JP2002226871A - プラスチックのガス化方法およびガス化装置 - Google Patents

プラスチックのガス化方法およびガス化装置

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JP2002226871A
JP2002226871A JP2001023417A JP2001023417A JP2002226871A JP 2002226871 A JP2002226871 A JP 2002226871A JP 2001023417 A JP2001023417 A JP 2001023417A JP 2001023417 A JP2001023417 A JP 2001023417A JP 2002226871 A JP2002226871 A JP 2002226871A
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plastic
gasification
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pressure water
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JP2001023417A
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Hitoshi Ogawa
仁 小川
Masaru Usami
優 宇佐美
Satoru Kanamori
悟 金森
Masaki Sato
政樹 佐藤
Ryuichi Fukusato
隆一 福里
Kunichika Kawai
邦親 河合
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Kobe Steel Ltd
Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
Original Assignee
Tokyo Electric Power Co Inc
Kobe Steel Ltd
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    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックを高温高圧水を用いてガス化す
るに当たり、反応器の腐食を防ぎ、炭化水素ガスや水素
ガスのような有用なガスを高収率に回収するためのガス
化方法および装置の提供。 【解決手段】 プラスチックを高温・高圧水でガス化す
る方法であって、第1反応器内で、無機酸化物および/
または無機水酸化物の存在下、200〜350℃の高圧
水とプラスチックとを接触させることによりプラスチッ
クを分解して、そのモノマー成分および/またはその誘
導体等の低分子化合物へと低分子量化し、次いで、第1
反応器内の温度条件よりも高温条件のガス化反応器にお
いて、前記低分子化合物をさらに分解することによっ
て、25℃、大気圧下で気体状を示す物質を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温・高圧の水に
よりプラスチックを分解して、気体として回収するガス
化方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックに亜臨界や超臨界状態の水
を接触させて分解する方法が多数提案されている。この
高温・高圧水による分解方法で、問題となっているの
は、高温・高圧条件のために反応器が腐食しやすいこと
である。特に、ポリ塩化ビニル等のハロゲン含有プラス
チックが混入している場合に、ハロゲンの存在によって
腐食が促進される。
【0003】また従来の技術では、水素原子と炭素原子
からなるプラスチックを高温・高圧水によって分解する
ことにより、資源として有用な水素ガスや炭化水素ガス
に分解することが理想であるが、炭素分を資源としては
あまり重要でない二酸化炭素として回収しているものが
多く、炭化水素ガスや水素ガスのような有用ガスを収率
良く回収することのできる分解方法が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、プ
ラスチックを高温高圧水を用いてガス化するに当たり、
反応器の腐食を防ぎ、炭化水素ガスや水素ガスのような
有用なガスを効率よく回収するためのガス化方法および
