JP2002227619A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

バルブタイミング調整装置

Info

Publication number
JP2002227619A
JP2002227619A JP2001025994A JP2001025994A JP2002227619A JP 2002227619 A JP2002227619 A JP 2002227619A JP 2001025994 A JP2001025994 A JP 2001025994A JP 2001025994 A JP2001025994 A JP 2001025994A JP 2002227619 A JP2002227619 A JP 2002227619A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
retard
rotating member
driven
advance
retarded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001025994A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4338326B2 (ja
Inventor
Jun Yamada
潤 山田
Kenji Kanehara
賢治 金原
Takashi Mizobuchi
剛史 溝渕
Shiyuuji Mizutani
秋二 水谷
Hiroe Sugiura
太衛 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Nippon Soken Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP2001025994A priority Critical patent/JP4338326B2/ja
Publication of JP2002227619A publication Critical patent/JP2002227619A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4338326B2 publication Critical patent/JP4338326B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 位相制御時の従動側回転部材の揺動を防止し
低圧時においても速やかに目標位相角度位置に達する小
型のバルブタイミング調整装置を提供する。 【解決手段】 進角ピストン50は、進角底面55から
周壁11の内周面11a側に突出する方向に遅角油圧室
20から油圧を受ける。スプリング52は反突出側に進
角ピストン50を付勢している。板部材53の進角底面
55と11の内周面11aとの間隔は、シューハウジン
グ10に対しベーンロータ15が進角する方向に狭くな
っている。進角ピストン50が進角底面55から内周面
11a側に突出していると、ローラ56は内周面11a
と進角底面55との間に挟持されない。ローラ56が進
角底面55から内周面11a反対側に引っ込んでおり、
シューハウジング10に対しベーンロータ15が遅角側
に回転しようとすると、ローラ56は内周面11aと進
角底面55との間に挟持される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関(以下、
「内燃機関」をエンジンという)の吸気弁および排気弁
の少なくともいずれか一方の開閉タイミング(以下、
「開閉タイミング」をバルブタイミングという)を調整
するためのバルブタイミング調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エンジンの燃費向上および排気ガ
スの低減等の要求から、吸気弁および排気弁の少なくと
も一方のバルブタイミングを可変に調整する油圧式のバ
ルブタイミング調整装置が知られている。バルブタイミ
ング調整装置は、例えばエンジンの駆動軸としてのクラ
ンクシャフトからベーン部材を介して従動軸としてのカ
ムシャフトに駆動トルクを伝達している。
【0003】べ一ン部材は、例えばタイミングプーリや
チェーンスプロケットとともに回転するハウジング部材
内に収容され、カムシャフトとともに回転する。そし
て、ハウジング部材に対するべーン部材の相対回転位相
差を油圧室の油圧で調整することにより、クランクシャ
フトに対するカムシャフトの位相差を調整する。
【0004】このようなバルブタイミング調整装置で
は、吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を駆
動することにより正・負に変動する変動トルクをカムシ
ャフトが受ける。例えばエンジン始動開始時のクランキ
ング時のように作動油が充分に供給されず作動圧が低い
場合、ハウジング部材に対しベーン部材を進角側または
遅角側に油圧制御すると、カムシャフトが受ける変動ト
ルクによりハウジング部材に対しベーン部材が揺動しな
がら目標位相角度位置に回転するので、バルブタイミン
グ制御の応答性が低下する。
【0005】そこで、特開平11−336516号公報
に開示されるバルブタイミング調整装置では、ベーン部
材のベーンに往復移動可能に収容したプランジャが揺動
回転方向の一方に突出して一方側のハウジング部材内壁
に当接することにより、プランジャが当接している側に
ベーン部材およびカムシャフトが回転することを防止し
ている。これにより、油圧が低いときにもベーン部材が
作動回転方向と反対方向に揺動することを防止し、バル
ブタイミングを素早く制御しようとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ハウジ
ング部材内壁に当接することによりプランジャがベーン
部材の揺動を防止できる相対回動角度範囲はプランジャ
の長さにより限定される。ハウジング部材に対しベーン
部材の相対回動角度範囲が大きいときにすべての相対回
動角度範囲でベーン部材の一方向への揺動を防止するた
めには、プランジャを長くしプランジャの往復移動量を
増加する必要がある。しかし、プランジャが長くなりプ
ランジャの往復移動量が増加すると、プランジャを往復
移動可能に収容し支持するベーン部材を大型化する必要
がある。ベーン部材が大型化すると、バルブタイミング
調整装置が大型化するという問題がある。本発明の目的
は、位相制御時の従動側回転部材の揺動を防止し低圧時
においても速やかに目標位相角度位置に達する小型のバ
ルブタイミング調整装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
バルブタイミング調整装置によると、進角部材および進
角ピストンは従動側回転部材に収容されている。さら
に、進角底面と進角対向面との間隔は駆動側回転部材に
対し従動側回転部材が進角する方向に狭くなっており、
進角凹部の進角側端部に達する前に進角部材は進角底面
と進角対向面との間に挟持される。
【0008】そして、駆動側回転部材に対し従動側回転
部材を進角側または遅角側に相対回動する流体圧力によ
り進角底面から進角対向面側への進角ピストンの出入り
を制御し、進角制御中、進角底面から進角対向面と反対
側に進角ピストンを引っ込め、駆動側回転部材に対し従
動側回転部材を遅角制御中、進角底面から進角対向面側
に進角ピストンを突出させる。
【0009】進角制御を行うときに進角ピストンが進角
底面から進角対向面側に突出していない状態で、従動側
回転部材が遅角側に変動トルクを受け遅角側に回転しよ
うとすると、進角底面と進角対向面との間に進角部材が
挟持される位置から従動側回転部材の回転方向とは反対
である進角底面と進角対向面との間隔が狭くなっている
進角側に進角部材が移動しようとする。しかし、進角部
材は挟持されている位置から進角側に移動できないの
で、従動側回転部材は遅角側への回転を禁止される。
【0010】進角制御を行うときに進角ピストンが進角
底面から進角対向面側に突出していない状態で、従動側
回転部材が進角側に変動トルクを受け進角側に回転しよ
うとすると、従動側回転部材の回転方向とは反対である
進角底面と進角対向面との間隔が広くなっている遅角側
に進角部材が移動しようとする。進角部材は遅角側には
移動できるので、進角底面と進角対向面との間に進角部
材が挟持されることなく、従動側回転部材は進角側に滑
らかに回転する。進角制御中、油圧の低い場合に遅角側
への変動トルクを従動側回転部材が受けても遅角側に揺
動することを防止するので、速やかに目標位相角度位置
に従動側回転部材を回転できる。
【0011】一方遅角制御を行う場合、進角底面から進
角対向面側に進角ピストンが突出するので、進角部材は
進角ピストンに係止される位置から進角側に移動しな
い。したがって、駆動側回転部材に対し従動側回転部材
が遅角側に回転しても、進角部材が進角底面と進角対向
面との間に挟持されることを防止する。したがって、遅
角制御を行うとき、従動側回転部材は滑らかに遅角側に
回転する。
【0012】また、進角部材を係止し進角部材が進角側
に移動することを禁止するために進角ピストンが従動側
回転部材内を往復移動する移動量は、駆動側回転部材に
対する従動側回転部材の相対回動角度範囲に関わらず一
定であり、かつ小さい。したがって、駆動側回転部材に
対する従動側回転部材の相対回動角度範囲が大きくなっ
てもすべての範囲において、進角部材および進角ピスト
ンを収容する従動側回転部材を大型化することなく進角
制御時の遅角側への揺動を防止できる。
【0013】本発明の請求項2または3記載のバルブタ
イミング調整装置によると、遅角部材および遅角ピスト
ンは従動側回転部材に収容されている。さらに、遅角底
面と遅角対向面との間隔は駆動側回転部材に対し従動側
回転部材が遅角する方向に狭くなっており、遅角凹部の
進角側端部と遅角角側端部との間で遅角部材は遅角底面
と遅角対向面との間に挟持される。
【0014】そして、駆動側回転部材に対し従動側回転
