JP2002221058A - エンジン制御装置 - Google Patents

エンジン制御装置

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JP2002221058A JP2001018945A JP2001018945A JP2002221058A JP 2002221058 A JP2002221058 A JP 2002221058A JP 2001018945 A JP2001018945 A JP 2001018945A JP 2001018945 A JP2001018945 A JP 2001018945A JP 2002221058 A JP2002221058 A JP 2002221058A
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料消費量の節減を目的とする自動車用エン
ジンの自動停止再始動制御装置において、クランク軸の
回転中でも再始動を可能とすると共に、始動用モーター
の使用の回数を抑えて電力及び燃料の浪費を避ける。 【解決手段】 自動車の減速状態においては燃料カット
を行って燃料の浪費を避けると共に、エンジンのクラン
ク軸2と車軸11とをロックアップクラッチ16等によ
って連結してエンジン1の回転を維持する。その後に再
加速要求があればロックアップクラッチ16を解放して
燃料の供給を再開するが、エンジンの回転数が所定値以
下である場合に限って始動用モーター7を駆動する。始
動用モーター7は、ベルト8等の可撓性伝動要素を有す
る動力伝達機構9によって、クランク軸2に常時駆動可
能な状態で連結されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、運転中の自動車用
内燃機関(エンジン)を、駆動の必要がない時には自動
的に停止させることができる一方、駆動の必要が生じた
時にはエンジンが完全には停止していなくても自動的に
再始動させることができる、自動車用エンジンのための
自動停止再始動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンを走行用の動力源とする自動車
において、運転者がアクセルペダルを踏んでいないため
に車速が徐々に低下しつつある減速時に、自動変速伝動
装置のトルクコンバータに設けられたロックアップクラ
ッチを係合させることにより、エンジンのクランク軸と
自動変速伝動装置の変速機とを直結すると共に、エンジ
ンに対する燃料の供給を停止することによって、エンジ
ンの回転を駆動輪側からの駆動によって維持しながら燃
料消費の節約を図るものは、例えば特開昭58−166
165号公報に記載されているように従来から公知であ
る。従来のものにおいては、このような燃料カットの状
態でエンジンの回転数がアイドル回転数よりも高い所定
値まで低下したときに、エンジンストールを防止するた
めに、ロックアップクラッチを解放すると共に燃料の供
給を再開させるのが通例である。
【0003】このような従来技術よりも更に燃料の消費
量を低減させるために、特開平8−189395号公報
に記載されているエンジンの自動始動停止装置において
は、エンジンの燃料カット制御を行うための燃料カット
条件が不成立の場合であっても、エンジンの自動停止条
件が成立している時には燃料カット制御を実行し、この
間はクラッチを接続状態とする。そして、この自動停止
条件が成立している間にクラッチ解放条件が成立した場
合には、クラッチを解放することによってエンジンを自
動的に停止させるという制御を行う。
【0004】しかし、改良されたこの従来技術におい
て、燃料カットを行うエンジンの回転数範囲を低回転数
域まで広げて燃料消費量を低減させる場合には、制動等
によってエンジンの回転数が急に低下した後に再加速を
しようとして燃料の供給を再開しても、エンジンの回転
数が低くなっているために、燃料への点火が困難になっ
てそのままエンジンストールに陥る可能性が高い。この
ように点火が不可能になった場合は、始動装置によって
再始動を行う必要があるが、始動時にのみピニオンが飛
び出してエンジンのリングギアに噛み合う従来の始動装
置では、低速であってもリングギアがクランク軸と共に
回転している間は、ピニオンがリングギアに噛み合うこ
とは困難であるから、一旦エンジンが完全に停止するの
を待って再始動操作を行う必要がある。従って、即座に
再始動を行って加速に移ることができないため、運転者
に不快感を与えて運転フィーリングが悪くなる。
【0005】また、特開平2−200538号公報に記
載された制御装置では、エンジンに始動発電装置を組み
込んで、この装置にエンジンを駆動するモータとしての
