JP2002234868A - アシルタウリン塩の製造方法 - Google Patents

アシルタウリン塩の製造方法

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JP2002234868A
JP2002234868A JP2001032709A JP2001032709A JP2002234868A JP 2002234868 A JP2002234868 A JP 2002234868A JP 2001032709 A JP2001032709 A JP 2001032709A JP 2001032709 A JP2001032709 A JP 2001032709A JP 2002234868 A JP2002234868 A JP 2002234868A
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chloride
acyltaurine
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Taku Hiroshige
卓 広重
Takuro Yamamoto
卓郎 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自然界に排出されても自然環境を損なわないア
シルタウリン塩の製造方法において効率的で且つ省エネ
ルギータイプの製造法を提供する。 【解決手段】脂肪酸とタウリン塩を反応させてアシルタ
ウリン塩を製造するにあたって、触媒として金属化合物
を使用する。具体的には金属化合物としてリチウム、マ
グネシウム、カルシウム、ストロンチウム、スズ、鉄、
アンチモン、亜鉛、アルミニウムまたはジルコニウム等
の少なくとも1種の金属を含む金属塩化物又は金属酸化
物を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アシルタウリン塩を効
率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アシルタウリド、特にアシルメチルタウ
リン塩は毛髪用、洗顔用もしくはボディー用シャンプー
等といった各種洗浄剤の界面活性剤として従来より広く
使用されている化合物である。当該アシルメチルタウリ
ン塩は生態系で分解されてメチルタウリンを生成する
が、かかるメチルタウリンは本来自然界に存在しない合
成化合物である。よって、アシルメチルタウリン塩の自
然界への排出は環境汚染の原因となるだけでなく、自然
界のホメオスタシスを乱すことになりかねない。
【0003】一方、アシルタウリンやその塩は、その分
解物であるタウリン自体が本来自然界に存在するもので
あるから、環境に排出されても上記アシルメチルタウリ
ンのような問題を生じることはない。
【0004】ところで、アシルタウリドを製造する方法
として、工業的にはタウリンに脂肪酸ハライドを反応さ
せるショッテン−バウマン(schotten-Baumann)法が良
く知られている。かかる方法は反応が温和条件下で比較
的短時間に進行するという点で有用であるが、原料であ
る脂肪酸ハライドが高価であること、副生物のセッケン
が比較的多く生成すること、及び大量の塩(NaCl)
が副生するためそれが製品に混入するといった欠点があ
る。かかる塩の副生という問題を回避したアシルタウリ
ドの製造方法としては、脂肪酸とタウリン塩を反応させ
て直接アミド化する方法が知られている(米国特許第2,
880,219号、米国特許第3,150,156号)。かかる直接アミ
ド化反応は、上記するように実質的に塩分を含まない純
度の高いアシルタウリドが取得できるという利点はある
ものの、その反応には非常に高い温度が必要とされ、ま
たその反応時間も長いことからエネルギー消費型反応で
あること、並びに生成物が着色するといった欠点が指摘
されている。
【0005】このような直接アミド化反応の問題を解決
する方法として、触媒、特に還元系の触媒を使用する方
法が提案されている(米国特許第3,232,968号、特開平6
-192211、米国特許第5,496,959号、米国特許第5,434,27
6号)。しかしながら、これらの方法は生成物の着色を
抑制する点では一応の成果はあるものの、エネルギー消
費型反応であるという問題を解決するものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、自然界に排
出されても自然環境を損なわないアシルタウリン塩に着
目して、その効率的な省エネルギー型製造法を提供する
ことを目的とするものである。具体的には、本発明は塩
