JP2002225644A - スライドドアのドアハーネス配索構造 - Google Patents

スライドドアのドアハーネス配索構造

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JP2002225644A
JP2002225644A JP2001020409A JP2001020409A JP2002225644A JP 2002225644 A JP2002225644 A JP 2002225644A JP 2001020409 A JP2001020409 A JP 2001020409A JP 2001020409 A JP2001020409 A JP 2001020409A JP 2002225644 A JP2002225644 A JP 2002225644A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スライドドアと車体との間に給電あるいは電
気信号授受のためのハーネスと、このハーネスを内側に
通したハーネスガイドとを有したドアハーネス配索構造
において、構造簡単にして、ハーネスガイドが確実かつ
スムーズに作動できるようにすること。 【解決手段】 先端ピース91と基端ピース93との間
に多数の中間ピース92を連結し、直線状に近い極めて
緩やかに湾曲した延伸状態から略U字状の屈曲状態に変
位し、水平方向の一方に屈曲可能で他方に屈曲不可能に
構成したハーネスガイド9の内側にハーネス7を配索
し、スライドドアに取り付けられたロアローラブラケッ
ト4に、スライドドア開作動開始状態とドア閉作動開始
状態とにおいてハーネスガイド9の先端部分に当接し
て、ハーネスガイド9が逆方向に回動するのを規制する
全開時回動方向ガイド片13bと全閉時回動方向ガイド
片13cとを備えた回動方向ガイドブラケット13を取
り付けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スライドドア装置
に関し、特に、スライドドアに装備された電装品に対し
てスライドドアの開閉状態に関わらずに給電する技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】スライドドアは、それ全体が車体に対し
てスライドするために、スライドドア内に設けられてい
る電気的構成と車体側とを常時接続しようとすると、そ
の接続を行うドアハーネスは、スライドドアと車体との
相対変位を許容するよう構成する必要がある。このた
め、従来は、このようなドアハーネスを用いることな
く、スライドドアを全閉状態としたときのみスライドド
ア側と車体側との接点を結合させてスライドドアと車体
との間で給電やセンサ信号などの電気信号のやり取りを
行うようにしていた。
【0003】しかしながら、このような技術では、スラ
イドドアを僅かに開いただけで、スライドドアに設けら
れている照明やパワーウインドなどの電装品が作動でき
なくなるという不具合があるとともに、近年、スライド
ドアと車体との間においてやり取りを要求される信号の
数が増加して、接点が大型化して接点の設置が困難にな
ってきた。
【0004】そこで、スライドドアと車体との間にドア
ハーネスを配し、常時給電可能としたドアハーネスを用
いた配索技術によりこのような問題を解決することが提
案されている。このような従来技術として、例えば、特
開平10?175483号公報に記載のものが知られて
いる。これは、隣り合うピースどうしを回動可能に連結
してチェーン状に成し、内部にハーネスを収納したハー
ネスガイドを用いて、スライドドアの前後方向の動き
(車体と平行に動く)に追従するように構成されたもの
である。また、上記ハーネスガイドは、その中間部が常
時一定の半径を保ったU字状に屈曲されており、ドア開
閉作動時に、屈曲方向と逆向きの方向へ屈曲させるよう
な動きが発生するおそれはなく、スムーズに作動する構
造となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術にあっ
ては、スライドドアと車体との間に配索するドアハーネ
スのガイドに上記ハーネスガイドを用いる場合、スライ
ドドアが車体に設けられたガイドレールに沿って、車体
前後方向と車幅方向の合成された動きをするため、ハー
ネスガイドがU字状に屈曲された状態から屈曲部の半径
を大きくしたU字状または極めて直線に近い弧の大きな
湾曲状に変化させる必要がある。また、上記のようなハ
ーネスガイドには、隣接するピース間で屈曲可能方向と
逆方向には所定量を超えて回動しないように、互いに当
接する回動規制ストッパ面が形成されているものも知ら
れている。
【0006】しかしながら、ハーネスガイドが屈曲部の
半径大となったU字状、または湾曲状となった状態で
は、上記回動方向規制ストッパ面は当接されていない状
態となって、ストッパ面どうしが離間した状態となって
いる。このため、ハーネスガイドにあっては、ストッパ
面が離間している分だけ、各ピースが相互に前記逆方向
への回動を許容するもので、よって、スライドドアをス
ライド開始させたときに、ハーネスガイドが、屈曲させ
たい方向へスムーズに作動しないおそれがあるという問
題があった。
【0007】本発明は、上述の従来の問題点に着目して
なされたもので、スライドドアと車体との間に給電ある
いは電気信号授受のためのハーネスと、このハーネスを
内側に通したハーネスガイドとを有したドアハーネス配
索構造において、構造簡単にして、ハーネスガイドが逆
方向に回動することなく確実かつスムーズに作動できる
ようにし、さらに、スライド方向に収納スペースを不要
として、スライドドアの開口幅に制約を与えないととも