部材を進角側または遅角側に相対回動する流体圧力によ
り遅角底面から遅角対向面側への遅角ピストンの出入り
を制御し、遅角制御中、遅角底面から遅角対向面と反対
側に遅角ピストンを引っ込め、進角制御中、遅角底面か
ら遅角対向面側に遅角ピストンを突出させる。
【0015】遅角制御を行うときに遅角ピストンが遅角
底面から遅角対向面側に突出していない状態で、従動側
回転部材が進角側に変動トルクを受け進角側に回転しよ
うとすると、遅角底面と遅角対向面との間に遅角部材が
挟持される位置から、従動側回転部材の回転方向とは反
対である遅角底面と遅角対向面との間隔が狭くなってい
る遅角側に遅角部材が移動しようとする。しかし、遅角
部材は挟持されている位置から遅角側に移動できないの
で、従動側回転部材は進角側への回転を禁止される。
【0016】遅角制御を行うときに遅角ピストンが遅角
底面から遅角対向面側に突出していない状態で、従動側
回転部材が遅角側に変動トルクを受け遅角側に回転しよ
うとすると、従動側回転部材の回転方向とは反対である
遅角底面と遅角対向面との間隔が広くなっている進角側
に遅角部材が移動しようとする。遅角部材は進角側には
移動できるので、遅角底面と遅角対向面との間に遅角部
材が挟持されることなく、従動側回転部材は遅角側に滑
らかに回転する。遅角制御中、油圧の低い場合に進角側
への変動トルクを従動側回転部材が受けても進角側に揺
動することを防止するので、速やかに目標位相角度位置
に従動側回転部材を回転できる。
【0017】一方進角制御を行う場合、遅角底面から遅
角対向面側に遅角ピストンが突出するので、遅角部材は
遅角ピストンに係止される位置から遅角側に移動しな
い。したがって、駆動側回転部材に対し従動側回転部材
が進角側に回転しても、遅角部材が遅角底面と遅角対向
面との間に挟持されることを防止する。したがって、進
角制御を行うとき、従動側回転部材は滑らかに進角側に
回転する。
【0018】また、遅角部材を係止し遅角部材が遅角側
に回転することを禁止するために遅角ピストンが従動側
回転部材内を往復移動する移動量は、駆動側回転部材に
対する従動側回転部材の相対回動角度範囲に関わらず一
定であり、かつ小さい。したがって、駆動側回転部材に
対する従動側回転部材の相対回動角度範囲が大きくなっ
てもすべての範囲において、遅角部材および遅角ピスト
ンを収容する従動側回転部材を大型化することなく遅角
制御時の進角側への揺動を防止できる。
【0019】本発明の請求項4記載のバルブタイミング
調整装置によると、進角部材および進角ピストンは駆動
側回転部材に収容されている。さらに、進角底面と進角
対向面との間隔は駆動側回転部材に対し従動側回転部材
が遅角する方向に狭くなっており、進角凹部の進角側端
部と遅角側端部との間で進角部材は進角底面と進角対向
面との間に挟持される。
【0020】そして、駆動側回転部材に対し従動側回転
部材を進角側または遅角側に相対回動する流体圧力によ
り進角底面から進角対向面側への進角ピストンの出入り
を制御し、進角制御中、進角底面から進角対向面と反対
側に進角ピストンを引っ込め、駆動側回転部材に対し従
動側回転部材を遅角制御中、進角底面から進角対向面側
に進角ピストンを突出させる。
【0021】進角制御を行うときに進角ピストンが進角
底面から進角対向面側に突出していない状態で、従動側
回転部材が遅角側に変動トルクを受け遅角側に回転しよ
うとすると、進角底面と進角対向面との間に進角部材が
挟持される位置から、従動側回転部材の回転方向と同じ
である進角底面と進角対向面との間隔が狭くなっている
遅角側に進角部材が移動しようとする。しかし、進角部
材は挟持されている位置から遅角側に移動できないの
で、従動側回転部材は遅角側への回転を禁止される。
【0022】進角制御を行うときに進角ピストンが進角
底面から進角対向面側に突出していない状態で、従動側
回転部材が進角側に変動トルクを受け進角側に回転しよ
うとすると、従動側回転部材の回転方向と同じである進
角底面と進角対向面との間隔が広くなっている進角側に
進角部材が移動しようとする。進角部材は進角側に移動
できるので、進角底面と進角対向面との間に進角部材が
挟持されることなく、従動側回転部材は進角側に滑らか
に回転する。進角制御中、油圧の低い場合に遅角側への
変動トルクを従動側回転部材が受けても遅角側に揺動す
ることを防止するので、速やかに目標位相角度位置に従
動側回転部材を回転できる。
【0023】一方遅角制御を行う場合、進角底面から進
角対向面側に進角ピストンが突出するので、進角部材は
進角ピストンに係止される位置から遅角側に移動しな
い。したがって、駆動側回転部材に対し従動側回転部材
が遅角側に回転しても、進角部材が進角底面と進角対向
面との間に挟持されることを防止する。したがって、遅
角制御を行うとき、従動側回転部材は滑らかに遅角側に
回転する。
【0024】また、進角部材を係止し進角部材が進角側
に回転することを禁止するために進角ピストンが駆動側
回転部材内を往復移動する移動量は、駆動側回転部材に
対する従動側回転部材の相対回動角範囲に関わらず一定
であり、かつ小さい。したがって、駆動側回転部材に対
する従動側回転部材の相対回動角度範囲が大きくなって
もすべての範囲において、進角部材および進角ピストン
を収容する駆動側回転部材を大型化することなく進角制
御時の遅角側への揺動を防止できる。
【0025】本発明の請求項5または6記載のバルブタ
イミング調整装置によると、遅角部材および遅角ピスト
ンは駆動側回転部材に収容されている。さらに、遅角底
面と遅角対向面との間隔は駆動側回転部材に対し従動側
回転部材が進角する方向に狭くなっており、遅角凹部の
進角側端部と遅角側端部との間で遅角部材は遅角底面と
遅角対向面との間に挟持される。
【0026】そして、駆動側回転部材に対し従動側回転
部材を進角側または遅角側に相対回動する流体圧力によ
り遅角底面から遅角対向面側への遅角ピストンの出入り
を制御し、遅角制御中、遅角底面から遅角対向面と反対
側に遅角ピストンを引っ込め、進角制御中、遅角底面か
ら遅角対向面側に遅角ピストンを突出させる。
【0027】遅角制御を行うときに遅角ピストンが遅角
底面から遅角対向面側に突出していない状態で、従動側
回転部材が進角側に変動トルクを受け進角側に回転しよ
うとすると、遅角底面と遅角対向面との間に遅角部材が
挟持される位置から、従動側回転部材の回転方向と同じ
である遅角底面と遅角対向面との間隔が狭くなっている
進角側に遅角部材が移動しようとする。しかし、遅角部
材は挟持されている位置から進角側に移動できないの
で、従動側回転部材は進角側への回転を禁止される。
【0028】遅角制御を行うときに遅角ピストンが遅角
底面から遅角対向面側に突出していない状態で、従動側
回転部材が遅角側に変動トルクを受け遅角側に回転しよ
うとすると、従動側回転部材の回転方向と同じである遅
角底面と遅角対向面との間隔が広くなっている遅角側に
遅角部材が移動しようとする。遅角部材は遅角側に移動
できるので、遅角底面と遅角対向面との間に遅角部材が
挟持されることなく、従動側回転部材は遅角側に滑らか
に回転する。遅角制御中、油圧の低い場合に進角側への
変動トルクを従動側回転部材が受けても進角側に揺動す
ることを防止するので、速やかに目標位相角度位置に従
動側回転部材を回転できる。
【0029】一方進角制御を行う場合、遅角底面から遅
角対向面側に遅角ピストンが突出するので、遅角部材は
遅角ピストンに係止される位置から進角側に移動しな
い。したがって、駆動側回転部材に対し従動側回転部材
が進角側に回転しても、遅角部材が遅角底面と遅角対向
面との間に挟持されることを防止する。したがって、進
角制御を行うとき、従動側回転部材は滑らかに進角側に
回転する。
【0030】また、遅角部材を係止し遅角部材が遅角側
に回転することを禁止するために遅角ピストンが駆動側
回転部材内を往復移動する移動量は、駆動側回転部材に
対する従動側回転部材の相対回動角範囲に関わらず一定
であり、かつ小さい。したがって、駆動側回転部材に対
する従動側回転部材の相対回動角度範囲が大きくなって
もすべての範囲において、遅角部材および遅角ピストン
を収容する駆動側回転部材を大型化することなく進角制
御時の遅角側への揺動を防止できる。
【0031】本発明の請求項7記載のバルブタイミング
調整装置によると、油圧が低い状態で進角制御を行うと
きにも、進角ピストンは進角付勢手段の付勢力により進
角底面から進角対向面と反対側に引っ込んでいる。した
がって、進角制御中に油圧が低い状態で遅角側に変動ト
ルクを受けても駆動側回転部材に対し従動側回転部材は
遅角側に回転しない。
【0032】本発明の請求項8記載のバルブタイミング
調整装置によると、進角付勢手段の付勢力を極力小さく
することにより、油圧が低い状態で進角制御を行うとき
にも、進角ピストンは進角作動圧室の流体圧力により進
角底面から進角対向面と反対側に引っ込んでいる。した
がって、進角制御中に油圧が低い状態で遅角側に変動ト
ルクを受けても駆動側回転部材に対し従動側回転部材は
遅角側に回転しない。
【0033】本発明の請求項9記載のバルブタイミング
調整装置によると、油圧が低い状態で遅角制御を行うと
きにも、遅角ピストンは遅角付勢手段の付勢力により遅
角底面から遅角対向面と反対側に引っ込んでいる。した
がって、遅角制御中に油圧が低い状態で進角側に変動ト
ルクを受けても駆動側回転部材に対し従動側回転部材は
進角側に回転しない。
【0034】本発明の請求項10記載のバルブタイミン
グ調整装置によると、遅角付勢手段の付勢力を極力小さ
くすることにより、油圧が低い状態で遅角制御を行うと
きにも、遅角ピストンは遅角作動圧室の流体圧力により
遅角底面から遅角対向面と反対側に引っ込んでいる。し
たがって、遅角制御中に油圧が低い状態で進角側に変動
トルクを受けても駆動側回転部材に対し従動側回転部材
は進角側に回転しない。
【0035】本発明の請求項11記載のバルブタイミン
グ調整装置によると、作動流体が十分に供給されておら
ず流体圧力の低いエンジン始動開始直後において拘束手
