JP2002225753A - フロントフレーム構造 - Google Patents

フロントフレーム構造

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JP2002225753A
JP2002225753A JP2001029014A JP2001029014A JP2002225753A JP 2002225753 A JP2002225753 A JP 2002225753A JP 2001029014 A JP2001029014 A JP 2001029014A JP 2001029014 A JP2001029014 A JP 2001029014A JP 2002225753 A JP2002225753 A JP 2002225753A
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front frame
frame structure
power train
vehicle
extension
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JP2001029014A
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Kazunari Miyabayashi
一成 宮林
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Subaru Corp
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Fuji Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前面衝突によるフロントフレームの安定した
衝撃吸収を可能にして車体の高い衝撃吸収効率を実現で
き、格別の重量増を伴うことのないフロントフレーム構
造を提供することを目的とする。 【解決手段】 パワートレインを収容する車体前部のエ
ンジンルーム2の左右両側壁に沿って前後方向に延設さ
れ、後端部がトーボード7に接合された閉断面形状のフ
ロントフレーム構造において、側面視で前記フロントフ
レーム5の最上面の延長線上と最下面の延長線(一点鎖
線)との間に、前面衝突の際の車両の後方慣性力の重心
G2が配置されるように構成したことを特徴とするもの
で、パワートレインの慣性力の喪失開始から完了時まで
を通して、車両の後方慣性力の全てをフロントフレーム
5における最上面の延長線上と最下面の延長線との間に
て軸力として受けることが可能となって、前面衝突時に
車両後部がフロントフレーム5に対して尻上りのモーメ
ントを発生することが有効に防止され、フロントフレー
ム5における衝撃吸収のための変形が安定して確実に行
われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両に
おいて、パワートレイン(パワーユニット)を収容する
車体前部のエンジンルームの左右両側壁に沿って前後方
向に延設され、後端部がトーボードに接合された閉断面
形状のフロントフレーム構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の車両におけるエンジン
ルームの左右両側壁に沿って前後方向に延設されたフロ
ントフレームは、エンジンや動力伝達系の諸装置である
パワートレインを支持するとともに、前面衝突時におけ
るバンパビームを介した前方からの衝撃に対して、軽度
のものにはある程度の耐力を示し、強度のものには変形
して衝撃を吸収しつつフロアフレームやサイドストラク
チャへエネルギの分散を行うように構成されている。一
般的に、これらのフロントフレームは、特開平5−31
9308号公報や特開2000−16333号公報ある
いは特開2000−103356号公報に開示されたも
ののように、エンジンルームと乗員室とを区画するトー
ボードに対して略ストレート状に接合連結されている。
また、フロントフレームに加わった衝撃荷重の車体全体
