JP2002221169A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JP2002221169A
JP2002221169A JP2001017389A JP2001017389A JP2002221169A JP 2002221169 A JP2002221169 A JP 2002221169A JP 2001017389 A JP2001017389 A JP 2001017389A JP 2001017389 A JP2001017389 A JP 2001017389A JP 2002221169 A JP2002221169 A JP 2002221169A
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Hiroshi Ogawa
博史 小川
Hiroshi Okada
弘 岡田
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Denso Corp
Soken Inc
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Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラップの下側部分の強度が高く、且つ発生す
る遠心力を低減した可動スクロールを備えたスクロール
圧縮機を提供する。 【解決手段】 インボリュート曲線からなる渦巻状のラ
ップを有する可動スクロールと固定スクロールとが対向
してかみ合い、可動スクロールの旋回によって圧縮を行
うスクロール圧縮機において、可動スクロール10のラ
ップ12が、ラップ12の巻き始め部分における固定ス
クロールのラップとの外側最終接触点と内側最終接触点
との間の区間において、ラップの厚さが下側12aでは
厚く、上側12bでは薄くなっているスクロール圧縮機
を提供する。このような構成にすることにより、スクロ
ールの圧縮能力に影響を与えることなく質量低下を図っ
て応力発生の原因となる遠心力の発生を低減することが
出来ると共に、ラップの下側12aの強度が強化され、
ラップの変形が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール圧縮機
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にスクロール圧縮機においては、内
部圧力の上昇に伴って渦巻状のラップに応力が発生し、
ラップが変形する場合がある。とりわけ、渦巻の中央端
部部分(巻き始め部分)は、渦巻の途中に比べて大きな
応力が発生するために大きく変形し、破損の起点となる
ことが多い。このため従来は、渦巻状ラップの中央端部
部分の厚さを厚くしてラップの強度を向上する方法が採
られている。
【0003】一方、近年、スクロール圧縮機は小型化の
要求が強まっており、高速及び小容量化が設計の重要な
ポイントとなっている。上述のように、本来、中央端部
部分のラップ厚さを厚くすることは強度確保が目的であ
るが、高速化に伴い、圧力よりも遠心力の影響が大きく
なるため、可動スクロールのラップ厚さを厚くすること
によって反って遠心力の増大を招き、変形や発生応力を
大きくしてしまう場合がある。
【0004】遠心力による影響を小さくするためにラッ
プ中央端部部分の厚さを一様に薄くすると、ラップの根
元付近(端板側端部付近、即ち下側)で発生する大きな
応力に対して強度が不十分になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑み、ラップの根元付近(下側部分)の強度が高く、且
つ発生する遠心力を低減した可動スクロールを備えたス
クロール圧縮機を提供することを目的とする。又、特
に、ラップの中央端部部分(巻き始め部分)において、
ラップの根元付近(下側部分)の強度が高く、且つ発生
する遠心力を低減した可動スクロールを備えたスクロー
ル圧縮機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、可動スクロールのラップの質量の低下が図られ
るために可動スクロールの旋回によって発生する遠心力
が低減されると共に、大きな応力の加わるラップの下側
部分において強度が強化されるので、ラップの変形を低
減し破損を防止する効果が得られる。又、ラップの変形
が低減されることにより、固定スクロールのラップとの
クリアランスをより小さく設定でき、圧縮効率の向上を
図ることが可能である。
【0007】又、請求項2に記載の発明によれば、可動
