JP2002223586A - 電動機駆動装置の動作状態解析方法及び装置 - Google Patents

電動機駆動装置の動作状態解析方法及び装置

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JP2002223586A
JP2002223586A JP2001019310A JP2001019310A JP2002223586A JP 2002223586 A JP2002223586 A JP 2002223586A JP 2001019310 A JP2001019310 A JP 2001019310A JP 2001019310 A JP2001019310 A JP 2001019310A JP 2002223586 A JP2002223586 A JP 2002223586A
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Junji Okamoto
純二 岡本
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Keyence Corp
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  • Tests Of Circuit Breakers, Generators, And Electric Motors (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンピュータを利用することにより、電動機
駆動装置の動作状態の解析を詳細かつ容易に行い、効果
的な対策を決定するまでに要する時間を短縮する。 【解決手段】 電動機の同期速度、電圧、電流等の複数
のデータを電動機駆動装置からモニタし、所定時間離れ
た2つの解析ポイントにおける複数のデータのモニタ値
を抽出する(ステップ#101)。2つの解析ポイント
の一方から他方へのモニタ値の変化が増加、減少又は一
定のいずれであるかを複数のデータのそれぞれについて
判定し(ステップ#102〜105)、複数のデータの
モニタ値の変化にしたがって、あらかじめ記憶された解
析マトリクスを参照することにより動作状態を特定する
(ステップ#106〜107)。特定された動作状態に
対応する原因及び対策の説明を、あらかじめ記憶された
データベースから抽出して表示する(ステップ#108
〜109)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動機の負荷の変
動等に起因して電動機駆動装置の動作状態が変化したと
きに、その原因及び対策をユーザに提示する電動機駆動
装置の動作状態解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】工場等において、多くの機器や設備の動
力源として電動機とその駆動装置が使用されている。例
えば三相誘導電動機の駆動装置として汎用インバータと
呼称される電動機駆動装置が使用される。
【0003】図6は、電動機駆動装置(汎用インバー
タ)の一例を示す正面図である。この電動機駆動装置5
0は、制御盤内の例えばDINレールに取り付けられ
る。電動機駆動装置50の下部には、三相誘導電動機に
接続される電気ケーブルが接続される端子台51が設け
られている。上部には、負荷(電動機)の状態や電流等
を表示するバーグラフLED52と、動作状態や設定値
等の情報を数値表示する4桁7セグメントLED53と
が設けられている。
【0004】4桁7セグメントLED53の下には、電
動機の起動及び停止の指示、及び、制御パラメータの設
定を行うための複数の押釦スイッチ54が設けられ、そ
の右には、設定に用いられるダイヤル55が設けられて
いる。電動機駆動装置50のユーザは、これらの押釦ス
イッチ54及びダイヤル55を用いて、制御パラメータ
の設定を行う。
【0005】また、押釦スイッチ54の下に、外部機器
との通信を行うための通信ケーブルを接続するモジュラ
ージャック56が設けられている。例えば、外部機器と
してパーソナルコンピュータを接続することにより、パ
ーソナルコンピュータを用いて制御パラメータの設定を
行うことができる。パーソナルコンピュータの表示装
置、キーボード、マウス等を用いて設定を行えば、上述
のようにインバータ50の限られた押釦スイッチ54や
ダイヤル55、そして4桁7セグメントLED53を用
