
るものではなく、その要旨を変更しない範囲において適
宜変更し実施することができる。なお組成中の部は、重
量部を示す。 正極製造例1 コバルト酸リチウム90部、アセチレンブラック5部、
ポリフッ化ビニリデン5部及びN−メチル−2−ピロリ
ドン80部を混練機により2時間混練し正極塗料1とし
た。
【0063】次に、正極塗料1を20μm厚のアルミニ
ウム集電体基材上に、エクストルージョン型のダイコー
ティングによって塗布、乾燥し、活物質がバインダーに
よって集電体上に結着された多孔質膜からなる活物質層
を形成させた。ついで、ロールプレス(カレンダー)を
用いて圧密後、切断し、正極1とした。 負極製造例 グラファイト(粒径15μm)90部、ポリフッ化ビニ
リデン10部及びN−メチル−2−ピロリドン100部
を、混練機により2時間混練し負極塗料1とした。
【0064】次に、負極塗料1を20μm厚の銅集電体
基材上にエクストルージョン型のダイコーティングによ
って塗布、乾燥し、活物質がバインダーによって集電体
上に結着された多孔質膜からなる活物質層を形成させ
た。ついで、ロールプレス(カレンダー)を用いて圧密
後、切断し、負極1とした。 電解質塗料作成例1 1M濃度のLiPF6を含有する、エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート及びフェニルエーテルの混
合液(体積比率;エチレンカーボネート:プロピレンカ
ーボネート:フェニルエーテル=7.3:7.3:1)
925部、テトラエチレングルコールジアクリレート4
4部、ポリエチレンオキシドトリアクリレート22部、
重合開始剤2部及び添加剤(無水コハク酸)9部を混合
攪拌溶解し、電解質塗料1とした。 実施例1 正極1、負極1に電解質塗料1を塗布し、別に電解質塗
料1に浸したポリエチレン製多孔質フィルムを間に挟ん
で積層した後、90℃で10分加熱することにより電解
質を非流動化して、図9に示すような、正極、負極、及
び非流動化性電解質を有する平板状の単位電池要素を作
成した。
【0065】得られた単位電池要素を積層後、正極同士
ならびに負極同士の端子部を束ね、それぞれの端子部に
電流を取り出すリードを接続した。その後、アルミニウ
ム層の両面に樹脂層を有する厚さ約100μmのラミネ
ートフィルムを対向成形した図9のような外装材に収容
後、テトラエチレングルコールジアクリレート133
部、ポリエチレンオキシドトリアクリレート67部、重
合開始剤1部からなる絶縁材料を、正極端子部及び負極
端子部付近に適量注入して、正極端子部から負極端子部
に亘る電池要素側面全体を被覆した。ラミネートフィル
ムを真空シールで封入後、リードを取り出した辺を除く
接合片部(図5において、接合片部4Aに相当)を被包
部に沿うように折曲した。その後、電池を90℃で3分
間加熱して、絶縁材料による端子部の固着を行った。折
曲された接合片部は被包部の側壁部の市販のエポキシ系
接着剤で充分に接着した。このように作成した平板状電
池Aの電池容量は650mAhであった。
【0066】平板状電池Aに対して固着強度試験を行な
った。即ち、0.65Aの定電流で、公称使用電圧間の
充放電を3サイクル行った。放電状態の電池の厚みは
3.9mm(電池要素の総厚みは3.7mm)であっ
た。次に上限電圧を10Vに設定し、電池を3V状態か
ら1.8C(1.17A)の定電流で200分間充電し
続けた。その結果、被包部に固着した接合片部は、試験
後においても全く剥離せず、側壁に対して0度を維持し
ていた。また、試験後の電池の厚みは5.9mm(電池
要素の総厚みは5.7mm)であった。さらに、試験時
にガスの遺漏はなく、電池表面の最高温度は108℃で
あった。また、試験後の電池には、ガスによる電池の膨
れは全く観測されなかった。試験後の電池を加圧しても
外装材の破れによるガスの遺漏は観測されなかった。
【0067】続いて、平板状電池Aを用いて、上限電圧
を10Vに設定し、電池を放電状態から1.95Aの定
電流で120分間或いは3Aの定電流で80分間充電し
続けて過充電を行なった結果、電池表面の最高温度はそ
れぞれ、136℃、165℃となり、過充電状態での電
池の発煙、発火は観測されず、上記の平板状電池Aは高
電流下での過充電に耐えうる安全性の高い電池であるこ
とが判った。 比較例1 折曲された接合片部を被包部の側面に固着させなかった
こと以外は実施例1と同様にして平板電池Bを作成し、
固着強度試験を行った。平板状電池Bの公称容量は65
0mAhであった。
【0068】固着強度試験の結果、接合片部は、側壁部
に対して約90度に開いていた。試験時にはガスの漏洩
は全く観測されなかったが、試験後の電池の厚みは9.
