JP2002220532A - 耐熱性シリコーンゴム組成物及び硬化して得られる成形体 - Google Patents

耐熱性シリコーンゴム組成物及び硬化して得られる成形体

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JP2002220532A
JP2002220532A JP2001016697A JP2001016697A JP2002220532A JP 2002220532 A JP2002220532 A JP 2002220532A JP 2001016697 A JP2001016697 A JP 2001016697A JP 2001016697 A JP2001016697 A JP 2001016697A JP 2002220532 A JP2002220532 A JP 2002220532A
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silicone rubber
rubber composition
heat
weight
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Masato Kamiya
正人 神谷
Kozo Ninomiya
浩三 二宮
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Wacker Asahikasei Silicone Co Ltd
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Wacker Asahikasei Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱硬化物が高温に長時間曝されても実用的
な機械特性が保持され、かつ耐圧縮永久ひずみ性も優れ
る加熱硬化型シリコーンゴムを与える耐熱性シリコーン
ゴム組成物並びに該耐熱性シリコーンゴム組成物を硬化
して得た成形体を提供する。 【解決手段】 (A)シリコーンゴム組成物100重量
部に、(B)特定のイソインドリノン系化合物0.01
〜1.0重量部、(C)酸化鉄0.2〜5.0重量部を
配合した耐熱性シリコーンゴム組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温に長時間曝さ
れても実用的な機械特性が保持され、かつ耐圧縮永久ひ
ずみ性も優れる加熱硬化型シリコーンゴムを与える耐熱
性シリコーンゴム組成物並びに該耐熱性シリコーンゴム
組成物を硬化して得た成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコーンゴム製品は本来一般の樹脂に
比べ優れた耐熱性を有するため各種用途で広範に使用さ
れているが、それでも250℃を超えるような高温に長
時間曝されるとゴム弾性の劣化が発生してしまう。そこ
で、その様な高温にも耐えられるようにするため、耐熱
性向上剤の使用が検討されてきた。
【0003】例えば、三二酸化鉄と粉末石英、溶融石英
又は混合物を付加反応硬化型シリコーンゴムに配合する
ことが提案(特公昭63−52060号公報)されてい
るが、この方法では三二酸化鉄を20〜300重量部、
粉末石英、溶融石英又は混合物を10〜200重量部と
多量に配合しなければ目的とする耐熱性向上が発現され
ず、しかも、硬化物の機械的強度が低下してしまうとい
う欠点があった。
【0004】さらに、酸化鉄単独を耐熱向上剤とするも
のとして、弾性体ロールの外周表面に酸化鉄を配合した
有機過酸化物硬化型のシリコーンゴム層を設ける弾性体
ロールについての提案(特公平2−60888号公報)
もあるが、前記提案と同様にやはり酸化鉄を5〜100
重量部と多く配合しなければ耐熱性が不十分であった。
【0005】また、シリコーンゴムの有機顔料として、
例えばイソインドリノンを使用する提案(特許公報第2
504649号、特開平11−203913号公報)も
されているが、熱履歴によって顔料が変退色しないこと
は開示されているものの、長期間高温に曝された場合の
硬化物の機械特性の変化については何ら言及されていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みなされたもので、加熱硬化物が高温に長時間曝されて
も実用的な機械特性が保持され、かつ耐圧縮永久ひずみ
性が優れる加熱硬化型シリコーンゴムを与える耐熱性シ
リコーンゴム組成物、並びに該耐熱性シリコーンゴム組
成物を硬化して得た成形体を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため鋭意検討を重ねた結果、有機過酸化物硬化
型又は付加反応硬化型シリコーンゴム組成物に、少量の
特定のイソインドリノン系化合物と従来公知の配合量よ
り少ない量の酸化鉄とを組み合わせることによって、シ
リコーンゴム硬化物の機械特性を低下させることなく、
耐熱性が大幅に向上すると共に、耐圧縮永久ひずみ性も
改善されることを見出し、本発明を完成するにいたっ
た。
【0008】すなわち、本発明は(A)シリコーンゴム