に、車体構造に対する影響を小さくすることを目的とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明のスライドドアのドアハーネス配索構造
は、車体の側部に設けられたドア開口部(1)を開閉す
るスライドドアが設けられ、隣接するピースどうしを一
方向に回動可能であるとともに逆方向には所定位置で回
動規制されるように連結してチェーン状に形成し、その
内部にドアハーネス(7)を収納したハーネスガイド
(9)が設けられ、このハーネスガイド(9)の基端が
車体側に取り付けられているとともに、先端がスライド
ドア側への取付部材(4)に回動可能に取り付けられ、
スライドドアのドア開作動開始状態とドア閉作動開始状
態との少なくとも一方において前記ハーネスガイド
(9)の先端部分に当接して、前記ハーネスガイド
(9)が前記逆方向に回動するのを規制する回動方向ガ
イド片(13b,13c)が設けられていることを特徴
とする手段とした。
【0009】なお、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のスライドドアのドアハーネス配索構造におい
て、前記回動方向ガイド片(13b,13c)を、前記
取付部材(4)に設けたことを特徴とする。また、請求
項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のスライ
ドドアのドアハーネス配索構造において、車体の側部に
設けられたドア開口部(1)を開閉するスライドドアの
下前部に前記取付部材としてロアローラブラケット
(4)が設けられ、このロアローラブラケット(4)に
設けられたロアローラ(6)をガイドするロアガイドレ
ール(2)が、前記ドア開口部(1)の下部の車体に設
けられ、前記ロアガイドレール(2)の前端部には、ス
ライドドアの全閉直前でスライドドアを車両中央方向に
変位させるよう車両中央方向に湾曲した湾曲部(2a)
が設けられ、前記ロアガイドレール(2)とドア開口部
(1)との間に、ハーネスガイド(9)の移動を許容す
るハーネスガイド用空間(8)が形成されているととも
に、このハーネスガイド用空間(8)において前記湾曲
部(2a)とドア開口部(1)との間には、車体前方ほ
ど広がった前部スペース(8a)が形成され、前記ハー
ネスガイド(9)は、前記ハーネスガイド用空間(8)
に配置され、かつ、基端に設けられている基端ピース
(93)が車体のドア開口部(1)の前後方向の略中央
位置に固定されている一方、先端に設けられている先端
ピース(91)が前記ロアローラブラケット(4)に垂
直支軸(91a)を介して回動可能に取り付けられ、さ
らに、前記基端ピース(93)と先端ピース(91)と
の間に連続して設けられている中間ピース(92)は屈
曲時にU字の内側となる面がスライドドア閉状態で車室
側を向き、スライドドア開状態でドア側を向くよう配設
されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の作用および効果】スライドドア内に設けられて
いる電装部品と車体側とは、ハーネスガイドに内包され
ているドアハーネスを介して接続され、常時、給電や電
気的な信号のやり取りが行われる。ここでスライドドア
を開閉するのに伴って、ハーネスガイドの基端と先端と
が相対変位し、ハーネスガイドがU字状に湾曲したり、
この湾曲を伸ばしたりして、スライドドアと車体との相
対変位を吸収する。
【0011】ここで、本発明にあっては、スライドドア
の開作動開始状態と閉作動開始状態との少なくとも一方
において、ハーネスガイド(9)の先端部分が前記U字
の逆方向に回動しようとしたときには、このハーネスガ
イド(9)の先端部分が回動方向ガイド片(13b,1
3c)に当接して、この逆方向の回動が規制される。し
たがって、ハーネスガイド(9)の作動初期においてそ
の先端部分が逆方向に曲がることがないため、その後、
先端部分に連続して曲がる部分も、先端部分に追従して
前記U字方向に回動し、ハーネスガイド(9)が逆方向
に湾曲することを防止できる。これにより、ハーネスガ
イド(9)の動きがスムーズに行え、ドア開閉作動方向
への追従を無理なく行うことができ、かつ、ガイドレー
ル(2)など他の部品との干渉を防止でき、ハーネスガ
イド(9)の各ピース間には、回動方向を一方向に規制
するストッパ面(92g)を設けているが、この部分に
無理な負荷が加わらず、ハーネスガイドの作動不良や耐
久性を損なうことがない。
【0012】請求項2に記載の発明にあっては、回動方
向ガイド片(13b,13c)はスライドドアの開閉に
伴って取付部材(4)と共に移動し、少なくともスライ
ドドア開作動開始状態あるいは閉作動開始状態で、ハー
ネスガイド(9)の先端部に当接する。したがって、ハ
ーネスガイド(9)の先端部と、回動方向ガイド片(1
3b,13c)の両方が取付部材(4)に設けられてい
ることで、両者の相対位置精度が高く、他部品の作動に
影響を与えないため、極めて容易に設定できる。
【0013】次に、請求項3に記載の発明にあっては、
スライドドアの全閉時には、ハーネスガイド(9)は、
ドア開口部(1)の前後方向略中央に固定されている基
端からロアローラブラケット(4)に取り付けられてい
る先端にかけてほぼ直線に近い大きな弧をした形状ある
いは弧の大きなU字形状である延伸状態で延在されてい
る。
【0014】この全閉状態からスライドドアを開スライ
ドさせると、ロアローラブラケット(4)は、ロアガイ
ドレール(2)の湾曲部(2a)に沿って車外方向へ変
位するとともに後方へ移動し、その後、ロアガイドレー
ル(2)の直線部に沿って後方へ移動する。これに伴っ
