JP2002233757A - アクリル酸製造用触媒 - Google Patents

アクリル酸製造用触媒

Info

Publication number
JP2002233757A
JP2002233757A JP2001393019A JP2001393019A JP2002233757A JP 2002233757 A JP2002233757 A JP 2002233757A JP 2001393019 A JP2001393019 A JP 2001393019A JP 2001393019 A JP2001393019 A JP 2001393019A JP 2002233757 A JP2002233757 A JP 2002233757A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catalyst
vanadium
acrylic acid
molybdenum
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001393019A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3780206B2 (ja
Inventor
Michio Tanimoto
道雄 谷本
Ichiro Mihara
一郎 三原
Tatsuya Kawajiri
達也 川尻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2001393019A priority Critical patent/JP3780206B2/ja
Publication of JP2002233757A publication Critical patent/JP2002233757A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3780206B2 publication Critical patent/JP3780206B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般式(I):MoCu
(式中、X=SbまたはSn、Y=Mg、C
a、SrまたはBa、Z=Ti、ZrまたはCe、a=
12のとき、2≦b≦14、0≦c≦12、0<d≦
6、0<e≦5、0≦f≦3、0≦g≦10)で表され
るモリブデン−バナジウム系酸化物触媒であって、活
性、選択性および寿命に優れ、長期にわたり安定した性
能を示す触媒を提供する。 【解決手段】 触媒のX線回折分析によって測定したd
=4.38オングストロームにおけるピーク強度(d
4.38)とd=4.00オングストロームにおけるピ
ーク強度(d4.00)との比(d4.38/d4.0
0)が0.07未満であるアクリル酸製造用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアクロレインまたはアク
ロレイン含有ガスを分子状酸素または分子状酸素含有ガ
スにより接触気相酸化してアクリル酸を製造する際に使
用するモリブデン−バナジウム系触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】アクロレインの接触気相酸化反応によっ
てアクリル酸を効率よく製造するために種々の改良触媒
が提案されているが、その大部分はモリブデンおよびバ
ナジウムを主成分とするモリブデン−バナジウム系触媒
である。
【0003】これまでに提案されたモリブデン−バナジ
ウム系触媒のなかには、アクリル酸の収率が工業的見地
からしてかなりの水準に達しているものもあり、実際の
アクリル酸製造用プロセスにおいて使用されている。し
かしながら、触媒が長期間安定的に高いアクリル酸収率
を維持できるかどうかの点からみると、従来のモリブデ
ン−バナジウム系触媒は必ずしも満足のいくものではな
かった。そこで、アクロレインの酸化によりアクリル酸
を製造する際に長期にわたって安定した性能を示すモリ
ブデン−バナジウム系触媒の開発が望まれていた。
【0004】このようなモリブデン−バナジウム系触媒
の開発へのアプローチの一つとして触媒の調製工程を工
夫する研究もなされている。例えば、特公昭50−25
914号公報には、触媒調製工程において有機酸、例え
ばシュウ酸などを存在させ、これら有機酸の還元作用に
よる触媒の酸化状態の制御、あるいはモリブデンとバナ
ジウムとの化合物の形成に利用する方法が開示されてい
る。しかし、この方法による場合、触媒の加熱および焼
成工程における有機酸の分解にともなう発熱により、熱
的影響を受けるために触媒性能の再現性は乏しく、また
長期間のアクロレインの酸化反応を行う上で触媒調製工
程での有機酸の効果を維持することは困難であるため工
業的実施においてはアクリル酸の収率のみならず寿命の
点でも満足できるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、下記の一般
式(I): MoCu (I) (式中の各成分およびその比率については後で詳しく説
明する)で示されるアクリル酸製造用モリブデン−バナ
ジウム系触媒であって、活性、選択性および触媒寿命に
優れ、長期にわたって安定した性能を示す触媒を提供し
ようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の一般式(I)で示
されるようなモリブデン−バナジウム系触媒に関し、そ
の活性種はVMo11であり、アクロレインの酸化
反応の進行とともにこのバナジウムとモリブデンとの化
合物(以下、「バナジウム−モリブデン活性化合物」と
いう場合もある)が変質して、触媒の劣化が進み、また
バナジウムの大部分が5価で存在すると(例えば、V
として)、アクロレインからのアクリル酸への選択
率が著しく低下することが報告されている(T.V.A
NDRUSHKEVICH,CATAL.REV.−S
CI.ENG.,35,P213(1993))。
【0007】そこで、本発明者らは、モリブデン−バナ
ジウム系触媒に関し、その種々の物性変化、例えば表面
積、細孔容積の変化を調べ、さらにはX線回折分析など
を利用して活性の低下した触媒と未使用の触媒との物理
的、化学的差異を比較したところ、X線回折におけるd
=4.00オングストロームに現れるピークの強度が触
媒性能およびその経時変化に関係していることを見出し
た。上記の文献によれば、このd=4.00オングスト
ロームのピークは上記のバナジウムとモリブデンとの化
合物であるVMo11に帰属される。
【0008】具体的に触媒組成がMo12Cu
2.2Sr0.5(酸素を除く原子比)のモリブデン−
バナジウム系触媒を例に挙げて説明すると次のとおりで
ある。この触媒組成を有する未使用触媒と8000時間
にわたりアクロレインの接触気相酸化反応を継続し性能
の低下した触媒について表面積や細孔容積を測定したと
