JP2002234102A - 輸液容器用積層体およびその製造方法 - Google Patents

輸液容器用積層体およびその製造方法

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JP2002234102A
JP2002234102A JP2001031529A JP2001031529A JP2002234102A JP 2002234102 A JP2002234102 A JP 2002234102A JP 2001031529 A JP2001031529 A JP 2001031529A JP 2001031529 A JP2001031529 A JP 2001031529A JP 2002234102 A JP2002234102 A JP 2002234102A
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thin film
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JP2001031529A
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Masami Goto
優実 後藤
Akira Iwamori
暁 岩森
Takayuki Kajiwara
梶原  孝之
Mamoru Kagami
加々美  守
Hiroshi Tanaka
博士 田中
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリヤー性および透明性に優れた輸
液容器用積層体を提供すること。 【解決手段】 プラスチックフィルム層の少なくとも一
方の面にガスバリヤー性無機物薄膜層、アンカーコート
剤からなる接着剤層、および保護フィルム層がこの順に
積層し一体化した積層体である。この積層体は、アミノ
酸を主成分にした輸液または重炭酸リンゲル液を主成分
にした輸液を収納する容器として好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスバリヤー性に
優れた輸液容器用積層体およびその製造方法に関し、よ
り詳細には、アミノ酸や炭酸リンゲル液等を含む輸液の
収納・保存容器に使用可能な透明性およびガスバリヤー
性を備えた積層体およびその製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】輸液の多くは、ガラス製容器を用
いて収納保存されて来たが、軽量化、コンパクト化ある
いは耐衝撃性向上等の要請からプラスチック製容器へと
徐々に移行しつつある。しかし、プラスチック製容器
は、ガラス製容器に比べて一般に酸素等のガスや水蒸気
の透過率が高いことから、より一層ガスバリヤー性に優
れた輸液容器が求められている。
【0003】近年、プラスチック製品の酸素等のガスや
水蒸気の透過率を下げるために、例えば特開平5−83
18号公報等には、真空蒸着法、スパッタリング法、あ
るいは化学的気相蒸着法(CVD)を活用してシリカ
(SiO)やアルミナ(AlO)薄膜をポリエステ
ルフィルム上に形成した種々のフィルムが提案されてい
る。そのようなフィルムの中には良好な透明性を有する
ものがあることから、輸液の保存状態の確認に適した透
明性を有する容器がそれらから成形できる。しかし、特
にアミノ酸や重炭酸リンゲル液を主成分にした輸液容器
には、きわめて高いガスバリヤー性が要求されているの
で、それらのフィルムから製造した容器は、なお酸素等
のガスや水蒸気のバリヤー性能を十分に有しているとは
言い難い。
【0004】アミノ酸を主成分にした輸液の場合、容器
の酸素透過率が0.3(cc/m・day・atm)
以下、より好ましくは0.2(cc/m・day・a
tm)以下でないと、保管中にL−システイン等のアミ
ノ酸輸液成分に変質が起こりやすいとも言われている。
また、重炭酸リンゲル液を主成分にした輸液の場合に
も、容器の酸素透過率が0.3(cc/m・day・
atm)以下、より好ましくは0.2(cc/m・d
ay・atm)以下でないと、保管中に輸液のpHが上
