JP7212470B2 - ラミネート電池及びラミネート電池の製造方法 - Google Patents

ラミネート電池及びラミネート電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ラミネート電池及びラミネート電池の製造方法に関し、特に紫外線硬化接着剤を使用するラミネート電池及びラミネート電池の製造方法に関する。
近年、電子機器の発展に伴い、小型で軽量、かつエネルギー密度が高く、更に繰り返し充放電可能なラミネート電池が主流となりつつある。
従来のラミネート電池では、一般に、金属封止体により電池本体を封止していた。しかし、金属封止体が小型化、軽量化されることができないため、金属封止体に代わって、フィルム封止体によって電池本体を封止する技術が開発された。
図1Aに示すように、このようなラミネート電池100として、一般には、フィルムを材料とする封止体2により電池本体1を封止する。封止体2は、通常、2つのフィルム又は1枚のフィルムを折り返した2つの部分2a、2bからなるものであり、当該2つのフィルム又は1枚のフィルムを折り返した2つの部分2a、2bを用いて電池本体1を覆うことにより、電池本体1を封止する封止体2が形成される。これにより、電池本体1を保護することができるとともに、ラミネート電池の小型化を図ることができる。
フィルムを材料とする封止体2により電池本体1を封止するラミネート電池100が利用される場合、電池本体1における電解質などが漏洩せず、かつ外部の空気や異物が封止体2に侵入しないように、封止体2を構成する2つのフィルム2a、2bを、電池本体1の側面から突出させ、2つのフィルム2a、2bの重畳の突出部分を溶着することにより、突出部3a、3bが形成される。さらに、封止体2の封止性を確保するために、貼り合わせの面積をできるだけ大きくする。
しかし、図1Bに示すように、上からラミネート電池100を平面視するとき、その突出部3の過剰な面積は、ラミネート電池100の大型化の要因となり、単位体積当たりのエネルギー効率が低くなるおそれがある。
これに鑑みると、図2Aに示すように、一般には、封止体2の突出部3a、3bの一部を折り曲げることにより、折り曲げ部分4a、4bが形成され、さらに折り曲げ部分4a、4bを電池本体1に接着して貼り合わせることで、ラミネート電池100の面積が減少し、ラミネート電池100の平面視したときの全体の面積を減少することができる。
しかし、封止体2が通常可撓性を有するフィルムから形成されるため、図2Bに示すように、折り曲げた折り曲げ部分4a、4bが電池本体1と固定されておらず、左右の折り曲げ部分4a、4bの折り曲げの角度が均一とならないおそれがある。さらに、折り曲げを繰り返すと、突出部3a、3bが脆くなり、折り曲げ部分4a、4bが断裂するおそれがある。
これにより、特許文献1には、熱融着材料により封止体2を形成する技術が提出されており、熱による曲り折げの製造方法により、突出部3a、3bの折り曲げ部分4a、4bが折り曲げられて電池本体1に固定することができる。ただし、時間の経過に伴い、熱融着材料からなる突出部3a、3bが変形する可能性があり、折り曲げ部分4a、4bは電池本体1と固定されなくなる。
このため、特許文献2には、解決策が提出されており、図3Aに示すように、まず突出部3a、3bに両面テープ5を貼付し、さらに、図3Bに示すように、突出部3a、3bを折り曲げて、折り曲げ部分4a、4bを形成した後、折り曲げ部分4a、4bは、両面テープ5の粘着性により、電池本体1と固定されることになる。
しかし、特許文献2の技術では、予め手作業で両面テープ5を貼付する必要があり、ラミネート電池の製造が困難となる。また、両面テープ5を貼付する位置が正確ではない場合、折り曲げ部分4a、4bと電池本体1との間で、適切に固定できなくなるおそれがある。さらに、一つのラミネート電池において、両面テープ5が貼付された位置がずれたら、左右両側の折り曲げ部分4a、4bの角度が異なる可能性があり、同一の規格のラミネート電池を製造することができない。また、折り曲げ部分4a、4bに両面テープ5が貼付された後、両面テープ5を完全に剥離することが難しいため、貼付が失敗したら、そのラミネート電池を廃棄しなければならず、製造のコストが高くなる。さらに、両面テープ5を高精度で折り曲げ部分4a、4bに貼付する工程は、時間がかかるため、製造効率が極めて低い。
