JP2002236044A - フローセンサ及びその製造方法 - Google Patents

フローセンサ及びその製造方法

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JP2002236044A JP2001029976A JP2001029976A JP2002236044A JP 2002236044 A JP2002236044 A JP 2002236044A JP 2001029976 A JP2001029976 A JP 2001029976A JP 2001029976 A JP2001029976 A JP 2001029976A JP 2002236044 A JP2002236044 A JP 2002236044A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板の表面を流れる流体の流れの乱れを抑制
することができるフローセンサ及びその製造方法を提供
する。 【解決手段】 基板1の表面に下部膜2、配線4及び上
部膜3を形成し、基板1の裏面に絶縁膜5を形成する。
そして、空洞部6を形成する際に、基板1の表面におけ
るセンサチップ10の構成体の境界部のうち、検出部4
a〜4cを含んで流体の流れ方向に伸びた帯状の領域が
通る部位において断面がV字形状の溝を形成する。そし
て、構成体の境界部及び溝内を切断することで、基板1
の表面側の端部が除去されたセンサチップ10を形成す
る。この端部が除去されて形成された斜面1cに合わせ
た突出部22を有するチップ台座20の部屋21にセン
サチップ10を収容させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板の表面を流れ
る流体の流量を測定するフローセンサ及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のフローセンサを構成するフローセ
ンサチップ200として、図12に斜視図で示す構成の
ものがある。また、このフローセンサチップ200は図
13の概略断面図に示すように、台座300に収容され
てフローセンサ400として使用される。
【0003】フローセンサチップ200は、基板201
の表面に導体膜202が絶縁膜203、204で挟まれ
てなる薄膜が形成され、基板201の裏面側から薄膜を
残して空洞部205が形成され、空洞部205上の薄膜
により薄膜部206が構成されている。
【0004】薄膜部206においては、導体膜からなる
ヒータ202aが形成されており、このヒータ202a
の両側のうち、図12中の白抜き矢印で示される流体の
流れの上流側に導体膜で構成された測温体202bが形
成されている。また、測温体202bの上流側の基板2
01上には、導体膜で構成された流体温度計202cが
形成されている。また、基板201上には、ヒータ20
2a、測温体202b、及び流体温度計202cの各々
と電気的に接続された電極取り出し部202dが形成さ
れている。
【0005】この様なフローセンサチップ200は、基
板201に複数個のフローセンサチップ200の構成体
を形成した後、基板201を切断することにより製造さ
れるのが一般的である。具体的な製造方法としては、ま
ず、基板201の表面一面に酸化膜や窒化膜等からなる
絶縁膜203を形成し、この絶縁膜203上に導体膜2
02を形成した後この導体膜202をパターニングして
ヒータ204等を形成し、更に、酸化膜や窒化膜等から
なる絶縁膜204を形成する。
【0006】その後、基板201の裏面側から複数個の
構成体に対応する複数個の空洞部205を形成した後、
基板201の表面側から基板201を切断することでフ
ローセンサチップ200を製造する。そして、この様な
フローセンサチップ200を、図13に示すように、縦
断面が矩形状である凹部301を有する台座300の凹
部301に収容させてフローセンサ400とする。そし
て、台座300を例えば車両のエアダクト内に取り付け
る等して、フローセンサ400を車両の内燃機関の空燃
比制御等に用いる。
【0007】この様なフローセンサ400では、流体温
度計202cから得られる流体温度よりも高い温度にな
るようにヒータ202aを駆動する。そして、流体が流
れることにより、図12中の白抜き矢印で示す順流にお
いては、測温体202bは熱を奪われて温度が下がり、
白抜き矢印の逆方向である逆流では熱が運ばれて温度が
上がるため、この測温体202bと流体温度計202c