組成物100重量部に、(B)下記一般式(1)、
【化3】 及び/又は、下記一般式(2)、
【化4】 (式(1)及び(2)中のRはメチル基又は水素原子で
ある)で示されるイソインドリノン系化合物0.01〜
1.0重量部、(C)酸化鉄0.2〜5.0重量部を配
合してなる耐熱性シリコーンゴム組成物及び該組成物を
硬化して得た成形体を提供するものである。
【0009】以下、本発明について詳細に説明する。な
お、本発明の耐熱性シリコーンゴム組成物を加熱硬化す
る手段は、有機過酸化物硬化又は付加反応硬化が挙げら
れる。
【0010】有機過酸化物硬化型の場合;(A)成分の
シリコーンゴム組成物は、通常使用されているものであ
れば特に限定はなく、下記一般式(3)、 R1 aSiO(4-a)/2 (3) (式(3)中のR1は同一又は異なる、置換又は非置換
の一価炭化水素基であり、aは1.9〜2.4の正数で
ある。)で示されるポリオルガノシロキサンとシリカ微
粉末、有機過酸化物を主成分にして構成されたものが用
いられる。
【0011】上記式(3)のポリオルガノシロキサンに
おいて、R1は、好ましくは炭素数1〜12の置換又は
非置換の一価炭化水素基であり、具体的にはメチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペ
ンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等
のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、
シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、ビニル基、ア
リル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル
基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル
基等のアルケニル基、
【0012】フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフ
ェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フ
ェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル
基等のアラルキル基や、これらの炭化水素基中の水素原
子の一部又は全部がハロゲン原子、シアノ基などによっ
て置換されたクロロメチル基、2−ブロモエチル基、
3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロ
ピル基、シアノエチル基等のハロゲン置換アルキル基や
シアノ置換アルキル基などが挙げられる。
【0013】特に好ましいR1はメチル基、ビニル基、
フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基であ
る。また、全R1中の70モル%以上がメチル基である
ことが好ましく、特に好ましくは90モル%以上であ
る。メチル基が70モル%より少ない場合には、耐候性
などが損なわれるという欠点がある。
【0014】上記式(3)において、aは1.9〜2.
4、好ましくは1.98〜2.05の正数であり、この
ポリオルガノシロキサンは直鎖状であっても、分岐状で
あってもよいが、通常は、直鎖状のポリジオルガノシロ
キサンである。このポリオルガノシロキサンは当業者に
とって公知の方法によって製造される。
【0015】また、上記式(3)の単位からなるポリオ
ルガノシロキサンは低粘度液体又は高粘度のペースト状
物質であり、25℃における粘度が0.1Pa・s〜5
00,000Pa・sを有することが好ましく、特に好
ましいのは粘度50Pa・s〜100,000Pa・s
である。さらに、前記で特性付けした種々異なるポリオ
ルガノシロキサンの混合物を使用することもできる。
【0016】シリカ微粉末は、その種類に特に限定はな
く、従来のシリコーンゴム組成物に使用されているもの
を使用できる。このようなシリカ微粉末としては、BE
T法による表面積が少なくとも50m2/g以上が必須
であり、特に50〜400m2/gの沈澱シリカ、ヒュ
ームドシリカ、焼成シリカや、平均粒径が50μm以
下、特に0.1〜20μmの粉砕石英、珪藻土などが好
適に使用される。なお、これらのシリカ微粉末はそのま
ま用いてもよいが、オルガノシロキサン又はステアリン
酸で処理することにより、又はヒドロキシル基をアルコ
キシ基にエーテル化することにより、疎水化されていて
もよい。
【0017】シリカ微粉末の配合量は、ポリオルガノシ
ロキサン100重量部に対して1〜100重量部が好適
であり、1部未満では機械的強度が弱く、100重量部
を超えると作業性が悪くなる。好ましくは2〜50重量
部の範囲である。
【0018】有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物
を硬化するための有機過酸化物は、上記ポリオルガノシ
ロキサンの架橋反応を促進するための触媒として使用さ
れるものであり、通常の有機過酸化物硬化型ポリオルガ