スクロールのラップは、このラップの巻き始め部分にお
ける固定スクロールのラップとの外側最終接触点と固定
スクロールのラップとの内側最終接触点との間の区間に
おいて、ラップの厚さが下側では厚く、上側では薄くな
っている。上記区間は可動スクロールの圧縮作用に関わ
らない範囲であるために、このような構成にすることに
よって、渦巻の途中に比べて大きな応力が発生するラッ
プの中央端部部分(巻き始め部分)において、スクロー
ルの圧縮能力に影響を与えることなく質量低下を図って
応力発生の原因となる遠心力の発生を低減することが出
来ると共に、ラップの下側部分の厚さが厚くされて強度
が強化されているので、遠心力に起因するラップの変形
が低減される。又、ラップの変形が低減されることによ
り、請求項1に記載の発明と同様、固定スクロールのラ
ップとのクリアランスをより小さく設定出来るようにな
るため、圧縮効率の向上を図ることが可能である。
【0008】更に請求項4、5、6及び7に記載の発明
によっても、請求項2に記載の発明の作用及び効果と同
様の作用及び効果、即ち、ラップの中央端部部分(巻き
始め部分)における発生遠心力及び応力の低減、並びに
ラップの下側部分の強度の強化、更にはこれらによるラ
ップの変形の低減等の作用及び効果が得られる。
【0009】又、請求項8、9及び10に記載の発明に
よっても、上述した請求項1に記載の発明の作用及び効
果と同様の作用及び効果が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施形態の
スクロール圧縮機の可動スクロール10を示している。
可動スクロール10は、端板11とインボリュート曲線
で形成される渦巻状ラップ12とを備えて構成される。
可動スクロール10は、概ね可動スクロール10と同形
状の固定スクロール(図示無し)と対向してかみ合い、
可動スクロール10が旋回することで圧縮が行われる。
本実施形態を含め、本発明のスクロール圧縮機の圧縮の
基本的な原理及び構成は、従来から公知のスクロール圧
縮機と同様である。
【0011】本明細書において、スクロールのラップの
巻き始めとは、渦巻状ラップの渦巻の中央の端部側を意
味し、逆にスクロールのラップの巻き終わりとは、渦巻
の外側の端部側を意味する。又、ラップの下側とは、渦
巻の側面から見て端板11側を意味し、その逆側がラッ
プの上側である。
【0012】図1に示したように、本実施形態のスクロ
ール圧縮機の可動スクロール10では、従来は強度確保
等のために一律に厚くなっているラップの巻き始め部分
において、ラップの巻き始めの上側部分12bのラップ
厚さが、ラップの巻き始めの下側部分12aのラップ厚
さよりも薄くなっている。これは、ラップの巻き始め部
分の質量を小さくし、可動スクロールの旋回によって発
生する遠心力を低減するためである。一方、ラップの下
側部分12aのラップ厚さは、そこで発生する比較的大
きな応力に耐え得る強度を確保するために上側部分12
bよりも厚くなっている。ラップ厚さが大きいラップの
下側部分12aの形状は、可動スクロールが旋回しても
固定スクロールと干渉しないような形状にされる。
【0013】次に、ラップの巻き始めの上側部分12b
のラップ厚さが薄くなっている部分の範囲について説明
する。
【0014】上述したように、本実施形態を含め、本発
明のスクロール圧縮機における圧縮の原理、即ち圧縮の
ための動作は、基本的に従来のスクロール圧縮機と同様
である。つまり、それぞれが渦巻状ラップを有する対向
した可動スクロールと固定スクロールとのかみ合いによ
り形成される三日月状の圧縮室が、可動スクロールの旋
回に伴って渦巻の中央に向かって容積を減少しながら移
動し、この容積変化により流体を圧縮して、中央部分よ
り吐出するというものである。
【0015】又、本発明のスクロール圧縮機を含め、可
動スクロールと固定スクロールのラップの渦巻がインボ
リュート曲線より形成されるスクロール圧縮機において
は一般に、圧縮は渦巻状ラップの中央部分において各圧
縮室が合体するまで行われる。図2は、そのようなスク
ロール圧縮機のスクロールの動作、より詳細には、その
渦巻がインボリュート曲線により形成され、その巻き始
め部分の厚さが強度確保のために厚くされている可動及
び固定スクロールの各ラップの中央部分の動作を示して
いる。図2に示したように、圧縮行程は、図2(a)に
示される段階から可動スクロール(即ちそのラップ2
0)が更に旋回し、図2(b)に示す圧縮の最終段階に
到る。この図2(b)の段階において、可動スクロール
のラップ20と固定スクロールのラップ30(斜線部