への分散効果を高めるために、フロントフレームの後部
を上下に分岐させてトーボードに接合連結した実開平3
−71979号公報あるいは特開平207816号公報
に開示されたものが提案された。図9のものは、フロン
トフレーム自体の構造ではないが、車体幅方向の外側に
配設されたサイドストラクチャにおける衝撃吸収部70
の上部に傾斜状の補強部材74をフロントピラー72と
の間に配設して、フロントフレームから分岐した衝撃荷
重をサイドストラクチャの上下に分散せんとするもので
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のフロントフレーム構造にあって、可能な限り
低い位置にされてはいるものの、パワートレインを含め
た車体の重心G1はフロントフレームの延長線より僅か
上部で、かつ乗員室内に位置する(図4(A)参照)。
そして、通常、前面衝突による比較的大きな衝撃荷重を
受けた場合にはパワートレインを下方に脱落させ、乗員
室内への侵入による乗員への危害を与えないように構成
されている。ところが、パワートレインが脱落して、パ
ワートレインの慣性力が失われつつある車両の重心は徐
々に上昇する。このことは、フロントフレームの後端部
近傍について考察した場合、この部分に加わる車両の後
方からの慣性力の重心G2(図4(B)参照)が上昇す
ることを意味し、パワートレインが完全に脱落して慣性
力を失った時点で該後方慣性力の重心G2が最も高い位
置に至る。そのため、乗員室を含めた車両後部がフロン
トフレームの後端部近傍を支点として前上方へ移動する
尻上り現象を生ずることになる。その結果、フロントフ
レームにおける衝撃吸収のための変形の確実性が損なわ
れてしまい、衝撃吸収効率の低下を引き起こしていた。
【0004】また、実開平3−71979号公報に開示
されたものでは、フロントフレーム自体が後部において
分岐構成されて衝撃荷重が分散されるものの、後方慣性
力の重心について何ら考慮がなされている訳ではなく、
フロントフレームの後端部近傍を支点とした尻上り曲げ
モーメントを抑制する補強部材をフロアフレームに添設
する等の構成が必要で、重量増は免れず、また、折角分
散された衝撃荷重を受けるトーボード側における構造に
ついても何らの考慮がなされていないものであった。こ
のため、分散された衝撃荷重の車体全体への安定した伝
達がなされずに、フロントフレーム自体の衝撃吸収効率
が低下する虞れもあった。
【0005】そこで本発明は、このような従来のフロン
トフレーム構造の課題を解決し、前面衝突によるフロン
トフレームの安定した衝撃吸収を可能にして車体の高い
衝撃吸収効率を実現でき、格別の重量増を伴うことのな
いフロントフレーム構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、パワ
ートレインを収容する車体前部のエンジンルームの左右
両側壁に沿って前後方向に延設され、後端部がトーボー
ドに接合された閉断面形状のフロントフレーム構造にお
いて、側面視で前記フロントフレームの最上面の延長線
上と最下面の延長線との間に、前面衝突の際の車両の後
方慣性力の重心が配置されるように構成したことを特徴
とする。また本発明は、パワートレインを収容する車体
前部のエンジンルームの左右両側壁に沿って前後方向に
延設され、後端部がトーボードに接合された閉断面形状
のフロントフレーム構造において、側面視で前記フロン
トフレームの最上面の延長線上と最下面の延長線との間
に、前面衝突の際のパワートレインが慣性力を失った時
点における車両の後方慣性力の重心が配置されるように
構成したことを特徴とする。また本発明は、前記フロン
トフレームは、略水平方向に延設される水平部と、該水
平部から後上りに傾斜する上方傾斜部とを有することを
特徴とする。また本発明は、前記水平部と上方傾斜部と
は、上下方向に離間してそれぞれ閉断面が形成されたこ
とを特徴とする。また本発明は、前記上方傾斜部を、側
面視で該上方傾斜部の上面の延長線上と下面の延長線上
との間に、前面衝突の際のパワートレインが慣性力を失