機能と、エンジンの駆動力を受けて発電をする発電機と
しての機能とを兼備させると共に、運転状態に応じてそ
れらの機能を切り換え制御している。そして、ロックア
ップクラッチを解放して駆動輪によるエンジンの回転維
持を終わらせる時に、代わりにこの始動発電装置に電力
を供給して始動用モーターとして作動させることによ
り、エンジンの回転数が所定値以下に低下しないように
制御するので、この装置の作動による再始動の必要が有
るか否かということに関係なく、ロックアップクラッチ
を解放する時には必ずこの装置に電力を供給することに
なるから、再始動の必要がない時には電力を浪費すると
いう問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける前述のような問題に対処して、再始動が必要な場
合には、エンジンが停止した後か或いは未だに回転して
いるかということには関係なく直ちに始動用モータが作
動し、エンジンの回転数を高めるためにクランク軸を駆
動して再始動を行う反面、エンジンの回転数が再始動を
行うことができる程度に高くて始動用モータを作動させ
る必要がない時には単に燃料の供給を再開するだけとし
て、始動用モーターに電力を供給しないでエンジンの回
転数を高めることができるような、新規な構成のエンジ
ンの自動停止再始動制御装置を提供することを解決課題
としている。それによって優れた運転フィーリングをも
たらすと共に、電力、ひいては燃料の浪費を避けること
を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、特許請求の範囲の請求項1
に記載されたエンジンの自動停止再始動制御装置を提供
する。
【0008】本発明の制御装置におけるエンジンの自動
停止再始動制御手段は、例えば、アクセル開度が零とな
ることによって自動車の減速状態を検知した時に、エン
ジンへの燃料の供給を遮断することによってエンジンを
自動的に停止させる。もっとも、ロックアップクラッチ
のような断続伝動手段によってクランク軸と駆動輪とを
連動させて、駆動輪側からエンジンを逆駆動することに
より、エンジンの回転を維持することもできる。
【0009】このような状態において、再加速のために
運転者(自動操縦装置を含む)によってアクセルペダル
(或いはそれに相当するもの)が踏み込まれてアクセル
開度が高くなった場合に、エンジン自動停止再始動制御
手段は燃料噴射制御手段によって燃料供給を再開させる
と共に、エンジン回転数の検出手段によって検出された
回転数が所定値よりも高い時は始動用モーターのような
トルク付与手段を作動させないで、燃料の供給のみによ
って再始動を行う。しかし、回転数が所定値よりも低い
時には直ちにトルク付与手段を作動させて再始動を行
う。それによって、エンジンの再始動を迅速且つ確実に
行うことができると共に、トルク付与手段によって消費
されるエネルギーが少なくなるので、燃料の浪費を避け
ながらも運転フィーリングを高めることができ、前述の
ような従来技術における諸問題を解消することができ
る。
【0010】このように、エンジンの回転数が所定値よ
りも高いか低いかによってトルク付与手段を作動させる
か否かを決定するが、エンジンの回転数が所定値よりも
低い場合に先に燃料の供給を再開して、それによって所
定の時間内にエンジンの回転数の上昇が検出されない時
に、はじめてトルク付与手段を作動させるようにしても
よい。いずれにしても、このような場合に、トルク付与
手段を作動させるか否かを判断するための閾値となるエ
ンジン回転数の所定値を設定する時は、少なくとも冷却
水温度のようなエンジンの暖機状態を示す指標と、回転
数の低下速度のようなエンジンの負荷の大きさを示す指
標の一方を考慮することができる。
【0011】本発明の制御装置においては、トルク付与
手段とエンジンのクランク軸との間にワンウエイクラッ
チを設けることができる。それによって、再始動が終わ
った後にクランク軸の回転数が始動用モーターのそれを
上回った時にはワンウエイクラッチが空回りをするの
で、始動用モーターがクランク軸の回転を妨げることが
なくなる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施例として、
エンジンの自動停止再始動制御装置を備えている自動車
の、主として駆動装置とその制御装置のシステム構成を
示したものである。図1において、1はエンジン本体、
2はエンジン1のクランク軸、3はクランク軸2の一端
に取り付けられたクランクプーリ、4はクランク軸2に
よって駆動されるオルタネータのような発電機、5は発
電機4が発生する電力によって充電されるバッテリー、
6はエンジン1によって駆動されるエアコン用のコンプ
レッサ、7はエンジン1の自動始動装置の一部として設