ころ、未使用触媒と8000時間反応に供し活性の低下
した触媒とではBET法による表面積はそれぞれ2.6
/gおよび2.4m/gであり大差はなかった。
また、細孔容積についてもそれぞれ0.22cc/gお
よび0.21cc/gであって、これも大差がなかっ
た。ところが、X線回折法により上記のバナジウム−モ
リブデン活性化合物に起因するd=4.00オングスト
ロームのピークと5価のバナジウム化合物として知られ
ているVに起因するd=4.38オングストロー
ムのピークについて調べたところ、d=4.00オング
ストロームのピークの強度は、未使用触媒を100とし
た場合、8000時間反応に供した触媒では65であ
り、未使用触媒に比べて著しく低下していた。すなわ
ち、触媒の活性はd=4.00オングストロームにピー
クを持つ上記のバナジウム−モリブデン活性化合物の強
度と強い相関関係があり、活性低下の原因の一つはこの
d=4.00オングストロームのピークを持つ結晶相の
減少であることが判明した。
【0009】そこで、本発明者らは、このd=4.00
オングストロームにピークを持つ上記のバナジウム−モ
リブデン活性化合物の発生について鋭意研究を行った結
果、バナジウムおよび銅の供給源としてそれぞれメタバ
ナジン酸アンモニウムおよび硝酸銅を用い、かつこのメ
タバナジン酸アンモニウムおよび硝酸銅の一部をそれぞ
れ酸化数の小さいバナジウム酸化物および銅酸化物で置
換して触媒を調製するなどするとX線回折分析において
上記のバナジウム−モリブデン活性化合物に起因するd
=4.00オングストロームのピーク強度が増加し、一
方Vに起因するd=4.38オングストロームの
ピーク強度が減少して、触媒の活性が向上し長期にわた
って安定した性能を示すことを見出した。本発明はこの
ような知見に基づいて完成されたものである。
【0010】すなわち、本発明は、アクロレインまたは
アクロレイン含有ガスを気相にて分子状酸素または分子
状酸素含有ガスにより酸化してアクリル酸を製造するた
めの、下記一般式(I): MoCu (I) (式中、Moはモリブデン、Vはバナジウム、Wはタン
グステン、Cuは銅、Xはアンチモンおよびスズから選
ばれた少なくとも一種の元素、Yはマグネシウム、カル
シウム、ストロンチウムおよびバリウムから選ばれた少
なくとも一種の元素、Zはチタン、ジルコニウムおよび
セリウムから選ばれた少なくとも一種の元素、そしてO
は酸素であり、a、b、c、d、e、f、gおよびh
は、Mo、V、W、Cu、X、Y、ZおよびOの原子数
を表し、a=12のとき、2≦b≦14、0≦c≦1
2、0<d≦6(好ましくは0.1≦d≦6)、0<e
≦5(好ましくは0.01≦e≦5)、0≦f≦3、0
≦g≦10であり、hは各々の元素の酸化状態によって
定まる数値をとる)で表されるモリブデン−バナジウム
系酸化物触媒であって、触媒のX線回折分析によって測
定したd=4.38オングストロームにおけるピーク強
度(d4.38)とd=4.00オングストロームにお
けるピーク強度(d4.00)との比(d4.38/d
4.00)が0.07未満であるアクリル酸製造用触媒
である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の触媒は、例えば、次のよ
うにして調製することができる。
【0012】すなわち、前記一般式(I)で表されるモ
リブデン−バナジウム系酸化物触媒を製造するに際し
て、バナジウムの供給源としてメタバナジン酸アンモニ
ウムを用い(但し、下記の(イ)を含む組合せの場合は
除く)、また銅の供給源として硝酸銅を用い(但し、下
記の(ロ)を含む組合せの場合は除く)、かつ下記の
(イ)および(ロ)から選ばれる少なくとも1つと
(ハ)および(ニ)から選ばれた少なくとも1つを組み
合わせた条件下に触媒調製を行う。 (イ)バナジウムの供給源としてメタバナジン酸アンモ
ニウムおよびバナジウムの酸化数が0より大きく5未満
のバナジウム酸化物の少なくとも一種を使用する。 (ロ)銅の供給源として硝酸銅および銅の酸化数が0よ
り大きく2未満の銅酸化物の少なくとも一種を使用す
る。 (ハ)アンチモンの供給源の少なくとも一部としてアン
チモンの酸化数が0より大きく5未満のアンチモン酸化
物の少なくとも一種を使用する。 (ニ)スズの供給源の少なくとも一部としてスズの酸化
数が0より大きく4未満のスズ酸化物の一種を使用す
る。
【0013】つまり、((イ)および/または(ロ))
と((ハ)および/または(ニ))との組合わせ条件下
に行う。
【0014】一般式(I)で示されるモリブデン−バナ
ジウム系触媒を上記方法にしたがって製造すると活性、
選択性および寿命に優れた触媒が得られる作用機構につ
いては明らかでないが、上記の特定な低酸化数の酸化
物、すなわち原子化状態の低い酸化物を使用すると、こ
れら酸化物の還元作用により触媒構成元素、特にバナジ
ウムの酸化状態が制御され、モリブデン−バナジウム活
性化合物の形成が促進されるものと考えられる。本発明
の触媒の製造に使用する各元素の原料化合物について一
般式(I)の各成分毎に説明する。 モリブデン(Mo)成分:モリブデンの硝酸塩、炭酸
塩、アンモニウム塩、硫酸塩などを単独または2種以上
混合して使用することができる。 バナジウム(V)成分:メタバナジン酸アンモニウムが
用いられる。そして、このメタバナジン酸アンモニウム
の一部の代わりに使用するバナジウムの酸化数が0より
大きく5未満のバナジウム酸化物としては、一酸化バナ
ジウム、二酸化バナジウムおよび三酸化バナジウムを挙
げることができる。これらは単独または2種以上混合し
て使用することもできる。
【0015】上記バナジウム酸化物はメタバナジン酸ア
ンモニウムの一部として、詳しくは全バナジウム原子数
の0.1〜45%、好ましくは1〜30%に相当するよ
うに使用するのがよい。 タングステン(W)成分:タングステンの硝酸塩、炭酸
塩、アンモニウム塩、硫酸塩などを単独または2種以上
混合して使用することができる。 銅(Cu)成分:硝酸銅が用いられる。そして、この硝
酸銅の一部の代わりに使用する銅の酸化数が0より大き
く2未満の銅酸化物としては酸化第一銅を挙げることが
できる。
【0016】上記銅酸化物は硝酸銅の一部として、詳し
くは全銅原子数の0.1〜45%、好ましくは1〜30
%に相当するように使用するのがよい。 X成分: (アンチモン)アンチモンの硝酸塩、炭酸塩、アンモニ
ウム塩、硫酸塩などを単独または2種以上混合して使用
することができる。そして、このアンチモン化合物の一
部または全部として使用するアンチモンの酸化数が0よ
り大きく5未満のアンチモン酸化物としては、三酸化ア
ンチモンおよび四酸化アンチモンを挙げることができ
る。これらは単独または混合して使用することができ
る。
【0017】上記アンチモン酸化物はアンチモン化合物
の一部として、詳しくは全アンチモン原子数の10%以
上、好ましくは30%以上に相当するように使用するの