分)は、図2(b)に示されるような2ヶ所で接触して
いるが、次の瞬間には図2(c)に示されるように、可
動スクロールのラップ20と固定スクロールのラップ3
0は離間され、中央に移動してきた圧縮室V1、V2は合
体し、圧縮が終了する。本明細書においては、図2
(b)の圧縮の最終段階における一方のスクロールのラ
ップの他方のスクロールのラップに対する接触点をそれ
ぞれ、可動スクロールのラップの外側最終接触点21、
可動スクロールのラップの内側最終接触点22、固定ス
クロールのラップの外側最終接触点31、固定スクロー
ルのラップの内側最終接触点32と称することとする。
即ち、図2(b)の圧縮の最終段階においては、可動ス
クロールのラップの外側最終接触点21と固定スクロー
ルのラップの内側最終接触点32とが接触し、且つ可動
スクロールのラップの内側最終接触点22と固定スクロ
ールのラップの外側最終接触点31とが接触する。な
お、ここで言う接触とは、可動スクロールのラップと固
定スクロールのラップとが実際に接触した点だけではな
く、最も接近した点をも含む。これは、無潤滑のスクロ
ールにおいてはラップ同士が非接触のものもあるからで
ある。
【0016】上記説明から、図2に示したようなスクロ
ール圧縮機の各スクロールのラップ20、30において
は、各スクロールのラップの内側最終接触点22、32
から各ラップの内側面に沿って各スクロールのラップの
外側最終接触点21、31に到る部分については圧縮に
関わらないことがわかる。つまり、この部分について
は、可動スクロールと固定スクロールを対応した形状と
する必要が無い。そのため、従来はこの部分のラップ厚
さを厚くしてラップの巻き始め部分の強度を確保する等
していたが、逆に可動スクロールのラップのこの部分を
一部削除してラップ厚さを薄くしても、対向する固定ス
クロールとの隙間が拡大して漏れが生じたりすることは
ない。故に、圧縮能力に影響を与えることなく、発生す
る遠心力を低減する目的で可動スクロールのラップのこ
の部分のラップ厚さを薄くすることが可能である。
【0017】各スクロールのラップの内側最終接触点2
2、32から各スクロールのラップの外側最終接触点2
1、31までの範囲は、図3に可動スクロールのラップ
20について例示したように、ラップの渦巻を形成する
インボリュート曲線の伸開角φで概ね180°の範囲で
ある(図3中のCはインボリュート曲線の基礎円を示
す)。これにより、可動スクロールのラップの内側最終
接触点22からラップの巻き始めに向かって、あるい
は、可動スクロールのラップの外側最終接触点21から
ラップの巻き終わりに向かって、ラップの渦巻を形成す
るインボリュート曲線の伸開角φで概ね180°の範囲
のラップ内側の部分を削除して質量低下を図り、発生す
る遠心力を低減可能であることがわかる。
【0018】即ち、図1に示された第1実施形態におい
ては、このスクロールのラップの内側最終接触点22か
らラップの内側面に沿ってラップの外側最終接触点21
に到る部分、即ち、このスクロールのラップの内側最終
接触点22からラップの巻き始めに向かって、ラップの
渦巻を形成するインボリュート曲線の伸開角φで概ね1
80°の範囲のラップ内側の上側部分を削除している。
このことにより、スクロールの圧縮能力に影響を与える
ことなく質量低下を図り、発生する遠心力を低減するこ
とが出来ると共に、ラップの巻き始めの下側部分は従来
と同様なラップ厚さが厚い構成とされているのでその強
度を高く保つことが可能である。又、発生する遠心力に
よるラップの変形が低減されるので、固定スクロールの
ラップとのクリアランスをより小さく設定でき、圧縮効
率の向上を図ることが可能である。更に、本実施形態に
おいては、ラップ厚さの厚いラップの巻き始めの下側部
分とラップ厚さの薄いラップの巻き始めの上側部分と
が、単純な2段形状となっており、加工も容易である。
【0019】図4は、本発明の第2実施形態のスクロー
ル圧縮機の可動スクロール40を示している。この実施
形態の可動スクロール40も又、図1に示された可動ス
クロール10と同様に、端板41とインボリュート曲線
で形成される渦巻状ラップ42とを備えて構成される。
しかしながら、本実施形態の可動スクロール40におい
ては、ラップの巻き始め部分のラップの内側最終接触点
からラップの内側面に沿ってラップの外側最終接触点に
到る部分、即ち上記第1実施形態においてラップの上側
の厚さが薄くなっている部分の範囲と同じ範囲におい
て、ラップの巻き始め部分の質量を低下させるためにラ
ップ厚さがラップの上側及び下側で一律に薄くされてお
り、且つその下側部分には補強のためのリブ43が設け
