JP2002224903A - 多層被覆工具 - Google Patents

多層被覆工具

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JP2002224903A
JP2002224903A JP2001023821A JP2001023821A JP2002224903A JP 2002224903 A JP2002224903 A JP 2002224903A JP 2001023821 A JP2001023821 A JP 2001023821A JP 2001023821 A JP2001023821 A JP 2001023821A JP 2002224903 A JP2002224903 A JP 2002224903A
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film
zirconium
carbonitride
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JP2001023821A
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Toshio Ishii
敏夫 石井
Yuzo Fukunaga
有三 福永
Shiro Okayama
史郎 岡山
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Moldino Tool Engineering Ltd
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Hitachi Tool Engineering Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】従来に比して膜の耐摩耗性や耐クラック性及び
耐酸化性が優れており、格段に工具寿命の優れる炭窒酸
化チタンジルコニウム膜を有する被覆工具を提供するこ
とにある。 【構成】炭窒酸化チタンジルコニウム層と窒化チタン層
とからなる複層構造の層を単位層、或いは/及び炭窒酸
化チタンジルコニウム層と窒酸化チタン層とからなる複
層構造の層を単位層とし、前記単位層を工具基体上に少
なくとも1単位層以上被覆してなることを特徴とする多
層被覆工具である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削工具や耐摩工
具等として用いる被覆工具に関するものであり、より詳
しくは、工具基体表面上に、周期律表の4a、5a、6
a族金属並びにアルミニウムの炭化物、窒化物、炭窒化
物、炭酸化物、窒酸化物、炭窒酸化物のうち、いずれか
二種以上の層からなる多層膜を有し、該多層膜の中に炭
窒酸化チタンジルコニウム膜及び窒化チタン膜或いは窒
酸化チタン膜を少なくともそれぞれ一層以上有する多層
被覆工具に関する。
【0002】
【従来の技術】超硬合金、高速度鋼、或いは特殊鋼など
からなる工具基体の表面に、単層又は多層の硬質皮膜を
施した被覆工具は、皮膜の耐摩耗性と基体の強靭性とを
兼ね備えているため、広く実用に供されている。特に、
高速で切削する場合や切削液を用いずに旋削加工する場
合には、切削工具の刃先温度が1000℃前後にまで達
するため、高温環境下における被削材との接触による摩
耗や断続切削等の機械的衝撃に耐える必要があり、耐摩
耗性と靭性の両特性に優れた被覆工具が常用されてい
る。
【0003】一般に、被覆工具の硬質皮膜としては、耐
摩耗性及び靭性に優れることが要求されるため、周期律
表の4a、5a、6a族金属の炭化物、窒化物又は炭窒
化物からなる膜が用いられており、また耐酸化性に優れ
る酸化アルミニウム膜なども用いられている。これらの
硬質皮膜は、良く知られているように、CVD法或いは
PVD法により成膜される。PVD法は多数の元素を含
有する膜を比較的容易に成膜できるという特徴を有する
が、CVD法により成膜した皮膜に比べて、基体と膜の
間、及び皮膜相互間の密着性が劣るという欠点がある。
これに対して、CVD法は、化学反応を用いて成膜する
ために多数の元素を含有する膜を成膜することが困難で
あるという欠点はあるが、600〜1050℃の高温で
成膜するために、膜の密着性が高いこと、高い温度で使
用しても膜特性の劣化が少ないこと、などの特徴があ
る。
【0004】このため、切削加工時に刃先が比較的高い
温度まで上昇する旋削工具等の皮膜としては、CVD法
で成膜されたTiC、TiN、TiCN、Al
などが実用化されているにすぎない。これら実用化され
ている皮膜のうち、TiC、TiN、TiCN膜は、常
温で測定したビッカース硬度Hvが約3200、210
0、2700と非常に硬く、耐摩耗性に優れているた
め、旋削用工具の皮膜として多用されている。しかし、
これらの膜、例えばTiCN膜などは、刃先の温度が1
000℃を越える高温域に達すると、硬度が落ちるとと
もに酸化しやすく、膜中にクラックが入って結晶粒が脱
落するなど、工具寿命が劣る欠点がある。
【0005】これら皮膜の特性を改善したものとして、
例えば、TiCN層のX線回折における最高ピーク強度
を示す面を規定したもの(特開平6−158324号公
報、特開平6−158325号公報及び特開平7−62
542号公報)や、膜中の塩素の含有量を規定したもの
(特開平7−100701号公報)等が提案されてお
り、本願出願人も膜厚や組織等を特定したものを提案し
た(特許第2660180号)。
【0006】また、これらTiC、TiN、TiCN膜
の特性を改善するために、(Ti、Al)N、(Ti、
Zr)N、(Ti、Zr)C等、二種類以上の金属成分
を含有した膜が検討されている。しかしながら、これら
二種類以上の金属成分を含有する公知の膜は、いずれも
スパッタ法やイオンプレーティング法等のPVD法又は
プラズマCVD法により成膜されたものであり、成膜温
度が低いために、膜の密着性に問題がある。また、膜の
硬度が低く、耐摩耗性にも問題がある。
【0007】一方、熱CVD法で成膜することにより、
引張残留応力を有するZr含有膜を得て密着性を改善す
ることが、特開平1−252305号公報、特開平5−
177412号公報、特開平5−177413号公報等
に開示され提案されている。しかし、これら公報に開示
された発明における膜は、ZrC膜、ZrN膜、ZrC
N膜、ZrCO膜、ZrCNO膜であり、いずれも金属