段により駆動側回転部材に対し従動側回転部材の相対回
動を拘束すれば、従動軸が受ける変動トルクが従動側回
転部材に加わっても、従動側回転部材がばたつくことを
防止する。したがって、駆動側回転部材に従動側回転部
材が衝突することにより打音が発生することを防止す
る。さらに、エンジン始動に好適な相対回動位置で駆動
側回転部材に対し従動側回転部材の相対回動を拘束すれ
ば、エンジンの始動不良を防止できる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を示す
複数の実施例を図に基づいて説明する。 (第1実施例)本発明の第1実施例によるエンジン用バ
ルブタイミング調整装置を図1に示す。本実施例のバル
ブタイミング調整装置1は油圧制御式であり、吸気弁の
バルブタイミングを制御するものである。
【0037】駆動側回転部材でありハウジング部材とし
てのシューハウジング10は、図示しないタイミングプ
ーリとボルト等で固定されており一体に回転する。タイ
ミングプーリはエンジンの駆動軸としてのクランクシャ
フトと図示しないタイミングベルトで結合して駆動力を
伝達され、クランクシャフトと同期してクランクシャフ
トとともに回転する。
【0038】シューハウジング10は、周壁11と周壁
11に対し反カムシャフト側に位置するフロントプレー
ト12(図2参照)とを有している。シューハウジング
10は周方向にほぼ等間隔に台形状に形成された仕切部
としてのシュー10a、10b、10cを有している。
シュー10a、10b、10cの周方向の3箇所の間隙
にはそれぞれベーン15a、15b、15cを収容する
扇状の収容室が形成されており、シュー10a、10
b、10cの内周面は断面円弧状に形成されている。
【0039】従動側回転部材でありベーン部材としての
ベーンロータ15は図示しない従動軸としてのカムシャ
フトにボルト等で固定されカムシャフトとともに回転す
る。ベーンロータ15は周方向にほぼ等間隔にベーン1
5a、15b、15cを有し、ベーン15a、15b、
15cは各収容室内に回動可能に収容されている。各ベ
ーンは、各収容室を作動圧室である遅角油圧室20、2
1、22と進角油圧室25、26、27とに仕切ってい
る。図1に示す遅角方向、進角方向を表す矢印は、シュ
ーハウジング10に対するベーンロータ15の遅角方
向、進角方向を表している。図1において、シューハウ
ジング10およびベーンロータ15は進角方向に回転す
る。
【0040】カムシャフトが吸気弁を駆動するときに受
ける変動トルクは正・負に変動している。ここで、変動
トルクの正方向はシューハウジング10に対しベーンロ
ータ15の遅角方向を表し、変動トルクの負方向はシュ
ーハウジング10に対しベーンロータ15の進角方向を
表している。変動トルクの平均は正方向、つまり遅角方
向に加わる。
【0041】シール部材17は、各ベーンの外周壁に嵌
合している。各ベーンの外周壁とシューハウジング10
の周壁11の内周壁との間には微小クリアランスが設け
られており、このクリアランスを介して油圧室間に作動
油が漏れることをシール部材17により防止している。
【0042】図2に示すように、ガイドリング30は収
容孔38を形成するベーン15bの内壁に圧入保持さ
れ、このガイドリング30に円筒状に形成された当接部
としてのストッパピストン31がカムシャフト2の回転
軸方向に摺動可能に収容されている。被当接部としての
嵌合リング35はシューハウジング10のフロントプレ
ート12に形成された凹部12aに圧入保持されてい
る。ストッパピストン31は嵌合リング35に当接し嵌
合可能である。ストッパピストン31および嵌合リング
35の当接側はテーパ状に形成されているので、ストッ
パピストン31は嵌合リング35に滑らかに嵌合する。
当接付勢手段としてのスプリング37は嵌合リング35
側にストッパピストン31を付勢している。ストッパピ
ストン31、嵌合リング35およびスプリング37は拘
束手段を構成している。ストッパピストン31は、シュ
ーハウジング10に対しベーンロータ15が最遅角位置
に位置するとき嵌合リング35に嵌合可能である。スト
ッパピストン31が嵌合リング35に嵌合した状態にお
いてシューハウジング10に対するベーンロータ15の
相対回動は拘束される。
【0043】油圧室40および油圧室41に供給される
作動油の圧力は、嵌合リング35からストッパピストン
31が抜け出す方向に働く。油圧室40は後述する進角
油圧室25と連通し、油圧室41は後述する遅角油圧室
20と連通している。遅角油圧室20または進角油圧室
25の油圧が所定圧以上になると、ストッパピストン3
1は嵌合リング35から抜け出す。シューハウジング1
0に対しベーンロータ15が最遅角位置から進角側に回
転するとストッパピストン31と嵌合リング35との回
転方向位置がずれることにより、ストッパピストン31
は嵌合リング35に嵌合不能になる。
【0044】図3に示すようにベーン15a内に挿入穴
45が形成されており、進角ピストン50は挿入穴45
に径方向に往復移動可能に収容されている。挿入穴45
は、周壁11の内周面11aと径方向に向き合うベーン
15aの外周面側から形成されている。油圧室61は進
角ピストン50に形成されている切り欠きおよび油路6
0を介し遅角油圧室20と連通している。油圧室61の
油圧は、後述する進角底面55から進角対向面である内
周面11a側に進角ピストン50を突出させる方向に働
く。油圧室62は、進角ピストン50の内周面11a側
に形成されており、内周面11aとベーン15aとの摺
動隙間を介し進角油圧室25と連通している。油圧室6
2の油圧は、進角底面55から反突出側に進角ピストン
50を引っ込める方向に働く。
【0045】板部材53は、後述するローラ56とベー
ン15aとの摩耗を防止するため高度の高い鋼材等で形
成されており、ベーン15aの外周面側にビス等で固定
されている。板部材53は進角ピストン50の先端部5
1が突出可能な貫通孔54を有している。内周面11a
と径方向に向き合う板部材53の進角底面55は内周面
11aと摺動するベーン15aの外周面よりも径方向内
側に凹んだ位置にある。進角底面55と内周面11aと
の間隔は、シューハウジング10に対しベーンロータ1
5が進角する方向に狭くなっている。進角付勢手段とし
てのスプリング52は進角底面55から進角ピストン5
0の先端部51が内周面11aから突出する方向と反対
の引っ込む方向に進角ピストン50を付勢している。
【0046】進角部材であるローラ56は進角底面55
を底面とするベーン15aの進角凹部57内に進角側お
よび遅角側に移動可能に収容されている。棒付勢手段と
しての波状の板ばね58は、シューハウジング10に対
しベーンロータ15が進角する方向にローラ56を付勢
している。内周面11aと進角底面55との遅角側の間
隔をd1、進角側の間隔をd2、ローラ56の径をrと
すると、d1>r>d2であり、ローラ56は図3に示
す位置で内周面11aと進角底面55との間に挟持され
る。
【0047】ローラ56が内周面11aと進角底面55
との間に挟持された状態で、シューハウジング10に対
しベーンロータ15が遅角側に回転しようとすると、内
周面11aと進角底面55との間隔が狭くなっている進
角側にローラ56は移動しようとする。しかし、内周面
11aと進角底面55との間に挟持された状態で、ロー
ラ56は進角側に移動できないので、シューハウジング
10に対しベーンロータ15は遅角側に回転できない。
一方、ベーンロータ15がシューハウジング10に対し
進角側に回転しようとすると、内周面11aと進角底面
55とが形成する間隔は遅角側に広くなっているので、
ローラ56は回転しながら遅角側に移動する。したがっ
て、シューハウジング10に対しベーンロータ15は進
角側に回転できる。
【0048】図3に示す状態から進角ピストン50が進
角底面55から内周面11a側に突出すると、ローラ5
6は遅角側に戻され、内周面11aと進角底面55との
間に挟持された状態から解放される。ローラ56が内周
面11aと進角底面55との間に挟持された状態から解
放されると、シューハウジング10に対しベーンロータ
15は進角側に加え遅角側にも回転できる。
【0049】図1に示す油圧制御弁70は、スプリング
73の付勢力と電磁駆動部74の磁気吸引力との釣り合
いによりハウジング71内を往復移動するスプール72
の位置を制御している。電磁駆動部74に供給する電流
値は、制御手段としてのエンジン制御装置(ECU)7
5により制御される。スプリング73は図1の右方向に
スプール72を付勢している。
【0050】電磁駆動部74への通電をオフすると、ス
プリング73の付勢力によりスプール72は図1の右方
向に移動する。すると、ポンプ80から油路210、2
00を通り遅角油圧室20、21、22、油圧室41に
作動流体が供給されるとともに、進角油圧室25、2
6、27、油圧室40の作動流体が油路201、211
を通りドレイン81に排出される。
【0051】電磁駆動部74への通電をオンすると、電
磁駆動部74の発生する磁気吸引力によりスプール72
はスプリング73の付勢力に抗し図1の左方向に移動す
る。すると、ポンプ80から油路210、201を通り
進角油圧室25、26、27、油圧室40に作動流体が
供給されるとともに、遅角油圧室20、21、22、油
圧室41の作動流体が油路200、212を通りドレイ
ン81に排出される。
【0052】次に、バルブタイミング調整装置1の作動
について説明する。エンジンを始動するためにイグニシ
ョン(IG)をオンし、始動が完了しない間、油圧制御
弁70の電磁駆動部74への通電をオフする。電磁駆動
部74への通電をオフすると、遅角油圧室20に作動油
が供給され進角油圧室25の作動油が排出されるので、
シューハウジング10に対しベーンロータ15は遅角側
に付勢され最遅角位置にある。このとき、ストッパピス
トン31が嵌合リング35に嵌合しているので、ベーン
ロータ15のばたつきを防止し打音の発生を防止する。
【0053】エンジンの始動が完了すると、各遅角油圧
室または各進角油圧室に作動油が十分に供給されるの