てハーネスガイド(9)の先端ピース(91)は、車外
方向へ変位しながら後方へ移動しながら基端ピース(9
3)に対して近付いて行き、さらに基端ピース(93)
に対して後方へ移動するもので、ハーネスガイド(9)
は、先端ピース(91)が基端ピース(93)に近付い
ていくときには、中間ピース(92)が全体で略U字形
状に湾曲し、先端ピース(91)が基端ピース(93)
の位置を通り越して後方へ移動するときには、基端ピー
ス(93)に連続する部分でU字形状を成すとともに、
先端ピース(91)に連続する部分は前後方向に直線的
にならび、その直線状に並ぶ中間ピース(92)の数が
増加するのに連れて、略U字状に湾曲する部分の半径が
徐々に小さくなりながら全体として後方に延在されるこ
とになる。その後、スライドドアが全開状態となると、
ハーネスガイド(9)は、ローラブラケット(4)の前
方に直線状に並ぶとともに、基端ピース(93)よりも
前方に残っている部分のみで略U字状に湾曲する湾曲状
態となる。上述のようにハーネスガイド(9)が延伸状
態と屈曲状態とに形状変化するにあたり、ハーネスガイ
ド(9)の屈曲方向が一方に制限されていることによ
り、確実に繰り返し反復作動を行うことができる。すな
わち、屈曲方向が制限されていない場合、先端ピース
(91)と基端ピース(93)との相対距離が縮まる際
に、ハーネスガイド(9)の中間部が蛇行状態となって
作動不良を起こすおそれがあるが、これを防止して常に
正常に作動することができる。このようにハーネスガイ
ド(9)は、スライドドアの全閉時にはロアローラブラ
ケット(4)よりも後方に配索され、スライドドアの全
開時にはロアローラブラケット(4)の前方に配索され
るため、ハーネスガイド(9)がロアローラブラケット
(4)のスライド方向に存在してそのスライド量を制約
することが無く、スライドドアの開口幅を狭めたり、あ
るいは開口幅を確保した場合に車体側の構造の変更が必
要になったりすることがない。加えて、本発明では、ハ
ーネスガイド(9)が水平方向に変位し、上下方向で変
位しないため、ハーネスガイド用空間(8)の上下方向
寸法を抑えることができ、また、車体に対する上下方向
寸法の制約を抑えて設計自由度の向上を図ることができ
る。
【0015】また、本発明にあっては、先端ピース(9
1)は、スライドドアの全閉時には、ハーネスガイド用
空間(8)の前部スペース(8a)に配置され、車両空
間の有効利用を図ることができ、しかも、先端ピース
(91)を基端ピース(93)からできるだけ離れた位
置に配置して、ハーネスガイド(9)をできるだけ延伸
状態に保ってハーネスガイド(9)が弛むのを防止し
て、スライドドアの開閉時に、ハーネスガイド(9)が
円滑に作動するようにできるとともに、ドア開口幅に対
する寸法上の制約がいっそう生じないようにして、ドア
開口幅を確保することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は実施の形態のスライドド
アのドアハーネス配索構造を示す平面図、図2は同斜視
図である。両図に示すように、いわゆるワンボックスカ
ーと呼ばれる車両などにあっては、車体の側面にドア開
口部1が設けられ、このドア開口部1を開閉するスライ
ドドア(図示省略)が車両前後方向にスライド自在に支
持されている。すなわち、前記ドア開口部1の下部にロ
アガイドレール2が設けられ、また、ドア開口部1の図
外の上部にアッパガイドレール(図示省略)が設けら
れ、ドア開口部1の車両後方の車体側壁3に沿って図外
のリヤガイドレールが設けられ、各ガイドレールにスラ
イド可能なローラを有したローラブラケット(ロアロー
ラブラケット4のみ図示する)が、前記スライドドアの
前端部の下部と上部ならびに後端部の中間部に設けら
れ、これらによりスライドドアがスライド自在に支持さ
れている。
【0017】図において、Fはフロアパネルであって、
前記ドア開口部1の近傍位置においてステップ設置部F
1として切欠かれている。このステップ設置部F1に
は、図2の斜視図に示すように、フロアパネルFの下面
に溶接され、この下面から下方に折曲されてフロアパネ
ルFよりも一段下がって水平に延びるステップパネル上
部基板5aが設けられている。このステップパネル上部
基板5aから一体に下方に折曲されて、さらに一段下が
って水平に延びるステップパネル下部基板5bが設けら
れている。このステップパネル上部基板5a、ステップ
パネル下部基板5bの前後には前縦壁(図示省略)と後
縦壁5dが溶接され、この前縦壁、後縦壁5dは、上部
が前記フロアパネルFに、外側部がドア開口部1の前後
の車体側壁の下部にそれぞれ溶接されている。前記ステ
ップパネル上部基板5aの上面から前記ステップパネル
下部基板5bと間隔を有して側方に水平に延びるステッ
プ板5e(図8)がビス等で固定され設けられている。
前記ステップパネル上部基板5aとステップパネル下部
基板5bとの間に形成されている縦壁5cに前記ロアガ
イドレール2が固定されている。
【0018】なお、図8に示すようにこのロアガイドレ
ール2を転動するロアローラ6が前記ロアローラブラケ
ット4に対して首振りブラケット61を介して回転自在
に取り付けられ、首振りブラケット61が、ロアローラ
ブラケット4に水平方向に揺動自在に支持されている。
また、ロアローラ6は、水平な軸に取り付けられスライ
ドドアの荷重を受ける荷重ローラ6aと、この荷重ロー
ラ6aの前後上部に垂直な軸に取り付けられスライドド
アの車幅方向の動きをガイドするスラストローラ6bと
が設けられている。また、図1,2においてロアローラ
ブラケット4を2カ所に示しているが、これらはそれぞ
れ全閉時(CL)と全開時(OP)との位置を示してい