成分がZrのみからなるCVD膜である。ZrC膜等の
ように金属元素がZr単独からなる膜の硬度は、室温に
おける膜硬度が低い。このため、湿式切削又は低速切削
などのように、刃先温度が比較的低い温度で使用される
ような場合においては、耐摩耗性が劣る欠点がある。
【0008】また、複数の金属成分、例えばTiとZr
の両者を含有する膜として、特開平3−267361号
公報により、プラズマCVD法により成膜した(Ti、
Zr)N膜が開示されている。しかし、公知のプラズマ
CVD法を用いた成膜方法では、前述したように成膜温
度が低いことに起因する問題があり、また、膜中に塩素
が残留し、膜の硬度が低くなって工具としての耐摩耗性
が劣るという欠点がある。また、この公報記載の発明に
おいては、基板にアルミナ板を用いており、基板自体の
靭性が低いために、工具として使用した時に欠落を生じ
易く、切削耐久特性に問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記従
来技術における被覆工具の欠点を解決するため、金属成
分としてチタン及びジルコニウムを含有する硬質膜、例
えば(Ti、Zr)CN膜等において、特定の条件を満
たした場合には、高温においても膜硬度が急激に低下せ
ず、膜の密着性と耐摩耗性に優れた膜を実現できること
を見いだし、先に特願平11−182622号及び特願
平11−355004号として出願し、当該技術を開示
した。
【0010】なお、被覆工具において旧来より用いられ
ている炭窒化チタン膜等の耐摩耗性を改善するために、
炭窒化チタンジルコニウム等の膜を工具基体上に被覆す
る方法が最近提案された(特表平11−510856
号)。この方法は、少なくとも2種の金属元素を含む炭
窒化物膜を、CN化合物ガスを用いてCVD法で被覆す
る方法である。しかし、本発明者等が当該公報記載の技
術に従い再現検討した結果では、得られた炭窒化チタン
ジルコニウム膜は結晶粒径が大きく、工具としての耐摩
耗性や耐チッピング性が必ずしも満足できるものではな
かった。
【0011】本発明は、上記本願発明者らが先に提案し
た発明、すなわち、金属成分としてチタン及びジルコニ
ウムを含有する硬質膜に係る発明を更に発展させ、耐摩
耗性、耐チッピング性、高温硬度等に優れ、工具寿命の
永い被覆工具を提供することを課題とするものである。
すなわち、これらの実状を踏まえ本発明が解決しようと
する課題は、従来に比して膜の耐摩耗性や耐クラック性
及び耐酸化性が優れており、格段に工具寿命の優れる炭
窒酸化チタンジルコニウム膜を有する被覆工具を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述したような従来の発
明は、いずれも、チタンの炭窒化物層やチタンジルコニ
ウムの炭窒化物層自体にのみ着目し、それらを改善した
内容のものが多い。本願発明者らは、個々の膜の特性改
善を検討するとともに膜相互の関連性についても検討し
た結果、高温耐摩耗性と耐クラック性とが優れ結晶粒径
が小さい炭窒酸化チタンジルコニウム膜と、耐酸化性が
優れた窒化チタン膜或いは窒酸化チタン膜とを組み合わ
せることにより、両者の特徴を併せ持つとともに耐クラ
ック性をより一層高めることができることを見出し、本
発明を完成した。
【0013】すなわち、本発明は、工具基体表面上に、
周期律表の4a、5a、6a族金属並びにアルミニウム
の炭化物、窒化物、炭窒化物、炭酸化物、窒酸化物、炭
窒酸化物の層のうち、いずれか二種以上の層からなる多
層膜を有し、前記多層膜の中に、炭窒酸化チタンジルコ
ニウム層と窒化チタン層とからなる複層構造の層を単位
層、或いは/及び炭窒酸化チタンジルコニウム層と窒酸
化チタン層とからなる複層構造の層を単位層とし、前記
単位層を工具基体上に少なくとも1単位層以上含有して
いることを特徴とする多層被覆工具である。
【0014】本発明の多層被覆工具は炭窒酸化チタンジ
ルコニウム層と窒化チタン層とからなる複層構造の単位
層や、炭窒酸化チタンジルコニウム層と窒酸化チタン層
とからなる複層構造の単位層をそれぞれ単独で含有する
だけではなく、これらの両単位層を混合して含有してい
てもよい。
【0015】本発明によれば、超硬合金やサーメット、
高速度鋼、特殊鋼等からなる周知の工具基体を用い、少
なくとも一単位層、好ましくは二単位層以上の複合構造
の層を含むように多層膜を構成することにより、優れた
工具寿命を持つ多層被覆工具が得られる。その理由は明
確ではないが、高温耐摩耗性と耐クラック性とが優れ結
晶粒径が小さい炭窒酸化チタンジルコニウム膜と、耐酸
化性が優れた窒化チタン膜或いは窒酸化チタン膜とを組
み合わせることにより高温耐摩耗性と耐クラック性、及
び耐酸化性のいずれもがバランス良く優れ、更に、単位
層における外側の膜中に発生したクラックが両膜の境界
領域で遮断されて膜厚方向に伝搬し難くなることによっ
て、より一層耐クラック性が向上し、優れた工具寿命を
持つ被覆層が得られるものと考えられる。
【0016】本発明において、前記炭窒酸化チタンジル
コニウム層と窒化チタン層、或いは前記炭窒酸化チタン
ジルコニウム層と窒酸化チタン層とからなる複層構造の
単位層は、多層膜中に少なくとも一単位層以上存在する
必要があるが、二単位層以上を含有している多層被覆膜
であることが好ましく、三単位層以上を含有しているこ
とが最も好ましい。こうすることにより、炭窒酸化チタ
ンジルコニウム層と窒化チタン層或いは窒酸化チタン層
との間でクラックが膜厚方向に走りにくくなるため、耐
クラック性が更に向上して、更に良好な工具寿命を持つ
被覆層が得られる効果があると考えられる。
【0017】また、本発明において、少なくとも一つの
単位層における窒化チタン層或いは窒酸化チタン層は、
炭窒酸化チタンジルコニウム層の上に成膜されているこ
とが好ましい。工具摩耗が進行しても、耐酸化性に富む
窒化チタン層或いは窒酸化チタン層が外側に存在するこ
とにより、内層の酸化を防止するとともに耐クラック性
も良好であるなど、両層の特徴がより顕著に現れる効果
がある。
【0018】本発明において、上記単位層における炭窒
酸化チタンジルコニウム層と窒化チタン層或いは窒酸化
チタン層は、その膜厚比(炭窒酸化チタンジルコニウム
層/窒化チタン層或いは炭窒酸化チタンジルコニウム層
/窒酸化チタン層)を0.5〜100の範囲とするのが
良く、好ましくは1〜50の範囲とする。膜厚比が、
0.5未満や100を越えると複層構造の多層とする効
果が少なく、耐クラック性が低下する。好ましい範囲で