けられた始動用モーター(スターター)を示している。
【0013】図示した実施例の場合は、クランク軸2に
直結されて駆動側となるクランクプーリ3と、被駆動側
となる発電機4及びエアコン用のコンプレッサ6のプー
リの他に、スターター7の駆動軸に取り付けられたプー
リ34が、全て1本のベルト8によって連動するように
なっており、これら複数個のプーリと、可撓性のある巻
き掛け伝動要素である1本のベルト8が、クランク軸2
を常時駆動可能な動力伝達機構9を構成している。な
お、動力伝達機構9のベルト8は機能的に均等な伝動部
品であるチェーン等によって置き換えることができる。
このスターター7としては、通常のスターターのよう
に、エンジン1の停止中にソレノイドによってピニオン
が飛び出して、エンジン1のクランク軸2に取り付けら
れたリングギアに噛み合うような形式のものは不適当で
ある。なお、場合によっては発電機4を省略するため
に、スターター7を発電機としても使用することもでき
る。
【0014】また、10は自動車の左右の駆動輪、11
はそれらに連結された左右の車軸、12はエンジン1の
クランク軸2から駆動輪10までの主たる動力伝達系統
に設けられた自動変速伝動装置を示している。自動変速
伝動装置12の構造は良く知られているものと同様であ
って、エンジン1のクランク軸2から動力を受け入れる
部分に、ポンプとタービンが対向している流体式のトル
クコンバータ13と、それに続いて複数の歯車列や油圧
クラッチ等からなる変速機14と、この場合は差動歯車
列を含む終段減速機15が設けられている。
【0015】自動変速伝動装置12には、高速の定常走
行状態等においてトルクコンバータ13の流体による動
力損失が少なくなるように、トルクコンバータ13を短
絡して直接に機械的に伝動をするロックアップクラッチ
16がトルクコンバータ13と並列に設けられている
が、図1に例示したシステムにおいては、自動車の減速
状態においてエンジン1のクランク軸2と駆動輪10の
車軸11との間の伝動状態を任意に直結することができ
る自動制御可能な直結伝動手段として、本発明の目的に
利用される。また、変速機14は伝動装置制御手段18
により任意にニュートラル状態に制御することが可能で
あり、エンジン1のクランク軸2と駆動輪の車軸11と
の間の動力伝達を遮断することができる。
【0016】なお、本発明における自動変速伝動装置1
2としては、図1に例示したように流体式のトルクコン
バータ13を備えているものに限らず、一般的に、電子
的な制御手段によって少なくとも動力伝達が遮断された
ニュートラル状態(少なくとも車軸11からクランク軸
2に向かってトルクが伝達されることを遮断している状
態)と直結状態にすることができるような構成の自動変
速伝動装置であればよい。従って、例えばトルクコンバ
ータを備えていないで、常時直結式の変速機を備えてい
るような自動変速伝動装置12においては、電子的な制
御手段によって制御可能な電磁クラッチ等の制御クラッ
チが、変速機14に相当するものの後又は前に直列に連
結され、このクラッチによりクランク軸2と駆動輪10
の車軸11との間の伝動状態を直結、遮断状態に制御す
る。
【0017】図1に示す17は、本発明のエンジン1の
ための自動停止再始動制御装置のシステム全体の中枢と
なる電子式制御装置(ECU)であって、エンジンの自
動停止再始動制御手段と呼ぶべきものである。この制御
装置17も通常のECUと同様に、少なくとも1個のマ
イクロプロセッサと、それに接続されたROM及びRA
M等のメモリ類と、クロック装置と、更に入出力ポート
等からなっている。そして、本発明特有の機能を生じさ
せるための指令は、センサやスイッチ等の検出手段から
制御装置17へ入力される信号と、ROMに設定された
マップ等に基づいて行われる演算によって形成される。
そのために制御装置17には自動車やエンジン1の各部
に設けられた幾つかの検出手段からエンジン1及び自動
車の作動状態を示す信号が入力され、演算結果の指令
(制御信号)が関連する多数の機器の個々の駆動装置で
ある制御手段に向かって出力される。また、43は電動
負圧ポンプであって、ブレーキシステム45に連絡して
おり、制御装置17の指令の下にバッテリー5により、
エンジン1の停止中に所定の負圧を確保するために駆動
される。42は電動油圧ポンプであって、エンジン1の
停止中に油圧制御機構44のための所定の作動油圧を確
保するために駆動される。なお、エンジン1が回転して
いるときは、ブレーキシステム45の負圧はエンジンの
吸気負圧によって確保する。また、油圧制御機構44の
作動油圧は、エンジン1のクランク軸2に取りつけられ
た油圧ポンプ(図示せず)によりまかなわれる。