った時点における車両の後方慣性力の重心が配置される
ように構成したことを特徴とする。また本発明は、前記
トーボードに幅方向に延在する閉断面形状で略直線状の
トーボードクロスメンバを設置するとともに、該トーボ
ードクロスメンバに前記左右の上方傾斜部の後端部を連
結したことを特徴とする。また本発明は、前記トーボー
ドクロスメンバの下面が、フロアトンネルの上面前端と
連続形成されたことを特徴とする。また本発明は、パワ
ートレインを収容する車体前部のエンジンルームの左右
両側壁に沿って前後方向に延設され、後端部がトーボー
ドに接合された閉断面形状のフロントフレーム構造であ
って、フロントフレームが略水平方向に延設される水平
部と該水平部から後上りに傾斜する上方傾斜部とを有す
るフロントフレーム構造において、前記水平部と上方傾
斜部との分岐点に前記フロントフレームに支持され幅方
向に延在するサスペンションクロスメンバを配設したこ
とを特徴とする。また本発明は、パワートレインを収容
する車体前部のエンジンルームの左右両側壁に沿って前
後方向に延設され、後端部がトーボードに接合された閉
断面形状のフロントフレーム構造であって、フロントフ
レームが略水平方向に延設される水平部と該水平部から
後上りに傾斜する上方傾斜部とを有するフロントフレー
ム構造において、前記水平部と上方傾斜部との分岐点
に、前記フロントフレーム上部に延在してストラット上
端部を支持するサスペンションブラケットを配設したこ
とを特徴とするもので、前面衝突時にパワートレインが
脱落等により慣性力を失いつつある車両の後方慣性力の
重心が上昇しても、側面視でフロントフレームの最上面
の延長線上と最下面の延長線との間に位置するので、車
両の後方慣性力の重心をフロントフレームの軸力として
受けることで、乗員室を含めた車両後部がフロントフレ
ームの後端部近傍を支点として前上方へ移動する尻上り
現象が生ぜず、フロントフレームにおける衝撃吸収のた
めの変形が安定して確実に行われる。
【0007】
【実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形
態を詳細に説明する。なお、以下の前面衝突時における
作用の説明の中で、慣性力と衝撃荷重の2つの表現を用
いているが、衝撃荷重は慣性力の反力であり、図中の衝
撃荷重の矢印の反対方向が慣性力として捉えられるの
で、同様に取り扱うことができる。図1〜図4は本発明
のフロントフレーム構造の第1実施の形態を示し、図1
(A)はエンジンルーム側から見たフロントフレーム構
造の斜視図、図1(B)は図1(A)のA−A断面図、
図2(A)は図1(A)の正面図、図2(B)は図1
(A)の側面図、図3は前面衝突時の衝撃荷重の伝達状
態を示すエンジンルーム側から見たフロントフレーム構
造の斜視図、図4は前面衝突の前後におけるフロントフ
レーム構造の側面図である。本発明は、図1(A)に示
すように、図示省略のエンジンや動力伝達系の諸装置で
あるパワートレイン1(図2(B)参照)を収容する車
体前部のエンジンルーム2の左右両側壁に沿って前後方
向に延設され、後端部がエンジンルーム2と乗員室とを
区画するトーボード7に接合された閉断面形状のフロン
トフレーム5を有するフロントフレーム構造において、
側面視で前記フロントフレーム5の最上面5aの延長線
上と最下面5bの延長線(一点鎖線)との間に、前面衝
突の際の車両の後方慣性力の重心G2が配置されるよう
に構成した。
【0008】前述の構成では、前面衝突によってパワー
トレインが脱落等により慣性力を失いつつある車両の後
方慣性力の重心G2が徐々に上昇する全ての場合につ
き、これらの重心G2が側面視で前記フロントフレーム
5の最上面5aの延長線上と最下面5bの延長線との間
に配置されるように構成されるが、好適には、前面衝突
の際のパワートレインが慣性力を失った時点における車
両の後方慣性力の重心G2が、前記フロントフレーム5
の最上面5aの延長線上と最下面5bの延長線との間に
配置されるとよい。すなわち、パワートレインが完全に
慣性力を失った時点で該後方慣性力の重心G2が最も高