る。図1,2において21はウェザーストリップであ
る。22はピラーのアウタパネルで、ステップが見える
ように一部を図示し切断してある。23はピラーのイン
ナパネル(図示せず)の下部が溶接される凹部で、ステ
ップが見えるようにピラーインナパネルは省略した。
【0019】前記ロアガイドレール2は、図示のよう
に、前端部には、前方に向かうほど車両中央方向に変位
した湾曲部2aが形成されている。また、前記ロアガイ
ドレール2とドア開口部1との間には、後述するドアハ
ーネス7のハーネスガイド用空間8が確保され、このハ
ーネスガイド用空間8は、ロアガイドレール2が湾曲部
2aにおいて湾曲していることで、前端部において略三
角形状に広がった前部スペース8aが形成されている
(図3参照)。
【0020】前記ハーネスガイド用空間8には、ハーネ
スガイド9が設けられている。このハーネスガイド9
は、ドアハーネス7を内包するもので、多数のピース9
1,92および93を連続的に連結させて図1,2にお
いてAで示す延伸状態から、Bで示す略U字形状の屈曲
状態およびCで示す略J形状の最終屈曲状態に変形可能
に形成されている(詳細については後述する)。
【0021】前記ドアハーネス7は、スライドドアの内
部に設けられているオートクロージャ装置のモータ(図
示省略)やパワーウインドウ装置のモータに電力を供給
する線や、これら装置の作動を制御する線や、これら装
置の作動状態を示す信号を図外のコントローラへ送る線
などの複数の線から構成され、ドア開口部1の後部の車
体側壁3から前記ステップパネル下部基板5b上を通っ
て、ドア開口部1の前後方向の略中央からハーネスガイ
ド9の後述する内側の空間9cを通って、さらに、ロア
ローラブラケット4を通ってスライドドア内へ配索され
ている。また、ステップパネル下部基板5b上に配索さ
れているドアハーネス7は、クランプ7aによりステッ
プパネル下部基板5bに固定されている。なお、このハ
ーネスガイド9、ステップパネル下部基板5b上を通る
ドアハーネス7、ロアガイドレール2は前述したステッ
プ板5eによって配設後、覆われ露出しないため、乗降
に際し踏まれることはない上、美観も良い。
【0022】次に、各詳細について説明する。まず、ハ
ーネスガイド9について説明すると、このハーネスガイ
ド9は、先端ピース91と基端ピース93との間に多数
の中間ピース92を連結させて形成されている。すなわ
ち、中間ピース92は、図4に示すように、中央部に対
向して設けられた2枚の縦片92a,92aと、これら
縦片92a,92aの上下に一体に結合されて上下に対
向して設けられた2枚の略楕円形状の水平片92b,9
2cとを備えている。そして、水平片92b,92cの
一側と他側とは上下に僅かに高さをずらして形成され、
かつ、低い側には垂直方向の回動軸92d,92dが上
下に凸設されている一方、高い側には回動軸92dが挿
通される回動穴92e,92eが形成されている。前記
ハーネスガイド9は、それぞれ中間ピース92の回動軸
92dを隣り合う中間ピース92の回動穴92eに挿通
させることにより図5に示すようにチェーン状に一列に
連続して形成されている。さらに、前記ハーネスガイド
9は、隣り合う中間ピース92における相対回動を一方
に制限することにより、略直線状となる延伸状態から水
平方向の一方にはU字状に湾曲するが、他方には湾曲し
ないように形成されている。すなわち、図4に示すよう
に、各中間ピース92の水平片92b,92cにおい
て、回動穴92eが形成されている側の内面には、回動
規制部92fが凸設され、各中間ピース92を連結した
状態において、この回動規制部92fの側面と、隣り合
う中間ピース92の水平片92b,92cの側端面と
を、それぞれ回動規制ストッパ面92gとして、図にお
いて矢印F方向には相対回動するが、その反対方向の回
動は、両回動規制ストッパ面92gが当接した状態から
それ以上の回動が規制されるよう構成されている。この
ように隣り合う中間ピース92どうしの相対回動が規制
されることにより、全体としては上述したように略直線
状となる延伸状態から水平方向の一方にはU字状に湾曲
するが、他方には湾曲しないように形成されているもの
であり、本実施の形態では、図1,2に示すように、湾
曲可能な方向の側面が延伸状態(A)では車両中央方向
に向け、最終屈曲状態ではU字状に屈曲した部分から先
端ピース91までの部分が車外方向を向くように設置さ
れている。
【0023】そして、前記ハーネスガイド9において最
も基端側には基端ピース93が設けられている。この基
端ピース93は、図6に示すように、左右にそれぞれ略
L字断面形状を成す脚部93aを一体に備え、両脚部9
3aを前記ハーネスガイド用空間8(図1,2参照)の
前後方向略中央部(ドア開口部1の前後方向の略中央)
においてステップパネル下部基板5bの上面にビス止め
により固定され、図8にも示すように、ステップパネル
下部基板5bとの間に間隙L1が設けられ、同様にステ
ップ板5eとの間にも間隙L2が設けられている。ま
た、前記基端ピース93には、ハーネスガイド9の内部
に形成された空間9cへのハーネス挿入開口端となる開
口端93bが形成されている。また、この基端ピース9
3に中間ピース92が取り付けられ、基端ピース93は
中間ピース92との間に、前述した回動規制ストッパ面
92g(図4参照)と同様の構成が設けられて、中間ピ
ース92同士と同様に回動方向が制限されている。
【0024】一方、図7に示すように、ハーネスガイド
9の先端には、先端ピース91が設けられている。この
先端ピース91は、垂直支軸91aが鉛直方向に凸設さ
れているとともに、この垂直支軸91aと同軸に先端に
