JP2002220633A - 低C−Mn系超微細粒鋼とその製造方法 - Google Patents

低C−Mn系超微細粒鋼とその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度−靭性バランスに優れ、且つ均一延性に
も優れた低C−Mn系超微細粒鋼、または強度−靭性バ
ランスに優れ、且つ均一延性および延性に優れた低C−
Mn系超微細粒鋼を提供する。 【解決手段】 強度−靭性バランスに優れ、かつ均一延
性にも優れた低C−Mn系超微細粒鋼を得るには、鋼の
化学成分を、質量%でC:0.03〜0.25%、M
n:1.0〜3.0%を満たすよう調整し、αの平均粒
径を3.0μm以下、α’の平均粒径を10.0μm以
下、更にα’の体積率を15〜23%となるようにす
る。また強度−靭性バランスに優れ、かつ均一延性およ
び延性にも優れた低C−Mn系超微細粒鋼を得るには、
特に前記α’の平均粒径を5.0μm以下となるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強度−靭性バラン
スに優れ、且つ均一延性にも優れた低C−Mn系超微細
粒鋼に関し、更には強度−靭性バランスに優れ、且つ均
一延性および延性に優れた低C−Mn系超微細粒鋼に関
するものである。尚、本発明では、引張試験における最
大荷重までの均一伸びを指標とした特性を「均一延性」
とし、試験片破断に至るまでの全伸びを指標とした特性
を「延性」ということとする。
【0002】
【従来の技術】金属組織におけるフェライト(以下、α
と示す)の結晶粒を微細化することによって、鋼の強度
および靭性を同時に高めることができることから、αの
結晶粒を微細化する技術がこれまで進められてきた。と
ころがαの結晶粒径が小さくなるに従い、強度−靭性バ
ランスが良くなる一方で、降伏比が上昇し、細粒化によ
る局所延性の向上以上に急激な均一延性の劣化が生ずる
という問題がある。この様な状況から、従来では、均一
延性を確保するためαの結晶粒径を5μm程度とするに
とどまっていた。
【0003】従って、αの結晶粒径が3.0μm以下の
超微細領域においては、優れた強度−靭性バランスを確
保することができるにもかかわらず、上述の様に均一延
性の急激な劣化が生じて、延性も劣化してしまうことと
なるため、この様な超微細粒鋼は、強度および靭性とと
もに成形性が要求される部位では実用化に至っていない
というのが現状である。
【0004】近年では、主相をαとし、第2相をパーラ
イトまたはセメンタイトとしてこの第2相の体積率を増
加することで、強度−延性バランスを高めることができ
たとの報告もなされているが、αの結晶粒径が3.0μ
m以下の超微細粒領域を対象とするものではない。
【0005】特開昭55−122821号には、主相を
αとし、第2相をマルテンサイト(以下、α’と示す)
とすることで、低降伏比で延性に優れた鋼を得ることが
できたことが開示されている。しかしながらここでは、
本発明で対象としている様な、降伏比が上昇して延性が
急激に劣化する結晶粒超微細領域についてまでは検討し
ていない。
【0006】また従来より、αの結晶粒径が10μm近
辺では、α’を導入することで均一延性を向上できるこ
とについて知られているが、αの結晶粒径が3μm以下
の超微細結晶粒の領域で、α’が有効に働くという知見
は得られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な事情
に鑑みてなされたものであって、強度−靭性バランスに
優れ、更に均一延性、または均一延性および延性に優れ
た低C−Mn系超微細粒鋼を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る低C−Mn
系超微細粒鋼とは、質量%で、C:0.03〜0.25
%、Mn:1.0〜3.0%を満たす鋼であって、αの
平均粒径が3.0μm以下、α’の平均粒径が10.0
μm以下、更にα’の体積率が15〜23%であること
を要旨とするものである(以下、本発明1ということが
ある)。この様な超微細粒鋼を製造するに当たっては、
熱間圧延に際して、まず900〜1000℃に加熱した
後、800〜675℃の温度範囲内で、パス数:3以
下、かつ累積圧下率:87%以上の熱間圧延を行い、そ
の直後に急冷を行うようにすればよい。
【0009】また、本発明の超微細粒鋼は、C:0.0
3〜0.25%、Mn:1.0〜3.0%を満たす鋼で