昇し易いと言われている。
【0005】プラスチックフィルム上にシリカ薄膜やア
ルミナ薄膜を形成した前記の積層体は、さらにポリオレ
フィンフィルムのような軟質フィルムを貼り合わせたフ
ィルム積層体として用いられている。これらの積層体は
従来から検討されてきたが、ポリオレフィンフィルムは
一般にガスバリヤー性に乏しく、ポリオレフィンフィル
ムを貼り合わせることでガスバリヤー性の大幅な向上が
図られたとの報告は未だなされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、ガス
バリヤー性および透明性に優れた輸液容器用積層体の提
供を目的にする。また本発明の目的は、高いガスバリヤ
ー性および透明性を保持した輸液容器用積層体の製造方
法を提供することである。
【0007】
【発明を解決するための手段】すなわち本発明は、プラ
スチックフィルム層の少なくとも一方の面にガスバリヤ
ー性無機物薄膜層、アンカーコート剤からなる接着剤
層、および保護フィルム層がこの順に積層し一体化して
いる輸液容器用積層体に関する。この輸液容器用積層体
は、その酸素透過率が0.3(cc/m・day・a
tm)以下であることが望ましく、アミノ酸を主成分に
した輸液または重炭酸リンゲル液を主成分にした輸液を
収納する輸液容器に好適である。
【0008】前記のプラスチックフィルム層としては、
ポリエステル、ポリアミド、エチレン・ビニルアルコー
ル共重合体、ポリオレフィン、およびポリイミドからな
る群から選ばれる少なくとも1種の樹脂フィルム層が好
ましく、無機物薄膜層としては、酸化珪素系薄膜、特に
窒素原子を含む酸窒化珪素薄膜が好ましく、アンカーコ
ート剤からなる接着剤層としては、エチレン・ビニルア
ルコール共重合体系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系
樹脂、およびポリエステル系樹脂からなる群から選ばれ
る少なくとも1種のアンカーコート剤の層が好ましく、
さらに保護フィルム層としては、エチレン系重合体フィ
ルムまたはプロピレン系重合体フィルム層が好ましい。
【0009】また本発明は、プラスチックフィルムの一
方の面にガスバリヤー性無機物薄膜層を形成してガスバ
リヤー性フィルムとなし、また保護フィルムの一方の面
にアンカーコート剤を塗布し、次いでガスバリヤー性フ
ィルムの無機物薄膜層面と保護フィルムに形成されたア
ンカーコート剤層とが重なり合うように配置し、かつフ
ィルム面を加圧することによって積層し一体化する輸液
容器用積層体の製造方法に関する。その積層一体化工程
は、ガスバリヤー性フィルムに1〜8(kg/m)のフ
ィルム張力を加えた条件下で進められることが望まし
い。
【0010】
【発明の具体的説明】次に本発明に係わる輸液容器用積
層体の構成、その製造方法および各構成要素について具
体的に説明する。
【0011】積 層 体 本発明に係わる輸液容器用積層体は、プラスチックフィ
ルム層の少なくとも一方の面にガスバリヤー性無機物薄
膜層が設けられ、さらにその外側に接着剤層を介して保
護フィルム層が被覆され、それらの層が全体として一体
化した層構成をとっている。
【0012】図1は、積層体1の概略断面図であって、
基板となるプラスチックフィルム層10の一方の表面上
にガスバリヤー性無機物薄膜層20が形成され、さらに
接着剤層30および保護フィルム40が順次積層してい
る。すなわち、プラスチックフィルム層10/無機物薄
膜層20/接着剤層30/保護フィルム40からなる4
層構造の積層体である。なお、プラスチックフィルム層
10の無機物薄膜層20が形成されていない他の面に、
さらに接着剤層を介して別のフィルム層を設けてもよ
い。
【0013】基体としてのプラスチックフィルム層は、
高い透明性を持つフィルム層から形成されていることが
望ましい。そのようなフィルムとしては、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート
等のポリエステルフィルム、ナイロン6、ナイロン66
等のポリアミドフィルム、エチレン・ビニルアルコール
共重合体(エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物)、ポ
リエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィル
ム、ポリイミドフィルム等が好ましい。
【0014】それらの中でも、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ナイロン
6、エチレン・ビニルアルコール共重合体(商品名:エ
バール)から製造されたフィルムの層は、透明性、ガス
バリヤー性、機械的強度等の物性に優れていることから
より好ましい。これらのフィルム層は延伸フィルムであ
ってもよいし、未延伸フィルムであってもよく、また、
異なる2種のフィルムを複合した積層フィルムでもよ
く、さらにそれらの樹脂を混合したブレンドフィルムで
あってもよい。フィルム層の厚みは、通常5〜200μ
m、好ましくは10〜50μmである。
【0015】無機物薄膜層は、ガスバリヤー性を持ち、
かつ透明性の高い層であって、積層体中でガスバリヤー
層を形成している。ガスバリヤー性薄膜を形成する無機
物としては、酸化珪素、アルミナ等が好ましく、特に酸
化珪素が好ましい。酸化珪素の中でも窒素原子を含む酸
窒化珪素から形成した非晶質の薄膜は、透明性とガスバ
リヤー性に優れていることから望ましい。
【0016】そのような酸窒化珪素薄膜は、その組成
が、酸素3〜72原子%、好ましくは5〜60原子%、
窒素3〜72原子%、好ましくは5〜50原子%であ
る。ここで、酸素と窒素の合計がが75原子%以下、好
ましくは30〜70原子%である。その組成は、X線光
電子分光法、オージェ電子分光法等の手法で分析するこ
とができる。組成が前記の範囲内にあると、薄膜は非晶
質であって、高いガスバリヤー性と透明性を示す。
【0017】この無機物薄膜層は、真空蒸着法、スパッ
タリング法、化学的気相蒸着法(CVD)等の手法でプ
ラスチックフィルム層上に形成することができ、その厚
みは通常5〜200nm、好ましくは10〜50nmが
適しており、この範囲内にあると層構成体は柔軟性を有
するので、薄膜に亀裂が入りにくく、高いガスバリヤー
効果を保つことができる。
【0018】無機物薄膜層の表面側には、保護フィルム
層を接合するための接着剤層が設けられている。接着剤
層は、接合する保護フィルム層および薄膜層の種類に応
じて双方に良好な接着性を示す接着剤の中から選択して
使用される。特に、アンカーコート剤と呼ばれているド
ライラミネーション用接着剤が望ましい。そのアンカー
コート剤の例としては、エチレン・ビニルアルコール共
重合体系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂が挙げられるが、臭気や耐熱性を考慮す
るとウレタン系樹脂あるいはポリエステル系樹脂が好ま
しい。ウレタン系アンカーコート剤の中では、ポリオー
ルと硬化剤としてのイソシアネート化合物とから構成さ
れるアンカーコート剤が好適である。
【0019】アンカーコート剤層の厚みは特に制限され
ないが、0.5μm〜50μmが好ましく、より好まし
くは、1μm〜20μmであって、この範囲内であれば
十分な層間接着強度が得られる。
【0020】保護フィルム層は、無機物薄膜層を主に外
部衝撃から保護するための層であって、剛性等の機械的
強度および透明性に優れたフィルム層が用いられる。そ
のような物性を備えた上で、ヒートシール性を有してい
ると、積層体を例えば容器形状に変えたり、密封する等
の後加工面で好都合である。そのような観点から、保護
フィルム層を形成する樹脂としては、ポリオレフィンが
好ましい。
【0021】ポリオレフィンとしては、直鎖状低密度ポ
リエチレン、分岐状低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレンのようなエチレン系重合体、プロピレン・α−オ
レフィンランダム共重合体やプロピレン・α−オレフィ
ンブロック共重合体のようなプロピレン系重合体が好ま
しい。その保護フィルム層の厚さは特に制限されない
が、5〜500μm、好ましくは10〜200μmであ
る。
【0022】図1では、プラスチックフィルム層の一方