いて設定を行う場合に比べて容易に設定操作を行うこと
ができる。
【0006】電動機駆動装置の制御パラメータの設定に
は、多くの知識と経験を必要とする。つまり、電動機駆
動装置のユーザは、負荷特性の分析、駆動方式の特徴
等、多岐にわたる技術的な項目を把握した上で、適切な
パラメータの値を設定しなければならない。
【0007】電動機の負荷特性の分析を行うためには、
複雑に組み合わせられた機械仕様の要素ごとに方程式を
作成して計算を行う必要がある。この分析によって求め
られた負荷特性に応じて、電動機駆動装置の容量選定、
駆動設定を行った後、実機試験を行うことになる。
【0008】負荷特性の分析結果に誤りがある場合は、
実機試験において何らかの問題が発生する場合が多い。
電源等の変動要因に起因する問題が実機試験において発
生することもある。実機試験において問題が発生した場
合は、同期速度、実速度、電流、電圧等のデータから電
動機の動作状態を解析し、問題の所在とその対策を明ら
かにする必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、同期速
度、電動機実速度、電流、電圧等の個別データから電動
機の動作状態を解析し、問題の所在を特定することは非
常に困難である。このため、実際には、熟練者の知識と
経験を頼りにピックアップした複数の対策を試行錯誤的
に実施することが多い。この場合、複数の対策を順番に
試す必要があるので、効果的な対策を決定するまでに多
くの時間を費やすことになる。
【0010】本発明は、上記のような従来の実情に鑑み
て為されたものであり、コンピュータを利用することに
より、電動機駆動装置の動作状態の解析を詳細かつ容易
に行い、効果的な対策を決定するまでに要する時間を短
縮することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による電動機駆動
装置の動作状態解析方法は、電動機駆動装置の動作状態
が変化したときに、その原因及び対策をユーザに提示す
る電動機駆動装置の動作状態解析方法であって、電動機
の少なくとも同期速度、電圧及び電流を含む複数のデー
タを電動機駆動装置からモニタし、所定時間離れた2つ
の解析ポイントにおける複数のデータのモニタ値を抽出
し、2つの解析ポイントの一方から他方へのモニタ値の
変化が増加、減少又は一定のいずれであるかを複数のデ
ータのそれぞれについて判定し、複数のデータのモニタ
値の変化にしたがって、あらかじめ記憶された解析マト
リクスを参照することにより動作状態を特定し、特定さ
れた動作状態に対応する原因及び対策の説明を、あらか
じめ記憶されたデータベースから抽出して表示すること
を特徴とする。
【0012】このような電動機駆動装置の動作状態解析
方法によれば、異常が生じたときの電動機駆動装置の動
作状態の解析をコンピュータの処理によって詳細かつ容
易に行うことができる。したがって、効果的な対策を決
定するまでに要する時間が従来に比べて大幅に短縮され
【0013】好ましくは、上記の動作状態解析方法が、
複数のデータのモニタ値を所定の期間にわたって記憶す
るステップと、各データのモニタ値が任意に設定された
上限値又は下限値を超えたときに、異常が発生したと判
断するステップと、異常が発生したと判断した時点から
遡って2つの解析ポイントを設定するステップとを更に
備えている。これにより、異常の発生の検出から解析結
果及び対策の提示までを自動的に行うことができる。
【0014】また、本発明による電動機駆動装置の動作
状態解析装置は、電動機の少なくとも同期速度、電圧及
び電流を含む複数のデータを電動機駆動装置からモニタ
するための通信装置と、所定時間離れた2つの解析ポイ
ントにおける複数のデータのモニタ値を抽出し、2つの
解析ポイントの一方から他方へのモニタ値の変化が増
加、減少又は一定のいずれであるかを複数のデータのそ
れぞれについて判定し、複数のデータのモニタ値の変化
にしたがって、あらかじめ記憶された解析マトリクスを
参照することにより動作状態を特定し、特定された動作
状態に対応する原因及び対策の説明を、あらかじめ記憶
されたデータベースから抽出する処理装置と、複数のデ
ータのモニタ値の変化を表示すると共にデータベースか
ら抽出された説明を表示するための表示装置と、解析マ
トリクス及びデータベースが記憶された記憶装置とを備
えていることを特徴とする。
【0015】上記の動作状態解析装置は、複数のデータ