がよい。 (スズ)スズの硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、硫酸
塩などを単独または2種以上混合して使用することがで
きる。そして、このスズ化合物の一部または全部として
使用するスズの酸化数が0より大きく4未満のスズの酸
化物としては、酸化第一スズを使用することができる。
【0018】上記スズ酸化物はスズ化合物の一部とし
て、詳しくは全スズ原子数の10%以上、好ましくは3
0%以上に相当するように使用するのがよい。 Y成分:マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムお
よびバリウムの各々の硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム
塩、硫酸塩などを単独または2種以上混合して使用する
ことができる。 Z成分:チタン、ジルコニウムおよびセリウムの各々の
硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、硫酸塩などを単独ま
たは2種以上混合して使用することができる。
【0019】バナジウム酸化物、銅酸化物、アンチモン
酸化物およびスズ酸化物の個々の使用量は前記のとおり
であるが、これら酸化物の総使用量については、これら
金属元素の総原子数が全バナジウム原子数の1〜50
%、好ましくは2〜45%なるようにするのがよい。
【0020】本発明の触媒の更なる特徴は、そのバナジ
ウム−モリブデン相に起因するd=4.00オングスト
ロームにおける強度(d4.00と表示する)が増加
し、一方Vに起因するd=4.38オングストロ
ームにおける強度(d4.38と表示する)が減少する
ことである。特に、両者のピーク強度の比(d4.38
/d4.00)が0.07未満である場合に好ましい触
媒活性が認められる。更には、この比(d4.38/d
4.00)が0.06以下、特に0〜0.05の範囲内
にあるのが好ましい。この比が0.07以上の場合に
は、バナジウム−モリブデン相が減少するため触媒活性
が低下する。
【0021】本発明の好ましい触媒は、未使用の触媒の
X線回折分析により測定したd=4.00オングストロ
ームにおけるピーク強度(I0と表示する)に対する、
8000時間使用した後の触媒のX線回折分析により測
定したd=4.00オングストロームにおけるピーク強
度(I8000と表示する)の割合(I8000/I
0)が少なくとも0.8、好ましくは0.85である触
媒である。この割合の百分率(I8000/I0(×1
00)(%))をピーク強度保持率と規定すると、この
ピーク強度保持率が少なくとも80%、特に少なくとも
85%であるのが好ましい。ピーク強度保持率が80%
より低い触媒の場合、バナジウム−モリブデン相の量が
少ないため触媒活性が低下する。
【0022】本発明の触媒の製造法は、バナジウム、銅
およびX成分の供給源としてのメタバナジン酸アンモニ
ウム、硝酸銅およびX成分含有化合物の一部または全部
を低酸化数のバナジウム、銅およびX成分の酸化物とし
て触媒を調製する点を除けば、この種の触媒の調製に一
般に用いられている方法と本質的には変わらない。例え
ば、従来からよく知られている蒸発乾固法、造粒法、押
出し成形法などの任意の方法にしたがって製造すること
ができる。
【0023】上記の低酸化状態の酸化物は触媒調製の任
意の段階で添加、分散させればよい。なお、これら低酸
化状態の酸化物は、触媒調製段階でのバナジウムの酸化
状態を効率よく制御するために、小さい粒子であるほう
が好ましく、0.1〜150μm、好ましくは0.5〜
100μmの粒子径を有するものを使用するのがよい。
【0024】なお、触媒の製造に際しては、触媒の強
度、粉化度を改善する効果があるとして一般によく知ら
れているガラス繊維などの無機繊維、各種ウィスカーな
どを添加してもよい。また、触媒物性の再現性をよく制
御するために硝酸アンモニウム、セルロース、デンプ
ン、ポリビニルアルコール、ステアリン酸など一般に粉
体結合剤として知られた添加物を使用することもでき
る。
【0025】前記一般式(I)で表される触媒組成物は
それ自体単独で使用することができるが、アルミナ、シ
リカ−アルミナ、シリコンカーバイド、酸化チタン、酸
化マグネシウム、アルミニウムスポンジ、珪藻土などの
不活性担体に担持したほうが好ましい。
【0026】本発明のアクリル酸製造用触媒を用いたア
クロレインまたはアクロレイン含有ガスの接触気相酸化
反応に関しては特に制限はなく、この種の反応によく知
られた方法によって実施することができる。例えば、1
〜15容量%、好ましくは4〜12容量%のアクロレイ
ン、0.5〜25容量%、好ましくは2〜20容量%の
酸素、0〜30容量%、好ましくは3〜25容量%の水
蒸気および20〜80容量%、好ましくは50〜70容
量%の窒素などの不活性ガスからなる混合ガスを180
〜350℃、好ましくは200〜330℃の温度、常圧
〜10気圧の圧力下(もちろん減圧下でもよい)、空間
速度(STP)500〜20000hr −1、好ましく
は1000〜10000hr−1で本発明の触媒組成物
と接触させて反応させればよい。
【0027】原料ガスとしては、アクロレイン、酸素お
よび不活性ガスからなる混合ガスはもとよりのことプロ
ピレンを直接酸化して得られるアクロレイン含有ガス中
に含まれる副生成物としてのアクリル酸、アセトアルデ
ヒド、酢酸などの酸化生成物、酸化炭素、プロパン、あ
るいは未反応のプロピレンなどは本発明の触媒組成物に
対しなんら障害をもたらすものではない。上記接触気相
酸化反応は固定床式あるいは流動床式のいずれでも実施
することができる。
【0028】
【発明の効果】本発明の触媒は、高い活性を維持するの
で、アクリル酸を高収率で製造することができる。
【0029】本発明の触媒は、触媒寿命が優れているの
で、長時間その優れた性能を維持する。このため、長時
間使用後も反応温度を著しく上げることなく、反応開始
時と同程度の高収率でアクリル酸を製造することができ
る。
【0030】本発明の触媒は、高負荷条件下でも優れた
性能を示すので、高収率でアクリル酸を製造することが
できる。
【0031】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、もちろん本発明はこれらの実施例によっ
てなんら制限されるものではない。
【0032】なお、アクロレイン、アクリル酸選択率お
よびアクリル酸単流収率は次式によって求めた。 アクロレイン転化率(%)=(反応したアクロレインの
モル数)/(供給したアクロレインのモル数)(×10
0) アクリル酸選択率(%)=(生成したアクリル酸のモル
数)/(反応したアクロレインのモル数)(×100) アクリル酸単流収率(%)=(生成したアクリル酸のモ
ル数)/(供給したアクロレインのモル数)(×10
