JP2002234071A - エンボス模様を有するシートの製造方法 - Google Patents

エンボス模様を有するシートの製造方法

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JP2002234071A
JP2002234071A JP2001033659A JP2001033659A JP2002234071A JP 2002234071 A JP2002234071 A JP 2002234071A JP 2001033659 A JP2001033659 A JP 2001033659A JP 2001033659 A JP2001033659 A JP 2001033659A JP 2002234071 A JP2002234071 A JP 2002234071A
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roll
sheet
heating
embossing
cooling
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Masayuki Fujimoto
雅之 藤本
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Kuraray Co Ltd
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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性重合体を主体とした重合体で表面が構成
されたシートを該シートの風合を損ねることなく、該重
合体表面にエンボス模様を忠実かつ安定的に付与する。 【解決手段】 シートをまず予備加熱ロールの回転に伴
って該ロール円周上の1/4周以上を接触移動させつつ
予備加熱および加圧し、いったんガイドロールに導き放
熱後、さらに加熱ロールの回転に伴って該ロール円周上
の1/4〜1/2周を接触移動させつつ加熱後加圧し、
直ちに冷却エンボスロールに圧着させ、引続き該ロール
の回転に伴って該ロール円周上の1/20〜1/2周を
接触移動させて冷却エンボス模様を固定した後剥離させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面がエンボスされた
シートの製造法に関する。さらに詳しくは表面が弾性重
合体を主体とする重合体で構成されたシートを予備加
熱、加熱、冷却エンボスにより、該表面に良好なエンボ
ス模様を有するシートを安定的に製造する方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、多孔質弾性重合体からなる表
面層を有するシートの該表面を加熱エンボスして型押模
様を付与する方法に関して多くの提案がなされている。
例えば、特公昭47−24662号公報には、エンボス
ロールの開放面を加熱し、加熱されたロール面に弾性重
合体シートを接触させ、次いで加圧エンボスし、一定距
離に設けた剥離点で該シートを剥離する方法が記載され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の方法
では、弾性重合体表面が加熱と同時に直ちにエンボスさ
れるために、高温、高圧を用いないと十分なエンボスが
できないとか、またロールに自己接着させて熱処理した
後、強制的に剥離するために、平滑性が失われさらにエ
ンボス後シートの表面が荒れてしまうとか、剥離が円滑
でないため剥離斑に基づく剥離横段が生ずる等のシート
表面の悪化をもたらすものであった。またロールに自己
接着させても剥離ロールまでの間でシート表面がエンボ
スロール面から剥離してしまう場合もしばしば生ずる。
この場合にはエンボスロールに密着した部分とエンボス
ロールから浮いた部分との間で光沢斑や模様の戻り等を
生じ、シート表面に斑を生じ、平滑性が失われてしま
う。
【0004】さらに、高温、高圧による加熱エンボスと
強制的な剥離のためにシートの風合が硬くなり、骨張り
及び面荒れを生ずる等の問題がある。また、特公平4−
55380号公報に記載された方法では、シートを加熱
エンボスロール円周上の1/4周以上を移動させて予熱
し、該エンボスロールで加圧型押し、自己接着でエンボ
スロールに密着させてエンボス模様を固定し、自然剥離
点で剥離させるものであるが、自己接着性が小さい場合
は短い剥離点でよいが、自己接着性が大きい場合には長
い距離で熱処理が施され、自然剥離点が長くなるために