【0018】図1に例示したシステムにおいては、制御
装置17の指令を受けて目的の装置を駆動する制御手段
の1つとして、18は自動変速伝動装置12のための制
御手段を示している。制御手段18は油圧制御機構44
に指令を出すことにより自動変速伝動手段12を制御す
る。これは通常のものと同様に伝動装置12の内部の油
圧クラッチ等を操作して変速機14の歯車列の切り換え
を行うほか、いつでも制御装置17からの指令を受け入
れて、直結伝動手段であるロックアップクラッチ16の
断続制御を行うことができるもので、断続伝動手段の制
御手段を内蔵している。この制御手段は、前述の直列接
続の制御クラッチが用いられる場合にはそれを断続させ
るための手段となる。19は通常のエンジンECUとそ
の指令によって作動する駆動装置のようなエンジン本体
1の制御手段(E/G−ECU)を示しており、エンジ
ン1内へ噴射する燃料を制御する燃料噴射制御手段を含
んでいる。20は始動用モーター(スターター)7の制
御手段であって、その作動によってスターター7にバッ
テリー5の電力が供給された時は、エンジン1が完全に
は停止していなくても、スターター7はエンジン1のク
ランク軸2を駆動して再始動操作を行うことができる。
なお、スターター制御手段20は始動用モーター(スタ
ーター)7と共に自動始動装置を構成する。
【0019】また、図1には、制御装置17が制御を行
うために必要なエンジン1及び自動車の作動状態を示す
信号を検出して制御装置17へ入力するための検出手段
が幾つか例示されている。まず23は自動車の加速度及
び減速度を検出するための加減速度検出手段であるが、
専用のセンサ等を設ける必要はなく、車軸11等の回転
数(回転速度)を計測する通常の車速センサの信号を制
御装置17内で演算処理することによって自動車の加速
度或いは減速度を求めることができるので、車速センサ
と制御装置17の一部が加減速度検出手段23となる。
【0020】24は自動車の運転者が操作する図示しな
いブレーキペダルの踏み込み量(ブレーキストローク或
いはブレーキ踏み込み角度、場合によってはブレーキの
踏み込み力の大きさ)を検出するブレーキ踏み込み量検
出手段であるが、これは例えばブレーキペダルの回動軸
に取り付けられたポテンショメーター(可変抵抗器)の
ようなものでよい。25は運転者によるアクセルペダル
の踏み込み量(アクセル開度)の検出手段を示してい
る。実施例においてはアクセルペダルの踏み込み量を正
確に検出する必要はなく、踏み込み量が所定値を越えた
かどうかを検出することができれば十分であるから、検
出手段25はアクセルペダルに連動するスイッチ、即ち
アクセルスイッチとすることができる。なお、図1に示
す41はバッテリー5の残存電力量を検出するバッテリ
ー残量検出手段、46はエンジンの暖機状態を検知する
ための冷却水温センサやエンジンオイルの温度センサの
ような暖機状態検出手段である。
【0021】更に、通常の自動車に搭載されている検出
手段であって本発明の目的にも利用可能なものとして、
30は駐車ブレーキの作動状態を検出する検出手段を示
す。これは駐車ブレーキが係合状態にある時にONにな
るようなスイッチであればよいので、通常の自動車に設
けられたこの種のスイッチをそのままセンサとして制御
装置17に接続すればよい。同じく31はエンジン1の
回転数を検出する検出手段31であって、例えば、エン
ジン1がガソリンエンジンのような火花点火機関であれ
ば、単位時間内に発生する点火信号のパルスの数を制御
装置17においてカウントすればエンジン1の回転数が
求められるから、これに関連する機器がエンジン回転数
の検出手段31となる。
【0022】なお、図1には図示していないが、以上の
検出手段によって間接的に検出することができる事象で
あっても、それを直接的に検出するための検出手段とし
て、例えば、ロックアップクラッチ16の断続状態を直
接に検出するセンサ等も必要に応じて設けることができ
る。また、本発明の制御装置においては、エンジン1へ
の燃料供給を断続制御する制御手段とか、点火装置をO
N−OFF制御する制御手段なども必要になる。しか
し、これらの制御手段によって行われる燃料供給のカッ
ト、燃料供給の復帰等の制御は、電子式制御装置17が
通常のエンジン制御手段19を制御することによって行
われるので、これらの制御手段は通常のエンジン制御手
段19の一部に含まれている。
【0023】図2に、実施例のスターター7に関連して
設けられたワンウエイクラッチ32の構造を示す。この
ワンウエイクラッチ32は、始動用モーター7の出力回
転軸33と、図1にも示されているプーリ34との間に
設けられて、モーター7によってベルト8を介してクラ
ンク軸2をそれが回転中でも回転駆動することができる