装置の提供を課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、プラスチック
を高温・高圧水でガス化する方法であって、第1反応器
内で、無機酸化物および/または無機水酸化物の存在
下、200〜350℃の高圧水とプラスチックとを接触
させることによりプラスチックを分解して、そのモノマ
ー成分および/またはその誘導体等の低分子化合物へと
低分子量化し、次いで、第1反応器内の温度条件よりも
高温条件のガス化反応器において、前記低分子化合物を
さらに分解することによって、25℃、大気圧下で気体
状を示す物質を得るところに要旨を有する。
【0006】予め第1反応器内でプラスチックを分解し
ておくので、反応条件の過酷なガス化反応器では分解対
象物の必要滞留時間を短くすることができ、再重合等の
不要な副反応が起こりにくく、ガスの収率を挙げること
ができる。また、プラスチック中にハロゲンが含まれて
いたとしても、ガス化反応器での高温・高圧条件では、
無機酸化物および/または無機水酸化物のハロゲン化物
として析出するため、反応条件の過酷なガス化反応器の
腐食を緩和または防止することができる。この点で、原
料のプラスチックをハロゲン含有プラスチックと非含有
プラスチックに分別する必要がなく、実操業上、有用で
ある。
【0007】第1反応器における分解反応を10MPa
以上の高圧水で行うこと、ガス化反応器における分解反
応を500℃以上、22MPa以上の高温・高圧水で行
うことは、いずれも本発明法の好ましい実施態様であ
る。
【0008】本発明方法ではプラスチックにハロゲンが
含まれていてもよく、ハロゲン固定用の無機酸化物およ
び/または無機水酸化物としてアルカリ金属および/ま
たはアルカリ土類金属の酸化物および/または水酸化物
を使用することが好ましい。このハロゲン固定用のアル
カリ金属および/またはアルカリ土類金属の酸化物およ
び/または水酸化物は、プラスチック中に含まれるハロ
ゲン1当量に対し、1〜2当量となるよう添加すること
が好ましい。ハロゲン固定用化合物としては、Caの酸
化物および/または水酸化物を用いることがより好まし
い。
【0009】本発明には、上記したガス化方法を行うた
めの装置であって、少なくとも、第1反応器とガス化反
応器を備えたガス化装置も包含される。また、分解対象
物質によっては、第1反応器を複数としたり、ガス化反
応器以降に、さらに高温条件での反応器を接続してもよ
く、ガス化効率を高めることができる。このような複数
の反応器を備えたガス化装置も本発明に包含される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のガス化方法は、第1反応
器で高温・高圧水によるプラスチックの低分子量化を行
い、ガス化反応器ではさらに高温条件下として、25
℃、大気圧下では気体状を示す物質にまで低分子量化し
て、ガス成分として回収するところに第1のポイントが
ある。これにより、反応条件の厳しいガス化反応器での
反応時間を短くすることができる。第2のポイントは、
無機酸化物および/または無機水酸化物によってハロゲ
ンを捕捉し、ガス化反応器以降の反応器内でハロゲン化
物を固定化することによってこれらの反応器の腐食を抑
制するところにある。
【0011】本発明においてガス化の対象とされるの
は、プラスチックである。熱可塑性、熱硬化性は問わな
い。いずれのプラスチックも加水分解や熱分解等の反応
で分解可能だからである。また、本発明においては上記
第2のポイントから明らかなように、ポリ塩化ビニル樹
脂等のハロゲン含有プラスチックを予め分別する必要も
ない。さらに、硫黄等も固定されるため、硫黄含有樹脂
も分別しなくても構わない。
【0012】ガス化対象プラスチックの具体例として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
樹脂、ポリスチレン、ABS等のスチレン系樹脂、ポリ
エチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン等
のハロゲン含有樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。これらのプラ
スチックは、廃物や製品にするときに生成する屑、ある
いは、新品の製品そのもの等どのようなものでも構わな
い。また、プラスチックのみからなるものではなく、天
然または合成ゴムが積層されたようなプラスチックも、
本発明のガス化対象物とすることができる。なお、プラ
スチックは、予め粉砕等の物理的前処理を行っておくこ
とが好ましい。
【0013】第1反応器では、プラスチックの低分子量
化のため、200〜350℃の高圧水をプラスチックと
接触させる。これにより、プラスチック構成ポリマー
は、そのモノマー成分レベルの低分子化合物へと分解さ
れ、低分子量化する。このときの分解反応は、加水分
解、熱分解、部分酸化分解のいずれか1つ以上が同時に
起こり得る。第1反応器では、全てのポリマーがその構
成モノマーへと分解されるわけではなく、ダイマーやト
リマーあるいはそれ以上のオリゴマーや、二次反応が起
こってモノマーの誘導体化合物になることもあるが、ガ
ス化反応器においてさらに低分子量化されるため、別段
の問題はない。また、一部分解されていない溶融ポリマ
ーが含まれていても、第1反応器からの導出物(ガス化
反応器へ導入物)全体としては、原料として用いたプラ
スチックよりも平均分子量の低い化合物となるため、低
分子量化が達成される。また、第1反応器からの導出物
が、単にポリマーが加熱溶融しているもののみの場合
は、例えば、第1反応器の滞留時間を長くしたり、第1
反応器を複数の反応器に分けてそれぞれ異なる(または
同じ)温度圧力条件にする等の手法で分解を促進すれば
よい。
【0014】第1反応器における高圧水の温度が200
℃より低いと、ポリマーの溶融や充分な低分子量化が起
こらず、ガス化反応器におけるガス化効率が低下するた
め好ましくない。より好ましい温度の下限は250℃で
ある。圧力は、当該温度域で液状を保ち得る圧力であれ
ばよいが、低分子量化を効率よく進行させるためには、
10MPa以上が好ましく、25MPa以上がさらに好
ましい。圧力の上限は特に限定されないが、あまり圧力
が高すぎると、高圧を維持し得る反応器が必要となるた
め、40MPa以下が好ましい。
【0015】プラスチックと高温・高圧水の比率(加水
比)としては、プラスチックの質量に対し、1質量倍以
上の高温・高圧水とすることが好ましい。2〜5質量倍
がより好ましい範囲である。第1反応器内におけるプラ
スチックと高温・高圧水の接触時間(反応時間)は特に
限定されないが、10分以上とすることが好ましい。あ
まり短いと、低分子量化という目的が果たせないことが
ある。第1反応器ではプラスチックの低分子量化が達成
できればよいので、反応時間があまりに長すぎる(数時
間レベル)と、全体のプロセスの効率が低下するため、
10分〜2時間程度が好ましい。
【0016】第1反応器へは、プラスチックおよび高温
・高圧水をバッチ式に供給する方法、連続的に供給する
方法、いずれも採用可能である。プラスチックのみをバ
ッチで反応器に投入しておいて、高温・高圧水を連続供
給してもよい。なお、プラスチックを連続供給する場合
は、加熱溶融状態、スラリー状態等でポンプ等を用いて
供給すればよい。この連続供給の構成を採用すると、高
温・高圧水中でのプラスチックの分散性がよくなって低
分子量化効率が向上すると共に、長時間の連続分解が可
能となることから、実操業上は、この構成の方が好まし
い。
【0017】本発明においては、第1反応器での反応時
に、無機酸化物および/または無機水酸化物が存在して
いる必要がある。これは、プラスチックの中に、ハロゲ
ン含有プラスチックが含まれている場合の反応器の損耗
を防ぐためである。ガス化反応器において高温条件にな
ると、ハロゲンと、無機酸化物および/または無機水酸
化物とからなるハロゲン化物の溶解度が減少するため、
このハロゲン化物が固体となって析出する。従って、第
1反応器よりも高温条件下に曝されて反応器内壁の腐食
が心配されるガス化反応器内でも、ハロゲンがイオン状
態では存在し得なくなるので、腐食性を低下させること
ができる。なお、プラスチック中に硫黄や燐が含まれて
いた場合も、上記無機酸化物および/または無機水酸化
物の硫酸塩や燐酸塩として固体化することができる。
【0018】無機酸化物および/または無機水酸化物と
しては、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属
の酸化物および/または水酸化物が好ましく用いられ
る。具体的には、Na、K、Mg、Ca等の酸化物また
は水酸化物が挙げられ、これらの中でも、Caの酸化物
および水酸化物が好ましいものとして挙げられる。無機
酸化物および/または無機水酸化物は、プラスチック中
に含まれるハロゲン1当量に対し、1〜2当量となるよ
うに添加することが好ましい。過剰に供給すると、上記
金属のイオンが、ガス化反応器での分解によって生成す
る二酸化炭素と結合して炭酸化物を生成し固体化するた
め、ガス化反応器で生成する固体成分が多くなって取扱
いが煩雑となるため、好ましくない。
【0019】ガス化反応器では、第1反応器によって低
分子量化された各種低分子化合物を、高温・高圧水によ
って水素や炭化水素等の常温・常圧で気体となる物質へ
と分解する。このときの分解反応は、熱分解、加水分
解、部分酸化、水性シフト反応等が起こり得る。ガス化
反応器での反応条件は、第1反応器よりも高温条件とす
る必要があり、分解効率を高めるため500℃以上が好
ましい。温度の上限は特に限定されない。ガス化反応器
の温度を上記条件にするには、ガス化反応器への流路ま
たはガス化反応器に加熱器を取り付けて加熱する方法等
が採用できるが、第1反応器から排出された流体に酸化
剤を入れて内容物を燃焼させることによっても、昇温が
可能である。水の圧力は、第1反応器の圧力と同じで
も、低圧でも高圧でもよい。第1反応器よりも高圧にす
る場合には、第1反応器から導出される水溶液をポンプ
を介してガス化反応器へ導入する。第1反応器よりも低
圧にする場合は、減圧弁を介すればよい。好ましい圧力
範囲は、22〜40MPaである。
【0020】ガス化反応器における分解反応に際し、第
1反応器から排出された流体に酸化剤を供給して昇温に
役立てると共に、分解を促進してもよい。ただし酸化剤
を入れすぎると回収ガス中の二酸化炭素量が多くなっ
て、有用な水素ガスや炭化水素ガスの量が減少するた
め、酸化剤は出発原料であるプラスチック中の炭素原子
数に対し、50mol%以下にすることが好ましい。酸
化剤としては、空気、酸素、過酸化水素、オゾン等が挙
げられる。
【0021】ガス化反応器内における反応時間は特に限
定されないが、10〜300秒の非常に短い時間とする
ことができる。ガス化反応器へ導入される分解対象物は
第1反応器における分解反応によって低分子量化されて
いるので、ガス化反応器における分解時間を長くする必
要はないからである。ガス化反応器内における滞留時間
を短くすることにより、過酷な高温・高圧条件に耐えな
ければならないガス化反応器を小さくすることができる
ので、設備費のコストダウンが図れるというメリットが
ある。
【0022】ガス化反応器内での分解反応によって生成
した水素、メタン等の炭化水素、一酸化炭素あるいは二
酸化炭素は、高温・高圧水に溶解状態で存在している。
これらの生成物をガス化反応器外へ導出し、気液分離装
置等によって生成ガスと液状物を分離し、ガス成分を回
収するとよい。これにより、25℃、大気圧下で気体状
を示すガス成分が回収される。また、分離された液状物
は反応用の水として再利用できる。なお、ガス化反応器
内で析出した固形分は、ガス化反応器下部から水分と共
に回収すればよい。
【0023】次に、本発明法のガス化方法を実施するた
めの設備例を図1を参照しながら説明する。1が第1反
応器、2がガス化反応器である。第1反応器1、ガス化
反応器2共、水を高温高圧状態で保持できるものを用い
る。加熱器を有する反応器を用いてもよい。第1反応器
1および/またはガス化反応器2として、複数の反応器
を並列させた構成、または熱交換器と共に直列させた構
成であってもよい。
【0024】分解対象物であるプラスチックは、必要に
応じて、粉砕等の物理的前処理を受けた後、原料タンク
11に蓄えられる。また、原料タンク11には、原料の
質量に対応する所定量の水と、所定量の無機酸化物およ
び/または無機水酸化物が蓄えられている。これらのス
ラリー状混合物は、原料供給ポンプ12で、加熱器13
を介し、所定温度および所定圧力に調整された後、第1
反応器1へと連続的に供給される。ポンプ12に代えて
スクリュー型押出機等の供給手段を用いてもよい。ま
た、反応前に第1反応器1へ原料を仕込んでおき、水の
みを連続的に第1反応器1へ供給する半連続方式を採用
することも可能である。第1反応器1内の滞留時間の制
御は、原料スラリーの供給速度でコントロールすること
ができる。高温・高圧水のみを連続供給する場合には、
高温・高圧水の供給速度で滞留時間を制御すればよい。
【0025】第1反応器1内でプラスチックは分解反応
を受けて、低分子量化される。供給速度に応じた速度
で、原料スラリーは第1反応器1内を下流側へ移動す
る。ポリマーが分解し、高温・高圧水に溶解するレベル
のオリゴマーが生成すると、これらのオリゴマーは高温
・高圧水に溶解して第1反応器1内を下流側へと移動し
ながら、さらにモノマーレベルの低分子化合物へと分解
される。高温・高圧水に溶解するレベルにまで分解され
ていないポリマーも、熱によって溶融するので、液体状
態で下流側に移動していく。
【0026】低分子化合物を含む液は、第1反応器1の
出口側から排出されて、圧力調整弁21(ガス化反応器
2を第1反応器1よりも低圧にする場合に用いる)と加
熱器22を介することにより加熱されてガス化反応器2
へと移送される。
【0027】ガス化反応器2では、第1反応器1よりも
高温条件下で、第1反応器1で生成した低分子量化物
を、25℃、大気圧下では気体となるような物質へとさ
らに分解する。酸化剤を供給する場合は、酸化剤タンク
23から流路24を通してガス化反応器2へ導入する
か、圧力調整弁21の出口配管に導入すると良い。ガス
化反応器2の出口では、固体物の随伴を防ぐためフィル
ター等を取り付けると良い。金属ハロゲン化物等の固体
物は、ガス化反応器2の下方から、または下流にフィル
ター等を設ける、あるいはサイクロン等により、分離・
取り出しが可能である。
【0028】ガス化反応器2から排出された水溶液は冷
却手段31によって、または冷却手段31がなくても圧
力調整弁32による大気圧等への減圧によって、例えば
100℃程度に冷却されて、気液分離装置3へと送られ
る。気液分離装置3としては、単蒸留装置、フラッシュ
ドラム等からなるフラッシュ分離装置、蒸留塔等の(減
圧)蒸留装置等が利用できる。
【0029】この気液分離装置3により分離されたガス
分には、水素、メタン等の炭化水素の他に、水蒸気と二
酸化炭素が含まれる。製品ガスの純度を上げるために
は、圧力調整弁41を介して分離ガスを精製装置4へ移
送し、水素と炭化水素と、水、二酸化炭素を分離するこ
とが好ましい。精製装置としては、(減圧)蒸留装置、
吸着塔等の吸着装置等が利用可能である。精製装置4で
気液分離された水は、ポンプ等により循環使用すること
が好ましい。このとき、水中にガス化しなかった油分等
が存在しても、循環使用することで再度ガス化原料とな
るため、問題はない。また、水処理ユニット5によって
処理された水も、ポンプ52によって原料タンク11へ
と戻し、循環使用することが好ましい。
【0030】以上、本発明のガス化装置を図1によって
説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更され
た設備において、本発明の実施が可能であることは言う
までもない。
【0031】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではない。
【0032】実施例1 図1に示したものと同様の実験用反応器を用い、重量平
均分子量200,000のポリスチレンを第1反応器に
仕込んだ。350℃、30MPaの水を滞留時間が5分
となるように供給速度を調整し、反応器へ連続的に供給
した。なお本実験では原料にハロゲンが含まれておら
ず、ポリスチレンの分解状態を検討することを目的とす
るので、無機酸化物および無機水酸化物を添加せずに実
験した。第1反応器の塔頂から低分子化合物含有水溶液
を導出し、600℃に加熱して、ガス化反応器へ30M
Paのまま移送した。ガス化反応器内の滞留時間は65
秒とした。ガス化反応器から回収された回収物について
気液分離装置でガス成分を分離し、回収した。
【0033】回収されたガスの量は、原料ポリスチレン
1g当たり、2900ccであった。第1反応器による
分解反応の生成物の組成と、回収されたガス成分の組成
を表1、表2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】実施例2 ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)およびポ
リ塩化ビニル(PVC)の3種類のポリマーのガス化実
験を行った。装置は図1に示したものと同様の実験用反
応器を用い、それぞれのポリマーを粉末状にして水と共
にスラリーポンプで昇圧すると共に、加熱器で加熱させ
ながら第1反応器に仕込んだ。温度350℃、圧力30
MPaとし、第1反応器内の滞留時間が10分となるよ
うに供給速度を調整し、第1反応器へ連続的に供給し
た。ポリ塩化ビニルの場合は、塩素原子に対し、2当量
のCa(OH)2を添加し、ポリスチレンとポリエチレ
ンの場合は、原料に対し5質量%のCa(OH)2を添
加した。
【0037】第1反応器の塔頂から低分子化合物含有水
溶液を導出し、600℃に加熱して、ガス化反応器へ3
0MPaのまま移送した。ガス化反応器内の滞留時間は
1分とした。ガス化反応器から回収された回収物につい
て気液分離装置でガス成分を分離・回収し、その組成を