ノシロキサン組成物に使用されるものである。
【0019】好適な有機過酸化物の例としては、ベンゾ
イルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパー
オキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o
−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミル
パーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t
−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシカルボキシ)ヘキサンが好まし
い。また、異なる有機過酸化物の混合物を使用すること
もできる。
【0020】有機過酸化物の添加量は触媒量であり、硬
化速度に応じて適宜選択することができるが、通常は
(A)成分のシリコーンゴム組成物100重量部に対し
て0.1〜10重量部、好ましくは0.4〜2.0重量
部、特に好ましいのは0.7〜1.5重量部の範囲であ
る。
【0021】付加反応硬化型の場合;(A)成分のシリ
コーンゴム組成物は、通常使用されているものであれば
特に限定はなく、下記一般式(4)、 R2 bSiO(4- b )/2 (4) (式(4)中のR2は同一又は異なる、置換又は非置換
の一価炭化水素基を表し、R2の0.01〜10モル%
はアルケニル基であり、bは1.9〜2.4の正数であ
る。)で示されるアルケニル基含有ポリオルガノシロキ
サンと、
【0022】下記一般式(5)、 R3 cdSiO(4- c - d )/2 (5) (式(5)中のR3は同一又は異なる、置換又は非置換
の一価炭化水素基である。また、cは0.7〜2.1、
dは0.001〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.
0である。)で示される、1分子中に少なくとも2個の
ケイ素原子に結合した水素原子を有する常温で液体のポ
リオルガノハイドロジェンシロキサン、シリカ微粉末、
ヒドロシリル化触媒を主成分にして構成されたものが用
いられる。
【0023】上記式(4)のポリオルガノシロキサンに
おいて、R2は、好ましくは炭素数1〜12の置換又は
非置換の一価炭化水素基であり、具体的にはメチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イ
ソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペ
ンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチ
ル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等
のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、
シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、ビニル基、ア
リル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル
基、イソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル
基等のアルケニル基、
【0024】フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフ
ェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フ
ェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル
基等のアラルキル基や、これらの炭化水素基中の水素原
子の一部又は全部がハロゲン原子、シアノ基などによっ
て置換されたクロロメチル基、2−ブロモエチル基、
3,3,3−トリフルオロプロピル基、3−クロロプロ
ピル基、シアノエチル基等のハロゲン置換アルキル基や
シアノ置換アルキル基などが挙げられる。特に好ましい
2はメチル基、ビニル基、フェニル基、3,3,3−
トリフルオロプロピル基である。
【0025】なお、アルケニル基含有ポリオルガノシロ
キサンは、全R2中の0.01〜10モル%がアルケニ
ル基、好ましくは0.02〜2モル%がアルケニル基で
あり、1分子中に少なくとも平均2個のアルケニル基を
含むことが必要である。このアルケニル基は、分子鎖末
端のケイ素原子あるいは分子鎖途中のケイ素原子のいず
れに結合したものであっても、あるいはこの両方に結合
したものであってもよいが、シリコーンゴム硬化物の物
性等の点から少なくとも分子鎖両末端のケイ素原子に結
合したアルケニル基を有するものであることが好まし
い。
【0026】また、全R2中の70〜99.99モル%
がメチル基であることが好ましく、特に好ましくは90
〜99.98モル%である。メチル基が70モル%より
少ない場合には、耐候性などが損なわれるという欠点が
ある。
【0027】上記式(4)において、aは1.9〜2.