を副生しない直接アミド化法を利用して、より温和な条
件で且つ短時間でアシルタウリン塩を製造する方法を提
供することを目的とする。また、本発明は生成物の着色
化を有意に抑制したアシルタウリン塩の製造方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑みて、より低い温度でしかも短時間でタウリンをア
シル化する方法を検討していたところ、従来は220℃
以上の比較的苛酷な温度条件下でも反応に長期間かかっ
ていたのに対し、脂肪酸とタウリン塩を金属化合物の存
在下で反応させることによって速やかに反応が進み、比
較的低温でも短時間に反応が完結することを見出し、さ
らに当該反応を不活性ガス気流下で実施することによ
り、着色が低減されたアシルタウリン塩が得られること
を見出した。本発明はこれらの知見に基づいて開発され
たものである。
【0008】すなわち、本発明は下記に掲げるアシルタ
ウリン塩の製造方法である: (1)金属化合物を触媒として脂肪酸とタウリン塩を反
応させる工程を有することを特徴とするアシルタウリン
塩の製造方法。 (2)金属化合物が、金属塩化物又は金属酸化物である
(1)記載のアシルタウリン塩の製造方法。 (3)金属化合物が、リチウム、マグネシウム、カルシ
ウム、ストロンチウム、スズ、鉄、アンチモン、亜鉛、
アルミニウム及びジルコニウムよりなる群から選択され
る少なくとも1種の金属を有する化合物のである(1)
又は(2)に記載のアシルタウリン塩の製造方法 (4)上記反応工程を不活性ガス雰囲気で行うことを特
徴とする(1)乃至(3)に記載のアシルタウリン塩の
製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、環境に排出された場合
であっても自然環境を汚染することなく、また自然界の
ホメオスタシスを破壊するおそれのないタウリン化合物
を対象とするものである。具体的には、本発明が対象と
するタウリン化合物は、2−アミノエタンスルホン酸か
らなる所謂タウリン骨格が、本発明の製造方法によって
アシル化される場合を除いて、任意の官能基で置換され
ていない無分岐のものである。
【0010】本発明は、このようなタウリン化合物から
アシルタウリン塩を製造する方法に関する。具体的に
は、本発明の製造方法は、脂肪酸とタウリン塩を金属化
合物の存在下で反応させてアシルタウリン塩を製造する
方法である。
【0011】具体的には、本発明の方法は、下記の一般
式: <化1> RCOOH + NH2CH2CH2SO3・X→ RCONHCH2CH2SO3・X+ H
2O (式中、RCOは炭素数6〜24の飽和又は不飽和の脂肪
酸残基を、Xはアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩
を示す。)で示されるように、脂肪酸(RCOOH)とタウ
リン塩(NH2CH2CH2SO3・X)を金属化合物の存在下で反応
させることによって実施でき、これにより、目的のアシ
ルタウリン塩(RCONHCH2CH2SO3・X)を製造することがで
きる。ここで原料として用いられるタウリンの塩(X)
としては、タウリンのナトリウム塩、カリウム塩、リチ
ウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウ
ム塩等のアルカリ土類金属塩等が例示される。好ましく
はタウリンのアルカリ金属塩であり、特に好ましくはタ
ウリンナトリウムまたはタウリンカリウムである。な
お、反応の出発原料として、上記タウリン塩に代えて、
タウリンと上記タウリン塩を構成する塩基とを個々に用
いることもできる。
【0012】本発明の製造方法で得られるアシルタウリ
ンの塩は、かかる出発原料として用いるタウリンの塩に
由来するものであって、前述するように各種のアルカリ
金属塩やアルカリ土類金属塩であることができる。好ま
しくはアシルタウリンのナトリウム塩またはカリウム塩
である。
【0013】また本発明で用いられる脂肪酸(RCOOH)
としては、炭素数6〜24、好ましくは8〜22の飽和
又は不飽和脂肪酸を挙げることができる。なお、これら
の脂肪酸は直鎖状であっても分岐状であってもよい。具
体的には、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラ
ルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、ト
リデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチ
ン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、ア