られている。リブ43は、そのラップ厚さが薄くなって
いる範囲に好ましくは複数設けられる。リブ43は、ラ
ップ巻き始めの下側部分で発生する比較的大きな応力に
耐え得る強度を確保すると共に、可動スクロール40が
旋回しても固定スクロールと干渉しないような寸法形状
にされる。
【0020】このような構成にすることにより、第1実
施形態の可動スクロール10と同様に、ラップの下側部
分(根元付近)の強度が高く、且つラップの巻き始め部
分(中央端部部分)に発生する遠心力を低減した可動ス
クロールが提供される。
【0021】図5は、本発明の第3実施形態のスクロー
ル圧縮機の可動スクロール50を示している。この実施
形態の可動スクロール50も又、先に示された本発明の
実施形態の可動スクロール10及び40と同様に、端板
51とインボリュート曲線により形成される渦巻状ラッ
プ52とを備えて構成される。そして、本実施形態の可
動スクロール50は、第2実施形態の可動スクロール4
0と同様にラップの巻き始め部分のラップの内側最終接
触点からラップの内側面に沿ってラップの外側最終接触
点に到る部分において、ラップの巻き始め部分の質量を
低下させるためにラップ厚さがラップの上側及び下側で
一律に薄くされている。可動スクロール50の可動スク
ロール40との相違点は、リブ43の代わりに、ラップ
の巻き始めのラップ厚さが薄くなっている部分の下側内
部に補強のために棒状の芯金53を有していることであ
る。芯金53は、好ましくは複数設けられ、ラップ巻き
始めの下側部分で発生する比較的大きな応力に耐え得る
強度を確保する。
【0022】このような構成にすることにより、可動ス
クロール10及び40と同様に、ラップの下側部分の強
度が高く、且つラップ巻き始め部分に発生する遠心力を
低減した可動スクロールが提供される。
【0023】尚、ラップの下側部分の補強手段として芯
金を設けることについては、ラップの外形変化を伴わず
に実施出来るので、上述した実施形態のようなラップの
巻き始め部分のラップの内側最終接触点からラップの内
側面に沿ってラップの外側最終接触点に到る部分に限ら
ず、ラップの他の部分においても実施可能であることは
明らかである。
【0024】図6は、本発明の第4実施形態のスクロー
ル圧縮機の可動スクロール60を示している。この実施
形態の可動スクロール60も又、上述された本発明の他
の実施形態の可動スクロール10、40、50と同様
に、端板61とインボリュート曲線より形成される渦巻
状ラップ62とを備えて構成されるが、本実施形態の可
動スクロール60においては、ラップの巻き始め部分の
ラップ厚さが、従来の可動スクロールのラップと同様に
強度確保のために一律に厚くなっている。そして、本実
施形態の可動スクロール60のラップ62では、更にそ
の巻き始めのラップ厚さが厚くなった部分の上側部分が
中空(中空部分63)になっている。即ち、ラップの巻
き始め部分のラップの内側最終接触点からラップの内側
面に沿ってラップの外側最終接触点に到る部分において
ラップ厚さがラップの上側及び下側で一律に厚くされて
いると共に、その上側部分の内部の材料が取り除かれて
中空になっている。
【0025】このような構成にすることによって、ラッ
プの巻き始めの上側部分の質量が低減され、遠心力によ
ってラップの巻き始めの下側部分にかかる応力を低減す
ることが出来ると共に、ラップの巻き始めの下側部分は
従来と同様なラップ厚さが厚い構成とされているので十
分な強度を保つことが可能である。
【0026】尚、ラップの質量を低下させる手段として
内部を中空にすることについては、ラップの外形変化を
伴わずにも実施出来るので、上述した実施形態のような
ラップの巻き始め部分のラップの内側最終接触点からラ
ップの内側面に沿ってラップの外側最終接触点に到る部
分に限らず、ラップの他の部分においても実施可能であ
ることは明らかである。
【0027】更に、図7に示した本発明の第5実施形態
のスクロール圧縮機の可動スクロール70は、図6に示
した可動スクロール60のラップの巻き始めの上側部分
の中空部分63に、母材(可動スクロールのラップの材
料)に比べて比重の軽い材料(例えば樹脂等)73を充
填したものである。このような構成にすることによっ
て、中空である場合に比べてラップの巻き始めの上側部
分の強度を増すことが可能であると共に、巻き始めの上
側部分の質量も母材のみから構成されている場合に比べ
て低減されるので、遠心力によってラップの巻き始めの
下側部分にかかる応力を低減する効果も得られる。又、
第4実施形態のスクロール圧縮機の可動スクロール60
の場合と同様に、ラップの巻き始めの下側部分は従来と