は、耐クラック、耐酸化性、及び耐摩耗性のバランスが
特に良くなり、優れた工具特性を得ることが出来る。
【0019】本発明において、複層構造の単位層を構成
する炭窒酸化チタンジルコニウム層と窒化チタン層或い
は窒酸化チタン層の間に、炭化チタン、炭窒化チタン、
窒化チタンアルミニウム、炭化ジルコニウム、窒化ジル
コニウム、炭窒化ジルコニウム等の薄層を挿入し、両層
間の密着性等を更に高めることも有効である。
【0020】本発明において、前記複層構造を構成する
単位層の少なくとも一組の単位層の、或いは一組の単位
層を構成する炭窒酸化チタンジルコニウム膜の、膜中の
ジルコニウム含有量は0.3〜50質量%含有されてい
ることが好ましい。膜中にジルコニウムが0.3〜50
質量%含有されていることにより、ジルコニウム含有に
よる効果、すなわち、良好な耐熱特性や高温高硬度が得
られる。0.3質量%未満ではジルコニウム含有の効果
が小さく、50質量%を越えるとTiC膜やTiCN膜
に比べて常温での膜硬度が低下し、結果的に切削耐久特
性が低下する傾向が現れる。また、ジルコニウムが1〜
40質量%含有されている場合には、更に良好な耐熱特
性や高温高硬度が得られるので、より好ましいジルコニ
ウム含有量は1〜40質量%である。更にまた、ジルコ
ニウムが5〜30質量%含有されている場合には、ジル
コニウム含有膜の最も良好な耐熱特性や高温高硬度の特
徴が現れ、最も良好な切削耐久特性が得られるので、ジ
ルコニウムの含有量を5〜30質量%の範囲とするのが
最も好ましい。ジルコニウムの含有量は、後述する製造
方法において、原料ガス中のジルコニウム供給ガス(例
えば、ZrClなど)の濃度を適宜調整し、膜中のジ
ルコニウム量を最適化すること等により調整することが
できる。
【0021】また本発明において、前記複層構造を構成
する単位層の少なくとも一組の単位層の、或いは一組の
単位層を構成する炭窒酸化チタンジルコニウム膜の、膜
中の酸素含有量は0.05〜10質量%であることがよ
り望ましい。膜中に、酸素が0.05〜10質量%含有
されている場合には、炭窒酸化チタンジルコニウム膜の
面指数が(422)又は(311)であるX線回折ピー
クの強度が高まり、膜の柱状晶形態が強くなるとともに
膜表面の平均結晶粒径が小さくなり、より優れた切削耐
久特性が得られる。酸素の含有量が0.05質量%未満
では酸素含有の効果が比較的小さい。一方、10質量%
を越えると常温での膜硬度が低下し、結果的に切削耐久
特性が低下する傾向があらわれる。また、酸素が0.3
〜5質量%含有されている場合は、炭窒酸化チタンジル
コニウム膜の上記特徴が更に強くあらわれる。更にま
た、酸素が0.3〜3質量%含有されている場合には、
炭窒酸化チタンジルコニウム膜の上記の特徴が最も顕著
にあらわれ、最も良好な切削耐久特性が得られる。従っ
て、より好ましい酸素含有量は0.3〜5質量%であ
り、最も好ましい酸素含有量は0.3〜3質量%の範囲
である。
【0022】ここで、作製した炭窒酸化チタンジルコニ
ウム層単独の、又は炭窒酸化チタンジルコニウム層と窒
化チタン層或いは窒酸化チタン層とから成る単位層の、
ジルコニウム含有量や酸素含有量は研磨済みの膜断面を
エネルギー分散形X線分析装置(EDX)を用いて測定
することにより測定できる。一般の測定に用いられる走
査型電子顕微鏡(SEM)に付属のEDX測定装置の測
定領域は約2μm弱と大きいため、炭窒酸化チタンジル
コニウム層の厚さが約2μm以上の時は炭窒酸化チタン
ジルコニウム層単独の膜中のジルコニウム含有量や酸素
含有量を測定できるが、炭窒酸化チタンジルコニウム層
の膜厚が約2μm未満であるときは膜単独のジルコニウ
ム含有量や酸素含有量を測定することは難しい。この時
は、EDXの測定範囲を、測定する多層膜領域の幅×長
さを10μmに広げることにより、多層膜領域全体の平
均ジルコニウム量や平均酸素量を測定することが出来、
これを用いて単位層を構成する膜厚比で案分することに
より炭窒酸化チタンジルコニウム層単独のジルコニウム
含有量や酸素含有量を計算することができる。また、こ
の場合も、透過型電子顕微鏡(TEm)を用いることに
よって各膜単独のジルコニウム含有量や酸素含有量を分
析することができる。
【0023】炭窒酸化チタンジルコニウム膜や窒酸化チ
タン膜を成膜する時に用いる酸化炭素ガスは、C
、Cなど公知のガスも使用可能であるが、
COガス又はCOガス或いはこれらの混合ガスを用い
ることが好ましい。これらのガスを用いることにより、
、Cなど、他の酸化炭素ガスを用いた場
合よりも、安価かつ工業的に安定して酸素が供給出来で
きる利点がある。また、膜中の酸素量は、後述する製造
方法等において、原料ガス中のCO、COなどの酸素
供給ガスの濃度を最適化することにより調整することが
でき、結晶配向性の高い微細な柱状組織の優れた工具寿
命を得るための、最適な条件を設定することができる利
点がある。
【0024】また本発明において、前記複層構造単位層
の中の少なくとも一つの炭窒酸化チタンジルコニウム層
は、(422)面又は(311)面からの等価X線回折
強度比PRが最大であることが好ましい。こうすること
により、前記炭窒酸化チタンジルコニウム層が高い結晶
性を持つとともに、耐摩耗性と靭性とが更に優れること
になり良好な工具寿命が得られる。このような膜は、炭
窒酸化チタンジルコニウム層の成膜条件を最適化するこ
とによって成膜できる。例えば、炭窒酸化チタンジルコ
ニウム層の成膜温度が700〜950℃の温度範囲であ
るときは、(422)面及び(311)面の等価X線回
折強度比PRが大きくなる。950℃を越えるような高
温では(220)面や(111)面の等価X線回折強度
比PRが大きくなる傾向にある。
【0025】また本発明において、前記複層構造単位層
を構成する少なくとも一つの炭窒酸化チタンジルコニウ
ム層は、その膜厚方向に細長い柱状組織を持つことが好
ましい。炭窒酸化チタンジルコニウム層の結晶粒界が膜
厚方向に細長く連続することで結晶粒の粗大化が防止で
き良好な工具寿命が得られる。このような炭窒酸化チタ
ンジルコニウム層を成膜するには、例えば、850〜9
50℃で、また、原料ガスとして、好ましくは有機CN
化合物ガス、チタンのハロゲン化ガス、ジルコニウムの
ハロゲン化ガスを用いて、熱CVD法により成膜するこ
とにより製造できる。
【0026】また、また本発明において、前記複層構造
単位層の中の少なくとも一単位の単位層がチタンの炭窒