4、好ましくは1.98〜2.05の正数であり、この
アルケニル基含有ポリオルガノシロキサンは直鎖状であ
っても、分岐状であってもよいが、通常は、直鎖状のポ
リジオルガノシロキサンである。このアルケニル基含有
ポリオルガノシロキサンは当業者にとって公知の方法に
よって製造される。
【0028】また、上記式(4)のアルケニル基含有ポ
リオルガノシロキサンは低粘度液体又は高粘度のペース
ト状物質であり、好ましい粘度は25℃において0.1
Pa・s〜500,000Pa・s、特に好ましい粘度
は25℃において1Pa・s〜100,000Pa・s
である。また、前記で特性付けした種々異なるアルケニ
ル基含有ポリオルガノシロキサンの混合物を使用するこ
ともできる。
【0029】上記式(5)のポリオルガノハイドロジェ
ンシロキサンにおいて、R3は同一又は異なる、置換又
は非置換の一価炭化水素基であり、具体的にはR1で例
示したものと同じものであるが、脂肪族不飽和結合を有
しないものであることが好ましく、特にメチル基、フェ
ニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基であるこ
とが好ましい。bは0.7〜2.1、好ましくは0.9
〜2、cは0.001〜1.0、好ましくは0.01〜
1で、かつb+cは0.8〜3.0、好ましくは0.9
〜2.5である。
【0030】このポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ンは、架橋剤として作用するもので、1分子中に3個以
上のケイ素原子結合水素原子(SiH基)を含有するも
のが好ましい。1分子中にSiH基を2個有するポリオ
ルガノハイドロジェンシロキサンを使用する場合には、
1分子中に少なくとも3個のアルケニル基を有するアル
ケニル基含有ポリオルガノシロキサンを使用することが
推奨される。このSiH基は分子鎖の末端、分子鎖途中
のいずれに位置するものであっても、また両方に位置す
るものであってもよい。また、1分子中のケイ素原子数
は3〜600個、好ましくは4〜200個である。
【0031】さらに、ポリオルガノハイドロジェンシロ
キサンの構造は線状、分岐状、環状又は網状であっても
よい。このポリオルガノハイドロジェンシロキサンは当
業者にとって公知の方法によって製造される。ポリオル
ガノハイドロジェンシロキサンの配合量は、アルケニル
基含有ポリオルガノシロキサン中のケイ素原子に結合し
たアルケニル基に対するポリオルガノハイドロジェンシ
ロキサン中のSiH基のモル比が0.5〜5.0、好ま
しくは1.0〜3.0になる量である。
【0032】付加反応硬化型シリコーンゴム組成物を硬
化するためのヒドロシリル化触媒としては通常使用され
るものであり、金属及びその化合物としては、例えば、
白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、及びイリジ
ウム、有利には白金を使用することができる。金属は場
合により微粒子状の担体材料(例えば、活性炭、酸化ア
ルミニウム、酸化ケイ素)に固定する。ヒドロシリル化
触媒としては、白金及び白金化合物を使用することが好
ましい。
【0033】白金化合物としては、白金ハロゲン化物
(例えば、PtCl4、H2PtCl4・6H2O、Na2
PtCl4・4H2O、H2PtCl4・6H2Oとシクロ
ヘキサンからなる反応生成物)、白金−オレフィン錯
体、白金−アルコール錯体、白金−アルコラート錯体、
白金−エーテル錯体、白金−アルデヒド錯体、白金−ケ
トン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、白金
−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジ
シロキサン錯体、ビス−(γ−ピコリン)−白金ジクロ
ライド、トリメチレンジピリジン−白金ジクロライド、
ジシクロペンタジエン−白金ジクロライド、シクロオク
ダジエン−白金ジクロライド、シクロペンタジエン−白
金ジクロライド)が挙げられる。
【0034】また、ヒドロシリル化触媒はマイクロカプ
セル化した形で使用することもでき、この場合触媒を含
有し、かつポリオルガノシロキサン中に不溶の微粒子固
体は、例えば、熱可塑性樹脂(例えば、ポリエステル樹
脂又はシリコーン樹脂)である。また、ヒドロシリル化
触媒は包接化合物の形で、例えば、シクロデキストリン
内で使用することも可能である。ヒドロシリル化触媒の
添加量は触媒量であり、白金触媒を使用する場合、シリ
コーンゴム組成物中の白金金属として0.1〜500p
pm、特に10〜100ppmの範囲である。
【0035】なお、シリカ微粉末は有機過酸化物硬化の