同様なラップ厚さが厚い構成とされているので強度を高
く保つことが可能である。
【0028】尚、ラップの質量を低下させる手段として
ラップ内部に母材より比重の軽い材料を充填又は挿入す
ることについては、ラップの外形変化を伴わずにも実施
出来るので、上述した実施形態の場合のようなラップの
巻き始め部分のラップの内側最終接触点からラップの内
側面に沿ってラップの外側最終接触点に到る部分に限ら
ず、ラップの他の部分においても実施可能であることは
明らかである。又、ラップの上側部分を中空にした場合
に比べ、中空部分からの作動流体の漏れ経路をふさぐ事
ができ、圧縮効率の低下も防ぐ事ができる。
【0029】又、本明細書に示された実施形態で用いら
れている各種のラップの下側部分の補強手段及びラップ
の質量を低下させる手段を、本明細書で示されていない
組合せで好適に組み合わせることによって、本発明の別
の実施形態を作り出すことが可能であることは明らかで
ある。
【0030】尚、特開平9−68177号公報及び特開
平10−68392号公報には、本願の第1実施形態に
類似する、ラップ厚さが段状に変化するラップを有する
スクロールを備えたスクロール圧縮機が開示されている
が、これらの圧縮機では、スクロールのラップの渦巻の
最内部に形成される圧縮室が容積ゼロ(あるいは略ゼ
ロ)になるまで圧縮することを前提又は目的としている
ために、可動スクロール及び固定スクロールの両方のラ
ップの厚さを対応して変化させる必要がある。これに対
し、本願のスクロール圧縮機は、上述したようにスクロ
ールのラップの渦巻の最内部に形成される圧縮室(三日
月状の圧縮室が合体した圧縮室)での圧縮を前提として
いないため、固定スクロールのラップの巻き始め部分の
形状を可動スクロールのラップの巻き始め部分の旋回運
動に沿わせた形状にする必要がなく、形状の自由度が高
い。又、可動スクロールのラップの遠心力による変形量
の低減を目的としているため、旋回運動を行わない固定
スクロールのラップは厚さを変化させる必要はなく、可
動スクロールのラップのみの厚さを変化させるだけで良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のスクロール圧縮機の可動スク
ロールの第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2は、インボリュート曲線により形成され、
その巻き始め部分の厚さが強度確保のために厚くされて
いる可動及び固定スクロールの各ラップの中央部分の動
作を示す説明図である。
【図3】図3は、図2に示した可動スクロールのラップ
の巻き始め部分の圧縮に関わらない部分(ラップの内側
最終接触点からラップの外側最終接触点までの範囲、即
ち、ラップの渦巻を形成するインボリュート曲線の伸開
角φで概ね180°の範囲)を示した図である。
【図4】図4は、本発明のスクロール圧縮機の可動スク
ロールの第2実施形態を示す斜視図である。
【図5】図5は、本発明のスクロール圧縮機の可動スク
ロールの第3実施形態を示す斜視図である。
【図6】図6は、本発明のスクロール圧縮機の可動スク
ロールの第4実施形態を示す斜視図である。
【図7】図7は、本発明のスクロール圧縮機の可動スク
ロールの第5実施形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10、40、50、60、70…可動スクロール 11、41、51、61、71…端板 12、20、42、52、62、72…可動スクロール
のラップ 12a…下側部分 12b…上側部分 21…可動スクロールのラップの外側最終接触点 22…可動スクロールのラップの内側最終接触点 30…固定スクロールのラップ 31…固定スクロールのラップの外側最終接触点 32…固定スクロールのラップの内側最終接触点 43…リブ 53…芯金 63…中空部分 73…比重の軽い材料(例えば樹脂)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 弘 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3H039 AA01 AA12 BB01 BB03 BB05 CC02 CC05 CC06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インボリュート曲線からなる渦巻状のラ
    ップを有する可動スクロールと固定スクロールとが対向
    してかみ合い、前記可動スクロールの旋回によって圧縮
    を行うスクロール圧縮機において、前記可動スクロール