化物層又はチタンの炭窒酸化物層の直上に形成されてい
ることが好ましい。こうすることにより、前記複層構造
単位層の中の炭窒酸化チタンジルコニウム層は(42
2)面又は(311)面からの等価X線回折強度比PR
が最大になり易くなるとともに、膜厚方向に細長い柱状
組織を持ちやすくなる。この結果、前記炭窒酸化チタン
ジルコニウム層が高い結晶性を持つとともに、結晶粒の
粗大化が防止でき、耐摩耗性と靭性とが更に優れること
になりさらに良好な工具寿命が得られる。
【0027】炭窒酸化チタンジルコニウムのX線回折
は、炭窒酸化チタンジルコニウムの膜組成に近い物質の
JCPDSファイル(Powder Diffraction File Publis
hed by JCPDS International Center for Diffraction
Data)のデーターを用いて同様の方法で測定するものと
する。すなわち、後述する実施例等においては、炭窒酸
化チタンジルコニウムのX線回折はJCPDSファイル
に記載がないため、TiCとTiNのX線回折データー
(JCPDSファイルNo.29−1361とNo.3
8−1420)及び本発明例を実測して得たX線回折パ
ターンから求めた表1の面指数と2θ値を基準にして同
定した。
【0028】
【表1】
【0029】ここでX線回折パターンはX線源にCuK
α1線(λ=0.15405nm)を用い、試料の工具
表面平坦部の皮膜部分を測定面として、2θ−θ走査法
により2θ=10〜145°の範囲で測定する。バック
グランドは装置に内蔵されたソフトにより除去した。ま
た、炭窒酸化チタンジルコニウムの格子定数が0.42
〜0.44nmの範囲で変動するため、表1の2θ値を
基準にして測定したX線回折ピークに現れているTi
C、TiN、WC(JCPDSファイルNo.25−1
047)等のピークとの位置関係も考慮して炭窒酸化チ
タンジルコニウムのX線回折ピークを決定した。
【0030】等価X線回折強度比PR(hkl)は炭窒
酸化チタンジルコニウムの(hkl)面からのX線回折
ピーク強度を定量的に評価するために次式により定義し
た。この値は表1に記載された等方粒子のX線回折ピー
ク強度I0(hkl)に対する実測した皮膜のX線回折
ピーク強度I(hkl)の相対強度を示している。PR
(hkl)値が大きい程(hkl)面からのX線回折ピ
ーク強度が他のX線回折ピーク強度よりも強く、皮膜の
(hkl)面が基体と平行方向に強く配向していること
を示している。
【0031】
【式1】
【0032】ここで、Σは(111)、(200)、
(220)、(311)、(222)、(422)、
(420)、(511)の8個の(hkl)で和を取る
ことを示している。
【0033】本発明の被覆工具において、上記炭窒酸化
チタンジルコニウム層や窒化チタン層、或いは窒酸化チ
タン層は(Ti、Zr)(C、N、O)やTiN、Ti
(N、O)に限るものではない。これらの成分に例えば
Cr、Ta、Nb、Zr、Hf、Mg、Y、Si、Bを
単独又は複数組み合わせて各元素を0.3〜10質量%
添加した層でも良い。0.3質量%未満ではこれらを添
加する効果が現れず、10質量%を超えると炭窒酸化チ
タンジルコニウム層や窒化チタン層、或いは窒酸化チタ
ン層の特徴が弱くなる欠点が現れる。また、上記層には
本発明の効果を消失しない範囲でW、Co等の不純物を
例えば数質量%程度まで含むことが許容される。
【0034】また、本発明の被覆工具において、上記複
層構造の単位層の下地膜はチタンの炭窒化物膜やチタン
の炭窒酸化物膜に限るものではなく、例えば、下地膜と
して炭化チタン膜や窒化チタン膜、炭化ジルコニウム
膜、窒化ジルコニウム膜、炭窒化ジルコニウム膜を用い
ることができる。
【0035】更に、本発明の被覆工具において、前記複
層構造の単位層は、必ずしも最外層膜である必要はな
い。例えば、さらにその上にα型酸化アルミニウム膜、
κ型酸化アルミニウム膜、酸化ジルコニウム膜、或いは
これらの複合膜、更にその上にチタン化合物(例えば、
窒化チタン膜や炭窒化チタン膜及びその多層膜)やジル
コニウムの化合物(例えば、窒化ジルコニウムや炭化ジ
ルコニウム、炭窒化ジルコニウム及びその多層膜)等を
被覆してもよい。
【0036】また、本発明の多層被覆工具において、前
記複層構造の単位層は、熱CVD法により成膜されたも
のであり、膜の残留応力が引張応力であることが好まし
いが、プラズマCVD法或いはアークイオンプレーティ
ング法等のPVD法によってもよい。但し、プラズマC
VD法で成膜すると膜中の塩素量が2質量%を越えると
膜硬度と耐摩耗性が低下し、工具寿命が低下する欠点が
現れ易い。また、PVD法で成膜すると膜の残留応力が
圧縮応力になるとともに膜の下地に対する密着性が低下
し、膜が剥離しやすくなり、工具寿命が低下する欠点が
現れやすい。
【0037】
【発明の実施の態様】以下、本発明の多層被覆工具を、
実施例等によって具体的に説明するが、これら実施例に
より本発明が限定されるものではない。
【0038】(実施例1)WC:72質量%、TiC:
8質量%、(Ta、Nb)C:11質量%、Co:9質
量%の組成よりなる超硬合金製スローアウェイチップ上
に、熱CVD法により成膜温度900℃で厚さ0.4μ
mの窒化チタン膜をまず形成した。続いて、成膜温度8
50℃、TiClガス:1.5vol%、CHCN
ガス:1.0vol%、Nガス:45vol%、残り
キャリヤーガスで構成された原料ガスを毎分600
0mlだけCVD炉内に流し、成膜圧力:5.0kPa
で厚さ1μmの炭窒化チタン膜を成膜した。次に、Ti
Clガス1.5vol%、ZrClガス1.5vo
l%、CHCNガス1.0vol%、COガスとCO
ガスの混合ガスを0.5〜2.5vol%、Nガス
45vol%、残Hキャリヤーガスで構成された原料
ガスを毎分6000mlだけCVD炉内に流し、成膜圧
力5.0kPa、成膜温度800〜950℃の範囲で変
化させた条件で反応させることによりTiとZr、C、
N、Oからなる炭窒酸化チタンジルコニウム膜を成膜し
た。続いて、原料ガスをTiClガス:1.2vol
%、Nガス:35vol%、残りHキャリヤーガス
で構成された原料ガスを毎分4000mlだけCVD炉
内に流し、成膜圧力:12kPa、成膜温度を850〜
1000℃の範囲で変化させた条件で反応させることに
より窒化チタン膜を成膜した。この炭窒酸化チタンジル
コニウム層と窒化チタン層とを一組とする複層構造を単
位層として、1組〜23組の複層構造単位層を積層し