場合と同様である。また、本発明の付加反応硬化型シリ
コーンゴム組成物には、上記主成分以外に任意成分とし
てエチニルシクロヘキサノール等のアセチレンアルコー
ル化合物などの付加反応制御剤等を本発明の効果を妨げ
ない範囲で添加することができる。
【0036】(B)成分として用いられるイソインドリ
ノン系化合物は、本発明の効果を発現するための必須成
分であり、イソインドリノン骨格を有する下記一般式
(1)及び下記一般式(2)で表される。
【0037】
【化5】
【0038】
【化6】 (式(1)及び(2)中のRはメチル基又は水素原子で
ある)
【0039】さらに、より好ましくは、上記2種のイソ
インドリノン系化合物のうち、前者の一般式(1)のも
のであり、特に好ましいのは上記一般式(1)のRが水
素原子である下記一般式(6)のイソインドリノンエロ
ーレデッシュ(C.I.Pigment Yellow
110)である。
【化7】
【0040】(B)成分の配合量は、(A)成分100
重量部に対して0.01〜1.0重量部である。0.0
1重量部未満では十分な耐熱性向上が得られず、1.0
重量部を超えても更なる耐熱性向上が発現されない。
(B)成分の好ましい配合量は0.01〜0.5重量部
の範囲であり、特に好ましいのは0.02〜0.3重量
部である。また、イソインドリノン系化合物は単独でも
数種類を組み合わせて使用してもよい。
【0041】(C)成分として用いられる酸化鉄は、本
発明の効果を発現するための必須成分であり、酸化第一
鉄、酸化第二鉄、及び酸化第一鉄と酸化第二鉄の混合物
であるが、一般にべんがらと称されるα−Fe23を主
成分とする酸化第二鉄が好ましい。触媒量のイソインド
リノン系化合物と酸化鉄を併用することによって、耐熱
性が大幅に向上する。
【0042】なお、酸化鉄の粒子径は50μm以下の微
粉末状が好ましい。酸化鉄の配合量は、(A)成分10
0重量部に対して0.2〜5.0重量部である。0.2
重量部未満では十分な耐熱性向上が得られず、5.0重
量部を超えると引張強度が低下する。(C)成分の好ま
しい配合量は0.2〜2.0重量部の範囲であり、特に
好ましいのは0.2〜1.0重量部の範囲である。
【0043】本発明の有機過酸化物硬化型シリコーンゴ
ム組成物及び付加反応硬化型シリコーンゴム組成物に
は、上記した成分以外にフリーのシリコーンオイル、例
えば、直鎖状のジメチルポリシロキサン、水酸基含有ジ
メチルポリシロキサン、直鎖状のメチルフェニルポリシ
ロキサンを添加することができ、また目的に応じて各種
の添加剤、例えば、カーボンブラック、難燃剤、可塑剤
などを添加してもよい。なお、これら任意成分の添加量
は、本発明の効果を妨げない範囲の量である。
【0044】本発明のシリコーンゴム組成物は、例え
ば、プラネタリーミキサー、練りロール機、密閉式混合
機(ニーダー等)等でイソインドリノン系化合物や硬化
剤を混合して硬化成形することができる。成形方法は、
混合物の粘度により自由に選択することができ、注入成
形、圧縮成形、射出成形、押出成形、トランスファー成
形等いずれの方法を採用してもよい。本発明のシリコー
ンゴム組成物の硬化条件は、通常80〜200℃で5秒
〜3時間加熱する条件である。
【0045】このようにして成形された本発明の有機過
酸化物硬化型又は付加反応硬化型シリコーンゴム組成物
の成形体は、高温に長時間曝されても実用的な機械特性
が保持され、かつ耐圧縮永久歪み性も優れるという特性
を有することから、工業的価値は極めて高い。
【0046】本発明組成物の成形体は、例えばOAロー
ル、PPCロールなどの各種ロール用途、高温絶縁用電
線、耐火電線などの電線用途及び電線付属部品用途、コ
ネクターシール、ワイヤーシール、オイルシール、シリ
ンダーヘッドガスケット、Oリング、スパークプラグブ
ーツ、イグニッションケーブルなどの自動車部品用途や
耐熱ホースなどの耐熱性部品に好適に使用され、更にそ
の優れた耐圧縮永久歪み性を生かして、建築用ガスケッ
トやその他分野の各種シール材に好適に使用される。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明の実施
の形態を具体的に説明するが、本発明は実施例に制限さ
れるものではない。
【0048】
【実施例】実施例1 有機過酸化物硬化型シリコーンゴム組成物であるワツカ
ー ケミー ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテ
ル ハフツング製品「ELASTOSIL〈登録商標〉
R401/50S」100重量部にイソインドリノン
エローレデッシュ0.22重量部、酸化第二鉄0.25
重量部と有機過酸化物ビス−(4−メチルベンゾイル)
−パーオキサイド0.6重量部を練りロール機で均一に
