JP2002234713A - フラーレン類の製造方法および装置 - Google Patents

フラーレン類の製造方法および装置

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JP2002234713A
JP2002234713A JP2001028987A JP2001028987A JP2002234713A JP 2002234713 A JP2002234713 A JP 2002234713A JP 2001028987 A JP2001028987 A JP 2001028987A JP 2001028987 A JP2001028987 A JP 2001028987A JP 2002234713 A JP2002234713 A JP 2002234713A
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fullerenes
carbon rod
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rod electrodes
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JP2001028987A
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English (en)
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Terubumi Miyakoshi
光史 宮腰
Hiroshi Miyazawa
弘 宮沢
Tomiichi Watanabe
富一 渡辺
Takahiro Nakamura
享弘 中村
Atsuo Yamada
淳夫 山田
Seiji Shiraishi
誠司 白石
Ryuichiro Maruyama
竜一郎 丸山
Hisashi Kajiura
尚志 梶浦
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラーレン類、とくに、カーボンナノチュー
ブを、大量にかつ簡易に、高収率で、製造することので
きるフラーレン類の製造方法および装置を提供する。 【解決手段】 一対の炭素棒電極2、3間に、アーク放
電5を発生させ、生成されたフラーレン類を含む生成物
をからみ取って、捕集することを特徴とするフラーレン
類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラーレン類の製
造方法および装置に関するものであり、さらに詳細に
は、フラーレン類、とくに、カーボンナノチューブを、
大量にかつ簡易に、高収率で、製造することのできるフ
ラーレン類の製造方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カーボンナノチューブは、炭素の同素体
で、厚さ数原子層のグラファイト状炭素原子面を丸めた
円筒が、複数個、入れ子状につながったものであり、直
径が約0.5nmないし10nmで、長さが約数μm程
度の微細な材料である。
【0003】カーボンナノチューブは、その電子物性
が、螺旋の巻き方、すなわち、いわゆるカイラリティに
より、金属的性質から半導体的性質まで変化することが
理論的に明らかにされている。
【0004】したがって、カーボンナノチューブは、次
世代の電子材料として有望視されており、ことに、ナノ
エレクトロニクス材料、高指向放射線源、軟X線源、一
次元伝導材料、高熱伝導材料、水素貯蔵材料などへの応
用が期待されている。表面の官能基化、金属被覆、異物
質内包などの処理を加えることによって、カーボンナノ
チューブの用途は、さらに、拡大する予想されている。
【0005】そのため、カーボンナノチューブを、大量
かつ簡易に、高収率で、製造することのできる方法の開
発が望まれている。
【0006】一方、炭素の同素体であるフラーレンもま
た、感光体、光電変換素子、太陽電池、オプティカルリ
ミッター、トナー、非線形光学素子、スイッチング素
子、超伝導体、トランジスタ、ジョセフソン素子、セン
サー、ダイオード、触媒、エミッタなどへの応用が期待
されており、カーボンナノチューブと同様に、大量かつ
簡易に、高収率で、製造することのできる方法の開発が
望まれている。
【0007】従来、カーボンナノチューブは、減圧下の
不活性なガス雰囲気中において、炭素とコバルトなどの
触媒金属を混合した混合物に、レーザ照射を施して、炭
素を蒸発させ、冷却した針状物の上に、カーボンナノチ
ューブを成長させるレーザアブレーション法や、CVD
法、炭素棒を電極に用いて、減圧下の不活性ガス雰囲気
中において、アーク放電を施して、炭素棒の上に、カー
ボンナノチューブを成長させるアーク放電法などによっ
て、合成されているが、これらのうち、アーク放電法
が、カーボンナノチューブの大量合成に適しているた
め、広く用いられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アーク
放電法によって、カーボンナノチューブを合成する場合
には、収率が低く、また、精製によって、不純物を除去
するのに時間がかかるという問題があった。
【0009】すなわち、アーク放電法により、カーボン
ナノチューブを合成する場合には、純粋炭素電極からな
るカソードと、鉄、コバルト、ニッケル、ランタンなど
の金属添加電極からなるアノードとの間に、アーク放電
を発生させると、アノードから、金属と炭素とが同時に