て、全厚が7μmの炭窒酸化チタンジルコニウム層と窒
化チタン層とからなる多層膜を成膜した。なお、炭窒酸
化チタンジルコニウム層と窒化チタン層との膜厚比をお
よそ6:1に保ちながら、全膜厚が7μmになるよう
に、成膜する組数が1組から23組へと多くなるにつれ
て、炭窒酸化チタンジルコニウム層と窒化チタン層両者
の成膜時間を均等に短縮した。
【0039】図1は、表3に示す本発明例、試料番号1
2の炭窒酸化チタンジルコニウム層と窒化チタン層とか
ら成る単位層を主層にして構成された複層構造の皮膜部
破断面を、走査電子顕微鏡により撮影したものである。
図1から、本発明例、試料番号12の単位層皮膜を構成
する炭窒酸化チタンジルコニウム層と窒化チタン層は、
膜厚方向に細長い柱状組織を持ち、炭窒酸化チタンジル
コニウム層と窒化チタン層との結晶粒界が膜厚とほぼ垂
直方向に連続していることがわかる。
【0040】作製した炭窒酸化チタンジルコニウム層
の、又は炭窒酸化チタンジルコニウム層と窒化チタン層
とから成る単位層の、酸素含有量は研磨済みの膜断面を
エネルギー分散形X線分析装置(EDX)を用いて測定
した。炭窒酸化チタンジルコニウム層の厚さが約2μm
以上(試料番号14〜23)の時は炭窒酸化チタンジル
コニウム層単独の膜中の酸素量を測定した。炭窒酸化チ
タンジルコニウム層の膜厚が約2μm未満(試料番号1
〜13)であるときは、EDXの測定範囲を多層膜の厚
さ×長さ10μmに広げて多層膜全体の平均酸素量を測
定するようにした。
【0041】図2は試料番号12の工具表面平坦部にお
ける皮膜部分のX線回折パターン測定結果である。図2
のX線回折パターンから求めた本発明例の炭窒酸化チタ
ンジルコニウム膜の、各ピークの2θ値とX線回折強度
及び各2θ値から求めた格子定数を表2にまとめて示
す。
【0042】
【表2】
【0043】図3は、図2より求めた試料番号12の炭
窒酸化チタンジルコニウム膜の各(hkl)面の等価X
線回折強度比PR(hkl)をまとめて示したものであ
る。本試料の等価X線回折強度比PRは(422)面が
最大であり、次いで(311)が大きいことがわかる。
【0044】得られた多層被覆工具について、炭窒酸化
チタンジルコニウム層と窒化チタン層とからなる複層構
造単位層の単位数(組数)、炭窒酸化チタンジルコニウ
ム層の組織、単位層又は炭窒酸化チタンジルコニウム層
単独の酸素量、炭窒酸化チタンジルコニウム層の等価X
線回折強度比PRが最大である面、及び連続切削寿命を
表3にまとめて示す。炭窒酸化チタンジルコニウム層中
のジルコニウム含有量は約10質量%であった。
【0045】
【表3】
【0046】上記のようにして得られた本発明の多層被
覆工具を用いて、以下の条件で連続切削を行い、被覆工
具の工具寿命を評価した。 被削材:SCM435(HS38) 切削速度:300m/分 送り:0.25mm/rev 切り込み:1.5mm 乾式切削 ここで、切削状況を2分間隔で調べ、平均逃げ面摩耗量
が0.35mm、境界摩耗が0.5mmのどれかに達し
た時間を連続切削寿命と判断し、これを工具寿命とし、
その結果も表3に併記する。
【0047】表3より、本発明例の多層被覆工具は、い
ずれも連続切削寿命が10分以上と長く優れていること
がわかる。また、表3中の、炭窒酸化チタンジルコニウ
ム層単独又は単位層中の平均酸素量が1〜2%である本
発明による多層被覆工具を注目すると、膜中のジルコニ
ウム量や酸素量がほぼ同じであっても、複層構造の単位
層が1組のものよりも2組のものの工具寿命が長く優れ
ており、さらには3組以上のものがさらに優れているこ
とがわかる。即ち、試料番号23と試料番号22とを比
較すると単位数が1組から2組に増えることにより連続
切削寿命は10分から16分へと1.6倍長くなり、更
に単位層が3組(試料番号16)になると連続切削寿命
が22分と更に1.4倍長くなりさらに優れていること
がわかる。そして、単位層が4組(試料番号13)、8
組(試料番号12)、10組(試料番号11)、16組
(試料番号4)と組数が増えるに連れて、連続切削寿命
が24分、26分、28分、30分と長くなっている。
なお、組数が10組以上では連続切削寿命も飽和してい
く傾向が見られるが、これは全膜厚を7μmに限定して
おり、組数が増えるに連れて単位層の膜厚が薄くなって
行くためと考えられる。全膜厚に対して最適な単位数の
範囲があることがわかる。
【0048】表3中、3組の単位層から成る試料(試料
番号14〜21、膜厚が厚く炭窒酸化チタンジルコニウ
ム層単独の酸素量が測定できる)を注目すると、炭窒酸
化チタンジルコニウム層中の酸素の含有量が10.6質
量%の時は連続切削寿命が16分であるのに対して、
0.05〜10質量%の時は連続切削寿命が18分以上
と長くなり、炭窒酸化チタンジルコニウム層中の酸素の
含有量が0.3〜5質量%の時は、連続切削寿命が20
分以上と更に長くなり、酸素含有量が0.3〜3質量%
の時には、連続切削寿命が22分以上と最も長くなり、
切削耐久特性が最も優れていることがわかる。また、表
3中、16組の単位層から成る試料(試料番号2〜9)
では多層膜中の酸素の含有量が9.3質量%(炭窒酸化
チタンジルコニウムと窒化アルミニウムとの膜厚比が約
6:1であることから炭窒酸化チタンジルコニウム層単
独に換算すると約10.3質量%に対応する)の時は連
続切削寿命が20分であるのに対して、多層膜中の酸素
の含有量が0.05〜8.8質量%(同0.05〜9.
8質量%に対応する)の時は連続切削寿命が24分以上
と長くなり、酸素含有量が0.3〜4.4質量%(同
0.3〜4.9質量%に対応する)の時は連続切削寿命
が28分以上とさらに長くなり、酸素含有量が0.3〜
2.5質量%(同、約0.3〜2.8質量%に対応す
る)の時には、連続切削寿命が30分以上と最も長くな
り、切削耐久特性が最も優れていることがわかる。すな
わち、本発明被覆工具においては、炭窒酸化チタンジル
コニウム層に酸素を含有させることが必須であるが、そ
の含有量は0.05〜10%質量であることが好まし
く、より好ましくは0.3〜5質量%とする。また、最
も優れた特性を得るためには、炭窒酸化チタンジルコニ
ウム層の酸素を0.3〜3質量%の範囲にするのが最も
望ましい。
【0049】更に、比較のため、比較例24として、本
願発明者らが先に提案した炭窒酸化チタンジルコニウム
単層を有するものとを比較するために、実施例1と同じ
ように、切削工具用超硬合金からなる基体上に厚さ0.