ラキン酸、ヘンアイコサン酸、ベヘン酸、トリコサン酸
及びリグノセリン酸等の飽和脂肪酸、パルミトレイン
酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン
酸、ウンデシレン酸及びアラキドン酸等の不飽和脂肪酸
を例示することができる。好ましくは天然に存在する脂
肪酸である。当該脂肪酸は1種からなるものであって
も、また2種以上を任意に組み合わせて含有するもので
あってもよい。例えばパルミチン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸及びリノール酸の混合物を含む牛脂、大豆油、
ナタネ油又はヒマワリ油などに由来する脂肪酸や、炭素
数8〜18の脂肪酸及びオレイン酸の混合物を含む、ヤ
シ油やパーム核油に由来する脂肪酸を挙げることができ
る。このような天然由来の脂肪酸を原料として使用する
ことにより、本発明の方法で製造されるアシルタウリン
塩、更にそれから誘導されるアシルタウリン並びにアミ
ン塩等の上記アシルタウリン塩以外のアシルタウリン塩
には、使用後環境に排出された場合であっても自然界で
加水分解されてそのすべてが本来天然に存在する化合物
へと代謝変換されるため、環境を汚染したり破壊するこ
とがないという利点がある。
【0014】本発明は、上記の反応を、触媒として金属
化合物を用いて、その存在下で実施することを特徴とす
るものである。ここで金属化合物を構成する金属として
は、リチウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウム、スズ、カドミウム、クロム、鉄、アンチモン、亜
鉛、アルミニウム、ジルコニウム、スカンジウム、チタ
ン、バナジウム、マンガン、コバルト、ニッケル、銅、
ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジ
ウム、パラジウム、銀、タンタル、タングステン、白
金、金、セシウム、タリウム、イリジウム、イットリウ
ム、インジウム、ガリウム、ゲルマニウム、バリウム、
ハフニウム、ルビジウム、オスミウムを例示することが
できる。好ましくはリチウム、マグネシウム、カルシウ
ム、ストロンチウム、スズ、鉄、アンチモン、亜鉛、ア
ルミニウム及びジルコニウムである。金属化合物はこれ
らの金属を少なくとも1種含むものであればよく、上に
掲げる金属を2種以上含むものであっても、また他の金
属を任意に含むものであってもよい。
【0015】また発明において使用できる金属化合物と
しては、金属塩化物及び金属酸化物が好適に例示され
る。具体的には金属塩化物としては、塩化リチウム(L
iCl)、塩化マグネシウム(MgCl2)、塩化カル
シウム(CaCl2)、塩化ストロンチウム(SrC
2)、塩化スズ(SnCl2、SnCl4)、塩化カド
ミウム(CdCl2)、塩化クロム(CrCl2、CrC
3)、塩化鉄(FeCl2、FeCl3)、塩化アンチ
モン(SbCl3、SbCl5)、塩化亜鉛(ZnC
2)、塩化アルミニウム(AlCl3、Al2Cl6)、
塩化ジルコニウム(ZrCl4)、塩化スカンジウム
(ScCl3)、塩化チタン(TiCl2、TiCl3
TiCl4)、塩化バナジウム(VCl2、VCl3、V
Cl4)、塩化マンガン(MnCl2)、塩化コバルト
(CoCl2)、塩化ニッケル(NiCl2)、塩化銅
(CuCl、CuCl2)、塩化ニオブ(NbCl5)、
塩化モリブデン(MoCl3、MoCl4、MoC
5)、塩化ルテニウム(RuCl2、RuCl3、Ru
Cl4)、塩化ロジウム(RhCl3)、塩化パラジウム
(PdCl2)、塩化銀(AgCl)、塩化タンタル
(TaCl5)、塩化タングステン(WCl2、WC
4、WCl5、WCl6)、塩化白金(PtCl2、Pt
Cl4)、塩化金(AuCl、AuCl3)、塩化セシウ
ム(CsCl)、塩化タリウム(TlCl、TlC
3)、塩化イリジウム(IrCl3)、塩化イットリウ
ム(YCl3)、塩化インジウム(InCl、InC
2、InCl3)、塩化ガリウム(GaCl 3)、塩化
ゲルマニウム(GeCl2、GeCl4)、塩化バリウム
(BaCl2)、塩化ルビジウム(RbCl)、塩化オ
スミウム(OsCl2、OsCl3、OsCl4)を挙げ
ることができる。好ましくは塩化マグネシウム(MgC
2)、塩化スズ(SnCl2)である。
【0016】また金属酸化物としては、酸化リチウム
(Li2O)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化マグ