い位置に至ることになるが、該最も高い位置に至る重心
G2を前記フロントフレーム5の最上面5aの延長線上
と最下面5bの延長線との間に配置することで、フロン
トフレーム5が最も高い位置の後方慣性力を軸力として
受けることで、車両のピッチング挙動による大きな曲げ
モーメントをより効果的に抑制して、一層衝撃吸収効率
を向上させることができる。
【0009】本第1実施の形態のものでは、前記フロン
トフレーム5は、略水平方向に延設される水平部3と、
該水平部3から後上りに傾斜する上方傾斜部4とを有す
ることを特徴とする。前記水平部3と上方傾斜部4と
は、上下方向に離間して構成され、図1(A)のA−A
断面である図1(B)に示すように、それぞれが閉断面
に形成されている。つまり、フロントフレーム5は、エ
ンジンルーム2の室内側の水平部3および上方傾斜部4
と、これらに対向して接合される外側のクロージングプ
レート14とから構成され、上方傾斜部4側にはサスペ
ンションブラケット10の下縁が挟持接合される。この
ようにフロントフレーム5を水平部3と上方傾斜部4と
に離間、分割することで、図3の矢印に示すように、前
面衝突の際のフロントフレーム5が受ける衝撃荷重は水
平部3および上方傾斜部4に略均等に分散、伝達される
とともに、後述するように、上方傾斜部4をトーボード
7の幅方向に延在して設置されたトーボードクロスメン
バ8に接続して上方傾斜部4に伝達された衝撃荷重をト
ーボードクロスメンバ8へも効果的に分散させることを
可能にする。なお、フロントフレーム5における水平部
3の後端部は、下方に傾斜する下方傾斜部15を介して
略水平状のフロアフレーム6と接続される。
【0010】さらに好適には、図4(B)に示すよう
に、前記フロントフレーム5における上方傾斜部4を、
側面視で該上方傾斜部4の上面5aの延長線上と下面5
bの延長線上(点線)との間に、前面衝突の際のパワー
トレイン1が慣性力を失った時点における車両の後方慣
性力の重心G2が配置されるように構成される。これに
より、パワートレイン1が慣性力を失った時点における
車両の後方慣性力を上方傾斜部4の閉断面で直接的に受
けることができて、車両のピッチング挙動による曲げモ
ーメントの発生がなく、さらに衝撃吸収効率を向上させ
ることができる。
【0011】図1(A)に示すように、前記トーボード
7には幅方向に延在する閉断面形状で略直線状のトーボ
ードクロスメンバ8が設置され、該トーボードクロスメ
ンバ8に前記左右のフロントフレーム5における上方傾
斜部4の後端部が連結され、さらに、前記トーボードク
ロスメンバ8の下面が、フロアトンネル13の上面前端
と連続形成されて構成される。ここで、本発明において
は、従来のフロントフレームより車体上方に位置する上
方傾斜部4を設けていることから、フロントフレーム5
とトーボード7との接合位置を上方に設けることがで
き、フロントフレーム5の後端部に連結されるトーボー
ドクロスメンバ8を従来のようなフロアトンネルを避け
てクランク状に配設することなく、直線状に配設するこ
とができるのである。図2(A)の正面図によりこれら
の上下位置関係が明瞭に示されている。このような構成
により、図3の矢印に示すように、前面衝突時にフロン
トフレーム5が受ける衝撃荷重のうち上方傾斜部4に伝
達された衝撃荷重を、直線的なトーボードクロスメンバ
8を介して高い伝達効率の下に左右の車体に効果的に伝
達することができる。しかも、フロアトンネル13に加
わる後方からの慣性力はトーボードクロスメンバ8を介
して直接フロントフレーム5の上方傾斜部4が軸力とし
て受けるので、トーボードクロスメンバ8にモーメント
が発生することを抑制することができる。これにより、
縦置型ミッションを搭載してフロアトンネルを大きくせ
ざるを得ない車両にもトーボードクロスメンバ8を直線
状に配設することが可能となり、フロアトンネルを避け
てクランク状にトーボードクロスメンバを配設せざるを
得ない従来のものより一層衝撃吸収効率を向上させるこ
とができる。
【0012】また、図1(A)および図3に示すよう