4μmの窒化チタン膜を成膜し、次いで厚さ1μmの炭
窒化チタン膜、厚さ6μmの炭窒酸化チタンジルコニウ
ム単層を成膜した。また、比較例25として、本発明の
複層構造を窒化チタン単層に置き換えた試料を作製し
た。切削工具用超硬合金からなる基体上に厚さ0.4μ
mの窒化チタン膜、1μmの炭窒化チタン膜、厚さ6μ
mの窒化チタン膜を成膜することにより、比較例25を
製作した。比較例26として、酸素を全く含有していな
い例、即ち炭窒化チタンジルコニウム層である時とを比
較するために、実施例1と同じように、切削工具用超硬
合金からなる基体上に厚さ0.4μmの窒化チタン膜、
厚さ1μmの炭窒化チタン膜、炭窒化チタンジルコニウ
ム層と窒化チタン層とを一組とする複層構造を一単位層
として、3組の複層構造単位層を積層して、全膜厚が約
7μmの炭窒化チタンジルコニウム層と窒化チタン層と
からなる比較例26を作製とした。比較例24〜26と
実施例1で行った同一の条件で連続切削試験を行った結
果を表3に併記する。
【0050】先ず、比較例24と本発明例1とは膜の酸
化あるいは膜中にクラックが発生したためか、摩耗が急
速に進行し、連続切削寿命は6分であった。本発明例2
3の試料(単位数が1組)は連続切削寿命が10分と比
較例24よりも約1.7倍長く、炭窒酸化チタンジルコ
ニウム層と窒化チタン層とから成る単位層を1組以上被
覆している本発明例の工具寿命が、炭窒酸化チタンジル
コニウム単層を被覆している比較例24よりも約1.7
倍優れていることがわかった。次に、比較例25の試料
を用いて実施例1と同一の条件で連続切削試験を行った
結果、比較例25の試料は膜の硬度が低いためか摩耗が
急激に進み、連続切削寿命が4分であり、本発明例より
も工具寿命が劣ることがわかった。本発明例23の試料
は連続切削寿命が10分と比較例25よりも約3倍長
く、炭窒酸化チタンジルコニウム層と窒化チタン層から
成る単位層を1組以上被覆している本発明例の工具寿命
が、窒化チタン単層を被覆している比較例25よりも約
3倍優れていることがわかった。更に、比較例26は膜
の柱状晶形態が弱く耐クッラク性が相対的に劣るためか
摩耗が進行し、連続切削寿命は12分であった。これに
対して、単位数が3組と比較例26と同じであるにもか
かわらず、本発明例14の試料(酸素量0.05質量
%)は連続切削寿命が18分と約1.5倍長く、炭窒酸
化チタンジルコニウム層と窒化チタン層とから成る単位
層を被覆している本発明例の工具寿命が、酸素を含有し
ない炭窒化チタンジルコニウム層と窒化チタン層とから
成る単位層を被覆している比較例26の試料よりも工具
寿命が約1.5倍以上優れていることがわかった。
【0051】(実施例2)本発明例における炭窒酸化チ
タンジルコニウム層のZrの含有量による影響を明らか
にするため、実施例1と同じ切削工具用超硬合金基体の
表面に、厚さ0.4μmの窒化チタン膜を成膜した後、
厚さ1μmの炭窒化チタン膜を成膜した。次いでその直
上に、TiClガス0.3〜2.5vol%、ZrC
ガス0.3〜2.5vol%、CHCNガス0.
6〜5vol%、COガスとCOガスの混合ガスを
1.0vol%、Nガス25〜45vol%、残H
キャリヤーガスで構成された原料ガスを毎分5500m
lだけCVD炉内に流し、成膜圧力2.7k〜13.3
kPa、成膜温度800〜950℃の範囲で変化させた
条件で反応させることにより所定の厚さのTiとZr、
C、N、Oからなる様々な炭窒酸化チタンジルコニウム
膜を成膜した。続いて、原料ガスをTiClガス:
1.2vol%、Nガス:35vol%、COガスと
COガスの混合ガスを1.0vol%、残りHキャ
リヤーガスで構成された原料ガスを毎分4000mlだ
けCVD炉内に流し、成膜圧力:12kPa、成膜温度
850〜1000℃の範囲で変化させた条件で反応させ
ることにより窒酸化チタン膜を成膜した。この炭窒酸化
チタンジルコニウム層と窒酸化チタン層とを一組とする
複層構造を一単位層として、3組の複層構造単位層を積
層して、全厚が7μmの炭窒酸化チタンジルコニウム層
と窒酸化チタン層とからなる多層膜を成膜し、試料番号
27〜37とした。この試料番号27〜37のものにつ
いての炭窒酸化チタンジルコニウム層の組織、Zr含有
量、酸素含有量、X線回折強度比PRの最大面、切削寿
命を表4に示す。炭窒酸化チタンジルコニウム層の酸素
含有量はいずれも1〜2質量%であった。また、比較の
ため、炭窒酸化チタンジルコニウム層がジルコニウムを
全く含有していない、即ち炭窒酸化チタン層である例と
して、基体上に厚さ0.4μmの窒化チタン膜、厚さ1
μmの炭窒化チタン膜、炭窒酸化チタン層と窒酸化チタ
ン層とを一組とする複層構造を一単位層として、3組の
複層構造単位層を積層して、全厚が7μmの炭窒酸化チ
タン層と窒酸化チタン層とからなる比較例38を作製
し、その結果も表4に併記する。
【0052】
【表4】
【0053】表4中、ジルコニウムの含有量が0.3〜
50質量%(試料番号28〜36)の時は連続切削寿命
が18分以上と長く、1〜40質量%(試料番号29〜
35)の時は連続切削寿命が20分以上と更に長くな
り、5〜30質量%(試料番号30〜34)の時には連
続切削寿命が22分以上と最も長くなり、最も切削耐久
特性が優れていることがわかる。すなわち、本発明被覆
工具においては、炭窒酸化チタンジルコニウム層にジル
コニウムを含有させることが必須であるが、その含有量
は0.3〜50%質量であることが好ましく、より好ま
しくは1〜40質量%とする。また、最も優れた特性を
得るためには、炭窒酸化チタンジルコニウム層中のジル
コニウム量を5〜30質量%の範囲にするのが最も望ま
しい。
【0054】比較例38と実施例1と同一の条件で連続
切削試験を行った結果、比較例38の試料は膜の硬度が
相対的に低いためか摩耗が進行し、連続切削寿命は10
分であった。これに対して、単位数が3組と比較例26
と同じであるにもかかわらず、実施例2中の試料番号2
7(Zr量0.1質量%)は、連続切削寿命が16分と
比較例26よりも約1.6倍長く、炭窒酸化チタンジル
コニウム層と窒酸化チタン層とから成る単位層を被覆し
ている本発明例の工具寿命がジルコニウムを含有しない
炭窒酸化チタン層と窒酸化チタン層とから成る単位層を
被覆している比較例38の試料よりも工具寿命が約1.