ネシウム二鉄(III)(Fe2MgO4)、酸化カルシウム
(CaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化二ス
トロンチウム鉄(IV)(FeSr 24)、酸化スズ(Sn
O)、酸化カドミウム(CdO)、酸化二鉄(III)カド
ミウム(CdFe24)、酸化クロム(CrO)、酸化
鉄(FeO、Fe23、Fe34)、酸化二鉄(III)銅
(II)(CuFe24)、酸化アンチモン(Sb2 3、S
24、Sb25)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化亜鉛二
鉄(III)(Fe2ZnO4)、酸化アルミニウム(Al2
3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化スカンジウ
ム(Sc23)、酸化チタン(TiO、Ti23、Ti
2)、酸化チタン鉄(FeTiO3、Fe2TiO3)、
酸化バナジウム(VO、VO2、V 23、V24、V2
5)、酸化マンガン(MnO、Mn23、Mn34、Mn
2、Mn27)、酸化マンガン(II)二鉄(Fe2MnO
4)、酸化コバルト(Co34)、酸化二鉄(III)コバル
ト(II)(CoFe24)、アルミン酸コバルト(II)(A
2CoO4)、酸化ニッケル(NiO)、酸化ニッケル
(II)二鉄(III)(Fe2NiO4)、酸化銅(CuO、C
2O)、酸化ニオブ(NbO、NbO2、Nb25)、
酸化モリブデン(MoO2、MoO3)、酸化ルテニウム
(RuO2、RuO4)、酸化ロジウム(Rh23、Rh
2)、酸化パラジウム(PdO、PdO2)、酸化銀
(Ag2O、AgO)、酸化タンタル(TaO、Ta2
5)、酸化タングステン(WOC2、WO3)、酸化白
金(PtO、Pt34、PtO2)、酸化金(Au2O、
Au23)、酸化セシウム(Cs2O)、酸化タリウム
(Tl2O、Tl23)、酸化イリジウム(Ir2O、I
23)、酸化イットリウム(Y23)、酸化インジウ
ム(InO、In2O、In23)、酸化ガリウム(G
2O、Ga23、GaO)、酸化ゲルマニウム(Ge
O、GeO2)、酸化バリウム(BaO)、アルミン酸
バリウム(Al23・BaO)、酸化ルビジウム(Rb
2O、Rb22、RbO2、RbO3)、酸化オスミウム
(OsO、OsO2、Os23,OsO4)を挙げること
ができる。好ましくは、酸化亜鉛、酸化マグネシウムで
ある。
【0017】これらの金属化合物は1種単独で使用して
もよいし、また2種以上を任意に組み合わせて使用する
こともできる。
【0018】本発明の製造に用いられる脂肪酸及びタウ
リン塩の割合は、特に制限されないが、モル比として
1:1〜4:1、好ましくは1.5:1〜3:1の範囲
を挙げることができる。また、触媒として使用される金
属化合物の割合としては、タウリン100モルに対して
0.05〜5モル、好ましくは0.1〜1モルの範囲を
挙げることができる。
【0019】上記反応によるアシルタウリン塩の製造方
法は、前述する脂肪酸とタウリン塩を金属化合物の存在
下で、通常160〜260℃、好ましくは190〜22
0℃の温度条件下で、通常0.5〜10時間、好ましく
は1〜5時間反応させることによって実施することがで
きる。
【0020】また、上記反応は不活性ガスとの接触条件
下で行うことが好ましい。ここで不活性ガスとしては窒
素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等を例示すること
ができる。具体的には、反応系内のガスを不活性ガスに
置換して脂肪酸とタウリン塩との反応を行う方法、不活
性ガスの気流の下で脂肪酸とタウリン塩との反応を行う
方法で実施することができる。かかる不活性ガス雰囲気
下での反応によって、生成物の着色化が防止でき、着色
が有意に低減されたアシルタウリン塩を製造取得するこ
とができる。
【0021】上記反応は、特に拘泥されることなく、通
常慣用的に使用される装置を利用して実施することがで
きる。好ましくは、上記反応温度の設定や調整、並びに
反応系を不活性ガス雰囲気とするための設定や調整が可
能であり、さらに反応混合物を撹拌することが可能な装
置であることが望ましい。
【0022】上記反応によって生じる生成物(アシルタ
ウリン塩)は、上記反応の延長上において高温下で溶融
した混合物として得られる。かかる混合物は冷却され、
必要に応じてフレーク化又は粉砕後、アシルタウリン塩
の単離及び精製工程に供される。混合物の冷却方法は、
特に制限されないが、急速な冷却効果が得られるという
理由からドラムフレーカーまたはベルトフレーカーとい
った装置を利用することが好ましい。