が、反対にクランク軸2側からモーター7を駆動するこ
とを阻止する。従って、図2のようなワンウエイクラッ
チ32を備えた始動用モーター7を用いるときは、前述
のようにモーター7を発電機として利用することはでき
ない。
【0024】図2において35は遊星歯車式の減速装
置、36はワンウエイクラッチ32の内輪、37は同じ
く外輪、38は内輪36と外輪37の間において起伏回
転可能に支持された多数のカムを示している。内輪36
は回転軸33の上に回転可能に支持されると共に、減速
装置35によって回転軸33よりも減速されて回転駆動
される。外輪37はワンウエイクラッチ32のハウジン
グ39によって軸支された回転軸40の内端に取り付け
られている。また、回転軸40の外端にはプーリ34が
取り付けられている。
【0025】電子式制御装置17の指令によって作動す
るスターター制御手段20によってモーター7が電力の
供給を受けて回転する時に、外輪37に対して内輪36
が駆動側となることによってワンウエイクラッチ32の
カム38が起立し、内輪36と外輪37の間に楔状に挟
まってそれらを連動させる。それによって減速装置35
によって減速された内輪36の回転が外輪37へ伝達さ
れ、更に回転軸40とプーリ34、ベルト8とクランク
プーリ3を介してクランク軸2へ伝えられてエンジン1
を始動する。それによってエンジン1が始動されてクラ
ンク軸2の回転数が高くなると外輪37が内輪36を駆
動するようになるので、カム38は倒れるように回転し
て外輪37及び内輪36の間のカムを介したかみ合いが
解除されそれらの間の伝動状態は遮断される。
【0026】図1に示す実施例のエンジンの自動停止再
始動制御装置は以上のような構成を有するので、以下、
この装置の作動を、電子式制御装置17によって所定の
短時間毎に繰り返して実行される図3のフローチャート
に示すような制御プログラムと、図4に示すような線図
を参照しながら詳細に説明する。なお、図5及び図6に
は運転状態におけるタイムチャートが示されているが、
これらについては後で説明を加える。
【0027】実施例の制御装置を搭載している自動車が
走行中に、運転者によるアクセルペダルの踏み込み量
(アクセル開度)が0になり、車速が低下する減速状態
に入って、加減速度検出手段23の検出信号が負の所定
値以下となった時、その信号によって電子式制御装置1
7がステップ301において自動車の減速状態を検知す
る。更に、ステップ302において、アクセルペダルの
踏み込み量の検出手段であるアクセルスイッチ25がO
FF状態であることを検知し、アクセルペダルの踏み込
みが行われていないことを確認した時は、ステップ30
3に進んで制御装置17がエンジン制御手段19を制御
して、エンジン本体1に対して燃料カットと燃料復帰禁
止を指令する。
【0028】それと同時に制御装置17は伝動装置制御
手段18を制御して、自動変速伝動装置12のロックア
ップクラッチ16(或いは、前述のようにそれに相当す
る制御クラッチ等)をON(接続状態)として、燃料の
供給をカットされてトルクを発生しなくなったエンジン
1のクランク軸2が、駆動輪10及び車軸11によって
逆に駆動されて回転を続けるようにする。なお、ステッ
プ301において減速状態が検知されない場合とか、ス
テップ302においてアクセルペダルの踏み込みが検知
された時にはステップ301の前に戻って判定を繰り返
す。
【0029】ステップ303の処理を行った後にステッ
プ304において再びアクセルスイッチ25がOFFで
ある(加速操作がなされていない)ことを確認してから
ステップ305へ進み、エンジン回転数の検出手段31
により検出されるクランク軸2の回転数が所定の回転数
Nlimit の値以上であるか否かが判定される。
【0030】ここでNlimit というのは次のような意味
をもつ所定値である。一般に往復動式のエンジンにおい
ては回転数が低下して停止する時までに共振域(図5参
照)と呼ばれる回転数領域を通過するので、その際にエ
ンジンと自動車の車体との共振によって振幅の大きい、
乗員にとって不快な振動が発生する。Nlimit はこの共
振域の最大回転数と、エンジンを停止させる制御が行わ
れた後に実際にエンジンの回転数が降下し始めるまでの
時間遅れの間に見込まれるエンジン回転数の降下量とを
加えた回転数のことである。回転数が低下してNlimit
に達した時に、以下の共振域を迅速に通過させることに
よって、共振域において発生する振動を軽減することが
できる。
【0031】ステップ305においてYES(クランク
軸2の回転数がNlimit まで降下していない)と判定さ
れた場合は、ステップ304の前に戻って判定を繰り返
す。燃料カットの状態で減速が進むと共にクランク軸2