6倍以上優れていることがわかった。
【0055】(実施例3)本発明例とし、炭窒酸化チタ
ンジルコニウム層と窒酸化チタン層との単位層からなる
多層膜の工具寿命への影響を明らかにするため、実施例
1と同じ切削工具用超硬合金基体に、厚さ0.4μmの
窒化チタン膜を成膜した後、厚さ1μmの炭窒化チタン
膜を成膜した。次いでその直上に、実施例1の試料番号
2〜9と同じ条件で炭窒酸化チタンジルコニウム層を成
膜し、続いて、原料ガスをTiClガス:1.2vo
l%、Nガス:35vol%、COガスとCOガス
の混合ガスを1.0vol%、残りHキャリヤーガス
で構成された原料ガスを毎分4000mlだけCVD炉
内に流し、成膜圧力:12kPa、成膜温度850〜1
000℃の範囲で変化させた条件で反応させることによ
り窒酸化チタン膜を成膜した。この炭窒酸化チタンジル
コニウム層と窒酸化チタン層とを一組とする複層構造を
一単位層として、16組の複層構造単位層を積層して、
全厚が7μmの炭窒酸化チタンジルコニウム層と窒酸化
チタン層とからなる多層膜を成膜し、試料番号39〜4
7とした。この試料番号39〜47のものについての炭
窒酸化チタンジルコニウム層の組織、酸素含有量、X線
回折強度比PRの最大面、切削寿命を表5に示す。いず
れも炭窒酸化チタンジルコニウム層中のジルコニウム含
有量は約10質量%であった。また、比較のため、比較
例52として、本発明の複層構造を窒酸化チタン単層に
置き換えた試料も作製した。比較例52は、実施例3と
同じように、切削工具用超硬合金からなる基体上に厚さ
0.4μmの窒化チタン膜を成膜し、厚さ1μmの炭窒
化チタン膜を成膜し、膜厚6μmの窒酸化チタン膜を成
膜して製作した。
【0056】
【表5】
【0057】表5より、本発明による多層被覆工具は、
いずれも連続切削寿命が10分以上と長く優れているこ
とがわかる。また、表5中、16組の単位層から成り、
多層膜中の酸素の含有量が0.05〜10質量%である
試料(番号39〜46)の連続切削寿命は24分以上と
長く、0.3〜5質量%(試料番号40〜44)の時
は、連続切削寿命が28分以上と更に長くなり、酸素含
有量が0.3〜3質量%(試料番号40〜42)の時に
は、連続切削寿命が30分以上と最も長くなり、切削耐
久特性が最も優れていることがわかる。すなわち、本発
明被覆工具においては、炭窒酸化チタンジルコニウム層
に酸素を含有させることが必須であるが、その含有量は
0.05〜10%質量であることが好ましく、より好ま
しくは0.3〜5質量%とする。また、最も優れた特性
を得るためには、炭窒酸化チタンジルコニウム層の酸素
を0.3〜3質量%の範囲にするのが最も望ましい。
【0058】また、表5中の、炭窒酸化チタンジルコニ
ウム層単独または単位層中の平均酸素量が1〜2%であ
る本発明による多層被覆工具を注目すると、実地例1と
同様に、膜中のジルコニウム量や酸素量がほぼ同じであ
っても、複層構造の単位層が1組のものよりも2組のも
のの工具寿命が長く優れており、さらには3組以上のも
のがさらに優れていることがわかる。また、比較例52
は膜の硬度が低いためか摩耗が急激に進み、連続切削寿
命が4分であった。本発明例よりも工具寿命が劣ること
がわかった。実施例3中の試料番号51(単位数が1
組)は、連続切削寿命が10分と比較例52よりも約3
倍長く、炭窒酸化チタンジルコニウム層と窒酸化チタン
層から成る単位層を1組以上被覆している本発明例の工
具寿命が、窒化チタン単層を被覆している比較例25よ
りも約3倍優れていることがわかった。
【0059】(実施例4)本発明例における炭窒酸化チ
タンジルコニウム層と窒化チタン層とからなる複層構造
の単位層が、炭窒酸化チタン層の直上に形成されている
ときの工具寿命への影響を明らかにするため、実施例1
と同じ切削工具用超硬合金基体に、厚さ0.4μmの窒
化チタン膜を成膜した後、続いて、TiClガスを
1.5vol%、CHCNガスを2.0vol%、C
OガスとCOガスの混合ガスを1.0vol%、N
ガスを45vol%、残Hキャリヤーガスで構成され
た原料ガスを毎分5500mlだけCVD炉内に流し、
圧力6.6kPa、成膜温度850℃の条件で、厚さ1
μmの炭窒酸化チタン膜を成膜した。次いでその直上
に、実施例1の試料番号4と同じ条件で炭窒酸化チタン
ジルコニウム層と窒化チタン層とから成る単位層を16
組、全厚が7μmの皮膜を成膜し、試料番号53とし
た。また、試料番号44と同じ成膜条件で超硬合金基体
に、厚さ1.4μmの窒化チタン膜を成膜した後、炭窒
酸化チタン膜や炭窒化チタン膜を成膜することなく、直
接、実施例1の試料番号4と同じ条件で炭窒酸化チタン
ジルコニウム層と窒化チタン層とから成る単位層を16
組、全厚が7μmの皮膜を成膜し、これを試料番号54
とした。この試料番号53、54の炭窒酸化チタンジル
コニウム層の組織、ジルコニウム含有量、酸素含有量、
X線回折強度比PRの最大面、連続切削寿命を表6にま
とめて示す。
【0060】
【表6】
【0061】表6と実施例1の試料番号4とより、本発
明例の、単位層が窒化チタン膜の直上に形成されている
試料番号54の連続切削寿命20分に比べて、試料番号
53や炭窒化チタン層の例である試料番号4の直上に形
成されている場合、連続切削寿命が32分、30分と長
く連続切削寿命がさらに優れていることがわかる。
【0062】(実施例5)本発明例の炭窒酸化チタンジ
ルコニウム層と窒化チタン層とからなる複層構造の単位
層における炭窒酸化チタンジルコニウム層が、膜厚方向
に細長い柱状組織と粒状組織である場合との工具寿命へ
の影響を明らかにするため、実施例1と同じ切削工具用
超硬合金基体に、厚さ0.4μmの窒化チタン膜を成膜
した後、厚さ1μmの炭窒化チタン膜を成膜した。次
に、成膜温度1000℃、TiClガス:1.5vo
l%、ZrClガス:1.5vol%、CHガス
2.5vol%、Nガス:45vol%、COガスと
COガスの混合ガス:1.0vol%、残りHキャ
リヤーガスで構成された原料ガスを毎分6000mlだ
けCVD炉内に流し、成膜圧力:5.0kPaで炭窒酸
化チタンジルコニウム層を成膜した。続いて、成膜温度
1000℃、TiClガス:1.2vol%、N
ス:35vol%、残りHキャリヤーガスで構成され
た原料ガスを毎分4000mlだけCVD炉内に流し、
成膜圧力:12kPaで窒化チタン層を成膜した。この
炭窒酸化チタンジルコニウム層と窒化チタン層とからな
る複層構造の層を1組の単位層として、16組の単位層
からなり全厚が7μmの炭窒酸化チタンジルコニウム層
と窒化チタン層からなる皮膜を成膜し、試料番号55と
した。
【0063】この試料の炭窒酸化チタンジルコニウム層
の組織は粒状であり、ジルコニウム含有量は10%、酸
素含有量は1.6%、X線回折強度比PRの最大面は