剥離ロールの設置が必要となる。このため、長時間連続
処理時には剥離点の変動に対応して移動する可変型剥離
ロールの設置を必要とする。さらに、自然剥離点の変動
は、同一シートにおいて光沢斑、模様の戻り等を生じシ
ート表面にエンボス斑を生じ、かつシャープさに欠ける
問題点がある。
【0005】また、本発明者らは上記問題点を解決する
手段として、特開平11−268120号公報で新たな
方法を提案した。すなわち、加熱ロール面で加熱された
直後に冷却エンボスロールでエンボスする方法である。
具体的には、表面が弾性重合体を主体とする重合体で構
成されたシートを加熱、加圧エンボスするに際し、該シ
ートをまず加熱ロールに接触させた状態で該ロールの回
転に伴って該ロール円周上の1/4〜1/2周を移動さ
せつつ加熱後、該ロールとバックロール間を通過させる
ことにより加圧し、直ちに該バックロール上で、エンボ
ス模様のついた冷却エンボスロールに圧着させ、引続き
該冷却エンボスロールの回転に伴って該冷却エンボスロ
ールに接触した状態で該冷却エンボスロールの円周上の
1/20周以上を移動させて冷却した後、該シートを該
エンボスロールから剥離させる方法である。本方法によ
り得られるシートは、エンボス模様の変形、面荒れ、剥
離斑等の欠点が少ないものであった。しかしながら、本
方法の加熱・冷却エンボス方法を用いて、1.8mmを
超える厚さのシート、シートの巾方向に厚み傾斜がある
もの、厚み斑因による密度斑のあるシート等を長時間処
理する場合は、加熱及び冷却型押を同軸バックロール上
で行うために、シート内部に存在する斑が十分に消去ま
たは緩和されず皺が発生し、その結果処理速度を低下せ
ざるを得ないといった工程安定性に問題が生じてしま
う。また品質面において、表面が均一なシートは問題を
生じないが、表面の密度斑のあるシートを処理するとエ
ンボス模様の掛かり斑が生じやすくなる問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討の結果、シート内部に存在する
斑の緩和法として、冷却エンボス前のシートの加熱を急
速加熱から2段階加熱方式に変更することにより解決で
きることを見出し、本発明に到達した。
【0007】本発明の目的は、弾性重合体を主体とする
重合体で表面が構成されたシートの風合を損ねることな
く、予備加熱、加熱、冷却エンボスにより該重合体表面
にエンボス模様を忠実かつ安定に付与する方法を提供す
ることにある。
【0008】すなわち、本発明は、表面が弾性重合体を
主体とする重合体で構成されたシートを加熱・加圧エン
ボスで型押するに際し、該シートをまず予備加熱ロール
(2)に接触させた状態でロール(2)の回転に伴って
ロール(2)円周上の1/4周以上を移動させつつ加熱
し、その間にロール(2)とバックロール(1)の間を
通過させることにより加圧した後、ロール(2)および
バックロール(1)から引離し、次いで隣接する加熱ロ
ール(3)に接触させた状態でロール(3)の回転に伴
ってロール(3)円周上の1/4〜1/2周を移動させ
つつ加熱した後、ロール(3)とバックロール(1)と
の間を通過させることにより加圧し、直ちにバックロー
ル(1)上で、冷却エンボスロール(4)に圧着させ、
引続きロール(4)の回転に伴ってロール(4)に接触
した状態でロール(4)の円周上の1/20周以上を移
動させて冷却した後、該シートをロール(4)面から剥
離させることを特徴とするエンボス模様を有するシート
の製造方法である。
【0009】さらに本発明では、特開平11−2681
20号公報に記載された発明と同様に加熱ロールと冷却
エンボスロール間に加温装置を設置することにより、シ
ートが冷却エンボスロールに接触するまでの間での、該
シートの温度降下を防止できるため、直後の冷却エンボ
スロールの型押性が大巾に向上し、極めて優れた平滑性
かつシャープさに極めて優れたエンボス模様を付与する
ことができる。
【0010】次に本発明の一実施形態を図面で説明す
る。図1は本発明の予備加熱、加熱、冷却エンボスの一
実施例を示す側面図である。(1)はバックロール、
(2)は予備加熱ロール、(3)は加熱ロール、(4)
は冷却エンボスロール、6、7、および8はガイドロー
ルを示す。(3)と(4)の間に存在する9は加温装置
の熱風吹出管を示す。Sはエンボスする対象物であるシ
ートを示す。またaは予備加熱ロール接点、bは予備加
熱ロール加圧点、cは予備加熱ロール剥離点、Aは加熱
ロール接点、Bは加熱ロール加圧点、Cは冷却エンボスロ
ール加圧点、Dは冷却エンボスロール剥離点である。
【0011】弾性重合体で表面を被覆したシートSの該