【0023】上記混合物からアシルタウリン塩を単離精
製する方法は、特に制限されることなく、当業界で一般
的に使用される単離精製方法を用いることができる。
【0024】アシルタウリンは、上記の反応によって製
造されたアシルタウリン塩から常法に従って塩を脱離さ
せることによって製造することができる。脱塩の方法に
は、特に制限されることなく、例えばイオン交換処理、
中和処理、塩析処理、透析処理などの慣用処理を任意に
組み合わせて使用することができる。
【0025】前述する本発明の製造方法によれば、アシ
ルタウリン塩としてアシルタウリンのアルカリ金属塩
(ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等)又はアル
カリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩)が調
製できるが、必要に応じて更に塩交換を行うことによっ
て、それ以外の無機塩やアンモニウム塩、トリエタノー
ルアミン塩等のアルカノールアミン塩等の有機塩にする
ことができる。特にアシルタウリンのアンモニウム塩、
トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩は、
水溶性に優れる点から好ましいアシルタウリン塩であ
る。
【0026】かかるアシルタウリン塩は、上記塩交換の
他、本発明の方法で直接得られるアシルタウリンのアル
カリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を脱塩してフリーの
アシルタウリンとし、これを原料として所望のアルカリ
性アミン類を用いて中和することによって調製すること
もできる。
【0027】なお、本発明には、下記の態様が含まれ
る: (I)式 <化2> RCOOH + NH2CH2CH2SO3・X→ RCONHCH2CH2SO3・X+ H
2O (式中、RCOは炭素数6〜24の飽和又は不飽和の脂肪
酸残基を、Xはアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩
を示す。)で示される反応を金属化合物の存在下で行う
ことを特徴とする、アシルタウリン塩の製造方法。 (II)金属化合物が、金属塩化物又は金属酸化物である
(I)記載のアシルタウリン塩の製造方法。 (III)金属化合物が、分子中にリチウム、マグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、スズ、鉄、アンチモ
ン、亜鉛、アルミニウム及びジルコニウムよりなる群か
ら選択される少なくとも1種の金属を有する化合物であ
る(I)又は(II)に記載のアシルタウリン塩の製造方
法 (IV)上記反応を不活性ガス雰囲気で行うことを特徴と
する(I)乃至(III)のいずれかに記載のアシルタウリ
ン塩の製造方法。 (V)(I)乃至(IV)のいずれかに記載の方法で得られ
るアシルタウリン塩を脱塩することからなる、アシルタ
ウリンの製造方法。 (VI) (I)に記載の方法で得られるアシルタウリン塩の
アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩をアンモニウム
塩又はアルカノールアミン塩と塩交換するか、(V)の方
法で得られるアシルタウリンをアンモニウム塩又はアル
カノールアミン塩とするアシルタウリンのアンモニウム
塩又はアルカノールアミン塩の製造方法。
【0028】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されるも
のではない。実施例1〜4、比較例1〜2 水分離管付きジムロート、温度計、可変式攪拌機及び窒
素ガス吹き込み口を取り付けた500ml容量の4つ口フラ
スコに、ラウリン酸 150g(0.75mol)、タウリン 31.3
g(0.25mol)及び99%NaOH 10.2g(0.25mol)
と、触媒として塩化マグネシウム(MgCl2・6H
2O)0.0508g(0.25mmol)(実施例1)、塩化スズ
(SnCl2 )0.0474g(0.25mmol)(実施例2)、酸
化亜鉛(ZnO )0.0474g(0.25mmol)(実施例3)、
及び酸化マグネシウム(MgO)0.0203g(0.25mmol)
(実施例4)を入れて、窒素ガスを吹き込みながら温度
190〜195℃で6時間撹拌しながら加熱し、反応経過を追
跡した。また比較例1として触媒として金属化合物に代
えてNaBH4を用いて上記と同様にして反応させた場
合、及び比較例2として触媒を配合しないで上記と同様
にして反応させた場合についても同様に反応経過を追跡
した。反応経過の追跡は、具体的には、所定の反応時間
後に反応系から一部を取り出して、高速液体クロマトグ
ラフィーによって反応液中に残存するタウリンの量を分
析し、かかるタウリンの残存量から反応率(%)を求め
ることにより、反応効率を評価した。結果を表1及び図
1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】図から、タウリン塩と脂肪酸との反応にお
いて触媒として金属化合物(金属塩化物、金属酸化物)
を使用することによって、190〜195℃と低い温度条件に
もかかわらず、早期に反応が進行して早期に完了するこ
とがわかる。具体的には、反応において触媒を使用しな
い場合の2時間後の反応率(190〜195℃下)は約80%
に満たないのに対し(比較例2)、反応触媒として塩化
マグネシウムや塩化スズ等の金属塩化物(実施例1,
2)並びに酸化亜鉛や酸化マグネシウム等の金属酸化物
(実施例3,4)を用いた場合は、190〜195℃での2時
間の反応によって殆ど反応が完了していた(反応率約9
4〜98%)。また、金属化合物以外の触媒を使用した
場合(比較例1)と比べても、金属化合物を触媒として
使用した本発明の製造法のほうが有意に反応速度が速
く、金属塩化物を使用した場合は1時間で約95%、ま
た金属酸化物を使用した場合も1時間で約85%もの反
応が終了し、反応効率に優れた方法であることが判明し
た。
【0031】反応から6時間後に反応を終了し、反応混
合物を冷却し、これからそれぞれ165g(実施例1)、1
69g(実施例2)、165g(実施例3)、166g(実施例
4)、167g(比較例1)及び167g(比較例2)のラウ
リルタウリンナトリウムを取得した。なお、得られたラ
ウリルタウリンナトリウムは、いずれも着色しておら
ず、有意に着色が抑制されていることがわかった。
【0032】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、塩化ナトリ
ウム(塩)などの副生成物を生じることなく、アシルタ
ウリン塩を、収率よく取得することができる。従って、
本発明の製造方法で得られるアシルタウリン塩には塩化
ナトリウムが混入していないので、これを界面活性剤と
することにより皮膚への刺激性の少ないマイルドなシャ
ンプー(毛髪用、ボディー用、顔用)や羊毛用界面活性
剤等の洗浄剤を調製することができる。
【0033】また本発明の製造方法によれば、比較的穏
和な条件下で短時間にアシルタウリン塩を製造すること
ができる。よって本発明の製造方法は省エネルギー型の
方法として有用である。
【0034】さらに請求項4に係る製造法によれば、着
色化が有意に抑制されてなるアシルタウリン塩を製造す
ることができる。
【0035】また常法に従って、本発明で製造されるア
シルタウリン塩からアシルタウリン及びそのアンモニウ
ム塩やアルカノールアミン塩が製造できることから、本
発明の製造方法で得られるアシルタウリン塩はアシルタ
ウリンならびにアシルタウリンのアンモニウム塩又はア
ルカノールアミン塩の原料としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】タウリン塩と脂肪酸とを、触媒として塩化マグ
ネシウム(実施例1)、塩化スズ(実施例2)、酸化亜
鉛(実施例3)、酸化マグネシウム(実施例4)、Na
BH4(比較例1)を用いて反応させた場合、並びに触
媒を使用しないで反応させた場合(比較例2)の、反応
効率(%)を経時的に追跡した結果を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属化合物を触媒として脂肪酸とタウリン
    塩を反応させる工程を有することを特徴とするアシルタ
    ウリン塩の製造方法。
  2. 【請求項2】金属化合物が、金属塩化物又は金属酸化物
    である請求項1記載のアシルタウリン塩の製造方法。
  3. 【請求項3】金属化合物が、分子中にリチウム、マグネ
    シウム、カルシウム、ストロンチウム、スズ、鉄、アン
    チモン、亜鉛、アルミニウム及びジルコニウムよりなる
    群から選択される少なくとも1種の金属を有する化合物
    である請求項1又は2に記載のアシルタウリン塩の製造
    方法
  4. 【請求項4】上記反応工程を不活性ガス雰囲気で行うこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のアシ
    ルタウリン塩の製造方法。
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