のモニタ値を所定の期間にわたって記憶する記憶装置を
更に備え、処理装置は、各データのモニタ値が任意に設
定された上限値又は下限値を超えたときに、異常が発生
したと判断し、その時点から遡って2つの解析ポイント
を設定することを特徴とする。なお、モニタ値を所定の
期間にわたって記憶する記憶装置は、上記の解析マトリ
クス及びデータベースが記憶された記憶装置を兼用して
もよいし、別のものであってもよい。
【0016】本発明によるコンピュータ読み取り可能な
記録媒体は、電動機駆動装置の動作状態が変化したとき
に、その原因及び対策をユーザに提示する処理をコンピ
ュータに実行させるためのものであって、電動機の少な
くとも同期速度、電圧及び電流を含む複数のデータを電
動機駆動装置からモニタするステップと、所定時間離れ
た2つの解析ポイントにおける複数のデータのモニタ値
を抽出するステップと、2つの解析ポイントの一方から
他方へのモニタ値の変化が増加、減少又は一定のいずれ
であるかを複数のデータのそれぞれについて判定するス
テップと、複数のデータのモニタ値の変化にしたがっ
て、あらかじめ記憶された解析マトリクスを参照するこ
とにより動作状態を特定するステップと、特定された動
作状態に対応する原因及び対策の説明を、あらかじめ記
憶されたデータベースから抽出して表示するステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録し
た記憶媒体である。
【0017】このようなコンピュータ読み取り可能な記
録媒体を用いることにより、上記のような電動機駆動装
置の動作状態解析方法を実現するためのプログラムを例
えばパーソナルコンピュータにインストールして、上記
のような動作状態解析装置を容易に実現することができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0019】図1は、本発明の実施形態に係る電動機駆
動装置の動作状態解析装置の概略構成を示すブロック図
である。動作状態解析装置10は、表示装置11、キー
ボード12、マウス13、通信装置14、処理装置1
5、主メモリ16、固定ディスク装置17、及びリムー
バブルディスク装置18を備えている。
【0020】表示装置11は、CRT(陰極線管)、L
CD(液晶ディスプレイ)等で構成され、電動機の同期
速度、実速度、電流、電圧等のモニタや動作状態の解析
結果の表示等に用いられる。キーボード12及びマウス
13は、各種コマンド及びデータの入力に用いられる。
【0021】通信装置14は、動作状態解析装置10が
通信ケーブル20を介して電動機駆動装置21との間で
データ伝送を実行する際に用いられる。電動機駆動装置
21は、従来技術の説明で例示した電動機駆動装置50
と同等のものである。動作状態解析装置10と電動機駆
動装置21との通信は、RS232Cシリアル通信によ
って行われる。ただし、RS232Cシリアル通信に限
らず、USBやIEEE1394等の通信インターフェ
イスを用いることも可能である。有線による通信に限ら
ず、ブルートゥース(Bluetooth)等の無線方
式の通信インターフェイスを用いてもよい。
【0022】処理装置15は、いわゆるCPU(中央処
理ユニット)であり、後述するプログラムにしたがっ
て、電動機駆動装置21の動作状態を解析するための処
理等を実行する。動作状態解析装置10の全体の制御に
ついても、処理装置15が主として司る。主メモリ16
は半導体メモリであり、処理装置15が実行するプログ
ラムのロード、各種データの一時記憶等に用いられる。
【0023】固定ディスク装置17は、プログラムやデ
ータの保存に用いられる。電動機駆動装置21の動作状
態を解析するための処理に用いられる状態解析マトリク
スや解析結果の説明等のデータベースも固定ディスク装
置17にあらかじめ記憶される。リムーバブルディスク
装置18は、主としてプログラムのインストール、デー
タのバックアップ等に用いられ、使用される記録媒体1
9として、光ディスク、光磁気ディスク、フレキシブル
ディスク、メモリカード等を挙げることができる。
【0024】上記のような動作状態解析装置10は、一
般的なコンピュータシステム(特に、パーソナルコンピ
ュータシステム)と専用のアプリケーションプログラム
(動作状態解析ソフトウェア)によって構成することが
できる。動作状態解析ソフトウェアは、例えばCD−R
OMのような記録媒体19に記録されて提供され、リム