表面が予備加熱ロール(2)のロール面に接触するよう
にガイドロール6を通して該シートを供給し、ロール
(2)のa点からc点までの間で予備加熱及びb点で該
シートの厚さより小さいクリアランスで加圧し、c点で
ロール(2)から引離し、ガイドロール8を通して隣接
する加熱ロール(3)のロール面に接触させ、ロール
(3)のA点からB点までの間で加熱し、引続きB点で該
シートの厚さより小さいクリアランスで加圧しながら通
過させ、次いでバックロール(1)に沿ってシートを走
行させる。その際に該シートの表面温度を降下させない
ために、熱風吹出管9から熱風を該シートに吹付け、シ
ートのエンボスする側の表面温度を維持させるのが好ま
しい。このように表面温度をエンボスするのに十分な温
度に高めた状態でC点で冷却エンボスロール(4)によ
り該シートの厚さより小さいクリアランスで加圧し、該
シートの弾性被覆層側にエンボス模様を付与し、そのま
まロール(4)に沿わせ表面のエンボス模様を十分に固
化させた後、D点でロール(4)より剥離分離し、ガイ
ドロール7を経由して巻き取る。
【0012】本発明方法では、該シートをまず予備加熱
ロール(2)に接触させた状態でロール(2)の回転に
伴ってロール(2)円周上の1/4周以上を移動させつ
つ予備加熱及び加圧する。予備加熱ロール処理の目的
は、シート内部に存在する斑を緩和し、予備平滑化する
ことにより、後工程の加熱ロール処理のエンボス模様精
度向上と工程通過性向上に寄与することにある。該予備
加熱ロールへの接触は、円周上の1/4周未満の接触移
動では予備加熱が十分でなく、シート内部に存在する斑
を緩和および予備平滑化できず、加熱ロール加圧点Bか
らガイドロール7の間で皺が発生し、またエンボス模様
の型押斑が発生しやすい。また、予備加熱時に加圧する
ことで、よりシートの平滑性の向上と斑の緩和をするこ
とが可能となる。移動させたシートはガイドロール8を
通し、予備加熱ロールによる過加熱を防止し、一時シー
ト表面から放熱させ表面の平滑固定を行うことによっ
て、蓄積された斑の消去または緩和が可能となる。ガイ
ドロール8は位置可変タイプが好ましくシートの斑の程
度に対応して位置調整可能とする。
【0013】次いで加熱ロール(3)に接触させた状態
で該ロールの回転に伴って該ロール円周上の1/4〜1
/2周を移動させつつ加熱するのであるが、円周上の1
/4周に満たない接触移動の場合には、表面が十分に加
熱されず、エンボス模様の型押斑を生じることとなり、
また接触移動が1/2周を越える場合には、表面が過加
熱状態となり、面荒れや風合いの硬化を起こすこととな
る。その後、ロール(3)とバックロール(1)との間
を通過させることにより加圧する。これにより表面が軟
化状態でかつ平滑なシートとなる。そして直ちにロール
(1)上で、冷却エンボスロール(4)に圧着させ、引
続き該冷却エンボスロールに接触した状態でロール
(4)の円周上の1/20周以上を移動させて冷却した
後、該シートをロール(4)から剥離させる。1/20
周未満の場合には十分に表面のエンボス模様が固定され
ず、面荒れとなる。ただし1/2周を越える場合にはロ
ール(3)とロール(4)が接近しすぎる構造となる結
果、ロール(3)に巻き付くトラブルが生じることがあ
るので、1/2周以下にするのが好ましい。予備加熱ロ
ールとの接触時間は2〜30秒が好ましく、予備加熱ロ
ールからいったん引離して加熱ロールに接するまでの時
間は5秒から50秒が好ましく、加熱ロールとの接触時
間は2〜50秒が好ましい。また冷却エンボスロールと
の接触時間は2〜50秒が好ましい。
【0014】図2、図3、図4は従来方法を説明するた
めの側面図である。図2において、シートSは、加熱ロ
ール(3)のA点で接触させ、接触させた状態でロール
(3)の回転に伴って該ロール円周上の1/4〜1/2
周を移動させつつ加熱し、ロール(3)とバックロール
(1)との間を通過させることによりB点で加圧する。
この方法により得られるシートは、公知の方法に比べ、
エンボス模様の変形、面荒れ、剥離斑等の欠点は少ない
が、予備加熱ロールの設置がなく急速加熱・冷却による
温度変化が大きいため、長時間連続処理においてシート
内部に存在する斑が緩和されず蓄積されることから皺の
発生等に処置を要する必要があった。
【0015】図3の場合は、シートSは予熱されること
なく直ちに加熱エンボスロール(5)のE点で加熱・加
圧型押して、該ロールに自己接着させたままガイドロー
ル7まで導き、剥離点Hでシートを強制剥離するもので
ある。このため型押シートの表面荒れ発生や剥離斑に起