特開2014-179171号公報 特開平11-67167号公報
これにより、本発明は、封止体の突出部が有する折り曲げ部分が確実に電池本体と固定されているとともに、ラミネート電池の製造効率を向上し、製造の時間を短縮し、必要がない工程を減少することができるラミネート電池及びラミネート電池の製造方法の提供を目的とする。
本発明の一つの実施形態に係るラミネート電池は、電池本体と、前記電池本体を封止する封止体と、を含み、前記封止体が、前記電池本体の側面から突出している突出部を有し、前記突出部が折り曲げられて形成された折り曲げ部分を有し、前記折り曲げ部分と前記電池本体の側面との間に、紫外線硬化接着剤が塗布されており、前記紫外線硬化接着剤が硬化することにより、前記折り曲げ部分と前記電池本体が固定されている。
本発明の一つの実施形態に係るラミネート電池は、前記紫外線硬化接着剤が、前記折り曲げ部分と前記電池本体の側面との間の全面に塗布されている。
本発明の一つの実施形態に係るラミネート電池は、前記紫外線硬化接着剤が、前記折り曲げ部分と前記電池本体の側面との間で点状に塗布されている。
本発明の一つの実施形態に係るラミネート電池は、前記紫外線硬化接着剤が、「I」字型に塗布されている。
本発明の一つの実施形態に係るラミネート電池は、硬化した前記紫外線硬化接着剤の高さ方向の寸法が、前記折り曲げ部分の高さ方向の寸法より高い。
本発明の一つの実施形態に係るラミネート電池は、硬化した前記紫外線硬化接着剤の高さ方向の寸法が、前記折り曲げ部分の高さ方向の寸法より低い。
本発明の一つの実施形態に係るラミネート電池は、前記折り曲げ部分が、前記折り曲げ部分がさらに折り曲げられて形成された第2突出部と、前記第2突出部が折り曲げられて形成された第2折り曲げ部分とを有する。
本発明の一つの実施形態に係るラミネート電池は、前記突出部が、さらに複数の階段状の突出部及び折り曲げ部分を有する。
本発明の一つの実施形態に係るラミネート電池の製造方法は、電池本体を封止し、前記電池本体の側面から突出されている突出部を有する封止体を形成する工程と、紫外線硬化接着剤を塗布する工程と、前記突出部を折り曲げ、折り曲げ部分を形成する工程と、前記紫外線硬化接着剤を硬化することにより、前記折り曲げ部分と前記電池本体を固定する工程とを有する。
本発明の一つの実施形態に係るラミネート電池の製造方法は、前記紫外線硬化接着剤を塗布する工程において、前記紫外線硬化接着剤が全面に塗布されている。
本発明の一つの実施形態に係るラミネート電池の製造方法は、前記紫外線硬化接着剤を塗布する工程において、前記紫外線硬化接着剤が点状に塗布されている。
本発明の一つの実施形態に係るラミネート電池の製造方法は、前記紫外線硬化接着剤を塗布する工程において、前記紫外線硬化接着剤が「I」字型に塗布されている。
本発明の一つの実施形態に係るラミネート電池の製造方法は、硬化した前記紫外線硬化接着剤の高さ方向の寸法が、前記折り曲げ部分の高さ方向の寸法より高い。
本発明の一つの実施形態に係るラミネート電池の製造方法は、硬化した前記紫外線硬化接着剤の高さ方向の寸法が、前記折り曲げ部分の高さ方向の寸法より低い。
本発明の一つの実施形態に係るラミネート電池の製造方法は、前記折り曲げ部分をさらに折り曲げて第2突出部を形成し、前記第2突出部をさらに折り曲げて第2折り曲げ部分を形成する工程を有する。
本発明の一つの実施形態に係るラミネート電池の製造方法は、前記突出部が、さらに複数の階段状の突出部及び折り曲げ部分を有する。
本発明の一つの実施形態に係る電子機器は、前記実施形態に記載するラミネート電池、又は前記実施形態に記載するラミネート電池の製造方法によって形成されるラミネート電池を含む。
本発明によれば、封止体の突出部が有する折り曲げ部分が確実に電池本体と固定されているとともに、ラミネート電池の製造効率を向上し、製造の時間を短縮することができるラミネート電池及びラミネート電池の製造方法を提供することができる。
図1Aは、従来のラミネート電池を示す正面図である。図1Bは、従来のラミネート電池を示す平面図である。 図2A、Bは、従来のラミネート電池の折り曲げ部分を示す正面図である。 図3A、Bは、従来のラミネート電池において両面テープを貼付して折り曲げ部分を固定する正面図である。 図4Aは、本発明に係るラミネート電池を示す立体図である。図4B~Eは、本発明に係るラミネート電池において突出部と折り曲げ部分の各種の変化を示す正面図である。 図5Aは、紫外線硬化接着剤を本発明に係るラミネート電池の突出部に塗布する正面図である。図5Bは、本発明に係るラミネート電池の折り曲げ部分と電池本体の側面の間に紫外線硬化接着剤を塗布する正面図である。 図6A~Cは、本発明に係るラミネート電池に各種の方式で紫外線硬化接着剤を塗布する平面図である。 図7A、Bは、本発明に係るラミネート電池の硬化した紫外線硬化接着剤の高さを示す正面図である。 図8A~Dは、本発明に係るラミネート電池を製造する製造装置を示す図である。 図9は、本発明に係るラミネート電池の製造方法のフローチャートである。
[ラミネート電池]
以下の説明では、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。図面において、同一の部分には同一の符号を付加するとともに、説明を省略する場合がある。なお、各図面の内容はあくまでも本発明の例示であり、本発明を限定するものではない。
本発明の実施形態に係るラミネート電池200は、図4Aに示すように、電池本体6と、電池本体6を封止する封止体7と、正極端子10と、負極端子11とを含む。以下の説明では、電池本体6が封止体7により封止されているが、説明の便宜上のため、特に説明するほか、封止体7により覆われている電池本体6の全体を「電池本体6」と称する場合がある。
電池本体6としては、例えば、非水電解液二次電池である。このような二次電池としては、例えば、リチウムイオンを吸蔵・放出可能なリチウム含有酸化物である正極活物質(LiCoO2などのリチウムコバルト酸化物やLiMn24などのリチウムマンガン酸化物、LiNiO2などのリチウムニッケル酸化物などのリチウム複合酸化物)、導電助剤及びバインダなどを含む正極合剤を、アルミニウム箔などからなる正極集電体上に塗布して乾燥させることによって形成された正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質(黒鉛類、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、金属、金属酸化物など)、導電助剤及びバインダなどを含む負極合剤を、銅箔などからなる負極集電体上に塗布して乾燥させることによって形成された負極と、セパレータと、非水電解液とを具備したリチウム二次電池が挙げられるが、これに限定することはない。
封止体7のフィルムとしては、例えば、最内層にあるアイオノマー等の熱融着性樹脂層、その熱融着性樹脂層を覆うアルミニウム箔等の金属箔、最外層にポリエチレンテレフタレートやナイロン等の前記金属箔を物理的衝撃から保護するための樹脂層から構成されている複合フィルム(ラミネートフィルム)を使用することができるが、これに限定することはない。なお、封止体7は、一般に2つのフィルムで電池本体6を覆うように形成されている。又は、1枚のフィルムを折り返して電池本体6を覆うように形成されていても良い。
電池本体6は、その側部における4つの側面と、その頂部における頂面と、その底部における底面とを有する。図4Aに示すように、電池本体6では、+X方向に向かう面を前側面61、-Y方向に向かう面を左側面62、+Y方向に向かう面を右側面63、-X方向に向かう面を後側面64、+Z方向に向かう面を頂面65、-Z方向に向かう面を底面66としている。以下の説明では、左側面62及び右側面63を「両側面62、63」と称する場合がある。
図4Aに示すように、正極端子10及び負極端子11は、電池本体6の前側面61から延伸している。しかし、正極端子10及び負極端子11は、電池本体6の前側面61から延伸するものとは限らず、電池本体6の後側面64から延伸してもよい。また、正極端子10及び負極端子11は、一般に封止体7を構成する2つのフィルムが貼合される部分から延伸するものであるが、これに限定することはなく、電池本体6の側面における何れかの箇所から封止体7を貫通して延伸してもよい。また、図4Aに示すラミネート電池200では、電池本体6と、突出部8a、8bの折り曲げ部分9a、9bは、紫外線硬化接着剤12により固定されている。
図4B、4Cは、電池本体6の後側面64からラミネート電池200を見る正面図である。図4Bに示すように、封止体7は、電池本体6の底面66において、電池本体6の左側面62及び右側面63から突出している2つの突出部8a、8bを有する。
さらに、図4Cに示すように、封止体7の2つの突出部8a、8bのそれぞれは、所定の角度で折り曲げられて形成されている折り曲げ部分9a、9bを有する。また、図4Dに示すように、その折り曲げの角度は、90度(すなわち、電池本体6の両側面62、63と平行する)とは限らず、当業者が必要に応じて自由に調整することができる。なお、折り曲げ部分9a、9bの長さ(折り曲げ箇所から突出部の先端までの寸法)は、当業者が必要に応じて自由に調整することができる。
また、図4Eに示すように、変化例として、折り曲げ部分9a、9bは、さらに折り曲げられて形成された第2突出部81a、81bと、第2突出部81a、81bがさらに折り曲げられて形成された第2折り曲げ部分91a、91bを有することができる。これにより、階段状の突出部及び折り曲げ部分が形成されることができる。上述のように、折り曲げを繰り返すと、複数の階段状の折り曲げ部分が形成されることができ、当業者が必要に応じて自由に設定することができる。
図5Aに示すように、突出部8a、8bを折り曲げる前に、突出部8a、8bに紫外線硬化接着剤12を塗布することができる。紫外線硬化接着剤12が突出部8a、8bの全面に塗布されることができるが、突出部8a、8bにおける折り曲げ部分9a、9bを形成しようとする部分にのみ塗布してもよい。また、突出部8a、8bにおける折り曲げ部分9a、9bを形成しようとする部分以外の箇所に塗布してもよい。また、図5Bに示すように、突出部8a、8bを折り曲げて、折り曲げ部分9a、9bを形成した後、紫外線硬化接着剤12は、折り曲げ部分9a、9bのそれぞれと電池本体6の左側面62及び右側面63との間に囲まれる空間内に塗布されてもよい。なお、紫外線硬化接着剤12の塗布の時点について特に限定することはない。
なお、紫外線硬化接着剤12の塗布方式について、図6Aに示すように、紫外線硬化接着剤12が全面に塗布されることにより、折り曲げ部分9a、9bと電池本体6を固定する安定性を確保することができる。また、図6Bに示すように、紫外線硬化接着剤12が点状に塗布されることにより、折り曲げ部分9a、9bと電池本体6との固定性を確保するとともに、紫外線硬化接着剤12の使用量を節約することができる。さらに、図6Cに示すように、紫外線硬化接着剤12が「I」字型に塗布されることにより、折り曲げ部分9a、9bと電池本体6の辺縁部における固定性を確保するとともに、他の脱落しにくい部分における紫外線硬化接着剤12の使用量を節約することができる。ただし、以上に説明した各紫外線硬化接着剤12の塗布方式は、あくまでも例示であり、当業者が必要に応じて自由に紫外線硬化接着剤12の塗布方式を変更することができる。
紫外線硬化接着剤は、安定性がよく、紫外線により照射されると容易に固化される性質を有し、塗布する箇所を誤ったり、又は塗布量が多すぎたりする場合、容易に紫外線硬化接着剤を除去して塗布しなおすことができるため、折り曲げ部分9a、9bと電池本体6を固定するものとしては好適である。
紫外線硬化接着剤の材料として、一般には、光硬化機能を有する接着剤が使用され、さらに水硬化する機能を備えていてもよい。例えば、ポリウレタンプレポリマー、反応性稀釈剤、光開始剤、レベリング剤、重合禁止剤、シランカップリング剤等からなるもの、又はこれらの少なくとも三種類からなるものが挙げられ、例えば、DYMAX社の9481-E、9482、9101、9103、POLYTE社のUV2137DC、UV2322DC、UV257DC、DELO社のAD491、GE4919を採用することができるが、これらに限定することはない。
折り曲げ部分9a、9bを所定の角度で折り曲げて、折り曲げ部分9a、9bと電池本体6の両側面62、63との間に紫外線硬化接着剤12を塗布した後、紫外線硬化接着剤12が硬化することにより、折り曲げ部分9a、9bは、電池本体6と固定されることとなり、ラミネート電池200が形成されることができる。ここで「折り曲げ部分と電池本体が固定されている」とは、折り曲げ部分9a、9bが、紫外線硬化接着剤12により、電池本体6の両側面62、63を覆う封止体7を介して電池本体6と固定されていることを意味し、折り曲げ部分9a、9bは、「直接」に電池本体6の両側面62、63に固定されているわけではなく、折り曲げ部分9a、9bと電池本体6の両側面62、63との間に他のものがあっても構わない。
紫外線硬化接着剤12を硬化する方法としては、紫外線を照射することにより、紫外線硬化接着剤を硬化させるものがある。紫外線の光源としては、波長400nmの光を600mW/cm2の強度で照射するものを有するが、これに限定することはない。当業者が紫外線硬化接着剤12の種類に応じて照射波長、強度、照射時間を自由に変更することができる。
また、図7Aに示すように、折り曲げ部分9a、9bと電池本体6が固定されているとき、硬化した紫外線硬化接着剤12の高さ方向の寸法が折り曲げ部分9a、9bの高さ方向の寸法より高くてもよく、折り曲げ部分9a、9bの高さ方向の寸法と同一でもよい。或いは、図7Bに示すように、硬化した紫外線硬化接着剤12の高さ方向の寸法が折り曲げ部分9a、9bの高さ方向の寸法より低くてもよく、当業者が必要に応じて自由に設定することができる。
図7Aに示すように、硬化した紫外線硬化接着剤12の高さ方向の寸法が折り曲げ部分9a、9bの高さ方向の寸法より高い場合(高さ方向の寸法が同一である場合も含む)、ラミネート電池200の両側面62、63が他の物体と衝突するとき、電池本体6の端部(図7AのR部分)の破損を防止することができる。また、図7Bに示すように、硬化した紫外線硬化接着剤12の高さ方向の寸法が折り曲げ部分9a、9bの高さ方向の寸法より低い場合、紫外線硬化接着剤12の使用量を節約することができる。
実施形態に係るラミネート電池200によれば、ラミネート電池を小型化することができる。紫外線硬化接着剤12は、ラミネート電池200の両側面62、63が衝突したときの保護層となることができ、電池本体6の破損を防止することができる。
さらに、先行技術において、手作業で両面テープを貼付して固定される技術と比べて、実施形態の紫外線硬化接着剤12の塗布は、自動化的工程(これについては後述)により行うことができ、製造の時間が減少し、ラミネート電池200を製造する工程の複雜化を防ぐことができる。紫外線硬化接着剤12の固定性がよいため、左右の折り曲げ部分9a、9bの折り曲げの角度が変化することを防ぐことができる。また、折り曲げ部分9a、9bは、紫外線硬化接着剤12により、電池本体6と固定されていることで、重複に折り曲げられた折り曲げ部分9a、9bの脆化を防止することができる。さらに、硬化前の紫外線硬化接着剤12を容易に除去することができるため、紫外線硬化接着剤12が塗布されている位置が間違っても、紫外線硬化接着剤12を容易に除去し、塗布しなおすことができ、そのラミネート電池200を廃棄する必要がなく、製造コストを節約することができる。
[ラミネート電池の製造方法]
さらに、実施形態に係るラミネート電池の製造方法について説明する。
図8Aに示すように、ラミネート電池200の製造装置300は、電池本体6を封止する封止体7を保持するためのステージ31と、封止体7の突出部8a、8bを折り曲げて折り曲げ部分9a、9bを形成するための冶具40a、40bと、紫外線硬化接着剤12を塗布するための塗布機50a、50bと、光源60とを有する。なお、製造装置300の構成は、あくまでも例示であり、当業者が必要に応じてその配置又は構成を変更することができる。
図9は、実施形態に係るラミネート電池200の製造方法のフローチャートである。以下、図8及び図9を参照しながら、実施形態に係るラミネート電池200の製造方法を説明する。
まず、図8Aに示すように、電池本体6を封止し、電池本体6の底面66において電池本体6の両側面62、63から突出されている突出部8a、8bを有する封止体7を形成する(S901)。
続く、図8Bに示すように、塗布機50a、50bにより、突出部8a、8bに紫外線硬化接着剤12を塗布する(S902)。ここで、一つの塗布機50を用いて、突出部8aの上方で紫外線硬化接着剤12を塗布した後、突出部8bの上方に移動し、紫外線硬化接着剤12を塗布してもよい。
さらに、図8Cに示すように、冶具40a、40bにより、封止体7の突出部8a、8bを所定の角度で折り曲げて、折り曲げ部分9a、9bを形成する(S903)。ここで、図8Bには、折り曲げの角度が90度であるものが例示されているが、これに限定することはない。このとき、冶具40a、40bは、折り曲げ部分9a、9bを折り曲げたままの状態で、次の工程に進む。
また、上述した紫外線硬化接着剤を塗布する工程(図8B、S902)と、突出部を折り曲げて折り曲げ部分を形成する工程(図8C、S903)との順を、交換することができる。
最後に、図8Dに示すように、光源60により紫外線600を照射し、紫外線硬化接着剤12を硬化することにより、折り曲げ部分9a、9bと電池本体6を固定する(S904)。ここで、当業者が紫外線硬化接着剤12の種類に応じて光源60の照射波長、強度、照射時間を自由に変更することができる。
実施形態に係るラミネート電池の製造方法によれば、小型化、軽量化のラミネート電池200を製造することができる。先行技術における手作業で両面テープを貼付して固定する技術と比べて、実施形態に係るラミネート電池200の製造方法は、自動化で紫外線硬化接着剤12を塗布・硬化することができるため、ラミネート電池200を製造する時間を短縮し、ラミネート電池を製造する工程の複雜化を防ぐことができる。また、先行技術において熱融着材料により形成された突出部と比べて、実施形態に係るラミネート電池200の製造方法は常温で行うことができるため、電池本体が熱にさらされることを防ぐことができる。
本発明に係るラミネート電池200は、様々な電子機器に応用されることができる。その電子機器は、例えば、パソコン、ノートパソコン、タブレット、携帯電話、スマートフォン、カメラなどが挙げられるが、その応用に何らの制限がない。
[実施例と先行技術との比較]
さらに、本発明に係るラミネート電池の製造方法によりラミネート電池を製造し、先行技術の比較例と比較し、その結果が表1に示されている。
[実施例1]:DELO社のGE4919型の紫外線硬化接着剤を用いて、本発明に係るラミネート電池の折り曲げ部分と電池本体の側面との間に塗布した後、紫外線(400nm、600mW/cm2)を4秒間照射することにより、折り曲げ部分と電池本体を固定した。
[実施例2]:DELO社のAD491型の紫外線硬化接着剤を用いて、本発明に係るラミネート電池の折り曲げ部分と電池本体の側面との間に塗布した後、紫外線(400nm、600mW/cm2)を4秒間照射することにより、折り曲げ部分と電池本体を固定した。
[比較例1]:紫外線硬化接着剤を用いずに、両面テープを手作業で上記の実施例1、実施例2に係る紫外線硬化接着剤が塗布されたサイズにカットして同じ箇所に貼付し、折り曲げ部分を電池本体に貼り合わせて固定した。
[比較例2]:折り曲げ部分を折り曲げるだけで、何らの粘着材も使用しなかった。
Figure 0007212470000001
ここで、表1における「幅の変化量(%)」とは、ラミネート電池が製造された後、一週間を経た後における電池の幅(Y方向の電池寸法)の変化量である。具体的には、100×(製造後1週間経た後のY方向の電池寸法-製造直後のY方向の電池寸法)/製造直後のY方向の電池寸法(%)の計算式で求めた。表1からみると、粘着材が使用されていない比較例2は、一週間を経ると、電池の幅の変化量が激しく、折り曲げ部分と電池本体が固定されることができないとわかる。両面テープが使用された比較例1は、折り曲げ部分と電池本体が固定されることができるが、一週間を経ると、電池の幅がわずかに変化し、安定性を確保することができない。これに対し、本発明に係る実施例1、実施例2のラミネート電池は、一週間を経ても、電池の幅が全く変化しない。したがって、本発明に係るラミネート電池では、折り曲げ部分を確実に電池本体と固定することができる。
製造時間について、本発明に係る実施例1、実施例2が自動化的工程で行うことができるため、平均30秒で製造することができる。これに対し、比較例1が手作業で両面テープを貼付する必要があるため,平均の製造時間は153秒である。したがって、本発明に係るラミネート電池の製造方法では、製造時間を大幅に低減することができる。
以上の説明では、好ましい実施形態を例として本発明を説明したが、その実施形態はあくまでも例示であるため、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載及びその均等の範囲で定められる。
100 ラミネート電池
1 電池本体
2 封止体
3 突出部
4 折り曲げ部分
5 両面テープ
6 電池本体
7 封止体
8 突出部
9 折り曲げ部分
200 ラミネート電池
61 前側面
62 左側面
63 右側面
64 後側面
65 頂面
66 底面
10 正極端子
11 負極端子
12 紫外線硬化接着剤
81 第2突出部
91 第2折り曲げ部分
300 製造装置
31 ステージ
40 冶具
50 塗布機
60 光源
600 紫外線

Claims (12)

  1. 電池本体と、
    前記電池本体を封止する封止体と、を含み、
    前記封止体が、前記電池本体の側面から突出している突出部を有し、
    前記突出部が折り曲げられて形成された折り曲げ部分を有し、
    前記折り曲げ部分と前記電池本体の側面との間に、紫外線硬化接着剤が塗布されており、
    前記紫外線硬化接着剤が硬化することにより、前記折り曲げ部分と前記電池本体が固定され、
    硬化した前記紫外線硬化接着剤の高さ方向の寸法が、前記折り曲げ部分の高さ方向の寸法より低く、
    前記折り曲げ部分の端部が、前記紫外線硬化接着剤で覆われていないラミネート電池。
  2. 前記紫外線硬化接着剤が、前記折り曲げ部分と前記電池本体の側面との間の全面に塗布されている請求項1に記載するラミネート電池。
  3. 前記紫外線硬化接着剤が、前記折り曲げ部分と前記電池本体の側面との間で点状に塗布されている請求項1に記載するラミネート電池。
  4. 前記紫外線硬化接着剤が、「I」字型に塗布されている請求項1に記載するラミネート電池。
  5. 前記折り曲げ部分が、前記折り曲げ部分がさらに折り曲げられて形成された第2突出部と、前記第2突出部が折り曲げられて形成された第2折り曲げ部分とを有する請求項1に記載するラミネート電池。
  6. 前記突出部が、さらに複数の階段状の突出部及び折り曲げ部分を有する請求項1に記載するラミネート電池。
  7. 電池本体を封止し、前記電池本体の側面から突出されている突出部を有する封止体を形成する工程と、
    紫外線硬化接着剤を塗布する工程と、
    前記突出部を折り曲げ、折り曲げ部分を形成する工程と、
    前記紫外線硬化接着剤を硬化することにより、前記折り曲げ部分と前記電池本体を固定する工程とを有し、
    硬化した前記紫外線硬化接着剤の高さ方向の寸法が、前記折り曲げ部分の高さ方向の寸法より低く、
    前記折り曲げ部分の端部が、前記紫外線硬化接着剤で覆われていないラミネート電池の製造方法。
  8. 前記紫外線硬化接着剤を塗布する工程において、前記紫外線硬化接着剤が全面に塗布されている請求項7に記載するラミネート電池の製造方法。
  9. 前記紫外線硬化接着剤を塗布する工程において、前記紫外線硬化接着剤が点状に塗布されている請求項7に記載するラミネート電池の製造方法。
  10. 前記紫外線硬化接着剤を塗布する工程において、前記紫外線硬化接着剤が「I」字型に塗布されている請求項7に記載するラミネート電池の製造方法。
  11. 前記折り曲げ部分をさらに折り曲げて第2突出部を形成し、前記第2突出部をさらに折り曲げて第2折り曲げ部分を形成する工程を有する請求項7に記載するラミネート電池の製造方法。
  12. 前記突出部が、さらに複数の階段状の突出部及び折り曲げ部分を有する請求項7に記載するラミネート電池の製造方法。
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