ーバブルディスク装置18を介して固定ディスク装置1
7にインストールされる。あるいは、通信装置を介して
接続された他のコンピュータ又はネットワークのサーバ
から動作状態解析ソフトウェアをダウンロードして、実
行する構成も可能である。
【0025】上記のような構成を有する動作状態解析装
置10を用いることにより、電動機駆動装置21の動作
状態を解析し、解析結果が表示装置11に表示される。
ユーザはこの解析結果から効果的な対策を従来より容易
に決定することができる。電動機駆動装置21から送信
される電動機の同期速度、実速度、電流、電圧等のデー
タは、動作状態解析装置10の通信装置14で受信さ
れ、処理装置15によって時間軸に沿って変化する波形
とされ、表示装置11の画面上に表示される。また、処
理装置15は、固定ディスク装置17にあらかじめ記憶
されている状態解析マトリクスを参照して電動機の同期
速度、実速度、電流、電圧等のデータから電動機駆動装
置21の動作状態を解析し、解析結果を表示装置11に
表示させる。
【0026】つぎに、処理装置15が実行する電動機駆
動装置21の動作状態の解析(マトリクス解析)処理に
ついて例を用いて説明する。
【0027】例えば誘導電動機の場合、電動機の動作状
態を示すデータとして、同期速度、電流及び電圧が挙げ
られる。また、直接的ではないが電動機の動作状態を判
断する際の参考になるデータとして、電動機駆動装置2
1の内部電圧を監視することも可能である。これらのデ
ータは、通信ケーブル20を介して動作状態解析装置1
0がモニタ(監視)することができる。つまり、これら
のデータは通信ケーブル20及び通信装置14を介して
リアルタイムで電動機駆動装置21から動作状態解析装
置10(の処理装置15)に送信される。
【0028】これらのデータの瞬時値は電動機の特性及
び負荷の瞬時値によって決まるが、これらのデータの時
間軸での変化を観察することにより、原因とそれによっ
て生ずる結果との因果関係を解析し、より詳細な動作状
態を知ることが可能になる。また、各データのモニタ値
が、任意に設定された上限値又は下限値を超えたとき
に、異常が発生したと判断することができる。
【0029】電動機駆動装置21を用いて誘導電動機を
駆動する場合、同期速度及び電圧は電動機駆動装置21
が電動機を制御するための操作量であり、通常、電圧は
同期速度に比例するように制御されるので、同期速度を
操作量としてモニタすれば電圧のモニタは省略すること
ができる。したがって、同期速度の変化、電流の変化及
び内部電圧の変化をモニタして、これら3つのデータの
変化の関係を解析すれば、電動機駆動装置21の動作状
態を判断できると考えられる。
【0030】最も簡単な方法として、各データの変化を
増加、一定(変化無し)、減少の3通りに分ける。そし
て、3通りの値をとり得る3つの変数の組合せから3次
元のマトリクスを作成することができる。
【0031】図2は、このようにして作成された3次元
の解析マトリクスを示すテーブルである。3次元のマト
リクスを2次元のテーブルで表現するために、図2
(a)〜(c)の3つのテーブルに分けて記載してい
る。これらのテーブルから分かるように、3つのデータ
の3通りの変化の組合せにより27(3の3乗)個の状
態が得られる。
【0032】この27個の状態に対して、解析結果であ
る電動機の動作状態の説明と対策の説明を対応付けたも
のがそれぞれ動作状態データベース及び対策データベー
スとして、あらかじめ固定ディスク装置17に記憶され
る。
【0033】動作状態解析装置10は、電動機駆動装置
21をモニタしている間に、あるいは電動機駆動装置2
1が異常状態を検出して停止したときに、上記のマトリ
クス解析によって特定した状態に対応する動作状態の説
明と対策の説明を固定ディスク装置17に記憶された動
作状態データベース及び対策データベースから読み出
し、表示装置11に表示させる。
【0034】図3は、動作状態解析装置10の表示装置
11に表示された電動機の電流、電圧等のデータの変化
と電動機駆動装置21の動作状態の解析結果の説明の例
を示している。図3に示すように、表示画面30の上側
に電動機の電流、電圧等のデータの時間軸(横軸)に対
する変化を示すグラフ31が表示されている。そして、
その下に電動機駆動装置21の動作状態の解析結果(動
作状態及び対策)の説明32が表示されている。
【0035】なお、固定ディスク装置17には、電動機