分析した。結果を表3に示した。
【0038】
【表3】
【0039】ポリスチレンについては、実施例1とほぼ
同様の結果が得られていて、再現性が確認された。ポリ
エチレンからはメタンやエチレン、エタン等が回収でき
た。ポリ塩化ビニルは水素量が多かった。なおポリ塩化
ビニルのガス化実験では、塩素原子は、CaCl2とし
てガス化反応器から回収することができた。
【0040】
【発明の効果】本発明のガス化方法は、プラスチックを
予め第1反応器内でモノマーレベルの低分子化合物へと
分解しておくので、反応条件の過酷なガス化反応器内で
は分解対象物の必要滞留時間を短くすることができ、再
重合等の不要な副反応が起こりにくく、ガスの収率を挙
げることができた。また、プラスチック中にハロゲンが
含まれていたとしても、ガス化反応器では、金属ハロゲ
ン化物として析出させるので、反応条件の過酷なガス化
反応器の腐食を防止することができる。この点で、原料
のプラスチックをハロゲン含有プラスチックと非含有プ
ラスチックに分別する必要がなく、実操業上、有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分解方法を実施するための設備の概略
説明図である。
【符号の説明】
1 第1反応器 2 ガス化反応器 3 気液分離装置 4 精製装置 5 水処理ユニット 11 原料タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10L 3/06 ZAB C08L 27:00 // C08L 27:00 C10L 3/00 ZABA (72)発明者 宇佐美 優 神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町4番1号 東京電力株式会社内 (72)発明者 金森 悟 神奈川県横浜市鶴見区江ヶ崎町4番1号 東京電力株式会社内 (72)発明者 佐藤 政樹 大阪市中央区備後町4丁目1番3号 株式 会社神戸製鋼所大阪支社内 (72)発明者 福里 隆一 大阪市中央区備後町4丁目1番3号 株式 会社神戸製鋼所大阪支社内 (72)発明者 河合 邦親 大阪市中央区備後町4丁目1番3号 株式 会社神戸製鋼所大阪支社内 Fターム(参考) 4F301 AA13 AA14 AA15 AA16 AA17 AA18 AA22 AA24 AA25 AA29 AB02 CA23 CA24 CA26 CA27 CA34 CA41 CA62 CA64

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックを高温・高圧水でガス化す
    る方法であって、 第1反応器内で、無機酸化物および/または無機水酸化
    物の存在下、200〜350℃の高圧水とプラスチック
    とを接触させることによりプラスチックを分解して、そ
    のモノマー成分および/またはその誘導体等の低分子化
    合物へと低分子量化し、 次いで、第1反応器内の温度条件よりも高温条件のガス
    化反応器において、前記低分子化合物をさらに分解する
    ことによって、25℃、大気圧下で気体状を示す物質を
    得ることを特徴とするプラスチックのガス化方法。
  2. 【請求項2】 第1反応器における分解反応を10MP
    a以上の高圧水で行う請求項1に記載のガス化方法。
  3. 【請求項3】 ガス化反応器における分解反応を500
    ℃以上、22MPa以上の高温・高圧水で行う請求項1
    または2に記載のガス化方法。
  4. 【請求項4】 プラスチックがハロゲンを含むものであ
    る請求項1〜3のいずれかに記載のガス化方法。
  5. 【請求項5】 無機酸化物および/または無機水酸化物
    として、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属
    の酸化物および/または水酸化物を用い、これをプラス
    チック中に含まれるハロゲン1当量に対し、1〜2当量
    となるように添加する請求項1〜4のいずれかに記載の
    ガス化方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のガス化
    方法を行うための装置であって、少なくとも第1反応器
    とガス化反応器とを備えることを特徴とするプラスチッ
    クのガス化装置。
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