2mm(電極の厚みは5.7mm)であり、大量のガス
の発生が観測された。なお、過充電時の電池表面の最高
温度は113℃であった。試験後に電池に圧力を加える
と外装材の破れ、ガスの漏洩が観測された。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、過充電時の安全性にか
かわる固有の問題を解明し、過充電時の電池の膨れを抑
制することにより、過充電時の使用機器の損傷ならびに
発生ガスによる使用機器の腐食や有機ガス等の有毒ガス
の漏洩を防止すると共に電池の安全性を向上させた二次
電池を提供することができる。従って、本質安全機能を
有する二次電池が実現し、仮に他の過充電対策を施さな
くても相対的により安全な二次電池とすることができ
る。また、他の過充電対策と併用することによってより
安全なリチウム二次電池とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る電池の分解斜視図である。
【図2】実施の形態に係る電池の要部の断面図である。
【図3】実施の形態に係る電池の電池要素を示す斜視図
である。
【図4】実施の形態に係る電池の斜視図(接合片部の固
着前)である。
【図5】実施の形態に係る電池の斜視図(接合片部の固
着後)である。
【図6】実施の形態に係るケースの断面図である。
【図7】電池が膨れる様子を示す模式的断面図である。
【図8】別の実施の形態に係るケースの断面図である。
【図9】別の実施の形態に係る電池の製造途中の斜視図
である。
【図10】さらに別の実施の形態に係る電池の製造途中
の斜視図である。
【図11】さらに異なる実施の形態に係る電池の製造途
中の斜視図である。
【図12】図11の製造途中の平面図である。
【図13】(A),(B)図はそれぞれ外装材を構成す
る複合材の一例を示す縦断面図である。
【図14】外装材を構成する複合材の他の例を示す縦断
面図である
【図15】単位電池要素の一例の模式的な断面図であ
る。
【図16】電池要素のタブ部分の拡大断面図である。
【図17】別の実施形態に係る電池の斜視図である。
【符号の説明】
1 電池要素 2、3、6、7、8 外装材 4a、4b タブ 4A、4F、4G 接合片部 4B 被包部 5 絶縁材料 11 正極 11a 正極活物質 12 負極 12b 負極活物質 13 非流動性電解質層 15a 正極集電体 15b 負極集電体 21 リード 22 正極集電体 23 正極活物質 24 スペーサ(電解質層) 25 負極活物質 26 負極集電体 40 金属層 41、42 合成樹脂層 43 接着剤層
フロントページの続き Fターム(参考) 5H011 AA01 AA13 CC02 CC06 CC10 DD03 DD06 DD14 KK00 5H028 AA07 BB01 BB04 BB05 CC02 EE06 HH00 5H029 AJ11 AJ12 AK02 AK03 AK05 AK16 AL02 AL07 AL12 AM00 AM03 AM04 AM05 AM07 AM11 AM16 BJ04 BJ12 CJ03 CJ05 DJ02 DJ03 EJ01 EJ12 HJ00 HJ12

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、負極及び電解質を有する電池要素
    が、外装材からなるケース内に密閉されてなり、 該ケースは、電池要素を被包してなる被包部と、前記外
    装材の少なくとも一部の周縁部同士が接合されてなる接
    合片部とを有してなる二次電池において、 少なくとも一部の前記接合片部が前記被包部に沿って折
    曲されてなり、且つ、 下記固着強度試験を行なった場合に、前記折曲された前
    記接合片部が、前記被包部に対して45度以下の角度を
    維持できる程度の強度で固着されてなることを特徴とす
    る二次電池。 固着強度試験 電池電圧が3Vにある電池を、上限電圧を10Vとした
    範囲で、1.8Cの電流で200分間充電し続ける。た
    だし、1Cは、電池電圧2.7Vから4.2V定電圧で
    電流値が0になるまで充電して得られた容量を1時間で
    放電するための電流値である。
  2. 【請求項2】 ケースは、側壁部及び上下底部を有し、
    少なくとも一部の接合片部が前記被包部の側壁部に沿っ
    て折曲されてなる請求項1に記載の二次電池。
  3. 【請求項3】 電池要素が、リチウム二次電池を含む請
    求項1又は2に記載の二次電池。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも一部の接合片部が、エポ
    キシ系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、
    ホットメルト系接着剤または合成ゴム系接着剤の群から
    選ばれる接着剤によって側壁部に接合されている請求項
    1乃至3のいずれか1つに記載の二次電池。
  5. 【請求項5】 外装材が合成樹脂層とガスバリア層とが
    積層されたラミネートフィルムよりなる請求項1乃至4
    のいずれか1つに記載の二次電池。
  6. 【請求項6】 電解質が、非流動性電解質を有する請求
    項1乃至5のいずれか1つに記載の二次電池。
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