で、油圧室40または油圧室41から受ける油圧によ
り、ストッパピストン31は嵌合リング35から抜け出
す。これにより、シューハウジング10に対するベーン
ロータ15の相対回動制御が可能になる。エンジン始動
が完了すると、エンジンの運転状態により決定される目
標位相角度を読み込み、目標位相角度とカム角度センサ
で検出した実際のカム位相角度とを比較する。
【0054】カム位相角度と目標位相角度とが等しけれ
ば、遅角油圧室20および進角油圧室25とポンプ80
およびドレイン81との接続が遮断されるように電磁駆
動部74への通電量を中程度にし、シューハウジング1
0に対するベーンロータの位相を保持する。
【0055】カム位相角度と目標位相角度とが等しくな
くカム位相角度が目標位相角度よりも遅角していると、
電磁駆動部74への通電量を増大する。すると、進角油
圧室25に作動油が供給され、遅角油圧室20の作動油
が排出される。これにより、ベーンロータ15はシュー
ハウジング10に対し進角側に回転する。
【0056】カム位相角度と目標位相角度とが等しくな
くカム位相角度が目標位相角度よりも進角していると、
電磁駆動部74への通電量を減少する。すると、遅角油
圧室20に作動油が供給され、進角油圧室25の作動油
が排出される。これにより、ベーンロータ15はシュー
ハウジング10に対し遅角側に回転する。
【0057】次に、シューハウジング10に対しベーン
ロータ15を進角制御および遅角制御するときの進角ピ
ストン50およびローラ56の作動を説明する。 (1) 進角制御をする場合、前述したように油圧制御弁7
0の電磁駆動部74への通電をオンし、スプリング73
の付勢力に抗しスプール72を図1の左方向に移動させ
る。すると、進角油圧室25に作動油が供給され、遅角
油圧室20および油圧室61から作動油が排出される。
進角ピストン50はスプリング52の付勢力により進角
底面55から反突出側に引っ込むので、ローラ56は進
角ピストン50に係止されず、板ばね58の付勢力によ
り内周面11aと進角底面55との間に挟持される。
【0058】前述したように、内周面11aと進角底面
55との間に形成される間隔はシューハウジング10に
対しベーンロータ15が進角する方向に狭くなり、遅角
する方向に広くなっている。進角油圧室25から油圧を
受けシューハウジング10に対しベーンロータ15が進
角側に回転するとき、ローラ56はベーンロータ15と
反対である遅角側に回転しながら移動するので、シュー
ハウジング10に対しベーンロータ15は進角側に滑ら
かに回転する。カムシャフトが吸気弁を駆動するときに
受ける正負の変動トルクのうち、負側つまり進角側の変
動トルクがベーンロータ15に加わっても、ベーンロー
タ15は進角側に滑らかに回転する。
【0059】図3に示す状態から変動トルクが正側、つ
まり遅角側に加わると、シューハウジング10に対しベ
ーンロータ15が遅角側に回転しようとする。すると、
内周面11aと進角底面55とに挟持されている状態か
ら、ローラ56はベーンロータ15の回転方向と反対で
ある内周面11aと進角底面55との間隔が狭い進角側
に移動しようとする。しかし、内周面11aと進角底面
55とに挟持されている位置からローラ56は進角側に
移動できないので、ベーンロータ15はシューハウジン
グ10に対し遅角側に回転しない。
【0060】このように進角制御をするときに遅角側に
変動トルクを受けても、ローラ56が内周面11aと進
角底面55との間に挟持された状態胎で間隔の狭い進角
側に移動しようとするので、ベーンロータ15はシュー
ハウジング10に対し遅角側に回転しない。したがっ
て、ベーンロータ15は図4に示すように目標進角位置
に速やかに到達する。したがって、進角制御の応答性が
向上する。
【0061】第1実施例に対し、進角制御中に受ける変
動トルクにより遅角側に回転することを防止する手段を
持たない従来例では、図4に示すようにベーンロータが
進角側および遅角側に揺動しながら目標進角位置に達す
るので、目標進角位置に達するまでに要する時間が長く
なり、応答性が低下する。
【0062】(2) 遅角制御をする場合、油圧制御弁70
の電磁駆動部74への通電をオフし、スプリング73の
付勢力によりスプール72は図1の右方向に移動する。
すると、遅角油圧室20および油圧室61に作動油が供
給され、進角油圧室25の作動油が排出される。進角ピ
ストン50は油圧室61の油圧から受ける力により進角
底面55から内周面11a側に突出する。ベーンロータ
15がシューハウジング10に対し遅角側に回転しよう
とすると、ローラ56はベーンロータ15の回転方向と
反対である進角側に移動しようとするが、進角ピストン
50の先端部51に係止されるのでローラ56は進角側
に移動できない。これにより、ローラ56は内周面11
aと進角底面55との間に挟持されないので、ベーンロ
ータ15はシューハウジング10に対し遅角側に滑らか
に回転する。
【0063】(3) 位相を中間位置に保持する中間保持制
御の場合、油圧室61には遅角油圧、油圧室62には進
角油圧が加わっている。油圧室61と油圧室62との油
圧差は殆どないので、スプリング52の付勢力により進
角ピストン50は進角底面55から反突出側に引っ込ん
でいる。この状態では、シューハウジング10に対しベ
ーンロータ15は進角側に回転可能であり、遅角側に回
転不可である。したがって、ベーンロータ15に変動ト
ルクが加わると、ベーンロータ15はシューハウジング
10に対し進角側に回転してしまう。そこで第1実施例
では、カム角度センサからの検出信号を元にECU75
から電磁駆動部74に供給する制御電流のデューティ比
をフィードバック制御し、シューハウジング10に対し
ベーンロータ15を所定の中間位置に保持する。
【0064】車両が高速運転しエンジンの回転数が上昇
すると遠心力がスプリング52の付勢力を上回るので、
進角ピストン50は進角制御、遅角制御および中間保持
制御に関わらず、進角底面55から内周面11a側に突
出している。高速運転中、各進角油圧室および各遅角油
圧室に加わる油圧は十分に高いので、変動トルクをベー
ンロータ15が受けても、シューハウジング10に対し
ベーンロータ15が揺動することを防止できる。
【0065】(第2実施例)本発明の第2実施例を図5
に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分に同一符号
を付し、説明を省略する。第1実施例では、クランクシ
ャフトからカムシャフトに伝達するトルクが大きいと、
ローラ56と、ローラ56を挟持するシューハウジング
10および板部材53とを硬度の高い鋼材等で形成し、
部材の損傷を防止しなければならい場合が生じる。シュ
ーハウジング10を鋼材で形成すると、シューハウジン
グ10の重量が増加し、バルブタイミング調整装置の重
量が増加するという問題が生じる。
【0066】そこで第2実施例では、ベーン15aと径
方向に向き合う内周面11aに板状の補強部材90を固
定し、板部材53、ローラ56および補強部材90を硬
度の高い鋼材で形成している。これにより、シューハウ
ジング10およびベーンロータ15をアルミ等の軽量で
硬度の低い材質で形成しても、シューハウジング10お
よびベーンロータ15の摩耗および損傷を防止できる。
これにより、バルブタイミング調整装置を軽量化でき
る。
【0067】(第3実施例)本発明の第3実施例を図6
に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分に同一符号
を付し、説明を省略する。ベーン15aの進角側端面9
5から進角ピストン50を挿入可能な挿入穴96がベー
ン15aに形成されている。挿入穴96は、進角側端面
95から遅角側かつ内周面11a側に向けて斜めに形成
されている。挿入穴96に続き、進角ピストン50の先
端部51がベーン15aの進角底面99から内周面11
a側に突出可能な小径穴97が形成されている。挿入穴
96の遅角油圧室20側にねじ結合等で栓部材98が固
定されている。栓部材98には油路98aが形成されて
おり、油路98aを介し進角ピストン50に遅角油圧室
20の油圧が加わる。遅角油圧室20の油圧は、ベーン
15aの進角底面99から進角ピストン50が内周面1
1a側に突出する方向に働く。
【0068】内周面11aと径方向に向き合うベーン1
5aの外周面側から進角ピストン50の挿入穴を形成し
ていないので、ベーン15aに形成する小径穴97の径
を小さくすることができる。したがって、ローラ56と
進角底面99との接触面積が大きくなるので、ベーン1
5aの進角底面99で直接ローラ56を支持できる。
【0069】(第4実施例)本発明の第4実施例を図7
に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分に同一符号
を付し、説明を省略する。進角ピストン100の先端部
101は、図7の(B)に示すように断面四角形状であ
る。先端部101が進角底面55から内周面11a側に
突出できるように、板部材53に形成した貫通孔54は
四角形状である。進角付勢手段としてのスプリング10
2、103は先端部101を挟んで反対側に配置されて
おり、進角底面55から反突出側に進角ピストン100
を付勢している。先端部101とローラ56との接触面
積が大きくなるので、ローラ56と進角ピストン100
との摩耗を低減できる。
【0070】(第5実施例)本発明の第5実施例を図8
に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分に同一符号
を付し、説明を省略する。進角ピストン110は進角付
勢手段としてのスプリング112により進角底面55か
ら内周面11a側に突出する方向に付勢されている。遅
角油圧室20と連通している油圧室61の油圧は、進角
底面55から内周面11a側に突出する方向に進角ピス
トン100に働く。油圧室64は油路63を介して進角
油圧室25と連通している。油圧室64の油圧は、進角
底面55から反突出側に進角ピストン100を引っ込め