の回転数も低下して、ステップ305においてNO(回
転数がNlimit に達して共振域に近づいた)と判定され
た時は、ステップ306に進んでブレーキ踏み込み量検
出手段24によって検出されるブレーキ踏み込み量が所
定値以上か否かが判定される。もし運転者が自動車を停
車させるためにブレーキを所定値以上の大きさで踏み込
んでいる時は、エンジン1の停止を許すためにステップ
307へ進んで、伝動装置制御手段18を介してロック
アップクラッチ16を解放してクランク軸2と車軸11
との間の連動を遮断すると共に、変速機14をニュート
ラル状態に制御する。
【0032】エンジン1の回転停止を可能とした後のス
テップ308において、電子式制御装置17はエンジン
の始動条件が成立しているか否かを判定する。エンジン
の始動条件としてはアクセルスイッチ25がONになっ
た時、バッテリー残量が所定値以下になった時等、色々
なものをOR条件として使用することができるが、この
実施例では運転者によるブレーキの踏み込み量が所定値
以下になった時を始動条件として取り上げている。従っ
て、ステップ308においてはブレーキの踏み込み量が
所定値以下であるか否かを判定する。判定がNO(ブレ
ーキの踏み込み量が所定値以上)であれば、ロックアッ
プクラッチ16を解放してエンジン1の回転停止が可能
になった後も運転者は停車の意思を変えていないことに
なるから、再びステップ308へ戻って判定を繰り返
す。その間にエンジン1は完全に停止する。
【0033】継続的な停車(駐車)は、例えば駐車ブレ
ーキの作動状態検出手段30がON信号を発生すること
によって確認することができるので、その段階で制御装
置17が制御を終了するように設定してもよいが、停車
に至る途中の段階や、一時的に停車した後に運転者が再
加速を指令する場合もあるので、その時はエンジン1の
再始動操作が必要になる。
【0034】ステップ304においてアクセルスイッチ
25がON、即ち運転者がアクセルペダルを踏んで再加
速を指令した場合は明確であるが、ステップ306の判
定において、ブレーキの踏み込み量が所定値(この場合
はエンジン再始動閾値S2 )以下(NO)となった場合
は、運転者の意思が自動車の停車から走行の継続或いは
再加速に転じたものと考えられる。ロックアップクラッ
チ16を解放してエンジン回転停止操作を行った後のス
テップ308における判定がYES(例えば、ブレーキ
踏み込み量が所定値S2 以下)となった場合も、当初は
自動車を停車させようとしていた運転者の意思が変化し
て、前述のように再加速することになったものと考えら
れる。そこで実施例の制御装置17の制御においては、
再加速が行われるこれらいずれの場合でも、再びエンジ
ン1に燃料を供給すると共に再始動を行って回転数を上
昇させる必要があるので、その制御を行うためにステッ
プ309へ進む。
【0035】再始動及び再加速の準備に入るステップ3
09においては、ステップ307を経ないでステップ3
04から直接にステップ309へ到達する場合もあるか
ら、制御装置17は、伝動装置制御手段18を介してロ
ックアップクラッチ16をOFFとして、クランク軸2
が自由に回転できるようにする。それと同時に伝動装置
制御手段18による自動変速伝動装置12の変速機14
の制御も通常の制御モードに復帰させる。
【0036】次のステップ310においてはエンジン回
転数の所定値Ncrank を設定する。Ncrank というの
は、再加速を予測して燃料の供給を再開する時にスター
ター7を作動させるか否かを決定するための閾値となる
ものである。Ncrank は、エンジン1の冷却水やエンジ
ンオイルの温度から検知されるエンジン1の暖機状態と
か、補機の作動状況や発電機4の負荷状況から検知され
るエンジン1への負荷状態によって決まる値である。従
って、エンジン回転数の低下速度や、冷却水温センサ4
6によって検知される冷却水の温度等をパラメータとし
て図4の線図に示すように予めマップ化されて、制御装
置17内のROMに内蔵されている。従って、図4の場
合はその時のエンジン回転数の低下速度と冷却水温を与
えるとNcrank の値が決まる。
【0037】図3のステップ311においては、その時
のエンジン回転数が、選択されたNcrank の値よりも大
きいか否かが判定される。大きくない(NO)時はステ
ップ312においてスターター7を作動させるが、大き
い(YES)時はスターター7を作動させない。それに
よってスターター7を作動させる回数を低減させること
ができる。その後は、いずれの場合もステップ313へ
進んで燃料の供給を再開する。そしてステップ314に
おいては、エンジンの始動が終わったか否かを判定する
ために、所定の時間内に回転数が所定値に達したか否か