あって、αの平均粒径が3.0μm以下、α’の平均粒
径が5.0μm以下、更にα’の体積率が15〜23%
であることを要旨とするものでもある(以下、本発明2
ということがある)。この様な超微細粒鋼を製造するに
当たっては、熱間圧延に際して、まず900〜1000
℃に加熱した後、800〜675℃の温度範囲内で、パ
ス数:3以下、うち少なくとも1パスが圧下率87%以
上である熱間圧延を行い、その直後に急冷を行うように
すればよい。
【0010】本発明の超微細粒鋼は、更にTiおよび/
またはNbを合計で0.005〜0.07%含むもので
あることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前述した様な状況
の下で、優れた強度−靭性バランスを有すると共に、優
れた均一延性、あるいは均一延性および延性を発揮する
超微細粒鋼の実現を目指して鋭意研究を進めた。その結
果、低C−Mn系鋼にてαの結晶粒径を微細化するとと
もに、第2相として平均粒径および体積率を制御した
α’を生成すれば、良好な強度−靭性バランスを確保す
ることができるとともに、超微細粒鋼の課題である均一
延性の向上、あるいは均一延性および延性の向上を達成
できることを突き止めた。そして前記α’の平均粒径お
よび体積率が、均一延性や延性に及ぼす定量的作用効
果、および本発明の様な組織を得るための製造方法につ
いて追求を重ねた結果、本発明に想到したのである。
【0012】以下、強度と靭性とのバランスが良好であ
って、更に均一延性にも優れた超微細粒鋼、あるいは強
度と靭性とのバランスが良好であって、更に均一延性お
よび延性にも優れた超微細粒鋼を得るために、本発明で
金属組織や化学成分、製造条件等の要件を定めた理由に
ついて詳細に述べる。
【0013】まず金属組織についてであるが、本発明で
は、優れた強度−靭性バランスを確保するためにαを平
均粒径3.0μm以下の超微細粒とした場合であって
も、平均粒径および体積率を本発明の如く制御したα’
を第2相とすれば、強度−靭性バランスのみならず、均
一延性にも優れた鋼、あるいは均一延性および延性にも
優れた鋼が得られることを見出した。
【0014】即ち本発明では、第2相であるα’の平均
粒径を特に10μm以下とし、かつ体積率を15〜23
%の範囲内にすれば、超微細粒鋼において有効に均一延
性を向上できることが分かった。更に、このα’の粒径
を5μm以下とすることで、均一延性だけでなく延性も
高めることができたのである。この様に均一延性、更に
は延性を向上させることができた理由の詳細は不明であ
るが、後記実施例に示す如く、優れた均一延性を確保す
るにはα’の平均粒径を10μm以下、均一延性に加え
て延性を確保するには5μm以下とする必要がある。
【0015】またα’の体積率が大きくなるほど、均一
延性,延性の改善効果が有効に発揮されることからα’
の体積率は15%以上とする。しかしながら、α’の体
積率が高すぎても、強度のみが高まって延性や均一延性
が劣化し、強度−延性バランスが崩れることとなるの
で、α’の体積率は23%以下、好ましくは20%以下
とする。
【0016】尚、前記強度−靭性バランスをより優れた
ものとするには、αの平均粒径を1μm以下とすること
が好ましい。
【0017】次に本発明で化学成分を規定した理由につ
いて述べる。
【0018】C:0.03〜0.25% 本発明の場合、鋼中C量と加熱温度によってα+γ(オ
ーステナイト)域まで加熱した時のγ生成量が決まり、
これが冷却後に生成するα’の体積率にも影響する。従
って、本発明で規定する量のα’を確保するには、Cを
0.03%以上添加することが必要であり、好ましくは
0.05%以上である。しかし過剰に添加すると、α’
生成量が多くなり過ぎて強度のみが高まり、均一延性や
延性の劣化を引き起こすこととなるので、C含有量を
0.25%以下、好ましくは0.20%以下に抑える。
【0019】Mn:1.0〜3.0% 本発明で規定するα’量を確保するには、Mnを1.0
%以上添加して焼入れ性を高める必要がある。しかしな
がら、過剰に添加して焼入れ性を高めすぎると、均一延
性や延性の発現に有効なポリゴナルフェライトが生成し
難くなり、代わりに硬質のベイナイト(ベイニティック
フェライト)が生成して均一延性や延性の向上を妨げる
こととなるので、Mn含有量は3.0%以下、好ましく
は2.0%以下に抑える必要がある。
【0020】本発明における代表的な化学成分組成は以