の面に無機物薄膜層/接着剤層/保護フィルム層を順次
設けた4層構造の積層体を示したが、プラスチックフィ
ルム層の両方の面にそれらの層を対称的に設けた積層体
であってもよい。図2は、プラスチックフィルム層10
の両面に無機物薄膜層20/接着剤層30/保護フィル
ム層40を設けた7層構造の積層体2の概略断面図であ
る。すなわち、保護フィルム層40/接着剤層30/無
機物薄膜層20/プラスチックフィルム層10/無機物
薄膜層20/接着剤層30/保護フィルム層40からな
る7層が接合し、一体化した積層体である。
【0023】図2では、無機物薄膜層が2層に設けられ
ており、2層を合計したときの総厚が図1の1層の厚さ
と同じであっても、高いガスバリヤー性が得られる利点
がある。また、各無機物薄膜層および保護フィルム層
は、各々その種類および厚さを適宜変えることもでき
る。
【0024】一般に、多層積層体の酸素透過率の逆数
は、積層体を構成する各層の酸素透過率の逆数を合計す
ることで求められる。本発明で接着剤層形成に使用する
アンカーコート剤および保護フィルム層に使用するポリ
オレフィンフィルムの各酸素透過率は、プラスチックフ
ィルム層の一方の面にガスバリヤー性無機物薄膜層を設
けたガスバリヤー性フィルムの酸素透過率よりも一般に
かなり大きい。従って、接着剤層、保護フィルム層、ガ
スバリヤー性フィルム、輸液容器用積層体の酸素透過率
を各々S1、S2、S3、S4で表すと、S1およびS
2は無視することができるため、S4はS3とほぼ等し
くなると予想される。しかし、実際にS4を測定してみ
ると、計算上予想される値よりも小さな値を示し、すな
わちガスバリヤー性が大きく向上することがわかった。
【0025】本発明に係わる積層体は、直接容器形状へ
と一段で成形してもよいし、あるいは一旦フィルム形状
に成形してから二次成形で容器形状へと変えてもよく、
いずれにしても高いガスバリヤー性が得られる。その中
でも酸素透過率が0.3(cc/m/day/at
m)以下の積層体が好ましく、各種輸液の収納容器に適
しており、輸液の長期間安定保存を可能にする。
【0026】積層体の製造方法 本発明に係わる輸液容器用積層体の製造方法は、まずプ
ラスチックフィルムの一方の面にガスバリヤー性無機物
薄膜層が形成されたガスバリヤー性フィルムを準備す
る。ガスバリヤー性のある無機物薄膜層の形成は、酸化
珪素、酸窒化珪素等の無機物を真空蒸着法、スパッタリ
ング法、化学的気相蒸着法(CVD)等の薄膜形成方法
によって行うことができる。
【0027】他方、保護フィルムの一方の面上には前記
したアンカーコート剤からなる接着剤を塗布する。その
後、ガスバリヤー性フィルムの無機物薄膜層面と保護フ
ィルムの接着剤層面とが向い合うように配置し、かつフ
ィルム面を少なくとも一方側から加圧して両者を接合し
一体化すると積層体を製造することができる。この接合
方法は、通常ドライラミネーション法と呼ばれる方法で
ある。
【0028】図3は、積層体製造装置の一例を示す概略
図である。まずポリオレフィンフィルムのような保護フ
ィルム層を形成するフィルム51の一方の面にグラビア
コーター52でアンカーコート剤53を塗布した後、ド
ライヤー54中でアンカーコート剤53を乾燥する。次
に、あらかじめプラスチックフィルム上に無機物薄膜層
を形成したガスバリヤー性フィルム55と、ドライヤー
54から出てきた保護フィルム51とを、一対のローラ
ー56へと供給し、このローラー56から加わる押圧力
によって両フィルム面が貼り合わされてフィルム積層体
57が製造される。
【0029】プラスチックフィルムの両面に無機物薄膜
層/接着剤層/保護フィルム層を設ける場合にも、同様
の装置と方法とで製造することができる。すなわち、あ
らかじめプラスチックフィルムの両面に無機物薄膜層を
形成したガスバリヤー性フィルムを準備し、一方アンカ
ーコート剤を一方の面に塗布した保護フィルムを2系列
準備し、図3に示した一対のローラーへ保護フィルム/
ガスバリヤー性フィルム/保護フィルムの構成になるよ
うに向かい合わせて供給し、ローラーの押圧力で3者を
接合し、一体化することによって製造することができ
る。
【0030】この製造方法において、積層一体化が行わ
れる一対のローラー56へ供給されるガスバリヤー性フ
ィルム55は、それに加えられる張力が1〜8(kg/
m)、より好ましくは3〜7(kg/m)の範囲になる
ように制御すると、最終的に得られる積層体の酸素透過
率は、一枚のガスバリヤー性フィルムの持つ酸素透過率
よりも大幅に低下し、すなわちガスバリヤー性は向上す
る。
【0031】このようにして製造されたフィルム積層体
は、その2枚を重ね、容器形状に合うように周囲をヒー
トシールすることによって輸液容器にすることができる
し、また容器形成と同時に輸液を充填することもでき
る。
【0032】
【実施例】次に、実施例を通して本発明を説明するが、
本発明はそれら実施例によって何ら限定されるものでは
ない。
【0033】(実施例1)厚さが38μmのPETフィ
ルム上に、直流電源を用いた純度99.99%のシリコ
ンをターゲットにした酸素との反応性スパッタリングに
より酸化珪素薄膜を形成してガスバリヤー性フィルムを
得た。成膜時の圧力0.2Pa、電流値0.2Aで8分
間成膜したところ、膜厚12nmの薄膜が形成された。
【0034】次に、厚さ60μmの低密度線状ポリエチ
レンフィルムの一方の面にグラビアコーターを用いてウ
レタン系アンカーコート剤(武田製薬製、商品名:タケ
ラックA−606(接着剤)、タケネートA−10(硬
化剤))を66(cc/m)になるように塗布した
後、80℃のドライヤー中で乾燥した。このポリエチレ
ンフィルムと先に酸化珪素薄膜を形成したガスバリヤー
性フィルムとを張力が5(kg/m)になるように制御
して、アンカーコート剤層を中間にしてローラーによっ
て貼り合わせ、フィルム積層体を作成した。
【0035】ガスバリヤー性フィルムおよびフィルム積
層体の酸素透過率を測定し、その結果を表1に示した。
なお、酸素透過率はMOCON社製のガス透過測定装置
を用い、40℃、0%RHの条件で測定した。
【0036】(実施例2)厚さが25μmのPETフィ
ルムの一方の面に、直流電源を用いたスパッタリングに
より酸窒化珪素薄膜を形成した。成膜は、純度99.9
9%のシリコンをターゲットにした酸素と窒素の反応性
スパッタリングによって行った。成膜時の圧力を0.2
Pa、電流値を0.2Aとして8分間成膜したところ、
膜厚12nmの薄膜が得られ、その薄膜のシリコン:酸
素:窒素の比は37:17:46(原子%比)であっ
た。同様の条件でPETフィルムの反対側の面にも酸窒
化珪素薄膜を形成した。
【0037】このPETフィルムの両面に、実施例1と
同様の方法でアンカーコート剤を塗布乾燥し、そのアン
カーコート剤の層を介して低密度線状ポリエチレンフィ
ルムをドライラミネーションした。その結果、PETフ
ィルムの両面に酸窒化珪素薄膜、および低密度線状ポリ
エチレンフィルムが積層したフィルム積層体が得られ
た。このフィルムの酸素透過率を測定し、その結果を表
1に示した。
【0038】(比較例1)実施例1で作成したガスバリ
ヤー性フィルムの酸化珪素薄膜面に、マレイン酸変成ポ
リエチレン樹脂を接着層として20μmの厚さになるよ
うに押し出しラミネーションし、その上に予めキャスト
成形によって製造した厚さ60μmの低密度線状ポリエ
チレンフィルムを貼り合わせ、フィルム積層体を得た。
このフィルム積層体の酸素透過率を測定し、その結果を
表1に示した。
【0039】なお、ここで使用したマレイン酸変成ポリ
エチレン樹脂は、密度0.920の直鎖状ポリエチレン
52重量%、密度0.920の高圧法低密度ポリエチレ
ン樹脂15重量%、密度0.965の直鎖状ポリエチレ
ンを15重量%、密度0.850のエチレン・α−オレ
フィン共重合体10重量%、およびマレイン酸エステル
を2.2重量%含む密度0.965の直鎖状ポリエチレ
ン8重量%とから構成された樹脂組成物を押出機に供給
し、その中で樹脂を混練しながら変成させた樹脂であ
る。
【0040】
【表1】 単位:cc/m・day・atm
【0041】(参考例)実施例1、2および比較例1で
作成したガスバリヤー性フィルムおよびフィルム積層体
から輸液容器を作成した。各容器中へ2(g/L)濃度
のL−トリプトファン/L−システイン溶液(pH7.