の電流、電圧等のデータのモニタ値を所定期間だけ保存
する記憶領域が確保されている。新しいモニタ値が逐次
記憶されるに伴って、古いモニタ値(所定時間を過ぎた
モニタ値)から順次消去されていく。
【0036】図3のグラフ31において、前述のマトリ
クス解析を行う対象となる前後2箇所の解析ポイント
(解析ポイントA及び解析ポイントB)が表示されてい
る。これらの解析ポイントは、前述のように、各データ
のモニタ値が、任意に設定された上限値又は下限値を超
えたときに、あるいは、電動機駆動装置21が異常状態
を検出して停止したときに、その時点から遡って自動的
に設定される。解析ポイントAと解析ポイントBとの間
隔はあらかじめ設定可能である。また、マウス13によ
るドラッグ操作で解析ポイントA及び解析ポイントBを
移動することも可能である。
【0037】図3の解析結果の説明32は、解析ポイン
トAと解析ポイントBとの間における同期速度の変化、
電流の変化及び内部電圧の変化から図2に示した解析マ
トリクスに基づいて特定した動作状態の解析結果が状態
202であることを示している。つまり、グラフ31に
おける解析ポイントAから解析ポイントBへの変化に関
して、同期速度が減少し、電流が増加し、内部電圧が増
加していることが分かる。このような各データの変化に
合致する状態は、図2(c)のテーブル内の状態202
である。なお、図3のグラフ31には電圧の変化も描か
れているが、この例では電圧の変化は動作状態の解析に
使用しない。
【0038】また、解析結果の説明32には、上記のよ
うにして特定された状態202に対応する動作状態の説
明と対策の説明が続けて表示されている。これらの説明
は、固定ディスク装置17に記憶された動作状態データ
ベース及び対策データベースから読み出される。この例
では、同期速度の減少中に電流が増加し、内部電圧が減
少していることから、電動機が回生動作になっているこ
とが分かり、その結果内部電圧が上昇して異常停止に至
る可能性があることを指摘している。そして、その対策
として、同期速度減少時間の設定を変更して長くするこ
と、若しくは、回生消費抵抗の使用により、内部電圧の
上昇を回避することを推奨している。
【0039】以上に説明した例では、同期速度、電流及
び内部電圧の3つのデータの変化に基づいて、電動機駆
動装置21の動作状態の解析を行った。つまり、前述の
ように、電圧が同期速度に比例するように制御される場
合には、電圧の変化は動作状態の解析に使用する必要が
無かった。しかし、例えば負荷が変動するときに電動機
速度を一定に維持するように同期速度と電圧を変化させ
る制御(ベクトル制御)が選択されている場合は、負荷
の変化によって同期速度と電圧が独立して制御されるた
め、同期速度と電圧が比例関係にならない。したがっ
て、この場合の動作状態を解析するには、同期速度、電
流及び内部電圧の3つのデータの変化に加えて、電圧の
変化も調べる必要がある。
【0040】図4は、同期速度、電圧、電流、及び内部
電圧の4つのデータの変化に基づいて電動機駆動装置2
1の動作状態を解析するための解析マトリクスを示すテ
ーブルである。4次元のマトリクスを2次元のテーブル
で表現するために、図4(a)〜(i)の9個のテーブ
ルに分けて記載している。これらのテーブルから分かる
ように、4個のデータの3通りの変化の組合せにより8
1(3の4乗)個の状態が得られる。
【0041】図5は、動作状態解析装置10の処理装置
15が図4の解析マトリクスを用いて実行する動作状態
の解析処理の例を示すフローチャートである。
【0042】ステップ#101において、処理装置15
は、設定された解析ポイントA及び解析ポイントBにお
ける同期速度、電圧、電流、内部電圧の4つのデータを
モニタデータから抽出する。
【0043】次のステップ#102において、処理装置
15は、解析ポイントAから解析ポイントBへの電流の
変化(増加、減少、又は一定のいずれか)を判定し、判
定結果をdIとして記憶する。
【0044】次のステップ#103では同様に、解析ポ
イントAから解析ポイントBへ電圧が増加したか、減少
したか、又は一定であるか、3通りのうちの1つを判定
し、判定結果をdVとして記憶する。
【0045】次のステップ#104では同様に、解析ポ
イントAから解析ポイントBへの内部電圧の変化を判定
し、判定結果をdIVとして記憶する。
【0046】更にステップ#105において、解析ポイ
ントAから解析ポイントBへの同期速度の変化を判定