0) 実施例1 水2500mlを加熱攪拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム116gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した後に三酸化バナジウム1.5gを
添加した。別に、水750mlを加熱攪拌しながら、こ
の中に硝酸銅87.8gを溶解した後に酸化第一銅1.
2gおよび三酸化アンチモン29gを添加した。得られ
た2つの液を混合した後、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、
これにα−アルミナからなる直径3〜5mmの球状担体
1000mlを加え、攪拌しながら蒸発乾固して担体に
付着させた後、400℃で6時間焼成して触媒(1)を
得た。この触媒(1)の金属元素の組成(酸素を除く原
子比、以下同じ)は次のとおりであった。 Mo126.1Cu2.3Sb1.2 このようにして得られた触媒(1)を直径25mmのス
テンレス製U字管内に充填し、アクロレイン4.5容量
%、酸素5容量%、水蒸気25容量%、窒素65.5容
量%の混合ガスを導入し、反応温度250℃、接触時間
2秒で反応させた。結果を表1に示した。
【0033】また、X線回折分析により、d=4.00
オングストロームおよびd=4.38オングストローム
のピークを触媒(1)のd=4.00オングストローム
のピークを100として求めた相対強度も表1に示し
た。 比較例1 実施例1において三酸化バナジウム、酸化第一銅および
三酸化アンチモンの代わりに五酸化バナジウム、酸化第
二銅および五酸化アンチモンを用いた以外は実施例1と
同様にして触媒(2)を調製した。実施例1において触
媒(1)の代わりに触媒(2)を用いた以外は実施例1
と同様に酸化反応を行った。結果を表1に示した。
【0034】また、実施例1と同様にして、X線回折分
析により、d=4.00オングストロームおよびd=
4.38オングストロームのピークを触媒(1)のd=
4.00オングストロームのピークを100として求め
た相対強度も表1に示した。 比較例2 実施例1において三酸化アンチモンの代わりに三酸化バ
ナジウムおよび酸化第一銅を用いた以外は実施例1と同
様にして触媒(3)を調製した。触媒(3)の金属元素
の組成は次のとおりであった。 Mo126.7Cu 実施例1において触媒(1)の代わりに触媒(3)を用
いた以外は実施例1と同様にして酸化反応を行った。結
果を表1に示した。
【0035】また、実施例1と同様にして、X線回折分
析により、d=4.00オングストロームおよびd=
4.38オングストロームのピークを触媒(1)のd=
4.00オングストロームのピークを100として求め
た相対強度も表1に示した。 比較例3 実施例1において三酸化バナジウムおよび酸化第一銅の
代わりに三酸化アンチモンを用いた以外は実施例1と同
様にして触媒(4)を調製した。触媒(4)の金属元素
の組成は次のとおりであった。 Mo126.7Cu2.2Sb1.4 実施例1において触媒(1)の代わりに触媒(4)を用
いた以外は実施例1と同様にして酸化反応を行った。結
果を表1に示した。
【0036】また、実施例1と同様にして、X線回折分
析により、d=4.00オングストロームおよびd=
4.38オングストロームのピークを触媒(1)のd=
4.00オングストロームのピークを100として求め
た相対強度も表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】実施例2 触媒(1)を用いて実施例1と同一条件で8000時間
反応を継続した後に生成物を捕集し分析した。結果を表
2に示した。
【0039】また、8000時間反応後の触媒(1)に
関し実施例1と同様にしてX線回折分析を行い、d=
4.00オングストロームのピークを触媒(1)のd=
4.00オングストロームのピークを100として求め
た相対強度を表2に示した。 比較例4 実施例2において、触媒(1)の代わりに触媒(2)を
用いた以外は実施例2と同様に反応を行った。結果を表
2に示した。
【0040】また、8000時間反応後の触媒(2)に
関し実施例1と同様にしてX線回折分析を行い、d=
4.00オングストロームのピークを触媒(1)のd=
4.00オングストロームのピークを100として求め
た相対強度を表2に示した。
【0041】
【表2】
【0042】実施例3 触媒(1)を用いて酸化反応を行う実施例1の方法にお
いて、接触時間を1.5秒に変更した以外は実施例1と
同様にして酸化反応を行った。結果を表3に示した。 比較例5 実施例3において、触媒(1)の代わりに触媒(2)を
用いた以外は実施例3と同様にして酸化反応を行った。
結果を表3に示した。 実施例4 触媒(1)を用いて酸化反応を行う実施例1の方法にお
いて、原料ガス中のアクロレインおよび窒素の割合をそ
れぞれ5.5容量%および64.5容量%にした以外は
実施例1と同様にして酸化反応を行った。結果を表3に
示した。 比較例6 実施例4において、触媒(1)の代わりに触媒(2)を
用いた以外は実施例4と同様にして酸化反応を行った。
結果を表3に示した。
【0043】
【表3】
【0044】実施例5 水2500mlを加熱攪拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム116gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した後に二酸化バナジウム22gを添
加した。別に水750mlを加熱攪拌しながら、この中
に硝酸銅87.8gおよび硝酸ストロンチウム8.7g
を溶解した後に三酸化アンチモン2.4gおよび水酸化
ジルコニウム13gを添加した。得られた2つの液を混
合した後、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これにα−アル
ミナからなる直径3〜5mmの球状担体1000mlを
加え、攪拌しながら蒸発乾固して担体に付着させた後、
400℃で6時間焼成して触媒(5)を調製した。この
触媒(5)の金属元素の組成は次のとおりであった。 Mo127.6Cu2.2Sb0.1Sr
0.25Zr0.5 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(5)を
用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結果
を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピーク
強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果を
表4に示した。 実施例6 水2500mlを加熱攪拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム116gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した後に二酸化バナジウム2.7gを