との温度差から流体の流量及び流れ方向が検出される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、構成体
を基板201に複数個形成した後、基板201を切断す
ることで個々のフローセンサチップ200を形成してお
り、基板201としてはSi等の脆性材料を用いること
が多いため、基板201を切断する際に基板201にお
ける切断する部位が欠けてしまう。つまり、図12に示
す様に、個々のフローセンサチップ200の端部におけ
る表面側に欠け207が形成されてしまう。
【0009】また、基板201の表面から切断を行って
おり、基板201を切断する際は基板201の表面に形
成されている薄膜も同時に切断するが、薄膜が絶縁膜
(酸化膜や窒化膜等)203、204の多層構造となっ
ているため、切断時にこれらの膜が剥がれてダイシング
ソー等の切断部材や基板201の上に付着したり、基板
201の切断部が絶縁膜203、204の剥がれと同時
に欠けたりする。
【0010】そして、流体の流れ方向、つまり、流体温
度計202cと測温体202bとヒータ202aとを結
ぶ領域上に基板の欠け207があると、図13の矢印に
示すように、基板201における欠け207が形成され
ている部位の表面を流体が通過する際に流体の流れが乱
れ、正確な流量を検出することができなくなってしま
う。
【0011】本発明は、上記問題点に鑑み、基板の表面
を流れる流体の流れの乱れを抑制することができるフロ
ーセンサ及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、基板(1)の表面上を
流れる流体の流量を検出する検出部(4a〜4c)が形
成されたフローセンサ構成体(11)を基板に対して複
数個形成する構成体形成工程と、その後、フローセンサ
構成体の境界部(12)において基板を切断することに
より複数個のフローセンサチップを形成する切断工程と
を有するフローセンサの製造方法において、構成体形成
工程で、基板の表面における境界部のうち、少なくと
も、検出部を含んで流体の流れ方向に伸びた帯状の領域
が通る部位(12a)の全てに溝(13)を形成し、切
断工程で、溝内を切断することを特徴としている。
【0013】本発明では溝内を切断するため、切断時に
基板が欠けてもこの欠けが基板の表面まで達することは
無い。従って、流体の流れが基板の欠けによる影響を受
けないため基板の表面を流れる流体の流れの乱れを抑制
することができる。
【0014】具体的には、請求項2に記載の発明の様
に、フローセンサチップとして矩形状のものを形成し、
フローセンサチップの略平行な2辺に対して流体が略直
角に流れるように検出部を形成し、流体が略直角に流れ
る2辺に対して溝を形成することができる。
【0015】また、請求項1又は2の発明において、請
求項3に記載の発明の様に、基板の表面における境界部
の各辺において溝を形成するとフローセンサチップの端
部の各辺において欠けが基板の表面に達しない様にする
ことができるため、基板の表面を流れる流体の流れの乱
れを更に抑制することができる。
【0016】また、請求項4に記載の発明では、請求項
1〜3の発明において、溝内のうち基板の表面から最も
遠い部位の位置が、基板の表面から150μm以上とな
り、基板の表面とは反対側の面である裏面から100μ
m以上となるように溝を形成することを特徴としてい
る。
【0017】この様に、溝内のうち基板の表面から最も
遠い部位を150μm以上とすると欠けが基板の表面に
達することを好適に防止することができ、基板の裏面か
ら100μm以上とすると、基板の強度を好適に確保す
ることができる。
【0018】また、請求項1〜4の発明では、請求項5
に記載の発明の様に、溝の断面をV字形状にしたり、請
求項6に記載の発明の様に、台形型にしたりすることが
できる。
【0019】また、請求項1〜6の発明では、請求項7
に記載の発明の様に、基板としてSiを用い、基板を異
方性エッチングすることにより溝を形成することができ
る。
【0020】また、請求項8に記載の発明は、基板
(1)の表面に該表面上を流れる流体の流量を検出する
検出部が形成されており、基板の端部のうち、少なくと
も検出部を含んで流体の流れ方向に伸びた帯状の領域が
通る部位の全てにおいて、基板の表面側の角部が除去さ
れたフローセンサチップ(10)を有することを特徴と
している。
【0021】例えば、請求項1の発明のフローセンサの
製造方法を用いれば、本発明の様に基板の表面の角部が
除去された構成になり、この様なフローセンサチップを
用いたフローセンサは基板の欠けが表面に形成されない
ため、基板の表面を流れる流体の流れの乱れを抑制する