し、判定結果をdFとして記憶する。
【0047】次のステップ#106では、上記の4つの
判定結果のうち、dF及びdVに適合するマトリクステ
ーブルを選択する。例えば同期速度の変化(dF)が一
定で電圧の変化(dV)が増加である場合は図4(d)
のテーブルが選択される。
【0048】次のステップ#107では、選択したマト
リクステーブルの中からdI及びdIVに適合する状態
番号を抽出する。例えば、図4(d)のテーブルが選択
され、電流の変化(dI)が一定で、内部電圧の変化が
増加である場合は、状態2121が抽出される。
【0049】そして、前述の例と同様に、抽出された態
番号に適合する動作状態の説明が動作状態データベース
から抽出され表示される(ステップ#108)と共に、
対策の説明が対策データベースから抽出され表示される
(ステップ#109)。これらの抽出された状態番号と
その説明は、図3に示したように、表示装置11の表示
画面30に表示される。
【0050】なお、図3のグラフ31において、解析ポ
イントA及び解析ポイントBの2つの時点における電
圧、電流等のモニタデータの瞬時値を抽出して2つの時
点の間の変化を判定しているが、瞬時値の代わりに所定
期間(短時間)内の積分値又は平均値を採用してもよ
い。これにより、ノイズによる誤判定の可能性を低くす
ることができる。
【0051】上記の実施形態において、動作状態解析装
置10が解析マトリクスを用いて実行する動作状態の解
析処理の例を2つ挙げて説明したが、この他にも種々の
例が考えられる。解析に用いるデータは、同期速度、電
圧、電流、内部電圧の他にも、電源電圧の変動や温度上
昇値等、種々のデータを用いることができる。また、オ
ープンループ制御における操作量であれ、フィードバッ
ク制御における検出量(例えば電動機の実速度)であ
れ、いずれのデータも用いることができる。
【0052】また、解析結果の動作状態とその対策に関
する説明が記録された動作状態データベース及び対策デ
ータベースの具体的な内容については、図3に例示した
説明の他に、種々の説明を過去の経験と体系的な分析に
基づいて蓄積することができる。
【0053】また、上記の実施形態では、パーソナルコ
ンピュータに専用のアプリケーションをインストールす
ることによって動作状態解析装置を実現しているが、本
発明はこのような構成に限るわけではない。専用ハード
ウェアを含む専用の動作状態解析装置に本発明を適用す
ることもできる。
【0054】本発明の電動機駆動装置の動作状態解析方
法及び装置は、上記の実施形態に限らず種々の形態で実
施することができる。例えば、解析マトリクス、動作状
態データベース及び対策データベースをあらかじめ記憶
させる記憶装置は、固定ディスク装置に限らず、半導体
メモリやリムーバブル記録媒体を用いた記憶装置であっ
てもよい。電動機の電流、電圧等のデータのモニタ値を
所定期間だけ保存する記憶領域についても、固定ディス
ク装置に限らず種々の記憶装置に設けることが可能であ
る。
【0055】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の電動機
駆動装置の動作状態解析方法及び装置によれば、異常が
生じたときの電動機駆動装置の動作状態の解析を詳細か
つ容易に行うことができるので、効果的な対策を決定す
るまでに要する時間が従来に比べて大幅に短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電動機駆動装置の動作
状態解析装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】解析マトリクスの例を示すテーブルである。
【図3】動作状態解析装置の表示装置に表示された電動
機の電流、電圧等のデータの変化との動作状態の解析結
果の説明の例を示す図である。
【図4】解析マトリクスの別の例を示すテーブルであ
る。
【図5】図4の解析マトリクスを用いて実行する動作状
態の解析処理の例を示すフローチャートである。
【図6】従来の電動機駆動装置の一例を示す正面図であ
る。
【符号の説明】 10 動作状態解析装置 11 表示装置 14 通信装置(出力装置) 15 処理装置 17 固定ディスク装置(記憶装置) 18 リムーバブルディスク装置(記憶装置) 19 記録媒体 20 通信ケーブル 21 電動機駆動装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動機駆動装置の動作状態が変化したとき
    に、その原因及び対策をユーザに提示する電動機駆動装
    置の動作状態解析方法であって、 電動機の少なくとも同期速度、電圧及び電流を含む複数
    のデータを電動機駆動装置からモニタし、 所定時間離れた2つの解析ポイントにおける前記複数の
    データのモニタ値を抽出し、 前記2つの解析ポイントの一方から他方へのモニタ値の
    変化が増加、減少又は一定のいずれであるかを前記複数
    のデータのそれぞれについて判定し、 前記複数のデータのモニタ値の変化にしたがって、あら
    かじめ記憶された解析マトリクスを参照することにより
    動作状態を特定し、 特定された動作状態に対応する原因及び対策の説明を、
    あらかじめ記憶されたデータベースから抽出して表示す
    ることを特徴とする電動機駆動装置の動作状態解析方
    法。
  2. 【請求項2】前記複数のデータのモニタ値を所定の期間
    にわたって記憶するステップと、各データのモニタ値が
    任意に設定された上限値又は下限値を超えたときに、異
    常が発生したと判断するステップと、異常が発生したと
    判断した時点から遡って前記2つの解析ポイントを設定
    するステップとを更に備えたことを特徴とする請求項1
    記載の電動機駆動装置の動作状態解析方法。
  3. 【請求項3】電動機駆動装置の動作状態が変化したとき
    に、その原因及び対策をユーザに提示する電動機駆動装
    置の動作状態解析装置であって、 電動機の少なくとも同期速度、電圧及び電流を含む複数
    のデータを電動機駆動装置からモニタするための通信装
    置と、 所定時間離れた2つの解析ポイントにおける前記複数の
    データのモニタ値を抽出し、前記2つの解析ポイントの
    一方から他方へのモニタ値の変化が増加、減少又は一定
    のいずれであるかを前記複数のデータのそれぞれについ
    て判定し、前記複数のデータのモニタ値の変化にしたが
    って、あらかじめ記憶された解析マトリクスを参照する
    ことにより動作状態を特定し、特定された動作状態に対
    応する原因及び対策の説明を、あらかじめ記憶されたデ
    ータベースから抽出する処理装置と、 前記複数のデータのモニタ値の変化を表示すると共に前
    記データベースから抽出された説明を表示するための表
    示装置と、 前記解析マトリクス及び前記データベースが記憶された
    記憶装置とを備えていることを特徴とする電動機駆動装
    置の動作状態解析装置。
  4. 【請求項4】前記複数のデータのモニタ値を所定の期間
    にわたって記憶する記憶装置を更に備え、前記処理装置
    は、各データのモニタ値が任意に設定された上限値又は
    下限値を超えたときに、異常が発生したと判断し、その
    時点から遡って前記2つの解析ポイントを設定すること
    を特徴とする請求項3記載の電動機駆動装置の動作状態
    解析装置。
  5. 【請求項5】電動機駆動装置の動作状態が変化したとき
    に、その原因及び対策をユーザに提示する処理をコンピ
    ュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピ
    ュータ読み取り可能な記録媒体であって、 電動機の少なくとも同期速度、電圧及び電流を含む複数
    のデータを電動機駆動装置からモニタするステップと、 所定時間離れた2つの解析ポイントにおける前記複数の
    データのモニタ値を抽出するステップと、 前記2つの解析ポイントの一方から他方へのモニタ値の
    変化が増加、減少又は一定のいずれであるかを前記複数
    のデータのそれぞれについて判定するステップと、 前記複数のデータのモニタ値の変化にしたがって、あら
    かじめ記憶された解析マトリクスを参照することにより
    動作状態を特定するステップと、 特定された動作状態に対応する原因及び対策の説明を、
    あらかじめ記憶されたデータベースから抽出して表示す
    るステップとをコンピュータに実行させるためのプログ
    ラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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