4)を入れ、40℃の恒温漕中に6ヶ月間放置し、溶液
の色変化を調べた。呈色試験結果を表2に示した。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明に係わる積層体は、高いガスバリ
ヤー性と優れた透明性とを有しており、貯蔵時に特に高
いガスバリヤー性が求められる炭酸リンゲル液、ビタミ
ン液、アミノ酸液等を含む輸液の収納容器に好適であ
る。またその製造方法によれば、高い透明性とガスバリ
ヤー性とを有する輸液容器用積層体を容易に製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 積層体の一例を示す概略断面図である。
【図2】 積層体の別の一例を示す概略断面図であ
る。
【図3】 積層体の製造装置の一例を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
1、2 積層体 10 プラスチックフィルム層 20 無機物薄膜層 30 アンカーコート剤接着剤層 40 保護フィルム層 51 保護フィルム 52 グラビアコーター 53 アンカーコート剤 54 ドライヤー 55 ガスバリヤー性フィルム 56 ローラー 57 フィルム積層体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶原 孝之 千葉県市原市千種海岸3 三井化学株式会 社内 (72)発明者 加々美 守 千葉県市原市千種海岸3 三井化学株式会 社内 (72)発明者 田中 博士 千葉県市原市千種海岸3 三井化学株式会 社内 Fターム(参考) 3E067 AA03 AB81 BB14A BB25A CA04 CA11 3E086 BA04 BA13 BA15 BB01 BB21 CA28 4F100 AA00B AA20B AK01A AK03A AK04D AK06 AK07D AK25C AK41A AK41C AK46A AK49A AK51C AK69A AK69C AR00D BA04 BA07 BA10A BA10D CB00C EH46 EH66 EJ19 GB16 GB66 JD02 JD02B JD03 JL11C YY00B

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックフィルム層の少なくとも一方
    の面にガスバリヤー性無機物薄膜層、アンカーコート剤
    からなる接着剤層、および保護フィルム層がこの順に積
    層し一体化していることを特徴とする輸液容器用積層
    体。
  2. 【請求項2】前記のプラスチックフィルム層が、ポリエ
    ステル、ポリアミド、エチレン・ビニルアルコール共重
    合体、ポリオレフィン、およびポリイミドからなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種の樹脂フィルム層であること
    を特徴とする請求項1に記載の輸液容器用積層体。
  3. 【請求項3】前記の無機物薄膜層が、酸化珪素系薄膜で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の輸液容
    器用積層体。
  4. 【請求項4】前記の酸化珪素系薄膜が、窒素原子を含む
    酸窒化珪素薄膜であることを特徴とする請求項3に記載
    の輸液容器用積層体。
  5. 【請求項5】前記の酸窒化珪素薄膜は、その組成が酸素
    3〜72原子%、窒素3〜72原子%、かつ酸素と窒素
    の合計が75原子%以下の非晶質体であることを特徴と
    する請求項4に記載の輸液容器用積層体。
  6. 【請求項6】前記のアンカーコート剤が、エチレン・ビ
    ニルアルコール共重合体系樹脂、アクリル系樹脂、ウレ
    タン系樹脂、およびポリエステル系樹脂からなる群から
    選ばれる少なくとも1種の樹脂接着剤であることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載の輸液容器用積層
    体。
  7. 【請求項7】前記の保護フィルム層が、エチレン系重合
    体フィルムまたはプロピレン系重合体フィルムの層であ
    ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の輸
    液容器用積層体。
  8. 【請求項8】前記の積層体は、その酸素透過率が0.3
    (cc/m・day・atm)以下であることを特徴
    とする請求項1〜7のいずれかに記載の輸液容器用積層
    体。
  9. 【請求項9】前記の積層体が、アミノ酸を主成分にした
    輸液を収納する輸液容器であることを特徴とする請求項
    1〜8のいずれかに記載の輸液容器用積層体。
  10. 【請求項10】前記の積層体が、重炭酸リンゲル液を主
    成分にした輸液を収納する輸液容器であることを特徴と
    する請求項1〜8のいずれかに記載の輸液容器用積層
    体。
  11. 【請求項11】プラスチックフィルムの一方の面にガス
    バリヤー性無機物薄膜層を形成してガスバリヤー性フィ
    ルムとなし、また保護フィルムの一方の面にアンカーコ
    ート剤を塗布し、次いでガスバリヤー性フィルムの無機
    物薄膜層面と保護フィルムに形成されたアンカーコート
    剤層とが重なり合うように配置し、かつフィルム面を加
    圧することによって積層し一体化することを特徴とする
    輸液容器用積層体の製造方法。
  12. 【請求項12】前記の積層一体化工程は、ガスバリヤー
    性フィルムに1〜8(kg/m)のフィルム張力を加え
    た条件下で進められることを特徴とする請求項11に記
    載の輸液容器用積層体の製造方法。
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