蒸発し、蒸発した炭素がすすを形成するが、蒸発した金
属が触媒として作用するため、形成されたすすの中に、
カーボンナノチューブが生成される。このアーク放電法
によれば、カーボンナノチューブを含むすすを大量に合
成することができるが、蒸発した炭素の一部が、堆積物
として、カソード上に成長するため、結果として、カー
ボンナノチューブの収率を向上させることができないと
いう問題があった。
【0010】また、こうして生成されたすすには、カー
ボンナノチューブの他、黒鉛、アモルファスカーボン、
触媒金属、触媒金属の酸化物などの不純物が含まれてい
るため、精製によって、不純物を除去する必要があり、
精製は、通常、硝酸などの酸性溶液により、触媒金属を
除去し、空気あるいは酸素処理により、アモルファスカ
ーボンや黒鉛を除去することによっておこなわれている
が、10ないし40重量%のカーボンナノチューブを含
む1gのすすの精製に、3日以上を要しているというの
が現状であり、効率的に、カーボンナノチューブを得る
ことができないという問題があった。
【0011】したがって、本発明は、フラーレン類、と
くに、カーボンナノチューブを、大量にかつ簡易に、高
収率で、製造することのできるフラーレン類の製造方法
および装置を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
一対の炭素棒電極間に、アーク放電を発生させ、生成さ
れたフラーレン類を含む生成物をからみ取って、捕集す
ることを特徴とするフラーレン類の製造方法によって達
成される。
【0013】本発明は、アーク放電が生成された部分か
ら、上方に向けて、蜘蛛の巣状あるいは綿状に放出され
る生成物が、フラーレン類、とくに、潜在的に、広い分
野での応用が期待されているカーボンナノチューブの純
度が高く、からみ取ることによって、とくに効率的に捕
集することができるという知見に基づくものであり、本
発明によれば、フラーレン類、とくに、カーボンナノチ
ューブの純度が高い生成物を、効率よく捕集することが
でき、フラーレン類、とくに、カーボンナノチューブ
を、大量にかつ簡易に、高収率で、製造することが可能
になる。
【0014】本発明の好ましい実施態様においては、一
対の炭素棒電極間に、アーク放電を発生させ、蜘蛛の巣
状あるいは綿状に生成されたフラーレン類を含む生成物
を捕集するように構成されている。
【0015】本発明の好ましい実施態様によれば、アー
ク放電が生成された部分から、上方に向けて、蜘蛛の巣
状あるいは綿状に放出されるフラーレン類、とくに、カ
ーボンナノチューブの純度が高い生成物を、効率よく捕
集することができ、フラーレン類、とくに、カーボンナ
ノチューブを、大量にかつ簡易に、高収率で、製造する
ことが可能になる。
【0016】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記フラーレン類を含む生成物が、カーボンナノチ
ューブを含んでいる。
【0017】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、潜在的に、広い分野での応用が期待されているカー
ボンナノチューブを、大量にかつ簡易に、高収率で、製
造することが可能になる。
【0018】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、一対の炭素棒電極間に、アーク放電を発生させ、生
成されたフラーレン類を含む生成物を、フォーク状の捕
集部材を回転させることによって、捕集するように構成
されている。
【0019】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、一対の炭素棒電極間に、アーク放電を発生させ、生
成されたフラーレン類を含む生成物を、フォーク状の捕
集部材を回転させることによって、捕集するように構成
されているから、アーク放電が生成された部分から、上
方に向けて、蜘蛛の巣状あるいは綿状に放出されるフラ
ーレン類、とくに、カーボンナノチューブの純度が高い
生成物を、効率よく捕集することができ、フラーレン
類、とくに、カーボンナノチューブを、大量にかつ簡易
に、高収率で、製造することが可能になる。
【0020】本発明のさらに別の好ましい実施態様にお
いては、一対の炭素棒電極間に、アーク放電を発生さ
せ、生成されたフラーレン類を含む生成物を、網状の捕
集部材を回転させることによって、捕集するように構成
されている。
【0021】本発明のさらに別の好ましい実施態様によ
れば、一対の炭素棒電極間に、アーク放電を発生させ、
生成されたフラーレン類を含む生成物を、網状の捕集部
材を回転させることによって、捕集するように構成され
ているから、アーク放電が生成された部分から、上方に
向けて、蜘蛛の巣状あるいは綿状に放出されるフラーレ
ン類、とくに、カーボンナノチューブの純度が高い生成
物を、効率よく捕集することができ、フラーレン類、と
くに、カーボンナノチューブを、大量にかつ簡易に、高
収率で、製造することが可能になる。
【0022】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記捕集部材を低速で回転させて、一対の炭素棒電
極間に、アーク放電を発生させ、生成されたフラーレン
類を含む生成物を捕集するように構成されている。
【0023】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、網状の捕集部材や、フォーク状の捕集部材を低速で