添加した。別に水750mlを加熱攪拌しながら、この
中に硝酸銅87.8gおよび硝酸マグネシウム10.6
gを溶解した後に三酸化アンチモン2.4gおよび四酸
化アンチモン12.7gを添加した。得られた2つの液
を混合した後、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これにα−
アルミナからなる直径3〜5mmの球状担体1000m
lを加え、攪拌しながら蒸発乾固して担体に付着させた
後、400℃で6時間焼成して触媒(6)を調製した。
この触媒(6)の金属元素の組成は次のとおりであっ
た。 Mo126.2Cu2.2Sb0.6Mg
0.25 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(6)を
用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結果
を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピーク
強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果を
表4に示した。 実施例7 水2500mlを加熱攪拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム106gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した後に二酸化バナジウム2.7gお
よび三酸化バナジウム1.5gを添加した。別に水75
0mlを加熱攪拌しながら、この中に硝酸銅87.8g
を溶解した後に三酸化アンチモン6gおよび酸化チタン
13.2gを添加した。得られた2つの液を混合した
後、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これにα−アルミナか
らなる直径3〜5mmの球状担体1000mlを加え、
攪拌しながら蒸発乾固して担体に付着させた後、400
℃で6時間焼成して触媒(7)を調製した。この触媒
(7)の金属元素の組成は次のとおりであった。 Mo125.8Cu2.2Sb0.25Ti 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(7)を
用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結果
を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピーク
強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果を
表4に示した。 実施例8 水2500mlを加熱攪拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム135gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した後に二酸化バナジウム6.9gを
添加した。別に水750mlを加熱攪拌しながら、この
中に硝酸銅87.8gを溶解した後に三酸化アンチモン
60gおよび酸化ジルコニウム20.4gを添加した。
得られた2つの液を混合した後、湯浴上の磁製蒸発器に
入れ、これにα−アルミナからなる直径3〜5mmの球
状担体1000mlを加え、攪拌しながら蒸発乾固して
担体に付着させた後、400℃で6時間焼成して触媒
(8)を調製した。この触媒(8)の金属元素の組成は
次のとおりであった。 Mo127.5Cu2.2Sb2.5Zr 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(8)を
用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結果
を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピーク
強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果を
表4に示した。 実施例9 水2500mlを加熱攪拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム116gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した。別に水750mlを加熱攪拌し
ながら、この中に硝酸銅87.8gおよび硝酸カルシウ
ム19.5gを溶解した後に酸化第一銅7gおよび三酸
化アンチモン9.6gを添加した。得られた2つの液を
混合した後、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これにα−ア
ルミナからなる直径3〜5mmの球状担体1000ml
を加え、攪拌しながら蒸発乾固して担体に付着させた
後、400℃で6時間焼成して触媒(9)を調製した。
この触媒(9)の金属元素の組成は次のとおりであっ
た。 Mo12Cu2.8Sb0.4Ca0.5 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(9)を
用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結果
を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピーク
強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果を
表4に示した。 実施例10 水2500mlを加熱攪拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム96.6gおよびパラタングステン酸アンモニウ
ム44.6gを溶解した。別に水750mlを加熱攪拌
しながら、この中に硝酸銅87.8gおよび硝酸バリウ
ム10.8gを溶解した後に酸化第一銅0.6gおよび
三酸化アンチモン3.6gを添加した。得られた2つの
液を混合した後、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これにα
−アルミナからなる直径3〜5mmの球状担体1000
mlを加え、攪拌しながら蒸発乾固して担体に付着させ
た後、400℃で6時間焼成して触媒(10)を調製し
た。この触媒(10)の金属元素の組成は次のとおりで
あった。 Mo12Cu2.25Sb0.15Ba
0.25 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(10)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピー
ク強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果
を表4に示した。 実施例11 水2500mlを加熱攪拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム106gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した後に二酸化バナジウム1.4gを
添加した。別に水750mlを加熱攪拌しながら、この
中に硝酸銅87.8gを溶解した後に四酸化アンチモン
25.4gを添加した。得られた2つの液を混合した
後、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これにα−アルミナか
らなる直径3〜5mmの球状担体1000mlを加え、
攪拌しながら蒸発乾固して担体に付着させた後、400
℃で6時間焼成して触媒(11)を調製した。この触媒
(11)の金属元素の組成は次のとおりであった。 Mo125.6Cu2.2Sb 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(11)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピー
ク強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果
を表4に示した。 実施例12 水2500mlを加熱攪拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム116gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した後に二酸化バナジウム2.7gを
添加した。別に水750mlを加熱攪拌しながら、この
中に硝酸銅87.8gを溶解した後に酸化第一銅2.4
gおよび酸化第一スズ11gを添加した。得られた2つ
の液を混合した後、湯浴上の磁製蒸発器に入れ、これに
α−アルミナからなる直径3〜5mmの球状担体100
0mlを加え、攪拌しながら蒸発乾固して担体に付着さ
せた後、400℃で6時間焼成して触媒(12)を調製
した。この触媒(12)の金属元素の組成は次のとおり
であった。 Mo126.2Cu2.4Sn0.5 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(12)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピー
ク強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果
を表4に示した。 実施例13 水2500mlを加熱攪拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム116gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した後に三酸化バナジウム1.5gを
添加した。別に水750mlを加熱攪拌しながら、この
中に硝酸銅87.8gを溶解した後に酸化第一銅1.2
g、三酸化アンチモン12gおよび酸化第一スズ2.2
gを添加した。得られた2つの液を混合した後、湯浴上
の磁製蒸発器に入れ、これにα−アルミナからなる直径
3〜5mmの球状担体1000mlを加え、攪拌しなが
ら蒸発乾固して担体に付着させた後、400℃で6時間
焼成して触媒(13)を調製した。この触媒(13)の
金属元素の組成は次のとおりであった。 Mo126.1Cu2.3Sb0.5Sn0.1 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(13)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピー
ク強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果
を表4に示した。 実施例14 水2500mlを加熱攪拌しながら、この中にパラモリ
ブデン酸アンモニウム350g、メタバナジン酸アンモ
ニウム106gおよびパラタングステン酸アンモニウム
44.6gを溶解した後に三酸化バナジウム1.2gを
添加した。別に水750mlを加熱攪拌しながら、この
中に硝酸銅87.8gを溶解した後に水酸化スズ2.5
g、酸化第一スズ4.4gおよび酸化セリウム14gを
添加した。得られた2つの液を混合した後、湯浴上の磁
製蒸発器に入れ、これにα−アルミナからなる直径3〜
5mmの球状担体1000mlを加え、攪拌しながら蒸
発乾固して担体に付着させた後、400℃で6時間焼成
して触媒(14)を調製した。この触媒(14)の金属
元素の組成は次のとおりであった。 Mo125.6Cu2.2Sn0.3Ce0.5 実施例1において、触媒(1)の代わりに触媒(14)
を用いた以外は実施例1と同様に酸化反応を行った。結
果を表4に示す。また、触媒のX線回折分析を行いピー
ク強度比(d4.38/d4.00)を求め、その結果
を表4に示した。
【0045】
【表4】
【0046】実施例15 工業用プロピレン(純度94%以上)を用い、モリブデ
ン−ビスマス系触媒の存在下に接触気相酸化を行い、ア
クロレイン5.5容量%、未反応プロピレンおよび副生
有機物1.3容量%、酸素5容量%、水蒸気20容量%
および窒素含有不活性ガス68.2容量%などからなる
反応混合ガスを得た。
【0047】引続き、この反応混合ガスを触媒(1)が
充填されている反応管に導入し、温度255℃および接
触時間2秒の条件下に酸化反応を行った。
【0048】触媒(1)に導入される反応混合ガス中の
プロピレン、プロパン、アクリル酸、酢酸などは反応し
なかったものとして計算して、アクロレイン転化率9
9.1%、アクリル酸への選択率95.4%、アクリル
酸への単流収率は94.5%であった。
【0049】本発明の触媒は、高い活性を維持し、アク
ロレインからアクリル酸を高収率で安定して製造できる
ことが確認された。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G069 AA02 AA03 BB06A BB06B BC09A BC09B BC10A BC10B BC12A BC12B BC13A BC13B BC22A BC22B BC26A BC26B BC31A BC31B BC43A BC43B BC50A BC50B BC51A BC51B BC54A BC54B BC59A BC59B BC60A BC60B CB17 EA01Y EB18Y EC25 FC08 4H006 AA02 AC46 BA05 BA06 BA08 BA10 BA11 BA12 BA13 BA14 BA30 BA75 BC13 BC32 BE30 4H039 CA65 CC30