に、フロントフレーム5における水平部3と上方傾斜部
4との分岐点Qには、前記フロントフレーム5に支持さ
れ幅方向に延在するサスペンションクロスメンバ9が配
設され、さらに、前記分岐点Qには、前記フロントフレ
ーム5の上部に延在してストラット(図示省略)上端部
を支持するサスペンションブラケット10が配設され
る。このような構成により、前面衝突時の前面からの衝
撃荷重あるいは後方慣性力によって応力集中が生じ易い
分岐点Q部近傍が、サスペンションクロスメンバ9やサ
スペンションブラケット10により効果的に補強される
とともに、図3の矢印のように衝撃荷重をこれらのサス
ペンションクロスメンバ9やサスペンションブラケット
10に効果的に分散することができて、フロントフレー
ム5の安定した変形による確実な衝撃吸収が可能とな
る。
【0013】以上の構成を備えるフロントフレーム構造
において、図4(A)の白矢印のように前面衝突時に前
方からの衝撃が加わった場合に、フロントフレーム5の
前部が衝撃を吸収しつつ変形してくる。このとき、パワ
ートレイン1を含む車両の重心G1はフロントフレーム
5の水平部3の延長線上より僅か上方に位置する。次い
で、図4(B)に示すように、衝撃によるフロントフレ
ーム5の変形がさらに後部に及び、パワートレイン1が
脱落等により慣性力を失い始めると、車両の後方慣性力
の重心G2が徐々に上昇し、パワートレイン1が完全に
脱落して慣性力を失った時点で、車両の後方慣性力の重
心G2が最も高い位置に至るが、この状態においても前
記フロントフレーム5の最上面5aの延長線上と最下面
5bの延長線上に位置することになる。このように、パ
ワートレイン1の慣性力の喪失開始から完了時までを通
して、車両の後方慣性力の全てをフロントフレーム5に
おける最上面5aの延長線上と最下面5bの延長線との
間にて受けることが可能となって、前面衝突時に車両後
部がフロントフレーム5に対して尻上りのモーメントを
発生することが有効に防止される。
【0014】図5〜図8は本発明のフロントフレーム構
造の第2実施の形態を示し、図5(A)はエンジンルー
ム側から見たフロントフレーム構造の斜視図、図5
(B)は図5(A)のA−A断面図、図6(A)は図5
(A)の正面図、図6(B)は図5(A)の側面図、図
7は前面衝突時の衝撃荷重の伝達状態を示すエンジンル
ーム側から見たフロントフレーム構造の斜視図、図8は
前面衝突の前後におけるフロントフレーム構造の側面図
である。本実施の形態のものは、図5(A)に示すよう
に、パワートレイン1(図6(B)参照)を収容する車
体前部のエンジンルーム2の左右両側壁に沿って前後方
向に延設され、後端部がトーボード7に接合された閉断
面形状のフロントフレーム5構造において、側面視で前
記フロントフレーム5の最上面5aの延長線上と最下面
5bの延長線(一点鎖線)との間に、前面衝突の際の車
両の後方慣性力の重心G2が配置されるように構成する
ものとして、前記第1実施の形態のものが、フロントフ
レーム5の後部は、それぞれ閉断面構造を有する水平部
3と上方傾斜部4とに分岐されていたのに対して、本実
施の形態のものは、図5(B)に明確なように、前記第
1実施の形態のものの上方傾斜部4に相当する部分につ
いても水平部3と同一の1つの閉断面構造を呈するもの
である。つまり、フロントフレーム5の後部が末広り状
の1つの閉断面構造から構成されるものである。
【0015】このように構成されたフロントフレーム5
と、トーボードクロスメンバ8およびサスペンションク
ロスメンバ9ならびにサスペンションブラケット10と
の関連構成については、前記第1実施の形態のものと同
様なので説明は省略する。かくして、図7の白矢印のよ
うに前面衝突時に前方から加わった衝撃荷重は、フロン
トフレーム5の水平部3から矢印のように各部に分散さ
れて行くが、本実施の形態のものでは、図8にても明確
に理解されるように、フロントフレーム5における上方
傾斜部4から水平部3さらには下方傾斜部15からフロ
アフレーム6にかけての後端面にてトーボード7と低面