上の通りであるが、必要によってはTiおよび/または
Nbを添加して、次の様な改善効果を得ることも有効で
ある。即ち、Ti,Nbは、γの回復・再結晶を抑制す
るのに有効な元素であることから、合計で0.005%
以上添加することが好ましく、より好ましくは合計で
0.01%以上である。しかしながら、これらTi,N
bの添加量が多すぎると、TiC,NbCが析出して析
出強化が生じ、延性を劣化させることとなるので、合計
で0.07%以下とすることが好ましく、より好ましく
は合計で0.05%以下である。
【0021】尚、本発明鋼中に含まれる元素について
は、上記説明したものの他、原料、資材、製造設備等の
状況によって持ち込まれる不可避不純物、更には、前記
本発明の作用に悪影響を与えない範囲で他の元素を積極
的に含有させることも可能である。積極添加が許容され
る他の元素の例としては、α’を安定的に生成して強度
−均一延性バランスや強度―延性バランスを改善するの
に有効なSiや、Mnと同様に焼入れ性を高める効果を
有するCr,Mo,Cu,Ni,Bが挙げられる。また
Ti,Nbの様にγの回復・再結晶を抑制する元素とし
てV,Zr等が挙げられる。
【0022】次に、本発明の超微細粒鋼を製造する有効
な方法について述べる。
【0023】良好な強度−靭性バランスに加えて、優れ
た均一延性を発揮しうる金属組織を得るには、熱間圧延
を行うに際して、まず900〜1000℃に加熱し、次
に800〜675℃の温度範囲内で、パス数:3以下、
かつ累積圧下率:87%以上にて熱間圧延し、その直後
に急冷を行うようにすればよい。
【0024】前記熱間圧延を行うにあたって加熱する際
の温度が低すぎると、圧延前にα+γの2相となり、圧
延前の焼入れ性が不足して圧延後の組織にα’が残存し
なくなるため、前記加熱温度は900℃以上、好ましく
は925℃以上とする必要がある。一方、前記加熱温度
が高すぎてもγ粒径が粗大化し、圧延しても組織が十分
に微細化しなくなると共にα’も生成し難くなることか
ら、前記加熱温度は1000℃以下、好ましくは975
℃以下とする。
【0025】また熱間圧延開始温度が低すぎると、前記
加熱で生成したγが圧延中にパーライトやセメンタイト
に変態してしまい、α’が残存し難くなると共にα’の
微細化も困難となることから、圧延開始温度は675℃
以上、好ましくは700℃以上で行う必要がある。一
方、圧延開始温度が高すぎても、圧延によって導入され
る歪みが急速に回復して組織の微細化が進まないので、
800℃以下、好ましくは750℃以下で行うこととす
る。
【0026】熱間圧延は、パス数を3以下、好ましくは
2以下とし、かつ累積圧下率を87%以上、好ましくは
93%以上とすれば、本発明の如く微細なαおよびα’
が得られるのである。
【0027】本発明者らは、均一延性のみならず延性も
高めることについて検討した結果、特に、前記熱間圧延
をパス数3以下、かつその内の1パスを圧下率:87%
以上で行うことが有効であることが分かった。この様に
1パスを圧下率87%以上で行うことによって、α’が
微細分散することから、均一延性のみならず延性も向上
できるものと考えられる。
【0028】本発明の超微細粒鋼を製造するにあたって
は、上記熱間圧延後の冷却を急冷とする必要がある。前
記冷却が徐冷の場合には、セメンタイトやパーライトが
生成し、本発明で規定する平均粒径および体積率を満た
す様なα’が得られないからである。急冷は水冷で行う
ことが好ましく、その他、オイル急冷を行うことも考え
られる。
【0029】尚、本発明は、その他の製造条件を特定す
るものではなく、本発明で規定する元素を含有する鋼を
用い、本発明で規定する様な方法で熱間圧延を行えば、
良好な強度および靭性に加えて、優れた均一延性、ある
いは優れた均一延性および延性を発揮することのできる
金属組織が得られるのである。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範
囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、そ
れらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。即ち、
下記実施例では、最終製品として形状が鋼板のものを製
造しているが、本発明は、最終製品の形状まで限定する
ものではなく、鋼板の他、線材、棒鋼、型鋼であっても
よい。
【0031】<実施例1>C:0.17%,Si:0.