開口部91bが開口されたドアハーネス用筒91cが上
方に形成されている。また、図8に示すように、前記垂
直支軸91aは、ロアローラブラケット4の先端に固定
されているハーネスガイド取付ブラケット12に形成さ
れた軸穴12aに挿通するとともに、その先端に抜け止
め用のビス95をねじ込んで垂直支軸91aを中心に回
動自在に取り付けられている。なお、前記ドアハーネス
7は、図6に示すように、車体側から基端ピース93の
開口端93bを経てハーネスガイド9の内側の空間9c
に導かれ、図7および図8に示すように、前記先端ピー
ス91のドアハーネス用筒91cから空間9cの外部へ
導き出され、さらに、ロアローラブラケット4の前側部
を通ってロアローラブラケット4の上側に配索されてい
る。また、図8に示すように、前記ロアロアローラ6
は、ロアローラブラケット4に対して首振りブラケット
61を介して水平方向に揺動自在に支持されている。
【0025】次に、ハーネスガイド用空間8における前
記前部スペース8aの周辺の構成について説明する。図
3は前部スペース8aを示す拡大図であるが、ロアロー
ラブラケット4は、スライドドア全閉時に前記前部スペ
ース8aに収容される。この全閉時において、ロアロー
ラブラケット4の先端部の先には、さらに三角空きスペ
ース8bが形成されている。この三角空きスペース8b
は、本実施の形態で示すようなスライドドア装置にあっ
ては、従来からの形成されていたスペースであり、本実
施の形態にあっては、この三角空きスペース8bを有効
利用して前記ハーネスガイド9の先端ピース91の収納
を行うようにしており、前記ハーネスガイド取付ブラケ
ット12は、ロアローラブラケット4の先端において三
角空きスペース8bに突出するように固定され、先端ピ
ース91も図示のように三角空きスペース8bに配置さ
れるよう構成されている。
【0026】また、図示のようにドアハーネス7は、ロ
アローラブラケット4の上面に沿って配索されている
が、ロアローラブラケット4の前端部にあっては、ロア
ローラブラケット4にビス止めされたカバー10により
覆い隠されている。これによりスライドドア開時、ロア
ローラブラケット4が車体外方に突出することによっ
て、ドアハーネス7が露出する位置にあるが、ドアハー
ネス7は、カバー10で覆われ、乗降時踏まれる恐れが
ないように成してある。なお、図1に示すように、この
カバー10の先端から突出するようにチェック爪15が
ロアローラブラケット4に回動可能に取り付けられてい
る。このチェック爪15は、全開状態で、図示のように
チェッカ16と係合して、所定のチェック力を発生さ
せ、図外のドアハンドルと連結されたワイヤがこのチェ
ック爪15に取り付けられ、ドアハンドルを操作するこ
とでチェッカ16から外れるように成されている。
【0027】次に、先端ピース91およびハーネスガイ
ド取付ブラケット12の周辺の構成について詳細に説明
する。図9はこの部分の分解斜視図、図10および図1
1は車体中央側から見た斜視図であって、図10は全閉
状態、図11は全開状態を示している。前記ロアローラ
ブラケット4に固定されているハーネス取付ブラケット
12は、図9に示すように、上側片12b、中間片12
c、下側片12dにより略コの字の断面形状に形成さ
れ、上側片12bは下側片12dに比べて突出されて、
その先端に円形の取付ボルト孔12eが穿設されてい
る。また、前記下側片12dには、円形の軸穴12aが
形成され、また、上側片12bにおいて軸穴12aの上
方位置にはU字形状の切欠部12fが形成されている。
【0028】さらに、前記ハーネスガイド取付ブラケッ
ト12には、回動方向ガイドブラケット13が取り付け
られている。この回動方向ガイドブラケット13は、上
側の支持片13aと、この支持片13aの一端縁から垂
下された全開時回動方向ガイド片13bと、この全開時
回動方向ガイド片13bから横方向に延長された全閉時
回動方向ガイド片13cとを備えている。また、前記支
持片13aには、基端部に大径の支持穴13dが前記軸
穴12aと同軸となるように穿設され、かつ、先端部に
取付ボルト孔12eと同軸となるように小径の取付ボル
ト孔13eが穿設され、さらに、先端縁に回り止め13
fが上方に折曲されている。なお、この回り止め13f
は、ロアローラブラケット4の上に固定された図外の全
開ロックのラッチ取付用ブラケットの側面に当接されて
回り止めを行うが、ロアローラブラケット4に形成した
段部に当接させて回り止めを行うようにしてもよい。こ
の回り止め13fによって回動方向ガイドブラケット1
3はロアローラブラケット4に対し所定の角度を保持し
たまま、動かないようにしているもので、回り止め13
fに替えて複数のボルトでロアローラブラケット4に固
定してもよい。
【0029】そして、前記取付ボルト孔13eおよび取
付ボルト孔12eにボルト14をねじ込み、かつ、前記
先端ピース91のドアハーネス用筒91cを切欠部12
fおよび支持穴13dに挿通させ、さらに、前記垂直支
軸91aを軸穴12aに挿通させることにより、回動方
向ガイドブラケット13が、ハーネスガイド取付ブラケ
ット12、さらにはロアローラブラケット4に固定され
ているとともに、先端ピース91が回動方向ガイドブラ
ケット13およびハーネスガイド取付ブラケット12に
対して相対的に回動可能に支持されている。
【0030】また、前記全閉時回動方向ガイド片13c
は、スライドドアを全閉状態から開作動開始時に、図1
0に示すように、ハーネスガイド9が正規の回動方向と
は逆方向である矢印AA方向に回動しようとしたときに
は先端ピース91およびそれに連続する中間ピース92
の側面が当接して、この逆方向の回動を規制するよう構