分散させ、120℃で10分間プレス硬化した後、20
0℃で4時間循環式加熱オーブンで硬化して厚さ約2m
mのシートを作製した。硬化物の硬さ(タイプAデュロ
メータ)、引張試験、老化試験をJIS K6249に
従って測定し、その結果を表1に示した。
【0049】実施例2 酸化第二鉄を0.25重量部から0.5重量部にする以
外は実施例1と同様にして試験片を作製し、試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0050】比較例1 実施例1で用いたイソインドリノンエローレデッシュと
酸化第二鉄を使用しない以外は実施例1と同様にして試
験片を作製し、試験を行った。結果を表1に示す。
【0051】比較例2 実施例1で用いたイソインドリノンエローレデッシュを
使用しない以外は実施例2と同様にして試験片を作製
し、試験を行った。結果を表1に示す。
【0052】実施例3 付加反応硬化型シリコーンゴム組成物であるワツカー
ケミー ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル
ハフツング製品「ELASTOSIL〈登録商標〉 L
R3003/60」の白金触媒を含有するAコンポーネ
ント50重量部とポリオルガノハイドロジェンシロキサ
ンを含有するBコンポーネント50重量部と実施例1で
用いたイソインドリノンエローレデッシュ0.04重量
部と酸化第二鉄0.26重量部を均一に混合し、170
℃で5分間プレス硬化した後、200℃で4時間循環式
加熱オーブンで硬化して厚さ約2mmのシートと圧縮永
久ひずみ測定用の試験片(直径約29mm、厚さ約1
2.5mm)を作製した。硬化物の硬さ(タイプAデュ
ロメータ)、引張試験、老化試験、圧縮永久ひずみ試験
をJIS K6249に従って測定し、その結果を表2
に示した。
【0053】比較例3 実施例3で用いたイソインドリノンエローレデッシュと
酸化第二鉄を使用しない以外は実施例3と同様にして試
験片を作製し、試験を行った。結果を表2に示す。
【0054】比較例4 実施例3で用いたイソインドリノンエローレデッシュを
使用しない以外は実施例3と同様にして試験片を作製
し、試験を行った。結果を表2に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】本発明の耐熱性シリコーンゴム組成物は
高温に長時間曝されても実用的な機械特性が保持され、
かつ耐圧縮永久ひずみ性も優れる加熱硬化型シリコーン
ゴムを与えるので、耐熱性を必要とする種々の用途に極
めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA67 AB18 AC19 AE05 AF13 AF18 AF45 AH03 AH07 AH12 AH17 BB03 BB05 BB06 BC07 4J002 CP031 CP042 CP081 CP091 CP131 CP141 DE117 DJ018 EK039 EK049 EK059 EK069 EU026 FB238 FB268 FD018 FD066 FD067 FD142 FD149 FD150 GL00 GM00 GN00 GQ01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)シリコーンゴム組成物100重量
    部に、(B)下記一般式(1)、 【化1】 及び/又は、下記一般式(2)、 【化2】 (式(1)及び(2)中のRはメチル基又は水素原子で
    ある)で示されるイソインドリノン系化合物0.01〜
    1.0重量部、(C)酸化鉄0.2〜5.0重量部を配
    合してなる耐熱性シリコーンゴム組成物。
  2. 【請求項2】 (C)成分の酸化鉄が酸化第二鉄である
    請求項1記載の耐熱性シリコーンゴム組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1及び請求項2記載の耐熱性シリ
    コーンゴム組成物を硬化して得た成形体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006182902A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Mitsubishi Cable Ind Ltd 高耐熱性シリコーンゴム組成物
US20160247598A1 (en) * 2013-11-05 2016-08-25 Autonetworks Technologies, Ltd. Insulated wire

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