因する剥離横段の発生等により、型押シート表面は平滑
性に欠けるものとなる。
【0016】図4は、シートSの表面が加熱エンボスロ
ール(5)のロール面に接触するようにガイドロール6
を通して供給し、ロール(5)のF点からG点間で加熱
予熱し、さらに、G点で該シートを加圧型押する。型押
したシートは自己接着性が小さい場合には僅かな熱処理
でH点で自然剥離するが、自己接着性が大きい場合は長
い距離で熱処理されるため、剥離ロールが必要となる。
このため長時間連続型押処理をする場合、型押されたシ
ートの剥離点の長短から生ずる該シートの艶斑及び面荒
れ等の欠点を防止することが困難である。
【0017】本発明の方法では、予備加熱ロールで予備
加熱した後、加熱ロールでシート表面を加熱維持したま
ま冷却エンボスロールで加圧エンボスされるため、シー
ト内部の斑を緩和し、かつ型押が容易でシャープな型押
模様を付与することができる。また、予備加熱ロール及
び加熱ロールが金属ロールの場合は、シートの融着によ
る種々のトラブルが発生するのに対し、予備加熱ロール
及び加熱ロールの表面素材がテフロンコーティングされ
ているものを用いると、シートの該ロールへの融着がな
く、面荒れ、剥離斑等の問題点も解消され、平滑でシャ
ープな型押シートを得ることができるため、本発明方法
では予備加熱ロール及び加熱ロールとも表面がテフロン
コートされたものを用いるのが好ましい。
【0018】本発明の好適な予備加熱ロールは、表面が
テフロンコーティングされたもので、ロール内部より加
熱形式のもので、該ロールの表面温度は、通常100〜
200℃であるが、後工程の加熱ロールでの処理条件を
考慮して120〜160℃が好ましい。また、予備加熱
ロールとバックロール間で加圧することによって、シー
ト表面に存在する凹凸部分を平滑化し、加熱ロールとの
密着性を向上させることができる。またシートの巾方向
の厚み傾斜、局部的な凹み斑等の緩和に対しても効果が
ある。そして加圧力は面圧力で0.5〜3kg/cm2
の範囲が好ましい。
【0019】加熱ロールは、表面がテフロンコーティン
グされたもので、ロール内部より加熱する形式のもの
で、該ロールの表面温度は通常100〜200℃である
が、後工程の冷却エンボスロールに到達するまでの間に
おけるシートの温度降下を考慮すると150℃以上が好
ましい。そして、予備加熱ロールの表面温度よりも20
〜50℃高いのが好ましい。また、加熱ロールとバック
ロールとの間で加圧することによりシートの表面が冷却
エンボスロールのエンボス模様を忠実に再現するところ
まで平滑になることが可能となり、またシート表面のみ
ならず内部もより加熱され冷却ロールに至るまでシート
の温度低下を防止する効果がある。加熱加圧処理に際し
ては加熱ロールとバックロールの間に巾方向に一定で、
かつシート厚みの約50〜80%になるようなクリアラ
ンスをとることは、シートの厚み減少を緩和させること
ができるため好ましい方法である。そして加圧力は面圧
力で1〜7kg/cm2の範囲が好ましい。さらに加熱
ロールと冷却エンボスロール間で、加熱装置の熱風吹出
口より100〜220℃の熱風をシートに吹付けること
により保温効果を向上させることができる。
【0020】冷却エンボスロールは内部に冷却水を導入
して該ロール表面を冷却できる構造を有するものが好ま
しく、表面のエンボス模様の彫刻は各種型押模様の他に
所望する意匠模様のものが選ばれる。該ロールの表面温
度は5〜100℃の範囲であるが、表面温度が室温より
低い場合、ロール表面に結露するため、室温以上が好ま
しく、さらに好ましくは10〜30℃である。さらに加
熱ロールと冷却エンボスロールの表面温度差が50℃未
満の場合は型押不足となり、195℃以上の場合は面荒
れが発生する。よって温度差は50〜195℃が好まし
く、さらに好ましくは150〜180℃である。該ロー
ルでの型押時加圧力は面圧力1〜10kg/cm2が好
ましい。また必要により該ロールとバックロール間のク
リアランスを一定にして、シート厚さの減少を防止する
こともできる。バックロールは、表面がゴムで代表され
る弾性樹脂で覆われているロールが用いられる。冷却エ
ンボスロールとバックロールとの間で該シートはエンボ
スされるが、その際の温度は、表面弾性重合体が変形で
きる温度以上に加熱されていることは言うまでもない。
【0021】該シートを構成する弾性重合体は、平均分
子量500〜3000のポリマーグリコールと有機ジイ
ソシアネートと鎖伸張剤とを反応させて得た熱可塑性ポ
リウレタンエラストマーをはじめ、可塑化されたポリ塩
化ビニル、ポリエステルエラストマー、ゴム等から選ば
れた重合体が挙げられる。さらに該重合体は、必要に応
じてポリアクリレートまたはその重合体、ポリ塩化ビニ
リデン、酢酸ビニル共重合体等から選ばれた重合体を含
むものでもよい。弾性重合体の中でもポリウレタンが、
本発明のエンボス方法により平滑でシャープな型押が可
能であることから最も好ましい。これらの重合体または
重合体組成物は溶液、分散液または重合体微粒子を含む
重合体溶液とし、上記絡合不織布に含浸して、湿式法ま
たは乾式法で凝固させ、多孔質重合体または非多孔質層
の基体シートとする。
【0022】さらにその表面に着色弾性重合体被膜また
は透明弾性重合体被膜の仕上層を付与して、本発明に用
いるシートとする。該仕上層は通常のナイフコート法ま
たはコンマコーター法等で所望の厚さにコーティングし
た後、湿式または乾式法で凝固させて形成する。該仕上
層を構成する樹脂の少なくとも一部として弾性重合体が
用いられ、上記した弾性重合体で熱可塑性を有する樹
脂、例えばポリウレタンエラストマーが挙げられる。ま
た、弾性重合体の軟化点としては100〜200℃の範
囲が好ましい。表面に形成する弾性重合体層の厚さは、
2〜300μmが好ましい。当然のことながら300μ
mを超える厚みであれば表面層が勝ってゴムライクな風
合いとなるし、2μm未満であればエンボス模様の掛か
り斑となりやすい。なお表面を形成する層の上にさらに
重合体層が積層されていてもよい。これに用いられる重
合体は、弾性重合体または非弾性重合体のいずれであっ
てもよい。また表面層は予めフィルムとして得ておき、
これを弾性重合体を含有させた絡合不織布に貼合わせる
方法で製造してもよい。
【0023】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれら実施例により限定されるものではない。な
お、実施例中の部及び%は断りのない限り重量に関する
ものである。
【0024】実施例1 6ナイロン50部を分散成分、ポリエチレン50部を分
散成分とする多成分繊維からなる絡合不織布に、ポリエ
チレンアジペート/ポリエチレングリコール共重合系ポ
リウレタンの17.5%のジメチルホルムアミド(DM
F)溶液を含浸し、30%DMF水溶液中で湿式凝固
後、熱トルエン中で多成分繊維中の分散媒成分を溶出除
去して極細繊維を発現させ、ポリウレタンが多孔質状態
で含有された基体層を得た。次に基体層表面にポリエー
テル系ポリウレタン30%DMF溶液100部、白顔料
55%DMF溶液30部、DMF30部、メチルエチルケ
トン(MEK)30部の比率で混合した固形分13.6%
のポリウレタン溶液を186g/m2塗布して乾燥し、層
の厚さ46μm、全体厚さ2.3mm、軟化点150℃の
弾性重合体で被覆したシートを得た。次にポリエステル
系ポリウレタン6%/白顔料3%/DMF91%からな
る着色ポリウレタン組成液を固形分で10μmの厚さに
なるよう塗布し、乾燥して型押用シートを得た。
【0025】この型押用シートの着色面を、予備加熱ロ
ールの手前に設けたガイドロールにより、表面温度15
0℃の予備加熱ロール円周上1/3に密着させ5秒間予
備加熱し途中で該予備加熱ロールとバックロール(表面
材質はブチルゴム)間で面圧力1.0kg/cm2の加
圧を行い、次いでガイドロールで該予備加熱ロールから
引離した後、表面温度180℃の加熱ロール円周上1/
3に密着させ5秒間加熱し、該加熱ロールとバックロー
ル間で面圧力1.0kg/cm2の加圧後、熱風吹出装
置より200℃の熱風を吹付けながら、引続き毛穴模様
の小突起を有する表面温度10℃の冷却エンボスロール
とバックロール間に導き、面圧力3kg/cm2で加圧
エンボスをして、加圧点から該ロール円周上の1/3の
距離(接触時間7秒)で剥離した。得られたエンボスシ
ートは、表面に深さ150μmの凹部を有する平滑かつ
シャープな毛穴模様を持つものであり、連続処理1時間
経過後も皺等のトラブルが無く安定な型押し処理が可能
であった。
【0026】比較例1 図2に示した方法・装置を用いて、実施例1と同一の弾
性重合体シートを加熱ロール接触以降の処理を実施例1
と同様の処理を行った。得られたエンボスシートは、表
面に深さ150μmの凹部を有する平滑かつシャープな
毛穴模様を持つものであったが、処理時間約40分後にシ
ートに皺が入り始め、皺修正処置に人手が取られる結果
となった。
【0027】比較例2 図3に示した方法・装置を用いて、実施例1と同一の弾
性重合体シートを直接エンボスロールの加圧点に供給し
て型押したところ、該エンボスロールの表面温度180
℃の加熱ではエンボスロールへの自己接着性が得られ
ず、十分な型押ができなかった。そこで自己接着する温
度までエンボスロールの温度を上げたたところ192℃
であった。しかし、この温度で上記シートをエンボスし
たところ、エンボスロールから剥離するときに剥離斑を
生じ、平滑でシャープな毛穴模様のエンボスを付与する
ことができなかった。
【0028】比較例3 図4に示した方法で、加熱ロールの手前に設けたガイド
ロールにより、弾性重合体シートの着色面を180℃の
加熱ロール表面に接触させて10秒間加熱し、引続き面
圧力3kg/cm2で型押して自己接着させたが、加圧
点からロール円周上の1/8の距離で剥離した。得られ
たエンボスシートは表面に深さ200μmの凹部を有す
る毛穴模様のエンボス模様を有し、エンボス性は良好で
あったが、エンボスロールへの自己接着性が強く部分的
に表面の弾性重合体が剥ぎ取られ、平滑かつシャープな
毛穴模様を付与できなかった。また基体層への着色ポリ
ウレタン層の沈み込みにより、エンボスシートの表面が
陥没し平滑性が出なかった。
【0029】
【本発明の効果】本発明のシートのエンボス方法は、予
備加熱ロール面で予備加熱加圧後にいったん引離してか
ら、加熱ロール面で加熱させた直後に冷却エンボスロー
ルで型押エンボスする方法であるため工程安定性が良好
であり、本発明により得られるシートは、エンボス模様
の変形、面荒れ、剥離斑等の欠点がなく、平滑性を有
し、かつシャープなエンボス模様を有し、さらにエンボ
ス処理によりシートの有する風合等を損ねることもな
い。本発明方法によりエンボスされたシートは、人工皮
革として、靴、かばん、インテリア類の表面材、小物
類、衣料類等に好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法のエンボス方法を行うことができる
装置の概略図である。
【図2】従来用いられているエンボス装置の概略図であ
る。
【図3】従来用いられているエンボス装置の概略図であ
る。
【図4】従来用いられているエンボス装置の概略図であ
る。
【符号の説明】
(1) バックロール (2) 予備加熱ロール (3) 加熱ロール (4) 冷却エンボスロール (5) 加熱エンボスロール 6 ガイドロール 7 ガイドロール 8 ガイドロール 9 加温装置の熱風吹出管 S シート a 予備加熱ロール接点 b 予備加熱ロール加圧点 c 予備加熱ロール引離点 A 加熱ロール接点 B 加熱ロール加圧点 C 冷却エンボスロール加圧点 D 冷却エンボスロール剥離点 E 加熱エンボスロール接点及び加圧点 F 加熱エンボスロール接点 G 加熱エンボスロール加圧点 H 加熱エンボスロール剥離点
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 9:00 B29L 9:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面が弾性重合体を主体とする重合体で構
    成されたシートを加熱・加圧エンボスで型押するに際
    し、該シートをまず予備加熱ロール(2)に接触させた
    状態でロール(2)の回転に伴ってロール(2)円周上
    の1/4周以上を移動させつつ加熱し、その間にロール
    (2)とバックロール(1)の間を通過させることによ
    り加圧した後、ロール(2)およびバックロール(1)
    から引離し、次いで隣接する加熱ロール(3)に接触さ
    せた状態でロール(3)の回転に伴ってロール(3)円
    周上の1/4〜1/2周を移動させつつ加熱した後、ロ
    ール(3)とバックロール(1)との間を通過させるこ
    とにより加圧し、直ちにバックロール(1)上で、冷却
    エンボスロール(4)に圧着させ、引続きロール(4)
    の回転に伴ってロール(4)に接触した状態でロール
    (4)の円周上の1/20周以上を移動させて冷却した
    後、該シートをロール(4)面から剥離させることを特
    徴とするエンボス模様を有するシートの製造方法。
  2. 【請求項2】加熱ロールと冷却エンボスロールの間に加
    温装置を設ける請求項1に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113862947A (zh) * 2021-09-29 2021-12-31 世联汽车内饰(苏州)有限公司 一种压花面料的制备方法

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