る方向に働く。
【0071】エンジン始動時やアイドル運転中のように
油圧が低い場合、進角ピストン110はスプリング11
2の付勢力により進角底面55から内周面11a側に突
出している。ローラ56は内周面11aと進角底面55
との間に挟持されないので、ベーンロータ15が受ける
変動トルクにより、ベーンロータ15はシューハウジン
グ10に対し最遅角位置に回転する。
【0072】進角制御中、油圧室64と油圧室61との
差圧が大きくなる。この差圧から進角ピストン110が
進角底面55から反突出側に受ける力が、スプリング1
12の付勢力および遠心力よりも大きくなるように設定
することで、進角ピストン110は進角底面55から反
突出側に引っ込む。これにより、進角制御中にベーンロ
ータ15が遅角側に揺動することを防止する。
【0073】遅角制御中、油圧室61と油圧室64との
差圧は、進角ピストン110が進角底面55から内周面
11a側に突出する方向に働く。したがって、進角ピス
トン110は進角底面55から内周面11a側に突出
し、ローラ56が内周面11aと進角底面55との間に
挟持されることを防止する。これにより、シューハウジ
ング10に対しベーンロータ15は遅角側に回転でき
る。
【0074】エンジンを停止するとき、第1実施例で説
明した油圧制御弁70の電磁駆動部74への通電をオフ
する。これにより、遅角油圧室20、21、22、油圧
室61に作動油を供給し、進角油圧室25、26、2
7、油圧室64の作動油をドレイン81に排出する。ス
プリング112の付勢力と油圧室61の油圧から受ける
力とにより、進角ピストン110は進角底面55から内
周面11a側に突出するので、ローラ56が内周面11
aと進角底面55との間に挟持されることを防止する。
したがって、ベーンロータ15は変動トルクにより最遅
角位置に回転する。
【0075】(第6実施例)本発明の第6実施例を図9
に示す。第5実施例と実質的に同一構成部分に同一符号
を付し、説明を省略する。第6実施例のベーン15a
は、第5実施例の板部材53とベーン15aとを一体に
したものである。そして、進角ピストン110を挿入す
るため、ベーン15aに進角ピストン110より僅かに
径の大きい挿入穴115を形成している。板部材53を
排除できるので部品点数が減少し、組付工数が低減す
る。一方、ローラ56とベーン15aの進角底面116
との接触面積が小さくなるので、進角底面116と内周
面11aとの間にローラ56が挟持されるときに進角底
面116がローラ56から受ける圧力が大きくなる。し
たがって、クランクシャフトからカムシャフトに伝達す
るトルクが小さい場合に好適である。
【0076】(第7実施例)本発明の第7実施例を図1
0に示す。第1実施例と実質的に同一構成部分に同一符
号を付し、説明を省略する。駆動側回転部材でありハウ
ジング部材としてのシューハウジング120は周方向に
ほぼ等間隔に台形状に形成された4個の仕切部としての
シュー120a、120b、120c、120dを有し
ている。シュー120a、120b、120c、120
dの周方向の4箇所の間隙にはそれぞれベーン125
a、125b、125c、125dを収容する扇状の収
容室が形成されている。各収容室は、各ベーンにより、
遅角油圧室20、21、22、23、進角油圧室25、
26、27、28に仕切られている。
【0077】ベーン125aには、第1実施例と同一部
材の進角ピストン50、スプリング52、板部材53お
よびローラ56が収容されている。そして、シューハウ
ジング120の周壁の121の内周面121aと進角底
面55との間隔は進角側が狭くなっている。したがっ
て、進角制御中に変動トルクを受けても、遅角側への揺
動を防止できる。
【0078】ベーン125cに収容されている遅角ピス
トン50、遅角付勢手段としてのスプリング52、板部
材53および遅角部材としてのローラ56はベーン12
5aに収容されているものと同一部材である。ただし、
ベーン125cと径方向に向き合う周壁121の遅角対
向面としての内周面121aと遅角ピストン50の遅角
底面55との間隔は遅角側に狭くなっている。したがっ
て、遅角制御中に変動トルクを受けても進角側への揺動
を防止できる。
【0079】第7実施例では、油圧が低い場合に変動ト
ルクを受けながら進角制御または遅角制御を行っても、
反対方向への揺動を防止する。したがって、進角制御お
よび遅角制御のいずれにおいても目標位相角度位置に速
やかに到達することができる。
【0080】以上説明した本発明の上記実施例では、進
角ピストンおよび遅角ピストンはベーンロータ内で径方
向に往復移動している。したがって、進角ピストンまた
は遅角ピストンを大型化することなく、言い換えればベ
ーンロータを大型化することなく、シューハウジングに
対し可能な限り広いベーンロータの相対回動角度範囲に
おいて進角底面または遅角底面とシューハウジングの周
壁との間でローラを挟持するとともに、進角ピストンま
たは遅角ピストンによりローラが挟持されることを禁止
できる。したがって、バルブタイミング調整装置を大型
化することなく、相対回動範囲の広い進角制御または遅
角制御において、反対方向にベーンロータが揺動するこ
とを防止できる。
【0081】上記複数の実施例では、油圧が低い状態で
進角制御を行う場合、シューハウジングに対しベーンロ
ータが遅角側に揺動することを防止し速やかに目標進角
位置に達する構成を有している。第7実施例では、油圧
が低い状態で遅角制御を行う場合、シューハウジングに
対しベーンロータが進角側に揺動することを防止し速や
かに目標遅角位置に達する構成を有している。これに対
し、遅角制御中にシューハウジングに対しベーンロータ
が進角側に揺動することを防止し速やかに目標遅角位置
に達する構成だけを実現してもよい。
【0082】上記複数の実施例では、ベーンロータ側に
進角ピストン、遅角ピストンおよびローラを収容した。
これに対し、シューハウジング側に進角ピストン、遅角
ピストンおよびローラを収容してもよい。また上記複数
の実施例では、回転軸と直交する径方向に進角ピストン
または遅角ピストンが往復移動する構成にした。これに
対し、回転軸と平行に進角ピストンまたは遅角ピストン
が往復移動する構成にしてもよい。
【0083】上記実施例では、吸気弁のバルブタイミン
グを調整するバルブタイミング調整装置について説明し
た。これ以外にも、吸気弁、あるいは吸気弁および排気
弁両方のバルブタイミング調整装置として本発明のバル
ブタイミング調整装置を用いてもよい。
【0084】本実施例では、タイミングプーリによりク
ランクシャフトの回転駆動力をカムシャフトに伝達する
構成を採用したが、チェーンスプロケットまたはタイミ
ングギア等を用いる構成にすることも可能である。ま
た、駆動軸としてのクランクシャフトの駆動力をベーン
部材で受け、従動軸としてのカムシャフトとハウジング
部材とを一体に回転させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるバルブタイミング調
整装置を示す断面図である。
【図2】第1実施例のストッパピストン周囲を示す断面
図である。
【図3】(A)は第1実施例の進角ピストンおよびロー
ラの周囲を示す断面図であり、(B)は(A)のB方向
矢視図である。
【図4】進角制御時におけるシューハウジングに対する
ベーンロータの位相変化を示す特性図である。
【図5】本発明の第2実施例によるバルブタイミング調
整装置を示す断面図である。
【図6】本発明の第3実施例によるバルブタイミング調
整装置を示す断面図である。
【図7】(A)は本発明の第4実施例によるバルブタイ
ミング調整装置を示す断面図であり、(B)は(A)の
B方向矢視図である。
【図8】本発明の第5実施例によるバルブタイミング調
整装置を示す断面図である。
【図9】(A)は本発明の第6実施例によるバルブタイ
ミング調整装置を示す断面図であり、(B)は(A)の
B方向矢視図である。
【図10】本発明の第7実施例によるバルブタイミング
調整装置を示す断面図である。
【符号の説明】
1 バルブタイミング調整装置 10 シューハウジング(ハウジング部材、駆動側
回転部材) 10a、10、10c シュー(仕切部) 11 周壁 11a 内周面(進角対向面、遅角対向面) 15 ベーンロータ(ベーン部材、従動側回転部
材) 15a、15b、15c ベーン 20、21、22、23 遅角油圧室(作動圧
室) 25、26、27、28 進角油圧室(作動圧
室) 31 ストッパピストン(当接部) 35 嵌合リング(被当接部) 37 スプリング(当接付勢手段) 50 進角ピストン、遅角ピストン 52 スプリング(進角付勢手段、遅角付勢手段) 53 板部材 55 進角底面、遅角底面 56 ローラ(進角部材、遅角部材) 58 板ばね(棒付勢手段) 75 ECU 99、116 進角底面 100、110 進角ピストン 102、103、112 スプリング(進角付勢手
段) 120 シューハウジング(ハウジング部材、駆動
側回転部材) 120a、120b、120c、120d シュー
(仕切部) 125 ベーンロータ(ベーン部材、従動側回転部
材) 125a、125b、125c、125d ベーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金原 賢治 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所 (72)発明者 溝渕 剛史 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所 (72)発明者 水谷 秋二 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 杉浦 太衛 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3G018 AB04 AB05 AB07 AB16 BA29 BA33 CA12 CA19 DA20 DA73 EA21 EA32 EA33 FA01 FA07 GA14

