JP2002231241A - 非水系二次電池の負極用黒鉛粒子 - Google Patents

非水系二次電池の負極用黒鉛粒子

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JP2002231241A JP2001023021A JP2001023021A JP2002231241A JP 2002231241 A JP2002231241 A JP 2002231241A JP 2001023021 A JP2001023021 A JP 2001023021A JP 2001023021 A JP2001023021 A JP 2001023021A JP 2002231241 A JP2002231241 A JP 2002231241A
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Katsutomo Ozeki
克知 大関
Toyoki Horizumi
豊樹 堀澄
Minoru Shirohige
稔 白髭
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電解液にプロピレンカーボネートを含有した
非水系二次電池において、充電時に黒鉛表面でプロピレ
ンカーボネートが分解せず、充放電効率が著しく低下す
ることのない負極用の結晶性の高い黒鉛粒子を提供す
る。 【解決手段】 リン状またはリン片状の天然黒鉛粒子か
ら構成され、その表面にポリウロニドを基本構造とし
た、水溶液中で特定の粘度を有する水溶性高分子の特定
量が吸着または被覆した黒鉛粒子を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、非水系二次電池
の負極に使用する黒鉛粒子に関するものであり、特に電
解液中にプロピレンカーボネート(PC)を含有する非
水系二次電池における放電負荷特性と充放電サイクル寿
命特性を向上させることが可能な負極用黒鉛粒子に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】非水系二次電池、例えばリチウムイオン
二次電池の負極活物質としては、炭素粒子のメソフェー
ズカーボンマイクロビーズ(MCMB)や難黒鉛化炭素
が主として用いられている。また、結着剤としてはポリ
フッ化ビニリデン(PVDF)樹脂に代表されるフッ素
系樹脂が主として用いられ、これらの樹脂をN−メチル
−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶剤を溶媒とし
て負極活物質と共に混練することにより、リチウムイオ
ン二次電池の負極塗膜形成用スラリーとしている。リチ
ウムイオン二次電池はノート形パソコンや携帯電話など
の充電可能な電源として普及しているが、さらにその適
用範囲を拡大するために電池の高容量化や高電圧化を図
ることが望まれている。このような二次電池の高容量化
に対する要求を満たすためには、負極材料を高容量化す
ることが必須である。しかしながら、従来から負極活物
質として使用されているメソフェーズピッチ焼成炭素材
料のMCMBやメソフェーズカーボンファイバー(MC
F)は黒鉛化が不十分であるために、得られる放電容量
は320mAh/gにとどまっている。
【0003】そこで、電池(負極材料)高容量化の要求
を達成する方策として、結晶性の高い天然黒鉛やコーク
スおよび/またはピッチ焼成の人造黒鉛を用いる検討が
進められている。また、電解液にプロピレンカーボネー
ト(PC)を含有した非水系二次電池が、近年注目を浴
びている。従来、非水系二次電池の電解液としては、エ
チレンカーボネート(EC)にジメチルカーボネート
(DMC)やジエチルカーボネート(DEC)を混合し
た有機溶媒を用いたものであったが、ECは融点が39
℃の常温下では固体の物質であり、ECを含有した電解
液では低温下でのイオン導電性が低い。また、DMCや
DECは沸点がそれぞれ90〜91℃、126℃と低
く、気化し易いので電池の内圧上昇を引き起こす恐れが
あると共に、引火性が高いので安全面でも懸念があっ
た。これに対し、PCは常温液体(単体での凝固点は−
49.2℃)で、誘電率も大きいために低温下でのイオ
ン導電性が高く、電池を低温環境下で使用する際の放電
特性が改善されるという利点がある。また、PC単体の
沸点は241.7℃であり、DMCまたはDECと混合
した電解液とした電池が高温になった場合でも熱による
ガス発生が少ないため、電池パッケージの膨張を抑制で
き、安全面でも利点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、電解液に
PCを含有した非水系二次電池は、従来の二次電池の特
性を改善できるものとなることは分かっているが、普及
していない状況にある。その理由は、負極活物質として
結晶性の高い黒鉛を用いた場合、充電時に黒鉛表面でP
Cが分解し、充放電効率が著しく低下するためである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題を
解決するために、プロピレンカーボネートを含有する電
解液を用いた非水系二次電池の負極用黒鉛粒子におい
て、この負極用黒鉛粒子はリン状またはリン片状の天然
黒鉛粒子から構成される塊状黒鉛粒子群であり、この塊
状黒鉛粒子群の表面にポリウロニドを基本構造とした水
溶性高分子が該塊状黒鉛粒子群に対して0.3〜3.0質
量%の範囲で吸着または被覆されており、さらにこの水
溶性高分子は20℃における1質量%水溶液の粘度が2
〜60mPa・sであることが特徴の非水系二次電池の
負極用黒鉛粒子を提供するものである。
【0006】また、この発明の塊状黒鉛粒子群は、レー
ザー光回折法による累積50%径(以下、「D50径」
と略す)が10〜25μm、窒素ガス吸着法による比表
面積が2.5〜6m2/g、静置法による見掛け密度が
0.45g/cm以上、タップ法による見掛け密度が
0.70g/cm以上であり、さらに、タップ法によ
る見掛け密度は静置法による見掛け密度の1.3倍〜2.