(220)であり、連続切削寿命は18分であった。試
料番号55と実施例1の試料番号4とを比較すると、炭
窒酸化チタンジルコニウム層と窒化チタン層とからなる
複層構造の単位層における炭窒酸化チタンジルコニウム
層が膜厚方向に細長い柱状組織を持つ場合(試料番号
4、連続切削寿命30分)の方が、細長い柱状組織を持
たない場合(試料番号55、連続切削寿命18分)より
連続切削寿命が約1.7倍長く優れていることがわか
る。
【0064】(実施例6)本発明において、単位層を構
成する炭窒酸化チタンジルコニウム層の等価X線回折強
度比PRが最大を示す面の相違による影響を調べるた
め、複層構造の単位層のうち、炭窒酸化チタンジルコニ
ウム層を成膜するときの成膜温度を、980℃(試料番
号56)、1000℃(試料番号57)、1020℃
(試料番号58)に変化させた以外は、実施例1と同じ
方法で、16組の単位層を持つ本発明被覆工具を作製し
た。得られた試料番号56〜58の炭窒酸化チタンジル
コニウム層の組織、ジルコニウム含有量、酸素含有量、
X線回折強度比PRの最大面、連続切削寿命を表7にま
とめて示す。
【0065】
【表7】
【0066】表7から、本発明の単位層における炭窒酸
化チタンジルコニウム層の等価X線回折強度比PRが、
(422)面または(311)面が最大であるときのほ
うが、(111)面及び(220)面が最大であるとき
よりも連続切削寿命が長く優れていることがわかる。ま
た、(111)面が最大である方が(220)面が最大
であるときよりも連続切削寿命が長く優れていることも
わかる。
【0067】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、従来に
比して膜の耐酸化性や耐クラック性および耐摩耗性がバ
ランス良く優れ、格段に工具寿命の優れる炭窒酸化チタ
ンジルコニウム層と窒化チタン層あるいは窒酸化チタン
層を有する多層被覆工具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の多層被覆工具のセラミック材
料の組織を示す顕微鏡写真の一例を示す。
【図2】図2は、本発明の多層被覆工具のX線回折パタ
ーンの一例を示す。
【図3】図3は本発明の多層被覆工具の炭窒酸化チタン
ジルコニウム膜の等価X線回折強度比PRの一例を示す
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C046 FF03 FF10 FF11 FF16 4K030 AA03 AA09 AA14 AA17 AA18 BA18 BA22 BA38 BA41 BB12 CA03 FA10 JA06 JA20 LA22

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭窒酸化チタンジルコニウム層と窒化チタ
    ン層とからなる複層構造の層を単位層、或いは/及び炭
    窒酸化チタンジルコニウム層と窒酸化チタン層とからな
    る複層構造の層を単位層とし、前記単位層を工具基体上
    に少なくとも1単位層以上被覆してなることを特徴とす
    る多層被覆工具。
  2. 【請求項2】請求項1記載の多層被覆工具において、上
    記複層構造の少なくとも一つの単位層が、炭窒酸化チタ
    ンジルコニウム層の上に窒化チタン層或いは窒酸化チタ
    ン層を形成して構成されていることを特徴とする多層被
    覆工具。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の多層被覆工具におい
    て、上記複層構造の少なくとも一組の単位層の、或いは
    一組の単位層を構成する炭窒酸化チタンジルコニウム膜
    の、ジルコニウム含有量が0.3〜50質量%であるこ
    とを特徴とする被覆工具。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の多層被
    覆工具において、上記複層構造の少なくとも一組の単位
    層の、或いは一組の単位層を構成する炭窒酸化チタンジ
    ルコニウム膜の、膜中酸素含有量が0.05〜10質量
    %であることを特徴とする被覆工具。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載の多層被
    覆工具において、上記単位層のなかの少なくとも一つの
    炭窒酸化チタンジルコニウム層は、(422)面又は
    (311)面からの等価X線回折強度比PRが最大であ
    ることを特徴とする多層被覆工具。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載の多層被
    覆工具において、上記単位層における少なくとも一つの
    炭窒酸化チタンジルコニウム層が膜厚方向に細長い柱状
    組織を有することを特徴とする多層被覆工具。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のいずれかに記載の多層被
    覆工具において、少なくとも一つの上記単位層がチタン
    の炭窒化物層又はチタンの炭窒酸化物層の直上に形成さ
    れていることを特徴とする多層被覆工具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004099463A2 (de) * 2003-05-07 2004-11-18 Kennametal Widia Produktions Gmbh & Co. Kg Werkzeug und verfahren zur cvd-abscheidung einer zweiphasigen schicht auf einem substratkörper
US7431998B2 (en) 2003-05-07 2008-10-07 Kennametal Widia Produktions Gmbh & Co. Kg Tool and method for the chemical vapor deposition of a two-phase layer on a substrate member

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WO2004099463A3 (de) * 2003-05-07 2005-01-06 Kennametal Widia Gmbh & Co Kg Werkzeug und verfahren zur cvd-abscheidung einer zweiphasigen schicht auf einem substratkörper
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