が判定される。達しておれば(YES)ステップ315
へ進み、スタータ7が駆動されている場合には、それを
停止させてから最初のステップ301へ戻るが、達して
いない(NO)時はステップ312へ戻って、スタータ
ー7の駆動による再始動操作を繰り返すことになる。
【0038】このような作動が図5或いは図6のタイム
チャート(横軸は経過時間)に経時的に示されている。
図5における実線は、運転者による再加速要求が遅く
て、その間にエンジン1の回転が完全に停止してしまっ
た場合を示している。エンジン1が自動停止する少し前
に回転数がNlimit を通過する時に、共振を避けるため
に変速機14をニュートラル状態とし、ロックアップク
ラッチ16はOFFとされている。ブレーキの踏み込み
量が所定値以下になると、駐車ブレーキの作動状態検出
手段30が信号を検出していない限り、電子式制御装置
17は運転者が再加速要求をするものと予測して、燃料
の供給を再開すると共にスターター7を駆動する。この
場合は、エンジン1が完全に停止していて、回転数がN
crank 以下の0であるから、必ずスターター7によって
再始動が行われてエンジンの回転数がNlimit 以上に高
められる。予測通りにアクセル開度が大きくなって再加
速要求が確実になると、エンジン1は既に始動している
から、間髪をいれずに燃料が増量されてエンジンの回転
数が迅速に上昇する。
【0039】図5のタイムチャートにおいて破線で示し
たものは、エンジンが完全に停止する前に運転者のブレ
ーキ踏み込み量が減少して再加速が予測された場合であ
る。図示の場合はエンジンの回転数が0になる寸前まで
低下していて、Ncrank の値以下になっているので、ク
ランク軸2は未だ回転してはいるがスターター7による
再始動が行われる。
【0040】これらの場合と異なって、図6のタイムチ
ャートにおいては、ブレーキの踏み込み量が0であって
変わらないが、アクセルスイッチ25によって検出され
るアクセル開度が大きくなることによって、電子式制御
装置17が運転者の再加速要求を明確に確認して再始動
制御を開始する場合を示している。図6において実線で
示したものは、その時のエンジン1の回転数がNcrank
よりも高いためにスターター7を使用しないで、単に燃
料の供給を再開することだけで再始動を行う場合であ
る。この場合は、エンジンの回転数がNlimit よりも高
くてロックアップクラッチ16が未だONとなっている
から、燃料の供給を再開する時に、同時にロックアップ
クラッチ16をOFFとしている。スターター7を使用
しないので無用の電力を消費しないため、燃料の浪費を
避けることができる。
【0041】図6において破線で示したものは、運転者
の再加速要求を示すアクセル開度が大きくなる時期が遅
かったために、電子式制御装置17によって再始動制御
が開始されても実際に燃料の供給が再開されると共に、
ロックアップクラッチ16がOFFとされるまでの時間
遅れの間に、エンジンの回転数が低下してNcrank 以下
になってしまう場合である。このような場合も、スター
ター7を駆動して確実に再始動を行うべきである。
【0042】このようにして迅速にエンジン1の再始動
が終わり、回転数が上昇していつでも急速な再加速の要
求に応じることができるようになる。また、実施例のス
ターター7には図2に例示したような構造のワンウエイ
クラッチ32が設けられているので、クランク軸2が回
転していても再始動操作が可能である。また、エンジン
の回転数の高さによって、再始動を行う際にスターター
7を使用するかどうかという差はあるが、いずれかの道
を辿って再始動が行われて、クランク軸2の回転数が一
定の値以上に上昇すると、ワンウエイクラッチ32が空
回り状態になるので、スターター7が高回転でクランク
軸に連れ回されて破損する恐れはない。また、本実施例
において、エンジン1の自動停止中は、制御手段17に
より電動負圧ポンプ43と電動油圧ポンプ42が駆動さ
れるのでブレーキシステム45に所定の負圧を確保する
と共に、油圧制御機構44に所定の油圧を確保すること
ができ、それぞれの作動を適切に行なわせることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の自動停止再始動制御装置を示
すシステム構成図である。
【図2】本発明装置に使用することができるワンウエイ
クラッチ等の構造を例示する断面図である。
【図3】実施例の制御装置の制御プログラムを例示する
フローチャートである。
【図4】始動用モーターを使用するか否かを決定するた
めの所定値を設定する際に使用されるマップの内容を例
示する線図である。
【図5】実施例装置の1つの運転状態を例示するタイム
チャートである。
【図6】実施例装置の他の運転状態を例示するタイムチ