0倍の範囲であることが特徴である。
【0007】さらに、この塊状黒鉛粒子群は、レーザー
光回折法によるD50径の値は同法による累積10%径
(以下、「D10径」と略す)値の1.5倍〜2.5倍の
範囲であり、同法による累積90%径(以下、「D90
径」と略す)値はD50径の値の1.5倍〜2.5倍の範
囲であることが特徴である。加えて、この塊状黒鉛粒子
群は、マクロポア体積、メソポア体積およびミクロポア
体積からなる全ポア体積が0.035cm/g以下で
あり、全ポア体積に占めるマクロポア体積の比率が20
%以上であることが特徴である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の非水系二次電池の負極用
黒鉛粒子における第一の特徴は、黒鉛粒子はリン状また
はリン片状の天然黒鉛粒子から構成される塊状黒鉛粒子
群で、この塊状黒鉛粒子群の表面にポリウロニドを基本
構造とした水溶性高分子が塊状黒鉛粒子群に対して0.
3〜3.0質量%の範囲で吸着または被覆されており、
さらにこの水溶性高分子は20℃における1質量%水溶
液の粘度が2〜60mPa・sであることである。PC
が充電時に分解するのは、高結晶の黒鉛表面に存在する
活性点に因るものと推測される。ポリウロニドが何故P
C分解抑制効果が高いのか、詳細なメカニズムは現在の
ところ不明であるが、ポリウロニド類が結晶性の高い黒
鉛表面の活性点に吸着し、PCの分解を抑制するものと
考えられる。なお、ポリウロニドを基本構造とする水溶
性高分子としては、アルギン酸カリウムやアルギン酸ナ
トリウムのアルギン酸塩およびアルギン酸プロピレング
リコールエステルが挙げられ、PC含有電解液において
PC分解抑制効果が高いのは、20℃における1質量%
水溶液の粘度が2〜60mPa・sであることを見出し
た。高分子を一定濃度で溶解した水溶液の粘度は、溶解
させた高分子の分子量や重合度の指標となり、粘度数値
が低いものほど低分子量または低重合度のものと言え
る。前記水溶液の粘度が60mPa・sを超えると黒鉛
表面への緻密な吸着膜または被覆膜を形成できない。そ
の結果、PCの分解を十分に抑制できなくなる。一方、
水溶液の粘度が2mPa・s未満のものは製造が困難で
あり、実用的範囲を超えている。
【0009】この発明の非水系二次電池の負極用黒鉛粒
子における第二の特徴は、リン状またはリン片状の天然
黒鉛粒子から構成される塊状の黒鉛粒子群であり、この
塊状黒鉛粒子群は、レーザー光回折法によるD50径、
すなわち平均粒子径の値が10〜25μmであり、窒素
ガス吸着法による比表面積が2.5〜6m2/g、静置法
による見掛け密度が0.45g/cm以上、タップ法
による見掛け密度が0.70g/cm以上であり、さ
らに、タップ法による見掛け密度は静置法による見掛け
密度の1.3倍〜2.0倍となっていることである。D5
0径(平均粒子径)の値が10μm未満では、塊状黒鉛
粒子群の粒子径としては小さすぎ、黒鉛粒子間の接触抵
抗が増加して形成した塗膜の導電性が劣化する傾向があ
る。したがって、得られる電池特性としては充放電容量
や充放電負荷特性が低下すると共に、電解液の分解に伴
う充放電効率が低下する。逆に、D50径の値が25μ
mを超えると、黒鉛粒子群の粒子径としては大きすぎ、
充放電時のリチウムイオンの黒鉛内部および外部への拡
散に時間を要し、充放電負荷特性が低下すると共に、形
成した塗膜の平滑性が悪くなり、充電時に局部的にリチ
ウムが析出する恐れがある。
【0010】また、このD50径(平均粒子径)の値と
相関性があるが、窒素ガス吸着法による比表面積が2.