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の駆動軸から吸気弁および排気
    弁の少なくともいずれか一方を開閉駆動する従動軸に駆
    動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記吸気弁お
    よび前記排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミ
    ングを調整するバルブタイミング調整装置であって、 前記駆動軸または前記従動軸の一方と回転し、回転中心
    に向け突出する仕切部を回転方向に設け、前記仕切部と
    前記仕切部との間に収容室を形成しているハウジング部
    材と、 前記駆動軸または前記従動軸の他方と回転し、所定角度
    範囲に限り前記ハウジング部材に対し相対回動可能に前
    記収容室に収容され、前記収容室を仕切って作動圧室を
    形成しているベーンを有するベーン部材と、 前記ハウジング部材および前記ベーン部材のうち前記駆
    動軸と回転する駆動側回転部材と径方向または回転軸方
    向に向き合うように、前記ハウジング部材および前記ベ
    ーン部材のうち前記従動軸と回転する従動側回転部材に
    形成されている進角凹部内に収容され、前記進角凹部内
    を進角側および遅角側に移動可能な棒状の進角部材と、 前記駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材が進角す
    る方向に前記進角部材を付勢する棒付勢手段と、 前記進角凹部と径方向または回転軸方向に向き合う前記
    駆動側回転部材の進角対向面側に前記進角凹部の進角底
    面から突出可能に前記従動側回転部材に収容され、前記
    駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材を進角側また
    は遅角側に相対回動する流体圧力により前記進角底面か
    ら前記進角対向面側への出入りを制御され、前記駆動側
    回転部材に対し前記従動側回転部材を進角制御中、前記
    進角底面から前記進角対向面と反対側に引っ込み、前記
    駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材を遅角制御
    中、前記進角底面から前記進角対向面側に突出する進角
    ピストンとを備え、 前記進角底面と前記進角対向面との間隔は、前記進角凹
    部の進角側端部と遅角側端部との間で前記進角部材が前
    記進角底面と前記進角対向面との間に挟持され、前記駆
    動側回転部材に対し前記従動側回転部材が遅角側に回転
    不可になるように前記駆動側回転部材に対し前記従動側
    回転部材が進角する方向に狭くなっており、 前記進角ピストンは、前記進角底面から前記進角対向面
    側に突出して前記進角部材を係止することにより前記進
    角部材が前記進角底面と前記進角対向面との間に挟持さ
    れることを禁止することを特徴とするバルブタイミング
    調整装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動側回転部材と径方向または回転
    軸方向に向き合うように前記従動側回転部材に形成され
    ている遅角凹部内に収容され、前記遅角凹部内を進角側
    および遅角側に移動可能な棒状の遅角部材と、 前記駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材が遅角す
    る方向に前記遅角部材を付勢する棒付勢手段と、 前記遅角凹部と径方向または回転軸方向に向き合う前記
    駆動側回転部材の遅角対向面側に前記遅角凹部の遅角底
    面から突出可能に前記従動側回転部材に収容され、前記
    駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材を進角側また
    は遅角側に相対回動する流体圧力により前記遅角底面か
    ら前記遅角対向面側への出入りを制御され、前記駆動側
    回転部材に対し前記従動側回転部材を遅角制御中、前記
    遅角底面から前記遅角対向面と反対側に引っ込み、前記
    駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材を進角制御
    中、前記遅角底面から前記遅角対向面側に突出する遅角
    ピストンとを備え、 前記遅角底面と前記遅角対向面との間隔は、前記遅角凹
    部の進角側端部と遅角側端部との間で前記遅角部材が前
    記遅角底面と前記遅角対向面との間に挟持され、前記駆
    動側回転部材に対し前記従動側回転部材が進角側に回転
    不可になるように前記駆動側回転部材に対し前記従動側
    回転部材が遅角する方向に狭くなっており、 前記遅角ピストンは、前記遅角底面から前記遅角対向面
    側に突出して前記遅角部材を係止することにより前記遅
    角部材が前記遅角底面と前記遅角対向面との間に挟持さ
    れることを禁止することを特徴とする請求項1記載のバ
    ルブタイミング調整装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関の駆動軸から吸気弁および排気
    弁の少なくともいずれか一方を開閉駆動する従動軸に駆
    動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記吸気弁お
    よび前記排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミ
    ングを調整するバルブタイミング調整装置であって、 前記駆動軸または前記従動軸の一方と回転し、回転中心
    に向け突出する仕切部を回転方向に設け、前記仕切部と
    前記仕切部との間に収容室を形成しているハウジング部
    材と、 前記駆動軸または前記従動軸の他方と回転し、所定角度
    範囲に限り前記ハウジング部材に対し相対回動可能に前
    記収容室に収容され、前記収容室を仕切って作動圧室を
    形成しているベーンを有するベーン部材と、 前記ハウジング部材および前記ベーン部材のうち前記駆
    動軸と回転する駆動側回転部材と径方向または回転軸方
    向に向き合うように、前記ハウジング部材および前記ベ
    ーン部材のうち前記従動軸と回転する従動側回転部材に
    形成されている遅角凹部内に収容され、前記遅角凹部内
    を進角側および遅角側に移動可能な棒状の遅角部材と、 前記駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材が遅角す
    る方向に前記遅角部材を付勢する棒付勢手段と、 前記遅角凹部と径方向または回転軸方向に向き合う前記
    駆動側回転部材の遅角対向面側に前記遅角凹部の遅角底
    面から突出可能に前記従動側回転部材に収容され、前記
    駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材を進角側また
    は遅角側に相対回動する流体圧力により前記遅角底面か
    ら前記遅角対向面側への出入りを制御され、前記駆動側
    回転部材に対し前記従動側回転部材を遅角制御中、前記
    遅角底面から前記遅角対向面と反対側に引っ込み、前記
    駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材を進角制御
    中、前記遅角底面から前記遅角対向面側に突出する遅角
    ピストンとを備え、 前記遅角底面と前記遅角対向面との間隔は、前記遅角凹
    部の進角側端部と遅角側端部との間で前記遅角部材が前
    記遅角底面と前記遅角対向面との間に挟持され、前記駆
    動側回転部材に対し前記従動側回転部材が進角側に回転
    不可になるように前記駆動側回転部材に対し前記従動側
    回転部材が遅角する方向に狭くなっており、 前記遅角ピストンは、前記遅角底面から前記遅角対向面
    側に突出して前記遅角部材を係止することにより前記遅
    角部材が前記遅角底面と前記遅角対向面との間に挟持さ
    れることを禁止することを特徴とするバルブタイミング
    調整装置。
  4. 【請求項4】 内燃機関の駆動軸から吸気弁および排気
    弁の少なくともいずれか一方を開閉駆動する従動軸に駆
    動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記吸気弁お
    よび前記排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミ
    ングを調整するバルブタイミング調整装置であって、 前記駆動軸または前記従動軸の一方と回転し、回転中心
    に向け突出する仕切部を回転方向に設け、前記仕切部と
    前記仕切部との間に収容室を形成しているハウジング部
    材と、 前記駆動軸または前記従動軸の他方と回転し、所定角度
    範囲に限り前記ハウジング部材に対し相対回動可能に前
    記収容室に収容され、前記収容室を仕切って作動圧室を
    形成しているベーンを有するベーン部材と、 前記ハウジング部材および前記ベーン部材のうち前記従
    動軸と回転する従動側回転部材と径方向または回転軸方
    向に向き合うように、前記ハウジング部材および前記ベ
    ーン部材のうち前記駆動軸と回転する駆動側回転部材に
    形成されている進角凹部内に収容され、前記進角凹部内
    を進角側および遅角側に移動可能な棒状の進角部材と、 前記駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材が遅角す
    る方向に前記進角部材を付勢する棒付勢手段と、 前記進角凹部と径方向または回転軸方向に向き合う前記