ことができる。
【0022】具体的には、請求項9に記載の発明の様
に、基板が矩形状であり、基板の略平行な2辺に対して
流体が略直角に流れるように検出部が形成されており、
基板の略平行な2辺において基板の表面側の角部が除去
されているものを用いることができる。
【0023】この場合、請求項10に記載の発明の様
に、基板の略平行な2辺と略直角な位置関係にある2辺
において、基板の表面側の角部が除去されていると、更
に基板の表面を流れる流体の流れの乱れを抑制すること
ができる。
【0024】また、請求項11に記載の発明は、請求項
8〜10の発明において、開口部を有する部屋(21)
が形成されたチップ台座(20)を有し、部屋における
開口部側には、開口部の中央に向けて突出した突出部
(22)が形成されており、フローセンサチップは、開
口部から基板の表面が露出するように部屋内に収容さ
れ、フローセンサチップにおける角部が除去された部位
と突出部とが対向配置されていることを特徴としてい
る。
【0025】本発明では、フローセンサチップの角部が
除去された部位と台座とを対向配置しており、基板に形
成された欠け等による基板の凹凸に対して流体が直接当
たらない様にしている。従って、基板の表面を流れる流
体の流れの乱れを確実に抑制することができる。
【0026】また、請求項8〜11の発明では、請求項
12に記載の発明の様に、基板としてSiの(100)
基板を用い、<110>方向に流れる流体を検出するよ
うな検出部を形成することができる。
【0027】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0028】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、図に示す
実施形態について説明する。図1は本実施形態のフロー
センサチップ(以下、単にセンサチップという)10の
斜視図であり、図2はこのセンサチップ10がチップ台
座20に収容されてなるフローセンサ100を図1のA
−A矢視断面に相当する部位にて示す図である。
【0029】センサチップ10は矩形状になっており、
基板1の表面には下部膜2と上部膜3が形成され、下部
膜2と上部膜3との間には膜構成の配線4が形成されて
いる。下部膜2は、基板1側から順に例えばSi34
とSiO2膜が積層されてなり、上部膜3は、基板1側
から順に例えばSiO2膜とSi34膜が積層されてな
る。また、配線4としては、Pt(白金)やポリシリコ
ン、NiCr等を用いることができる。
【0030】基板1の裏面側にはSi34膜等の絶縁膜
5が形成され、この絶縁膜の開口部から空洞部6が設け
られている。そして、この空洞部6上に上部膜3、下部
膜2及び配線4からなる薄膜部7が形成されている。ま
た、この薄膜部7に蛇行状の配線4からなるヒータ4a
が形成されている。また、薄膜部7のうちヒータ4aよ
りも図の白抜き矢印で示される流体の順流方向の上流側
において、蛇行状の配線4からなる測温体4bが形成さ
れている。
【0031】また、基板1上における測温体4bの上流
側に、蛇行状の配線4からなる流体温度計4cが形成さ
れている。この様にして、ヒータ4a、測温体4b、流
体温度計4cからなる検出部が形成されており、検出部
4a〜4c上を流れる流体の流量及びその方向を検出す
るようになっている。
【0032】また、基板1の端部のうち、少なくとも検
出部4a〜4cを含んで流体の流れ方向に伸びた帯状の
領域が通る部位の全てにおいて、基板1の表面側の角部
が除去されている。つまり、基板1のうち検出部4a〜
4cを流れる流体が略直角に流れる略平行な2辺におい
て、基板1の表面側の角部が除去されている。この様に
角部が除去されることにより形成された斜面1cにおい
ては、斜面1cのうち基板1の表面に対して平行な線L
1、L2が流体の流れ方向に対して略直角になってい
る。
【0033】また、基板1のうち流体が略直角に流れる
略平行な2辺と略直角の位置関係にある2辺において
も、基板1の表面側の角部が除去されている。
【0034】また、ヒータ4a、測温体4b、流体温度
計4cと電気的に接続された配線によって基板1の表面
には電極取り出し部8が形成されている。また、電極取
り出し部8の端部における上部膜3の上にパッド8aが
形成され、各々の電極取り出し部8とパッド8aとが電
気的に接続されている。この様にしてセンサチップ10
が構成されている。
【0035】そして、図2に示すように、開口部を有す
る部屋21が形成されたチップ台座20にセンサチップ
10が収容されている。この部屋21における開口部側