    のラップは、該ラップの少なくとも一部において前記旋
    回によって発生する遠心力の低減のために質量低下が図
    られていると共に、該ラップの少なくとも一部において
    ラップの下側部分で強度が強化されていることを特徴と
    するスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記可動スクロールのラップは、該ラッ
    プの巻き始め部分における前記固定スクロールのラップ
    との外側最終接触点と前記固定スクロールのラップとの
    内側最終接触点との間の区間において、ラップの厚さが
    下側では厚く、上側では薄くなっていることを特徴とす
    る請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記可動スクロールのラップの厚さ変化
    部分の形状が段階的に下側から上側にかけて薄くなって
    いることを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮
    機。
  4. 【請求項4】 前記可動スクロールのラップは、該ラッ
    プの巻き始め部分における前記固定スクロールのラップ
    との外側最終接触点と前記固定スクロールのラップとの
    内側最終接触点との間の区間において、ラップ全体が一
    律に薄くされると共にラップの下側部分にリブを有して
    いることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮
    機。
  5. 【請求項5】 前記可動スクロールのラップは、該ラッ
    プの巻き始め部分における前記固定スクロールのラップ
    との外側最終接触点と前記固定スクロールのラップとの
    内側最終接触点との間の区間において、ラップ全体が一
    律に薄くされると共にラップの下側部分の内部に芯金を
    有していることを特徴とする請求項1に記載のスクロー
    ル圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記可動スクロールのラップは、該ラッ
    プの巻き始め部分における前記固定スクロールのラップ
    との外側最終接触点と前記固定スクロールのラップとの
    内側最終接触点との間の区間において、ラップ全体が一
    律に厚くされると共にラップの上側部分が中空になって
    いることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮
    機。
  7. 【請求項7】 前記可動スクロールのラップは、該ラッ
    プの巻き始め部分における前記固定スクロールのラップ
    との外側最終接触点と前記固定スクロールのラップとの
    内側最終接触点との間の区間において、ラップ全体が一
    律に厚くされると共にラップの上側部分の内部にラップ
    材料より比重の軽い材料を充填もしくは挿入しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  8. 【請求項8】 前記可動スクロールのラップは、該ラッ
    プの下側部分の少なくとも一部の内部に芯金を有してい
    ることを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮
    機。
  9. 【請求項9】 前記可動スクロールのラップは、該ラッ
    プの上側部分の少なくとも一部が中空になっていること
    を特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  10. 【請求項10】 前記可動スクロールのラップは、該ラ
    ップの上側部分の少なくとも一部の内部にラップ材料よ
    り比重の軽い材料を充填もしくは挿入していることを特
    徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008007612A1 (fr) * 2006-07-10 2008-01-17 Sanden Corporation compresseur à spirales
JP2012215130A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Keihin Corp スクロール型圧縮機

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