成され、かつ、前記全開時回動方向ガイド片13bは、
スライドドアを全開状態から閉作動開始時に、図11に
示すように、ハーネスガイド9が正規の回動方向とは逆
方向である矢印BB方向に回動しようとしたときには先
端ピース91およびそれに連続する中間ピース92の側
面が当接して、この逆方向の回動を規制するよう構成さ
れている。
【0031】次に、実施の形態の作用について説明す
る。 (a)スライドドア全閉時 スライドドアの全閉時には、ハーネスガイド9は、図1
〜図3において(A)に示すように、ドア開口部1の略
中央に固定されている基端ピース93からロアローラブ
ラケット4に取り付けられている先端ピース91にかけ
て屈曲の内側となる部分を車両中央側に向けた直線状に
近い極めて緩やかに略U字状の延伸状態で、ハーネスガ
イド用空間8の前部スペース8a内に延在している。
【0032】この全閉状態において、ハーネスガイド9
は、ロアローラブラケット4の前側に位置することな
く、ロアローラブラケット4の下方あるいは後方に配置
されているとともに、先端ピース91およびハーネスガ
イド取付ブラケット12は、ロアローラブラケット4の
先端に突出して三角空きスペース8bに配置されている
ため、ハーネスガイド9がロアローラブラケット4に対
して閉方向の位置に制約を与えることがなく、ドア開口
部1の開口幅を狭めることがないとともに、ハーネスガ
イド9を収容するにあたり、車体空間を有効に利用して
車体構造に変更を加えること無しに効率的に収容するこ
とができる。
【0033】また、このときハーネスガイド9の先端ピ
ース91およびそれに連続する1または2の中間ピース
92の側面は、全閉時回動方向ガイド片13cに当接あ
るいは近接されている。
【0034】(b)スライドドア開スライド時 次に、スライドドアを上述の全閉状態から開スライドさ
せると、ロアローラブラケット4は、まず、ロアガイド
レール2の湾曲部2aに沿って車外方向へ変位するとと
もに後方へ移動する。これに伴ってハーネスガイド9の
先端ピース91も車外方向へ変位しながら後方へ移動
し、ハーネスガイド9は、図1あるいは図3において
(B)で示すように、中間ピース92が全体で略U字形
状になるとともに、先端ピース91が基端ピース93に
近付くにしたがって湾曲の変形を小さく変形する。この
ようにハーネスガイド9が作動するにあたり、スライド
ドアの開作動開始時には、上述のように先端ピース91
およびそれに連続する1または2の中間ピース92の側
面が、全閉時回動方向ガイド片13cに当接あるいは近
接されているため、ハーネスガイド9が図12において
点線で示すようにU字形状と逆方向に回動しようとして
も、この全閉時回動方向ガイド片13cに当接してこの
逆方向の回動が規制される。このように、ハーネスガイ
ド9が逆方向に回動することがないため、この作動開始
以後のハーネスガイド9の動きがスムーズになって、他
の部品と干渉することがないとともに、ハーネスガイド
9の各ピース91,92,92,93間には、回動方向
を一方向に規制するストッパ面92gを設けているが、
この部分に無理な負荷が加わらず、ハーネスガイド9の
作動不良や耐久性を損なうことがない。
【0035】その後、ロアローラブラケット4が湾曲部
2aを通過した位置からさらに後方に移動すると、先端
ピース91に連続する中間ピース92は、ロアガイドレ
ール2の直線部分に沿って前後方向に直線的に並んで行
き、基端ピース93の位置を通り過ぎると、中間ピース
92の先端ピース91に連続する部分が直線的に並ぶと
ともにU字に湾曲している部分の半径が小さくなってい
き、スライドドアが全開状態となると、ハーネスガイド
9は、図1において(C)で示すように、ごく一部のU
字の湾曲部9uを除いて直線状に後方に延在されること
になる。
【0036】この全開状態において、ハーネスガイド9
は、ロアローラブラケット4の後方に配置される部分が
全く存在せず、その全てが前方側に配置されるため、ド
ア開口部1の開口幅を狭めることがない。
【0037】さらに、この全開状態にあっては、ハーネ
スガイド9の先端ピース91およびそれに連続する1ま
たは2の中間ピース92の側面は、全開時回動方向ガイ
ド片13bに当接あるいは近接されている。したがっ
て、この全開状態からスライドドアを閉じる際の作動初
期において、上記開作動初期と同様に、全開時回動方向
ガイド片13bによりハーネスガイド9が図13におい
て点線で示すようにU字形状と逆方向に回動することが
ない。これにより、その後のハーネスガイド9の動きが
スムーズになって、他の部品と干渉したり、ハーネスガ
イド9に無理な負荷が加わったりするのを防止できる。
なお、全開時にハーネスガイド9の先端部が全開時回動
方向ガイド片13bに当接せずに近接していても、ハー
ネスガイド9が逆方向に湾曲するのを防止することがで
きる。また、この全開状態からスライドドアを全閉状態
とする際には、上述と逆の作動となる。
【0038】以上説明したように、実施の形態にあって
は、スライドドアを全閉から開くとき、ならびに全開か
ら閉じるときの作動初期において、ハーネスガイド9の
先端ピース91およびこれに連続する1または2の中間
ピース92が逆方向に回動しようとしても、全閉時回動
方向ガイド片13cならびに全開時回動方向ガイド片1
3bによりこの逆方向回動を規制されて、必ず正規の方
向に回動するため、これに連続する中間ピース92も正
規の方向に回動してハーネスガイド9が逆方向へ曲がる
ことが規制される。これにより、ハーネスガイド9の動
きがスムーズに行え、ドア開閉作動方向への追従を無理
なく行うことができ、かつ、ロアガイドレール2など他
の部品との干渉を防止でき、ハーネスガイド9の各ピー