には、開口部の中央に向けて突出した突出部22が形成
されている。
【0036】そして、チップ台座20の開口部から基板
1の表面が露出するように、センサチップ10が部屋2
1内に収容されている。本実施形態では、チップ台座2
0の開口面と基板1の表面とがほぼ同じ高さになってい
る。そして、センサチップ10における角部が除去され
ることにより形成された斜面1cと、センサチップ10
の突出部22とが対向配置されている。なお、チップ台
座20の材質としては、例えば樹脂を用いることができ
る。
【0037】この様なフローセンサ100では、上述の
様に、流体が流れた際の測温体4bと流体温度計4cと
の差を電極取り出し部8に形成されたパッド8aから電
圧変化等として取り出し、流体の流量及び流れ方向を検
出する。
【0038】次に、この様なフローセンサ100の製造
方法について説明する。図3はフローセンサ100の製
造工程の途中の状態を示す斜視図であり、図4は図3に
おけるB−B矢視断面にて製造工程を示す図であり、図
5は図3における部位Cを拡大した平面図である。
【0039】図3に示すように、基板1を切断すること
でセンサチップ10となる複数個のフローセンサ構成体
(以下、単に構成体という)11を基板1に対して形成
した後、構成体11の境界部12において基板1を切断
することにより複数個のセンサチップ10を形成する。
この基板1としては、Siの(100)基板1を用いて
おり、図中白抜き矢印で示される<110>方向に流れ
る流体が検出されるように検出部4a〜4cを形成して
いる。以下、フローセンサの製造方法を詳細に説明す
る。
【0040】(図4(a)に示す工程)まず、厚さが4
00〜600μm程度の基板1を用意し、基板1の表面
にSi 34膜とSiO2膜を堆積して下部膜2を形成す
る。また、基板1の裏面にSi34膜を堆積して絶縁膜
5を形成する。次に、下部膜2上に配線4を構成する膜
として例えばPt膜を形成する。その後、Pt膜をパタ
ーニングして、ヒータ4a、測温体4b、流体温度計4
c、及び電極取り出し部(図示せず)を所定の形状にす
る。
【0041】(図4(b)に示す工程)配線4上にSi
2膜とSi34膜を堆積して上部膜3を形成する。そ
の後、基板1の表面側における構成体11の境界部12
において、センサチップ10における角部を除去する予
定の部位の上部膜3と下部膜2をエッチング等により除
去し、基板1の表面を露出させる。また、基板1の裏面
側における空洞部6を形成する予定の複数個の部位にお
いて絶縁膜5をエッチング等により除去し、基板1の裏
面側を露出させる。
【0042】この基板1の表面を露出する部位は、図5
においてハッチングを施して示している。図5に示すよ
うに、構成体11の境界部のうち、少なくとも検出部4
a〜4cを含んで流体の流れ方向に伸びた帯状の領域が
通る部位12aの全てにおいて基板1を露出させる。つ
まり、基板1を切断して矩形状のセンサチップ10にし
た際に、流体が略直角に流れる略平行な2辺に対して溝
を形成する。また、その他、境界部12の各辺において
基板1の表面を露出させる。ただし、境界部12の各辺
が交わる部位は露出させない様にする。
【0043】(図4(c)に示す工程)TMAH溶液や
KOH溶液等により表裏面が露出した部位から基板1の
異方性エッチングを行い、裏面側からは空洞部6を形成
し、表面側からは溝13を形成する。この際、異方性エ
ッチングにより自動的に断面がV字形状の溝13とな
る。この溝13のうち基板1の表面から最も遠い部位
(以下、底部という)、つまりV字形状の先端部は、基
板1の表面から150μm以上となっており、基板1の
裏面から100μm以上となっている。
【0044】以上、図4(a)〜(c)に示す工程が構
成体形成工程である。
【0045】次に、構成体11の境界部12において基
板1を切断する切断工程を行う。図6はこの基板1の切
断の様子を図3のB−B矢視断面にて示す概略図であ
る。図6に示すように、ダイシングソー14を用いて基
板1の切断を行い、溝13が形成されている部位におい
ては溝内(底部)をダイシングソー14が通るようにし
て切断する。この様にして個々のセンサチップ10を形
成する。
【0046】続いて、開口部を有する部屋21が形成さ
れたチップ台座20を用意して、チップ台座20の開口
部からセンサチップ10を嵌め込んで、チップ台座20
にセンサチップ10を収容する。この際、チップ台座2
0が樹脂からなり、嵌め込む際に樹脂が変形するため、
チップ台座20にセンサチップ10を収容させることが
できる。この様にして図2に示すフローセンサ100が