    従動側回転部材の進角対向面側に前記進角凹部の進角底
    面から突出可能に前記駆動側回転部材に収容され、前記
    駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材を進角側また
    は遅角側に相対回動する流体圧力により前記進角底面か
    ら前記進角対向面側への出入りを制御され、前記駆動側
    回転部材に対し前記従動側回転部材を進角制御中、前記
    進角底面から前記進角対向面と反対側に引っ込み、前記
    駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材を遅角制御
    中、前記進角底面から前記進角対向面側に突出する進角
    ピストンとを備え、 前記進角底面と前記進角対向面との間隔は、前記進角凹
    部の進角側端部と遅角側端部との間で前記進角部材が前
    記進角底面と前記進角対向面との間に挟持され、前記駆
    動側回転部材に対し前記従動側回転部材が遅角側に回転
    不可になるように前記駆動側回転部材に対し前記従動側
    回転部材が遅角する方向に狭くなっており、 前記進角ピストンは、前記進角底面から前記進角対向面
    側に突出して前記進角部材を係止することにより前記進
    角部材が前記進角底面と前記進角対向面との間に挟持さ
    れることを禁止することを特徴とするバルブタイミング
    調整装置。
  5. 【請求項5】 前記従動側回転部材と径方向または回転
    軸方向に向き合うように前記駆動側回転部材に形成され
    ている遅角凹部内に収容され、前記遅角凹部内を進角側
    および遅角側に移動可能な棒状の遅角部材と、 前記駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材が進角す
    る方向に前記遅角部材を付勢する棒付勢手段と、 前記遅角凹部と径方向または回転軸方向に向き合う前記
    従動側回転部材の遅角対向面側に前記遅角凹部の遅角底
    面から突出可能に前記駆動側回転部材に収容され、前記
    駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材を進角側また
    は遅角側に相対回動する流体圧力により前記遅角底面か
    ら前記遅角対向面側への出入りを制御され、前記駆動側
    回転部材に対し前記従動側回転部材を遅角制御中、前記
    遅角底面から前記遅角対向面と反対側に引っ込み、前記
    駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材を進角制御
    中、前記遅角底面から前記遅角対向面側に突出する遅角
    ピストンとを備え、 前記遅角底面と前記遅角対向面との間隔は、前記遅角凹
    部の進角側端部と遅角側端部との間で前記遅角部材が前
    記遅角底面と前記遅角対向面との間に挟持され、前記駆
    動側回転部材に対し前記従動側回転部材が進角側に回転
    不可になるように前記駆動側回転部材に対し前記従動側
    回転部材が進角する方向に狭くなっており、 前記遅角ピストンは、前記遅角底面から前記遅角対向面
    側に突出して前記遅角部材を係止することにより前記遅
    角部材が前記遅角底面と前記遅角対向面との間に挟持さ
    れることを禁止することを特徴とする請求項4記載のバ
    ルブタイミング調整装置。
  6. 【請求項6】 内燃機関の駆動軸から吸気弁および排気
    弁の少なくともいずれか一方を開閉駆動する従動軸に駆
    動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記吸気弁お
    よび前記排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミ
    ングを調整するバルブタイミング調整装置であって、 前記駆動軸または前記従動軸の一方と回転し、回転中心
    に向け突出する仕切部を回転方向に設け、前記仕切部と
    前記仕切部との間に収容室を形成しているハウジング部
    材と、 前記駆動軸または前記従動軸の他方と回転し、所定角度
    範囲に限り前記ハウジング部材に対し相対回動可能に前
    記収容室に収容され、前記収容室を仕切って作動圧室を
    形成しているベーンを有するベーン部材と、 前記ハウジング部材および前記ベーン部材のうち前記従
    動軸と回転する従動側回転部材と径方向または回転軸方
    向に向き合うように、前記ハウジング部材および前記ベ
    ーン部材のうち前記駆動軸と回転する駆動側回転部材に
    形成されている遅角凹部内に収容され、前記遅角凹部内
    を進角側および遅角側に移動可能な棒状の遅角部材と、 前記駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材が進角す
    る方向に前記遅角部材を付勢する棒付勢手段と、 前記遅角凹部と径方向または回転軸方向に向き合う前記
    従動側回転部材の遅角対向面側に前記遅角凹部の遅角底
    面よから突出可能に前記駆動側回転部材に収容され、前
    記駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材を進角側ま
    たは遅角側に相対回動する流体圧力により前記遅角底面
    から前記遅角対向面側への出入りを制御され、前記駆動
    側回転部材に対し前記従動側回転部材を遅角制御中、前
    記遅角底面から前記遅角対向面と反対側に引っ込み、前
    記駆動側回転部材に対し前記従動側回転部材を進角制御
    中、前記遅角底面から前記遅角対向面側に突出する遅角
    ピストンとを備え、 前記遅角底面と前記遅角対向面との間隔は、前記遅角凹
    部の進角側端部と遅角側端部との間で前記遅角部材が前
    記遅角底面と前記遅角対向面との間に挟持され、前記駆
    動側回転部材に対し前記従動側回転部材が進角側に回転
    不可になるように前記駆動側回転部材に対し前記従動側
    回転部材が進角する方向に狭くなっており、 前記遅角ピストンは、前記遅角底面から前記遅角対向面
    側に突出して前記遅角部材を係止することにより前記遅
    角部材が前記遅角底面と前記遅角対向面との間に挟持さ
    れることを禁止することを特徴とするバルブタイミング
    調整装置。
  7. 【請求項7】 前記進角底面から前記進角対向面と反対
    側に前記進角ピストンを引っ込める方向に前記進角ピス
    トンを付勢する進角付勢手段を備え、前記駆動側回転部
    材に対し前記従動側回転部材を遅角側に相対回転させる
    流体圧力が前記進角底面から前記進角対向面側に前記進
    角ピストンを突出させる方向に働くことを特徴とする請
    求項1、2、4または5記載のバルブタイミング調整装
    置。
  8. 【請求項8】 前記進角底面から前記進角対向面側に前
    記進角ピストンを突出させる方向に前記進角ピストンを
    付勢する進角付勢手段を備え、前記駆動側回転部材に対
    し前記従動側回転部材を進角側に回転させる流体圧力が
    前記進角底面から前記進角対向面と反対側に前記進角ピ
    ストンを引っ込める方向に働くことを特徴とする請求項
    1、2、4または5記載のバルブタイミング調整装置。
  9. 【請求項9】 前記遅角底面から前記遅角対向面と反対
    側に前記遅角ピストンを引っ込める方向に前記遅角ピス
    トンを付勢する遅角付勢手段を備え、前記駆動側回転部
    材に対し前記従動側回転部材を進角側に回転させる流体
    圧力が前記遅角底面から前記遅角対向面側に前記遅角ピ
    ストンを突出させる方向に働くことを特徴とする請求項
    2、3、5または6記載のバルブタイミング調整装置。
  10. 【請求項10】 前記遅角底面から前記遅角対向面側に
    前記遅角ピストンを突出させる方向に前記遅角ピストン
    を付勢する遅角付勢手段を備え、前記駆動側回転部材に
    対し前記従動側回転部材を遅角側に回転させる遅角作動
    圧室の流体圧力は前記遅角底面から前記遅角対向面と反
    対側に前記遅角ピストンを引っ込める方向に働くことを
    特徴とする請求項2、3、5または6記載のバルブタイ
    ミング調整装置。
  11. 【請求項11】 前記駆動側回転部材と前記従動側回転
    部材とにそれぞれ設けられ、前記駆動側回転部材に対し
    前記従動側回転部材が所定角度位置にあるとき互いに当
    接することにより前記駆動側回転部材に対する前記従動
    側回転部材の相対回動を拘束する当接部および被当接
    部、ならびに前記被当接部に当接する方向に前記当接部
    を付勢する当接付勢手段を有する拘束手段を備えること
    を特徴とする請求項1から10のいずれか一項記載のバ
    ルブタイミング調整装置。
JP2001025994A 2001-02-01 2001-02-01 バルブタイミング調整装置 Expired - Fee Related JP4338326B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001025994A JP4338326B2 (ja) 2001-02-01 2001-02-01 バルブタイミング調整装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001025994A JP4338326B2 (ja) 2001-02-01 2001-02-01 バルブタイミング調整装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002227619A true JP2002227619A (ja) 2002-08-14
JP4338326B2 JP4338326B2 (ja) 2009-10-07