圧にて接合されているので、トーボードクロスメンバ8
およびフロアフレーム6への衝撃荷重を減少させること
ができる。また、フロントフレーム5の後部が1つの閉
断面構造に形成されるので、構造が簡素化されて製造も
容易となる。
【0016】以上、本発明の各実施の形態について説明
してきたが、本発明の趣旨の範囲内で、パワートレイン
の形状、形式、フロントフレーム等への搭載形態および
脱落形態、断面形状(エンジンルーム側を水平部と上方
傾斜部の2つの閉断面構造とし、外側のクロージングプ
レートを1つの閉断面構造とし、あるいはその逆として
もよい。)を含むフロントフレームの形状、その水平部
と上方傾斜部の分岐形態、トーボードの形状、トーボー
ドとフロントフレームとの接合形態、トーボードクロス
メンバの形状およびそのトーボードへの設置形態ならび
にフロントフレームとの連結形態、フロアトンネルの形
状およびそのトーボードクロスメンバとの関連構成、サ
スペンションブラケットおよびサスペンションクロスメ
ンバの形状、およびそれらのフロントフレームとの関連
構成等については適宜選定できるものである。
【0017】
【発明の効果】以上詳細に述べてきたように、本発明に
よれば、パワートレインを収容する車体前部のエンジン
ルームの左右両側壁に沿って前後方向に延設され、後端
部がトーボードに接合された閉断面形状のフロントフレ
ーム構造において、側面視で前記フロントフレームの最
上面の延長線上と最下面の延長線との間に、前面衝突の
際の車両の後方慣性力の重心が配置されるように構成し
たことにより、パワートレインの慣性力の喪失開始から
完了時までを通して、車両の後方慣性力の全てをフロン
トフレームにおける最上面の延長線上と最下面の延長線
との間にて軸力として受けることが可能となって、前面
衝突時に車両後部がフロントフレームに対して尻上りの
モーメントを発生することが有効に防止され、フロント
フレームにおける衝撃吸収のための変形が安定して確実
に行われる。
【0018】また、パワートレインを収容する車体前部
のエンジンルームの左右両側壁に沿って前後方向に延設
され、後端部がトーボードに接合された閉断面形状のフ
ロントフレーム構造において、側面視で前記フロントフ
レームの最上面の延長線上と最下面の延長線との間に、
前面衝突の際のパワートレインが慣性力を失った時点に
おける車両の後方慣性力の重心が配置されるように構成
した場合は、パワートレインが完全に慣性力を失って最
も高い位置にある後方慣性力の重心による大きな慣性力
を、フロントフレームの最上面の延長線上と最下面の延
長線との間にて軸力として受けることで、車両のピッチ
ング挙動による大きな曲げモーメントをより効果的に抑
制して、一層衝撃吸収効率を向上させることができる。
さらに、前記フロントフレームが、略水平方向に延設さ
れる水平部と、該水平部から後上りに傾斜する上方傾斜
部とを有する場合は、前面衝突の際のフロントフレーム
が受ける衝撃荷重は水平部および上方傾斜部に略均等に
分散、伝達されるとともに、上方傾斜部をトーボードの
幅方向に延在して設置されるトーボードクロスメンバ等
に接続して衝撃荷重をトーボードクロスメンバ等に、水
平部の後端部を下方傾斜部を介して略水平状のフロアフ
レーム等にそれぞれ効果的に分散させることができる。
【0019】また、前記上方傾斜部を、側面視で該上方
傾斜部の上面の延長線上と下面の延長線上との間に、前
面衝突の際のパワートレインが慣性力を失った時点にお
ける車両の後方慣性力の重心が配置されるように構成し
た場合は、パワートレインが慣性力を失った時点におけ
る車両の後方慣性力を上方傾斜部の閉断面で直接的に受
けることができて、車両のピッチング挙動による曲げモ
ーメントの発生がなく、さらに衝撃吸収効率を向上させ
ることができる。さらに、前記トーボードに幅方向に延
在する閉断面形状で略直線状のトーボードクロスメンバ
を設置するとともに、該トーボードクロスメンバに前記
左右の上方傾斜部の後端部を連結した場合は、前面衝突
時にフロントフレームが受ける衝撃荷重を、直線的なト
ーボードクロスメンバを介して高い伝達効率の下に左右