ス間には、回動方向を一方向に規制するストッパ面92
gを設けているが、この部分に無理な負荷が加わらず、
ハーネスガイド9の作動不良や耐久性を損なうことがな
い。
【0039】さらに、各回動方向ガイド片13b、13
cはスライドドアの開閉に伴ってロアローラブラケット
4およびハーネスガイド取付ブラケット12と共に移動
し、ハーネスガイド9の先端ピース91の回動中心との
相対位置が常に一定となっている。したがって、各回動
方向ガイド片13b、13cとハーネスガイド9の先端
ピース91との相対位置精度が高く、他部品の作動に影
響を与えないため、両者の位置関係を極めて容易に正規
位置に設定でき、容易に安定した作動を得ることができ
る。
【0040】加えて、ドアハーネス7がハーネスガイド
9に内包されており、かつ、スライドドアの開閉スライ
ドに追従してハーネスガイド9が変形するため、ドアハ
ーネス7による接続を維持することができるとともに、
ドアハーネス7がばらけたり、何かに引っかかって切断
したりすることがない。さらに、上記ハーネスガイド9
は、先端ピース91,基端ピース93および多数の中間
ピース92をつなぎ合わせただけの簡単な構成であり、
従来と比較して、取付作業が容易であるとともに、製造
コストも抑えることが可能となる。また、ハーネスガイ
ド9は、スライドドアの全閉時にはロアローラブラケッ
ト4よりも前方に配置されることがなく、スライドドア
の全開時にはロアローラブラケット4の後方に配置され
ることがないため、ハーネスガイド9がロアローラブラ
ケット4のスライド方向に存在してそのスライド量を制
約するといった不具合が無く、ドア開口部1の開口幅を
狭めたり、あるいは開口幅を確保した場合に車体側の構
造の変更が必要になったりすることがない。加えて、本
発明では、ハーネスガイド9が垂直方向を向いた各軸9
1a,92dを中心に回動することで水平方向に変位
し、上下方向で変位しないため、ハーネスガイド用空間
8の上下方向寸法を抑えることができ、ステップ板の高
さが高くなってしまうことがなく、また、車体に対する
上下方向寸法の制約を抑えて設計自由度の向上を図るこ
とができる。
【0041】さらに、スライドドアの開閉に伴ってハー
ネスガイド9が延伸状態と屈曲状態との間で変位するの
に伴って、ハーネスガイド9の先端ピース91は、ロア
ローラブラケット4に対して垂直支軸91aを中心に回
動し、ドアハーネス7にあっても、先端ピース91から
導き出されている部分と、ロアローラブラケット4に固
定されている部分との間で、相対変位が生じる。しか
し、本実施の形態にあっては、先端ピース91の回動中
心である垂直支軸91aとドアハーネス7がハーネスガ
イド9の空間9cからスライドドアに向けて導き出され
るドアハーネス用筒91cとが軸心を一致させて配置さ
れているために、先端ピース91が回動したときに、先
端ピース91とその開口部91bから導き出されている
部分のドアハーネス7とが一緒に変位して相対変位する
ことがないために、ドアハーネス7に生じる捻れを最小
限に抑えることができる。したがって、ドアハーネス7
の耐久性を向上させることができるという効果が得られ
る。
【0042】加えて、先端ピース91が上述のようにロ
アローラブラケット4に対して回動するにあたり、この
回動は、ロアガイドレール2の湾曲部2aを移動する際
に成されるものであり、すなわち車両中央方向に広がっ
た前部スペース8aにおいて上記回動が成されもので、
余裕を持って回動できて作動性に優れるという効果が得
られる。
【0043】また、ドアハーネス7およびハーネスガイ
ド9の可動部分は、ハーネスガイド9の下方のステップ
パネル下部基板5bならびに上方のステップ板5eに対
してそれぞれ間隙L1,L2を有して配設されているた
め、上述のようにハーネスガイド9が作動した際には、
作動抵抗を受けることがなく、作動性に優れているとと
もに、音などの発生がなく、高い作動品質を得ることが
できるという効果が得られる。
【0044】以上、図面により実施の形態について説明
したが、本発明はこれに限定されるものではない。例え
ば、実施の形態では、全開時回動方向ガイド片13bと
全閉時回動方向ガイド片13cとを設けたが、少なくと
も一方を有していればよい。また、実施の形態では、全
開時回動方向ガイド片13bと全閉時回動方向ガイド片
13cとを取付部材としてのロアローラブラケット4に
固定し、スライドドアを開閉したときにハーネスガイド
9との相対位置関係を一定の関係に保つことができる構
成としたが、これに限定されることはなく、全開時回動
方向ガイド片13bと全閉時回動方向ガイド片13cと
の両方あるいは一方を車体側に固定して、全開状態ある
いは全閉状態で全開時回動方向ガイド片13bあるいは
全閉時回動方向ガイド片13cが、ハーネスガイド9の
先端部と当接あるいは近接するようにしても、ハーネス
ガイド9が通常とは逆方向に曲がるのを防止して、安定
した作動を得ることができる。
【0045】また、ハーネスガイド9は、複数のピース
を連結させて一方に屈曲可能かつドアハーネス7を内包
可能に形成されていれば、その形状は実施の形態で示し
たものに限られない。また、実施の形態では、ハーネス
ガイド9の基端ピース93を設ける位置をドア開口部1
の前後方向略中央としたが、これは、ハーネスガイド9
の長さをできるだけ短くし、更に安価にするためであ
り、ハーネスガイド9の基端ピース93をドア開口部1
の前後方向の略中央よりも後方に設け、ドアハーネス7
をドア開口部1の前後方向の後端からハーネスガイド9
内に内包させても良い。なお、ドアハーネス7,ハーネ
スガイド9をステップパネル下部基板5b上に配した
が、ステップの無い車体では、フロアとサイドシルの間