完成する。
【0047】この様に、本実施形態では、構成体11の
境界部のうち少なくとも検出部4a〜4cを含んで流体
の流れ方向に伸びた帯状の領域が通る部位12aの全て
に溝13を形成し、その溝内を切断するようにしてい
る。従って、図6に示す様に、切断時に基板1に生じる
欠け15はダイシングソー14が接触する溝内に生じ
て、基板1の表面まで達することは無い。そのため、基
板1の表面を流れる流体が欠け15の影響を受けること
を防止して、流体の流れの乱れを抑制することができ
る。
【0048】また、基板1の端部のうち検出部4a〜4
cを含んで流体の流れ方向に伸びた帯状の領域が通過す
る部位以外にも溝13を形成し、構成体11の各々の境
界部12において溝13を形成しているため、センサチ
ップ10の端部の各辺において欠け15が表面に達する
ことを防止できる。従って、センサチップ10表面の全
体における流体の流れの乱れを抑制することができる。
【0049】また、基板1を切断する際に、上部膜3や
下部膜2が積層された部位を切断するのではなく、Si
基板1を露出させてSi基板1を直接切断しているた
め、基板1に欠け15が生じることを抑制することがで
きる。
【0050】また、センサチップ10における角部を除
去して、突出部22が形成されたチップ台座20にセン
サチップ10を収容しているため、仮に、基板1の表面
付近に欠け15等による凹凸ができてしまって流体の流
れに多少は影響があるかと思われるような場合にも、基
板1の欠け15等をチップ台座20により隠して直接流
体が当たらない様にすることができる。従って、更に流
体の流れの乱れを抑制することができる。
【0051】また、チップ台座20の突出部22とセン
サチップ10の斜面1cとを位置合わせして、チップ台
座20にセンサチップ10を収容させているため、チッ
プ台座20とセンサチップ10との位置制御を容易に行
うことができる。
【0052】また、基板1の欠け15は、一般に50〜
100μm程度であるため、本実施形態のように溝13
の底部の位置を基板1の表面から150μm以上とすれ
ば、好適に欠け15が基板1の表面に達することを防止
できる。ただし、溝13を深くし過ぎると溝13におい
て基板1の強度が低下し、基板1を切断する前に基板1
が分割されてしまう恐れがある。そのため、基板1の裏
面から溝13の底部までの距離を100μm以上とする
ことにより、基板1の強度を好適に確保して基板1の分
割を防止することができる。
【0053】また、仮に、溝13を境界部12において
交差した部位に設けようとすると、エッチングにより溝
13を形成する際にこの部位から各構成体11の内側に
エッチングが進行してしまうため、本実施形態のように
交差した部位には溝13を設けない様にすると望まし
い。この場合、溝13を設けなかったセンサチップ10
の端部における各辺が交わる部位においては、若干欠け
15が生じるが、微小な領域であり検出される流体が流
れる部位ではないため流体の流れを乱すことは無い。な
お、境界部12においてエッチングの進行がそれほど問
題にならない場合は、境界部12における交差した部位
にも溝13を形成すれば良い。
【0054】(第2実施形態)上記第1実施形態では溝
13の断面をV字形状にしているが、本実施形態では溝
13の断面を台形型にする。図7は本実施形態のフロー
センサの製造方法を図3のB−B矢視断面に相当する図
によって示す工程図であり、図8は図7に続く工程図で
ある。また、図9は図7及び図8と同一断面において基
板1を切断する際の様子を示す概略断面図である。以
下、主として第1実施形態と異なる部分について述べ、
図7及び図8では図4と同一部分は同一符号を付し、図
9では図6と同一部分は同一符号を付して説明を省略す
る。
【0055】(図7(a)に示す工程)図4(a)に示
す工程と同様である。
【0056】(図7(b)に示す工程)基板1の裏面の
絶縁膜5のうち空洞部6が形成される予定の部位を開口
して、基板1を露出させる。続いて、基板1の途中ま
で、TMAH溶液やKOH溶液を用いた異方性エッチン
グを行い、空洞部の一部6aを形成する。
【0057】(図8(a)に示す工程)基板1の表面の
上部膜3及び下部膜2のうち溝13が形成される予定の
部位12aを開口して、基板1を露出させる。
【0058】(図8(b)に示す工程)TMAH溶液や
KOH溶液を用いて、空洞部6が完全に形成されるまで
異方性エッチングを行うと同時に、基板1の表面側から
も異方性エッチングを行い溝13を形成する。この際、
図7(b)に示す工程において空洞部6を途中まで形成
しており、図8(b)に示す工程ではエッチング時間が