の車体に効果的に伝達することができる。さらにまた、
前記トーボードクロスメンバの下面が、フロアトンネル
の上面前端と連続形成された場合は、フロアトンネルに
加わる後方からの慣性力はトーボードクロスメンバを介
して直接フロントフレームの上方傾斜部が軸力として受
けるので、トーボードクロスメンバにモーメントが発生
することを抑制することができる。
【0020】また、パワートレインを収容する車体前部
のエンジンルームの左右両側壁に沿って前後方向に延設
され、後端部がトーボードに接合された閉断面形状のフ
ロントフレーム構造であって、フロントフレームが略水
平方向に延設される水平部と該水平部から後上りに傾斜
する上方傾斜部とを有するフロントフレーム構造におい
て、前記水平部と上方傾斜部との分岐点に前記フロント
フレームに支持され幅方向に延在するサスペンションク
ロスメンバを配設したことにより、前面衝突時の前面か
らの衝撃荷重あるいは後方慣性力によって応力集中が生
じ易い分岐点部近傍が、サスペンションクロスメンバに
より効果的に補強され、フロントフレームの安定した変
形による確実な衝撃吸収が可能となる。さらに、パワー
トレインを収容する車体前部のエンジンルームの左右両
側壁に沿って前後方向に延設され、後端部がトーボード
に接合された閉断面形状のフロントフレーム構造であっ
て、フロントフレームが略水平方向に延設される水平部
と該水平部から後上りに傾斜する上方傾斜部とを有する
フロントフレーム構造において、前記水平部と上方傾斜
部との分岐点に、前記フロントフレーム上部に延在して
ストラット上端部を支持するサスペンションブラケット
を配設した場合は、応力集中が生じ易い分岐点部近傍
が、サスペンションブラケットにより効果的に補強され
る。かくして、本発明によれば、前面衝突によるフロン
トフレームの安定した衝撃吸収を可能にして車体の高い
衝撃吸収効率を実現でき、格別の重量増を伴うことのな
いフロントフレーム構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフロントフレーム構造の第1実施の形
態を示し、図1(A)はエンジンルーム側から見たフロ
ントフレーム構造の斜視図、図1(B)は図1(A)の
A−A断面図である。
【図2】同、図2(A)は図1(A)の正面図、図2
(B)は図1(A)の側面図である。
【図3】同、前面衝突時の衝撃荷重の伝達状態を示すエ
ンジンルーム側から見たフロントフレーム構造の斜視図
である。
【図4】同、前面衝突の前後におけるフロントフレーム
構造の側面図である。
【図5】本発明のフロントフレーム構造の第2実施の形
態を示し、図5(A)はエンジンルーム側から見たフロ
ントフレーム構造の斜視図、図5(B)は図5(A)の
A−A断面図である。
【図6】同、図6(A)は図5(A)の正面図、図6
(B)は図5(A)の側面図である。
【図7】同、前面衝突時の衝撃荷重の伝達状態を示すエ
ンジンルーム側から見たフロントフレーム構造の斜視図
である。
【図8】同、前面衝突の前後におけるフロントフレーム
構造の側面図である。
【図9】従来のフロントフレーム構造を示す要部斜視図
である。
【符号の説明】
1 パワートレイン(パワーユニット) 2 エンジンルーム 3 フロントフレーム水平部 4 フロントフレーム上方傾斜部 5 フロントフレーム 5a フロントフレームの最上面(傾斜部の上面) 5b フロントフレームの最下面(傾斜部の下面) 5c 傾斜部の下面 6 フロアフレーム 7 トーボード 8 トーボードクロスメンバ 9 サスペンションクロスメンバ 10 サスペンションブラケット 11 ホイルエプロン 12 バルクヘッド 13 フロアトンネル 14 クロージングプレート 15 下方傾斜部 G1 パワートレインを含む車両の重心 G2 パワートレインが慣性力を失いつつある後方
慣性力の重心 P 慣性 Q 分岐点

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パワートレインを収容する車体前部のエ