Family

ID=18890892

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001025994A Expired - Fee Related JP4338326B2 (ja) 2001-02-01 2001-02-01 バルブタイミング調整装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4338326B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018220789A1 (ja) * 2017-06-01 2018-12-06 三菱電機株式会社 バルブタイミング調整装置
WO2020059016A1 (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 三菱電機株式会社 バルブタイミング調整装置
WO2020059017A1 (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 三菱電機株式会社 バルブタイミング調整装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018220789A1 (ja) * 2017-06-01 2018-12-06 三菱電機株式会社 バルブタイミング調整装置
JPWO2018220789A1 (ja) * 2017-06-01 2019-07-25 三菱電機株式会社 バルブタイミング調整装置
WO2020059016A1 (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 三菱電機株式会社 バルブタイミング調整装置
WO2020059017A1 (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 三菱電機株式会社 バルブタイミング調整装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4338326B2 (ja) 2009-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6457447B1 (en) Valve timing adjusting device
US6276321B1 (en) Cam phaser having a torsional bias spring to offset retarding force of camshaft friction
JP3736489B2 (ja) バルブタイミング調整装置の制御方法
US6450137B2 (en) Variable valve timing system
JPH11280427A (ja) 弁開閉時期制御装置
US8739748B2 (en) Valve timing adjuster
JP2009250073A (ja) バルブタイミング調整装置
US6439182B1 (en) Valve timing adjusting device having stopper piston
JP2001050016A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2000345816A (ja) バルブタイミング調整装置
JP5979093B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
JP2000179314A (ja) バルブタイミング調整装置
JP5057232B2 (ja) バルブタイミング調整装置、および、その製造方法
JP2002227619A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2007263059A (ja) 弁開閉時期制御装置
JP5071408B2 (ja) バルブタイミング調整装置及びその製造方法
JP3925672B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
JP4217977B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2013087626A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2009185762A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2000161027A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2003020916A (ja) バルブタイミング制御装置
JP2002227617A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2001050017A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2002054408A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20070416

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20081016

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A977 Report on retrieval

Effective date: 20081016

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090413

A521 Written amendment

Effective date: 20090601

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090629

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20090630

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120710

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees