JP2002236202A - 光散乱シート用樹脂組成物及びそれの液晶表示分野への使用 - Google Patents

光散乱シート用樹脂組成物及びそれの液晶表示分野への使用

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JP2002236202A
JP2002236202A JP2001033589A JP2001033589A JP2002236202A JP 2002236202 A JP2002236202 A JP 2002236202A JP 2001033589 A JP2001033589 A JP 2001033589A JP 2001033589 A JP2001033589 A JP 2001033589A JP 2002236202 A JP2002236202 A JP 2002236202A
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liquid crystal
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JP2001033589A
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Taku Honda
卓 本多
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 未硬化部の発生を防ぐための空気遮断膜を容
易に設置可能とすることで、性能未発現部の発生をなく
し、もって、従来よりも薄くすることができる光散乱シ
ート及びその原料となる樹脂組成物を提供し、さらには
その光散乱シートを利用して、従来よりも薄い積層シー
ト及び液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 互いに屈折率が0.01以上異なる熱硬
化性樹脂と光硬化性樹脂の混合物からなる光散乱シート
用樹脂組成物が提供される。この樹脂組成物をシート状
に形成し、熱硬化及び光硬化の処理を施して光散乱シー
トが製造される。この光散乱シートは、別の樹脂シート
21,22,23等と積層して積層シートとされ、さら
に液晶セル41と組み合わせて、反射型又は半透過半反
射型の液晶表示装置とされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光散乱シート用樹
脂組成物、それを用いた光散乱シート及びその製造方
法、並びに、その光散乱シートを用いた積層シート及び
液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂組成物に紫外線を照射して光散乱板
又は光制御板を作製する方法は、例えば、特許第 25835
19号公報や特許第 2691543号公報に開示されている。こ
れらの公報に記載の方法は、操作が簡便である一方で、
光散乱能の高い製品が得られることから、かかる光散乱
板又は光制御板は多方面に用途展開が進んでいる。例え
ば、液晶表示装置における前方散乱シートとしての用途
も、その一つである。
【0003】これらの光散乱板や光制御板は、重合性炭
素−炭素二重結合を有する化合物の複数からなる樹脂組
成物を原料とし、紫外線照射により光硬化させることで
形成される。現在、広く用いられている紫外線硬化樹脂
は、アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する化合
物であり、その硬化システムは、ラジカル重合系であ
る。ラジカル重合系は、酸素により重合阻害を受けるた
め、例えば、基材上に原料樹脂組成物をシート状に形成
し、次いで一般の環境下で紫外線を照射すると、塗膜表
面は空気中の酸素の影響を受け、未硬化のまま残ってし
まう。この未硬化部は、後工程で硬化させることはでき
るものの、表面から深さ約50μm まで、性能の発現し
ない領域ができる。これを避けるため、窒素雰囲気下で
紫外線を照射することが考えられるが、十分な窒素置換
をするためには窒素の流量を増やさねばならず、ランニ
ングコストが上昇する。また、紫外線照射時に空気遮断
膜を付与することも考えられるが、シート状に形成され
た液状物の塗工厚みが均一となるように空気遮断膜を付
与するのは、一般に困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、未硬化部の
発生を防ぐための空気遮断膜を容易に設置可能とするこ
とで、性能未発現部の発生をなくし、もって、従来より
も薄くすることができる光散乱シート及びその原料とな
る樹脂組成物を提供し、さらにはその光散乱シートを利
用して、従来よりも薄い積層シート及び液晶表示装置を
提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第一
の見地によれば、互いに屈折率が0.01以上異なる熱
硬化性樹脂と光硬化性樹脂の混合物からなる光散乱シー
ト用樹脂組成物が提供される。ここで使用される熱硬化
性樹脂と光硬化性樹脂は、未硬化状態では互いに相溶
し、混合すると透明な樹脂組成物となるものであること
が好ましい。さらに、用途を広げるためには、無色であ
ることが好ましい。
【0006】また、熱硬化性樹脂は、分子内に官能基と
して少なくとも水酸基及び/又はカルボキシル基を有す
る第一の化合物と、分子内に少なくともイソシアナート
基を有する第二の化合物との混合物であるのが好まし
く、さらに、水酸基及びカルボキシル基から選ばれる官
能基を有する上記第一の化合物は、上記官能基を少なく
とも2個有するのが、またイソシアナート基を有する第
二の化合物は、イソシアナート基を少なくとも2個有す
るのが、より好ましい。
【0007】一方、光硬化性樹脂は、分子内に少なくと
もアクリロイル基を有する化合物であるのが好ましく、
さらに、この化合物はフェニル基及び/又はブロモ基を
有するのがより好ましい。
【0008】本発明の第二の見地によれば、上記した互
いに屈折率が0.01以上異なる熱硬化性樹脂と光硬化
性樹脂の混合物からなる樹脂組成物をシート状に形成
し、次いで熱硬化処理を施した後、光硬化処理を施すこ
とによって、光散乱シートを製造する方法が提供され、
また、シート状に形成された上記の樹脂組成物に、熱硬
化及び光硬化の処理を施してなる光散乱シートが提供さ
れる。この際、熱硬化処理後の硬化膜の表面に空気遮断
膜を設け、その後光硬化処理を施すことにより、光硬化
時の酸素による重合阻害を避けることができる。したが
って、得られる光散乱シートは、表面に未硬化層ないし
は性能未発現領域の残らないものとなり、一層の薄肉化
が可能である。この光散乱シートは、光線入射角度によ
らず、一定の光散乱能を有するようにすることもできる
し、光線入射角度によって光散乱能が変化するようにす
ることもできる。
【0009】また、本発明の第三の見地によれば、上記
の光散乱シートを用いた積層シートが提供される。具体
的な形態の一つは、上記の光散乱シートが2枚の樹脂シ
ートの間に挟持されてなる積層シートであり、別の形態
は、光学異方性のある樹脂シートと上記の光散乱シート
とが積層されてなる積層シートである。ここで、光学異
方性のある樹脂シートは、偏光フィルム又は位相差フィ
ルムであってよく、またその位相差フィルムは、1/4
波長フィルム又は1/2波長フィルムであってよい。も
ちろん、偏光フィルムと位相差フィルムの両者を前記光
散乱シートに積層することもでき、特に液晶表示装置に
使用する目的では、偏光フィルムと、少なくとも1枚の
位相差フィルムと、前記の光散乱シートとが積層されて
なる積層シートとすることができる。
【0010】また積層シートの別の形態として、前記の
光散乱シートが反射性フィルム又は半透過半反射性フィ
ルムと積層されてなる積層シートも提供される。この場
合、さらに偏光フィルムを積層して、この偏光フィルム
と、前記の光散乱シートと、反射性フィルム又は半透過
半反射性フィルムとの少なくとも3層が積層されてなる
積層シートとしてもよい。
【0011】さらに、本発明の第四の見地によれば、こ
れらの積層シートを用いた液晶表示装置も提供される。
具体的な形態の一つは、偏光フィルムと、少なくとも1
枚の位相差フィルムと、前記の光散乱シートとが積層さ
れてなる積層シートを、液晶セルの前面に積層してなる
液晶表示装置である。この場合、液晶セルの背面にも偏
光フィルムを積層し、必要に応じて位相差フィルムをも
積層し、さらにその背面に背面照明装置を配置すること
ができる。
【0012】また別の形態として、液晶セルの前面に偏
光フィルムを積層し、必要に応じて位相差フィルムをも
積層し、液晶セルの背面には、前述した第三の見地から
特定される態様の一つである、前記の光散乱シートと、
反射性フィルム又は半透過半反射性フィルムとが積層さ
れ、必要に応じて偏光フィルムも積層された積層シート
を積層してなる液晶表示装置も提供される。この場合、
液晶セルの背面には、上記の積層シートとともに位相差
フィルムを積層することもでき、さらに必要に応じて、
その背面に背面照明装置を配置することもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明を明確にするため、以下に
詳細な説明を行う。本発明の光散乱シート用樹脂組成物
は、互いに屈折率が0.01以上異なる熱硬化性樹脂と
光硬化性樹脂の混合物からなる。熱硬化性樹脂と光硬化
性樹脂との屈折率の差は、0.01以上であることが必
要であり、より好ましくは0.05以上である。熱硬化
性樹脂と光硬化性樹脂の混合比は、重量比率で10:9
0から90:10の範囲にあるのが好ましく、さらには
30:70から70:30の範囲であるのがより好まし
い。
【0014】本発明で用いることができる熱硬化性樹脂
は、熱により硬化するものであれば特に限定されず、例
えば、水酸基を有する化合物とイソシアナート基を有す
る化合物との混合物、カルボキシル基を有する化合物と
イソシアナート基を有する化合物との混合物、カルボキ
シル基を有する化合物とグリシジルエーテル基を有する
化合物との混合物、アミノ基を有する化合物とグリシジ
ルエーテル基を有する化合物との混合物、フェノール類
とホルムアルデヒドとの混合物、メラミンとホルムアル
デヒドとの混合物など、公知の化合物の各種組合せを使
用することができる。これらの化合物及び混合物は、互
いに相溶するように選択される。熱硬化性樹脂を構成す
る化合物の主骨格も特に限定されず、ポリエーテル類や
ポリエステル類、アクリル共重合体、メタクリル共重合
体などを、単独重合体や2種以上の共重合体として使用
することができる。水酸基又はカルボキシル基を有する
化合物とイソシアナート基を有する化合物との混合物か
らなる熱硬化性樹脂は、設計の自由度が高く、好ましい
組合せの一つである。
【0015】水酸基及び/又はカルボキシル基を有する
化合物のさらに具体的な例を挙げると、水酸基を有する
化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ペン
タエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチ
ロールプロパンなどの単独又は共重合されたポリエーテ
ルポリオールや、これらのいずれか1種又は2種以上と
多価カルボン酸との反応生成物であるポリエステルポリ
オールなどのポリオール類があり、カルボキシル基を有
する化合物としては、ポリエーテルポリカルボン酸やポ
リエステルポリカルボン酸のようなポリカルボン酸類が
ある。また、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、アミルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、シ
クロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレートのよ
うなアルキルアクリレート類、又はメチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ア
ミルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、オクチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリ
レート、ベンジルメタクリレートのようなアルキルメタ
クリレート類からなるアルキル(メタ)アクリレート系
モノマーと、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
イタコン酸のような不飽和カルボン酸類や、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルア
ミドのようなヒドロキシル基含有モノマーなどの官能基
含有モノマーとの共重合体を、水酸基及び/又はカルボ
キシル基を有する化合物とすることもできる。このよう
に、熱可塑性樹脂の成分として、水酸基及び/又はカル
ボキシル基を有する化合物を用いる場合、この化合物
は、分子内に水酸基及びカルボキシル基から選ばれる官
能基を少なくとも2個有するのが好ましい。
【0016】次に、イソシアナート基を有する化合物の
具体的な例を挙げると、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、
2,6−ジイソシアナートヘキサン酸メチル(リジンジ
イソシアネートとも呼ばれる)のような脂肪族イソシア
ネート類、イソホロンジイソシアネート、3−(2−イ
ソシアナートシクロヘキシル)プロピルイソシアネー
ト、ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、イ
ソプロピリデンビス(シクロヘキシルイソシアネー
ト)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネ
ート、ビシクロヘプタントリイソシアネートのような脂
環式イソシアネート類、トリレンジイソシアネート、ト
リフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシ
アナートフェニル)チオフォスフェート、フェニレンジ
イソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ジフ
ェニルエーテルジイソシアネートのような芳香族イソシ
アネート類などがあり、これらを単量体で、又はビュレ
ット体やアダクト体などの多量体で使用することができ
る。このように、熱硬化性樹脂の成分として、イソシア
ネート化合物を用いる場合、この化合物は、分子内に少
なくとも2個のイソシアナート基を有するのが好まし
い。イソシアネート化合物は、熱硬化の際、水酸基及び
/又はカルボキシル基を有する化合物に対して、架橋剤
として作用する。
【0017】熱硬化性樹脂として、分子内に水酸基及び
カルボキシル基から選ばれる官能基を有する化合物と、
分子内にイソシアナート基を有する化合物との混合物を
用いる場合、両者の割合は、それぞれに含まれる官能基
の数ないしは量によっても変動するので、一概には決め
られないが、およその目安を示すと、前者100重量部
に対して、後者が0.1〜10重量部程度である。
【0018】一方、光硬化性樹脂も、光照射により硬化
するものであれば特に限定されず、アクリロイル基、メ
タクリロイル基、アリル基など、光重合性官能基である
炭素−炭素二重結合を有する化合物を使用することがで
きる。なかでも、アクリロイル基を有する化合物は、反
応性が高く、好ましい化合物である。アクリロイル基を
有する化合物の具体的な例を挙げると、アクリル酸、メ
チルアクリレートやエチルアクリレート、プロピルアク
リレートのようなアルキルアクリレート類、エチレング
リコールジアクリレート、プロピレングリコールジアク
リレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、
メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシポ
リエチレングリコールアクリレート、エトキシエチレン
グリコールアクリレート、エトキシポリエチレングリコ
ールアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,
9−ノナンジオールジアクリレート、シクロヘキシルア
クリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレー
ト、ベンジルアクリレート、ナフチルアクリレート、フ
ェノキシエチルアクリレート、フェノキシポリエチレン
グリコールアクリレート、エチレンオキサイド変性ノニ
ルフェノキシアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェ
ノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエ
チルフタレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ−又はテトラ−アクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、
ネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステル、
ビスフェノールAエチレンオキサイド変性ジアクリレー
ト、ビスフェノールAプロピレンオキサイド変性ジアク
リレート、ビスフェノールAグリシジルエーテルアクリ
ル酸付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性
グリシジルエーテルアクリル酸付加物、ビスフェノール
Aプロピレンオキサイド変性グリシジルエーテルアクリ
ル酸付加物、トリブロモフェニルアクリレート、エチレ
ンオキサイド変性トリブロモフェニルアクリレート、エ
チレンオキサイド変性テトラブロモビスフェノールAジ
アクリレートなどが挙げられる。また、これらの化合物
のアクリロイル基がメタクリロイル基又はアリル基に置
き換えられた化合物を使用することもできる。
【0019】なお、熱硬化性樹脂に使用される化合物の
官能基が、光硬化性樹脂に使用される化合物にも含まれ
る場合、例えば、両樹脂にそれぞれ水酸基を有する化合
物が使用される場合には、光硬化性樹脂として使用され
る化合物が、熱硬化システムに対して過剰となるように
するのが好ましい。また、熱硬化性樹脂としては、通常
2種類以上の化合物の混合物が用いられるが、熱硬化性
樹脂の量は、それらの合計量で考える。同様に、光硬化
性樹脂として2種類以上の化合物の混合物を用いる場合
も、光硬化性樹脂の量は、それらの合計量で考える。
【0020】本発明においては、熱硬化性樹脂と光硬化
性樹脂の屈折率差を0.01以上にすることが必要であ
る。それぞれの樹脂の屈折率は、原料化合物ないしモノ
マーの屈折率で考えればよく、2種以上の化合物を組み
合わせて用いる場合は、それらの加重平均をとればよ
い。一般に、熱硬化性樹脂として使用される化合物の屈
折率は1.50以下であるものが多い。したがって、光
硬化性樹脂の屈折率を高く設定することは、設計の自由
度を増すことになる。光硬化性樹脂の屈折率を上げるた
めには、例えば、フェニル基を有する化合物やブロモ基
を有する化合物を使用するのが好ましい。
【0021】これらの熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂と
は、未硬化状態では互いに相溶し、透明な樹脂組成物を
形成するものであるのが好ましい。この樹脂組成物に
は、必要に応じて、n−ヘキサンやシクロヘキサン、エ
タノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、N−メチルピロリドン、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、エチルセロ
ソルブ、ブチルセロソルブなどの溶剤を配合し、希釈し
て使用してもよい。また、樹脂組成物の安定性や硬化被
膜の耐久性を向上させるため、公知の各種添加剤、例え
ば、重合禁止剤や酸化防止剤、紫外線吸収剤のような安
定剤、可塑剤、フィラーなどを添加することもできる。
さらに、光硬化性樹脂の光反応性を上げるため、通常は
光重合開始剤が配合される。光重合開始剤としては公知
の各種のものを用いることができ、例えば、ベンゾフェ
ノン、ベンジル、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキ
サントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンジ
ルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチルプロ
ピオフェノン、1−ヒドロキシシクヘキシルフェニルケ
トンなどが挙げられる。光重合開始剤を用いる場合、そ
の量は、光硬化性樹脂を構成する光重合性官能基である
炭素−炭素二重結合を有する化合物100重量部に対し
て、通常0.1〜10重量部程度である。
【0022】以上説明したような、熱可塑性樹脂と光硬
化性樹脂との混合物である樹脂組成物をシート状に形成
し、次いで熱硬化及び光硬化の処理を施すことにより、
光散乱シートが製造される。この光散乱シートは、光線
入射角度によらず、一定の光散乱能を有するようにする
こともできるし、光線入射角度により光散乱能を変化さ
せることもできる。
【0023】樹脂組成物をシート状に形成する方法は特
に限定されず、公知の方法を使用することができる。具
体的には例えば、ダイコーターやコンマロールコータ
ー、ブレードコーター、ロールコーター、グラビアコー
ターなどを使用して、基材上に上記の樹脂組成物を塗布
する方法が有利に使用される。ここで用いる基材は、樹
脂組成物に浸食されない材質であれば制限なく使用でき
る。塗布厚みは、溶剤希釈率等によっても異なるため、
一概に規定できないが、乾燥皮膜厚みが10μm以上5
00μm 以下となるように調整するのが好ましい。乾燥
皮膜厚みは、要求される性能が発現する範囲で薄い方が
好ましい。
【0024】樹脂組成物を熱硬化させる方法は、使用す
る熱硬化性樹脂の硬化条件や樹脂組成物の溶剤希釈状態
に合わせて、公知の方法を用いることができる。例え
ば、樹脂組成物が溶剤を含む場合には、その溶剤の沸点
以下の温度で乾燥し、溶剤を揮発させた後、熱硬化性樹
脂の硬化開始温度まで昇温し、熱硬化反応を行わせる。
熱硬化性樹脂の硬化開始温度が希釈溶剤の沸点以下であ
れば、気泡が生じない範囲で、希釈溶剤の揮発と熱硬化
反応を平行して行うこともできる。
【0025】希釈溶剤の揮発除去が完了し、熱硬化によ
り樹脂組成物が硬化被膜を形成した後であれば、その硬
化被膜上に空気遮断膜を付与することができる。ここ
で、空気遮断膜を付与する際の硬化被膜は、その熱硬化
反応が必ずしも完了している必要はなく、空気遮断膜の
付与に支障のない硬度まで被膜が硬化していればよい。
熱硬化性樹脂の未硬化分が問題となる場合には、空気遮
断膜を付与した後で熱養生させることで、熱硬化を完了
させればよい。熱硬化後の被膜に適用される空気遮断膜
は、紫外線を透過するものであれば特に制限なく使用す
ることができる。例えば、ポリエチレンやポリプロピレ
ンのようなポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹
脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
トやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル系
樹脂、ノルボルネン又はその誘導体の重合体のような環
状ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポ
リサルフォン系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、
ポリアリレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリメ
タクリレート系樹脂などの合成高分子、又は、二酢酸セ
ルロースや三酢酸セルロースのようなセルロース系樹脂
などの天然高分子から成形されるシートを使用すること
ができる。
【0026】ここまでの熱硬化及び空気遮断膜付与、ま
た追加の熱養生を行う場合はそこまでの工程では、樹脂
組成物及び熱硬化被膜に紫外線が照射されないよう注意
を払う必要がある。特に空気遮断膜を付与した後では、
空気中の酸素による光重合阻害効果がなくなるため、紫
外線を遮断した環境で作業を行う必要がある。
【0027】空気遮断膜を付与し、必要に応じて熱硬化
性樹脂の熱養生を行った後、光硬化処理を行う。光硬化
処理は、特許第 2583519号公報、特許第 2691543号公
報、特開平 6-11606号公報などに記載の方法に準じて行
うことができる。すなわち、照射光源には、紫外線を発
するランプとして、水銀ランプやメタルハライドランプ
などを用いる。被照射面から見て照射光源の視角が全方
位に対して5°以内であれば、角度依存性のない光散乱
シートが生成される。照射光源が棒状であり、その長軸
方向の視角が5°よりも大きく、好ましくは12°より
も大きければ、光散乱能に角度依存性のある光散乱シー
トが生成される。さらに、樹脂組成物に到達する光線の
波長が実質的に400nm以下、好ましくは365nm以
下、さらに好ましくは313nm以下であれば、光散乱能
を有する角度範囲を広くすることができる。
【0028】こうして得られる光散乱シートは、取扱い
の容易さから、図1に断面構成概略を示すように、2枚
の樹脂シート24,24の間に光散乱シート11が挟持
された積層シートとして、保管又は使用することができ
る。樹脂シート24,24には、光散乱シートを作製す
る際に使用した基材及び空気遮断膜をそのまま使用して
もよいし、他の樹脂シートに貼り替えて使用してもよ
い。また、液晶表示装置に使用するに際しては、図2に
断面構成概略を示すように、光学異方性のある樹脂シー
ト24と光散乱シート11を積層した積層シートとする
ことができる。樹脂シート24の材質は特に制限され
ず、公知の各種樹脂シートが使用できる。例えば、ポリ
エチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系樹
脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポ
リエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート
のようなポリエステル系樹脂、ノルボルネン系重合体の
ような環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリエーテルサルフォン
系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリビニルアルコール
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリレート系樹
脂、ポリメタクリレート系樹脂などの合成高分子、さら
には、二酢酸セルロースや三酢酸セルロースのようなセ
ルロース系樹脂などの天然高分子が使用できる。また樹
脂シート24は、感圧接着剤であってもよい。この場合
には、アクリル系感圧接着剤、塩化ビニル系感圧接着
剤、合成ゴム系感圧接着剤、天然ゴム系接着剤、シリコ
ーン系接着剤などが使用できる。
【0029】図2の形態で用いられる光学異方性のある
樹脂シート24とは、光の吸収や反射、位相、波長など
の所望とする光学特性に対して、空間的に異方性を有す
る樹脂シートを指す。例えば、光学異方性のある樹脂シ
ートとして、偏光フィルムや位相差フィルムが挙げられ
る。偏光フィルムとしては、公知のものが使用でき、ポ
リビニルアルコール樹脂にヨウ素又は二色性染料を吸着
配向させたものが多く用いられる。ポリビニルアルコー
ル樹脂は耐水性に劣るため、保護フィルムで被覆されて
いるのが好ましく、保護フィルムには通常、三酢酸セル
ロース樹脂が使用される。したがって、例えば、光散乱
シートを作製する際に三酢酸セルロース樹脂からなるフ
ィルムを空気遮断膜として使用し、作製された光散乱シ
ートと三酢酸セルロース樹脂フィルムの積層シートを、
偏光フィルムの保護フィルムとして、染色されたポリビ
ニルアルコール樹脂フィルムとさらに積層し、偏光フィ
ルムと光散乱シートとの積層シートとしてもよい。位相
差フィルムも公知のものでよく、ポリカーボネート樹
脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹
脂、ポリアリレート樹脂、ノルボルネン系樹脂、二酢酸
セルロース樹脂、三酢酸セルロース樹脂などを延伸した
ものや、これらの樹脂フィルムに液晶性物質や無機物を
配向塗工したものなどが使用される。ここで、延伸を行
う場合には公知の方法が採用でき、ロール間延伸のよう
な縦延伸や、テンター延伸のような横延伸が多く用いら
れる。延伸方向は一軸でもよいし二軸でもよく、さらに
厚み配向していてもよい。延伸により作製される位相差
フィルムの位相差値は、所望の特性に合わせて適宜決定
されるが、反射型又は半透過半反射型液晶表示装置に使
用する際には、100〜1,000nmの範囲のものが通
常用いられる。また、1/4波長フィルム又は1/2波
長フィルムを使用することは、好ましい形態の一つであ
る。樹脂フィルムに液晶性物質を配向塗工した位相差フ
ィルムとしては、例えば、富士写真フィルム株式会社製
の商品名“ワイドビュー”フィルムや日本石油化学株式
会社製の商品名“日石LCフィルム”などが挙げられ
る。
【0030】本発明の光散乱シートを、特に反射型又は
半透過半反射型液晶表示装置の前方散乱板として使用す
る際には、偏光フィルムと少なくとも1枚の位相差フィ
ルムと光散乱シートを積層して使用するのが好ましい。
例えば、TFT(薄膜トランジスタ)駆動反射型液晶表
示装置であれば、図3、図4及び図5に断面構成概略を
示すように、偏光フィルム21と1/2波長フィルム2
2と1/4波長フィルム23とがこの順に積層され、さ
らに図6に軸角度概略を示すように、1/2波長フィル
ムの光軸82と1/4波長フィルムの光軸83が略60
°の角度で交差するとともに、偏光フィルムの吸収軸8
1と1/2波長フィルムの光軸82が略15°の角度で
交差する、いわゆる広帯域円偏光フィルムを、光散乱シ
ート11と積層したシートを使用するのが好ましい。
【0031】図3においては、偏光フィルム21と1/
2波長フィルム22と1/4波長フィルム23とが、そ
れぞれ感圧接着剤31を介して積層され、1/4波長フ
ィルム23の側でさらに光散乱フィルム11の上に積層
された構造となっている。図4も図3とほぼ同様である
が、光散乱フィルム11の両面に感圧接着剤31の層が
設けられ、その一方の層で1/4波長フィルム23に接
着された構造となっている。また、図5は、光散乱フィ
ルム11の両面に感圧接着剤31の層が設けられ、その
一方の層に1/2波長フィルム22が、さらにその上に
感圧接着剤31を介して偏光フィルム21がそれぞれ積
層され、他方の層に1/4波長フィルム23が積層さ
れ、さらにその1/4波長フィルム23の反対側にも、
感圧接着剤31の層が設けられた構造となっている。
【0032】本発明の光散乱シートを、特に反射型又は
半透過半反射型液晶表示装置の半透過半反射板として使
用する際には、この光散乱シートと、反射性フィルム又
は半透過半反射性フィルムとが積層されてなる積層シー
トとして使用することができる。また、偏光フィルムと
光散乱シートと反射性フィルム又は半透過半反射性フィ
ルムとが積層されてなる積層シートの使用も好ましい。
ここでいう反射性フィルムとは、入射光線を反射するフ
ィルムを意味する。また半透過半反射性フィルムとは、
入射光線の一部を透過し、残りの一部を反射するフィル
ムを意味する。全入射光線に対して、透過及び反射され
ない残りの部分は半透過半反射層により吸収され、有効
利用できなくなるため、この吸収は極力小さい方が好ま
しい。
【0033】偏光フィルムと光散乱シートと反射性フィ
ルム又は半透過半反射性フィルムとが積層された積層シ
ートの例を、図7に断面構成概略で示す。この図では、
基材26に金属薄膜25を付設したものが反射性フィル
ム又は半透過半反射性フィルムを構成しており、その上
に、光散乱シート11、偏光フィルム21及び感圧接着
剤31がこの順で積層されている。反射性フィルム又は
半透過半反射性フィルムとしては、図7に示すような基
材26に金属薄膜25を付設したもののほか、2種以上
の高分子薄膜を多層積層して構成されるものなどを使用
することもできる。これらの層をそれぞれ単独で、又は
2層以上積層して使用することができ、2層以上を積層
する場合は、同一の層を使用してもよいし、異なる層を
使用してもよい。
【0034】反射性フィルム又は半透過半反射性フィル
ムに用いられる基材の材質は特に限定されない。例え
ば、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフ
ィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系
樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフ
タレートのようなポリエステル系樹脂、ノルボルネン系
重合体のような環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボ
ネート系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリエーテルサ
ルフォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリビニルア
ルコール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリレー
ト系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂などの合成高分
子、さらには、二酢酸セルロースや三酢酸セルロースの
ようなセルロース系樹脂などの天然高分子が使用でき
る。また、アルミニウム、銀、ステンレスなどの金属薄
膜を直接、反射性フィルム又は半透過半反射性フィルム
とすることもできる。
【0035】反射性フィルム又は半透過半反射性フィル
ムにおける金属薄膜として使用される金属は特に限定さ
れないが、アルミニウム、銀などが好適に用いられる。
この金属薄膜の膜厚は、所望とする透過性能及び反射性
能に応じて調整される。すなわち、半透過半反射層に対
して、透過率を高くすることを重視し、もって反射率を
低くすることを目的とすれば、金属薄膜を薄くすること
で、透過率を高く維持し、反射率を低くすることができ
る。逆に、反射率を高くすることを重視し、もって透過
率を低くすることを目的とすれば、金属薄膜を厚くする
ことで、透過率を低くし、反射率を高くすることができ
る。そこで、金属薄膜の膜厚は、通常、1nm以上100
μm 以下であり、さらには10nm以上1μm 以下の厚み
が好適に使用される。透明高分子フィルムに金属薄膜を
付設する方法としては、蒸着法やスパッタ法が好適に用
いられるが、金属を薄く圧延したフィルムを感圧型を含
む接着剤などにより貼合してもよい。金属薄膜を樹脂体
に付設するに際しては、密着性向上のために公知のアン
ダーコート層を設けてもよいし、金属薄膜の保護のため
に公知のオーバーコート層を設けてもよい。
【0036】高分子薄膜を多層積層して、半透過半反射
層とする場合、その高分子薄膜の材質は特に限定され
ず、前述の基材に使用することのできる樹脂として例示
したものが、同様に使用できる。高分子薄膜を多層積層
して反射性能を付与するには、例えば、J. A. RADFORD
らによる“POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE”,13号
(1973年),216頁 に記載の方法を適用することができ
る。
【0037】本発明の積層シートを作製する際には、各
部材の界面で発生する反射による光のロスを低減するた
めに、感圧接着剤を用いて密着積層するのが好ましい。
感圧接着剤には公知のものが使用でき、例えば、アクリ
レート系感圧接着剤、メタクリレート系感圧接着剤、塩
化ビニル系感圧接着剤、合成ゴム系感圧接着剤、天然ゴ
ム系接着剤、シリコーン系接着剤などが使用できる。こ
れらの感圧接着剤の中でも、アクリレート系感圧接着剤
は、ハンドリング性や耐久性の点から特に好ましい。
【0038】本発明の積層シートを使用する液晶表示装
置の一形態を、図8に断面構成概略で示す。この例で
は、偏光フィルム21と位相差フィルム22,23と光
散乱シート11とが積層された積層シートを液晶セル4
1の前面に積層して、反射型液晶表示装置51が構成さ
れている。ここで用いる積層シート自体は、図3に示し
たものと同じであり、偏光フィルム21と1/2波長フ
ィルム22と1/4波長フィルム23とが、それぞれ感
圧接着剤31を介して積層され、1/4波長フィルム2
3の側でさらに光散乱フィルム11の上に積層された構
造になっている。また、液晶セル41は、液晶33をセ
ル内に注入したものであり、電圧印加により液晶の配向
状態を変化させることで、セル内を透過する偏光光を直
線偏光から円偏光へ、あるいは円偏光から直線偏光へと
状態を連続的に変化させるものである。このような液晶
セルとしては、公知のTN(ねじれネマチック)液晶セ
ル、STN(超ねじれネマチック)液晶セル、OCB
(光学補償ベンド)液晶セルなどが使用できる。図8で
は、対向する2枚のガラス板32,32及び側面壁(番
号なし)によってセルを構成し、前面側ガラス板には透
明電極34を、及び背面側ガラス板には反射電極35を
配置し、当該セルの中に液晶33が注入された状態で、
液晶セル41が構成されている。
【0039】本発明の積層シートを使用する液晶表示装
置の別の形態を、図9に断面構成概略で示す。この例で
は、偏光フィルム21と位相差フィルム22,23と光
散乱シート11とが積層された積層シートを液晶セル4
2の前面に積層し、一方、液晶セル42の背面には偏光
フィルム21と位相差フィルム23とを積層し、さらに
その背面に背面照明装置60を配置して、半透過半反射
型液晶表示装置52が構成されている。このタイプにお
いて、液晶セル42背面の位相差フィルム23は、必要
に応じて設けられる。
【0040】この例における液晶セル42の前面に積層
される積層シートの構成は、図8の例と同様である。こ
の場合の液晶セルとしても、公知のTN液晶セル、ST
N液晶セル、OCB液晶セルなどが使用できる。液晶セ
ル42は、対向する2枚のガラス板32,32及び側面
壁(番号なし)によりセルを構成し、前面側ガラス板に
は透明電極34を、及び背面側ガラス板には半透過半反
射電極36を配置し、当該セルの中に液晶33が注入さ
れた状態となっている。液晶セルの背面に配置する半透
過半反射電極36には、半透過半反射の金属又は多層薄
膜電極を使用してもよいし、金属完全反射膜に部分的に
微細な穴を開けて光線が一部通過するように加工した電
極を使用してもよい。
【0041】液晶セル42の背面には、位相差フィルム
23が感圧接着剤31を介して積層され、さらにその背
面に感圧接着剤31を介して偏光フィルム21が積層さ
れている。液晶セル42の背面側偏光フィルム21のさ
らに背面に配置される背面照明装置60は、レンズシー
ト61と、拡散シート62と、導光板63と、導光板6
3に光を入射するための光源64と、光源64からの光
を導光板63に集めるための反射板65と、導光板63
を通った光の大部分を液晶セル側に集めるための反射シ
ート66とで構成されている。
【0042】本発明の積層シートを使用する液晶表示装
置のさらに別の形態を、図10に断面構成概略で示す。
この例では、液晶セル43の前面に、偏光フィルム21
と位相差フィルム23を積層し、一方、液晶セル43の
背面には、偏光フィルム21と、光散乱フィルム11
と、基材26に金属薄膜25を付設した反射性フィルム
又は半透過半反射性フィルムとが積層されてなる積層シ
ートを積層している。さらに必要に応じて、その背面に
背面照明装置60を配置して、全体の液晶表示装置53
が構成されている。このタイプにおいて、液晶セル43
前面の位相差フィルム23は、必要に応じて設けられ、
また、液晶セル43の背面に、偏光フィルム21ととも
に位相差フィルムを積層することもある。この例におけ
る液晶セル43は、対向する2枚のガラス板32,32
及び側面壁(番号なし)によってセルを構成し、前面側
ガラス板に透明電極34を、及び背面側ガラス板にも透
明電極37を配置し、セルの中に液晶33が注入された
状態となっている。この液晶セル43は、電圧印加によ
り液晶の配向状態を変化させることで、セル内を透過す
る偏光光を旋光し、あるいは複屈折率を利用して、透過
光の偏光状態を変換するものであり、通常の透過型液晶
表示装置に使用されている液晶セルがそのまま使用でき
る。背面照明装置60の構成は、図9に示したものと同
様であり、通常の透過型又は半透過半反射型液晶表示装
置に使用されている背面照明装置がそのまま使用でき
る。
【0043】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示すが、本発明は
これらの実施例によって限定されるものではない。例
中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ない限
り重量基準である。また、例中で光散乱シートの作製に
用いた樹脂成分は、次のとおりである。
【0044】(1) 熱硬化性樹脂構成成分 (1-1) 熱硬化性樹脂 商品名“アロンタック S-3403” : 東亞合成株式会社
製、分子内に2個以上の水酸基を有するアクリル共重合
体のトルエン/n−ヘキサン混合溶剤希釈液、固形分4
0±1%、固形分屈折率1.47。
【0045】(1-2) 架橋剤 商品名“スミジュール N3200”: 住友バイエルウレタ
ン株式会社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュ
レット体、屈折率1.50。
【0046】(2) 光硬化性樹脂構成成分 (2-1) 光硬化性樹脂 商品名“ライトアクリレート P-200A” : 共栄社化学
株式会社製、フェノキシポリエチレングリコールアクリ
レート、屈折率1.51。 商品名“ライトアクリレート BP-4EA” : 共栄社化学
株式会社製、ビスフェノールAのエチレンオキサイド変
性ジアクリレート、屈折率1.54。 商品名“ニューフロンティア BR-30”: 第一工業製薬
株式会社製、トリブロモフェニルアクリレート、屈折率
1.58。
【0047】(2-2) 光重合開始剤 商品名“ダロキュア 1173” : チバ・スペシャルティ
・ケミカルズ株式会社製、2−ヒドロキシ−2−メチル
プロピオフェノン。
【0048】実施例1 “アロンタック S-3403”を20g、“ライトアクリレ
ート P-200A”を5g、トルエンを5g、及び“ダロキ
ュア 1173”を0.5g取って調合し、薬匙で均一に攪拌
した後、さらに、“スミジュール N3200”の10%トル
エン溶液を5g添加し、均一に攪拌して樹脂組成物を調
液した。この樹脂組成物において、熱硬化性樹脂と光硬
化性樹脂の配合重量比は63:37であり、熱硬化性樹
脂の屈折率は、原料の“アロンタック S-3403”及び
“スミジュール N3200”の加重平均により1.47と見
積もられ、光硬化性樹脂の屈折率は、原料の“ライトア
クリレート P-200A”から1.51である。
【0049】この樹脂組成物を用い、以下の(A)及び
(B)に示す処理を行って光散乱シートを作製した。
【0050】(A)溶剤揮発、熱硬化処理及び空気遮断
膜付与 基材として、188μm 厚ポリエチレンテレフタレート
フィルムの片面に離型剤がコートされたもの(商品名
“PET 188CL”、リンテック株式会社製)を用いた。そ
の離型処理面が上側となるように、基材の両端を市販の
粘着テープで実験台に固定した。次いで樹脂組成物を基
材上に流し、両端の粘着テープにガラス棒の両端をかけ
ながら樹脂組成物を引き延ばすことで、樹脂組成物をシ
ート状に形成した。ドラフト内に常温で2時間放置する
ことで、溶剤を揮発除去させるとともに熱硬化を進行さ
せた。次いで、空気遮断膜として、38μm 厚ポリエチ
レンテレフタレートフィルムに離型剤がコートされたも
の(商品名“PET 38CL”、リンテック株式会社製)を、
離型面が熱硬化被膜側となるように、ハンドローラーを
使用して密着積層した。
【0051】(B)光硬化処理 図11に概略を示すように、80W/cmの棒状高圧水銀
ランプ71(日本電池株式会社製、型式 HAL400NL 、発
光長40cm)をコンベア75の50cm上に配置した。ラ
ンプ71の上方に反射ミラー72を置き、ランプ71の
直下に2cm幅の開口を有する鉄板73を置いて、紫外線
照射強度を調節した。紫外線照射開始角度は、遮光板7
4の位置により調節した。遮光板74は、ランプ71、
反射ミラー72及び鉄板73を含む光源系全体を覆うよ
うに配置されたランプハウス76の内側から張り出して
いる。基材15と空気遮断膜16に挟持された熱硬化被
膜12を透明アクリル板17に固定し、これをコンベア
75上に設置し、移動させることで、光硬化処理を行っ
た。コンベア75は、20cm/分で駆動させた。
【0052】さらに、得られた光散乱シートについて、
以下の(C)に示す方法で評価を行い、結果を表1及び
図13に示した。
【0053】(C)光散乱特性の評価 図12に概略を示すように、BYKガードナー社製“ヘ
ーズガードプラス”の積分球92から4cm離した場所
に、上記(B)の処理で得られた基材15と空気遮断膜
16に挟持された光散乱シート11を置いて、光源91
から発せられる光93が入射する角度θを−30°から
+30°まで変化させ、それぞれの入射角度におけるヘ
イズ率を測定した。そして、ヘイズ率の最大値を求め、
またヘイズ率50%以上を示す角度幅を「光散乱能を有
する角度幅」として、それぞれ評価した。
【0054】実施例2 樹脂組成物をシート状に形成するときに使用した粘着テ
ープの厚みを変えた以外は、実施例1と同様の操作によ
り光散乱シートを作製した。得られた光散乱シートにつ
いて実施例1と同様の方法で評価を行い、結果を表1及
び図13に示した。
【0055】実施例3 “アロンタック S-3403”を20g、“ライトアクリレ
ート P-200A”を5g、“ニューフロンティア BR-30”
を2.5g、トルエンを5g、及び“ダロキュア1173”
を0.5g取って調合し、薬匙で均一に攪拌した後、さ
らに“スミジュール N3200”の10%トルエン溶液を5
g添加し、均一に攪拌して樹脂組成物を調液した。この
樹脂組成物において、熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂の配
合重量比は53:47であり、熱硬化性樹脂の屈折率
は、原料の“アロンタック S-3403”及び“スミジュー
ル N3200”の加重平均により1.47と見積もられ、光
硬化性樹脂の屈折率は、原料の“ライトアクリレート P
-200A”及び“ニューフロンティア BR-30”の加重平均
により1.53と見積もられる。この樹脂組成物を用い
て、シート状に形成するときに使用した粘着テープの厚
みを変える以外は、実施例1と同様の方法で光散乱シー
トを作製した。得られた光散乱シートについて実施例1
と同様の方法で評価を行い、結果を表1及び図14に示
した。
【0056】実施例4 樹脂組成物をシート状に形成するときに使用した粘着テ
ープの厚みをさらに変えた以外は、実施例3と同様の操
作により光散乱シートを作製した。得られた光散乱シー
トについて実施例3と同様の方法で評価を行い、結果を
表1及び図14に示した。
【0057】実施例5 “アロンタック S-3403”を20g、“ライトアクリレ
ート P-200A”を7.5g、トルエンを5g及び“ダロキ
ュア 1173”を0.5g取って調合し、薬匙で均一に攪拌
した後、さらに“スミジュール N3200”の10%トルエ
ン溶液を5g添加し、均一に攪拌して樹脂組成物を調液
した。この樹脂組成物において、熱硬化性樹脂と光硬化
性樹脂の配合重量比は53:47であり、熱硬化性樹脂
の屈折率は、原料の“アロンタック S-3403”及び“ス
ミジュール N3200”の加重平均により1.47と見積も
られ、光硬化性樹脂の屈折率は、原料の“ライトアクリ
レート P-200A”から1.51である。この樹脂組成物を
用いて、シート状に形成するときに使用した粘着テープ
の厚みを変える以外は、実施例1と同様の方法で光散乱
シートを作製した。得られた光散乱シートについて実施
例1と同様の方法で評価を行い、結果を表1及び図15
に示した。
【0058】実施例6 樹脂組成物をシート状に形成するときに使用した粘着テ
ープの厚みをさらに変えた以外は、実施例5と同様の操
作により光散乱シートを作製した。得られた光散乱シー
トについて実施例5と同様の方法で評価を行い、結果を
表1及び図15に示した。
【0059】実施例7 “アロンタック S-3403”を20g、“ライトアクリレ
ート P-200A”を7.5g、“ニューフロンティア BR-3
0”を2.5g、トルエンを5g及び“ダロキュア 117
3”を0.5g取って調合し、薬匙で均一に攪拌した後、
さらに“スミジュール N3200”の10%トルエン溶液を
5g添加し、均一に攪拌して樹脂組成物を調液した。こ
の樹脂組成物において、熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂の
配合重量比は46:54であり、熱硬化性樹脂の屈折率
は、原料の“アロンタックS-3403”及び“スミジュール
N3200”の加重平均により1.47と見積もられ、光硬
化性樹脂の屈折率は、原料の“ライトアクリレート P-2
00A”及び“ニューフロンティア BR-30”の加重平均に
より1.53と見積もられる。この樹脂組成物を用い
て、シート状に形成するときに使用した粘着テープの厚
みを変える以外は、実施例1と同様の方法で光散乱シー
トを作製した。得られた光散乱シートについて実施例1
と同様の方法で評価を行い、結果を表1及び図16に示
した。
【0060】実施例8 樹脂組成物をシート状に形成するときに使用した粘着テ
ープの厚みをさらに変えた以外は、実施例7と同様の操
作により光散乱シートを作製した。得られた光散乱シー
トについて実施例7と同様の方法で評価を行い、結果を
表1及び図16に示した。
【0061】実施例9 “アロンタック S-3403”を20g、“ライトアクリレ
ート BP-4EA”を7.5g、“ニューフロンティア BR-3
0”を2.5g、トルエンを5g及び“ダロキュア 117
3”を0.5g取って調合し、薬匙で均一に攪拌した後、
さらに“スミジュール N3200”の10%トルエン溶液を
5g添加し、均一に攪拌して樹脂組成物を調液した。こ
の樹脂組成物において、熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂の
配合重量比は46:54であり、熱硬化性樹脂の屈折率
は、原料の“アロンタックS-3403”及び“スミジュール
N3200”の加重平均により1.47と見積もられ、光硬
化性樹脂の屈折率は、原料の“ライトアクリレート BP-
4EA”及び“ニューフロンティア BR-30”の加重平均に
より1.55と見積もられる。この樹脂組成物を用い
て、シート状に形成するときに使用した粘着テープの厚
みを変える以外は、実施例1と同様の方法で光散乱シー
トを作製した。得られた光散乱シートについて実施例1
と同様の方法で評価を行い、結果を表1及び図17に示
した。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、熱硬化性樹脂と
光硬化性樹脂の両者を含む構成としたので、シート状に
形成した後、熱硬化させて、空気遮断膜を付与し得る程
度の硬さとし、そこに空気遮断膜を付与した状態で光硬
化処理を行うことができる。そのため、この樹脂組成物
を用いれば、表面に性能の発現しない領域が残らないよ
うにすることができるので、従来よりも薄い光散乱シー
トの製造が可能となる。こうして得られる光散乱シート
は、薄くしても性能が発現するため、取扱いが容易とな
り、それを他のシート又はフィルムと組み合わせた積層
シートは、反射型又は半透過半反射型液晶表示装置に使
用した場合に、液晶表示装置の薄型化を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層シートの一例を示す断面模式
図である。
【図2】本発明に係る積層シートの別の例を示す断面模
式図である。
【図3】本発明に係る積層シートのもう一つ別の例を示
す断面模式図である。
【図4】本発明に係る積層シートのさらに別の例を示す
断面模式図である。
【図5】本発明に係る積層シートのさらにもう一つ別の
例を示す断面模式図である。
【図6】積層シートに用いる偏光フィルムの吸収軸と1
/2波長フィルムの光軸と1/4波長フィルムの光軸と
がなす軸角度を示す模式図である。
【図7】本発明に係る積層シートのさらに別の形態であ
って、反射性又は半透過半反射性フィルムと組み合わせ
た例を示す断面模式図である。
【図8】本発明に係る液晶表示装置の一例を示す断面模
式図である。
【図9】本発明に係る液晶表示装置の別の例を示す断面
模式図である。
【図10】本発明に係る液晶表示装置のもう一つ別の例
を示す断面模式図である。
【図11】実施例において、本発明の光散乱シートを作
製するために用いた紫外線照射装置の断面模式図であ
る。
【図12】実施例において、光散乱特性の評価に用いた
ヘイズ測定装置の概略図である。
【図13】実施例1及び2で得られた各光散乱シートの
光線入射角とヘイズ率との関係を示すグラフである。
【図14】実施例3及び4で得られた各光散乱シートの
光線入射角とヘイズ率との関係を示すグラフである。
【図15】実施例5及び6で得られた各光散乱シートの
光線入射角とヘイズ率との関係を示すグラフである。
【図16】実施例7及び8で得られた各光散乱シートの
光線入射角とヘイズ率との関係を示すグラフである。
【図17】実施例9で得られた光散乱シートの光線入射
角とヘイズ率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11……光散乱シート、 12……熱硬化被膜、 15……光散乱シート形成のための基材、 16……空気遮断膜、 17……アクリル板、 21……偏光フィルム、 22……1/2波長フィルム、 23……1/4波長フィルム、 24……樹脂シート、 25……金属薄膜、 26……反射性又は半透過半反射性フィルムの基材、 31……感圧接着剤、 32……ガラス板、 33……液晶、 34……前面透明電極、 35……背面反射電極、 36……背面半透過半反射電極、 37……背面透明電極、 41、42、43……液晶セル、 51……反射型液晶表示装置、 52、53……半透過半反射型液晶表示装置、 60……背面照明装置、 61……レンズシート、 62……拡散シート、 63……導光板、 64……液晶表示装置の光源、 65……反射板、 66……反射シート、 71……棒状高圧水銀ランプ、 72……反射ミラー、 73……開口を有する鉄板、 74……遮光板、 75……コンベア、 76……ランプハウス、 81……偏光フィルムの吸収軸、 82……1/2波長フィルムの光軸、 83……1/4波長フィルムの光軸、 91……光散乱特性評価用の光源、 92……積分球、 93……光源出射光、 94……サンプルの法線方向、 θ………光線入射角。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1335 G02F 1/1335 Fターム(参考) 2H042 BA01 BA15 DA02 DA04 DA11 DA21 DB01 DC02 2H049 BA02 BA06 BA07 BB63 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FA32X FA32Z FA41Z FB02 LA11 4J002 AA02W BG04X BG05X CC03W CC18W CD00W CK02W GF00 GP00

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに屈折率が0.01以上異なる熱硬化
    性樹脂と光硬化性樹脂の混合物からなることを特徴とす
    る光散乱シート用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】未硬化状態では互いに相溶する熱硬化性樹
    脂と光硬化性樹脂との透明な混合物である請求項1に記
    載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】熱硬化性樹脂が、分子内に少なくとも水酸
    基及びカルボキシル基から選ばれる官能基を有する第一
    の化合物と、分子内に少なくともイソシアナート基を有
    する第二の化合物との混合物からなる請求項1又は2に
    記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】第一の化合物が、分子内に水酸基及びカル
    ボキシル基から選ばれる官能基を少なくとも2個有し、
    第二の化合物が、分子内にイソシアナート基を少なくと
    も2個有する請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】光硬化性樹脂が、分子内に少なくともアク
    リロイル基を有する化合物からなる請求項1〜4のいず
    れかに記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】アクリロイル基を有する化合物が、フェニ
    ル基及びブロモ基から選ばれる基を有する請求項5に記
    載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】互いに屈折率が0.01以上異なる熱硬化
    性樹脂と光硬化性樹脂の混合物からなる樹脂組成物をシ
    ート状に形成し、次いで熱硬化処理を施した後、光硬化
    処理を施すことを特徴とする光散乱シートの製造方法。
  8. 【請求項8】熱硬化処理後の硬化膜の表面に空気遮断膜
    を設け、その後光硬化処理を施す請求項7に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】シート状に形成された請求項1〜6のいず
    れかに記載の樹脂組成物に、熱硬化及び光硬化の処理を
    施してなることを特徴とする光散乱シート。
  10. 【請求項10】光線入射角度により光散乱能が変化する
    請求項9に記載の光散乱シート。
  11. 【請求項11】2枚の樹脂シートの間に、請求項9又は
    10に記載の光散乱シートが挟持されてなることを特徴
    とする積層シート。
  12. 【請求項12】光学異方性のある樹脂シートと請求項9
    又は10に記載の光散乱シートとが積層されてなること
    を特徴とする積層シート。
  13. 【請求項13】光学異方性のある樹脂シートが、偏光フ
    ィルム又は位相差フィルムである請求項12に記載の積
    層シート。
  14. 【請求項14】光学異方性のある樹脂シートが、1/4
    波長フィルム及び1/2波長フィルムから選ばれる位相
    差フィルムである請求項13に記載の積層シート。
  15. 【請求項15】光学異方性のある樹脂シートが、偏光フ
    ィルムと、少なくとも1枚の位相差フィルムとで構成さ
    れ、それらが光散乱シートに積層されている請求項12
    に記載の積層シート。
  16. 【請求項16】請求項9又は10に記載の光散乱シート
    と、反射性フィルム又は半透過半反射性フィルムとが積
    層されてなることを特徴とする積層シート。
  17. 【請求項17】さらに偏光フィルムが積層されている請
    求項16に記載の積層シート。
  18. 【請求項18】液晶セルの前面に、請求項15に記載の
    積層シートが積層されてなることを特徴とする液晶表示
    装置。
  19. 【請求項19】液晶セルの背面に偏光フィルムが積層さ
    れており、さらにその背面に背面照明装置が配置されて
    いる請求項18に記載の液晶表示装置。
  20. 【請求項20】液晶セルの背面に、該偏光フィルムとと
    もに位相差フィルムが積層されている請求項19に記載
    の液晶表示装置。
  21. 【請求項21】液晶セルの前面に、偏光フィルムが積層
    されてなり、液晶セルの背面に、請求項16又は17に
    記載の積層シートが積層されてなることを特徴とする液
    晶表示装置。
  22. 【請求項22】液晶セルの前面に、該偏光フィルムとと
    もに位相差フィルムが積層されている請求項21に記載
    の液晶表示装置。
  23. 【請求項23】液晶セルの背面に、該積層シートととも
    に位相差フィルムが積層されている請求項21又は22
    に記載の液晶表示装置。
  24. 【請求項24】背面に積層シートが積層された液晶セル
    のさらに背面に、背面照明装置が配置されている請求項
    21〜23のいずれかに記載の液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007212833A (ja) * 2006-02-10 2007-08-23 Sumitomo Chemical Co Ltd 光制御膜の製造方法及びこれにより得られる光制御膜

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