    ンジンルームの左右両側壁に沿って前後方向に延設さ
    れ、後端部がトーボードに接合された閉断面形状のフロ
    ントフレーム構造において、側面視で前記フロントフレ
    ームの最上面の延長線上と最下面の延長線との間に、前
    面衝突の際の車両の後方慣性力の重心が配置されるよう
    に構成したことを特徴とするフロントフレーム構造。
  2. 【請求項2】 パワートレインを収容する車体前部のエ
    ンジンルームの左右両側壁に沿って前後方向に延設さ
    れ、後端部がトーボードに接合された閉断面形状のフロ
    ントフレーム構造において、側面視で前記フロントフレ
    ームの最上面の延長線上と最下面の延長線との間に、前
    面衝突の際のパワートレインが慣性力を失った時点にお
    ける車両の後方慣性力の重心が配置されるように構成し
    たことを特徴とするフロントフレーム構造。
  3. 【請求項3】 前記フロントフレームは、略水平方向に
    延設される水平部と、該水平部から後上りに傾斜する上
    方傾斜部とを有することを特徴とする請求項1または2
    に記載のフロントフレーム構造。
  4. 【請求項4】 前記水平部と上方傾斜部とは、上下方向
    に離間してそれぞれ閉断面が形成されたことを特徴とす
    る請求項3に記載のフロントフレーム構造。
  5. 【請求項5】 前記上方傾斜部を、側面視で該上方傾斜
    部の上面の延長線上と下面の延長線上との間に、前面衝
    突の際のパワートレインが慣性力を失った時点における
    車両の後方慣性力の重心が配置されるように構成したこ
    とを特徴とする請求項4に記載のフロントフレーム構
    造。
  6. 【請求項6】 前記トーボードに幅方向に延在する閉断
    面形状で略直線状のトーボードクロスメンバを設置する
    とともに、該トーボードクロスメンバに前記左右の上方
    傾斜部の後端部を連結したことを特徴とする請求項3な
    いし5のいずれかに記載のフロントフレーム構造。
  7. 【請求項7】 前記トーボードクロスメンバの下面が、
    フロアトンネルの上面前端と連続形成されたことを特徴
    とする請求項6に記載のフロントフレーム構造。
  8. 【請求項8】 パワートレインを収容する車体前部のエ
    ンジンルームの左右両側壁に沿って前後方向に延設さ
    れ、後端部がトーボードに接合された閉断面形状のフロ
    ントフレーム構造であって、フロントフレームが略水平
    方向に延設される水平部と該水平部から後上りに傾斜す
    る上方傾斜部とを有するフロントフレーム構造におい
    て、前記水平部と上方傾斜部との分岐点に前記フロント
    フレームに支持され幅方向に延在するサスペンションク
    ロスメンバを配設したことを特徴とするフロントフレー
    ム構造。
  9. 【請求項9】 パワートレインを収容する車体前部のエ
    ンジンルームの左右両側壁に沿って前後方向に延設さ
    れ、後端部がトーボードに接合された閉断面形状のフロ
    ントフレーム構造であって、フロントフレームが略水平
    方向に延設される水平部と該水平部から後上りに傾斜す
    る上方傾斜部とを有するフロントフレーム構造におい
    て、前記水平部と上方傾斜部との分岐点に、前記フロン
    トフレーム上部に延在してストラット上端部を支持する
    サスペンションブラケットを配設したことを特徴とする
    フロントフレーム構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008137507A (ja) * 2006-12-01 2008-06-19 Mazda Motor Corp 車体前部構造
JP2009040127A (ja) * 2007-08-07 2009-02-26 Mazda Motor Corp 自動車の前部車体構造

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