回転させて、一対の炭素棒電極間に、アーク放電を発生
させ、生成されたフラーレン類を含む生成物を捕集する
ように構成されているから、アーク放電が生成された部
分から、上方に向けて、蜘蛛の巣状あるいは綿状に放出
されるフラーレン類、とくに、カーボンナノチューブの
純度が高い生成物を、捕集部材によって、効率よく捕集
することができ、フラーレン類、とくに、カーボンナノ
チューブを、大量にかつ簡易に、高収率で、製造するこ
とが可能になる。
【0024】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記一対の炭素棒電極のうち、正極となる炭素棒電
極が触媒金属を含んでいる。
【0025】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記触媒金属が、Co、Ni、Sc、V、Cr、M
n、Fe、Cu、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ta、
W、Au、Th、U、La、Ce、Pr、Nd、Gd、
Tb、Dy、Ho、Er、TmおよびLuよりなる群か
ら選ばれた1または2以上の金属によって構成されてい
る。
【0026】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、一対の炭素棒電極のうち、正極となる炭素棒電極
が、Co、Ni、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Cu、
Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ta、W、Au、Th、
U、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、TmおよびLuよりなる群から選ばれた1ま
たは2以上の金属よりなる触媒金属を含んでいるので、
これらの触媒金属を内包した金属内包フラーレン類を効
率的に製造することが可能になる。
【0027】本発明の前記目的はまた、一対の炭素棒電
極と、前記一対の炭素棒電極の上方に設けられ、生成さ
れたフラーレン類を含む生成物をからみ取って、捕集す
る捕集部材を備えたことを特徴とするフラーレン類の製
造装置によって達成される。
【0028】本発明によれば、一対の炭素棒電極により
生成されたアーク放電の部分から、上方に向けて、蜘蛛
の巣状あるいは綿状に放出されるフラーレン類、とく
に、カーボンナノチューブの純度が高い生成物を、効率
よく捕集することができ、フラーレン類、とくに、カー
ボンナノチューブを、大量にかつ簡易に、高収率で、製
造することが可能になる。
【0029】本発明の好ましい実施態様においては、前
記捕集部材が、フォーク状をなし、回転可能に構成され
ている。
【0030】本発明の好ましい実施態様によれば、捕集
部材が、フォーク状をなし、回転可能に構成されている
から、フォーク状をなした捕集部材を回転させることに
よって、一対の炭素棒電極により生成されたアーク放電
の部分から、上方に向けて、蜘蛛の巣状あるいは綿状に
放出されるフラーレン類、とくに、カーボンナノチュー
ブの純度が高い生成物を、効率よく捕集することがで
き、フラーレン類、とくに、カーボンナノチューブを、
大量にかつ簡易に、高収率で、製造することが可能にな
る。
【0031】本発明の別の好ましい実施態様において
は、前記捕集部材が、網状をなし、回転可能に構成され
ている。
【0032】本発明の別の好ましい実施態様によれば、
捕集部材が、網状をなし、回転可能に構成されているか
ら、網状をなした捕集部材を回転させることによって、
一対の炭素棒電極により生成されたアーク放電の部分か
ら、上方に向けて、蜘蛛の巣状あるいは綿状に放出され
るフラーレン類、とくに、カーボンナノチューブの純度
が高い生成物を、効率よく捕集することができ、フラー
レン類、とくに、カーボンナノチューブを、大量にかつ
簡易に、高収率で、製造することが可能になる。
【0033】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記捕集部材が、低速で、回転可能に構成されてい
る。
【0034】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、フォーク状をなした捕集部材や、網状をなした捕集
部材を、低速で、回転させることによって、一対の炭素
棒電極により生成されたアーク放電の部分から、上方に
向けて、蜘蛛の巣状あるいは綿状に放出されるフラーレ
ン類、とくに、カーボンナノチューブの純度が高い生成
物を、効率よく捕集することができ、フラーレン類、と
くに、カーボンナノチューブを、大量にかつ簡易に、高
収率で、製造することが可能になる。
【0035】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記一対の炭素棒電極が、略水平面内に、それぞれ
の端部が対向するように配置されている。
【0036】本発明のさらに別の好ましい実施態様にお
いては、前記一対の炭素棒電極が、略鉛直面内に、それ
ぞれの端部が対向するように配置されている。
【0037】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記一対の炭素棒電極のうち、正極となる炭素棒電
極が触媒金属を含んでいる。
【0038】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記触媒金属が、Co、Ni、Sc、V、Cr、M
n、Fe、Cu、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ta、
W、Au、Th、U、La、Ce、Pr、Nd、Gd、
Tb、Dy、Ho、Er、TmおよびLuよりなる群か
ら選ばれた1または2以上の金属によって構成されてい
る。
【0039】本発明のさらに好ましい実施態様によれ
ば、一対の炭素棒電極のうち、正極となる炭素棒電極
が、Co、Ni、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Cu、
Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ta、W、Au、Th、
U、La、Ce、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、TmおよびLuよりなる群から選ばれた1ま
たは2以上の金属よりなる触媒金属を含んでいるので、
これらの触媒金属を内包した金属内包フラーレン類を効
率的に製造することが可能になる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0041】図1は、本発明の好ましい実施態様にかか
るカーボンナノチューブの製造装置の略側面図である。
【0042】図1に示されるように、カーボンナノチュ
ーブの製造装置は、減圧下の不活性なガス雰囲気に保持
された反応チャンバー1と、正極として作用する炭素棒
電極2と、負極として作用する炭素棒電極3を備え、一
対の炭素棒電極2と炭素棒電極3は、反応チャンバー1
内において、その長手軸線が略水平面内に位置し、互い
に、一方の端部が対向するように配置されている。炭素
棒電極2と炭素棒電極3の他端部は、それぞれ、直流電
源4に接続され、一対の炭素棒電極2と炭素棒電極3の
間に、アーク放電5が生成可能に構成されている。ここ
に、正極として作用する炭素棒電極2には、カーボンナ
ノチューブを生成する際に、触媒となるCoおよびNi
を含有した炭素棒が使用されている。
【0043】図1に示されるように、本実施態様にかか
るカーボンナノチューブの製造装置は、さらに、一対の
炭素棒電極2と炭素棒電極3の上方の反応チャンバー3
内に、モータ(図示せず)によって、低速で、回転可能
な軸6に支持された金属製のフォーク状の捕集部材7を
備えている。
【0044】以上のように構成された本実施態様にかか
るカーボンナノチューブの製造装置は、以下のようにし
て、カーボンナノチューブを生成する。
【0045】直流電源4によって、電流が供給される
と、一対の炭素棒電極2と炭素棒電極3の間に、アーク
放電5が生成される。
【0046】その結果、正極として作用する炭素棒電極
2から、カーボンナノチューブが生成される。
【0047】生成されたカーボンナノチューブを含む生
成物の一部は、アーク放電5が生成された部分から、上
方に向けて、放出され、反応チャンバー1の壁面に付着
するが、一部は、上方に向けて、蜘蛛の巣状あるいは綿
状に放出される。
【0048】本発明者の研究によれば、アーク放電5が
生成された部分から、上方に向けて、蜘蛛の巣状あるい
は綿状に放出されるカーボンナノチューブを含む生成物
が、最もカーボンナノチューブの純度が高いことが判明
している。
【0049】そこで、本実施態様においては、モータ
(図示せず)を駆動して、軸6を低速で回転させ、フォ
ーク状の捕集部材7を回転させることによって、アーク
放電5が生成された部分から、上方に向けて、蜘蛛の巣
状あるいは綿状に放出されるカーボンナノチューブを含
む生成物を捕集するように構成されている。
【0050】すなわち、アーク放電5が生成された部分
から、上方に向けて、蜘蛛の巣状あるいは綿状に放出さ
れる高純度でカーボンナノチューブを含む生成物は、モ
ータ(図示せず)によって、軸6とともに、低速で回転
されているフォーク状の捕集部材7によって、からみ取
られ、捕集される。
【0051】正極として作用する炭素棒電極2が消耗さ
れると、直流電源4およびモータがオフされ、低速で回
転されているフォーク状の捕集部材7によって、からみ
取られて、捕集されたカーボンナノチューブを含む生成
物が回収される。
【0052】フォーク状の捕集部材7によって、捕集さ
れずに、反応チャンバー1の内壁面に付着したカーボン
ナノチューブを含む生成物は、スクレーパによって掻き
取られる。
【0053】本実施態様によれば、アーク放電5が生成
された部分から、上方に向けて、蜘蛛の巣状あるいは綿
状に放出される最もカーボンナノチューブの純度が高い
カーボンナノチューブを含む生成物を、一対の炭素棒電
極2と炭素棒電極3の上方の反応チャンバー3内に設け
られ、軸6とともに、低速で、回転駆動されるフォーク
状の捕集部材7によって、からみ取って、捕集するよう
に構成されているから、効率よく、最もカーボンナノチ
ューブの純度が高い生成物を捕集することができ、した
がって、カーボンナノチューブを、大量にかつ簡易に、
高収率で、製造することが可能になる。
【0054】図2は、本発明の別の好ましい実施態様に
かかるカーボンナノチューブの製造装置に用いられる捕
集部材の略斜視図である。
【0055】図2に示されるように、本実施態様にかか
るカーボンナノチューブの製造装置は、図1に示された
金属製のフォーク状の捕集部材7に代えて、金属製の網
によって構成された円形の捕集部材10が用いられてお
り、捕集部材10の中央部は、図1と同様に、モータ
(図示せず)によって、低速で、回転可能な軸6に取り
付けられている。
【0056】本実施態様によれば、アーク放電5が生成
された部分から、上方に向けて、蜘蛛の巣状あるいは綿
状に放出される高純度でカーボンナノチューブを含む生
成物は、モータによって、軸6とともに、低速で、回転
されている金属製の網によって構成された円形の捕集部
材10により、からみ取られて、効果的に捕集されるか
ら、効率よく、最もカーボンナノチューブの純度が高い
生成物を捕集することができ、したがって、カーボンナ
ノチューブを、大量にかつ簡易に、高収率で、製造する
ことが可能になる。
【0057】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0058】たとえば、図1に示された実施態様におい
ては、金属製のフォーク状の捕集部材7によって、アー
ク放電5が生成された部分から、上方に向けて、蜘蛛の
巣状あるいは綿状に放出される高純度でカーボンナノチ
ューブを含む生成物を、からみ取って、捕集するように
構成され、図2に示された実施態様においては、金属製
の網によって構成された円形の捕集部材10により、ア
ーク放電5が生成された部分から、上方に向けて、蜘蛛
の巣状あるいは綿状に放出される高純度でカーボンナノ
チューブを含む生成物を、からみ取って、捕集するよう
に構成されているが、フォーク状の捕集部材7を金属に
よって構成することは必ずしも必要でなく、金属製のフ
ォーク状の捕集部材7に代えて、ロープや紐などが吊り
下げられて、静止状態で、フォーク状をなした捕集部材
を用いることもできるし、また、捕集部材10を、金属
製の網によって円形に構成することも必ずしも必要では
なく、金属製の網によって構成された円形の捕集部材1
0に代えて、任意の材料によって形成された網状部材よ
りなる任意の形状の捕集部材を用いるようにしてもよ
く、アーク放電5が生成された部分から、上方に向け
て、蜘蛛の巣状あるいは綿状に放出される高純度でカー
ボンナノチューブを含む生成物を、からみ取って、捕集
することができれば、捕集部材の材質、形状は、とくに
限定されるものではない。
【0059】また、前記実施態様においては、正極とし
て作用する炭素棒電極2と、負極として作用する炭素棒
電極3とが、その長手軸線が略水平面内に位置するよう
に配置されているが、正極として作用する炭素棒電極2
と、負極として作用する炭素棒電極3とを略鉛直面内に
配置するようにしてもよい。
【0060】さらに、前記実施態様においては、カーボ
ンナノチューブを製造する例が示されているが、本発明
は、カーボンナノチューブに限らず、カーボンナノチュ
ーブを含むフラーレン類の製造に広く使用することがで
きる。
【0061】また、前記実施態様においては、一対の炭
素棒電極2、3の間に、電圧を印加する電源として、直
流電源4が用いられているが、交流電源を用いて、一対
の炭素棒電極2、3の間に、電圧を印加することもでき
る。
【0062】さらに、前記実施態様においては、正極と
して作用する炭素棒電極2には、カーボンナノチューブ
を生成する際に、触媒となるCoおよびNiを含有した
炭素棒が使用されているが、触媒としては、Coおよび
Niに限定されるものではなく、Sc、V、Cr、M
n、Fe、Cu、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ta、
W、Au、Th、U、La、Ce、Pr、Nd、Gd、
Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Luなどを、触媒とし
て、正極として作用する炭素棒電極2を構成する炭素棒
中に含有させることができる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、フラーレン類、とく
に、カーボンナノチューブを、大量にかつ簡易に、高収
率で、製造することのできるフラーレン類の製造方法お
よび装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかるカ
ーボンナノチューブの製造装置の略側面図である。
【図2】図2は、本発明の別の好ましい実施態様にかか
るカーボンナノチューブの製造装置に用いられる捕集部
材の略斜視図である。
【符号の説明】
1 反応チャンバー 2 炭素棒電極 3 炭素棒電極 4 直流電源 5 アーク放電 6 軸 7 捕集部材 10 捕集部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 富一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 中村 享弘 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 山田 淳夫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 白石 誠司 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 丸山 竜一郎 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 梶浦 尚志 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4G046 CA00 CC02 CC06 CC08 CC09

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の炭素棒電極間に、アーク放電を発
    生させ、生成されたフラーレン類を含む生成物をからみ
    取って、捕集することを特徴とするフラーレン類の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 一対の炭素棒電極間に、アーク放電を発
    生させ、蜘蛛の巣状に生成されたフラーレン類を含む生
    成物を捕集することを特徴とする請求項1に記載のフラ
    ーレン類の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記フラーレン類を含む生成物が、カー
    ボンナノチューブを含むことを特徴とする請求項1また
    は2に記載のフラーレン類の製造方法。
  4. 【請求項4】 一対の炭素棒電極間に、アーク放電を発
    生させ、生成されたフラーレン類を含む生成物を、フォ
    ーク状の捕集部材をで回転させることによって、捕集す
    ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に
    記載のフラーレン類の製造方法。
  5. 【請求項5】 一対の炭素棒電極間に、アーク放電を発
    生させ、生成されたフラーレン類を含む生成物を、網状
    の捕集部材を回転させることによって、捕集することを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のフ
    ラーレン類の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記捕集部材を低速で回転させて、一対
    の炭素棒電極間に、アーク放電を発生させ、生成された
    フラーレン類を含む生成物を捕集することを特徴とする
    請求項5または6に記載のフラーレン類の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記一対の炭素棒電極のうち、正極とな
    る炭素棒電極が触媒金属を含んだことを特徴とする請求
    項1ないし6のいずれか1項に記載のフラーレン類の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記触媒金属が、Co、Ni、Sc、
    V、Cr、Mn、Fe、Cu、Y、Zr、Nb、Mo、
    Pd、Ta、W、Au、Th、U、La、Ce、Pr、
    Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、TmおよびLu
    よりなる群から選ばれた1または2以上の金属よりなる
    ことを特徴とする請求項7に記載のフラーレン類の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 一対の炭素棒電極と、前記一対の炭素棒
    電極の上方に設けられ、生成されたフラーレン類を含む
    生成物をからみ取って、捕集する捕集部材を備えたこと
    を特徴とするフラーレン類の製造装置。
  10. 【請求項10】 前記捕集部材が、フォーク状をなし、
    回転可能に構成されたことを特徴とする請求項9に記載
    のフラーレン類の製造装置。
  11. 【請求項11】 前記捕集部材が、網状をなし、回転可
    能に構成されたことを特徴とする請求項9に記載のフラ
    ーレン類の製造装置。
  12. 【請求項12】 前記捕集部材が、低速で、回転可能に
    構成されたことを特徴とする請求項10または11に記
    載のフラーレン類の製造装置。
  13. 【請求項13】 前記一対の炭素棒電極が、略水平面内
    に、それぞれの端部が対向するように配置されたことを
    特徴とする請求項9ないし12のいずれか1項に記載の
    フラーレン類の製造装置。
  14. 【請求項14】 前記一対の炭素棒電極が、略鉛直面内
    に、それぞれの端部が対向するように配置されたことを
    特徴とする請求項9ないし12のいずれか1項に記載の
    フラーレン類の製造装置。
  15. 【請求項15】 前記一対の炭素棒電極のうち、正極と
    なる炭素棒電極が触媒金属を含んだことを特徴とする請
    求項9ないし14のいずれか1項に記載のフラーレン類
    の製造装置。
  16. 【請求項16】 前記触媒金属が、Co、Ni、Sc、
    V、Cr、Mn、Fe、Cu、Y、Zr、Nb、Mo、
    Pd、Ta、W、Au、Th、U、La、Ce、Pr、
    Nd、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、TmおよびLu
    よりなる群から選ばれた1または2以上の金属よりなる
    ことを特徴とする請求項15に記載のフラーレン類の製
    造装置。
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WO2004041718A1 (ja) * 2002-11-05 2004-05-21 Kabushiki Kaisha Ohc Carbon 蒸気爆発によるナノ物質の製造方法及びその装置並びにナノ原料の製造方法
JP2008214142A (ja) * 2007-03-06 2008-09-18 Univ Meijo カーボンナノチューブ製造装置と製造方法

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