短いため、上記第1実施形態の様に溝13がV字形状に
なる前にエッチングが終了し、断面が台形型の溝13が
形成される。
【0059】以上、図7、図8に示す工程が構成体形成
工程に相当する。
【0060】次に、図9に示す様に切断工程を行い、溝
13が形成された部位においては台形状の溝内をダイシ
ングソー14が通るように基板1を切断する。これによ
り角部が除去された部位が段差形状になったセンサチッ
プ10が完成する。
【0061】また、チップ台座20における突出部22
の形状を、センサチップ10における角部が除去された
部位の段差形状に合わせて形成し、チップ台座20にセ
ンサチップ10を収容することでフローセンサ100が
完成する。
【0062】本実施形態でも、第1実施形態と同様の効
果を発揮することができる。
【0063】(他の実施形態)上記各実施形態では、基
板1における構成体11の境界部12において図5に示
す位置の基板1を露出させて溝13を形成したが、図3
の部位Cの拡大図である図10に示すような位置の基板
1を露出させて溝13を形成しても良い。
【0064】また、上記各実施形態では、チップ台座2
0にセンサチップ10を嵌め込むように説明したが、チ
ップ台座20における部屋21の端部を開口させてお
き、センサチップ10をスライドさせて部屋21に収納
しても良い。また、図11に示すように、チップ台座2
0を2つの部材から構成し、下の部材23上にセンサチ
ップ10を配置した後、上の部材24を被せて下の部材
23と接合する等しても良い。
【0065】また、図11に示すように、センサチップ
10とチップ台座20とは、少なくともセンサチップ1
0の表面付近の形状とチップ台座20の開口部付近の部
屋21の形状とが対応していれば、上記各実施形態に記
載の効果を得ることができるため、センサチップ10の
裏面付近の周囲には空間があっても良い。
【0066】また、基板1の表面における境界部のう
ち、少なくとも検出部4a〜4cを含んで流体の流れ方
向に伸びた帯状の領域が通る部位12aの全てに溝13
を形成して、センサチップ10における基板1の端部の
うち、少なくとも検出部4a〜4cを含んで流体の流れ
方向に伸びた領域が通る部位の全てにおいて、基板1の
表面側の角部を除去すれば、基板1の表面を流れる流体
の流れの乱れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るフローセンサチップの斜視
図である。
【図2】第1実施形態に係るフローセンサの概略断面図
である。
【図3】第1実施形態に係るフローセンサの製造工程の
途中の状態を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態に係るフローセンサの製造工程を
示す概略断面図である。
【図5】第1実施形態に係る図3の部位Cを示す拡大図
である。
【図6】第1実施形態に係る基板の切断方法を示す概略
断面図である。
【図7】第2実施形態に係るフローセンサの製造工程を
示す概略断面図である。
【図8】図7に続く製造工程を示す概略断面図である。
【図9】第2実施形態に係る基板の切断方法を示す概略
断面図である。
【図10】他の実施形態に係る図3の部位Cを示す拡大
図である。
【図11】他の実施形態に係るフローセンサの概略断面
図である。
【図12】従来のフローセンサチップを示す斜視図であ
る。
【図13】従来のフローセンサを示す概略断面図であ
る。
【符号の説明】
1…基板、4a〜4c…検出部、10…フローセンサチ
ップ、11…構成体、12…境界部、12a…境界部の
うち検出部を含んで流体の流れ方向に伸びた領域が通る
部位、13…溝、20…チップ台座、21…部屋。
フロントページの続き (72)発明者 大津 真吾 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 河野 泰 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 2F035 EA05 EA08

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板(1)の表面上を流れる流体の流量
    を検出する検出部(4a〜4c)が形成されたフローセ
    ンサ構成体(11)を前記基板に対して複数個形成する
    構成体形成工程と、その後、前記フローセンサ構成体の
    境界部(12)において前記基板を切断することにより
    複数個のフローセンサチップを形成する切断工程とを有
    するフローセンサの製造方法において、 前記構成体形成工程で、前記基板の表面における前記境
    界部のうち、少なくとも、前記検出部を含んで前記流体
    の流れ方向に伸びた帯状の領域が通る部位(12a)の
    全てに溝(13)を形成し、 前記切断工程で、前記溝内を切断することを特徴とする
    フローセンサの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記フローセンサチップとして矩形状の
    ものを形成し、前記フローセンサチップの略平行な2辺
    に対して前記流体が略直角に流れるように前記検出部を
    形成し、前記流体が略直角に流れる2辺に対して前記溝
    を形成することを特徴とする請求項1に記載のフローセ
    ンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記基板の表面における前記境界部の各
    辺において前記溝を形成することを特徴とする請求項1
    又は2に記載のフローセンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記溝内のうち前記基板の表面から最も
    遠い部位の位置が、前記基板の表面から150μm以上
    となり、前記基板の表面とは反対側の面である裏面から
    100μm以上となるように前記溝を形成することを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のフロー
    センサの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記溝の断面をV字形状にすることを特
    徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のフロー
    センサの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記溝の断面を台形型にすることを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のフローセ
    ンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記基板としてSiを用い、前記基板を
    異方性エッチングすることにより前記溝を形成すること
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載のフ
    ローセンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 基板(1)の表面に該表面上を流れる流
    体の流量を検出する検出部が形成されており、 前記基板の端部のうち、少なくとも前記検出部を含んで
    前記流体の流れ方向に伸びた帯状の領域が通る部位の全
    てにおいて、前記基板の表面側の角部が除去されたフロ
    ーセンサチップ(10)を有することを特徴とするフロ
    ーセンサ。
  9. 【請求項9】 前記基板が矩形状であり、前記基板の略
    平行な2辺に対して前記流体が略直角に流れるように前
    記検出部が形成されており、前記基板の略平行な2辺に
    おいて前記基板の表面側の角部が除去されていることを
    特徴とする請求項8に記載のフローセンサ。
  10. 【請求項10】 前記基板の略平行な2辺と略直角な位
    置関係にある2辺において、前記基板の表面側の角部が
    除去されていることを特徴とする請求項9に記載のフロ
    ーセンサ。
  11. 【請求項11】 開口部を有する部屋(21)が形成さ
    れたチップ台座(20)を有し、前記部屋における前記
    開口部側には、前記開口部の中央に向けて突出した突出
    部(22)が形成されており、 前記フローセンサチップは、前記開口部から前記基板の
    表面が露出するように前記部屋内に収容され、前記フロ
    ーセンサチップにおける前記角部が除去された部位と前
    記突出部とが対向配置されていることを特徴とする請求
    項8乃至10のいずれか1つに記載のフローセンサ。
  12. 【請求項12】 前記基板はSiの(100)基板であ
    り、<110>方向に流れる前記流体を検出するように
    前記検出部が形成されていることを特徴とする請求項8
    乃至11のいずれか1つに記載のフローセンサ。
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