5m2/g未満では、黒鉛粒子群としては比表面積の値
が低く、粗大な粒子群となる。したがって、充放電時の
リチウムイオンの黒鉛内部および外部への拡散に時間を
要し、充放電負荷特性が低下すると共に、形成した塗膜
の平滑性が悪くなり、充電時に局部的にリチウムが析出
する恐れがある。逆に、窒素ガス吸着法による比表面積
が6m2/gを超えると、黒鉛粒子は微細な粒子群とな
り、黒鉛粒子間の接触抵抗が増加して形成した塗膜の導
電性が劣化し、充放電容量や充放電負荷特性が低下する
と共に、電解液の分解に伴う充放電効率が低下し、凝集
が進んで嵩密度の低い粒子群になる傾向もあり、比表面
積がこの値より大きいと好ましくない。
【0011】さらに、この発明における塊状黒鉛粒子群
の静置法による見掛け密度は0.45g/cm以上、
タップ法による見掛け密度が0.70g/cm以上で
ある。静置法による見掛け密度およびタップ法による見
掛け密度の測定方法は、顔料試験方法(JIS K 51
01)に記載されている。この発明における静置法およ
びタップ法による見掛け密度は、ホソカワミクロン製パ
ウダーテスターPT−R型を用いて測定したものであ
る。静置法による見掛け密度の測定方法は、篩網を通し
て受器に試料を入れて、容積が100cmになったと
きの質量を測定することにより評価する。これに対し
て、タップ法による見掛け密度の測定方法は、試料を受
器に投入しながら受器を180回タッピングした後の容
積100cm 当たりの質量を測定することにより評価
する。
【0012】静置法による見掛け密度の0.45g/c
およびタップ法による見掛け密度の0.70g/c
の値は、この発明に適用される黒鉛粒子群の下限値
である。リチウムイオン電池の高エネルギー密度化の要
求に対しては、活物質の充填密度を高めること、言い換
えれば塗膜の高密度化が必須であり、そのためには、で
きるだけ厚い塗膜を形成することが必要である。発明者
らが検討した結果、塗膜を形成するためのスラリー固形
分が45質量%以上であれば良好な塗膜を形成できるこ
とを見出した。その固形分含量を達成するためには、静
置法による見掛け密度が0.45g/cm以上、タッ
プ法による見掛け密度が0.70g/cm 以上の値が
好ましいことが分かった。また、これらの見掛け密度未
満では、塗工時の膜厚の変動が大きくなり、十分な密着
強度を得るために必要な結着剤の配合量も多くなり、実
効容量の低下を引き起こす懸念がある。
【0013】上記測定方法のとおり、タップ法による見
掛け密度は受器に振動を与える分、受器内の試料は充填
が進むため、静置法による見掛け密度と比べるとその値
は高くなる。この発明のさらに他の特徴は、タップ法に
よる見掛け密度は静置法による見掛け密度の1.3倍〜
2.0倍の範囲にあるという点である。すなわち、タッ
ピングにより受器内の黒鉛粒子群の充填が進まないも
の、および進みすぎるものは、この発明の範囲外とな
る。また、前記密度の比が1.3未満では、タッピング
による充填が進まない材料となり、実際の負極塗膜形成
工程では、塗膜のプレスによる密度制御が困難になる。
逆に、密度の比が2.0を超えるものは、タッピングに
よる充填が進みすぎる材料となり、乾燥条件等により塗
膜厚さが変動し易く、プレスによる塗膜密度上昇時にも
変動が生じ易く、さらにプレスによる残留応力が大きい
ために、銅箔界面から剥離し易くなる。
【0014】この発明の非水系二次電池の負極用黒鉛粒
子における第三の特徴は、塊状黒鉛粒子群のレーザー光
回折法によるD50径の値は同法による累積10%径の
値D10径の1.5倍〜2.5倍の範囲であり、同法によ
る累積90%径の値D90径はD50径の値の1.5倍
〜2.5倍の範囲にすることである。D50径の値がD
10径の値の1.5倍未満の場合には、形成した塗膜中
の粒子の充填性が悪く、得られる塗膜の電気抵抗値が高
くなり、充放電負荷特性が劣化すると共に密着性も低下
する。一方、D50径の値がD10径の値の2.5倍を
越える場合、粒子の充填性が過度に高まり電解液の浸透
性が悪くなり、また充放電サイクルにおいて初回から高
い容量を得ることができず、さらに最大容量に達するま
でのサイクル数が多くなる。また、D90径の値がD5
0径の値の1.5倍未満の場合も、前述の理由と同様
に、形成した塗膜中の粒子の充填性が悪く、得られる塗
膜の電気抵抗値が高くなり、充放電負荷特性が劣化する
と共に密着性も低下する。さらに、D90径の値がD5
0径の値の2.5倍を越える場合には、粗大粒子が多く
なり、平滑な塗膜を形成し難く、局部的なリチウムの析
出を起こし易くなると共に密着性の低下を引き起こす懸
念があるので好ましくない。
【0015】この発明の非水系二次電池の負極用黒鉛粒
子における第四の特徴は、塊状黒鉛粒子群のマクロポア
体積、メソポア体積およびミクロポア体積からなる全ポ
ア体積を0.035cm/g以下とし、全ポア体積に
占めるマクロポア体積を20%以上にすることである。
なおここで言うマクロポア、メソポアおよびミクロポア
は、塊状黒鉛粒子群中に存在する細孔のことであり、I
UPAC(International Union of Pure andApplied C
hemistry)の規格によれば、細孔の径が50nmを越え
るものをマクロポア、細孔の径が2nm〜50nmの範
囲のものをメソポア、2nm以下のものをマイクロポア
として区別している。
【0016】これらポア(細孔)の分布状態を求める解
析手法としては、BJH(Barrett-Joyner-Halenda)
法、CI(Cranston-Inkley)法、MP(Micropore)法
やHK(Horvath-Kawazoe)法などが知られているが、
本件発明では、比表面積との相関、細孔範囲の拡張性か
らBJH法を採用した。なお、全ポア体積と吸着等温線
上のある相対圧における吸着量の差は、半径がポア半径
(r)より大きい部分の総和である。BJH法は、ポ
ア形状を円柱状と仮定して、ポア表面積の積算値がBE
T(Brunauer-Emmett-Teller)比表面積に最も近い値と
なるように解析を行う手法であり、以下の式1に従うも
のである。
【数1】 ここで、v12は相対圧をxからxに変化させたと
き(但し、x<x)の吸着量の増加分、rは求め
るポア半径の平均値、Δtは多分子吸着層の厚みの変化
量、rはポア半径の平均値、V12はポア半径rから
の間のポア体積、Cは変数(但し、0.75、0.
80、0.85、0.90から選択)、Sはポア表面積で
ある。なお、このBJH解析はASAPデーター処理ソ
フトウェアASAP−PCI((株)島津製作所製)によ
って行った。
【0017】全ポア体積が0.035g/cmを越え
ると、塊状黒鉛粒子群内部の空隙が増すことになる。こ
のことは、塊状黒鉛粒子群の真密度を低下させることと
なり、ひいては、結晶性および粒子強度が低下すること
がある。また、マクロポア体積は全ポア体積の20%以
上が好ましく、より好ましくは25%以上である。全ポ
ア体積中のマクロポア体積の比率が20%未満、換言す
ると中程度の細孔であるメソポアと小細孔であるマイク
ロポアの存在比率が多くなる場合には、結晶性の低下に
よるリチウムイオンの可逆性の低下を引き起こすことが
ある。
【0018】
【実施例】<実施例1〜6> (試料の調製)表1に示すポリウロニド類としてアルギ
ン酸プロピレングリコールエステル(PGA)およびア
ルギン酸ナトリウム(Arg−Na)、アルギン酸カリ
ウム(Arg−K)を用いた。これらを100重量部の
純水に溶解した。次いで、天然リン状および天然リン片
状の黒鉛から構成される塊状の黒鉛粒子を投入して撹拌
し、放置した。黒鉛粒子が沈降した後、上澄みを除去し
て黒鉛スラリーを乾燥、解砕してポリウロニドが表面に
吸着または被覆させた黒鉛試料を調製した。
【0019】
【表1】
【0020】この黒鉛試料90重量部に対して、10重
量部のポリフッ化ビニリデン(PVDF、呉羽化学工業
(株)製、商品名:KF1000)を結着剤とし、120
重量部のN−メチル−2−ピロリドン(NMP、試薬特
級)を溶媒として用い、スラリーを調製した。これらの
スラリーを集電体となる圧延銅箔の上に、ギャップ20
0μmのドクターブレードを用いて塗布し、120℃で
10分間乾燥し、1ton/cm2の圧力でプレスを行
い負極塗膜とした。
【0021】(密着性)負極塗膜上に幅18mmのセロ
ファンテープを貼って2kgの荷重で圧着した後、セロ
ファンテープを引き剥がすために必要な荷重をプッシュ
プルゲージで測定した。また、負極塗膜の剥離(破壊)
状態を観察した。 (電極特性)負極塗膜を銅箔と共にポンチで打ち抜いて
電極を作製した。対極として金属リチウムを用い、電解
液として1mol/l−LiPF6/EC+DMC+P
C(1:1:1)を用いたコイン形モデルセルを作製
し、0.5mA/cm2の電流密度で0.01V(vs.L
i/Li)まで定電流でリチウムを負極内に吸蔵(充
電)させ充電容量を求めた。また、初回の放電容量は、
0.5mA/cm2の定電流で1.1V(vs.Li/Li
)まで放電させて求めた。さらに、0.5mA/cm2
で充電を行った後、6mA/cm2の電流密度で1.1V
(vs.Li/Li)まで放電させたときの放電容量
を求め、0.5mA/cm2で放電したときの容量との比
率を求め、放電負荷特性を評価した。
【0022】各黒鉛試料における、上記の各種評価の結
果を表2に示す。
【表2】
【0023】見掛け密度が静置法で0.45g/cm
以上、タップ法で0.70g/cm以上であれば、固
形分45質量%以上のスラリーを調製することができ
る。その結果得られる乾燥塗膜の厚さは120μm〜1
30μmであり、塗膜密度は0.8g/cm程度であ
った。なお、得られた塗膜をプレスした際の塗膜密度の
変化は、静置法およびタップ法による見掛け密度の比率
が大きいものほど変化し易いことが分かる。なお、表中
に記した本発明の範囲となる実施例の各試料では、得ら
れる塗膜強度および塗膜密度、また電極特性はいずれも
良好であった。
【0024】<比較例1〜4>表3に記した材料を比較
試料として実施例と同様の測定方法で評価を行った。な
お、評価の結果を表4に示す。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】試料番号11を用いた比較例1において
は、使用したポリウロニドの水溶液粘度および吸着量は
本発明の範囲を満たし、PC添加系電解液中でも電解液
の分解による充放電効率の低下は少ない。また、比表面
積は本発明の請求項2、粒子径D50、粒度比率D90
/D50は本発明の請求項3、そしてマクロポア比率は
請求項4の範囲を満たすが、見掛け密度に関して請求項
2の範囲外となるリン状の天然黒鉛粒子を用いたもので
ある。この場合、スラリー固形分が低く、乾燥膜厚は1
10μmで塗膜密度も低く、密着強度が低い。このため
に、放電負荷の値が低い。
【0028】試料番号12を用いた比較例2は従来の負
極用材料のMCMBを用いたものである。ポリウロニド
を吸着させていないため、PC添加系電解液においてP
Cの分解が著しく、十分にリチウムイオンが負極内にイ
ンターカレーションできず、放電容量も低く、放電負荷
も低下した。また、見掛け密度は静置法、タップ法によ
るものとも高い値であり、スラリー固形分、密着強度も
高いものではあるが、プレスによる塗膜密度の制御が不
可能であった。
【0029】試料番号13を用いた比較例3は、使用し
たポリウロニドの水溶液粘度が範囲外であり緻密な吸着
膜が形成できていないものと考えられ、PCの分解によ
る充放電効率の低下が見られる。また、塊状の天然黒鉛
粒子を使用したがD90径の値はD50径の値の2.5
倍を越えたものである。見掛け密度およびスラリー固形
分は高いが、塗膜の密着強度が低く、また放電負荷特性
も低い。
【0030】また、試料番号14を用いた比較例4は、
比表面積は本願の発明の請求項2の範囲内であるが、見
掛け密度は請求項2の範囲外であり、また、ポリウロニ
ドも多く吸着しているので、PCの分解は抑制している
がリチウムイオンの移動を妨げており、放電容量と放電
負荷の低下が見られる。
【0031】
【発明の効果】本発明の負極用黒鉛粒子を用いることに
より、PCを含有する非水電解液二次電池負極に結晶性
の高い黒鉛材料を使用することができ、高容量で安全性
の高い電池負極を得ることができる。さらに、電池の塗
膜強度および塗膜密度が良好となり、かつ各種電極特性
に優れた非水系二次電池の負極を得ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年10月11日(2001.10.
11)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【表1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】試料番号11を用いた比較例1において
は、使用したポリウロニドの水溶液粘度および吸着量は
本発明の範囲を満たし、PC添加系電解液中でも電解液
の分解による充放電効率の低下は少ない。また、比表面
および粒子径D50は本発明の請求項2、粒度比率D
90/D50は本発明の請求項3、そしてマクロポア比
率は請求項4の範囲を満たすが、見掛け密度に関して請
求項2、粒度比率D50/D10に関しては請求項3
範囲外となるリン状の天然黒鉛粒子を用いたものであ
る。この場合、スラリー固形分が低く、乾燥膜厚は11
0μmで塗膜密度も低く、密着強度が低い。このため
に、放電負荷の値が低い。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】また、試料番号14を用いた比較例4は、
比表面積は本願の発明の請求項2の範囲外、かつ見掛け
密度も請求項2の範囲外であり、また、ポリウロニドも
多く吸着しているので、PCの分解は抑制しているがリ
チウムイオンの移動を妨げており、放電容量と放電負荷
の低下が見られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレンカーボネートを含有する電解
    液を用いた非水系二次電池の負極用黒鉛粒子において、 該負極用黒鉛粒子はリン状またはリン片状の天然黒鉛粒
    子から構成される塊状黒鉛粒子群であり、 該塊状黒鉛粒子群の表面にはポリウロニドを基本構造と
    した水溶性高分子が該塊状黒鉛粒子群に対して0.3〜
    3.0質量%の範囲で吸着または被覆されており、 さらに該水溶性高分子は20℃における1質量%水溶液
    の粘度が2〜60mPa・sであることが特徴の非水系
    二次電池の負極用黒鉛粒子。
  2. 【請求項2】 前記の塊状黒鉛粒子群は、レーザー光回
    折法による累積50%径(D50径)が10〜25μ
    m、窒素ガス吸着法による比表面積が2.5〜6m
    g、静置法による見掛け密度が0.45g/cm
    上、タップ法による見掛け密度が0.70g/cm
    上であり、 さらに、タップ法による見掛け密度が静置法による見掛
    け密度の1.3倍〜2.0倍の範囲であることが特徴の請
    求項1に記載の負極用黒鉛粒子。
  3. 【請求項3】 前記塊状黒鉛粒子群のレーザー光回折法
    による累積50%径(D50径)の値が同法による累積
    10%径(D10径)の値の1.5倍〜2.5倍の範囲で
    あり、同法による累積90%径(D90径)の値が累積
    50%径(D50径)の値の1.5倍〜2.5倍の範囲で
    ある請求項1または2に記載の非水系二次電池の負極用
    黒鉛粒子。
  4. 【請求項4】 前記塊状黒鉛粒子群のマクロポア体積、
    メソポア体積およびミクロポア体積からなる全ポア体積
    が0.035cm/g以下であり、全ポア体積に占め
    るマクロポア体積の比率が20%以上である請求項1な
    いし3のいずれかに記載の非水系二次電池の負極用黒鉛
    粒子。
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