ャートである。
【符号の説明】
1…エンジン本体 2…クランク軸 4…発電機 5…バッテリー 6…エアコン用のコンプレッサ 7…始動用モーター(スターター、トルク付与手段) 8…ベルト 9…クランク軸を常時駆動可能な動力伝達機構 10…駆動輪 11…車軸 12…自動変速伝動装置 13…トルクコンバータ 14…変速機 16…ロックアップクラッチ 17…電子式制御装置(エンジン自動停止再始動制御手
段) 18…伝動装置制御手段 19…エンジン制御手段(燃料噴射制御手段を含む) 20…スターター制御手段 23…加減速度検出手段 24…ブレーキ踏み込み量検出手段 25…アクセルペダル踏み込み量の検出手段(アクセル
スイッチ) 30…駐車ブレーキの作動状態検出手段 31…エンジン回転数の検出手段 32…ワンウエイクラッチ 35…遊星歯車式の減速装置 41…バッテリ残量検出手段 42…電動油圧ポンプ 43…電動負圧ポンプ 44…油圧制御機構 45…ブレーキシステム 46…暖機状態検出手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/10 330 F02D 41/10 330J 41/12 330 41/12 330J (72)発明者 左右木 高広 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 神谷 勝 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3G092 AA01 AB02 BB01 DG08 EA08 EA28 GA12 GA13 GB08 HA06Z HE01Z HE08Z HF23Z HF26Z 3G093 AA05 BA21 BA22 CA02 CB06 CB07 DA01 DA04 DA05 DA06 DB02 DB15 DB19 DB21 EA05 FA10 FA11 3G301 HA01 JA03 KA08 KA15 KA18 LB02 MA24 MA25 NA08 NE06 PA11Z PB03A PE01Z PE08Z PF02Z PF05Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の自動停止条件が成立した時にエン
    ジンを自動的に停止させると共に、所定の再始動条件が
    成立した時に自動的に再始動させるエンジン自動停止再
    始動制御手段と、 前記エンジンにトルクを付与するトルク付与手段と、 前記エンジン内へ噴射する燃料を制御する燃料噴射制御
    手段と、 前記エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手
    段とを有し、 前記エンジンによって走行する車両の減速中に自動停止
    条件が成立し、その後に再始動条件が成立した時に、前
    記エンジン回転数検出手段によって検出されたエンジン
    の回転数が所定の回転数よりも小さい場合には、前記ト
    ルク付与手段により前記エンジンにトルクを付与すると
    共に、前記燃料噴射制御手段により前記エンジンに対す
    る燃料噴射を再開して前記エンジンの再始動を行うが、
    検出されたエンジンの回転数が所定の回転数よりも大き
    い場合には、前記燃料噴射制御手段により前記エンジン
    に対する燃料噴射を再開することだけで前記エンジンの
    再始動を行うように構成されていることを特徴とするエ
    ンジン制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたエンジン制御装置
    において、 検出されたエンジンの回転数が所定の回転数よりも小さ
    い場合には、前記エンジンの回転数が前記所定の回転数
    となるまで前記トルク付与手段により前記エンジンにト
    ルクを付与するように構成されていることを特徴とする
    エンジン制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載されたエンジン制
    御装置において、 前記トルク付与手段がワンウェイクラッチを介して前記
    エンジンのクランク軸に連結されていることを特徴とす
    るエンジン制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載されたエ
    ンジン制御装置において、 前記所定の回転数は、少なくとも前記エンジンの暖機状
    態と前記エンジンの負荷状態とから設定されていること
    を特徴とするエンジン制御装置。
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