44%,Mn:1.3%,Nb:0.015%,および
Ti:0.01%を含む鋼材を転炉にて溶製し、50mm
×50mm×300mmのスラブにした。得られたスラブを
用い、熱間圧延を表1に示す加熱温度、圧延開始温度、
パススケジュールで行った。圧延直後に水焼入れ(W
Q)を行い鋼板を得た。
【0032】得られた鋼板の機械的性質は、板厚2mm
の試験片で引張試験を行って測定した。金属組織は、1
/4t部位のSEM写真(倍率:1000倍)を3枚撮
影し、画像解析によりαの平均粒径、α’の体積率およ
び平均粒径を求めた。これらの結果を一括して表1に示
す。
【0033】
【表1】
【0034】表1に示す実験結果より、No.3および
7は、本発明1および本発明2のいずれの要件も満たす
ものであり、強度−均一延性バランスのみならず、強度
−延性バランスにも優れていることが分かる。またN
o.6は、本発明1の要件を満たしていることから、強
度−均一延性バランスに優れていることが分かる。
【0035】これに対し、No.1,2,4,5および
8〜12は、本発明のいずれの要件も満足するものでは
ないので、強度−均一延性バランスおよび強度−延性バ
ランスのどちらも好ましくないものが得られた。この様
な結果となった理由として、No.1,2および5で
は、熱間圧延における累積圧下率が87%以上でなかっ
たことから、平均粒径の大きすぎるα’が多量に又は少
量生成したことが挙げられる。No.10では、熱間圧
延に際して行う加熱を低温で行ったためα’を生成させ
ることができなかったこと、No.12では、前記加熱
温度が高すぎたためにαが粗大化し、かつα’が生成し
なかったことが理由として挙げられる。またNo.4で
は、熱間圧延開始温度が低すぎたので、規定範囲を超え
る平均粒径のα’が少量生成したこと、No.11では
熱間圧延開始温度が高すぎたために規定範囲を超える平
均粒径のα’が多量に生成したこと、更にNo.8およ
び9では、熱間圧延時のパス数が3を超えたのでα’が
生成しなかったことが、強度−均一延性バランスや強度
−延性バランスに劣ることとなった理由に挙げられる。
【0036】<実施例2>次に、化学成分を変化させた
場合の影響を調べた。表2に示す各成分の鋼材を150
kVIF(真空誘導溶解炉)で溶製して50mm×50mm
×300mmのスラブを得た。得られたスラブを950℃
に加熱した後、熱間圧延を、圧延開始温度700℃、パ
ス数2、累積圧下率95%の条件で行い、直後に水焼入
れ(WQ)を行って最終板厚が2.5mmの鋼板を得
た。得られた鋼板の機械的特性を前記実施例1と同様の
方法で測定した。その結果を表2に併記する。尚、N
o.20では、鋼の組織がベイナイト組織になったこと
から、前記機械的特性を測定しなかった。
【0037】
【表2】
【0038】表2に示す実験結果より、No.17〜1
9および21は、本発明の要件を満たす鋼であり、N
o.17は強度−均一延性バランスに優れ、No.1
8,19および21は、強度−均一延性バランス、およ
び強度−延性バランスともに優れていることが分かる。
【0039】これに対し、No.13〜16は、本発明
の要件を満足するものではないため、強度−均一延性バ
ランス、および強度−延性バランスのどちらも好ましく
ないものとなった。その理由として、No.13ではC
含有量が少なすぎたことから、規定する体積率を満足す
るだけのα’を確保することができなかったこと、N
o.14では、C含有量が過剰であるため平均粒径の大
きすぎるα’が多量に生成したことが挙げられる。
【0040】No.15および16では、Ti,Nb量
が多過ぎたためにTiC,NbCが析出し、結果として
No.15ではα’の体積率が減少し、No.16では
α’の体積率が減少すると共にα’の平均粒径が粗大化
して、延性が劣化することとなった。
【0041】またNo.20では、Mn含有量が過剰で
あることから焼入れ性が高まりすぎてベイナイトが生成
し、本発明で規定する様なαおよびα’が生成されなか
った。
【0042】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、規
定する化学成分を満たす鋼を用い、本発明で規定する方
法で製造して鋼の組織を適切に調整することによって、
強度−靭性バランスに優れ、更に均一延性、あるいは均
一延性および延性にも優れた超微細粒鋼を実現すること
ができた。そして、こうした鋼材の実現により、複雑な
成形加工を要する自動車の車体等に活用できることとな
った他、建築、電機、機械分野における複雑な部品等に
も有効に活用し得ることとなった。
フロントページの続き (71)出願人 000002118 住友金属工業株式会社 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 (71)出願人 000001199 株式会社神戸製鋼所 兵庫県神戸市中央区脇浜町二丁目10番26号 (72)発明者 藤岡 政昭 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社研究所内 (72)発明者 丸田 慶一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 横田 智之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社技術開発本部内 (72)発明者 足立 吉隆 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 槙井 浩一 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 野村 正裕 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 難波 茂信 神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会 社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 枩倉 功和 大阪市中央区備後町4丁目1番3号 株式 会社神戸製鋼所大阪支社内 Fターム(参考) 4K037 EA05 EA06 EA15 EA16 EA19 EA31 FA01 FB05 FC02 FC03 JA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で(以下同じ)、C:0.03〜
    0.25%、Mn:1.0〜3.0%を満たす鋼であっ
    て、αの平均粒径が3.0μm以下、α’の平均粒径が
    10.0μm以下、更にα’の体積率が15〜23%で
    あることを特徴とする低C−Mn系超微細粒鋼。
  2. 【請求項2】 C:0.03〜0.25%、Mn:1.
    0〜3.0%を満たす鋼であって、αの平均粒径が3.
    0μm以下、α’の平均粒径が5.0μm以下、更に
    α’の体積率が15〜23%であることを特徴とする低
    C−Mn系超微細粒鋼。
  3. 【請求項3】 更にTiおよび/またはNbを合計で
    0.005〜0.07%含む請求項1または2に記載の
    低C−Mn系超微細粒鋼。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の超微細粒鋼を製造する
    に当たり、熱間圧延に際してまず900〜1000℃に
    加熱した後、800〜675℃の温度範囲内でパス数:
    3以下、かつ累積圧下率:87%以上の熱間圧延を行
    い、その直後に急冷することを特徴とする低C−Mn系
    超微細粒鋼の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の超微細粒鋼を製造する
    に当たり、熱間圧延に際してまず900〜1000℃に
    加熱した後、800〜675℃の温度範囲内でパス数:
    3以下、うち少なくとも1パスが圧下率87%以上であ
    る熱間圧延を行い、その直後に急冷することを特徴とす
    る低C−Mn系超微細粒鋼の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020155197A1 (zh) * 2019-01-31 2020-08-06 东北大学 一种梯度超细晶结构低碳微合金钢及其制备方法

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