またはサイドシル内に配しても良い。要はドアハーネス
7,ハーネスガイド9をスライドドアの下前部に設けら
れたロアローラブラケット4に設けられたロアローラ6
をガイドするロアガイドレール2の設けられた位置の車
体部位に設けることで効果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のスライドドアのドアハーネス配索
構造を示す平面図である。
【図2】実施の形態のスライドドアのドアハーネス配索
構造を示す斜視図である。
【図3】実施の形態のスライドドアのドアハーネス配索
構造を示す要部の拡大平面図である。
【図4】実施の形態におけるハーネスガイドの中間ピー
スを示す分解斜視図である。
【図5】実施の形態における中間ピースを示す平面図で
ある。
【図6】実施の形態における基端ピースを示す斜視図で
ある。
【図7】実施の形態における先端ピースを示す斜視図で
ある。
【図8】実施の形態における要部の構成を示す断面図で
ある。
【図9】実施の形態の要部を示す分解斜視図である。
【図10】実施の形態の要部を示す斜視図である。
【図11】実施の形態の要部を示す斜視図である。
【図12】実施の形態の作動を示す説明図である。
【図13】実施の形態の作動を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ドア開口部 2 ロアガイドレール 2a 湾曲部 3 車体側壁 4 ロアローラブラケット 5a ステップパネル上部基板 5b ステップパネル下部基板 5e ステップ板 6 ロアローラ 61 首振りブラケット 7 ドアハーネス 8 ハーネスガイド用空間 8a 前部スペース 8b 三角空きスペース 9 ハーネスガイド 9c 空間 10 カバー 12 ハーネスガイド取付ブラケット 12a 軸穴 12b 上側片 12c 中間片 12d 下側片 12e 取付ボルト孔 12f 切欠部 13 回動方向ガイドブラケット 13a 支持片 13b 全開時回動方向ガイド片 13c 全閉時回動方向ガイド片 13d 支持穴 13e 取付ボルト孔 14 ボルト 15 チェック爪 16 チェッカ 21 ウェザーストリップ 22 アウタパネル 23 凹部 91 先端ピース 91a 垂直支軸 91b 開口部 91c ドアハーネス用筒 92 中間ピース 92a 縦片 92b,92c 水平片 92d 回動軸 92e 回動穴 92f 回動規制部 92g 回動規制ストッパ面 93 基端ピース 93a 脚部 93b 開口端 95 ビス L1,L2 間隙

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の側部に設けられたドア開口部
    (1)を開閉するスライドドアが設けられ、 隣接するピースどうしを一方向に回動可能であるととも
    に逆方向には所定位置で回動規制されるように連結して
    チェーン状に形成し、その内部にドアハーネス(7)を
    収納したハーネスガイド(9)が設けられ、 このハーネスガイド(9)の基端が車体側に取り付けら
    れているとともに、先端がスライドドア側への取付部材
    (4)に回動可能に取り付けられ、 スライドドアのドア開作動開始状態とドア閉作動開始状
    態との少なくとも一方において前記ハーネスガイド
    (9)の先端部分に当接して、前記ハーネスガイド
    (9)が前記逆方向に回動するのを規制する回動方向ガ
    イド片(13b,13c)が設けられていることを特徴
    とするスライドドアのドアハーネス配索構造。
  2. 【請求項2】 前記回動方向ガイド片(13b,13
    c)は、前記取付部材(4)に設けられていることを特
    徴とする請求項1に記載のスライドドアのドアハーネス
    配索構造。
  3. 【請求項3】 車体の側部に設けられたドア開口部
    (1)を開閉するスライドドアの下前部に前記取付部材
    としてロアローラブラケット(4)が設けられ、 このロアローラブラケット(4)に設けられたロアロー
    ラ(6)をガイドするロアガイドレール(2)が、前記
    ドア開口部(1)の下部の車体に設けられ、 前記ロアガイドレール(2)の前端部には、スライドド
    アの全閉直前でスライドドアを車両中央方向に変位させ
    るよう車両中央方向に湾曲した湾曲部(2a)が設けら
    れ、 前記ロアガイドレール(2)とドア開口部(1)との間
    に、ハーネスガイド(9)の移動を許容するハーネスガ
    イド用空間(8)が形成されているとともに、このハー
    ネスガイド用空間(8)において前記湾曲部(2a)と
    ドア開口部(1)との間には、車体前方ほど広がった前
    部スペース(8a)が形成され、 前記ハーネスガイド(9)は、前記ハーネスガイド用空
    間(8)に配置され、かつ、基端に設けられている基端
    ピース(93)が車体のドア開口部(1)の前後方向の
    略中央位置に固定されている一方、先端に設けられてい
    る先端ピース(91)が前記ロアローラブラケット
    (4)に垂直支軸(91a)を介して回動可能に取り付
    けられ、さらに、前記基端ピース(93)と先端ピース
    (91)との間に連続して設けられている中間ピース
    (92)は屈曲時にU字の内側となる面がスライドドア
    閉状態で車室側を向き、スライドドア開状態でドア側を
    向くよう配設されていることを特徴とする請求項1また
    は2に記載のスライドドアのドアハーネス配索構造。
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