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクロレインまたはアクロレイン含有ガ
    スを気相にて分子状酸素または分子状酸素含有ガスによ
    り酸化してアクリル酸を製造するための、下記一般式
    (I): MoCu (I) (式中、Moはモリブデン、Vはバナジウム、Wはタン
    グステン、Cuは銅、Xはアンチモンおよびスズから選
    ばれた少なくとも一種の元素、Yはマグネシウム、カル
    シウム、ストロンチウムおよびバリウムから選ばれた少
    なくとも一種の元素、Zはチタン、ジルコニウムおよび
    セリウムから選ばれた少なくとも一種の元素、そしてO
    は酸素であり、a、b、c、d、e、f、gおよびh
    は、Mo、V、W、Cu、X、Y、ZおよびOの原子数
    を表し、a=12のとき、2≦b≦14、0≦c≦1
    2、0<d≦6、0<e≦5、0≦f≦3、0≦g≦1
    0であり、hは各々の元素の酸化状態によって定まる数
    値をとる)で表されるモリブデン−バナジウム系酸化物
    触媒であって、触媒のX線回折分析によって測定したd
    =4.38オングストロームにおけるピーク強度(d
    4.38)とd=4.00オングストロームにおけるピ
    ーク強度(d4.00)との比(d4.38/d4.0
    0)が0.07未満であるアクリル酸製造用触媒。
JP2001393019A 1994-11-14 2001-12-26 アクリル酸製造用触媒 Expired - Fee Related JP3780206B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001393019A JP3780206B2 (ja) 1994-11-14 2001-12-26 アクリル酸製造用触媒

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27935894 1994-11-14
JP6-279358 1994-11-14
JP2001393019A JP3780206B2 (ja) 1994-11-14 2001-12-26 アクリル酸製造用触媒

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29432795A Division JP3299425B2 (ja) 1994-11-14 1995-11-13 アクリル酸製造用触媒およびその製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002233757A true JP2002233757A (ja) 2002-08-20
JP3780206B2 JP3780206B2 (ja) 2006-05-31

Family

ID=26553296

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001393019A Expired - Fee Related JP3780206B2 (ja) 1994-11-14 2001-12-26 アクリル酸製造用触媒

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3780206B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010038676A1 (ja) 2008-09-30 2010-04-08 株式会社日本触媒 アクリル酸製造用の触媒および該触媒を用いたアクリル酸の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010038676A1 (ja) 2008-09-30 2010-04-08 株式会社日本触媒 アクリル酸製造用の触媒および該触媒を用いたアクリル酸の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3780206B2 (ja) 2006-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2119908C1 (ru) Способ получения акриловой кислоты
US5177260A (en) Method for production of acrylic acid
US5162578A (en) Acetic acid from ethane, ethylene and oxygen
JP4346822B2 (ja) プロピレンの低温度選択的酸化用のモリブデン−バナジウム系触媒、その製造方法及び使用方法
US6946422B2 (en) Preparation of mixed metal oxide catalysts for catalytic oxidation of olefins to unsaturated aldehydes
JPS6214535B2 (ja)
KR101722061B1 (ko) 포화 및 불포화 알데히드를 불포화 카르복시산으로 산화시키기 위한 헤테로다중산을 포함하는 촉매, 이를 제조하는 방법 및 이를 사용하는 방법
JP3299425B2 (ja) アクリル酸製造用触媒およびその製法
KR20090108121A (ko) 포화 및 불포화 알데히드의 불포화 카복실산으로의 산화 촉매, 이의 제조방법 및 사용방법
JP3237314B2 (ja) α,β−不飽和カルボン酸の製造方法
JP3334296B2 (ja) 不飽和カルボン酸の製造方法
JP2003534303A (ja) エタンおよび/またはエチレンを接触酸化することによって酢酸を選択的に製造する方法
JP4081824B2 (ja) アクリル酸の製造方法
JP2905284B2 (ja) アクリル酸の製造方法
JP4182237B2 (ja) イソブタンの気相接触酸化反応用触媒およびこれを用いてなるアルケンおよび/または含酸素化合物の製造方法
JPS6230177B2 (ja)
JP3331629B2 (ja) アルカンよりニトリルを製造するための触媒
JPH10128112A (ja) イソブタンの気相接触酸化反応用触媒およびその製造方法
EP0146099A2 (en) A process for producing acrylic acid by oxidation of acrolein and a novel catalyst useful thereof
JP3299424B2 (ja) アクリル酸製造用触媒およびその製造法
JP3268900B2 (ja) 不飽和アルデヒド及び不飽和カルボン酸合成用触媒の製造法
JP3780206B2 (ja) アクリル酸製造用触媒
JP3299426B2 (ja) アクリル酸製造用触媒の製造方法
JP3502526B2 (ja) バナジウム−リン系酸化物、その製造方法、該酸化物からなる気相酸化用触媒および炭化水素類の部分気相酸化方法
JP2001515004A (ja) Mo、V及びCuを含有する複合金属酸化物材料の製法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060306

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100310

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100310

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110310

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120310

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120310

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130310

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140310

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees